JPH0696782A - 内部改質形燃料電池装置およびその運転方法 - Google Patents

内部改質形燃料電池装置およびその運転方法

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JPH0696782A
JPH0696782A JP4243345A JP24334592A JPH0696782A JP H0696782 A JPH0696782 A JP H0696782A JP 4243345 A JP4243345 A JP 4243345A JP 24334592 A JP24334592 A JP 24334592A JP H0696782 A JPH0696782 A JP H0696782A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池特性の低下をもたらすことなく、改質触
媒の寿命が長く、長期にわたり安定した特性が得られる
内部改質形燃料電池装置およびその運転方法を得ること
を目的とする。 【構成】 低温度動作部分13a、13bに改質触媒を
配置すると共に、燃料ガスが上記低温度動作部分に配置
された改質触媒と接触するように構成した。また、低温
度動作部分の温度が上記改質触媒の活性劣化限界温度を
越えないように温度制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融炭酸塩型の内部
改質形燃料電池装置に関し、特に改質触媒の活性劣化の
防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は例えば特開昭61ー13576号
公報に従来の技術として示された内部改質形燃料電池装
置を一部切り欠いて示す斜視図である。図において、1
は燃料ガス電極、2は酸化ガス電極であり、燃料ガス電
極1と酸化ガス電極2とは電解質層3を介して対向する
ように配置され、これらで単電池4を構成している。5
は燃料ガス電極1に対向して設けられた燃料ガス流路、
6は酸化ガス電極2に対向して設けられた酸化ガス流
路、7は燃料ガス流路5を形成するための燃料ガス側流
路形成材、8は酸化ガス流路6を形成するための酸化ガ
ス側流路形成材である。9は単電池4を複数積層する際
に燃料ガス流路5と酸化ガス流路6とを分離し且つ複数
の単電池を電気的に直列に接続する役目をするセパレー
タ板である。10は単電池4をセパレータ板9を介して
複数積層した燃料電池積層体である。11は燃料ガス流
路5内部に保持された改質触媒である。図において、上
記燃料ガス流路5と酸化ガス流路6とは互いに直交する
方向に設けられている(十字流方式)。12は燃料ガス
および酸化ガスを供給・排出するためのガスマニホール
ドである。
【0003】また、図8は刊行物(米国GRIレポート
No.FCR−3522ー2)に公表された溶融炭酸塩
形の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池とこの燃
料電池の温度制御を行うための周辺装置の概要を示すシ
ステム構成図である。図において、23は燃料電池発電
システムから排出される排出ガスFより動力回収を行
い、外部より空気Eを昇圧し供給する空気供給装置、2
4は燃料電池装置の温度制御を行なうため酸化ガスDの
一部を循環する循環ブロア、25は循環ブロア24によ
り循環される酸化ガス側循環ガスの温度制御を行なうた
めの熱交換器である。矢印A、Bは燃料電池装置に供
給、排出される燃料ガスの流れを、矢印C、Dは酸化ガ
スの流れをそれぞれ示す。
【0004】次に動作について説明する。燃料ガス流路
5に炭化水素などの燃料と水蒸気が供給されると、改質
触媒11との接触反応により炭化水素は水蒸気と反応し
て水素、一酸化炭素、および炭酸ガスに変換される。炭
化水素がメタンの場合には、この反応は式ー1で表され
る。 CH4 + H2O → CO + 3H2 (式ー1) 生成された水素および一酸化炭素は燃料ガス側流路形成
材7に設けられた孔を通り、多孔性の燃料ガス電極1の
細孔を拡散する。他方、酸化ガス流路6には空気と炭酸
ガスとの混合ガスが供給され、多孔性の酸化ガス電極2
の細孔を拡散する。電解質層3に含浸され、動作温度で
ある650℃付近では溶融状態になっている炭酸塩、電
極1、2および上記水素と酸素を主成分とする反応ガス
の間に生ずる電気化学反応により反応ガスが消費され電
流コレクタ(図示せず)間に電位が生じ、外部に電力が
取り出される。なお、改質触媒11上で起こる改質反応
は吸熱反応であり、この反応を持続させるのに必要な熱
量は、上記電気化学反応に伴う発熱より供給される。
【0005】燃料電池の定常的な運転のためには電池反
応による発熱を冷却により除去してやる必要があり、内
部改質形燃料電池では通常酸化ガスの顕熱による冷却、
および内部改質反応による冷却が併せ用いられている。
溶融炭酸塩型燃料電池では、動作温度の低下による電池
構成部材の腐食量の低減と、動作温度の上昇による電池
性能向上との兼ね合をとって、通常平均温度650℃近
辺で温度制御されている。(Handbook of
Fuel Cell Performance; 米国
DOEレポート Contract No.EC−77
ーC−03−1545、(May 1980))
【0006】燃料電池装置の運転に際しては、温度制御
を適切に行なうことにより燃料電池装置を上記動作温度
近辺に保つ必要がある。すなわち、定常負荷動作条件に
おいては、燃料電池装置を一定温度に保つため、副生す
る熱エネルギーを冷却除去する。一方、無負荷保持時ま
たは小負荷時には、放熱による温度低下を防ぐため逆に
燃料電池装置を加熱する。
【0007】このような冷却・加熱を目的とする燃料電
池装置1の温度制御方法としては、溶融炭酸塩形の燃料
電池の場合、気相の熱媒を循環する方法が一般的であ
る。具体的には、燃料電池の反応ガスである酸化ガスの
一部を、系外に設けた熱交換器25を介して再循環し、
燃料電池装置1の温度調節を行なっている。図8におい
ては、酸化ガスDの一部を循環ブロア24により燃料電
池装置1に再循環し反応ガスとしてとともに冷却ガスと
しても利用している。燃料電池装置1の温度制御として
は、循環ブロア24、熱交換器25の働きにより酸化ガ
スCの流量・温度を調節し、燃料電池装置1の代表温度
が所定温度条件を満たすよう行われる。
【0008】このとき従来の一般的な温度制御条件は以
下のとおりである。通常燃料電池装置1には単セル面内
に大きな温度分布が存在し、例えば平均温度では650
℃程度であるが最低570℃程度から最高680℃程度
まで温度のばらつきが存在する。従って、このような広
い温度分布が存在する燃料電池装置1の温度制御方法と
しては、一般的には例えば以下の様に、上下限温度、平
均温度の3つの基準温度を設け、温度制御をおこなう。 1、上限動作温度 ー 電池構成部材(改質触媒を除
く)の腐食の抑制から決まる。 2、下限動作温度 ー 電解質の凝固防止、または電池
特性の改善から決まる。 3、平均動作温度 ー 燃料電池装置全体としての目標
平均動作温度である。 温度測定手段、たとえば熱電対、により測定された燃料
電池装置1各部の温度が上限動作温度および下限動作温
度を満たすように、酸化ガスCの流量、温度等の温度制
御パラメータを調節し温度制御を行う。さらに、複数の
部分の測定温度より燃料電池装置の平均動作温度を求
め、平均動作温度が目標平均動作温度に近づくよう温度
制御を行う。溶融炭酸塩型燃料電池装置では通常例え
ば、目標平均動作温度は650℃、上限動作温度は68
0〜700℃、下限動作温度は500〜540℃が採用
されている。
【0009】一方、内部改質形の燃料電池装置では燃料
ガス流路1bに改質触媒2を保持しているが、改質触媒
2は他の電池構成部材に比べ耐熱性に乏しいものであ
る。改質触媒の耐熱性は改質触媒の組成・種類、付着し
た電解質量、燃料ガス組成等により大きく異なる。当所
による一実施例ではNi/MgO触媒の場合、650℃
以上の温度条件で電解質蒸気を含む燃料ガス雰囲気下で
は、5000時間を越える運転では触媒の活性劣化が著
しく、改質触媒上限動作温度を630℃またはそれ以下
にすることが望ましい。
【0010】従来の運転方法では燃料電池装置1の全動
作領域に同一の上・下限温度を設定し適用する。従っ
て、燃料電池装置1の運転に新たに従来の上限動作温度
より低い改質触媒上限動作温度(例えば630℃)を導
入すれば、全体的に動作温度を50〜70℃下げて運転
することが必要になる。この結果スタックの電圧が単セ
ル平均あたり50〜100mV程度低下し、発電効率も
3.5〜7%程度低下する。現実的には、このような大
きなセル電圧・発電効率の低下を許容することは難し
く、改質触媒上限動作温度の考えは実際には適用され
ず、内部改質電池も平均動作温度650℃近辺で動作さ
れている。このように従来の運転方法では、650℃以
上の高い温度で保持される改質触媒の存在が避けられ
ず、とくに長時間運転をする場合この温度領域に位置す
る触媒の活性劣化が著しい。そのため、高温度での動作
領域の燃料ガス流路を流れる燃料ガス中のメタンは、長
時間運転後には改質触媒で分解されず未分解・未利用の
まま燃料電池装置から系外に排出されるという欠点があ
る。このことが内部改質電池の効率を下げ、寿命を決定
する大きな要因であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料電池装置は
以上のように構成され運転されているので、セル面内の
高温度な領域の燃料ガス流路に保持された改質触媒の劣
化により、経時的に排出燃料ガス中の未分解メタン量の
増大が避けられず、内部改質電池としての寿命が短いと
いう問題点があった。また、改質触媒を保護するため燃
料電池装置の平均動作温度を低下させると、セル電圧の
低下が大きく発電効率の面で問題があった。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電池特性の低下をもたらすこと
なく、改質触媒の寿命が長く、長期にわたり安定した特
性が得られる内部改質形燃料電池装置およびその運転方
法を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る内部改質
形燃料電池装置は、単電池面内の温度分布により生じた
低温度動作部分に位置する燃料ガス流路に改質触媒を配
置すると共に、燃料ガスが上記低温度動作部分に配置さ
れた改質触媒と接触するように構成したものである。
【0014】また、この発明の別の発明に係る内部改質
形燃料電池装置は、積層体に温度制御機構を挿入して単
電池面内に低温度動作部分を形成し、この低温度動作部
分に位置する燃料ガス流路に改質触媒を配置すると共
に、燃料ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触
媒と接触するように構成したものである。
【0015】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置は、電極反応が行われない領域に形成
された低温度動作部分に改質触媒を配置すると共に、燃
料ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触媒と接
触するように構成したものである。
【0016】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置の運転方法は、低温度動作部分の温度
が改質触媒の活性劣化限界温度を越えないように温度制
御するものである。
【0017】
【作用】この発明における内部改質形燃料電池装置で
は、元来運転時に不可避に生成する燃料電池装置内の温
度分布を利用し、その低温度な動作部分の燃料ガス流路
に改質触媒を配置しているので、電池特性を低下させる
ことなく改質触媒の活性が長期にわたり保持される。ま
た、供給された燃料ガスが低温度動作部分に配置された
活性の高い改質触媒と十分に接触するので、長期にわた
り安定して十分な炭化水素の改質を行え、内部改質特性
の良好な燃料電池を得ることができる。
【0018】また、この発明の別の発明に係る内部改質
形燃料電池装置は、積層体に温度制御機構を挿入して単
電池面内に低温度動作部分を形成するので、低温度動作
部分の的確な温度制御が可能であり、元来運転時に不可
避に生成する燃料電池装置内の温度分布を利用するのに
比べて運転条件の自由度が大きく、さらに単電池面内に
おける低温度動作部分の位置の設定を比較的自由に行え
る。
【0019】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置は、電極反応が行われない領域に低温
度動作部分を形成するので、電池特性への悪影響の心配
が少なく、改質触媒配置部の温度設定をさらに低くでき
る。
【0020】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置の運転方法は、低温度動作部分の温度
が改質触媒の活性劣化限界温度を越えないように温度制
御するので、改質触媒の活性を低下させることなく、長
期にわたり安定して内部改質形燃料電池装置を運転する
ことが可能となる。
【0021】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1はこの発明の一実施例で、燃料電池積層体を単
電池平面で切断して見たものである。従来例同様、10
は燃料電池積層体、12は酸化ガス側のガスマニホール
ドを示す。図中斜線で示す13a、13bはセル面内の
温度分布により生じた低温度動作部分であり、低温度動
作部分13a、13bに位置する燃料ガス流路には改質
触媒が保持されている(図示せず)。14は燃料ガス流
路に設けた仕切り板、12a、12bは各々、入・出ガ
スマニホールドおよびリターンガスマニホールドであ
り、それらマニホールド12a、12bおよび仕切り板
14で図1に矢印で示すように、燃料ガスの流れ方式を
リターンフロー方式に確定している。
【0022】次に動作について説明する。内部改質形燃
料電池装置の場合、燃料電池装置の冷却は、炭化水素ま
たはアルコール類の原燃料の改質反応に伴う吸熱効果
と、反応ガス(一般的には酸化ガス)の顕熱による冷却
効果とにより主として行われる。改質反応に伴う吸熱量
は供給される原燃料の供給量により決まるが、原燃料の
供給量は燃料電池装置から取り出す電流量(電気化学的
反応量)により殆ど一義的に決定される。従って、改質
反応による吸熱作用は、燃料電池装置の平均動作温度や
温度分布を調節する運転パラメータとはなりにくい。通
常、燃料電池装置への酸化ガスの入口温度やガス供給量
を調節することにより、燃料電池装置の温度調節が行わ
れる。内部改質形燃料電池の場合、定常負荷動作条件で
は、燃料ガス流れ方向で燃料電池積層体燃料ガス入口部
分、および酸化ガス流れ方向で酸化ガス入口部分がセル
面内で低温度部分となる。この2箇所を低温度動作部分
13a、13bとし、低温度動作部分13a、13bの
上限動作温度が改質触媒上限動作温度(この場合630
℃に設定)以下となるよう燃料電池装置1の運転を行っ
た。定常負荷動作時(150mA/cm2)の内部改質
電池装置1の単セル面内における温度分布の一例を図2
に示す。同図に示すように、平均温度は630℃程度、
セル面内での最高温度は675℃程度でありながら、低
温度動作部分13a、13bの最高温度は620℃程度
であり、十分改質触媒上限動作温度以下に保持されてい
る。従って、低温度動作部分13a、13bに位置する
燃料ガス流路5に保持された改質触媒11の活性は長期
にわたり安定して保持される。このように、平均動作温
度を下げることなく存在する温度分布を利用しながら、
先に図1に示すように、燃料ガス入口部分及び酸化ガス
入口部分に温度範囲590〜630℃程度の低温度動作
部分13a、13bを設定することができる。
【0023】参考までに、従来の運転方法で改質触媒上
限動作温度(630℃)を燃料電池装置1に適用すると
以下のようになる。従来の運転方法ではセル面全域に同
一の上限動作温度を適用するが、セル全面において最高
温度を改質触媒上限動作温度(例えば630℃)以下に
抑えるためには、燃料電池装置1の平均動作温度をさら
に50℃程下げる必要がある。しかしながらこのような
平均動作温度の大きな低下は燃料電池装置1の特性の低
下をもたらし、実質上そのような運転は行えない。
【0024】なお、改質触媒の耐熱性は改質触媒の組成
・種類、付着した電解質量、燃料ガス組成等により大き
く異なる。当所による一実施例ではNi/MgO触媒を
8000〜10000時間保持したところ、動作温度を
650℃から600℃に低下することにより運転後の活
性の保有率(フレッシュなものに対する比)は5〜10
%から60%に改善された。このように低温度動作部分
に保持された改質触媒は10000時間を越える長時間
運転でも十分な活性を保持することができる。このよう
な例えば10000時間を越えるような長時間運転のた
めの改質触媒の上限動作温度は動作条件により異なるた
め、実際には、上限動作温度は、温度をパラメータとす
る内部改質電池の寿命試験・改質触媒の活性評価を行な
うことにより決定される。例えば当所の実施例による
と、10000時間以上の動作を目標とする場合には、
Ni/MgO触媒の場合、630℃以下に保持すること
が望ましい。
【0025】また、燃料電池装置1の内部の温度分布は
電池の負荷条件によっても大きく変化する。本発明によ
り温度制御を行った実施例において、酸化ガス流れ方向
の温度分布を各電流密度において調べた結果を図3に示
す。同図に示す様に電流密度により大きく温度分布が変
化するため、温度制御条件を適宜調節して、低温度動作
部分13a、13bの最高温度が改質触媒上限動作温度
以下となるよう制御する必要がある。
【0026】さらに本実施例では、燃料ガスの流れ方式
としてリターンフロー形式を採用し、供給された燃料ガ
スの全量が低温度動作部分13aおよび13bの燃料ガ
ス流路を通過するよう設計した。この結果燃料ガスは、
低温度動作部分13a、13bに保持された活性の高い
改質触媒と十分な接触を行え、長期間にわたり安定して
内部改質反応を行うことができる。
【0027】本発明では、供給された燃料ガスが全量実
際に低温度な低温度動作部分を通過するよう燃料ガスの
流れ方式・流路を決定することが重要である。図1に示
した実施例では仕切り板14が低温度動作部分13a、
13bを確定しているが、同図において仕切り板14が
例えば酸化ガス出口側のガスマニホールドの方向にずれ
ると、低温度動作部分13bに一部高温度な部分を含む
ことになる。この場合、この部分に含まれる改質触媒の
活性劣化は他の低温度な低温度動作部分の改質触媒に比
べて大きくなる。燃料ガスの一部は活性の低下した改質
触媒が保持された燃料ガス流路を通過することになり、
炭化水素の改質が不十分なまま燃料電池装置の外部に排
出される。この場合、長期的には十分な内部改質反応を
継続することはできない。
【0028】実施例2.なお、図1に示した上記実施例
では、燃料ガスの流れ方式としてリターンフロー形式、
酸化ガスの流れ方式としてストレートフロー形式のもの
を示したが、他のフロー形式であってもよい。図4に他
のフロー形式の一例とその場合の低温度動作部分13
a、13bの例を示した。この例では燃料ガスと酸化ガ
スとが向流形式で供給されている。このようにいくつか
のガスフロー形式と低温度動作部分の設定の組合せが考
えられる。重要なことは、燃料ガスと酸化ガスのフロー
形式の結果生ずるセル面内の温度分布を正確に知り低温
度動作部分を設定し、低温度動作部分の燃料ガス流路に
改質触媒を保持するとともに、燃料ガスが低温度動作部
分にある改質触媒と十分な接触を保てるよう、燃料ガス
と酸化ガスのガスの流れ方式を設計することである。
【0029】実施例3.また本発明の他の発明では、低
温度動作部分13の確保を確実に行なうため、燃料電池
装置に温度制御機構を設けた。図5はこの発明の他の実
施例の要部を示す。図において、15はこの発明の内部
改質形燃料電池装置に用いられる温度制御機構の一例
で、温度制御板である。この例では温度制御板15は平
板状であり、単セル4の積層体である燃料電池積層体1
0に単数または複数挿入されて使用される形式のもので
ある。斜線で示す16は図1の単セル面内における低温
度動作部分13に対応する部分であり、一例としての低
温度動作対応部分である。また、矢印は温度制御板15
への熱媒の供給・排出を示す。温度制御板15には外部
より熱媒が供給・排出され、燃料電池装置の所定の部分
が上限動作温度以下に保たれ低温度動作部分16となる
ように制御される。温度制御板15内の熱媒の流路構成
・構造や熱媒の温度・流量等の運転条件は、低温度動作
対応部分16の温度を最も効果的に制御できるよう決定
される。図1に示す発明では、燃料電池装置に生ずる温
度分布のなかで低温度な部分を低温度動作部分とし、改
質触媒を保持する領域としたが、温度分布は本来電流密
度、反応ガス流量等の運転条件に大きく依存している。
従って図1に示した発明では、低温度動作部分を上限動
作温度以下に保つように、運転条件を工夫する必要があ
る。しかしながら図5に示した発明では温度制御機構1
5の働きにより低温度動作部分16の温度制御を直接行
えるため、低温度動作部分16の的確な温度制御が可能
であるとともに、図1に示した発明に比べて電池の負荷
運転の運転条件の自由度が大きい。また、図5に示した
発明では、温度制御機構15における低温度動作対応部
分16の位置を検討することにより、比較的自由に単セ
ル面内における低温度動作部分16の位置の設定を行な
うことができる。すなわち所定の位置に低温度動作部分
が得られるよう、必要に応じて温度制御機構を設計・設
置することができる。
【0030】さらには、温度制御板15内で熱媒の顕熱
の授受を行い温度制御を行う温度制御機構のほかに、温
度制御板15内で反応熱の授受を行い温度制御を行うこ
とも可能である。例えば温度制御板15内部に改質触媒
を保持し、熱媒として炭化水素とスチームを供給すれ
ば、改質反応に伴う改質反応熱を利用して少量の熱媒量
で効果的な温度制御を行える。また、改質後の水素を主
成分とする可燃性ガスは、燃料電池装置の燃料ガスとし
て利用することも可能である。
【0031】実施例4.また、上記各実施例では、低温
度動作部分を、燃料電池装置内部で電気化学的に活性な
燃料電池反応が進行する領域に設けた例について説明し
たが、燃料電池反応が進行しない領域に設けることもで
きる。この場合、電池特性への悪影響の心配がなく、低
温度動作部分の温度の設定をさらに低くすることができ
る。このことは触媒の寿命の点からはさらに有利であ
る。例えば、上記実施例ではガスマニホールドを燃料電
池積層体10の外部に設けた外部ガスマニホールド方式
の燃料電池装置について説明したが、ガスマニホールド
を燃料電池積層体の内部に設けた内部ガスマニホールド
方式の燃料電池装置にこの発明を適用した場合について
説明する。図6は内部ガスマニホールド方式の燃料電池
装置の場合について、燃料電池積層体を燃料ガスの流れ
方向に沿って積層方向に切断して見た断面図である。図
において、17は燃料ガス流路5および酸化ガス流路6
を分離し確定するためのガスシール部材、13a、13
bは燃料ガスをガスマニホールド12から燃料ガス電極
1に隣接する燃料ガス流路5に導くガス誘導用燃料ガス
流路である。本実施例ではガス誘導用燃料ガス流路13
a、13bに対応する酸化ガス側は通常ガスシール部材
17が設けてあって電極に隣接せず、電気化学的に不活
性で燃料電池反応が進行しない領域であり、改質触媒1
1を内部に保持する低温度動作部分でもある。なお、ガ
スシール部材17は必要に応じてセパレータ板9と一体
構造になっている。図において実線で示すガスマニホー
ルド12は積層方向に燃料電池積層体10を貫通する孔
で、外部より供給された燃料ガスを各単電池4に分配供
給・排出するものである。なお、図中実線の矢印は燃料
ガスの流れを示す。また、酸化ガスのガスマニホールド
12の一部を破線で示す。
【0032】次に動作について説明する。外部より供給
された炭化水素またはアルコール類を含む燃料ガスは、
ガス誘導用燃料ガス流路(低温度動作部分)13aで改
質され燃料ガス流路5に供給される。燃料ガス流路5に
隣接する燃料ガス電極1で電極反応に利用された後、燃
料ガスはガス誘導用燃料ガス流路(低温度動作部分)1
3bに導入される。ガス誘導用燃料ガス流路(低温度動
作部分)13bにおいて改質触媒11の働きにより、燃
料ガス中の未分解の炭化水素はほぼ完全に分解される。
分解後の燃料ガスはガスマニホールド12より燃料電池
積層体10の外部に排出される。好ましくは同燃料ガス
は、燃料ガス系の下流に別途設けた燃料電池装置で燃料
ガスとして利用される。
【0033】なお、上記実施例では内部ガスマニホール
ド方式の燃料電池装置にこの発明を適用した場合ついて
説明したが、外部ガスマニホールド方式の燃料電池装置
にもこの発明は適用でき、この場合は例えば電極周縁の
ガスシールド部分を低温度動作部分として改質触媒を保
持してもよい。
【0034】また、上記各実施例では炭化水素を主要な
成分とする燃料ガスを燃料電池装置に供給する場合につ
いて説明したが、水素を主要な成分とする燃料ガスに一
部炭化水素が含まれている燃料ガスを供給する場合につ
いても有効である。但しこの場合には、炭化水素を燃料
とする場合と比較して、単セル面内の温度分布が異な
る。例えば図1に示した流路構成で、燃料ガス中の炭化
水素濃度が低い場合には、図1に示す低温度動作部分1
3aの領域はそれほど低温度にはならない。従って、燃
料ガスの成分も含めて、運転条件に応じて、低温度動作
部分を設定する必要がある。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、単電
池面内の温度分布により生じた低温度動作部分に位置す
る燃料ガス流路に上記改質触媒を配置すると共に、燃料
ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触媒と接触
するように構成したので、元来運転時に不可避に生成す
る燃料電池装置内の温度分布を利用し、その低温度な動
作部分の燃料ガス流路に改質触媒を配置しているので、
電池特性を低下させることなく改質触媒の活性が長期に
わたり保持される。また、供給された燃料ガスが低温度
動作部分に配置された活性の高い改質触媒と十分に接触
するので、長期にわたり安定して十分な炭化水素の改質
を行え、内部改質特性の良好な燃料電池を得ることがで
きる。
【0036】また、この発明の別の発明に係る内部改質
形燃料電池装置は、積層体に温度制御機構を挿入して単
電池面内に低温度動作部分を形成し、この低温度動作部
分に位置する燃料ガス流路に改質触媒を配置すると共
に、燃料ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触
媒と接触するように構成したので、低温度動作部分の的
確な温度制御が可能であり、元来運転時に不可避に生成
する燃料電池装置内の温度分布を利用するのに比べて運
転条件の自由度が大きく、さらに単電池面内における低
温度動作部分の位置の設定を比較的自由に行える。
【0037】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置は、電極反応が行われない領域に形成
された低温度動作部分に改質触媒を配置すると共に、燃
料ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触媒と接
触するように構成したので、電池特性への悪影響の心配
が少なく、改質触媒配置部の温度設定をさらに低くでき
る。
【0038】さらに、この発明の別の発明に係る内部改
質形燃料電池装置の運転方法は、低温度動作部分の温度
が改質触媒の活性劣化限界温度を越えないように温度制
御するので、改質触媒の活性を低下させることなく、長
期にわたり安定して内部改質形燃料電池装置を運転する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による燃料電池装置の要部
を示す断面図である。
【図2】この発明の一実施例による内部改質形燃料電池
装置における単セル面内の温度分布の一例を示す説明図
である。
【図3】この発明の一実施例による運転方法で運転され
た燃料電池装置の各電流密度における酸化ガス入口温度
と酸化ガス流れ方向の燃料電池装置内部の温度分布であ
る。
【図4】この発明の他の実施例による燃料電池装置の要
部を示す断面図である。
【図5】この発明の他の実施例における温度制御機構の
一例を示す斜視図である。
【図6】この発明の他の実施例による燃料電池装置の要
部を示す断面図である。
【図7】従来の内部改質形燃料電池装置を一部切り欠い
て示す斜視図である。
【図8】従来の内部改質形燃料電池装置の温度制御方法
を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 燃料ガス電極 2 酸化ガス電極 3 電解質層 4 単電池 5 燃料ガス流路 6 酸化ガス流路 9 セパレータ板 10 燃料電池積層体 11 改質触媒 12 ガスマニホールド 13a 低温度動作部分 13b 低温度動作部分
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】なお、上記実施例では内部ガスマニホール
ド方式の燃料電池装置にこの発明を適用した場合につい
て説明したが、外部ガスマニホールド方式の燃料電池装
置にもこの発明は適用でき、この場合は例えば電極周辺
ガスシール部分を低温度動作部分として改質触媒を保
持してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質層を介在して対向する燃料ガス電
    極および酸化ガス電極を有する単電池をセパレータ板を
    介して複数積層した燃料電池積層体、上記燃料ガス電極
    とセパレータ板との間で両者の何れか一方の面に形成し
    た燃料ガス流路、上記酸化ガス電極とセパレータ板との
    間で両者の何れか一方の面に形成した酸化ガス流路、上
    記燃料ガス流路内部に保持された改質触媒、並びに外部
    より供給される燃料ガスおよび酸化ガスをそれぞれ上記
    燃料ガス流路および酸化ガス流路へ供給・分配・排出す
    るガスマニホールドを備える燃料電池装置において、上
    記単電池面内の温度分布により生じた低温度動作部分に
    位置する燃料ガス流路に上記改質触媒を配置すると共
    に、燃料ガスが上記低温度動作部分に配置された改質触
    媒と接触するように構成したことを特徴とする内部改質
    形燃料電池装置。
  2. 【請求項2】 電解質層を介在して対向する燃料ガス電
    極および酸化ガス電極を有する単電池をセパレータ板を
    介して複数積層した燃料電池積層体、上記燃料ガス電極
    とセパレータ板との間で両者の何れか一方の面に形成し
    た燃料ガス流路、上記酸化ガス電極とセパレータ板との
    間で両者の何れか一方の面に形成した酸化ガス流路、上
    記燃料ガス流路内部に保持された改質触媒、並びに外部
    より供給される燃料ガスおよび酸化ガスをそれぞれ上記
    燃料ガス流路および酸化ガス流路へ供給・分配・排出す
    るガスマニホールドを備える燃料電池装置において、上
    記積層体に温度制御機構を挿入して上記単電池面内に低
    温度動作部分を形成し、この低温度動作部分に位置する
    燃料ガス流路に上記改質触媒を配置すると共に、燃料ガ
    スが上記低温度動作部分に配置された改質触媒と接触す
    るように構成したことを特徴とする内部改質形燃料電池
    装置。
  3. 【請求項3】 電解質層を介在して対向する燃料ガス電
    極および酸化ガス電極を有する単電池をセパレータ板を
    介して複数積層した燃料電池積層体、上記燃料ガス電極
    とセパレータ板との間で両者の何れか一方の面に形成し
    た燃料ガス流路、上記酸化ガス電極とセパレータ板との
    間で両者の何れか一方の面に形成した酸化ガス流路、並
    びに外部より供給される燃料ガスおよび酸化ガスをそれ
    ぞれ上記燃料ガス流路および酸化ガス流路へ供給・分配
    ・排出するガスマニホールドを備える燃料電池装置にお
    いて、電極反応が行われない領域に形成された低温度動
    作部分に改質触媒を配置すると共に、燃料ガスが上記低
    温度動作部分に配置された改質触媒と接触するように構
    成したことを特徴とする内部改質形燃料電池装置。
  4. 【請求項4】 電解質層を介在して対向する燃料ガス電
    極および酸化ガス電極を有する単電池をセパレータ板を
    介して複数積層した燃料電池積層体、上記燃料ガス電極
    とセパレータ板との間で両者の何れか一方の面に形成し
    た燃料ガス流路、上記酸化ガス電極とセパレータ板との
    間で両者の何れか一方の面に形成した酸化ガス流路、低
    温度動作部分に保持された改質触媒、並びに外部より供
    給される燃料ガスおよび酸化ガスをそれぞれ上記燃料ガ
    ス流路および酸化ガス流路へ供給・分配・排出するガス
    マニホールドを備える燃料電池装置の運転方法におい
    て、上記低温度動作部分の温度が上記改質触媒の活性劣
    化限界温度を越えないように温度制御することを特徴と
    する内部改質形燃料電池装置の運転方法。
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