JPH069468A - ビスフェノールの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールの製造方法

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JPH069468A
JPH069468A JP5040362A JP4036293A JPH069468A JP H069468 A JPH069468 A JP H069468A JP 5040362 A JP5040362 A JP 5040362A JP 4036293 A JP4036293 A JP 4036293A JP H069468 A JPH069468 A JP H069468A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 改良されたビスフェノールの製造方法を提供
する。 【構成】 a)カルボニル化合物、理論過剰のフェノール
化合物及び触媒を含む反応混合物内でフェノール化合物
をカルボニル化合物と反応させ、ビスフェノールを含む
生成物混合物を形成すること、 b)生成物混合物からビスフェノールを分離し母液を残す
こと、そして c)母液の少なくとも一部を反応混合物に循環することを
含み、ビスフェノールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、改良された純度を有するビスフ
ェノールの製造に関する。ビスフェノールは、種々の材
料、特にエポキシ樹脂及びポリカーボネートの製造用の
出発材料として用いられている。ビスフェノールは通
常、触媒の存在下、反応混合物中のアルデヒドもしくは
ケトンと理論過剰のフェノールとの縮合反応により製造
される。この生成物混合物は通常、結晶ビスフェノール
生成物及び母液循環流が形成される結晶化ゾーンに通さ
れる。母液は主要量のフェノールを含み、通常反応混合
物に循環される。しかし、公知の触媒を用いるこの縮合
反応は常に多くの副生成物を形成する。生成物混合物
は、所望のビスフェノールに加え、過剰のフェノール、
触媒、未反応アルデヒドもしくはケトン、水、種々の副
生成物、例えば2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以後o,p'- ビス
フェノール異性体と呼ぶ)、2,2,4−トリメチル−
4−(4−ヒドロキシフェニル)クロマン、トリスフェ
ノール、ポリフェノール及び望ましくない着色した物質
を含む。生成物混合物中のこれらの副生成物の一部は循
環した母液より生ずる。母液の繰り返し循環により、生
成物混合物に副生成物が堆積する。この副生成物はビス
フェノールより製造される樹脂の品質に好ましくない影
響を与える。ポリカーボネートの製造がとても高純度の
ビスフェノールを必要とすることは公知である。
【0002】従って、生成物混合物中の副生成物の濃度
を低下させるために生成物混合物中のビスフェノールか
ら副生成物を分離することにより又は循環される母液を
精製することにより、ビスフェノールA(2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフ
ェノールの純度を高めるため、多くの示唆がなされた。
【0003】米国特許第 4,354,046号は、未反応フェノ
ール、アセトン及び水を粗反応混合物より除去し、残っ
ている粗ビスフェノールAを水及びトルエンと混合する
ビスフェノールAの精製方法に関する。この混合物は加
熱され、1つの液相を形成する。次いでこの液相は冷却
され、ビスフェノールAが結晶化する。残っている母液
は蒸留され、水及びトルエンが除去される。残りにフェ
ノールが加えられる。この混合物は多量のビスフェノー
ルAのo,p'異性体及び他の副生成物を含む。この混合物
を酸形状のカチオン交換樹脂の層に通し、ほとんどの副
生成物を所望のビスフェノールAに転化する。カチオン
交換層からの流出液をビスフェノール反応器に循環して
もよい。
【0004】米国特許第 4,107,218号は、ビスフェノー
ルA循環流中の着色体の含量を低下させる方法に関す
る。ビスフェノールA/フェノール付加物及び母液循環
流へのビスフェノールA法で得られた生成物混合物の分
離後、循環流を酸性カチオン交換樹脂と接触させ、母液
流に含まれる着色体の含量を低下させる。酸性カチオン
交換樹脂はフェノール/水混合物により洗浄されること
により再活性化される。
【0005】米国特許第 4,766,254号は、ビスフェノー
ルAをカチオン交換樹脂(これは触媒として用いられ
る)の存在下でフェノール及びアセトンより製造した場
合、時には生成物損失及び色形成に遭遇することを教示
している。また、反応からの生成物流がしばしばビスフ
ェノールAとフェノールの固体付加物及び粗ビスフェノ
ールA及び種々の不純物を含む液体流)に分離し、これ
より蒸留によりさらにビスフェノールAが回収されるこ
とが教示されている。この米国特許はさらに、この蒸留
工程の間に生成物の損失が起こりそして母液がビスフェ
ノールA精製の間に除去が困難なもしくは不可能な暗く
着色した物質で汚染されることを教示している。そのよ
うな損失を抑制するため及び粗ビスフェノールAを含む
液体流を脱色するため、この米国特許は、蒸留により樹
脂処理した粗液体流からビスフェノールAをさらに回収
する前に塩基性イオン交換樹脂と接触させることにより
粗液体流から酸性不純物を除去することを示唆してい
る。
【0006】米国特許第 4,191,843号は、スルホン化イ
オン交換樹脂のような酸性イオン交換樹脂の存在下で反
応ゾーンにおいて少なくとも2モルのフェノールをアセ
トンと反応させることによるビスフェノールの製造方法
を教示している。反応ゾーン流出液は金属塩形状の酸性
イオン交換樹脂及び/又は弱塩基性イオン交換樹脂と接
触される。この米国特許は、反応ゾーン流出液が好まし
くはまず、金属塩形状の酸性イオン交換樹脂及び/又は
弱塩基性イオン交換樹脂と接触される前に強酸性イオン
交換樹脂と接触されることが好ましいことを教示してい
る。反応ゾーン流出液が金属塩形状の酸性イオン交換樹
脂及び/又は弱塩基性イオン交換樹脂と接触された後、
反応ゾーン流出液から水及びアセトンが除去され、分離
の残留物からビスフェノールが回収される。
【0007】独公開公報DE-A-4014992は、フェノールと
アルデヒドもしくはケトンとの反応によるビスフェノー
ルの製造に関する。粗フェノールが用いられ、これは褐
炭又は石炭の水素化もしくは分解炉の排水の処理からの
排水のような炭質生成物の処理より得られる。そのよう
な粗フェノールはまず、酸性形状のスルホン化イオン交
換樹脂の存在下でアルデヒドもしくはケトンと反応され
る前に酸性形状のカチオン交換樹脂により活性化され
る。得られる反応混合物は弱もしくは平均塩基性度のア
ニオン交換樹脂により処理される。
【0008】製造されたビスフェノールの純度は教示さ
れた方法によりかなり改良されるが、その純度は時には
十分ではなく、特にビスフェノールをポリカーボネート
の製造に用いる場合には十分ではない。従って、ビスフ
ェノールが高純度で製造される改良された方法を提供す
ることが望まれている。
【0009】本発明の一態様は、以下の工程 a)カルボニル化合物、理論過剰のフェノール化合物及び
触媒を含む反応混合物内でフェノール化合物をカルボニ
ル化合物と反応させ、ビスフェノールを含む生成物混合
物を形成すること、 b)生成物混合物からビスフェノールを分離し母液を残す
こと、そして c)母液の少なくとも一部を反応混合物に循環すること を含むビスフェノールの製造方法に関する。
【0010】この方法は、i)反応工程a)においてフェノ
ール化合物を用いる前にフェノール化合物の少なくとも
一部を強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交
換樹脂と接触させ、及び/又は ii)母液を反応混合物に
循環させる前に生成物混合物の少なくとも一部及び/又
は母液の少なくとも一部を強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂と接触させることを特徴とす
る。
【0011】本発明の他の態様は、本発明の方法により
製造されたビスフェノールAに関する。
【0012】驚くべきことに、生成物混合物、母液及び
/又はフェノール化合物を強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂と接触させる場合、生成物混
合物もしくは母液を従来の技術に示されたようなイオン
交換樹脂と、すなわちa)酸性カチオン交換樹脂のみと
(米国特許第 4,107,218号及び 4,354,046号)、b)アニ
オン交換樹脂のみと(米国特許第 4,766,254号)又はc)
まず強酸性イオン交換樹脂と次いで弱塩基性イオン交換
樹脂と(米国特許第 4,191,843号)接触させた場合より
も精製がかなり有効であることがわかった。
【0013】カルボニル化合物、理論過剰のフェノール
化合物及び触媒を含む反応混合物中でのフェノール化合
物とカルボニル化合物との反応である、本発明の方法の
工程a)は、当該分野において公知である。この方法は米
国特許第 3,049,569号及び4,107,218 号並びにここに引
用された文献に記載されている。カルボニル化合物のモ
ルあたり2モルより多いフェノール化合物が反応混合物
中に存在する。フェノール化合物とカルボニル化合物の
間のモル比は好ましくは2:1〜45:1、より好ましく
は6:1〜16:1である。
【0014】ビスフェノールの製造における出発材料と
して用いられるフェノール化合物は、芳香族基の炭素に
結合したヒドロキシル基を含む化合物である。好適なフ
ェノール化合物は、例えば、フェノール及び置換フェノ
ール、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、クロロフェノール、チモール、カルバクロール、ク
メノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,4
−ジメチル−3−エチルフェノール、4−エチルフェノ
ール、2−エチル−4−メチルフェノール、2,3,6
−トリメチルフェノール、2−メチル−4−t−ブチル
フェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,
4−ジ−t−ブチルフェノール、4−メチル−2−t−
ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2,
6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール、3,5−ジメチルフェノール、3,5−ジエチ
ルフェノール、2−メチル−3,5−ジエチルフェノー
ル、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、テトラフェノールエタン、ナフトール、フェナント
ロール、及びその同族体を含む。好適なフェノール化合
物は、各核に1個以上のフェノール基を含むもの並びに
多核化合物を含む。
【0015】出発物質として用いられるカルボニル化合
物は下式
【化1】 (上式中、R1 は脂肪族、環式脂肪族、芳香族及び複素
環基からなる基のメンバーを表し、R2 は水素、脂肪
族、環式脂肪族、芳香族及び複素環基からなる基のメン
バーを表す)の化合物であってよい。好適なカルボニル
化合物はケトン及びアルデヒドを含む。好適なケトンの
例は、例えば、アセトン、1,3−ジクロロアセトン、
ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、フルオレノン、好ましくは9−フルオレノ
ン、プロピロニルフェノン、メチルアミルケトン、メシ
チルオキシド、シクロペンタノン、アセトフェノンを含
み、好適なアルデヒドの例は、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド及びベンズアルデヒドを含む。
【0016】出発物質として用いられる特定のフェノー
ル化合物及びカルボニル化合物は、所望のビスフェノー
ル化合物によってきまり、用いられる特定の走査条件に
よってある程度支配される。本発明の方法は、カルボニ
ル化合物がアセトンであり、フェノール化合物がフェノ
ールであるビスフェノールAの製造に特に適する。
【0017】フェノールのような市販入手可能なフェノ
ール化合物は、しばしば有機及び/又は無機酸もしくは
塩のような副生成物を少量含むことがわかった。この副
生成物の量は典型的には250 重量ppm 未満であるが、フ
ェノール化合物とカルボニル化合物の間の反応において
触媒として用いられる酸性イオン交換樹脂の活性は影響
を受ける。塩タイプの副生成物のカチオンは触媒内に留
まり、その活性が低下する。さらに、この反応混合物は
遊離酸が豊富である。フェノール化合物をカルボニル化
合物と反応させる前に、フェノール出発物質の一部もし
くは全体を強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオ
ン交換樹脂に暴露することがとても有利であることがわ
かった。好ましいタイプの強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂は、生成物混合物の処理に関
する以下の説明に述べるものと同じである。フェノール
出発物質は好ましくは強酸性カチオン交換樹脂及び強塩
基性アニオン交換樹脂と40〜120 ℃、好ましくは40〜95
℃、より好ましくは45〜70℃の温度において接触され
る。強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換
樹脂を含む1つ以上の層を通過するフェノール化合物の
速度は、重量空間速度(WHSV)で表し、好ましくは
0.5 〜24hr-1、より好ましくは2〜14hr-1である。フェ
ノール化合物が強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性ア
ニオン交換樹脂を通過する場合、フェノール化合物全体
の好ましくは20〜100 %、より好ましくは50〜100 %、
最も好ましくは90〜100 %がこれらの樹脂を通過する。
強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂
によるフェノールの処理により、高純度の、安定化され
そして脱色されたフェノールが得られる。
【0018】フェノール化合物及びカルボニル化合物は
好ましくは40〜120 ℃、より好ましくは45〜85℃の温度
で反応される。この反応は大気圧、加圧、又は減圧下で
行ってよい。あらゆる公知の触媒が有効であるが、強酸
性イオン交換樹脂が好ましい。好ましいイオン交換樹脂
はスルホン酸基を含む。その例は、スルホン化スチレン
ジビニルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋したスチ
レンポリマー、フェノールホルムアルデヒドスルホン酸
樹脂及びベンゼンホルムアルデヒドスルホン酸樹脂であ
る。この強酸性イオン交換樹脂は有利には、反応速度促
進剤としてメルカプタンと共に用いられる。最も好まし
い触媒は促進されたスルホン化ポリスチレン樹脂であ
る。この樹脂は、例えば、米国特許第 3,049,569号のカ
ラム5に記載されているようにその使用前にこの樹脂を
メルカプトアルコールで処理することにより促進してよ
い。他の有効な促進剤は、HS-CH2-CH2-NH2又は(HS-CH2-
CH2-)2NHである。反応を開始するため、フェノール化合
物及びカルボニル化合物は有利には反応温度に加熱さ
れ、そしてイオン交換樹脂の固定層に、好ましくは下
に、層を通過する流速を適当に保つためわずかに加圧で
通されるが、重力による流れで十分である。
【0019】得られる反応混合物は、ビスフェノール、
未反応フェノール化合物、通常一部未反応のカルボニル
化合物、水及び副生成物を含む。好ましくは、水及びカ
ルボニル化合物は脱水器内での蒸発により得られる生成
物混合物から除去される。生成物混合物の温度によっ
て、反応水及び未反応カルボニル化合物を蒸発させるた
めこの混合物を加熱又は冷却する。少量のフェノール化
合物も蒸発される。カルボニル化合物、水及びフェノー
ル化合物の蒸発した混合物は水を除去するための脱水器
に通され、カルボニル化合物及びフェノール化合物を残
し、これは有利には循環される。脱水器内の温度は好ま
しくは45〜220 ℃、より好ましくは60〜170 ℃である。
脱水器内の圧力は好ましくは10〜700mbar 、より好まし
くは80〜350mbar である。水、カルボニル化合物及びフ
ェノール化合物の混合物の蒸発並びにこの混合物の脱水
は、好ましくは米国特許第 3,049,569号に詳細に記載さ
れているようにして行われる。
【0020】水、カルボニル化合物及びフェノール化合
物の除去後、通常結晶器内で生成物混合物よりビスフェ
ノールが分離され、母液を残す。水、カルボニル化合物
及びフェノール化合物の除去前又は後及び生成物混合物
からのビスフェノールの分離前に、生成物混合物又はそ
の一部は強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン
交換樹脂と接触される。生成物混合物がこれらのイオン
交換樹脂と接触する前に、これは米国特許第 4,375,567
号及び 4,882,923号に記載されているようなカチオン交
換樹脂による異性化を行ってよい。
【0021】本発明の方法においてあらゆる公知の強酸
性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂を用
いてよい。「強酸性カチオン交換樹脂」及び「強塩基性
アニオン交換樹脂」の用語並びにそのような樹脂の例は
当該分野において公知であり、例えば"Ullmann's Enzyk
lopaedie der Technischen Chemie", 4版、13巻、297
頁等を参照されたい。このイオン交換樹脂は通常ビーズ
の形状である。イオン交換樹脂はポリマーマトリックス
及び官能性イオン交換基を有する。
【0022】樹脂ビーズ用のマトリックスとして種々の
架橋したポリマーが有効である。1つの公知のタイプの
マトリックスは、アルデヒド、塩素化炭化水素もしくは
エポキシ化合物により架橋したフェノール/ホルムアル
デヒド縮合体ポリマーをベースとしている。他の公知の
タイプのマトリックスは、ビニルベンジルクロリドの、
アクリル酸の又はアクリルアミドもしくはポリアクリレ
ートの架橋したポリマーである。好ましい混合物は、架
橋したポリスチレンもしくは架橋したポリ(α−メチル
スチレン)又はベンゼン環においてC1-C6-アルキル、例
えばメチル、エチル、t−ブチル、イソプロピル、もし
くはハロゲノC1-C6-アルキル、例えばクロロメチル、も
しくはアミノメチルにより置換したスチレンもしくはα
−メチルスチレンの架橋したポリマーである。架橋剤は
好ましくはアルキルアクリレート又はジもしくはポリビ
ニル化合物、例えばトリビニルシクロヘキサン、エチレ
ングリコールジメタクリレートもしくはトリメチロール
プロパントリアクリレートであり、最も好ましくはジビ
ニルベンゼンもしくはトリビニルベンゼンである。ジビ
ニルベンゼンは典型的には置換したもしくは未置換スチ
レンと又はアクリル酸と共重合している。
【0023】本発明の方法において用いられる好ましい
イオン交換樹脂ビーズは、架橋したスチレン−ジビニル
ベンゼンコポリマーマトリックスを有する。
【0024】樹脂ビーズはマクロ気孔もしくはゲルタイ
プ(ミクロ気孔)構造を有していてよい。マクロ気孔樹
脂ビーズは好ましくは10nmより大きな平均気孔直径を有
する。ミクロ気孔樹脂ビーズは好ましくは0.5 〜5nmの
平均気孔直径を有する。この樹脂ビーズは、米国特許第
4,564,644号、 4,297,220号及び 4,382,124号に教示さ
れているような従来の懸濁重合法によって製造される。
【0025】好ましい樹脂ビーズはコアー/シェル形態
を有する架橋した球形コポリマーである。「コアー/シ
ェル形態」とは、コポリマービーズのポリマー構造がビ
ーズの内側から外側へ変化することを意味する。ポリマ
ー構造のそのような変化は、緩やかであり半径に沿って
ポリマー構造の勾配を有するビーズを与える。又は、前
記ポリマー構造の変化は、中心から外に向かいビーズの
半径に沿って比較的急激であってよい。その効果は、こ
の樹脂ビーズが1つのポリマー構造を有する比較的明確
なコアー及び他のポリマー構造を有する比較的明確なシ
ェルを有することである。コポリマービーズのコアー/
シェル形態は、欧州特許出願 0101943に記載されている
ような公知の分析方法を用いて検出される。コアー/シ
ェルコポリマービーズは好ましくは、コアー領域と比較
して低下したレベルのシェル領域の架橋を有する。通
常、これはコアーよりも低い割合の架橋性モノマーを含
むシェルを有する。このタイプのビーズは、ビーズのコ
アーよりも柔らかい(脆さが低く、弾性が高い)シェル
を有する。これは、ビーズがその形状及び保全性を保ち
つつ外部応力及び圧力に暴露された際にその構造にエネ
ルギーを分散させることを可能にする。これはそのよう
なコアー/シェルコポリマービーズの浸透圧衝撃に対す
る耐性及び圧縮強度を改良すると考えられている。コア
ーとシェルの架橋密度の差に加え、シェル内のポリマー
は有利にはコアーのポリマーより高い分子量を有する。
これはビーズに機械強度を与え、浸透圧衝撃に対するそ
の耐性を高める。従って、ビーズの破壊は減少する。酸
性カチオン交換樹脂ビーズ及び塩基性アニオン交換樹脂
ビーズの製造に有効なコアー/シェルコポリマービーズ
は、欧州特許出願 0101943に詳細に記載されている。コ
アー/シェル形態を有する樹脂ビーズは上記のマクロ気
孔又はミクロ気孔を有していてよい。
【0026】この樹脂は通常工業上有効な形状のビーズ
の形状で用いられる。典型的には、これは0.050 〜1.50
mm、好ましくは0.10〜1.20mm、より好ましくは0.25〜0.
80mmの平均直径を有する。
【0027】官能基はポリマーマトリックスに直接又は
間接的に結合してよい。例えば、官能基はC1-C3-アルキ
レン基、好ましくはエチレンもしくはメチレン基、最も
好ましくはメチレン基を介してポリマーマトリックスに
結合している。
【0028】強酸性カチオン交換樹脂の官能基は典型的
には、-SO3H 又は-PO3R1R2基であり、ここでR1 は水
素、C1-C6-アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピ
ル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、ペンチルも
しくはヘキシル基、C3-C6-シクロアルキル、例えばシク
ロヘキシル、アリール、例えばフェニルもしくはベンジ
ルであり、R2 は水素である。強酸性カチオン交換基内
の水素イオンの一部はカチオン、好ましくはアルカリ金
属カチオン、例えばナトリウムもしくはカリウムイオン
で置換していてよい。しかし、十分な純度を達成するた
め、カチオン交換樹脂の官能基の主要部が塩形状ではな
く遊離酸形状であることが重要である。通常、イオン交
換基の70%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは
90%以上がその酸形状で存在すべきである。最も好まし
い官能基は-SO3H である。異なる強酸性カチオン交換樹
脂のブレンドも有効である。
【0029】典型的には、強塩基性アニオン交換樹脂
は、ポリマーマトリックスに結合した4級アンモニウム
基及び交換可能なアニオンを含む。そのようなアニオン
は、例えば、塩化物、臭化物もしくは沃化物のようなハ
ロゲンイオン、スルフェート、ニトレート、カーボネー
ト又は炭酸水素アニオンである。しかし、十分な純度を
達成するため、アニオン交換樹脂の官能基の主要部が塩
形状ではなくその有利塩基形状であることが重要であ
る。通常、イオン交換基の70%以上、好ましくは80%以
上、最も好ましくは90%以上がその遊離塩基形状で存在
すべき、すなわち交換可能なアニオンとしてヒドロキシ
を含むべきである。
【0030】強塩基性アニオン交換樹脂の官能基は好ま
しくは -NR3R4R5 + X- 基 (I) (上式中、R3 及びR4 は独立に水素又はC1-C6-アルキ
ル、例えばn-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、ペンチル
基、ヘキシル基、例えばn-ヘキシル、好ましくはC1-C3-
アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル又はイソ
プロピルであり、R5 は水素、C1-C6-アルキル、例えば
上記のもの、アリール、例えばベンジル、又はヒドロキ
シC1-C3-アルキル、例えばヒドロキシメチレンもしくは
ヒドロキシプロピレン、好ましくはヒドロキシエチレ
ン、又はモノもしくはジC1-C6-アルキルアミノエチレン
基、好ましくはモノもしくはジC1-C3-アルキルアミノエ
チレン基、例えばジメチル、ジエチルもしくはジプロピ
ルアミノエチレンであり、Xはアニオン、好ましくはヒ
ドロキシ、ハロゲンイオン、例えば塩化物、臭化物もし
くは沃化物、又はニトレート、カーボネート、炭酸水素
もしくはスルフェートイオンである)である。
【0031】Xの主要部分は上記のようなヒドロキシで
ある。最も好ましい官能基は-NR3R4R5OH基である。
【0032】ポリマーマトリックスに結合した4級アン
モニウム基のうち、トリメチルアンモニウム、ジメチル
ベンジルアンモニウム及びジメチルヒドロキシエチレン
アンモニウム基が好ましく、トリメチルアンモニウム基
が最も好ましい。異なる強塩基性アニオン交換樹脂のブ
レンドも有効である。
【0033】酸性及び塩基性官能基はアルキレン基、例
えばC1-C3-アルキレン基、好ましくはエチレンもしくは
メチレン、最も好ましくはメチレンを介してポリマーマ
トリックスに結合している。
【0034】強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニ
オン交換樹脂は別のベッド又は同じベッドに配置してよ
い。フェノール化合物、生成物混合物及び/又は母液の
どれが最初に強酸性カチオン交換樹脂と次いで強塩基性
アニオン交換樹脂と接触するかは問題ではないが、液体
は両方のタイプの樹脂と接触しなければならない。好ま
しくは、強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン
交換樹脂は混合ベッド内に配置される。そのような混合
ベッドは公知の方法において製造される。強酸性カチオ
ン及び強塩基性アニオン交換樹脂の一部は容器、好まし
くはカラムに充填してもよい。強酸性カチオン及び強塩
基性アニオン交換樹脂がカラムに充填された場合、この
カラムは少なくとも1、好ましくは少なくとも5、より
好ましくは少なくとも10部の強酸性カチオン交換樹脂及
び少なくとも1、好ましくは少なくとも5、より好まし
くは少なくとも10部の強塩基性アニオン交換樹脂を含
む。強酸性カチオン及び強塩基性アニオン交換樹脂の他
の層のベッドも混合ベッドに含まれる。精製すべき液体
流、例えば少なくとも一部のフェノール化合物及び/又
は生成物混合物及び/又は母液、をそのような強酸性カ
チオン及び強塩基性アニオン交換樹脂の他の層を含む混
合ベッドに通す場合、液体流が最初に強酸性カチオン交
換樹脂の層に又は最初に強塩基性アニオン交換樹脂の層
と接触するかどうかは問題ではない。しかし、容器に充
填する前に強酸性カチオン及び強塩基性アニオン交換樹
脂を混合することが好ましい。強酸性カチオン及び強塩
基性アニオン交換樹脂をその乾燥もしくは水湿潤形状で
又は水中のスラリーとして混合してよい。強酸性カチオ
ン及び強塩基性アニオン交換樹脂の混合ベッドは好まし
くは、強酸性カチオン交換樹脂を15〜90、より好ましく
は50〜70重量%、そして強塩基性アニオン交換樹脂を85
〜10、より好ましくは50〜30重量%含む。
【0035】両方のタイプのイオン交換樹脂は好適には
1つ以上のグリッド上に固定され支持される。有利に
は、精製される液体流、例えばフェノール化合物及び/
又は生成物混合物及び/又は母液の少なくとも一部は、
強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂
に、少なくとも下方に、樹脂を含むベッドを適当な流速
を保つようわずかに加圧で送られるが、重力でも十分で
ある。また、液体流は上記樹脂に上方に通してもよい。
【0036】生成物混合物と強酸性カチオン交換樹脂及
び強塩基性アニオン交換樹脂との接触に有効な温度は種
々の要因、例えば生成物混合物の組成、イオン交換樹脂
の温度耐性等によってきまる。とにかく、温度は生成物
混合物と樹脂の接触の前又は間にビスフェノールが沈澱
しないよう十分高いべきである。生成物混合物は好まし
くは40〜120 ℃、より好ましくは45〜70℃の温度におい
て強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹
脂と接触される。生成物混合物がこの樹脂を含むベッド
を通過する速度は、重量空間速度(WHSV)で表し、好まし
くは0.5 〜20 hrs-1、より好ましくは3.5 〜12 hrs-1
ある。生成物混合物の総体積の好ましくは5〜100 %、
より好ましくは8〜40%が強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂を通過する。
【0037】本発明の方法の工程b)により、生成物混合
物又はその一部が所望により強酸性カチオン交換樹脂及
び強塩基性アニオン交換樹脂と接触した後、ビスフェノ
ールは生成物混合物から分離され、母液を残す。
【0038】製造したビスフェノールを生成物混合物か
ら分離する方法は公知である。通常公知の反応工程b)
は、その最も好ましい実施態様、すなわちフェノールと
アセトンを反応させる場合において詳細に説明されるで
あろう。フェノールとアセトンを反応させる場合、生成
物混合物は主にビスフェノールA、フェノール及び副生
成物、例えば2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロキシフェニ
ル)クロマン、ビスフェノールAのo,p'−異性体、ポリ
フェノール及びトリスフェノールを含む。この反応混合
物は有利には結晶化器に入れられ、そこで生成物混合物
は、好ましくは30〜80℃、より好ましくは38〜55℃に冷
却される。結晶化器内の生成物混合物の滞留時間は、好
ましくは0.1 〜24時間、より好ましくは0.5 〜6時間で
ある。好ましくは、生成物混合物は結晶化工程の間攪拌
される。有利には、結晶化器は水により冷却される。ビ
スフェノールAの主要部は、1:1のモル比のフェノー
ルとの付加物として結晶化する。ビスフェノールA/フ
ェノール付加物は通常、固体/液体分離及び洗浄システ
ムにおいて生成物混合物より分離される。有効な固体/
液体分離法は、例えば遠心又は濾過である。結晶は好ま
しくは、例えばフェノール、フェノール−アセトン混合
物又は水で、最も好ましくはフェノールのみで洗浄さ
れ、結晶から母液を除去される。ビスフェノールA/フ
ェノール付加物の重量を基準として、好ましくは0.1 〜
2.6 部、より好ましくは0.4 〜1.5 部のフェノールが用
いられる。生成物混合物からのビスフェノールA/フェ
ノール付加物の分離及び固体付加物の洗浄は、好ましく
は35〜95℃、より好ましくは38〜55℃の温度において行
われる。とても純度の高いビスフェノールA及び他のビ
スフェノールは、固体ビスフェノールA/フェノール付
加物又は他の固体ビスフェノール生成物を、その少なく
とも一部を強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオ
ン交換樹脂と接触させたフェノールで洗浄することによ
り製造される。固体ビスフェノールA/フェノール付加
物の洗浄に用いられるフェノールの総体積の、好ましく
は20〜100 %、より好ましくは50〜100 %、最も好まし
くは90〜100 %が両方のタイプの樹脂に通される。この
処理は、上記方法の工程a)において反応混合物の成分と
して用いられるフェノール出発物質の処理と同じ方法で
行われる。固体ビスフェノールA/フェノール付加物の
洗浄に用いられたフェノールは、好ましくは反応混合物
に循環される。固体ビスフェノールA/フェノール付加
物は通常2〜38%の残留水分含量(母液及び洗浄液)を
有する。
【0039】通常、固体ビスフェノールA/フェノール
付加物は融解され、フェノールは蒸留により回収され
る。回収されたフェノールは、好ましくは少なくとも一
部のフェノールを強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性
アニオン交換樹脂と接触させた後、反応混合物に循環さ
れる。蒸留は好ましくは70〜260 ℃、より好ましくは15
0 〜230 ℃の温度において、好ましくは2〜650mbar 、
より好ましくは5〜180mbar の圧力で行われる。残留溶
融ビスフェノールAは通常結晶化され、粉砕される。好
ましくは、結晶化は、米国特許第 3,326,986号、 4,74
0,635号及び 4,861,919号に記載されているように、水
の存在下で行われる。ビスフェノールAは水を添加し、
粗ビスフェノールA及び他の不純物を融解するに十分な
温度に加熱することにより異性体及び過剰のフェノール
より結晶化される。次いで、米国特許第 3,326,986号に
記載のように、溶融体は冷却され、ビスフェノールAの
結晶化を行う。又は、米国特許第 4,740,635号に記載の
ように、ビスフェノールAをビスフェノールA、ジフェ
ノール異性体及び不純物のブレンドから結晶化してもよ
い。このブレンドはフェノールを本質的に含まない。水
をブレンドに加え、このブレンドを95〜105 ℃に加熱
し、溶融体を90℃以下に冷却する。第三の方法として、
米国特許第 4,861,919号に記載のように、ビスフェノー
ルAを、結晶を各結晶化工程の前に加熱及び水を加える
ことにより融解する多段階向流法において精製してもよ
い。固体ビスフェノールAは残っている液体相から分離
される。液体相は水を含み、所望により生成物混合物に
循環される。
【0040】本発明の方法の工程c)により、生成物混合
物からのビスフェノールの分離後残っている母液の少な
くとも一部を、さらに使用するため反応混合物に循環す
る。母液は主にフェノール化合物、一部のビスフェノー
ル及び副生成物を含む。副生成物のタイプ及び量は、生
成物混合物がイオン交換樹脂の混合ベッドを通過したか
どうかによってきまる。母液の総体積の好ましくは5〜
100 %、より好ましくは8〜40%、最も好ましくは10〜
25%が反応混合物に循環される。生成物混合物が強酸性
カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接触
しなかった場合、有利には、母液が反応混合物に循環さ
れる前に、少なくとも一部の母液が強酸性カチオン交換
樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接触される。強酸
性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂の好
ましいタイプは、生成物混合物の精製に関するものと同
じである。母液は、40〜120 ℃、好ましくは40〜95℃、
より好ましくは45〜70℃の温度で強酸性カチオン交換樹
脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接触される。母液が
前記樹脂を含むベッドを通過する速度は、重量空間速度
(WHSV)で表し、好ましくは0.5 〜20 hrs-1、より好まし
くは3.5 〜12 hrs-1である。母液の総体積の好ましくは
5〜100 %、より好ましくは8〜80%、最も好ましくは
10〜40%が強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオ
ン交換樹脂に通される。母液が両方のタイプのイオン交
換樹脂と接触する前に、米国特許第 4,375,567号及び
4,882,923号に記載のような、カチオン交換による異性
化を行ってよい。
【0041】生成物混合物及び母液を強酸性カチオン交
換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂に通すことによ
り、暗色物質のようなそこに含まれる不純物の主要部、
及びこの方法の工程a)において用いられる反応触媒より
生ずる低分子量スルホン酸のような有機及び/無機酸は
有効に除去される。そのような不純物が十分に除去され
ない場合、それは、母液が工程a)に循環された際の酸触
媒化クラッキングのため高温においてビスフェノールの
分解を引き起こす。
【0042】フェノール化合物、生成物混合物及び/又
は母液の少なくとも一部を強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂に通すことにより、ビスフェ
ノールのクラッキング及び望ましくない化合物の形成が
かなり避けられる。好ましくは、母液の少なくとも一部
及びこの方法において、すなわち工程a)の反応混合物の
成分として及び工程b)において得られる固体ビスフェノ
ールA/フェノール付加物のような固体ビスフェノール
生成物の洗浄用に用いられるフェノール化合物の少なく
とも一部、最も好ましくはすべてが強酸性カチオン交換
樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接触される。強酸
性カチオン及び強塩基性アニオン交換樹脂は、有機もし
くは無機酸、金属部分、フェノールタール、カルボニ
ル、ヒドロキノンもしくはベンゾキノン不純物のような
着色体のような不純物を吸着又は結合する。着色体は、
例えばHS-CH2-CH2-NH2もしくは(HS-CH2-CH2-)2NHのよう
な工程a)において用いられる触媒を促進するために用い
られた促進剤が鉄イオンと接触した場合に生ずる。着色
体の数は強塩基性アニオン交換樹脂によりかなり低下さ
れる。
【0043】ビスフェノールAのような製造されたビス
フェノールは、とても高い純度を有し、ポリカーボネー
ト樹脂の製造に有効である。本発明の方法により、ビス
フェノールAのようなビスフェノールは、97.5%以上、
通常98%以上、殆どの場合99% 以上の純度で得られ
る。ビスフェノールAの場合、o,p'−異性体の量は、ビ
スフェノールAの総重量(不純物を含む)を基準とし
て、1.0 %未満、通常0.7%未満、ほとんどの場合0.5
%未満である。他の不純物の量は、ビスフェノールAの
総重量(不純物を含む)を基準として、1.0 %未満、通
常0.5 %未満、ほとんどの場合0.3 %未満である。本発
明の方法により製造されたビスフェノールAは、通常50
未満、典型的には30未満、ほとんどの場合15未満の色を
有するこの色は、APHA-ASTM 、テスト法D 1209-84(1988
認可)により測定される。この色について数字が小さい
ほど、色は薄い。同じ方法によるが、生成物混合物、母
液もしくはフェノールを強酸性カチオン交換樹脂及び強
塩基性アニオン交換樹脂で処理しない比較方法により製
造したビスフェノールAは、ビスフェノールAの総重量
(不純物を含む)を基準として、典型的には95.1〜97.2
%の純度、1.2 〜2.2 %のo,p'−異性体の量及び1.7 〜
3.6 %の他の不純物の量並びに80〜340 の色を有する。
【0044】本発明をさらに以下の例により説明する
が、この例は本発明の範囲を限定するものではない。部
及びパーセントはすべて重量基準である。
【0045】例1 ビスフェノールAの製造において、反応混合物に循環さ
れる母液の体積の12%を、強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂の混合ベッドをを含むカラム
に通す。カチオン交換樹脂は4%ジビニルベンゼン基で
架橋しそして-SO3基を含むポリスチレンのマトリックス
を有する。カチオン交換樹脂はDOWEX 50WX4 イオン交換
樹脂として市販入手可能である。アニオン交換樹脂は平
均6.5 %ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンのミ
クロ気孔マトリックスを有する。これはトリメチルアン
モニウム基並びに交換可能な対イオンの総数を基準とし
て80〜90%のヒドロキシ基及び10〜20%の塩化物イオン
を含む。アニオン交換樹脂はDOWEX 550Aイオン交換樹脂
として市販入手可能である。カチオン及びアニオン交換
樹脂は60%:40%の重量比で用いられる。カラムは1.4:
1の高さ:直径比を有する。混合ベッドカラムは55〜59
℃の温度で操作される。カラムを通過する母液流の速度
(WHSV)は8.6 hrs -1である。母液の2つのサンプルを分
析する。最初に、混合ベッドカラムをビスフェノールA
製造工程に設置刷る前に母液の比較サンプルを抽出す
る。母液の第二のサンプルは混合ベッドカラムを7日間
連続操作した後に抽出する。各サンプル2000g を200 ℃
及び10mbarの圧力で6時間蒸留し、サンプルが分解する
傾向を調べる。蒸留前及び後に両方のサンプルを分析
し、成分を調べる。蒸留により分解したサンプルのパー
セント並びにAPHA-ASTM D 1209により測定した母液及び
製造したビスフェノールAの色を以下の表Iに示す。
【0046】
【表1】
【0047】例2 反応混合物に循環される母液流の体積の6%及びビスフ
ェノールA製造工程において用いられるフェノールの全
量を、例1に記載のような強酸性カチオン交換樹脂及び
強塩基性アニオン交換樹脂の混合ベッドをを含むカラム
に通す。このような方法で処理されたフェノール及び母
液の一部を、固体ビスフェノールA/フェノール付加物
の洗浄に、固体付加物の重量部あたり0.55重量部の洗浄
液の比で用いる。混合ベッドを例1と同様にして7日間
連続操作した後、例1のようにしてサンプルを抽出し蒸
留する。蒸留により分解した化合物のパーセント並びに
APHA-ASTM D 1209により測定した母液及び製造したビス
フェノールAの色を以下の表IIに示す。
【0048】
【表2】
【0049】例3 ビスフェノールA製造工程において用いられるフェノー
ルの全量を2つのカラムに通す。第一のカラムは、DOWE
X 50WX4 イオン交換樹脂として市販入手可能である、例
1に記載の強酸性カチオン交換樹脂を含む。第二のカラ
ムは、DOWEX 550Aイオン交換樹脂として市販入手可能で
ある、例1に記載の強塩基性アニオン交換樹脂である。
両方のカラムを通過するフェノールの速度(WHSV)は4.3h
rs-1である。このカラムは55〜59℃の温度において操作
される。このようにして処理されたフェノールの一部
を、固体ビスフェノールA/フェノール付加物の洗浄
に、固体付加物の重量部あたり0.55重量部の洗浄液の比
で用いる。2つのカラムを7日間連続操作した後、例1
のようにしてサンプルを抽出し、蒸留する。蒸留により
分解した化合物のパーセント並びにAPHA-ASTM D 1209に
より測定した母液及び製造したビスフェノールAの色を
以下の表III に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表I、II及びIII の比較により、母液のみ
又はフェノールのみの精製と比較して、母液及びフェノ
ールの精製に強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニ
オン交換樹脂を用いた場合に良好な結果が得られること
を示している。
【0052】例4及び比較例 説明されたビスフェノールA製造工程における母液流の
精製の効率を、母液を以下のものに通すことによりテス
トする。
【0053】a)DOWEX 50WX4 イオン交換樹脂として市販
入手可能な強酸性カチオン交換樹脂60重量%及びDOWEX
550Aイオン交換樹脂として市販入手可能な強塩基性アニ
オン交換樹脂40重量%を含む混合ベッド(本発明に係
る)、
【0054】b)DOWEX 50WX4 イオン交換樹脂として市販
入手可能な強酸性カチオン交換樹脂(米国特許第 4,35
4,045及び 4,107,218号に示されている)
【0055】c)DOWEX 550Aイオン交換樹脂として市販入
手可能な強塩基性アニオン交換樹脂(米国特許第 4,76
6,254号に示されている)
【0056】d)DOWEX 50WX4 イオン交換樹脂として市販
入手可能な強酸性カチオン交換樹脂を含む第一のカラム
及び次いでDOWEX AMW 550 UGイオン交換樹脂として市販
入手可能なマクロ気孔弱塩基性アニオン交換樹脂を含む
第二のカラム(米国特許第 4,191,843号に示されてい
る)。この弱塩基性アニオン交換樹脂は8%ジビニルベ
ンゼンで架橋しそしてジメチルアミン基を含むポリスチ
レンのマトリックスを有する。
【0057】母液の4つの等量のサンプルを、55℃の温
度及び8.6hrs-1の速度(WHSV)でイオン交換樹脂a)、b)、
c)又はd)に通す。イオン交換樹脂a)、b)、c)又はd)に通
した後、各サンプル2000g をガラス装置内で190 ℃、10
mbarで6時間蒸留する。比較のため、イオン交換樹脂ベ
ッドを通さない母液の4つのサンプルを同様にして蒸留
する。すべての8つのサンプルをガスクロマトグレフィ
ーにより蒸留前及び後で分析する。
【0058】これを1回繰り返す。蒸留により分解した
化合物のパーセントを以下の表IVに示す。
【0059】
【表4】
【0060】表IVは、従来示された方法と比較して、本
発明の方法の驚くべき改良を示している。比較実験b)、
c)及びd)と比較して、例a(1)及びa(2)による処理後の分
解のパーセントの大きな低下は、母液が含む、この母液
内の化合物の分解を促進する望ましくない副生成物の量
がとても低いことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 ディーター タンク ドイツ連邦共和国,デー−2167 ヒンメル プフォルテン,ガルテンシュトラーセ 6 (72)発明者 ヨヘン グレスマン ドイツ連邦共和国,デー−2160 スター デ,ストックホルムシュトラーセ 20 (72)発明者 ヨハン−ビルヘルム フライ ドイツ連邦共和国,デー−2160 スター デ,ゲーベンシュトラーセ 5 (72)発明者 ウルリッヒ バルバウム ドイツ連邦共和国,デー−2161 フレンデ ンベック,フィンケンベーク 29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程 a)カルボニル化合物、理論過剰のフェノール化合物及び
    触媒を含む反応混合物内でフェノール化合物をカルボニ
    ル化合物と反応させ、ビスフェノールを含む生成物混合
    物を形成すること、 b)生成物混合物からビスフェノールを分離し母液を残す
    こと、そして c)母液の少なくとも一部を反応混合物に循環することを
    含み、 i)反応工程a)においてフェノール化合物を用いる前にフ
    ェノール化合物の少なくとも一部を強酸性カチオン交換
    樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接触させ、及び/
    又は ii)母液を反応混合物に循環させる前に生成物混合物の
    少なくとも一部及び/又は母液の少なくとも一部を強酸
    性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換樹脂と接
    触させることを特徴とするビスフェノールの製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール化合物と母液の両方の少なく
    とも一部を強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオ
    ン交換樹脂と接触させることを特徴とする、請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性ア
    ニオン交換樹脂が、カチオン及びアニオン交換樹脂の総
    重量を基準として50〜70重量パーセントの強酸性カチオ
    ン交換樹脂を含む混合ベッド内に配置されていることを
    特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 強酸性カチオン交換樹脂が-SO3H 基を含
    み、強塩基性アニオン交換樹脂が-NR3R4R5OH基を含み、
    ここでR3及びR4は各々独立に水素又はC1-C6-アルキルで
    あり、R5は水素、C1-C6-アルキル、ヒドロキシ-C1-C3
    ルキル又はモノもしくはジ-C1-C6アルキルアミノエチレ
    ン基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 ビスフェノールAがフェノールとアセト
    ンの反応により製造され、ビスフェノールAがビスフェ
    ノールA/フェノール付加物の形状で工程b)において生
    成物混合物より分離されることを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれか記載の方法。
  6. 【請求項6】 ビスフェノールA/フェノール付加物
    が、強酸性カチオン交換樹脂及び強塩基性アニオン交換
    樹脂と接触したフェノールで洗浄されることを特徴とす
    る、請求項5記載の方法。
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