JPH0698497B2 - 耐火鋼のサブマージアーク溶接方法 - Google Patents

耐火鋼のサブマージアーク溶接方法

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JPH0698497B2
JPH0698497B2 JP27972789A JP27972789A JPH0698497B2 JP H0698497 B2 JPH0698497 B2 JP H0698497B2 JP 27972789 A JP27972789 A JP 27972789A JP 27972789 A JP27972789 A JP 27972789A JP H0698497 B2 JPH0698497 B2 JP H0698497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、建築や橋梁等の分野において、各種建造物に
用いられる耐火性に優れた鋼(以下、耐火鋼という)及
び耐候性,耐火性の両特性に優れた鋼(以下耐候性耐火
鋼という)のサブマージアーク溶接方法に係わり、さら
に詳しくは、耐火鋼においては600℃での高温耐力及び
高温延性に優れ、靱性も良好な溶接金属を得、耐候性耐
火鋼においては、さらに耐候性も良好な溶接金属を得る
サブマージアーク溶接方法に関する。
(以下文中、表,図面においてppmはすべて重量ppmをあ
らわす。) (従来の技術) 従来、耐火鋼,耐候性耐火鋼用のサブマージアーク溶接
に関しては、例えば特願平1-19691号(特開平2-200393
号公報)において、耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワ
イヤとフラックスとして提案おり、十分な溶接金属の高
温延性を得ながら、かつ適正な常温強度及び良好な靱性
を得ている。また特願平1-86991号(特開平2-268994号
公報)では、耐候性耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワ
イヤとフラックスも提案おり、ここでは十分な高温耐
力,靱性に加え、良好な耐候性を備えた溶接金属が得ら
れている。
(発明が解決しようとする課題) 前述の溶接材料を用いた溶接方法においては、高温特性
として高温での引張強さ及び高温耐力には着目している
が、高温延性は考慮していない。しかしながら高温延性
が不足すると火災時の鋼部材の破壊が脆性的に進行し、
構造物の安全確保上極めて危険である。
本発明の目的は、600℃での高温耐力や常温での耐候性
などの他の特性を損なわずに靱性及び高温延性に優れ、
さらに高温延性を確保したことにより、この温度でのク
リープ破断寿命を向上させた耐火鋼及び耐候性耐火鋼用
サブマージアーク溶接方法を提供する。
(課題を解決するための手段) 本発明は、重量%,重量ppmで、 C:0.01〜0.15% Si:0.5%以下 Mn:0.4〜2.5% Cu:0.7%以下 Ni:0.5%以下 Cr:2.5%以下 Mo:0.1〜1.0% Nb:0.01〜0.14% Ti:400ppm以下 B:15ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる耐火鋼及
び耐候性耐火鋼を、フラックスの構成成分(重量%)に
より なる式で計算される塩基度Lが、L=0.2〜3.5を有する
サブマージアーク溶接フラックスと、 重量%,重量ppmで、 C:0.01〜0.15% Si:0.5%以下 Mn:0.4〜2.5% Cu:0.7%以下 Cr:2.5%以下 Ni:0.5%以下 Mo:1.0%以下 Nb:0.14%以下 Ti:400ppm以下 B:50ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマー
ジアーク溶接ワイヤーとの組合せで溶接金属中のB量
(重量ppm):[B]及び溶接金属中のTi量(重量pp
m):[Ti]が下式を満足する溶接金属を得ることを特
徴とする耐火鋼のサブマージアーク溶接方法である。
ただし[B]max=3.01×10-2×[O] [Ti]max=0.334×[O]−10.83 また[O]は溶接金属中の酸素量(重量ppm)である。
(作用) 以下作用とともに更に本発明を詳述する。
前述の課題を解決するために本発明においては、溶接金
属中のTi及びBの量に着目した。TiはTi酸化物によるオ
ーステナイト粒内組織制御により、Bは過剰な粒界フェ
ライトの抑制及び窒素の固定を通して溶接金属の靱性を
向上させるので、従来、海洋構造物,船舶などの鋼構造
の施工にあたって、Ti,B入りの溶接材料が多く用いられ
ている。
本発明者らが溶接金属中のTi及びBが高温延性に及ぼす
影響を詳細に検討した結果、第1図を得た。第1図は溶
接金属中のTi及びB量と600℃での伸びの関係を示した
図面で、この図から明らかなように溶接金属中にTiある
いはB量が増加すると伸びが著しく低下する。走査型電
子顕微鏡により、高温での引張試験の破面を観察した結
果、これはTiあるいはB量の増加にともない高温での破
壊の様式が粒内延性破壊から粒界脆性破壊に変化するた
めであることがわかった。第1図には同時に、粒内延性
破壊の起きる領域とから粒界脆性破壊が起きる領域を図
示している。このように本発明者らは、高温延性の確保
のためにはTi及びBの量を限定しなければならないとの
知見を得た。
第1図から判断すれば、このような酸素量において、60
0℃での引張試験において粒界破壊を防止し、適正な高
温延性を確保することができ、なおかつ良好な靱性が得
られる溶接金属中のTi及びBの含有量の範囲を図示する
と、第2図の斜線部のようになる。ここで[B]maxは溶接
金属中にTiが存在しないとき(Ti<10ppm)に許容でき
るBの上限値で、ここでは10ppmである。[Ti]maxも同様
に溶接金属中にBが存在しないとき(B<1ppm)に許容
できるTiの上限値で、ここでは100ppmである。この斜線
部は不等式で表記すると以下のようになる。
ただし[B]:溶接金属中のB量(ppm) [Ti]:溶接金属中のTi量(ppm) しかしながらこの[B]max,[Ti]maxの値は、溶接金属中
のガス成分、特に酸素の影響を強く受けて変動する。本
発明者らはさらにこの[B]max,[Ti]maxに及ぼす酸素の
影響を詳細に検討した結果、[B]max,[Ti]maxは溶接金
属中の酸素量の関数として、以下の式で表すことができ
るとの知見を得た。
[B]max=3.01×10-2×[O] ‥‥(2) [Ti]max=0.334×[O]−10.83 ‥‥(3) ([O]は溶接金属中の酸素量(ppm)) 本発明は上式を満足するようなTi及びB量を有する溶接
金属を得ることを特徴とするサブマージアーク溶接方法
を関するものであり、溶接金属中のTi及びBの量を上式
のように限定すれば、高温延性に優れた溶接金属が得ら
れる。このような手段で高温延性を確保したことによ
り、高温延性と正の相関のあるクリープ破断寿命も向上
する。また上式を満足する量のみでも十分な靱性を得る
ことはできるが、さらに溶接金属中のTi量は下式を満足
することがより望ましい。
[Ti]>0.334×[O]−80.83 ‥‥(4) このようにTiとBの量を限定しても、これらの元素は耐
火性、耐候性にはまったく寄与していないので、これら
の性質が損なわれることはない。
(1)式、(2)式、(3)式、(4)式中の[B]、
[Ti]、[O]を(1)式さらにあるいは(4)式を満
たすべく制御する方法について以下に述べる。
[O]は鋼材、及び溶接ワイヤーが決まれば、フラック
スの塩基度により一義的に定まる。[B]は例えば十分
にB含有量の低い鋼材とワイヤーを用いたときは、フラ
ックス中のB源、例えば2CaO・3B2O3・5H2OあるいはNa2
B4O7の添加量により制御が可能であり、同様に十分にTi
含有量の低い鋼材とワイヤーを用いたときは、[Ti]は
例えばフラックス中のTi源、TiO2の添加量により制御が
できる。また逆にB源、Ti源を含有しないフラックスを
用いて鋼材あるいはワイヤーで[Ti]及び[B]を制御
することもできる。
以下に本発明における成分元素と、その添加量について
説明する。
まず鋼板は、Moと微量Nbの複合添加で十分な高温耐力を
得、あるいはさらにCu、Ni、Crの含有により十分な耐候
性を得たことに特徴がある。
Cは、常温強度の確保ならびにMo、Nbの添加効果を発揮
させるために必要であり、そのためには0.01%が下限で
ある。また、0.15%を超えると高温割れ感受性が増加す
ると共に靱性を劣化させるので、Cの上限は0.15%とす
る。
Siについては、組み合わせる溶接フラックスから添加が
可能であり、鋼板としては特に下限は規定しない。しか
し0.5%を超えると溶接金属の靱性を低下させるため、
0.5%以下とする必要がある。
Mnは、強度及び靱性を確保する上で不可欠な元素であ
り、0.4%以上含有する必要がある。一方2.5%を超える
と、高温割れ感受性を増加させると共に靱性を劣化させ
るので、Mnの上限を2.5%とする。
Cuは良好な耐候性を得るときには必要な元素であるが、
Cuが0.7%を超えると靱性が劣化するので、0.7%以下に
する必要がある。
NiもCuと同様に耐候性を向上させるが、0.5%を超える
と靱性が劣化するため、0.5%以下とする必要がある。
CrもCuと同様に耐候性を向上させるが、2.5%を超える
と靱性が劣化するため、2.5%以下とする必要がある。
Mo及びNbは十分な高温耐力を得るために添加されるが、
Moは0.1%以上、Nbは0.01%以上必要である。またMo,Nb
が過多であると、常温強度が高くなりすぎて靱性が劣化
するために、Moは1.0%以下、Nbは0.14%以下にする必
要がある。
鋼材中のTi含有量が過多であると、フラックスあるいは
ワイヤーでは制御しきれずに溶接金属中に過剰にTiが歩
留まり、高温延性を阻害するので、Tiは400ppm以下に抑
える必要がある。
BもTiと同様な理由で15ppm以下に抑える必要がある。
つぎに溶接ワイヤであるが、各特定値は上記鋼板と同様
に定められる。しかしMo、Nbはフラックスからも添加が
可能であるので、下限値は規定しない。
つぎにフラックスであるが、フラックスの構成成分(重
量%)により なる式で計算される塩基度Lが0.2未満では溶接金属の
酸素が高すぎて靱性が劣化し、3.5を超えると溶接金属
の酸素が低すぎて、溶接金属中にTi、及びBが過剰に歩
留まり、高温延性が低下する。
(実施例) ワイヤーは第1表に示すW1及びW2の2種類のワイヤーを
用い、第2表に示す10種類のフラックスを作製した。鋼
板は第3表に示すP1、P2、P3の3種類の耐候性耐火鋼を
用いた。これらの鋼板1を第3図に示す開先形状に加工
した後、第4表に示す溶接条件で溶接した。フラックス
と鋼板の組合せを第5表に示す。溶接終了後、第4図に
示す位置(a=7mm)より引張試験片、クリープ試験片
及びシャルピー衝撃試験片2を採取し、機械試験を実施
した。クリープ試験は600℃,荷重25kg/mm2でおこなっ
た。第5表にこれらの試験結果を示す。
No.1からNo.8は本発明方法による溶接方法で、No.9から
No.13は比較のために例示した。No.1は溶接金属中のTi
及びBの含有量が少なく、十分な高温伸び及びクリープ
破断寿命が得られている。No.2はBがNo.1よりも高い
が、Tiがいまだ十分低いために十分な高温伸び及びクリ
ープ破断寿命が得られている。No.3はNo.1よりもTiが高
いが、いまだBが低いために十分な高温伸び及びクリー
プ破断寿命が得られている。No.4はさらにNo.3よりTiが
高いが、酸素も十分に高いために、十分な高温伸び及び
クリープ破断寿命が得られている。No.5もBが高いが、
酸素も高いために十分な高温伸び及びクリープ破断寿命
が得られている。同様に鋼板がP1からP2に変わっても、
No.6のように式(1)を満たすようなTi、B量であれば
十分な高温伸び及びクリープ破断寿命が得られる。さら
にNo.7では鋼板のTi及びBの含有量が大きいが、フラッ
クスの調整により、溶接金属中のTi及びBの量が適正に
なり、高温伸び及びクリープ破断寿命は良好である。N
o.8では、No.1からNo.7で用いたワイヤーW1に比べて合
金含有量の少ないワイヤーW2を用いたが、このときでも
式(1)を満足するので、十分な高温伸び及びクリープ
破断寿命が得られている。以上のように式(1)を満足
するような本発明方法による溶接金属では良好な高温伸
びを示し、破壊様式も延性破壊となる安定な破壊であ
り、高温耐力及び靱性も良好である。また、No.1、No.
3、No.4、No.7、No.8においては式(4)も満足するた
めに、No.2、No.5、No.6に比べ、靱性も良くなってい
る。これに対し、比較溶接方法ではすべてTiあるいはB
が過剰で式(1)を満足せず、粒界破壊が起きて、高温
伸び及びクリープ破断寿命が不足している。なお本実施
例ではTi及びBはフラックスあるいは鋼板から添加され
ているが、ワイヤーから添加される場合でも本発明方法
は適用することができる。
(発明の効果) 以上説明したように本発明溶接方法は、高温延性にすぐ
れた溶接金属を得ることを可能とし、その結果として耐
火鋼及び耐候性耐火鋼構造物の溶接部の火災時の脆性破
壊を防止し、さらにはクリープ破断寿命が向上したこと
により、より長時間の火災においても溶接金属が破断せ
ず、安全性を著しく向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は溶接金属中のTi及びB量と600℃での伸びの関
係を示した図面、第2図は600℃での良好な延性、クリ
ープ破断寿命が得られる溶接金属中のTi及びBの含有量
の範囲を示す図面、第3図は実施例に用いた溶接開先形
状を示す正面図、第4図は試験片採取位置を示す正断面
図である。 1……鋼板、2……引張試験片、クリープ試験片及びシ
ャルピー衝撃試験片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%,重量ppmで、 C:0.01〜0.15% Si:0.5%以下 Mn:0.4〜2.5% Cu:0.7%以下 Ni:0.5%以下 Cr:2.5%以下 Mo:0.1〜1.0% Nb:0.01〜0.14% Ti:400ppm以下 B:15ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる耐火鋼及
    び耐候性耐火鋼を、フラックスの構成成分(重量%)に
    より なる式で計算される塩基度Lが、L=0.2〜3.5を有する
    サブマージアーク溶接フラックスと、 重量%,重量ppmで、 C:0.01〜0.15% Si:0.5%以下 Mn:0.4〜2.5% Cu:0.7%以下 Cr:2.5%以下 Ni:0.5%以下 Mo:1.0%以下 Nb:0.14%以下 Ti:400ppm以下 B:50ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマー
    ジアーク溶接ワイヤーとの組合せで溶接金属中のB量
    (重量ppm):〔B〕及び溶接金属中のTi量(重量pp
    m):〔Ti〕が下式を満足する溶接金属を得ることを特
    徴とする耐火鋼のサブマージアーク溶接方法。 ただし〔B〕max=3.01×10-2×〔O〕 〔Ti〕max=0.334×〔O〕−10.83 また〔O〕は溶接金属中の酸素量(重量ppm)
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