JPH0697657A - 低温焼成セラミックス多層基板の製造方法 - Google Patents

低温焼成セラミックス多層基板の製造方法

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JPH0697657A
JPH0697657A JP24324192A JP24324192A JPH0697657A JP H0697657 A JPH0697657 A JP H0697657A JP 24324192 A JP24324192 A JP 24324192A JP 24324192 A JP24324192 A JP 24324192A JP H0697657 A JPH0697657 A JP H0697657A
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JP
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green sheet
temperature fired
low temperature
firing
fired green
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JP24324192A
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Yoshikazu Nakada
好和 中田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 銅の融点より低温で焼成可能な低温焼成セラ
ミックス原料及び銅の融点より高温で焼成可能な高温焼
成セラミックス原料に有機バインダと可塑剤とを添加し
て低温焼成グリーンシート12及び高温焼成グリーンシ
ート11を形成し、低温焼成グリーンシート12にスル
ーホール15を形成し、酸化銅を主成分とする導体用ペ
ースト14を低温焼成グリーンシート12表面に印刷し
て回路パターンを形成する。次にこのグリーンシート1
2を積層して低温焼成グリーンシートの積層体13を形
成し、この上下面に高温焼成グリーンシート11を積層
してグリーンシート積層体10を形成する。 【効果】 分解ガスの放散、酸素や還元ガスの浸透を十
分に行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス多層基板の
製造方法に関し、より詳細にはLSI、チップ部品など
を実装し、かつそれらを相互配線するための導体材料と
して銅を用いた低温焼成セラミックス多層基板の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI、チップ部品等の実装基板
としては、卓越した絶縁性、熱伝導性、安定性及び機械
的強度を有するアルミナが広く使用されている。また、
アルミナを焼成して基板に成形するには1500℃以上
の高温を必要とするため、アルミナとともに焼成される
配線導体には高融点のタングステン(W)やモリブデン
(Mo)が用いられている。しかしながらアルミナ基板
は、誘電率が高く、シリコンとの熱膨張率の整合性が悪
く、また配線導体に導通抵抗が高いWやMoを用いざる
を得ないため、LSIやICを搭載した場合には電気信
号の高周波化、処理の高速化、信頼性等に問題があり、
さらに高密度化、小型化に限界があるという問題があっ
た。近年、これらの問題を解決するために、金(Au)、
銀(Ag)、銀−パラジウム合金(Ag-Pd)、銅(Cu)等の
導通抵抗が低い導体材料を使用し、これらの金属の融点
以下の温度で焼成することができるセラミックス材料を
絶縁体として用いて焼成する低温焼成セラミックス多層
基板が開発されている。
【0003】しかしながら前記導体材料のうち、Au等の
貴金属は酸化性雰囲気中で焼成できるために信頼性は高
いものの、資源的に乏しく、高価で価格変動が激しいた
めに経済的に使用することが困難であり、またAgはマイ
グレーションを起こすためにショートが生じ易いという
問題があった。
【0004】一方、銅は酸化が生じないような非酸化性
雰囲気中で焼成する必要はあるものの、安価であるうえ
に、抵抗が低く、かつ耐マイグレーション性に優れてい
るため、層間の間隔を狭くすることができ、高密度化、
高速化に対応することができる最有力な実装基板用の導
体材料として注目されている。しかし、非酸化性雰囲気
中における焼成ではグリーンシートや導体ペースト中に
含まれる有機バインダの分解・放散が困難であり、その
結果、有機バインダが炭化して基板内に残り、銅粉末や
セラミックス粉末の燒結の進行を阻害するばかりか、絶
縁抵抗や耐電圧等の基板特性を劣化させるという問題を
有していた。
【0005】このような問題を解決するために水蒸気を
含む窒素雰囲気中で前記有機バインダの分解・放散を行
う方法(特開昭60−254697号公報及び特開平2
−141458号公報)が提案されているが、この方法
では前記有機バインダの分解・放散に長時間の焼成を要
し、経済的でないという問題があった。
【0006】また、空気雰囲気中で前記有機バインダの
分解・放散を行う方法(特開平2−155294号公
報)も提案されているが、この方法では前記分解・放散
工程後における焼成物中のカーボン残量を600から1
500ppm もしくは600から3000ppm の範囲内に
調整する必要があり、この条件設定が極めて難しい。し
かもCu導体とセラミックス材料とを同時に焼成した場合
にはCuがわずかでも酸化されると、体積が膨張してセラ
ミックス層にクラックが発生(デラミネーション)し易
いという問題があった。
【0007】また、弱酸化性雰囲気中で前記有機バイン
ダの分解・放散工程を行った後に還元性雰囲気下で焼成
を行う方法(特開平2−25094号公報)、ごく微量
の水蒸気及び酸素を含む窒素雰囲気下で焼成を行う方法
(特開昭63−292692号公報)、前記有機バイン
ダに易分解性樹脂を使用する方法(特開平2−1679
5号公報)が提案されている。しかし、これらの方法は
いずれも前記有機バインダの分解・放散と銅導体の酸化
防止とを両立させるために焼成雰囲気を調整する必要が
あり、この条件設定が極めて難しく、積層体の大きさ、
積層枚数あるいは銅導体の配線パターンが度々変わる場
合、これに即応して雰囲気を調整し直すことが困難であ
るという問題があった。
【0008】上記のような問題点を解決するため、前記
導体材料に酸化銅粉末を使用し、空気中で熱処理を行な
って有機バインダを分解・放散させ、次に酸化銅を銅に
還元し、銅とセラミックス材料とを焼結させて一体化さ
せることによってセラミックス多層基板を製造する方法
が提案されている(特開昭61−26293号公報、特
公平3−21109号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭61−26
293号公報及び特公平3−21109号公報で提案さ
れたセラミックス多層基板の製造方法においては、空気
中で加熱して酸化するために有機バインダを完全に除去
することは容易である。しかしながら上記した還元及び
焼結工程において、酸化銅が銅に還元される際の体積収
縮率は約44%であり、そのうえさらに焼結による収縮
約25%が加わるために導体部の体積収縮率は極めて大
きいが、他方、セラミックスは焼結による収縮のみであ
り、これは一般的に約44%程度であって小さい。この
ように前記セラミックス部と導体部との体積収縮率の差
が大きいため、両者の間に内部応力が発生してセラミッ
クス多層基板を変形させるという課題があった。また、
前記酸化銅が還元される際、焼結途中にある前記セラミ
ックス部はポーラス(多孔質)であり、強度がまだ低い
ため、前記内部応力によって前記セラミックス部にクラ
ックが発生するおそれがあるという課題があった。した
がって、基板に小型電子部品を高密度に実装することが
できないという課題があった。
【0010】また、セラミックスの変形を抑制する焼成
方法としてグリーンシート積層体をモールドに入れてプ
レスしながら焼成を行なう方法があるが、この場合、グ
リーンシート積層体はモールド内に押さえ込まれてお
り、グリーンシートや導体ペースト中に含有されている
前記有機バインダが分解し、ガスになってグリーンシー
ト積層体の外方に放散するのに必要なパス(通路)や、
あるいは導体ペースト中の前記酸化銅を還元するための
還元ガスを浸透させるのに必要なパスが閉塞される。し
たがって、有機バインダの分解・放散あるいは酸化銅の
還元が抑制され、セラミックックスに炭素等のコンタミ
ネーション(Contamination ) が付着し易いという課題
があった。
【0011】また、セラミックスの変形を抑制する別の
方法としてグリーンシート積層体を多孔質セラミックス
体で押さえながら焼成を行なう方法があるが、この場
合、グリーンシート中のガラス成分の浸出によって前記
多孔質セラミックスにセラミックス多層基板が焼き付く
ため、焼成後、前記多孔質セラミックスを研磨等によっ
て取り除く作業を必要とするという課題があった。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、基板の変形やクラックの発生を抑制すること
ができ、焼成後の処理を簡単に行なうことができ、また
有機バインダの分解・放散が十分に行えることにより、
基板の絶縁抵抗や耐電圧特性の向上が図れるとともに銅
導電体の導通抵抗を低減させることができ、したがって
高密度化や信号処理の高速化が図られたセラミックス多
層基板を得ることができる低温焼成セラミックス多層基
板の製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者はセラミックス多層基板の製造方法について
研究を重ねた結果、酸化銅粉末を主成分とした導体用ペ
ーストを低温焼成セラミックス材料を用いて形成した低
温焼成グリーンシートの表面に印刷し、該低温焼成グリ
ーンシートを積層して低温焼成グリーンシート積層体を
形成し、この低温焼成グリーンシート積層体の上下面に
高温焼成セラミックス材料を用いて形成した高温焼成グ
リーンシートを積層して熱間加圧を行い、この後、この
グリーンシート積層体に前記高温焼成グリーンシートの
焼成温度以下で脱バインダのための熱処理及び還元・焼
成処理を行なった場合、該高温焼成グリーンシートが前
記低温焼成グリーンシートに密接し、前記高温焼成グリ
ーンシートの剛性によって低温焼成グリーンシート積層
体の変形が抑制され、また通気性を有する該高温焼成グ
リーンシート面及びグリーンシート積層体における開放
された側面側から分解ガスの放散、酸素や還元ガスの浸
透が十分に行なわれ、さらに焼成後において低温焼成グ
リーンシート積層体は焼結するが前記高温焼成グリーン
シート部は焼結しないため、容易にこれを除去し得るこ
とを知見し、本発明を完成するに至った。
【0014】本発明の要旨とするところは、銅の融点よ
り低温で焼成可能な低温焼成セラミックス原料及び銅の
融点より高温で焼成可能な高温焼成セラミックス原料に
それぞれ少なくとも有機バインダと可塑剤とを添加して
低温焼成グリーンシート及び高温焼成グリーンシートを
形成する工程と、前記低温焼成グリーンシートにスルー
ホールを形成し、酸化銅を主成分とする導体用ペースト
を前記低温焼成グリーンシート表面に印刷して回路パタ
ーンを形成する工程と、該回路が印刷されたグリーンシ
ートを積層して低温焼成グリーンシートの積層体を形成
する工程と、該低温焼成グリーンシート積層体の上下面
に前記高温焼成グリーンシートを積層し、グリーンシー
ト積層体を形成する工程と、該グリーンシート積層体中
の前記有機バインダを分解・放散させる熱処理工程と、
還元性雰囲気中で前記酸化銅を還元すると同時に前記低
温焼成グリーンシートを焼成する還元・焼成工程と、未
焼成の前記高温焼成グリーンシート部を除去する工程と
を含むことにある。
【0015】また、上記した還元・焼成工程に代えて、
還元性雰囲気中で酸化銅を還元する還元工程と、該還元
工程後に中性雰囲気中で低温焼成グリーンシートを焼成
する焼成工程とを含むことにある。
【0016】さらに、上記した高温焼成グリーンシート
を形成する工程において、低温焼成グリーンシート積層
体の上下面に形成されたスルーホールと対向する箇所
に、孔を形成しておくことにある。
【0017】本発明における酸化銅は酸化第1銅、酸化
第2銅のいずれでもよいが、ペースト化を容易にするた
めに粒径は約 0.5μm から10μm 程度が望ましい。粒径
が約0.5μm 未満の場合は酸化銅粉末のかさ密度が小さ
いために導体用ペースト中の酸化銅分が少なくなり、緻
密な導体の形成が阻害され、一方、約10μm を超える場
合は導体用ペーストを高精度にスクリーン印刷すること
が難しくなるために好ましくない。
【0018】本発明における酸化銅ペーストは樹脂と可
塑剤とを溶剤に溶解させたビヒクル中に前記酸化銅粉末
を添加し、3本ロールミルで混練して作製する。樹脂と
してはエチルセルロースもしくはアクリル樹脂、溶剤と
してはテルピネオール、可塑剤としてはジブチルフタレ
ートが使用可能である。なお、還元焼成時において銅導
体とセラミックス絶縁層との接着性を向上させるために
酸化銅ペーストにはガラスフリットを添加してもよい。
この場合のガラスフリットは公知のものが使用可能であ
るが、前記還元焼成工程において溶融・流動化させる必
要上、軟化点が略500℃から略800℃の範囲内にあ
るものが望ましく、例えば鉛ホウケイ酸系ガラスが使用
可能である。またこの場合のガラスフリット添加量は、
銅に対して5重量(wt)%を越えると導体の導通抵抗が大
きくなり、半田ぬれ性も低下するため、5wt% 以下が望
ましい。
【0019】また、本発明における低温焼成セラミック
ス原料は銅の融点以下で焼結し得ることが必要であり、
ガラスと無機フィラーとが混合されたガラス複合セラミ
ックス、結晶化ガラス系セラミックス、非ガラス系セラ
ミックス等が挙げられるが、例えばホウケイ酸系ガラス
にアルミナ、ムライト、フォルステライト等の無機フィ
ラーを複合化したセラミックスが望ましい。
【0020】また、本発明における高温焼成セラミック
ス原料は有機バインダが分解する温度で加熱を行なう熱
処理工程及び還元雰囲気中で加熱を行なう還元・焼成工
程において化学的に安定であることが必要であり、アル
ミナ、ジルコニア、マグネシア、シリカ等の酸化物、窒
化アルミニウム、窒化珪素等の窒化物、銅の融点より高
い軟化点を有するガラス、もしくはこれらの混合物が使
用可能であるが、コストの点からはアルミナを用いるの
がよい。ただし、低純度のアルミナは銅の融点より低い
温度で焼成した場合、わずかに焼結するおそれがあるた
め、約95%以上の純度のアルミナが望ましい。
【0021】また、本発明におけるグリーンシート形成
用のスラリーは前記セラミックス材料を溶剤中において
湿式微粉砕・混合を行った後、有機バインダ、分散剤、
可塑剤等を適宜に配合・混合して作製する。このスラリ
ー化に用いる溶剤としてはアルコール、トルエン、アセ
トン、メチルエチルケトン、トリクロールエチレンまた
はこれらの混合物等の有機溶剤や、水等が使用可能であ
る。また、有機バインダとしてはメタクリル酸エステル
重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共
重合体、α−メチルスチレン重合体、テトラフルオロエ
チレン重合体等の易熱分解性を有する有機バインダが使
用可能であるが、熱分解温度が高いポリビニルブチラー
ル、酢酸ビニル等は好ましくない。また、分散剤として
はオクダデシルアミン、グリセリルモノオレート、ソル
ビタンモノオレート等が用いられ、可塑剤としてはジオ
クチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(D
BP)、ポリエチレングリコール、グリセリン等が使用
可能である。
【0022】また、本発明における低温焼成グリーンシ
ートは前記方法によって得られたスラリーを使用し、ド
クターブレード法等の公知の技術によって均一な厚さに
形成した後、ハンドリングが可能な状態になるまで乾燥
させ、次にカッターあるいは打ち抜き型によって所望の
形状に成形し、さらに必要ならば打ち抜き型によって所
望の位置にスルーホールを形成することによって作製す
る。この後、前記低温焼成グリーンシート上に酸化銅ペ
ーストをスクリーン印刷して配線パターンを形成する。
【0023】また、本発明における高温焼成グリーンシ
ートは前記方法によって得られたスラリーを使用し、低
温焼成グリーンシートの場合と同様の方法で所望の形状
に成形して作製する。また高温焼成グリーンシートに孔
を形成する場合、上記した低温焼成グリーンシート積層
体の上下面に形成されたスルーホールと対向する箇所
に、該スルーホールと略同一直径を有する孔を開口させ
る。
【0024】また、本発明におけるグリーンシートの積
層は、配線パターンが形成された前記低温焼成グリーン
シートを所望枚数重ね合わせて低温焼成グリーンシート
積層体を形成し、該低温焼成グリーンシート積層体の上
下面に前記高温焼成グリーンシートを積層し、加熱・加
圧を行なうことによってグリーンシート積層体を形成す
る。なお、低温焼成グリーンシート積層体における最上
部の低温焼成グリーンシートには配線パターンを形成し
ていないものを用いるのが好ましい。また、前記高温焼
成グリーンシートの積層数は上下面ともそれぞれ1層で
もよいが、低温焼成グリーンシート積層体の形状を保持
するには2層以上ずつ積層するほうが好ましい。ただ
し、積層数を5層以上ずつにするとグリーンシート内に
おける分解ガスの放散、酸素や還元ガスの浸透が阻害さ
れるために好ましくない。さらに孔が形成された前記高
温焼成グリーンシートを積層する場合、この孔が前記低
温焼成グリーンシート積層体の上下面に形成されたスル
ーホールと合致するようにして積層し、上記と同様に加
熱・加圧を行なうことによってグリーンシート積層体を
形成する。
【0025】また、本発明における熱処理工程はグリー
ンシート積層体中の有機バインダを分解・放散させる工
程であり、空気中において略550℃から低温焼成グリ
ーンシートの焼結温度未満の温度範囲で行うことが望ま
しい。加熱温度が550℃未満では有機バインダの分解
・放散が不十分になり、他方、前記焼結温度以上では低
温焼成グリーンシートが焼結を開始し、収縮して緻密に
なり、酸化銅導体の還元反応を阻害するとともに、低温
焼成グリーンシート部分と酸化銅導体との体積差から内
部応力が生じて変形させるために好ましくない。
【0026】また、本発明における還元・焼成工程は、
導体用ペースト中の酸化銅を銅に還元し、かつ前記低温
焼成グリーンシート積層体を焼成・一体化させて多層基
板を形成する工程であり、酸化銅が還元されるように水
素と窒素とが混合された還元性雰囲気中で行い、また低
温焼成グリーンシート積層体を焼結させ、かつ導体パタ
ーンを変形させないために800〜1050℃の温度範
囲で焼成を行う必要がある。なお、水素濃度が3%を超
えると爆発の危険性が高いため、還元性雰囲気中の水素
濃度は3%以下に抑えることが望ましい。また、前記還
元・焼成工程の代わりに還元工程、焼成工程の2工程に
分けて行なってもよく、この場合、還元性雰囲気中にお
いて略400℃で酸化銅を銅に還元させた後、中性雰囲
気中において800〜1050℃で焼成する。
【0027】また、本発明における高温焼成グリーンシ
ート部の除去工程は前記多層基板に軽く振動を与える等
の方法によって行い、セラミックス多層基板を完成す
る。なお、スルーホール直上に配設した高温焼成グリー
ンシートの孔部にアルミナが披着した場合は、軽いバフ
研磨によって除去を行なう。
【0028】
【作用】上記したように本発明においては、有機バイン
ダを空気中で加熱して酸化し、かつ分解したガスを通気
性のよい高温焼成グリーンシート面や低温焼成グリーン
シート積層体の開放側面から放散させており、炭素等の
コンタミネーションの付着が抑制される。
【0029】また、還元ガスは通気性のよい高温焼成グ
リーンシート面や低温焼成グリーンシート積層体の開放
側面から浸透しており、酸化銅が十分に還元される。
【0030】また、還元・焼成工程では、高温焼成グリ
ーンシートのセラミックス粒子と低温焼成グリーンシー
ト積層体のセラミックス粒子とが接触面において粒子的
オーダーでかみ合い、かつ燒結はされないが剛性を有し
ている前記高温焼成グリーンシートが前記低温焼成グリ
ーンシート積層体を挟んでこれを拘束しており、したが
って前記低温焼成グリーンシート積層体の変形が抑制さ
れる。
【0031】また、低温焼成グリーンシート積層体が燒
結する温度では高温焼成グリーンシートが燒結しないた
め、除去工程において高温焼成グリーンシート部は容易
に除去される。
【0032】さらに、水素を含む還元雰囲気中において
約400℃で還元工程を行うことも可能であり、より高
温で還元工程を行う場合に比較して水素爆発の危険性が
緩和される。
【0033】本発明に係る低温焼成セラミックス多層基
板の製造方法によれば、銅の融点より低温で焼成可能な
低温焼成セラミックス原料及び銅の融点より高温で焼成
可能な高温焼成セラミックス原料にそれぞれ少なくとも
有機バインダと可塑剤とを添加して低温焼成グリーンシ
ート及び高温焼成グリーンシートを形成する工程と、前
記低温焼成グリーンシートにスルーホールを形成し、酸
化銅を主成分とする導体用ペーストを前記低温焼成グリ
ーンシート表面に印刷して回路パターンを形成する工程
と、該回路が印刷されたグリーンシートを積層して低温
焼成グリーンシートの積層体を形成する工程と、該低温
焼成グリーンシート積層体の上下面に前記高温焼成グリ
ーンシートを積層し、グリーンシート積層体を形成する
工程と、該グリーンシート積層体中の前記有機バインダ
を分解・放散させる熱処理工程と、還元性雰囲気中で前
記酸化銅を還元すると同時に前記低温焼成グリーンシー
トを焼成する還元・焼成工程と、未焼成の前記高温焼成
グリーンシート部を除去する工程とを含んでいるので、
通気性を有する該高温焼成グリーンシート面及びグリー
ンシート積層体の開放側面を通して分解ガスの放散、酸
素や還元ガスの浸透が十分に行なわれ、また剛性を有す
る該高温焼成グリーンシートが密着することによって低
温焼成グリーンシート積層体の変形が抑制され、さらに
焼成後において低温焼成グリーンシート積層体は焼結す
るが前記高温焼成グリーンシート部は焼結しないため、
容易にこの未焼結部が除去されることととなる。
【0034】また、上記したセラミックス多層基板の製
造方法において、還元・焼成工程に代えて、還元性雰囲
気中で酸化銅を還元する還元工程と、該還元工程後に中
性雰囲気中で低温焼成グリーンシートを焼成する焼成工
程とを含んでいるので、低い還元温度によって酸化銅の
還元速度が緩慢になり、この間に内部応力が分散・緩和
されて低温焼成グリーンシート積層体の変形が抑制され
るとともに、水素爆発の危険性が軽減されることとな
る。
【0035】さらに、上記した高温焼成グリーンシート
を形成する工程において、低温焼成グリーンシート積層
体の上下面に形成されたスルーホールと対向する箇所
に、孔を形成しておくので、該孔に当接するスルーホー
ル部の酸化銅が還元ガスに接触し易くなり、また導体用
ペースト中にガラスフリットを添加した場合、該ガラス
フリットが前記高温焼成グリーンシート部に接着するの
が抑制されることとなる。したがってスルーホール部に
おける銅導体の導通抵抗がより一層改善され、また高温
焼成グリーンシート部が容易に除去し得ることとなる。
【0036】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るセラミックス
多層基板の製造方法の実施例及び比較例を説明する。下
記の表1に示した実施例1〜12に係るセラミックス多
層基板の製造方法はそれぞれ試料形状、低温焼成グリー
ンシートの積層枚数、高温焼成グリーンシートの積層枚
数を変えたものであり、この基本となる製造方法は下記
に示すようにすべて同一である。
【0037】
【表1】
【0038】すなわち、まずアルミナ粉末とホウケイ酸
系ガラス粉末とをそれぞれ50wt%づつ調合し、粉砕・
混合して低温焼成セラミックス原料とした。次に低温焼
成セラミックス原料69wt% 、メタクリル酸エステル樹
脂9wt% 、DOP3wt% 、トルエン9wt% 及びイソプロ
ピルアルコール10wt% にごく微量のオクダデシルアミ
ン系分散剤を加え、ボールミルで混合してスラリーを作
製した。このスラリーを真空脱泡機で脱泡した後、ドク
ターブレード法を用いて前記スラリーから厚さが略25
0μm の低温焼成グリーンシートを作製した。この低温
焼成グリーンシートを所定の大きさに切断した後、必要
な箇所に直径が略200μm のスルーホールを形成し
た。
【0039】また高温焼成グリーンシートは、平均粒径
が約2μm のアルミナ粉末を使用し、上記と同様の方法
で所定の大きさに作製した。
【0040】一方、平均粒径が約3μm の酸化銅粉末を
エチルセルロース5wt% 、テルピネオール55wt% 、ジ
ブチルフタレート40wt% とからなるビヒクルに分散さ
せ、3本ロールミルで混練して導体用ペーストを作製
し、この導体用ペーストを用いてスクリーン印刷によっ
て塗布を行い、前記低温焼成グリーンシート上に図1で
示した導体用ペースト14による配線パターンを形成し
た。この際の導体用ペースト14の印刷面積率はいずれ
の実施例及び比較例においても約60%に設定した。ま
た、図1で示したスルーホール15内部にも、前記印刷
によって導体用ペースト14を充填した。
【0041】次に、所定の配線パターンが形成された前
記低温焼成グリーンシートを所望枚数重ね合わせ、これ
らの最上部にはスルーホールのみを形成し、かつ配線パ
ターンを形成していない低温焼成グリーンシートを重ね
て低温焼成グリーンシート積層体を形成し、さらにこの
低温焼成グリーンシート積層体の上下面に前記高温焼成
グリーンシートを所定枚数ずつ積層し、圧力が略30MP
a 、温度が略100℃で加熱・加圧を行ってグリーンシ
ートの積層体を形成した。図1は実施例1〜12に係る
セラミックス多層基板の製造方法において、グリーンシ
ートの積層状態を模式的に示した断面図であり、図中1
0はグリーンシート積層体、11は高温焼成グリーンシ
ート、12aは配線パターンが形成されていない低温焼
成グリーンシート、12bは配線パターンが形成されて
いる低温焼成グリーンシート、13は低温焼成グリーン
シート積層体、14は導体用ペースト、15はスルーホ
ールをそれぞれ示している。
【0042】次に、グリーンシート積層体10を空気が
充満された熱処理炉内に装入し、ピーク温度が600℃
で90分間ほどピーク温度を保持し、該ピーク保持時間
を含むトータル3時間の加熱プロファイルによって熱処
理を行い、グリーンシート積層体10中の有機バインダ
を分解・放散させた。なお、熱処理後のグリーンシート
積層体10中における残留炭素量は50ppm 以下であっ
た。
【0043】次に、グリーンシート積層体10を水素が
1%、窒素が99%よりなる混合ガス中でピーク温度が
900℃、ピーク保持時間が30分間を含むトータル
1.5時間の加熱プロファイルによって還元・焼成処理
を行い、導体用ペースト中の酸化銅を銅に還元し、かつ
低温焼成グリーンシート積層体13を焼成・一体化させ
た。この後、高温焼成グリーンシート11部を振り落と
すことによってセラミックス多層基板を作製し、さらに
最上部のセラミックス基板12a表面に銅導体ペースト
で配線パターンを印刷し、窒素雰囲気中でピーク温度が
900℃、ピーク保持時間が10分間を含むトータル1
時間の加熱プロファイルで焼きつけることにより、最終
的にセラミックス多層基板を完成させた。
【0044】表1に示した実施例13〜24に係るセラ
ミックス多層基板の製造方法はそれぞれ試料形状、低温
焼成グリーンシートの積層枚数、高温焼成グリーンシー
トの積層枚数を変えたものであり、この基本となる製造
方法はすべて同一であり、実施例1〜12に係るセラミ
ックス多層基板の製造方法と異なる点を図2に基づいて
説明することとする。
【0045】図2は実施例13〜24に係るセラミック
ス多層基板の製造方法において、グリーンシートの積層
状態を模式的に示した断面図であり、図中12a、12
bは上記実施例1〜12と同様に形成・積層した低温焼
成グリーンシートを示している。低温焼成グリーンシー
ト12bには3wt% の鉛ホウケイ酸系ガラスフリットを
添加した導体用ペースト17を用いて配線パターンを形
成するとともにスルーホール15にも充填しており、低
温焼成グリーンシート12aにはスルーホール15のみ
に充填している。また高温焼成グリーンシート11の所
定箇所には孔16を形成しており、孔16が低温焼成グ
リーンシート積層体13の上下面に形成したスルーホー
ル15に当接するようにして高温焼成グリーンシート1
1を積層し、グリーンシート積層体10を形成してい
る。
【0046】比較例として、実施例12において上下面
各3層ずつの高温焼成グリーンシート11を積層しない
方法(比較例1)、実施例12において上面3層の高温
焼成グリーンシート11を積層しない方法(比較例2)
によってそれぞれセラミックス多層基板を作製した。
【0047】以下に、実施例1〜24及び比較例1〜2
について、基板表面の凹凸度合、導通配線の導通抵抗の
測定を行った結果を表1に基づいて説明する。なお、基
板表面の凹凸度合は表面荒さ計を用いて基板上下面にお
ける2つの対角線上の表面荒さを測定し、その最高値と
最低値との差を平均したものである。
【0048】表1から明らかなように、実施例1〜24
の製造方法によるセラミックス多層基板においては、い
ずれも基板の凹凸度合が10μm 以下であり、変形が少
なく平滑であるために基板表面に小型電子部品を高密度
に実装することができる。また導体の導電性(シート抵
抗値)も良好であり、したがって高周波化に十分対応す
ることができる。
【0049】これに対して比較例1の場合は凹凸度合が
20μm 以上あり、また比較例2の場合は凹状に湾曲し
ており、したがって高温焼成グリーンシート11の積層
により、極めて大きい拘束効果が得られることが分か
る。
【0050】なお、高温焼成グリーンシート11の代わ
りに高温焼成セラミックスペーストを低温焼成グリーン
シート12a上に印刷・塗布する方法、あるいはスプレ
ーで吹きつける方法によっても略同様の効果を有する。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るセラミ
ックス多層基板の製造方法にあっては、銅の融点より低
温で焼成可能な低温焼成セラミックス原料及び銅の融点
より高温で焼成可能な高温焼成セラミックス原料にそれ
ぞれ少なくとも有機バインダと可塑剤とを添加して低温
焼成グリーンシート及び高温焼成グリーンシートを形成
する工程と、前記低温焼成グリーンシートにスルーホー
ルを形成し、酸化銅を主成分とする導体用ペーストを前
記低温焼成グリーンシート表面に印刷して回路パターン
を形成する工程と、該回路が印刷されたグリーンシート
を積層して低温焼成グリーンシートの積層体を形成する
工程と、該低温焼成グリーンシート積層体の上下面に前
記高温焼成グリーンシートを積層し、グリーンシート積
層体を形成する工程と、該グリーンシート積層体中の前
記有機バインダを分解・放散させる熱処理工程と、還元
性雰囲気中で前記酸化銅を還元すると同時に前記低温焼
成グリーンシートを焼成する還元・焼成工程と、未焼成
の前記高温焼成グリーンシート部を除去する工程とを含
んでいるので、通気性を有する該高温焼成グリーンシー
ト面及びグリーンシート積層体の開放側面を通して分解
ガスの放散、酸素や還元ガスの浸透を十分に行なうこと
ができ、また剛性を有する該高温焼成グリーンシートが
密着することによって低温焼成グリーンシート積層体の
変形を抑制することができ、さらに焼成後において低温
焼成グリーンシート積層体は焼結するが前記高温焼成グ
リーンシート部は焼結しないため、容易にこの未焼結部
を除去することができる。
【0052】また、上記したセラミックス多層基板の製
造方法において、還元・焼成工程に代えて、還元性雰囲
気中で酸化銅を還元する還元工程と、該還元工程後に中
性雰囲気中で低温焼成グリーンシートを焼成する焼成工
程とを含んでいるので、低い還元温度によって酸化銅の
還元速度を緩慢にすることができ、この間に内部応力を
分散・緩和して低温焼成グリーンシート積層体の変形を
抑制することができるとともに、水素爆発の危険性を軽
減することができる。
【0053】さらに、上記した高温焼成グリーンシート
を形成する工程において、低温焼成グリーンシート積層
体の上下面に形成されたスルーホールと対向する箇所
に、孔を形成しておくので、該孔に当接するスルーホー
ル部の酸化銅を還元ガスに接触し易くすることができ、
また導体用ペースト中にガラスフリットを添加した場
合、該ガラスフリットが前記高温焼成グリーンシート部
に接着するのを抑制することができる。したがってスル
ーホール部における銅導体の導通抵抗をより一層改善す
ることができ、また高温焼成グリーンシート部を容易に
除去することができる。
【0054】したがって基板表面に小型電子部品を高密
度に実装することができ、高周波化に対応することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜12に係るセラミックス多
層基板の製造方法において、グリーンシートの積層状態
を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の実施例13〜24に係るセラミックス
多層基板の製造方法において、グリーンシートの積層状
態を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
10 グリーンシート積層体 11 高温焼成グリーンシート 12a 低温焼成グリーンシート 12b 低温焼成グリーンシート 13 低温焼成グリーンシート積層体 14 導体用ペースト 15 スルーホール 16 孔 17 導体用ペースト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅の融点より低温で焼成可能な低温焼成
    セラミックス原料及び銅の融点より高温で焼成可能な高
    温焼成セラミックス原料にそれぞれ少なくとも有機バイ
    ンダと可塑剤とを添加して低温焼成グリーンシート及び
    高温焼成グリーンシートを形成する工程と、 前記低温焼成グリーンシートにスルーホールを形成し、
    酸化銅を主成分とする導体用ペーストを前記低温焼成グ
    リーンシート表面に印刷して回路パターンを形成する工
    程と、 該回路が印刷されたグリーンシートを積層して低温焼成
    グリーンシートの積層体を形成する工程と、 該低温焼成グリーンシート積層体の上下面に前記高温焼
    成グリーンシートを積層してグリーンシート積層体を形
    成する工程と、 該グリーンシート積層体中の前記有機バインダを分解・
    放散させる熱処理工程と、 還元性雰囲気中で前記酸化銅を還元すると同時に前記低
    温焼成グリーンシートを焼成する還元・焼成工程と、 未焼成の前記高温焼成グリーンシート部を除去する工程
    とを含んでいることを特徴とする低温焼成セラミックス
    多層基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の還元・焼成工程に代え
    て、 還元性雰囲気中で酸化銅を還元する還元工程と、 該還元工程後に中性雰囲気中で低温焼成グリーンシート
    を焼成する焼成工程とを含んでいることを特徴とする低
    温焼成セラミックス多層基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 高温焼成グリーンシートを形成する工程
    において、低温焼成グリーンシート積層体の上下面に形
    成されたスルーホールと対向する箇所に、孔を形成して
    おくことを特徴とする請求項1記載の低温焼成セラミッ
    クス多層基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003008217A (ja) * 2001-06-27 2003-01-10 Sumitomo Metal Electronics Devices Inc キャビティ付きの低温焼成セラミック基板の製造方法
JP2007324420A (ja) * 2006-06-01 2007-12-13 Tdk Corp セラミック基板及び複合配線基板、並びにそれらの製造方法

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