JPH11330705A - コンデンサ内蔵基板およびその製造方法 - Google Patents

コンデンサ内蔵基板およびその製造方法

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JPH11330705A
JPH11330705A JP10128718A JP12871898A JPH11330705A JP H11330705 A JPH11330705 A JP H11330705A JP 10128718 A JP10128718 A JP 10128718A JP 12871898 A JP12871898 A JP 12871898A JP H11330705 A JPH11330705 A JP H11330705A
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修 井上
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康博 菅谷
Junichi Kato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機系多層配線基板において、同時焼成で、
高誘電率、高容量のコンデンサを内蔵可能とする。 【解決手段】 コンデンサ用の電極層4a、4bと基板
層1b、1cの間に、基板層1b、1cおよび容量層2
より焼結温度が高く、かつ該基板層材料と反応するセラ
ミック系素材よりなる第一中間層8a、8bを入れる。
また、第一中間層8a、8bの電極側に隣接して、主成
分が容量層2と同一か、類似の成分よりなる第2中間層
9a、9bを配置する。またその製造方法として、コン
デンサ内蔵基板の焼成の前に、そのグリーン成形体の両
面もしくは片面に、その焼成温度では焼結収縮をほとん
ど、あるいは全く生じない無機組成物よりなるシートを
最外層7a、7bとして積層し、焼成後、これの全部ま
たは一部を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ内蔵基
板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の機器の小型化の進展により、半導
体ICやその他の部品を多層配線基板上に高密度に実装
する事が求められ、これに対応して多層配線基板自体に
も様々な要求が寄せられている。
【0003】多層配線基板は、ガラスエポキシ等の有機
材料が主体となる有機系基板と、アルミナ等のセラミッ
クスやガラスが主体となる無機系基板に大きく分類でき
る。この内、無機系基板の製造方法は、まず原料となる
アルミナ等の無機粉末を、有機高分子よりなるバインダ
や溶媒と混合し、これをシート状に成形して、グリーン
シート成形体を作製する。次に層間を接続するビア導体
を形成するため、このシートに、パンチング等の方法で
貫通孔を開け、この穴を、銅や銀等の導電性金属あるい
はその前駆体を含むペーストで充填する。またシートの
表面に、印刷等の方法で、やはり導電性金属あるいはそ
の前駆体を含む回路パターンを形成する。こうして作製
した複数のシートを積層し、まず低温での熱処理によ
り、シートや導体に含まれる有機成分を分解消失させ、
さらに高温で熱処理して、無機成分を焼結させ、内部に
配線導体を有する無機多層基板とする方法が一般的であ
る。
【0004】この無機系多層基板は、その製造工程上多
層化が容易であり、またビア導体径を小さくする事も容
易である等、高密度実装に適している。また、コンデン
サ等の部品は、基板と同様に無機粉体を成形、焼成して
作製する事が出来るので、基板中の必要な位置に、コン
デンサが内蔵されるように、焼成前のグリーンシート積
層体中に、コンデンサ用誘電体と電極を形成し、これら
を一回の熱処理により同時に一体焼結させてコンデンサ
内蔵基板とする事により、より高密度実装に対応させる
試みもなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機系
多層基板の主構成要素である無機系絶縁体と、内蔵コン
デンサ用の誘電体は、何れも無機粉末の焼結によって作
製されるものではあるが、両者の組成が異なるものであ
るために、以下の2つの問題点がある。
【0006】第1の問題点は、両者が接触した状態で焼
成を行うため、その工程中に成分の相互拡散が生じて、
それぞれの焼結性や電気特性が変化してしまい、その結
果、目的とした特性のコンデンサを得る事ができないと
いう点である。第2の問題点は、両者の焼結開始および
終了温度と、焼結にともなう収縮率が一致しないと、片
方だけが焼結収縮しようとする、あるいは片方だけの収
縮率が大きい事によって、焼結後の基板にそりやクラッ
クが生じたり、ひどい場合には層間剥離等で破壊してし
まう点である。
【0007】第2の問題点を克服するためには、基板用
絶縁体層(以下基板層と表記)とコンデンサ用誘電体層
(以下容量層と表記)の、焼結温度と収縮率をかなり厳
密に一致させる必要がある。一方、第1の問題点を克服
する方法として、基板層と容量層の間に、相互拡散を防
ぐための障壁となる層(以下中間層と表記)を介在させ
る方法が提案されており、障壁用材料として特定の組成
比のものを指定した特許が出願されている(特開平3−
4594号公報、特開平9−92978号公報等)。し
かしながら、この方法を用いると、基板層と容量層と中
間層の3者の焼結温度を一致させないと、第2の問題点
が生じてしまう。例えば、特開平9−92978号公報
では、アルミナ耐火物やマグネシア耐火物が障壁用材料
としての効果が大きい事が述べられているが、しかしな
がら、これらの耐火物は、基板材料として用いられてい
るガラスセラミックスの焼結温度である875℃では全
く焼結しないために、第2の問題点は克服できず、実用
的な方法とは言えなかった。また、焼結しないこれらの
耐火物は、機械強度の面からも、実用的とは言えなかっ
た。
【0008】これらの問題点のため、大容量のコンデン
サを基板中に内蔵させる事は困難であり、その容量は5
0nF/cm2程度のものしか得られていなかった。
【0009】本発明は、従来のコンデンサ内蔵基板およ
びその製造方法が有する上述した課題を考慮し、コンデ
ンサを基板中に同時焼成で一括形成する事ができ、集積
度、実装密度を向上させるコンデンサ内蔵基板およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上のような問題点を解
決するために、請求項1の本発明は、無機系絶縁材料か
らなる少なくとも一層の基板層と、前記基板層に積層さ
れた誘電体層と、前記誘電体層を挟み込むことによっ
て、前記誘電体層とともにコンデンサを形成する二層の
電極層と、前記基板層と前記誘電体層との間に、前記基
板層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しな
いように配置され、前記基板層および前記誘電体層より
焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセ
ラミック系素材からなる、少なくとも1層以上の中間層
とを備えることを特徴とするコンデンサ内蔵基板であ
る。
【0011】請求項2の本発明は、前記中間層は、主成
分として、2価金属の酸化物を少なくとも1種類含むこ
とを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板で
ある。
【0012】請求項3の本発明は、前記中間層の厚さが
10μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の
コンデンサ内蔵基板である。
【0013】請求項4の本発明は、前記中間層は、主成
分として、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜
鉛のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求
項2または3に記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0014】請求項5の本発明は、前記中間層の主成分
は、酸化マグネシウムと酸化カルシウムのいずれか一つ
と、酸化亜鉛とであることを特徴とする請求項4に記載
のコンデンサ内蔵基板である。
【0015】請求項6の本発明は、前記中間層は、副成
分として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸
化鉛のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板であ
る。
【0016】請求項7の本発明は、前記中間層を第1中
間層とし、前記第1中間層と前記誘電体層との間に、前
記第1中間層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直
接接しないように配置され、前記誘電体層と実質的に同
一または類似の成分を主成分とする第2中間層を備える
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコン
デンサ内蔵基板である。
【0017】請求項8の本発明は、前記第2中間層は、
前記誘電体層よりも低温で焼結するものであることを特
徴とする請求項7に記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0018】請求項9の本発明は、前記第2中間層は、
副成分として、酸化鉛または酸化ビスマスを含むことを
特徴とする請求項7に記載のコンデンサ内蔵基板であ
る。
【0019】請求項10の本発明は、前記中間層全体の
厚さ、または、前記第1中間層と前記第2中間層の厚さ
の合計は、30μm以下であることを特徴とする請求項
1〜9のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0020】請求項11の本発明は、請求項1〜10の
いずれかに記載のコンデンサ内蔵基板を製造する製造方
法において、コンデンサ内蔵基板の焼成を行う前に、そ
のグリーン成形体の両面もしくは片面に、前記焼成が行
われる焼成温度においては、実質的に焼結収縮を生じな
い無機組成物を主成分とする最外層を積層し、前記焼成
の完了後、前記最外層の全部または一部を除去すること
を特徴とするコンデンサ内蔵基板の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。
【0022】(第1の実施の形態)まず、本発明の第1
の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
るコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。図1に
示すように、本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板
は、無機系絶縁材料からなる基板層1a〜1dと、基板
層1b、1cの間に配置された誘電体層である容量層2
と、それぞれ基板層1b、1cと容量層2との間に配置
され、基板層1a〜1dおよび容量層2より焼結温度が
高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系
素材からなる中間層3a、3bと、容量層2を挟み込む
ことによって、容量層2とともにコンデンサを形成して
いる電極層4a、4bと、層間または層上に配置された
配線層5a〜5dと、基板層1a〜1dまたは中間層3
a、3bを貫通して電極層または配線層同士を電気的に
接続するビア6a〜6fとを備えている。また、中間層
3a、3bは、基板層1b、1cと容量層2もしくは電
極層4a、4bとが直接接しないように配置されてい
る。なお、最外層7a、7bは、後述する製造工程にお
いて、コンデンサ内蔵基板の焼成が行われる際の、焼成
温度においては、実質的に焼結収縮を生じない無機組成
物を主成分とするものであり、コンデンサ内蔵基板の焼
成前に、コンデンサ内蔵基板のグリーン成形体の両面も
しくは片面に積層され、前記焼成の完了後、全部または
一部を除去されるものである。
【0024】次に、本実施の形態におけるコンデンサ内
蔵基板の製造方法を図1を参照して説明する。
【0025】まず、コンデンサ内蔵無機系多層基板の作
製の材料として、以下のものを準備する。
【0026】 1.基板層グリーンシート 2.中間層グリーンシートまたはペースト 3.容量層グリーンシートまたはペースト 4.ビア用導体ペースト 5.配線およびコンデンサ電極用導体ペースト 各グリーンシートは、それぞれに用いる無機粉末と有機
バインダとを十分に混合・混練してスラリーを作製し、
ベースフィルム上にこのスラリーを引きのばしてシート
状に形成した後、これを乾燥して作製する。各ペースト
は、それぞれに用いる無機粉末と、有機バインダと溶剤
とからなる有機ビヒクル成分とを十分に混合・混練して
作製する。
【0027】最初に、基板層グリーンシートの内、容量
層2の最も近くに配置される基板層1b、1cとなるも
のに対して、その全面あるいは容量層2が位置する予定
となる部位に、中間層3a、3bを、グリーンシート積
層法、または印刷法により形成する。次に、各基板層1
a〜1dおよび中間層3a、3bにビア孔加工を施し、
ビア用導体ペーストを、グリーンシートのビア孔に充填
することによって、ビア6a〜6fを形成する。次に内
層配線用導体ペーストを用いて、グリーンシート上に配
線パターンとして配線層5a〜5dを、また、コンデン
サ用電極として電極層4a、4bを印刷により形成す
る。電極層4a、4bのいずれかの上にグリーンシート
または印刷法により、容量層2を形成する。以下、必要
に応じて、容量層2が電極層4a、4bで挟まれ、かつ
電極層4a、4bと基板層1b、1cの間に中間層3
a、3bがくるように、各ペーストを印刷するか、グリ
ーンシートを積層することによって、図1から最外層7
a、7bを除いたコンデンサ内蔵基板となるグリーン積
層体が形成される。このグリーン積層体の両面あるいは
片面に、最外層7a、7bとなる、絶縁シートの焼成時
に焼結しない無機組成物を含んだグリーンシート、ある
いは既に焼結した層、金属箔等を積層し、熱圧着して、
図1に示す本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板と
なるグリーン積層体を得る。以上の作製順序は、必要に
応じて変更、一部省略してもかまわない。得られた積層
体を加熱炉内で脱バインダ処理し、その後必要に応じて
配線層、電極層のメタライズ処理を施した後、焼成処理
を施すことによって、本実施の形態におけるコンデンサ
内蔵基板を得る。なお、最外層7a、7bを積層した場
合は、必要に応じて最外層7a、7bの一部または全部
を取り除く。
【0028】本実施の形態においては、容量層2と基板
層1b、1cとの間に、両者より焼結温度が高く、かつ
基板層1b、1cと反応する中間層3a、3bを設けて
いる。この中間層3a、3bは、それ自体は焼結温度が
高いため、容量層2への拡散はあまり生じず、一方基板
層1b、1cとは反応するために、基板層1b、1cか
ら容量層2への拡散が妨げられ、その結果、容量層2の
焼結が阻害されず、大容量のコンデンサを作製する事が
可能となる。通常のセラミック基板中に、この中間層3
a、3bのような焼結しにくいものを部分的に入れる事
は、その部分のみ焼結収縮しにくいため、焼結体全体に
反りや歪み、クラックを生じたり、その部分の機械強度
が低下して層間剥離、破壊等を生じやすくなる。本実施
の形態においては、この対策として、第一に、中間層3
a、3bに、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化硼素、
酸化鉛等の副成分を添加して、中間層の機械強度、接着
強度を上げること、第二に、焼成前の積層体の上下面
に、焼成時に収縮を全くあるいはほとんど生じない最外
層7a、7bを積層して焼結させること、を採用するこ
とにより、焼成収縮が主として面に垂直な方向に生じ、
焼結温度の異なる層を入れてもクラック等が生じないよ
うにしている。
【0029】基板層1a〜1dとなる無機絶縁材料は特
に限定されず、放熱性や強度、焼結温度、コストなどに
応じて適宜決定すれば良いが、一般に広く用いられてい
るアルミナや、ガラスセラミックスを用いる事ができ
る。特にガラスセラミックスは、焼成温度が900℃程
度と低く、低抵抗だが低融点の銅、銀を配線材料に用い
る事が出来るので望ましい。ガラスセラミックに用いら
れるセラミック成分としては、アルミナ、シリカ、ムラ
イト、フォルステライト等が挙げられ、ガラスとして
は、結晶化ガラス系の、例えばほう珪酸ガラス、ほう珪
酸鉛系やほう珪酸カルシウム系などのほう珪酸塩系ガラ
スなど、非晶質ガラス系の、例えば珪酸塩ガラスやアル
ミノ珪酸塩ガラスなどが使用できる。
【0030】容量層2となる無機絶縁材料は特に限定さ
れず、基板層1a〜1dの焼成温度や必要とされる誘電
率、誘電正接、温度特性などに応じて適宜決定すれば良
いが、基板層1b、1cに低温焼結性のガラスセラミッ
クスを用いた場合は、やはり低温で焼結し、かつ誘電率
の大きい、Pb(Mg1/3Nb2/3)xTiy(Ni1/2W1/2)1-x-yO3等の
Pb系のペロブスカイト材料が有用である。より高い温
度で焼成する事が可能な場合は、チタン酸バリウム等が
使用できる。
【0031】各層のグリーンシートの作製方法は特に限
定はなく、例えばドクターブレード法やカレンダ法、ロ
ールコーター法などが使用できる。またシートを保持す
るベースフィルムとしては、例えばポリエチレン系樹脂
やポリエステル系樹脂、紙などが使用できる。さらに、
基板層シートにビア孔加工を施す方法としては、例えば
パンチングやドリル加工、レーザー加工などが使用でき
る。
【0032】導体材料中の金属成分は特に限定されず、
基板の作製方法や使用状態に応じて適宜選択すればよい
が、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケルもしくは
それらの合金であることが好ましく、特に銅もしくは銀
が、低抵抗でありより好ましい。銅はコストや耐マイグ
レーション性に優れた導体材料であるが、焼成時に酸化
されやすい。このため導体ペースト中の金属前駆体とし
て酸化銅を主体に用い、焼成時にメタライズ処理して導
電性の良好な金属銅とすることも可能である。
【0033】ペーストを作製する際に使用する有機ビヒ
クル成分としては特に限定は無く、有機バインダとして
は、例えばエチルセルロース系樹脂、ポリビニルブチラ
ール樹脂、ポリアクリル系樹脂などが使用でき、溶剤と
してはテルピネオールなどのアルコール類やケトン類な
どが使用できる。また適宜可塑剤や界面活性剤を添加し
てもよい。また、ペーストの混練方法としては特に限定
はなく、例えば3本ロールミルやボールミルなどが使用
できる。
【0034】積層体の熱処理の雰囲気は特に限定は無
く、脱バインダ、メタライズ、焼成などの目的に応じ適
宜選択でき、例えば大気、窒素、水素、水蒸気、二酸化
炭素あるいはそれらの混合ガスなどが使用できる。
【0035】なお、本発明の基板層は、本実施の形態に
おいては、本発明のコンデンサを挟むように、上下各二
層あるとして説明したが、これに限るものではなく、例
えば、本発明のコンデンサの下部に一層のみが備えられ
ているとしてもよい。要するに、無機系絶縁材料からな
る少なくとも一層の基板層と、前記基板層に積層された
誘電体層と、前記誘電体層を挟み込むことによって、前
記誘電体層とともにコンデンサを形成する二層の電極層
と、前記基板層と前記誘電体層との間に、前記基板層と
前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないよう
に配置され、前記基板層および前記誘電体層より焼結温
度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミッ
ク系素材からなる、少なくとも1層以上の中間層とを備
える構成であればよい。
【0036】また、本発明の誘電体層および中間層は、
本実施の形態においては、図1に示すように、各基板層
の全面に配置されているとして説明したが、これに限る
ものではなく、例えば、図2に示すように、中間層3
が、基板層間1b、1c間に部分的に配置された容量層
(誘電体層)2の周囲を囲い込むように、配置されてい
るとしてもよい。要するに、本発明の中間層が、本発明
の基板層と本発明の誘電体層との間に、前記基板層と前
記誘電体層もしくは本発明の電極層とが直接接しないよ
うに配置されておればよい。
【0037】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態
が上述した第1の実施の形態と異なるのは、第1の実施
の形態におけるコンデンサ内蔵基板が本発明の中間層を
備えていることに対し、本実施の形態におけるコンデン
サ内蔵基板が本発明の第1中間層および第2中間層を備
えていることである。したがって、本実施の形態におい
て、第1の実施の形態と同様の物については、同一符号
を付与し、説明を省略する。また、特に説明のないもの
については、第1の実施の形態と同じとする。
【0038】図3は、本発明の第2の実施の形態におけ
るコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。図3に
示すように、本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板
は、無機系絶縁材料からなる基板層1a〜1dと、基板
層1b、1cの間に配置された誘電体層である容量層2
と、それぞれ基板層1b、1cと容量層2との間に配置
され、基板層1a〜1dおよび容量層2より焼結温度が
高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系
素材からなる第1中間層8a、8bと、それぞれ第1中
間層8a、8bと容量層2との間に配置され、容量層2
と実質的に同一または類似の成分を主成分とする第2中
間層9a、9bと、容量層2を挟み込むことによって、
容量層2とともにコンデンサを形成している電極層4
a、4bと、層間または層上に配置された配線層5a〜
5dと、基板層1a〜1dまたは中間層3a、3bを貫
通して電極層または配線層同士を電気的に接続するビア
6a〜6hとを備えている。また、第1中間層8a、8
bは、基板層1b、1cと容量層2もしくは電極層4
a、4bとが直接接しないように配置されており、第2
中間層9a、9bは、第1中間層8a、8bと容量層2
もしくは電極層4a、4bとが直接接しないように配置
されている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様
である。
【0039】次に、本実施の形態におけるコンデンサ内
蔵基板の製造方法を説明する。本実施の形態におけるコ
ンデンサ内蔵基板の製造方法は、上述した第1の実施の
形態におけるコンデンサ内蔵基板の製造方法の説明にお
いて、中間層3a、3bを第1中間層8a、8bに置き
換えるのに加えて、電極層4a、4bと第1中間層8
a、8bの間に第2中間層9a、9bがくるように、各
ペーストを印刷するか、グリーンシートを積層するもの
である。
【0040】本実施の形態における各部材の材質につい
ては、第1中間層の材質が第1の実施の形態における中
間層の材質と同じであること、および、第2中間層の材
質が第1の実施の形態における容量層の材質と実質的に
同一または類似の成分を主成分とするものであること以
外は、第1の実施の形態と同じである。
【0041】本実施の形態においては、第2中間層を備
えることにより、第1の実施の形態の効果に加え、基板
層および第1中間層の容量層への拡散の影響を、ほとん
ど0に出来るという効果がある。
【0042】なお、本発明の誘電体層、第1中間層およ
び第2中間層は、本実施の形態においては、図3に示す
ように、各基板層の全面に配置されているとして説明し
たが、これに限るものではなく、例えば、図2の中間層
3のように、第1中間層および/または第2中間層が、
基板層間に部分的に配置された容量層(誘電体層)の周
囲を囲い込むように、配置されているとしてもよい。要
するに、本発明の第1中間層が、本発明の基板層と本発
明の誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もし
くは本発明の電極層とが直接接しないように配置されて
おり、本発明の第2中間層が、本発明の第1中間層と前
記誘電体層との間に、前記第1中間層と前記誘電体層も
しくは前記電極層とが直接接しないように配置されてお
ればよい。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0044】以下に説明する実施例1〜5は、上述した
第1または第2の実施の形態におけるコンデンサ内蔵基
板の具体的実施例について、各中間層の組成・厚さ等、
または、最外層の有無・組成等を変化させた試料を作製
して、これらのコンデンサ内蔵基板としての性能を比較
したものである。各実施例の試料のうち、第1中間層の
みを備えるものは、第1の実施の形態に対応するもので
あり、この場合、第1中間層は中間層3a、3bに対応
するものである。また、第1中間層および第2中間層を
備えるものについては、第2の実施の形態に対応するも
のである。
【0045】なお、本発明の効果を確認するために、上
記試料と合わせて、本発明の対象外である試料も作製し
て、上記試料とともに比較をしている。本発明の対象外
であるか否かの区別は、各実施例の結果を示す比較表中
の「実比」欄で、本発明の実施例に対応するものについ
ては「実」と記し、本発明の対象外であり、比較例とし
て掲げたものについては「比」と記することによって、
行っている。
【0046】また、実施例1〜4においては、導体材料
中の金属成分として、最も低抵抗な銅または銀を用いる
場合を中心として本発明の具体的実施例を示す。銅また
は銀は融点が低いため、無機絶縁材料としては、低温で
焼結できるものである必要性があり、このため、実施例
1〜4については、無機絶縁材料として、ガラス−アル
ミナ混合系のガラスセラミックスを選んだが、実施例5
に示すように、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0047】(実施例1)まず銀粉末、融着用ガラス粉
末にエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを3本ロ
ールで十分に混合、混練し、配線用およびコンデンサ電
極用導体ペーストを作製した。また、ガラス成分を若干
増量して、同様にビア用導体ペーストを作製した。
【0048】次に、ガラス−アルミナ混合の基板層用粉
末(焼結温度900℃)と、バインダとしてブチラール
系樹脂、可塑剤としてベンジルブチルフタレート、溶剤
としてブチルカルビトールをボールミルで十分に混合、
混練した後、脱泡し、得られたスラリーを、表面に離型
処理を施したベースフィルム(ポリフェニルサルファイ
ド)上にドクターブレード法で成形し、厚み約200μ
mの基板層グリーンシートを作製した。また、ガラスセ
ラミック粉末の代わりにPb系ペロブスカイト誘電体粉
末(組成比Pb1.0Ca0.03(Mg1/3Nb2/3)0.8Ti0.14(Ni1/2W
1/2)0.06O3.03、焼結温度800℃)を用いて、上記と
同様にしてスラリーを作製し、これよりベースフィルム
(ポリフェニルサルファイド)上にドクターブレード法
で、容量層グリーンシートを作製した。同様に、無機粉
末を用いて、第1および第2中間層グリーンシートを作
製した。表1に各中間層のグリーンシートの組成および
焼結後の厚さを示す。組成欄中の例えば「MgO+1%B2O3」
は、MgO を100に対してB2O3を1の割合で含む組成を
表す(他の表も同様)。また、アルミナ粉末を用いて、
ベースフィルム(PET)上に、本発明の最上層とな
る、厚み約200μmのアルミナシートを作製した。
【0049】基板層グリーンシートの内、コンデンサ層
を挟むものについては、ベースフィルムを剥がした第1
中間層のみ、もしくは、第1および第2中間層のグリー
ンシートを積層した。次に所定箇所にφ0.2mmのビ
ア孔をパンチングにより穿孔し、このビア孔に導体ペー
ストを充填した後、その表面に、必要に応じて配線用ま
たはコンデンサ電極用導体ペーストを用いて、印刷法に
よりパターンを形成した。コンデンサ用電極パターンを
形成した積層体上には、容量層グリーンシートを、ベー
スフィルムを剥がして積層し、さらに印刷法により、コ
ンデンサ用電極と配線パターンを形成した。こうして作
製した複数の積層体を、容量層がコンデンサ用電極層で
挟まれ、かつコンデンサ電極と基板層の間に中間層がく
るように、ベースフィルムを剥がしてお互いに積層し、
さらに全体の両側をベースフィルムを剥がしたアルミナ
グリーンシートで挟み、80℃で熱圧着して最終的な積
層体を得た。
【0050】得られた積層体を加熱炉内の大気中600
℃で脱バインダ処理した後、さらに900℃にて焼成し
た。その後焼結体の両側のアルミナを水洗浄により除去
し、内部に10個のコンデンサ(容量層は、図1、図3
に示す如く一層であるが、それを挟む電極層を10対し
たもの)を内蔵した無機多層基板を得た。こうして得ら
れた内蔵コンデンサの容量とその誘電正接tanδをL
CRメーターにて、周波数1kHzで測定した。また基
板を切断してその断面観察より、各層の厚さを測定し
た。容量層の厚さは10μmであった。これより、容量
層の誘電率を算出した。10個のコンデンサの平均値の
結果を表1に示す。なお、上述したように、表1に示す
厚さは、積層時のものではなく、焼結後の値である。
【0051】なお、表1には、比較例として、本発明の
中間層を有しないもの(試料No.1)、中間層を有す
るがその材質が本発明の範囲とは異なるもの(試料N
o.2〜4)を上記と同様にして作製した結果を示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1より明らかなように、中間層が全くな
い試料No.1では、容量がほとんど得られなかった。
中間層としてコンデンサと同一組成のものを用いたN
o.2では、中間層の焼結温度は容量層と等しく、基板
層より低くなるが、この場合も容量が極めて小さかっ
た。Al2O3を用いたNo.3では、中間層の焼結温度
は容量層や基板層より高くなるが、基板材料が多量のA
l2O3をもともと含むものであるために中間層とほとん
ど反応しない。この場合も容量は小さかった。中間層と
してBi9Ca4Nb6Ox (焼結温度900℃)を用いたNo.
4では、中間層の焼結温度は容量層より高いが基板層と
等しく、この場合も容量は小さかった。
【0054】これに対して、MgOを主成分とする中間
層を持つ試料No.5〜12では、誘電率900以上と
なった。また、tanδについては0.03以下であ
り、実用上問題のない値となった。MgOは焼成温度が
基板層より高く、基板材料に含まれるガラスと反応する
ために、基板材料からの容量層への拡散が妨げられたも
のと推測される。
【0055】次に、No.5〜12を比較すると、第2
中間層として容量層とおなじ層を容量層側にもつNo.
6,9〜12は、MgO層が容量層と隣接するNo.
5,7,8に比べ、同一中間層厚さでも、より高誘電
率、高容量であった。また、MgOのみで副成分を含ま
ない第1中間層を持つNo.5,6,7は、中間層の強
度が低く層間剥離を生じやすかった。この影響のため
か、壊れないように慎重に扱った試料の容量を測定して
も、複数作製したコンデンサの容量にバラツキが大き
く、その平均値も比較的小さかった。これに対して、副
成分としてSiO2 ,Al2O3,B2O3,PbOのいず
れかを副成分として含む場合は、このような問題を生じ
にくく、バラツキも小さく、平均値としての容量、誘電
率も大きかった。
【0056】(実施例2)本発明の第1および第2中間
層を備えた場合の、第1中間層の材質の違いによる比較
をおこなった結果を表2に示す。表2に示した各試料
は、実施例1と同様の方法でコンデンサ内蔵基板を作製
し、同様に容量、誘電率、誘電正接を測定したものであ
る。なお、表2には、比較例として、第1中間層の材質
が本発明の範囲とは異なるもの(試料No.1,3,
4,6,10〜12、ただし、試料No.1は第2中間
層を備えていないものである)を上記と同様にして作製
した結果を示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2より明らかなように、中間層の合計厚
は同じ25μmであっても、主成分に2価金属の酸化物
を用いている試料No.2,5,7〜9が誘電率100
0以上となるのに対し、3価〜6価の金属の酸化物を用
いた試料No.3,4,6,10〜12と、コンデンサ
層と同じ組成よりなる中間層のみを用いた試料No.1
は、400以下であり、ほとんど容量が得られなかっ
た。
【0059】また、試料No.2,5,7〜9を比較す
ると特に、MgO,CaO,ZnOを用いたNo.2,
5,8が誘電率3000以上となって、大容量であっ
た。
【0060】(実施例3)本発明の第1および第2中間
層を備えた場合の、第1および第2中間層の材質、厚さ
の違いによる比較をおこなった結果を表3に示す。表3
に示した各試料は、実施例1と同様の方法でコンデンサ
内蔵基板を作製し、同様に容量、誘電率、誘電正接を測
定したものである。
【0061】
【表3】
【0062】表1の試料No.6,9と表3の試料N
o.1〜3より明らかなように、第1中間層のMgOに
添加するSiO2 は、増やし過ぎるとかえって誘電率が
低下する傾向にあり、100%(主成分であるMgOと
1対1の重量比)の添加では、かなり低誘電率となっ
た。従って、あくまで2価金属酸化物を主成分(全体重
量の51重量パーセント以上)にする事が重要である。
【0063】次に、試料No.1と試料No.4〜6よ
り、中間層厚は合計厚が10μmと薄くても明瞭な効果
がある。しかしながら、本来不必要な層である中間層の
合計厚が30μmを越える試料No.6は、望ましくな
い。また、第一中間層の厚さが10μmを越える試料N
o.5は、副成分を含むにもかかわらず、その部分の強
度が低く、クラック等が生じやすくなるためか、バラツ
キが大きくなり、平均の容量、誘電率も若干低下した。
【0064】次に、第2中間層にコンデンサ層と同じ組
成にPbOまたはBi2O3を10%加えて、より低温で
焼結可能としたものを用いた試料No.7〜12は、こ
れらを加えないコンデンサ層と全く同じものを用いた場
合に比べて、より高誘電率、大容量となった。この理由
は明らかではないが、第2中間層が早期に緻密化する事
により、基板層からの拡散の効果をより小さくできるも
のと考えられる。また、第1中間層の主成分をMgO、
CaOやZnOのみにした試料No.7〜9,12と、
ZnOと他の2種を組み合わせた試料No.10,11
を比べると、ZnOとMgOあるいはCaOを組み合わ
せる事で、より高誘電率化した。
【0065】(実施例4)本発明の第1および第2中間
層を備えた場合の、本発明の最外層を用いて製造を行う
ことに関し、焼成後の基板状態および容量測定の比較を
おこなった結果を表4に示す。なお、表4には、比較例
として、本発明の第1中間層を有しないもの(試料N
o.1)についても、その焼成後の基板状態および容量
測定の結果を示す。
【0066】配線用およびコンデンサ電極用導体ペース
トとビア用導体ペーストについては、実施例1と同様の
方法で作製した、銀系配線用およびコンデンサ電極用導
体ペーストとビア用導体ペーストを用いた試料(試料N
o.1,2,6,7,9)、銅粉末を用いて同様に作製
した銅系配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストと
ビア用導体ペーストを用いた試料(試料No.4,5,
8)、酸化銅粉末を用いて同様に作製した酸化銅系配線
用およびコンデンサ電極用導体ペーストとビア用導体ペ
ーストを用いた試料(試料No.3)を作製して比較を
おこなった。
【0067】また、中間層用として、実施例1と同様の
方法で、第1中間層形成用にMgOに1wt%のSiO
2を加えたペーストと、第2中間層形成用にコンデンサ
用誘電体に20wt%のPbOを加えたペースト、およ
び、それぞれのペーストと同じ組成のグリーンシートを
作製した。ペーストは、表4中の中間層の欄に「印刷」
と記載されている試料に用い、グリーンシートは、表4
中の中間層の欄に「積層」と記載されている試料に用い
るものである。
【0068】さらに、実施例1と同様の方法で、アクリ
ル系樹脂バインダを用いて、厚み約200μmの基板層
グリーンシート、容量層グリーンシートを作製した。ま
た、表4中の最外層の欄に「アルミナ」と記載されてい
る試料(試料No.1〜3)に本発明の最上層として用
いる厚み約200μmのアルミナグリーンシートと、表
4中の最外層の欄に「銅粉」と記載されている試料(試
料No.4)に本発明の最上層として用いる厚み約10
0μmの銅グリーンシートを作製した。また、表4中の
最外層の欄に「銅箔」と記載されている試料(試料N
o.5)に本発明の最上層として用いる厚さ50μmの
表面粗化処理をした銅箔も用意した。
【0069】これらのシートとペーストを用いて、実施
例1と同様の方法で、表4に示す構成の9種類の積層体
を作製した。グリーンシートを用いて中間層を設ける方
法は実施例1と全く同じである。ペーストを用いる場合
は、基板層グリーンシートの、容量層を挟む位置に、各
ペーストを用いて印刷法により中間層を設ける。この上
に電極を印刷で形成する。容量層は、表4中の容量層の
欄に「積層」と記載されている試料(試料No.2,
7,9)については、実施例1と同様の方法で形成し、
表4中の容量層の欄に「転写」と記載されている試料
(試料No.1,3〜6,8)については、シートの必
要部位以外をあらかじめ除去しておき、このシートを、
電極を印刷した積層体上に、ベースフィルムを上にして
積層し、次にベースフィルムを剥がす事で、中間層と電
極のある部位にのみ転写形成した。また、本実施例には
示していないが、容量層もペースト化して、印刷で形成
する方法でも形成が可能であった。なお、層厚は、焼成
後第1中間層が8μm、第2中間層が17μm、容量層
が6μmとなるように調整した。
【0070】得られた積層体のうち、銀系および酸化銅
系導体ペーストを含むものは、加熱炉内の大気中600
℃で脱バインダ処理し、酸化銅系導体ペースト含むもの
は10%の水素を含む窒素中で300℃で酸化銅を還元
した。銅系導体ペーストを有するものは、酸素50pp
mを含む窒素中700℃で脱バインダ処理をした。焼成
は、いずれの試料も窒素中で900℃で行った。その後
焼結体の両側にアルミナあるいは銅を設けたものについ
ては、アルミナは洗浄により全て、銅はエッチングによ
り一部を残して除去し、コンデンサ内蔵無機多層基板を
得た。こうして得られた基板の外観を検査し、また内蔵
コンデンサの容量をLCRメーターにて、周波数1kH
zで測定した。結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】試料No.1〜3は、焼成による面内収縮
率は1%以下、試料No.4は約2%、試料No.5
は、ほぼ0%、試料No.6,8,9は約16%、試料
No.7は約5%であった。表4より明らかなように、
MgO系第一中間層を設けながら、最外層にアルミナ、
あるいは銅の層を設けなかった試料No.6〜8では、
設けた場合に比して、良好な焼結体を得る事が出来なか
った。第一中間層を印刷法により、基板の一部の部位に
設けた試料No.6では基板に凹凸が生じ、一方、第一
中間層を積層により基板全体に設けた試料No.7,8
では焼成終了のハンドリング時に容易に剥離した。これ
は、第一中間層がこの温度ではほとんど焼結収縮を示さ
ないためと考えられる。一方、MgO系第一中間層を設
けず、第2中間層のみとした試料No.9では、最外層
を設けなくても基板の焼成後の状態は良好であったが、
容量は得られなかった。これらに対して、最外層と第一
中間層を設けた試料No.1〜5では、中間層や容量層
の形成法に無関係に良好な基板が得られ、内蔵コンデン
サの容量も約1μF/cm2と大きかった。
【0073】(実施例5)導体材料中の金属成分および
無機絶縁材料について、実施例1〜4において用いられ
たものと違うものを用いた場合の効果について確認した
結果を以下に述べる。
【0074】実施例1と同様の方法で、タングステン系
配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストを作製し
た。また実施例1と同様の方法で、厚み基板層用の約2
00μmのアルミナ+0.1%マグネシア基板層グリー
ンシート(焼結温度1450℃)と、容量層用約20μ
mのチタン酸バリウムグリーンシート(焼結温度145
0℃)と、中間層用約30μmのCaOグリーンシート
(焼結温度1800℃)と、最外層用の厚み約200μ
mの窒化アルミニウムグリーンシートを作製した(焼結
温度1800℃)。
【0075】これらのシートとペーストを用いて、実施
例1と同様の方法で積層体を作製し、水素中で900℃
で脱バインダした後、1450℃で焼成して、コンデン
サ内蔵基板を得た。比較のため、中間層に容量層と同じ
チタン酸バリウムよりなる層を設けたものも作製した。
両者の内蔵コンデンサの容量をLCRメーターにて、周
波数1kHzで測定したところ、前者は0.3μF/c
m2であったのに対し、後者は0.01μF/cm2以下
であった。この結果により、実施例1〜4において用い
られたものと違うものを用いた場合の効果が確認され
た。
【0076】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、コンデンサを基板中に同時焼成で一括形
成する事ができ、集積度、実装密度を向上させるコンデ
ンサ内蔵基板およびその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるコンデンサ
内蔵基板を示す断面模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるコンデンサ
内蔵基板の別の一例を示す断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるコンデンサ
内蔵基板を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 基板層 2 容量層 3 中間層 4 電極層 5 配線層 6 ビア 7 最外層 8 第1中間層 9 第2中間層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系絶縁材料からなる少なくとも一層
    の基板層と、前記基板層に積層された誘電体層と、前記
    誘電体層を挟み込むことによって、前記誘電体層ととも
    にコンデンサを形成する二層の電極層と、前記基板層と
    前記誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もし
    くは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記
    基板層および前記誘電体層より焼結温度が高く、かつ前
    記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からな
    る、少なくとも1層以上の中間層とを備えることを特徴
    とするコンデンサ内蔵基板。
  2. 【請求項2】 前記中間層は、主成分として、2価金属
    の酸化物を少なくとも1種類含むことを特徴とする請求
    項1に記載のコンデンサ内蔵基板。
  3. 【請求項3】 前記中間層の厚さが10μm以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ内蔵基
    板。
  4. 【請求項4】 前記中間層は、主成分として、酸化マグ
    ネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛のうちの少なくと
    も一つを含むことを特徴とする請求項2または3に記載
    のコンデンサ内蔵基板。
  5. 【請求項5】 前記中間層の主成分は、酸化マグネシウ
    ムと酸化カルシウムのいずれか一つと、酸化亜鉛とであ
    ることを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ内蔵基
    板。
  6. 【請求項6】 前記中間層は、副成分として、酸化珪
    素、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化鉛のうちの少な
    くとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のコンデンサ内蔵基板。
  7. 【請求項7】 前記中間層を第1中間層とし、前記第1
    中間層と前記誘電体層との間に、前記第1中間層と前記
    誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配
    置され、前記誘電体層と実質的に同一または類似の成分
    を主成分とする第2中間層を備えることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板。
  8. 【請求項8】 前記第2中間層は、前記誘電体層よりも
    低温で焼結するものであることを特徴とする請求項7に
    記載のコンデンサ内蔵基板。
  9. 【請求項9】 前記第2中間層は、副成分として、酸化
    鉛または酸化ビスマスを含むことを特徴とする請求項7
    に記載のコンデンサ内蔵基板。
  10. 【請求項10】 前記中間層全体の厚さ、または、前記
    第1中間層と前記第2中間層の厚さの合計は、30μm
    以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載のコンデンサ内蔵基板。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のコ
    ンデンサ内蔵基板を製造する製造方法において、コンデ
    ンサ内蔵基板の焼成を行う前に、そのグリーン成形体の
    両面もしくは片面に、前記焼成が行われる焼成温度にお
    いては、実質的に焼結収縮を生じない無機組成物を主成
    分とする最外層を積層し、前記焼成の完了後、前記最外
    層の全部または一部を除去することを特徴とするコンデ
    ンサ内蔵基板の製造方法。
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