JPH069772Y2 - 瓦成形装置用部材 - Google Patents

瓦成形装置用部材

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JPH069772Y2
JPH069772Y2 JP14161989U JP14161989U JPH069772Y2 JP H069772 Y2 JPH069772 Y2 JP H069772Y2 JP 14161989 U JP14161989 U JP 14161989U JP 14161989 U JP14161989 U JP 14161989U JP H069772 Y2 JPH069772 Y2 JP H069772Y2
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良夫 原田
広幸 北秋
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、瓦成形装置用部材に関し、とくに混合,混
練した粘土質成形材料を連続的に押出すことによって、
瓦の形状に成形する際に用いる口金等の作動面構造の改
良に関するものである。
なお、この考案は、上記口金以外にも、瓦成形装置の回
転羽根,スクリュー,ボルトなどの粘土質材料と接する
部材として、あるいはセメント類を取扱う機械装置部材
としても利用することができるものである。
〔従来の技術〕
一般の家屋や神社仏閣の屋根に葺かれている瓦(日本
瓦,西洋瓦)等の屋根材は、まず粘土質材料を口金を使
って瓦の形に成形し、その後、水分を蒸発させてから低
温で加熱して素焼き状態とし、それから所定の上塗りを
施した後、再び加熱焼成することによって製造されてい
る。通常、この製造には、連続成形装置を使う。ところ
が、瓦の母材成分である粘土は、硬質の珪砂を主成分と
していることから、これと接する前記装置の各構成部材
を侵食摩耗するような働きとなるものであることが指摘
されていた。
第1図は、瓦を連続的に製造する装置の概要を示したも
のである。成形に当たっては、まず、水を加えた粘土質
材料を投入口1から成形機内に投入し、混合スクリュー
2を回転させることによって攪拌しつつ前方へ移送す
る。その結果、粘土質材料は、混合スクリューの先端に
達したのち押出し空間内に自然落下し、この空間内に配
設してある押出しスクリュー3の近傍に送給される。次
に、この材料は、押出しスクリュー3の回転に伴ってさ
らに前方へ移送され、レディスタントメタルまたはリブ
リングと称される円形枠4部に到達する。そして、この
材料は、さらにこの円形枠4部において、各スクリュー
2,3の作動の影響により粘土質材料中に発生した残留
応力の偏りを解消して均等化させ、成形後の瓦の時効変
形を防止すべく処理される。その後、この材料は、複数
のセキボルト5部を通過することによって吐出圧の調整
を受け、瓦の縦断面形状をした口金6から外部へ押し出
される。
以上説明したように、瓦を製造する際に用いられる瓦成
形装置は、硬質成分を含む粘土質材料を強制的に混合,
混練しつつ、強い圧力を付与しせて前方へ押し出すよう
に設計されている。従って、成形装置を構成している各
部材は、常に侵食性の高い粘土と直接接触する上、激し
い摩耗作用を受けることとなる。
特に、各部材のうち口金については、その摩耗が瓦の形
状や寸法を変えることにつながる。それは、製品の不良
率を高め、生産性低下の原因となるので重大な問題があ
った。また、成形装置内部に設けられている各種のスク
リューをはじめ、応力緩和作用や押出し圧力調整の部材
等についても、常に上述した粘土と接触するため、損傷
を受け易い状況にあった。さらにこれらの部材の場合
は、鋼鉄製であるために、それらが摩耗すると、成形材
料中に鉄分(酸化鉄)を供給することになり、これが瓦
の焼成時に赤色乃至黒色の色素を提供して、瓦の外観を
著しく汚損し、その商品価値を低下させることがあっ
た。
これらの対策として、従来、次のような対策がとられて
いた。
(1)粘土と接触する部材表面の硬度を上昇させることに
より(例えば、焼入れ鋼,浸炭,窒化鋼を使用する)、
耐摩耗性を向上させる。
(2)硬質のセラミック質部材を使用する。
(3)鋼鉄製の部材の表面に、硬質の表面処理膜(例えば
拡散浸透法によって硼素,バナジウムカーバイドを形成
するか、またはCVD法やPVD法によって窒化チタ
ン,炭化チタンなど)を形成させる。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述したような各従来方法の下での処理は、無処理の部
材に比べると、耐摩耗性についてはたしかに向上が見ら
れた。しかしながら、粘土に含まれている水分の腐食作
用に対しては相変わらず弱く、そのために処理膜などの
気孔中に浸入した水分によって、母材が腐食しやすく、
それ故に処理膜の脱落,剥離現象が早期に発生する欠点
があった。
すなわち、従来の瓦成形装置に取付けられている部材、
たとえば口金は、通常、鋳鋼(JIS G5101 SC42)やステン
レス鋼鋳物(JIS G5122 SCH2)でつくられているために、
いずれも粘土による摩耗に対して弱く、短期間で損耗す
る欠点があった。そのために、口金の形状,寸法が早期
に変形して交換を余儀無くされていた。しかも、鋳鋼製
口金については、水分による赤さびの発生によって摩耗
速度が一段と大きくなるのが普通であり、製造する瓦の
形成寸法が規格値を逸脱する傾向があった。
そこで本考案者らは、以上説明したような現状にある瓦
製造用の連続成形装置用部材の性能向上および寿命延長
を図るべく種々研究を重ねた結果、耐摩耗性に優れると
共に耐食性にも優れた表面処理層を形成した部材にする
ことが必要不可欠のことであるとの知見を得た。
〔課題を解決するための手段〕
そのために本考案では、粘土と直接接触する部分に、溶
射法によって酸化クロムや酸化アルミニウム、あるいは
酸化チタン含有の酸化アルミニウムの溶射皮膜を形成さ
せることとした。こうした処理を加えた部材では、耐摩
耗性を向上させることができると共に、さらにこの皮膜
の気孔率と膜厚を所定の範囲内とすることによって、水
分による母材の腐食と摩耗の速度を効果的に抑制するこ
とができ、高性能で長寿命タイプの部材を得ることがで
きる。
すなわち、本考案は、口金等の瓦成形装置用部材の粘土
質成形材料と接触する部分に、膜厚0.1〜2.5mm,気孔率
8%以下のCr2O3またはAl2O3を主成分とする溶射膜を形
成したものによってなる瓦成形装置用部材、を提供す
る。
〔作用〕
本考案は、瓦成形装置用部材とくに口金の粘土質成形材
料と接触する面に対し、溶射法によってCr2O3またはAl2
O3皮膜を形成したものである。
本考案において、溶射法を採用した理由は、合金,セラ
ミックス,サーメットなど多種類の材料を簡便に成膜で
きる特徴のためである。しかし一方では、こうした皮膜
は多孔質で密着性に乏しい欠点がある。これの対策のた
めに本考案では、各種の材料を用いて膜厚,気孔率の異
なる皮膜を形成し、これを実装置を用いて検証する方法
によって、本考案の使途で適した材料となる条件を模索
し、結局適正な溶射皮膜の厚さと気孔率とを知見した。
すなわち、瓦製造用の連続成形装置の口金で発生する粘
土質成形材料による摩耗作用と水分による腐食作用につ
いて、それぞれの発生機構を解析するとともに、その対
策に必要な皮膜の性状について実験検討を行った。
まず、口金の摩耗作用は、硬質のSiO2粒子を主成分とす
る粘土質成形材料が、大きな吐出圧をもって連続的に口
金の表面に圧力をかけつつ接触摺動することによって発
生するものである。このため、耐摩耗性に優れた硬質の
皮膜でも、それが薄膜であれば、圧力に耐えられなくな
り、機械的に破壊される可能性が強い。また口金の母材
金属が軟質であれば、圧力によって局部的に座屈変形す
ることによって、その上に形成されている皮膜が破壊し
たり、亀裂を発生させることが推定される したがって、口金に対する耐摩耗性皮膜は、母材上に、
一定以上の膜厚とそれなりの硬さを有するものを形成さ
せることが大切である。
このような観点から、例えばCVD法、PVD法、電気
めっき法などで得られる皮膜は、一般に薄膜であり、と
くに前方電気めっき皮膜は密着性に乏しい上、選択でき
る金属の種類が少ないという欠点がある。また、拡散浸
透法で得られる皮膜は、一般に薄膜であると同時にCV
D法と同様に高温域に数時間保持する必要があるため、
母材そのものが熱的に劣化するので実用できない。
この点、本考案では、溶射法によるから、材料は金属,
合金,セラミックス,サーメットなどの硬質材料の中か
ら自由に選択することができるうえ、薄膜から厚膜ま
で、さらに溶射条件,環境を制御することによって、皮
膜の気孔や硬さなどをある程度自由に設定できる利点あ
ある。
さて、本考案の部材に適した皮膜を選定するため、次の
ような3種類の硬質材料を用いて第2図に示す瓦製造用
成形装置の口金に対し、それの粘土と接触する部分に、
0.05〜3.0mm厚の溶射皮膜を形成させ、第1図の瓦の連
続成形装置を用い、連続運転によって日本瓦1000枚生産
した後の各皮膜の摩耗状態を目視観察した。
<供試,溶射材料> 自溶合金(JIS H8303 MSFNi4) ビッカース硬さ700〜800 酸化物セラミックス材料(Cr2O3,Al2O3) ビッカース硬さ850〜900 サーメット材料(WC-Ni-Cr,Cr3C2-Ni-Cr) ビッカース硬さ900〜1100 第2図は、口金の一例を示すものであるが、一般に口金
は、両端にフランジ部を備えた上型21と下型22からな
り、上下の型を組合せた際にできる空間が、瓦の縦断面
形成となるように構成されている。前記の上下フランジ
の間には台金23が介挿させてあるが、この台金23は粘土
の摩耗作用によって口金の形状が変化する場合(摩耗に
よって断面形状が大きくなって瓦の規格寸法に合わなく
なること)に、この台金23の厚さを調節することによっ
て、瓦の断面形状と寸法を制御する役目を果たすもので
ある。なお、連続成形装置(第1図)から押し出された
無定形の粘土は、口金部に圧入され、その後の押し出し
によって瓦の形状に成形される。
ところで、本考案の口金は、粘土と接触する上下の金型
面24に、所定のCr2O3またはAl2O3溶射膜を形成させ、耐
食性と耐摩耗性を具備させたものである。
第3図は、上記実験の結果を示したものである。自溶合
金,サーメット材料などは、ともに比較的高い硬度を有
しているものの、前者は比較的摩耗量が多く、後者は母
材との密着性に劣り局部的に剥離するものが認められ、
特に厚膜ほど顕著であった。また、酸化物セラミックス
でも0.1mm未満のものは皮膜が摩耗し寿命が短く、逆に
2.5mm以上の厚膜では局部的な剥離現象が認められた。
この原因は、溶射皮膜が厚くなるに従って、皮膜に内在
する応力(残留応力)が大きくなる一方で、皮膜を構成
する粒子の相互結合力が低下するためと思われた。
以上の実験結果から、皮膜材料としてCr2O3,Al2O3を用
い、0.1〜2.5mmの膜厚にすることが必要であることが判
った。
次に、このCr2O3とAl2O3を用い、皮膜の気孔率と耐食性
について調査した。この調査は、Cr2O3,Al2O3を用いて
気孔率の異なる0.2mm厚の皮膜を鋳鉄製の口金上に形成
させ、これを60℃の粘土を含む泥水中に12時間浸漬した
後、空気中で12時間放置し、そしてこの操作を、1サイ
クルとして15日間繰返した後、汚泥を水洗し、さらにこ
れを100℃の電気炉中に入れて乾燥し、その表面を目視
観察することにより行った。
第4図はこの調査の結果を示したもので、気孔率8%を
境界として赤さび発生の大小が区別でき、8%以下では
少なく、8%を超えると赤さびの面積が飛躍的に大きく
なった。赤さびの発生原因は、皮膜の気孔を通して浸入
した水分が口金母材の鋳鉄と反応してこれを溶解させ、
空気中で乾燥することによって溶出した鉄が酸化鉄(赤
さび)に変化したものと考えられる。
さらに、これらの口金を用いて第1図の連続成形装置を
用い、瓦の製造を行った。この結果、赤さびの発生が顕
著な皮膜では剥離が多く認められ、赤さびの発生が皮膜
の耐久性に大きな影響を与えていることが判った。
以上の実験結果から、本考案の口金に処理するCr2O3,A
l2O3の溶射皮膜の気孔率は、8%以下にすべきであるこ
とが判明した。
なお、口金用の母材金属の硬さについても上記の方法に
よって調査したところ、ビッカース硬さ120以下の軟質
鋼では座屈変形する傾向が認められたので、これ以上の
硬さであれば本発明の皮膜を形成することが可能であ
る。
また、溶射熱源として可燃ガス(水素−酸素、アセチレ
ン−酸素、プロピレン−酸素など)やプラズマの両者に
ついて検討したが、膜厚と気孔率が本考案の選定範囲内
にあれば熱源の影響は認められず、いずれも良好な成績
を示した。さらに、Cr2O3,Al2O3の溶射に先立って、0.
05〜0.2mm程度のアンダーコート溶射(例えば、Ni−
Cr,Ni−Al,Moなど)を行っても、その上に形
成するCr2O3,Al2O3皮膜の性状が本考案の上述した条件
の皮膜に適合しておれば、十分その機能を発揮した。ま
た、Al2O3にTiO2が混合あるいは固溶体として含まれて
いても、そのビッカース硬さが600以上を示す溶射皮膜
も、本考案の気孔率と厚さを具備していれば、同等の性
能を発揮した。
〔実施例〕
実施例1 第1図の瓦の連続成形装置を用い、日本瓦の製造を行う
に際し、溶射皮膜を形成した本考案に係る口金ととも
に、比較例として無処理の鋳鋼(SC42)、ステンレス鋼鋳
物(SCH2)、浸炭、窒化、電気めっき法によるクロムめっ
き皮膜をそれぞれ施工した比較例の口金を供試した。な
お、成形装置の運転速度は、1分間当り瓦25枚を粘土の
吐出圧力15kgf/cm2で製造する速さとした。
第1表は200時間運転後の口金について、粘土と接触し
た面を中心に目視観察するとともに、摩耗量を相対的し
た結果を示したものである。
第1表に示した結果から明らかなように、比較例の無処
理の口金をはじめ、浸炭、窒化およびクロムめっきなど
の表面処理皮膜を施した口金については、皮膜が200時
間の運転で甚だしく摩耗して大きな減肉が認められた
り、めっき皮膜の剥離が顕著であった。
これに対し、本考案口金は、皮膜がいずれも健全な状態
を維持し、200時間以上の使用に耐えることが確認され
た。
実施例2 実施例1では、200時間の連続運転による本考案の口金
の効果について実験したが、この実施例では、装置を1
日に6時間稼働させ、これを30日間計180時間運転させ
た場合の効果について実験した。これは、粘土中に含ま
れている水分による腐食作用が、運転中よりも装置が停
止中に起こり易いことに注目したものであり、実際の装
置の運転に近い条件でもある。この実施例における連続
成形装置の運転条件および供試口金の種類などは実施例
1と同様である。
第2表はこの試験の結果を示したものである。比較例と
して示した口金に施した表面処理皮膜では、10日目くら
いから赤さびの発生や皮膜の局部剥離が認められるのに
対し、本考案口金に施した皮膜は、赤さびの発生もなく
極めて健全な状態を示していた。なお、無処理の口金
は、赤さびの発生(鋳鉄)とともに摩耗減肉が大きく、
口金としての寿命が非常に短いことが判明した。
〔考案の効果〕
以上説明したように、溶射皮膜を形成した本考案の口金
は、瓦の成形に際し、優れた耐摩耗性と同時に耐食性を
も発揮するものである。このため、得られる瓦は、常に
寸法,形状が一定している上、粘土への鉄分の混入がな
いため変色がないなど、瓦製品としての品質の向上に大
きく寄与する。また、口金の交換頻度が従来品に比べて
極端に少なくなるため、保守点検費が低下するととも
に、装置の稼働率と生産性が向上するなど、コストダウ
ンに資するところも頗る大きい。
【図面の簡単な説明】 第1図は、粘土質成形材料を用いて瓦を連続的に成形す
るための装置の概要を示す線図、 第2図は、本考案の瓦成形用口金の斜視図、 第3図は、溶射膜の厚さと溶射膜の摩耗比の関係を示す
グラフ、 第4図は、溶射膜の気孔率と赤さびの発生面積の関係を
示すグラフである。 1…材料投入口、2…混合スクリュー、 3…押出しスクリュー、4…円形枠、 5…セキボルト、6…成形用口金、 21…成形用上型、22…成形用下型、 23…台金、24…溶射膜施工面。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】口金等瓦成形装置用部材の粘土質成形材料
    と接触する部分に、膜厚0.1〜2.5mm,気孔率8%以下の
    Cr2O3またはAl2O3を主成分とする溶射膜を形成したもの
    によってなる瓦成形装置用部材。
JP14161989U 1989-12-08 1989-12-08 瓦成形装置用部材 Expired - Lifetime JPH069772Y2 (ja)

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JPH0381705U JPH0381705U (ja) 1991-08-21
JPH069772Y2 true JPH069772Y2 (ja) 1994-03-16

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