JPH0696516B2 - 局所投与薬剤用吸着剤 - Google Patents

局所投与薬剤用吸着剤

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JPH0696516B2
JPH0696516B2 JP22555385A JP22555385A JPH0696516B2 JP H0696516 B2 JPH0696516 B2 JP H0696516B2 JP 22555385 A JP22555385 A JP 22555385A JP 22555385 A JP22555385 A JP 22555385A JP H0696516 B2 JPH0696516 B2 JP H0696516B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生体中の所望の特定局所部位に選択的に投与
しうる局所投与薬剤用の吸着剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、薬剤の局所投与方法としては、薬剤溶液を所望の
局所に注入する方法、座薬や軟膏のように所望の局所の
外表面や近接した部位に薬剤を接触させる方法などが用
いられている。こうした従来方法においては、薬剤の有
効成分が、組織液、リンパ液、血液等の体液中に溶け
て、有効成分の多くはこれらの体液中に速やかに拡散す
る。従つて、有効成分は局所から生体の全身に運び去ら
れ、全身に拡がつてしまう。即ち従来方法における局所
投与においては、薬剤の有効成分の濃度を、所望の局所
においてのみ特異的に一定の高濃度を一定期間安定して
持続する性質、即ち薬剤の有効成分の選択的局所滞留性
は不十分なものであつた。また薬剤の有効成分が全身に
拡散してしまうことにより、薬剤の副作用に起因する様
々な障害を引き起こしたりする欠点を生ずるものであつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点」 上記の事情に鑑み、本発明者の一部は、先に、特開昭57
-56423において吸着剤に有効成分を吸着させた薬剤を、
また、特開昭59-190914において分散補助剤を添加して
有効成分を吸着した吸着剤を安定に分散させてなる薬剤
を提案した。しかし、本発明者らが更に検討したとこ
ろ、薬剤の局所への指向性は吸着剤の粒径に関係してお
り、先に提案した発明で使用した粉末活性炭の粒径は数
ミクロンから数百ミクロンであつて、薬剤の局所への指
向性、例えば、リンパ指向性の点ではやや劣るものであ
つた。また、分散補助剤により、安定に分散させたカー
ボンブラツクを用いることにより、リンパ指向性は向上
したものの、更に所望とする局所において、薬剤の有効
成分を高濃度で、安定に長時間持続できる薬剤の出現が
望まれていた。
〔問題点を解決する手段〕
そこで、本発明者らは、薬剤の局所への指向性にも優
れ、かつ薬剤の有効成分の吸着能力も優れた、更には長
時間安定に薬効を持続し得る局所投与薬剤用吸着剤につ
いて鋭意検討を行つた結果本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的は局所指向性に優れ、かつ所望
の局所において、薬剤の有効成分を所望の高濃度に、長
時間持続させ得る吸着剤を提案することにある。
この目的は、カーボンブラツク等の超微細で、かつ高比
表面積を有する吸着剤により容易に達成されることを見
出した。
以下本発明を説明する。
本吸着剤として使用される粒子は、良好な局所指向性を
示す程度に微細で、かつ、高比表面積であるものであ
る。このような粒子としては、例えば、カーボンブラッ
クが好ましく使用できる。良好な局所指向性を示すため
に、一次粒子の平均粒子径の範囲が、8〜300ミリミク
ロンになければならない。通常は一次粒子の平均粒子径
が8〜100ミリミクロンのものが好ましく、特に8ミリ
ミクロン〜20ミリミクロンの範囲のものが好ましい。こ
れらの粒子は、通常、数個から数十個凝集して、二次粒
子を形成している。局所指向性の点では、この二次粒子
が、出来る限り小さいほうが好ましい。二次粒子の粒子
径は、通常、1ミクロン以下が好ましく、更に好ましく
は0.5ミクロン以下である。また、比表面積は300m2/g以
上、すなわち高比表面積であることが必要である。通常
500ないし2000m2/gのものが用いられる。好ましくは100
0m2/g以上、特に1200〜1600m2/gという極めて高比表面
積のものを用いる。なお、比表面積は、77°Kの液体窒
素温度条件で窒素を吸着させて、BET法によりもとめた
値である。
本吸着剤に吸着させて局所投与する薬剤としては、例え
ばマイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、アクラシノ
マイシンA、硫酸ペプロマイシン等が挙げられるが、こ
れらは大部分、分子量が100〜2000程度である。従つ
て、吸着剤はこの大きさの分子をよく吸着しうるよう
に、直径が約10〜300Åの細孔に富んでいることが必要
である。比表面積が高くしても、直径が10Å以下の細孔
が大部分の吸着剤では、分子量が大きな薬剤を液相で吸
着する300Åの細孔容積が、0.3cc/g以上のものが用いら
れる。通常は0.3〜2cc/g、特に、0.6〜1.5cc/gの範囲内
にあるものが好ましい。なお細孔容積は、77°Kの液体
窒素温度条件で窒素を吸着させた時に得られる吸着等温
線から、Cranston&InKleyの方法で求めた値である。
前述の如く、本発明の吸着剤として好適なのはカーボン
ブラツクであるが、市販の大部分のカーボンブラツクは
そのままでは本発明の吸着剤として用いることはできな
い。何故ならば、一次粒子径が本発明で規定する範囲に
あるようなカーボンブラツクは市販されているが、これ
らは比表面積および細孔容積のいずれか一方、又は双方
が本発明の規定を満足しない。従つて、通常細孔容積や
比表面積を高める為カーボンブラツクを更に処理する。
その方法としては種々あるが、一般的には、カーボンブ
ラツクを、酸化性ガス雰囲気下、300℃以上の高温にて
賦活する方法がとられる。
酸化性ガスとしては、空気(酸素)、水蒸気、炭酸ガス
とが用いられる。空気(酸素)雰囲気の場合には、温度
は300〜600℃の範囲が適当で、300℃以下では酸素が表
面につくだけで、賦活はほとんど期待できない。一方、
600℃以上では、賦活というより、燃焼状態となり、比
表面積、細孔の発達は期待できず、ただ収率の低下を招
くだけである。酸化性ガスとして、水蒸気、炭酸ガスを
用いる場合には、800℃以上の高温にならないと、実際
上、賦活が起こらない。従つて、通常は800℃以上の温
度が採用されている。
もちろん本発明の吸着剤は、以上の賦活方法により得ら
れたものに限定されるものではなく、高細孔容積および
高比表面積が得られるいかなる方法により得たものでも
良い。
本吸着剤に薬剤を吸着させるには、通常、所望の薬剤を
生理食塩等に溶解した溶液と、必要に応じてポリビニル
ピロリドン等の分散助剤を用いて生理食塩水等に良く分
散させた吸着剤分散液とを混合することにより行う。こ
の場合、用いる吸着剤の物性により、必要な分散剤の量
が異なる。特に好ましい。比表面積が1200〜1600m2/gの
吸着剤の場合には、生理食塩水/ml当り、吸着剤25mg、
ポリビニルプロリドンK−30(分散助剤)20mg程度の配
合比率の分散液がよい。吸着剤を生理食塩水に分散させ
る方法としては、種々あるが、例えば次の方法が好まし
い。ポリビニルプロリドンK−30を18〜25gとり、蒸留
水100mlに溶かす。これに吸着剤30gを加え、よく攪拌す
る。この配合物を三本ロール等の分散機を用いて、十分
混練する。この混練物を、ミキサー、超音波分散機を用
いて、生理食塩水で希釈して、上記吸着剤分散液をつく
る。
本発明の吸着剤としては、カーボンブラツクが敵してい
るが、必ずしもそれに限定される訳ではなく、チタンホ
ワイト、ヒユームドシリカ等の他の無機粒子でも良い。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、
本発明は、その要旨をこえない限り、以下の実施例に限
定されるものではない。
実施例1 カーボンブラツク(平均粒子径18ミリミクロン、比表面
積133m2/g)を、1000℃で、水蒸気濃度50%(窒素50
%)雰囲気下で、夫々所定時間(40-70分)賦活をし
て、表1に示す、比表面積、細孔容積の異なる4つの試
料を得た。
抗癌剤マイトマイシンC(MMC)2mg一力価を生理食塩水
に溶解して50ccとし、これにポリビニルピロリドン1gを
加えて溶解した(試験液I)。次に、表1に記載の1〜
4の各試料、及び比較して賦活母体であるカーボンブラ
ツクを約5mg、試験液Iに加え、37℃で、3時間振とう
して吸着させた。0.45ミクロンのミリポアフイルターで
吸着剤を分離後、液を50mmの石英セルに入れ、分光光度
計で波長360nmの紫外吸収を測定した。検量線から残留
濃度を求め、吸着剤への吸着量を計算した。その結果を
表1に示す。本発明品の吸着性能は、比較例の賦活母体
であるカーボンブラツクに比べて、9〜15倍である。
実施例2 実施例1と同じカーボンブラツクを、1000℃で、炭酸ガ
ス50%(窒素50%)雰囲気下で、夫々所定時間(130〜3
60分)賦活をして、比表面積、細孔容積の異なる3ての
試料を得た。これらの性状を表2に示す。
実施例1の試験液Iを使用して、同一条件でマイトマイ
シン(MMC)の吸着試験を実施した。その結果を表2に
示す。
実施例1の水蒸気賦活の場合と同様、炭酸ガス賦活で
も、比較例に比べ、10〜14倍の吸着能を示す。
実施例3 実施例1に記載の水蒸気賦活したカーボンブラツクを用
いて、塩酸ドキソルビシンの吸着テストを行つた。テス
ト方法は実施例1と同様であるが、残留濃度は480nmの
可視領域の吸収を分光光度計で測定して求めた。
結果を、表3に示す。
実施例4 実施例1に記載の水蒸気賦活したカーボンブラツクを用
いて、アクラシノマイシンAの吸着テストを行つた。テ
スト方法は実施例1と同様であるが、残留濃度は420nm
の可視領域の吸収を分光光度計で測定して求める。
結果を、表4に示す。
実施例5 本発明品(比表面積1480m2/g)50mg/ml、ポリビニルピ
ロリドンK−30;30mg/mlの生理食塩水分散液に、マイト
マイシンC(MMC)を10mg/ml添加し、約30分間、十分に
混和して、吸着平衡に達したものを動物実験に供した。
被検動物としては雑種成犬を使用した。胃壁内へのMMC
吸着炭素液の投与方法は、全麻下に開腹して胃壁しよう
膜側より胃壁筋層内へ一回注入した。投与量はMMC6mg/
頭とした。投与12時間後に被検動物を屠殺し、第一群リ
ンパ節を摘出して直ちに−30℃に凍結して、MMCの半定
量に供した。MMCの半定量は、E ColiB株を検定菌とする
薄層平板カツプ法に依つた。測定限界は0.009μg/gであ
る。本発明品は、この判定量で、阻止円の形成を認め
た。すなわち、本発明品の場合には、投与後12時間後に
おいても、リンパ節のMMCの活性が、0.009μg/g以上で
あつた。
比較例1 吸着剤として、三菱カーボンブラツク#40(比表面積13
5m2/g)を使用したこと以外、実施例5と全く同一条件
で動物実験を行つた。
その結果、MMC吸着#40液を投与した犬のリンパ節で
は、12時間後には阻止円の形成を認めなかつた。すなわ
ちリンパ節のMMC活性が、0.009μg/g未満であることが
分かった。
実施例6〜9、比較例2〜4 粒子径の異なる吸着剤(活性炭)のリンパ指向性をマウ
スを用いて検討した。
方法:五周齢のマウス70匹を10匹ずつの7群に分けて、
各々の群に粒子径の異なる活性炭を投与した。吸着剤と
しては活性炭を用い、活性炭の一次粒子径が8、20、8
0、300、500、1000ミリミクロンの活性炭(比表面積約1
500m2、細孔容積0.5〜1.5cc/g)を選定した。これらの
6種類の活性炭からなる6種類の懸濁液を作製した。即
ち活性炭含有量10mg/mlの生理食塩水に、懸濁状態の安
定の目的でポリビニルピロリドンを5mg/ml加えて超音波
処理を10分間加えて活性炭懸濁液とした。この6種類の
活性炭液に薬剤として「マイトマイシンC」2ミリグラ
ムを混合して10分間混和し、マイトマイシンCを活性炭
に十分吸着させた。また対照薬としてマイトマイシンC
を生理食塩水で溶解して、同濃度のマイトマイシンC水
溶液を作製した。以上の7種類の薬品(6種類のマイト
マイシンC吸着活性炭製剤、マイトマイシンC水溶液)
のいずれかを27ゲージ針つき注射器で、各々の群のマウ
スの左後ろ足掌に0.01ml皮下注射した。注射10分後にマ
ウスを屠殺して、所属リンパ節である左膝窩リンパ節を
摘出して薄層法でマイトマイシンC濃度を測定した。
8、20、80、300ミリミクロンの活性炭液を用いたマウ
スの群(実施例6〜9)ではリンパ節のマイトマイシン
C濃度は全てのマウスで測定可能濃度(0.06μg/g)以
上であったが、500ミリミクロンの活性炭(比較例2)
では10匹中3匹で測定されたのみであり、また1000ミリ
ミクロンの活性炭を用いた製剤やマイトマイシンC水溶
液(比較例3及び4)では測定可能のものは全く認めら
れなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面又は内部に薬剤を吸着させて局所投与
    用薬剤を調整する為の吸着剤であつて、該吸着剤は、一
    次粒子が平均粒子径8〜300ミリミクロンの範囲の微粒
    子から成り、比表面積が500m2/g以上であり、かつ、孔
    径10〜300Åの細孔容積が0.3cc/g以上であることを特徴
    とする局所投与薬剤用吸着剤
  2. 【請求項2】吸着剤が、カーボンブラツクであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の吸着剤
  3. 【請求項3】カーボンブラックが300℃以上の高温にて
    賦活して得られたものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第2項に記載の吸着剤
JP22555385A 1985-10-09 1985-10-09 局所投与薬剤用吸着剤 Expired - Lifetime JPH0696516B2 (ja)

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