JPH0696618B2 - 塩化ビニル重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル重合体の製造方法

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JPH0696618B2
JPH0696618B2 JP62194092A JP19409287A JPH0696618B2 JP H0696618 B2 JPH0696618 B2 JP H0696618B2 JP 62194092 A JP62194092 A JP 62194092A JP 19409287 A JP19409287 A JP 19409287A JP H0696618 B2 JPH0696618 B2 JP H0696618B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩化ビニル重合体の製造方法に関し物性を損う
ことなく収率よく該重合体を製造する方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
従来塩化ビニルの重合は重合率が85%程度になると反応
容器空間部のモノマーガスが少なくなり圧力が下り、こ
れ以上は反応はほとんど進まないため圧力が1〜3kg/cm
2程度下がつた時点で反応終了とみなし次の工程へ進ん
でいた。次の工程とは、未反応の塩化ビニルモノマーを
重合器から減圧除去し、次いでスラリー(重合体水分散
液)を脱モノマー装置等で処理し回収することである。
この回収された塩化ビニルモノマーガスは水と分離され
液化精製され再利用されている。
即ち、T/m3Month(T:塩化ビニル重合体でき高トン数、m
3:重合器容量、Month:1か月)を大きくするために、重
合器内圧が1〜3kg/cm2下がつた後長時間だらだら運転
して若干の収率を上げる方法よりも短時間で切り上げ1
サイクルの時間を短かくする方法が採用されていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は得られる重合体の品質を損わずかつ短時間で収
率を上げる塩化ビニル重合体の製造方法を提供すること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を含
む混合物を水性媒体中で懸濁重合させるにあたり、懸濁
剤としてけん化度70〜78%の部分けん化ポリビニルアル
コールを用い、該塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量
体を含むビニル系単量体混合物の重合が進み、重合器内
圧が下がり始めた時から40分以内にスラリーの温度を重
合器内圧が下がり始める直前のスラリーの温度より5〜
10℃上げる操作を行ない、所定の温度に上つた時点より
モノマーを回収する塩化ビニル重合体の製造方法であ
る。
本発明に使用される懸濁剤はけん化度70〜78%が適当で
ある。けん化度がこれより高いと可塑剤吸収性を悪くす
るからである。これはけん化度が高い懸濁剤を使用した
場合生成する塩化ビニル重合体のスキン層が厚くなるた
め、重合が進むにつれ内部空隙率が小さくなるためと考
えられる。一方けん化度が70%より低い懸濁剤は、通常
重合が不安定になるため単独で使用される事はないから
である。
昇温時期は落圧開始時から40分以内とするのが適当であ
る。落圧開始前に昇温を開始するとまだ反応がさかんな
段階なので重合器内圧が上がつてしまい安全上好ましく
ない。又、当然重合度にも影響が与えるため、安定した
重合度調整が困難になる。一方落圧開始後40分より後に
昇温を開始した場合、所定の温度に上げるための時間が
加わるのみならず末期発熱を利用して効率的にスラリー
の温度を上げる操作ができず、温度上昇に時間を要する
ため不利となる。
本発明では昇温の間に塩化ビニルモノマーは系外へ出さ
ない。この間系外へ出すと液体の状態にある塩化ビニル
モノマーが気体の状態に変化するため重合反応が事実上
起こらなくなり、収率の向上が図れないためである。
昇温温度は落圧開始直前のスラリーの温度より5〜10℃
高めとする。5℃より低いと重合速度が遅く短時間での
収率上昇につながらないからである。一方温度が上れば
上る程収率は良くなるが10℃を越えると生成する塩化ビ
ニル重合体の熱安定性を損ない品質が低下して好ましく
ない。又、所定の温度に昇温できればそれより温度が高
くならないよう直ちに冷却操作をするのが望ましい。も
しこの操作をしないとスラリーの温度が高くなり過ぎて
上記と同じ理由で生成する塩化ビニル重合体の熱安定性
を損うおそれがあるからである。
本発明における昇温の際の温度コントロールは通常重合
器ジヤケツトの流体(通常は水)の温度の上下で行な
う。
重合器よりスラリーを抜き出す場合、塩化ビニル重合体
中の塩化ビニルモノマーの残存量を少なくするため、通
常5kg/cm2G程度以下になつてから前記抜き出しが行なわ
れる。ところで驚くべき事に落圧開始時から40分以内に
昇温させその間塩化ビニルモノマーを系外に回収しない
場合、所定の温度に昇温させる迄に時間がそれだけかか
るにもかかわらず、昇温させずに塩化ビニルモノマーを
回収させた場合と比較して5kg/cm2G以下の圧に重合器内
圧が下がるのに要する時間はほとんど同じである。
本発明において、重合時、他の分散剤を併用することが
できる。併用できる分散剤としては例えばけん化度が70
〜78%の範囲以外のPVA、メチルセルローズ、ヒドロキ
シプロピルセルローズのごときセルローズ誘導体、ポリ
ビニルピロリドン、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体のごとき合成高分子物質、ソルビタンモノラウレート
のごときノニオン系界面活性剤等が挙げられ、通常懸濁
重合に用いられるものならばいずれでもよい。
本発明の方法は前記特定の分散剤を使用することと前記
特定条件で重合させること以外は通常の懸濁重合方法と
何ら変るところはない。
従つて開始剤としては過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾ
イル、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオ
キシジカーボネート、ジ(3−メトキシブチル)パーオ
キシジカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニ
ルパーオキサイド等のごとき有機過酸化物あるいはα,
α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、α,α′−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルのご
ときアゾ化合物の一種類又は二種類以上の混合物を用い
ることができる。
又分散剤、開始剤以外の公知の添加剤を重合系に添加す
ることは本発明の範囲を逸脱するものではない。
本発明の方法は主として塩化ビニル単量体の重合法に適
用されるが、これはまた塩化ビニル単量体を50%以上含
む塩化ビニル単量体と共重合しうるビニル系単量体との
共重合にも適用できる。そのようなビニル系単量体とし
ては例えば酢酸ビニルのごときアルキルビニルエステ
ル、セチルビニルエーテルのごときアルキルビニルエー
テル、エチレン又はプロピレンのごときα−モノオレフ
イン系単量体、アクリル酸エチルのごときアクリル酸ア
ルキルエステル又はメタアクリル酸メチルのごときメタ
アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。更に本
発明方法はエチレン−酢酸ビニル共重合体又はエチレン
・プロピレン共重合体等のオレフイン系重合体への塩化
ビニル単量体のグラフト重合にも適用することができ
る。
本発明の塩化ビニル単量体等の重合反応は通常35〜70℃
の温度で撹拌下に行う。
〔効果〕
本発明方法によれば、得られる重合体の品質を損なわ
ず、短時間で収率を向上させることができる。
〔実施例〕
以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。以下の記載において「部」とあるのは特にこ
とわらない限り重量部を表わす。
尚、実施例及び比較例中で説明している塩化ビニル重合
体の品質は夫々次の測定法によつて行つたものである。
(イ)可塑剤の吸収性 プラストグラフに接続させたプラネタリーミキサーを用
い、80℃に保つた容器内に塩化ビニル重合体400g及びジ
オクチルフタレート200gを投入し撹拌しながら各時間毎
の混練トルクを記録し混練トルクが低下した点における
混練時間で表示する。トルクの低下する時間が短い程可
塑剤吸収性が早い事を示す。
(ロ)熱安定性 軟質用処方 塩化ビニル重合体100部、ジオクチルフタレート50部、
エポキシ系安定剤2部、ステアリン酸カルシウム0.5部
及びステアリン酸亜鉛1部を配合し、150℃のロールで1
0分間混練し成型して得られたシート(膜厚0.1mm、横30
mm×縦45mm)を170℃の熱老化試験機で加熱し、黒化す
るまでの時間で表わす。時間が長い程熱安定性が良い事
を示す。
硬質用処方 塩化ビニル重合体100部、ブチル錫メルカプト系安定剤
4部及びステアリン酸カルシウム0.5部を配合し、150℃
のロールで10分間混練し成型して得られたシート(膜厚
0.1mm、横30mm×縦45mm)を190℃の熱老化試験機で加熱
し黒化するまでの時間で表わす。時間が長い程熱安定性
が良い事を示す。
実施例1〜3、比較例1〜3 内容積200のステンレス製重合器に純水100kg、けん化
度70%のポリビニルアルコール26g、ジ(3−メトキシ
ブチル)パーオキシジカーボネート12g、アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド10g、塩化ビニル
モノマー50kgを仕込み撹拌しながら重合温度52℃で重合
した。重合が進み落圧開始後第1表に示す時間後昇温を
開始し第1表に示す設定温度に達した後(その間重合器
内の残存塩化ビニルモノマーは回収しないで)、残存塩
化ビニルモノマーを回収し5kg/cm2Gに達した時点で重合
器よりスラリーを抜き出し脱水し乾燥した。
落圧開始後残存塩化ビニルモノマー回収開始迄の時間及
びスラリー抜き出し迄の時間を第1表に示した。又乾燥
塩化ビニル重合体の熱安定性及び可塑剤吸収性をこの表
に示した。
この表から昇温開始時期が遅すぎると落圧開始後よりス
ラリー抜き出し迄に時間がかかりすぎる事がわかる。又
昇温温度が高すぎれば熱安定性、可塑剤吸収性が悪くな
り、昇温温度が低すぎれば収率が上がらない事がわか
る。
比較例4〜7 実施例1と添加剤等の仕込み及び重合方法は全く同じで
あるが落圧後の操作を第2表の如くにして重合器内圧が
5kg/cm2Gに達した時点で重合器よりスラリーを抜き出し
脱水し乾燥した。
スラリー抜き出し迄の時間、乾燥塩化ビニル重合体の熱
安定性及び可塑剤吸収性を第2表に示した。
この表より昇温してもその間塩化ビニルモノマーを回収
した場合は全く収率があがらない事がわかる。又この時
は昇温設定温度が高くても品質に悪影響を及ぼさない事
もわかる。昇温しない場合は当然の事ながら塩化ビニル
モノマーを回収してもしなくても収率が上がらない事が
わかる。
比較例8〜10 使用した分散剤をけん化度80%のポリビニルアルコール
とし、使用量を40gとした他は、実施例1〜3と全く同
じ操作を行なつた。その結果を第3表に示す。
比較例11 昇温開始後塩化ビニルモノマーを回収する以外は比較例
8と全く同じ操作をした。その結果を第3表に示す。
この表よりけん化度80%のポリビニルアルコールを使用
した場合、可塑剤吸収性が悪くなる事がわかる。
実施例4〜6、比較例12〜13 内容積200のステンレス製重合器に純水100kg、けん化
度70%のポリビニルアルコール25g、ジ(3−メトキシ
ブチル)パーオキシジカーボネート11g、アセチルシク
ロヘキシルスルホニルパーオキサイド7g、塩化ビニルモ
ノマー50kgを仕込み撹拌しながら重合温度57℃で重合し
た。重合が進み落圧開始後第4表に示す時間後昇温を開
始し第3表に示す温度に達した後(その間重合器内の残
存塩化ビニルモノマーは回収しないで)残存塩化ビニル
モノマーを回収し5kg/cm2Gに達した時点で重合器よりス
ラリーを抜き出し脱水し乾燥した。
落圧開始後残存塩化ビニルモノマー回収開始迄の時間及
びスラリー抜き出し迄の時間を第4表に示した。又乾燥
塩化ビニル重合体の熱安定性及び可塑剤吸収性をこの表
に示した。
比較例14 昇温時塩化ビニルモノマーを回収した他は実施例4と同
じ操作を行なつた。その結果を第4表に示す。
この表より、実施例4〜6は、実施例1〜3と重合温度
が異なるがこれらのケースでも同様な結果が得られるこ
とがわかる。
実施例7〜8、比較例15〜16 内容積200のステンレス製重合器に、純水100kg、けん
化度70%のポリビニルアルコール36g、α,α′−アゾ
ビス−2,4−ジメチルバレロニトリル21g、塩化ビニル単
量体40kg及び酢酸ビニル単量体10kgを仕込み撹拌しなが
ら63℃で重合した。重合が進み落圧開始後第5表に示す
時間後昇温を開始し第5表に示す温度に達した後(その
間重合器内の残存塩化ビニルモノマーは回収しないで)
残存塩化ビニルモノマーを回収し、5kg/cm2Gに達した時
点で重合器よりスラリーを抜き出し脱水し乾燥した。
落圧開始後残存塩化ビニルモノマー回収開始迄の時間及
びスラリー抜き出し迄の時間を第5表に示した。又乾燥
塩化ビニル樹脂の熱安定性(硬質)を第5表に示した。
硬質用途の場合、可塑剤を使用しないので可塑剤吸収性
のテストはしなかつた。
この表より塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の場合で
も、落圧開始後の昇温温度が高すぎれば熱安定性が悪く
なり、昇温温度が低すぎれば収率が上がらないことがわ
かる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体を
    含むビニル系単量体混合物を水性媒体中で懸濁重合させ
    るにあたり懸濁剤としてけん化度70〜78%の部分けん化
    ポリビニルアルコールを用い、該塩化ビニル単量体又は
    塩化ビニル単量体を含むビニル系単量体混合物の重合が
    進み重合器内圧が下がり始めた時から40分以内に重合体
    水分散液(以下「スラリー」という。)の温度を重合器
    内圧が下がり始める直前のスラリーの温度より5〜10℃
    上げる操作を行ない、所定の温度に上つた時点よりモノ
    マーを回収することを特徴とする塩化ビニル重合体の製
    造方法。
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