JPH06944B2 - 結晶質酸化アルミニウム薄膜の形成方法 - Google Patents

結晶質酸化アルミニウム薄膜の形成方法

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JPH06944B2
JPH06944B2 JP7145589A JP7145589A JPH06944B2 JP H06944 B2 JPH06944 B2 JP H06944B2 JP 7145589 A JP7145589 A JP 7145589A JP 7145589 A JP7145589 A JP 7145589A JP H06944 B2 JPH06944 B2 JP H06944B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、結晶質酸化アルミニウム薄膜の形成方法に関
する。
[従来の技術及び課題] 一般に、スパッタリングやイオンプレーティング又は金
属を蒸着しながら酸素ガスイオンを照射する方法等、い
わゆるPVD法により形成された酸化アルミニウム薄膜
の結晶形は、アモルファス状態であることがしられてい
る。このアモルファス相の酸化アルミニウムは、比較的
低温で耐食性、耐磨耗性、耐酸化性等の用途には適する
が、500℃付近でγの結晶形になることから、特性が一
定せず、しかもアモルファスからγに変態する際に収縮
を伴うことから、表面亀裂を生じることもある。その結
果、比較的高温雰囲気下に曝される状態での使用が困難
となる問題があった。
一方、熱CVD法によりα形の結晶質酸化アルミニウム
薄膜が得られることが知られている。しかしながら、か
かる方法では成膜時の温度が1000℃以上に加熱され、基
板の機械的特性を損なう問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたも
ので、基板への機械的特性劣化を招かない比較的低温に
て結晶質酸化アルミニウム薄膜を形成し得る方法を提供
しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、真空容器中で酸素雰囲気にてアルミニウムを
基板上に蒸着するか、もしくはアルミニウムを基板上に
蒸着しながら低エネルギーの酸素イオンビームを該基板
に照射するかいずれかにより前記基板上に酸化アルミニ
ウム薄膜を形成する方法において、成膜中もしくは成膜
後に原子番号5〜30までの元素から選ばれるいずれか一
つをイオン照射すると共に、該イオン照射時の加速電圧
値及び電流密度を前記基板の温度が100℃以上となるよ
うに選定することを特徴とする結晶質酸化アルミニウム
薄膜の形成方法である。
上記イオン照射時の加速電圧値及び電流密度を前記基板
の温度が100℃以上となるように選定した理由は、100℃
未満にするとイオンビームヒーティング効果がなく、相
変態が容易に達成できないからである。なお、基板温度
の上限については結晶形の形態や基板の機械的性質を考
慮して決定すればよい。
[作用] 真空容器中で酸素雰囲気にてアルミニウムを基板上に蒸
着するか、もしくはアルミニウムを基板上に蒸着しなが
ら低エネルギーの酸素イオンビームを該基板に照射する
かいずれかにより前記基板上にアモルファスの結晶形態
を有する酸化アルミニウム薄膜か形成される。かかるア
モルファス相を有する酸化アルミニウム薄膜の成膜中も
しくは成膜後に原子番号5〜30までの元素から選ばれる
いずれか一つをイオン照射すると共に、該イオン照射時
の加速電圧値及び電流密度を前記基板の温度が100℃以
上となるように選定することによって、基板への機械的
特性劣化を招かない比較的低温にて結晶質酸化アルミニ
ウム薄膜を形成することができる。
即ち、原子番号5〜30までの元素から選ばれるいずれか
一つを成膜中もしくは成膜後にイオン照射すると、その
入射粒子からアルミニウムと酸素とからなる標的原子に
移乗されるエネルギーが比較的大きいため、現象として
サーマルスパイク的な効果により前記アモルファスから
結晶質への相変態を促進する。この場合、原子番号が30
を越える元素のイオンでは照射損傷が大きくなり、最終
的にはアモルファス状態となり、また原子番号が5未満
の元素のイオンでは非弾性衝突現象が顕著となり、前記
標的原子核へのエネルギー付与が小さく相変態に対する
効果が不十分となる。しかも、かかるイオン照射に際し
ての加速電圧値及び電流密度を基板の温度が100℃以上
となるように選定すると、イオンビームヒーティング効
果により前記アモルファスから結晶質への相変態を促進
する。従って、原子番号5〜30までの元素から選ばれる
いずれか一つのイオン照射によるサーマルスパイク的な
効果とイオンビームヒーティング効果との相乗作用によ
って既述したように基板への機械的特性劣化を招かない
比較的低温にて結晶質酸化アルミニウム薄膜を形成する
ことができる。
なお、上述したイオン照射の相変態に及ぼす効果は成膜
中でも成膜後でも同等であるが、アモルファス相からγ
相、α相への変態は収縮を伴うので、成膜中に照射した
場合は成膜後に照射した場合に比べて薄膜内部の歪みを
小さくできる利点を有する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を第1図を参照して詳細に説明す
る。
第1図は、本実施例に使用される真空蒸着とスパッタリ
ング蒸着の両方を行うことが可能な成膜装置を示す概略
図である。図中の1は、真空容器であり、この容器1に
は該容器1内を所定の真空度とするための真空ポンプ2
が連結されている。前記真空容器1内には、アルミニウ
ムを蒸発させるための電子線加熱蒸発器3が設けられて
いる。前記真空容器1内には、該容器1に設けられたA
rイオン源4からのArイオンによりアルミニウムがス
パッタリングされるAlターゲット5が配置されてい
る。前記真空容器1内には、基板ホルダ6が設けられて
いる。前記真空容器1には、前記ホルダ6に保持された
基板付近に酸素を供給するための酸素供給管7が設けら
れている。また、前記真空容器1には前記ホルダ6に保
持された基板に酸素イオンを照射するための酸素イオン
源8が設けられている。更に、図中の9は原子番号5〜
30までの元素から選ばれるいずれか一つのイオンを照射
するためのイオン源である。このイオン源9は、質量分
離マグネット10及び加速管11を介して前記真空容器1
に連結されている。なお、前記加速管11には真空ポンプ
12が連結されている。
実施例1 まず、前述した成膜装置の真空容器1に配置された基板
ホルダ6にアルミニウム基板13を保持した後、真空ポン
プ2を作動して真空容器1内を例えば1×10-6torr程度
まで排気した。つづいて、電子線蒸発器3によりアルミ
ニウムを3.5Å/secの条件で蒸発させ、同時に酸素イオ
ン源8から酸素イオンを加速電圧1kV、電流密度340
μA/cm2の条件で、イオン源9からアルミニウムイオ
ンを加速電圧180kV、電流密度4.5μA/cm2の条件で
前記アルミニウムの成膜中の基板13表面に照射して酸化
アルミニウム薄膜を形成した。かかるイオン照射時の基
板温度を熱電対で測定したところ、120℃であった。
比較例 まず、前述した成膜装置を用い、イオン源9からアルミ
ニウムイオンを加速電圧180kV、電流密度3.6μA/cm
2の条件で照射した以外、前記実施例1と同様な方法に
よりアルミニウム基板上に酸化アルミニウム薄膜を形成
した。かかるイオン照射時の基板温度を熱電対で測定し
たところ、95℃であった。
本実施例1及び比較例で形成された薄膜をそれぞれX線
回析により結晶性を測定した。その結果、実施例1の薄
膜はγ型結晶質の酸化アルミニウムであった。これに対
し、比較例の薄膜はアモルファス相の酸化アルミニウム
であった。
実施例2 まず、前述した成膜装置の真空容器1に配置された基板
ホルダ6にチタン基板13を保持した後、真空ポンプ2を
作動して真空容器1内を例えば1×10-6torr程度まで排
気した。つづいて、Arイオン源4からArイオンをA
lターゲット5に照射してスパッタリングを行ってアル
ミニウムを1Å/secの条件で蒸発させ、同時に酸素ガ
ス供給管7から酸素を1.4×10-6torrの分圧で供給し
た。膜厚が8000Åとなった時点で、アルミニウムの蒸着
を停止し、ひきつづきイオン源9からアルミニウムイオ
ンを加速電圧200kV、電流密度22μA/cm2の条件で照
射して酸化アルミニウム薄膜を形成した。かかるイオン
照射時の基板温度を熱電対で測定したところ、560℃で
あった。
本実施例2で形成された薄膜をX線回析により結晶性を
測定したところ、α型結晶質の酸化アルミニウムである
ことがわかった。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば基板への機械的特性
劣化を招かない比較的低温にて結晶質酸化アルミニウム
薄膜を形成でき、ひいては比較的高温で耐蝕性、耐磨耗
性、耐酸化性等が要求される用途などに有効に適用でき
る等顕著な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例で使用した成膜装置の一形態
を示す概略図である。 1…真空容器、3…電子線加熱蒸発器、4…Arイオン
源、5…Alターゲット、6…基板ホルダ、7…酸素供
給管、8…酸素イオン源、9…原子番号5〜30までの元
素イオン源、13…基板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器中で酸素雰囲気にてアルミニウム
    を基板上に蒸着するか、もしくはアルミニウムを基板上
    に蒸着しながら低エネルギーの酸素イオンビームを該基
    板に照射するかいずれかにより前記基板上に酸化アルミ
    ニウム薄膜を形成する方法において、成膜中もしくは成
    膜後に原子番号5〜30までの元素から選ばれるいずれか
    一つをイオン照射すると共に、該イオン照射時の加速電
    圧値及び電流密度を前記基板の温度が100℃以上となる
    ように選定することを特徴とする結晶質酸化アルミニウ
    ム薄膜の形成方法。
JP7145589A 1989-03-13 1989-03-23 結晶質酸化アルミニウム薄膜の形成方法 Expired - Lifetime JPH06944B2 (ja)

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JP6029289 1989-03-13
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JPH0320456A JPH0320456A (ja) 1991-01-29
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