JPH11314193A - 耐火鋼のサブマ―ジア―ク溶接方法 - Google Patents
耐火鋼のサブマ―ジア―ク溶接方法Info
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- JPH11314193A JPH11314193A JP8151699A JP8151699A JPH11314193A JP H11314193 A JPH11314193 A JP H11314193A JP 8151699 A JP8151699 A JP 8151699A JP 8151699 A JP8151699 A JP 8151699A JP H11314193 A JPH11314193 A JP H11314193A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐火鋼及び耐候性耐火鋼のサブマージアーク
溶接において、高温耐力、高温延性、靱性に優れた溶接
金属を得る。 【解決手段】 重量%、重量ppmで、C:0.01〜
0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2.
5%、Cu:0.7%以下、Ni:0.5%以下、C
r:1.0%以下、Mo:0.14〜0.8%、Nb:
0.01〜0.1%、Ti:400ppm以下、B:1
5ppm以下を含有する耐火鋼及び耐候性耐火鋼を、塩
基度が0.2〜3.5のフラックスと、C:0.01〜
0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2.
5%、Cu:0.7%以下、Cr:1.0%以下、N
i:0.5%以下、Mo:0.8%以下、Nb:0.1
%以下、Ti:400ppm以下、B:50ppm以下
を含有するワイヤーとの組合せで、入熱120kJ/c
m以上で溶接する。
溶接において、高温耐力、高温延性、靱性に優れた溶接
金属を得る。 【解決手段】 重量%、重量ppmで、C:0.01〜
0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2.
5%、Cu:0.7%以下、Ni:0.5%以下、C
r:1.0%以下、Mo:0.14〜0.8%、Nb:
0.01〜0.1%、Ti:400ppm以下、B:1
5ppm以下を含有する耐火鋼及び耐候性耐火鋼を、塩
基度が0.2〜3.5のフラックスと、C:0.01〜
0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2.
5%、Cu:0.7%以下、Cr:1.0%以下、N
i:0.5%以下、Mo:0.8%以下、Nb:0.1
%以下、Ti:400ppm以下、B:50ppm以下
を含有するワイヤーとの組合せで、入熱120kJ/c
m以上で溶接する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築や橋梁等の分野に
おいて、各種建造物に用いられる耐火性に優れた鋼(以
下、耐火鋼という)及び耐候性、耐火性の両特性に優れ
た鋼(以下耐候性耐火鋼という)のサブマージアーク溶
接方法に係わり、さらに詳しくは、耐火鋼においては6
00℃での高温耐力及び高温延性に優れ、靱性も良好な
溶接金属を得、耐候性耐火鋼においては、さらに耐候性
も良好な溶接金属を得るサブマージアーク溶接方法に関
する。(以下、文中、表、図面においてppmはすべて
重量ppmをあらわす。)
おいて、各種建造物に用いられる耐火性に優れた鋼(以
下、耐火鋼という)及び耐候性、耐火性の両特性に優れ
た鋼(以下耐候性耐火鋼という)のサブマージアーク溶
接方法に係わり、さらに詳しくは、耐火鋼においては6
00℃での高温耐力及び高温延性に優れ、靱性も良好な
溶接金属を得、耐候性耐火鋼においては、さらに耐候性
も良好な溶接金属を得るサブマージアーク溶接方法に関
する。(以下、文中、表、図面においてppmはすべて
重量ppmをあらわす。)
【0002】
【従来の技術】従来、耐火鋼、耐候性耐火鋼用のサブマ
ージアーク溶接に関しては、例えば特願平1−1969
1号において、耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤ
とフラックスとして提案しており、十分な溶接金属の高
温延性を得ながら、かつ適正な常温強度及び良好な靱性
を得ている。また特願平1−86991号では、耐候性
耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤとフラックスも
提案しており、ここでは十分な高温耐力、靱性に加え、
良好な耐候性を備えた溶接金属が得られている。
ージアーク溶接に関しては、例えば特願平1−1969
1号において、耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤ
とフラックスとして提案しており、十分な溶接金属の高
温延性を得ながら、かつ適正な常温強度及び良好な靱性
を得ている。また特願平1−86991号では、耐候性
耐火鋼用のサブマージアーク溶接ワイヤとフラックスも
提案しており、ここでは十分な高温耐力、靱性に加え、
良好な耐候性を備えた溶接金属が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の溶接材料を用い
た溶接方法においては、高温特性として高温での引張強
さ及び高温耐力には着目しているが、高温延性は考慮し
ていない。しかしながら高温延性が不足すると火災時の
鋼部材の破壊が脆性的に進行し、構造物の安全確保上極
めて危険である。
た溶接方法においては、高温特性として高温での引張強
さ及び高温耐力には着目しているが、高温延性は考慮し
ていない。しかしながら高温延性が不足すると火災時の
鋼部材の破壊が脆性的に進行し、構造物の安全確保上極
めて危険である。
【0004】本発明の目的は、600℃での高温耐力や
常温での耐候性などの他の特性を損なわずに靱性及び高
温延性に優れ、さらに高温延性を確保したことにより、
この温度でのクリープ破断寿命を向上させた耐火鋼及び
耐候性耐火鋼用サブマージアーク溶接方法を提供する。
常温での耐候性などの他の特性を損なわずに靱性及び高
温延性に優れ、さらに高温延性を確保したことにより、
この温度でのクリープ破断寿命を向上させた耐火鋼及び
耐候性耐火鋼用サブマージアーク溶接方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%、重量
ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Ni:0.5%以下、 Cr:1.0%以下、 Mo:0.14〜0.8%、 Nb:0.01〜0.1%、 Ti:400ppm以下、 B :15ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる耐火鋼
及び耐候性耐火鋼を、フラックスの構成成分(重量%)
により数3なる式で計算される塩基度Lが、L=0.2
〜3.5を有するサブマージアーク溶接ボンドフラック
スと、重量%、重量ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Cr:1.0%以下、 Ni:0.5%以下、 Mo:0.8%以下、 Nb:0.1%以下、 Ti:400ppm以下、 B :50ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマ
ージアーク溶接ワイヤーとの組合せで、入熱120kJ
/cm以上で溶接し、溶接金属中のB量(重量pp
m):[B]及び溶接金属中のTi量(重量ppm):
[Ti]が数4を満足する高い高温延性を有する溶接金
属を得ることを特徴とする耐火鋼のサブマージアーク溶
接方法である。
ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Ni:0.5%以下、 Cr:1.0%以下、 Mo:0.14〜0.8%、 Nb:0.01〜0.1%、 Ti:400ppm以下、 B :15ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる耐火鋼
及び耐候性耐火鋼を、フラックスの構成成分(重量%)
により数3なる式で計算される塩基度Lが、L=0.2
〜3.5を有するサブマージアーク溶接ボンドフラック
スと、重量%、重量ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Cr:1.0%以下、 Ni:0.5%以下、 Mo:0.8%以下、 Nb:0.1%以下、 Ti:400ppm以下、 B :50ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマ
ージアーク溶接ワイヤーとの組合せで、入熱120kJ
/cm以上で溶接し、溶接金属中のB量(重量pp
m):[B]及び溶接金属中のTi量(重量ppm):
[Ti]が数4を満足する高い高温延性を有する溶接金
属を得ることを特徴とする耐火鋼のサブマージアーク溶
接方法である。
【0006】
【数3】
【0007】
【数4】
【0008】
【作用】以下作用とともに更に本発明を詳述する。
【0009】前述の課題を解決するために本発明におい
ては、溶接金属中のTi及びBの量に着目した。Tiは
Ti酸化物によるオーステナイト粒内組織制御により、
Bは過剰な粒界フェライトの抑制及び窒素の固定を通し
て溶接金属の靱性を向上させるので、従来、海洋構造
物、船舶などの鋼構造の施工にあたって、Ti、B入り
の溶接材料が多く用いられている。
ては、溶接金属中のTi及びBの量に着目した。Tiは
Ti酸化物によるオーステナイト粒内組織制御により、
Bは過剰な粒界フェライトの抑制及び窒素の固定を通し
て溶接金属の靱性を向上させるので、従来、海洋構造
物、船舶などの鋼構造の施工にあたって、Ti、B入り
の溶接材料が多く用いられている。
【0010】本発明者らが溶接金属中のTi及びBが高
温延性に及ぼす影響を詳細に検討した結果、図1を得
た。図1は溶接金属中のTi及びB量と600℃での伸
びの関係を示した図面で、この図から明らかなように溶
接金属中にTiあるいはB量が増加すると伸びが著しく
低下する。走査型電子顕微鏡により、高温での引張試験
の破面を観察した結果、これはTiあるいはB量の増加
にともない高温での破壊の様式が粒内延性破壊から粒界
脆性破壊に変化するためであることがわかった。図1に
は同時に、粒内延性破壊の起きる領域と粒界脆性破壊が
起きる領域を図示している。このように本発明者らは、
高温延性の確保のためにはTi及びBの量を限定しなけ
ればならないとの知見を得た。
温延性に及ぼす影響を詳細に検討した結果、図1を得
た。図1は溶接金属中のTi及びB量と600℃での伸
びの関係を示した図面で、この図から明らかなように溶
接金属中にTiあるいはB量が増加すると伸びが著しく
低下する。走査型電子顕微鏡により、高温での引張試験
の破面を観察した結果、これはTiあるいはB量の増加
にともない高温での破壊の様式が粒内延性破壊から粒界
脆性破壊に変化するためであることがわかった。図1に
は同時に、粒内延性破壊の起きる領域と粒界脆性破壊が
起きる領域を図示している。このように本発明者らは、
高温延性の確保のためにはTi及びBの量を限定しなけ
ればならないとの知見を得た。
【0011】図1から判断すれば、このような酸素量に
おいて、600℃での引張試験において粒界破壊を防止
し、適正な高温延性を確保することができ、なおかつ良
好な靱性が得られる溶接金属中のTi及びBの含有量の
範囲を図示すると、図2の斜線部のようになる。ここで
[B]maxは溶接金属中にTiが存在しないとき(Ti
<10ppm)に許容できるBの上限値で、ここでは1
0ppmである。[Ti]maxも同様に溶接金属中にB
が存在しないとき(B<1ppm)に許容できるTiの
上限値で、ここでは100ppmである。この斜線部は
不等式で表記すると数5のようになる。
おいて、600℃での引張試験において粒界破壊を防止
し、適正な高温延性を確保することができ、なおかつ良
好な靱性が得られる溶接金属中のTi及びBの含有量の
範囲を図示すると、図2の斜線部のようになる。ここで
[B]maxは溶接金属中にTiが存在しないとき(Ti
<10ppm)に許容できるBの上限値で、ここでは1
0ppmである。[Ti]maxも同様に溶接金属中にB
が存在しないとき(B<1ppm)に許容できるTiの
上限値で、ここでは100ppmである。この斜線部は
不等式で表記すると数5のようになる。
【0012】
【数5】
【0013】しかしながらこの[B]max、[Ti]max
の値は、溶接金属中のガス成分、特に酸素の影響を強く
受けて変動する。本発明者らはさらにこの[B]max、
[Ti]maxに及ぼす酸素の影響を詳細に検討した結
果、[B]max、[Ti]maxは溶接金属中の酸素量の関
数として、数6で表すことができるとの知見を得た。
の値は、溶接金属中のガス成分、特に酸素の影響を強く
受けて変動する。本発明者らはさらにこの[B]max、
[Ti]maxに及ぼす酸素の影響を詳細に検討した結
果、[B]max、[Ti]maxは溶接金属中の酸素量の関
数として、数6で表すことができるとの知見を得た。
【0014】
【数6】
【0015】本発明は上式を満足するようなTi及びB
量を有する溶接金属を得ることを特徴とするサブマージ
アーク溶接方法に関するものであり、溶接金属中のTi
及びBの量を上式のように限定すれば、高温延性に優れ
た溶接金属が得られる。このような手段で高温延性を確
保したことにより、高温延性と正の相関のあるクリープ
破断寿命も向上する。また上式を満足する量のみでも十
分な靱性を得ることはできるが、さらに溶接金属中のT
i量は数7を満足することがより望ましい。
量を有する溶接金属を得ることを特徴とするサブマージ
アーク溶接方法に関するものであり、溶接金属中のTi
及びBの量を上式のように限定すれば、高温延性に優れ
た溶接金属が得られる。このような手段で高温延性を確
保したことにより、高温延性と正の相関のあるクリープ
破断寿命も向上する。また上式を満足する量のみでも十
分な靱性を得ることはできるが、さらに溶接金属中のT
i量は数7を満足することがより望ましい。
【0016】
【数7】
【0017】このようにTiとBの量を限定しても、こ
れらの元素は耐火性、耐候性にはまったく寄与していな
いので、これらの性質が損なわれることはない。
れらの元素は耐火性、耐候性にはまったく寄与していな
いので、これらの性質が損なわれることはない。
【0018】(1)式、(2)式、(3)式、(4)式
中の[B]、[Ti]、[O]を(1)式さらにあるい
は(4)式を満たすべく制御する方法について以下に述
べる。
中の[B]、[Ti]、[O]を(1)式さらにあるい
は(4)式を満たすべく制御する方法について以下に述
べる。
【0019】[O]は鋼材、及び溶接ワイヤーが決まれ
ば、フラックスの塩基度により一義的に定まる。[B]
は例えば十分にB含有量の低い鋼材とワイヤーを用いた
ときは、フラックス中のB源、例えば2CaO・3B2
O3・5H2OあるいはNa2B 4O7の添加量により制御
が可能であり、同様に十分にTi含有量の低い鋼材とワ
イヤーを用いたときは、[Ti]は例えばフラックス中
のTi源、TiO2の添加量により制御ができる。また
逆にB源、Ti源を含有しないフラックスを用いて鋼材
あるいはワイヤーで[Ti]及び[B]を制御すること
もできる。
ば、フラックスの塩基度により一義的に定まる。[B]
は例えば十分にB含有量の低い鋼材とワイヤーを用いた
ときは、フラックス中のB源、例えば2CaO・3B2
O3・5H2OあるいはNa2B 4O7の添加量により制御
が可能であり、同様に十分にTi含有量の低い鋼材とワ
イヤーを用いたときは、[Ti]は例えばフラックス中
のTi源、TiO2の添加量により制御ができる。また
逆にB源、Ti源を含有しないフラックスを用いて鋼材
あるいはワイヤーで[Ti]及び[B]を制御すること
もできる。
【0020】以下に本発明における成分元素と、その添
加量について説明する。
加量について説明する。
【0021】まず鋼板は、Moと微量Nbの複合添加で
十分な高温耐力を得、あるいはさらにCu、Ni、Cr
の含有により十分な耐候性を得たことに特徴がある。
十分な高温耐力を得、あるいはさらにCu、Ni、Cr
の含有により十分な耐候性を得たことに特徴がある。
【0022】Cは、常温強度の確保ならびにMo、Nb
の添加効果を発揮させるために必要であり、そのために
は0.01%が下限である。また、0.15%を超える
と高温割れ感受性が増加すると共に靱性を劣化させるの
で、Cの上限は0.15%とする。
の添加効果を発揮させるために必要であり、そのために
は0.01%が下限である。また、0.15%を超える
と高温割れ感受性が増加すると共に靱性を劣化させるの
で、Cの上限は0.15%とする。
【0023】Siについては、組み合わせる溶接フラッ
クスから添加が可能であり、鋼板としては特に下限は規
定しない。しかし0.5%を超えると溶接金属の靱性を
低下させるため、0.5%以下とする必要がある。
クスから添加が可能であり、鋼板としては特に下限は規
定しない。しかし0.5%を超えると溶接金属の靱性を
低下させるため、0.5%以下とする必要がある。
【0024】Mnは、強度及び靱性を確保する上で不可
欠な元素であり、0.4%以上含有する必要がある。一
方2.5%を超えると、高温割れ感受性を増加させると
共に靱性を劣化させるので、Mnの上限を2.5%とす
る。
欠な元素であり、0.4%以上含有する必要がある。一
方2.5%を超えると、高温割れ感受性を増加させると
共に靱性を劣化させるので、Mnの上限を2.5%とす
る。
【0025】Cuは良好な耐候性を得るときには必要な
元素であるが、Cuが0.7%を超えると靱性が劣化す
るので、0.7%以下にする必要がある。
元素であるが、Cuが0.7%を超えると靱性が劣化す
るので、0.7%以下にする必要がある。
【0026】NiもCuと同様に耐候性を向上させる
が、0.5%を超えると靱性が劣化するため、0.5%
以下とする必要がある。
が、0.5%を超えると靱性が劣化するため、0.5%
以下とする必要がある。
【0027】CrもCuと同様に耐候性を向上させる
が、1.0%を超えると靱性が劣化するため、1.0%
以下とする必要がある。
が、1.0%を超えると靱性が劣化するため、1.0%
以下とする必要がある。
【0028】Mo及びNbは十分な高温耐力を得るため
に添加されるが、Moは0.1%以上、Nbは0.01
%以上必要である。またMo、Nbが過多であると、常
温強度が高くなりすぎて靱性が劣化するために、Moは
0.8%以下、Nbは0.1%以下にする必要がある。
に添加されるが、Moは0.1%以上、Nbは0.01
%以上必要である。またMo、Nbが過多であると、常
温強度が高くなりすぎて靱性が劣化するために、Moは
0.8%以下、Nbは0.1%以下にする必要がある。
【0029】鋼材中のTi含有量が過多であると、フラ
ックスあるいはワイヤーでは制御しきれずに溶接金属中
に過剰にTiが歩留まり、高温延性を阻害するので、T
iは400ppm以下に抑える必要がある。
ックスあるいはワイヤーでは制御しきれずに溶接金属中
に過剰にTiが歩留まり、高温延性を阻害するので、T
iは400ppm以下に抑える必要がある。
【0030】BもTiと同様な理由で15ppm以下に
抑える必要がある。
抑える必要がある。
【0031】つぎに溶接ワイヤであるが、各特定値は上
記鋼板と同様に定められる。しかしMo、Nbはフラッ
クスからも添加が可能であるので、下限値は規定しな
い。
記鋼板と同様に定められる。しかしMo、Nbはフラッ
クスからも添加が可能であるので、下限値は規定しな
い。
【0032】つぎにボンドフラックスであるが、フラッ
クスの構成成分(重量%)により数8なる式で計算され
る塩基度Lが0.2未満では溶接金属の酸素が高すぎて
靱性が劣化し、3.5を超えると溶接金属の酸素が低す
ぎて、溶接金属中にTi、及びBが過剰に歩留まり、高
温延性が低下する。
クスの構成成分(重量%)により数8なる式で計算され
る塩基度Lが0.2未満では溶接金属の酸素が高すぎて
靱性が劣化し、3.5を超えると溶接金属の酸素が低す
ぎて、溶接金属中にTi、及びBが過剰に歩留まり、高
温延性が低下する。
【0033】
【数8】
【0034】
【実施例】ワイヤーは表1に示すW1及びW2の2種類
のワイヤーを用い、表2に示す10種類のボンドフラッ
クスを作製した。鋼板は表3に示すP1、P2、P3の
3種類の耐候性耐火鋼を用いた。これらの鋼板1を図3
に示す開先形状に加工した後、表4に示す溶接条件で溶
接した。フラックスと鋼板の組合せを表5に示す。溶接
終了後、図4に示す位置(a=7mm)より引張試験
片、クリープ試験片及びシャルピー衝撃試験片2を採取
し、機械試験を実施した。クリープ試験は600℃、荷
重25kg/mm2でおこなった。表5にこれらの試験
結果を示す。
のワイヤーを用い、表2に示す10種類のボンドフラッ
クスを作製した。鋼板は表3に示すP1、P2、P3の
3種類の耐候性耐火鋼を用いた。これらの鋼板1を図3
に示す開先形状に加工した後、表4に示す溶接条件で溶
接した。フラックスと鋼板の組合せを表5に示す。溶接
終了後、図4に示す位置(a=7mm)より引張試験
片、クリープ試験片及びシャルピー衝撃試験片2を採取
し、機械試験を実施した。クリープ試験は600℃、荷
重25kg/mm2でおこなった。表5にこれらの試験
結果を示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】No.1からNo.8は本発明方法による
溶接方法で、No.9からNo.13は比較のために例
示した。No.1は溶接金属中のTi及びBの含有量が
少なく、十分な高温伸び及びクリープ破断寿命が得られ
ている。No.2はBがNo.1よりも高いが、Tiが
いまだ十分低いために十分な高温伸び及びクリープ破断
寿命が得られている。No.3はNo.1よりもTiが
高いが、いまだBが低いために十分な高温伸び及びクリ
ープ破断寿命が得られている。No.4はさらにNo.
3よりTiが高いが、酸素も十分に高いために、十分な
高温伸び及びクリープ破断寿命が得られている。No.
5もBが高いが、酸素も高いために十分な高温伸び及び
クリープ破断寿命が得られている。同様に鋼板がP1か
らP2に変わっても、No.6のように式(1)を満た
すようなTi、B量であれば十分な高温伸び及びクリー
プ破断寿命が得られる。さらにNo.7では鋼板のTi
及びBの含有量が大きいが、フラックスの調整により、
溶接金属中のTi及びBの量が適正になり、高温伸び及
びクリープ破断寿命は良好である。No.8では、N
o.1からNo.7で用いたワイヤーW1に比べて合金
含有量の少ないワイヤーW2を用いたが、このときでも
式(1)を満足するので、十分な高温伸び及びクリープ
破断寿命が得られている。以上のように式(1)を満足
するような本発明方法による溶接金属では良好な高温伸
びを示し、破壊様式も延性破壊となる安定な破壊であ
り、高温耐力及び靱性も良好である。また、No.1、
No.3、No.4、No.7、No.8においては式
(4)も満足するために、No.2、No.5、No.
6に比べ、靱性も良くなっている。これに対し、比較溶
接方法ではすべてTiあるいはBが過剰で式(1)を満
足せず、粒界破壊が起きて、高温伸び及びクリープ破断
寿命が不足している。なお本実施例ではTi及びBはフ
ラックスあるいは鋼板から添加されているが、ワイヤー
から添加される場合でも本発明方法は適用することがで
きる。
溶接方法で、No.9からNo.13は比較のために例
示した。No.1は溶接金属中のTi及びBの含有量が
少なく、十分な高温伸び及びクリープ破断寿命が得られ
ている。No.2はBがNo.1よりも高いが、Tiが
いまだ十分低いために十分な高温伸び及びクリープ破断
寿命が得られている。No.3はNo.1よりもTiが
高いが、いまだBが低いために十分な高温伸び及びクリ
ープ破断寿命が得られている。No.4はさらにNo.
3よりTiが高いが、酸素も十分に高いために、十分な
高温伸び及びクリープ破断寿命が得られている。No.
5もBが高いが、酸素も高いために十分な高温伸び及び
クリープ破断寿命が得られている。同様に鋼板がP1か
らP2に変わっても、No.6のように式(1)を満た
すようなTi、B量であれば十分な高温伸び及びクリー
プ破断寿命が得られる。さらにNo.7では鋼板のTi
及びBの含有量が大きいが、フラックスの調整により、
溶接金属中のTi及びBの量が適正になり、高温伸び及
びクリープ破断寿命は良好である。No.8では、N
o.1からNo.7で用いたワイヤーW1に比べて合金
含有量の少ないワイヤーW2を用いたが、このときでも
式(1)を満足するので、十分な高温伸び及びクリープ
破断寿命が得られている。以上のように式(1)を満足
するような本発明方法による溶接金属では良好な高温伸
びを示し、破壊様式も延性破壊となる安定な破壊であ
り、高温耐力及び靱性も良好である。また、No.1、
No.3、No.4、No.7、No.8においては式
(4)も満足するために、No.2、No.5、No.
6に比べ、靱性も良くなっている。これに対し、比較溶
接方法ではすべてTiあるいはBが過剰で式(1)を満
足せず、粒界破壊が起きて、高温伸び及びクリープ破断
寿命が不足している。なお本実施例ではTi及びBはフ
ラックスあるいは鋼板から添加されているが、ワイヤー
から添加される場合でも本発明方法は適用することがで
きる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明溶接方法は、
高温延性にすぐれた溶接金属を得ることを可能とし、そ
の結果として耐火鋼及び耐候性耐火鋼構造物の溶接部の
火災時の脆性破壊を防止し、さらにはクリープ破断寿命
が向上したことにより、より長時間の火災においても溶
接金属が破断せず、安全性を著しく向上させることが可
能である。
高温延性にすぐれた溶接金属を得ることを可能とし、そ
の結果として耐火鋼及び耐候性耐火鋼構造物の溶接部の
火災時の脆性破壊を防止し、さらにはクリープ破断寿命
が向上したことにより、より長時間の火災においても溶
接金属が破断せず、安全性を著しく向上させることが可
能である。
【図1】溶接金属中のTi及びB量と600℃での伸び
の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
【図2】600℃での良好な延性、クリープ破断寿命が
得られる溶接金属中のTi及びBの含有量の範囲を示す
図である。
得られる溶接金属中のTi及びBの含有量の範囲を示す
図である。
【図3】実施例に用いた溶接開先形状を示す正面図であ
る。
る。
【図4】試験片採取位置を示す正断面図である。
1 鋼板 2 引張試験片、クリープ試験片及びシャルピー衝撃試
験片
験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大浜 展之 神奈川県相模原市淵野辺5−10−1 新日 本製鐵株式会社第二技術研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%、重量ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Ni:0.5%以下、 Cr:1.0%以下、 Mo:0.14〜0.8%、 Nb:0.01〜0.1%、 Ti:400ppm以下、 B :15ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる耐火鋼
及び耐候性耐火鋼を、フラックスの構成成分(重量%)
により数1なる式で計算される塩基度Lが、L=0.2
〜3.5を有するサブマージアーク溶接ボンドフラック
スと、 重量%、重量ppmで、 C :0.01〜0.15%、 Si:0.5%以下、 Mn:0.4〜2.5%、 Cu:0.7%以下、 Cr:1.0%以下、 Ni:0.5%以下、 Mo:0.8%以下、 Nb:0.1%以下、 Ti:400ppm以下、 B :50ppm以下 を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなるサブマ
ージアーク溶接ワイヤーとの組合せで、入熱120kJ
/cm以上で溶接し、溶接金属中のB量(重量pp
m):[B]及び溶接金属中のTi量(重量ppm):
[Ti]が数2を満足する高い高温延性を有する溶接金
属を得ることを特徴とする耐火鋼のサブマージアーク溶
接方法。 【数1】 【数2】
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8151699A JPH11314193A (ja) | 1989-09-11 | 1999-03-25 | 耐火鋼のサブマ―ジア―ク溶接方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23291189 | 1989-09-11 | ||
| JP1-232911 | 1989-09-11 | ||
| JP8151699A JPH11314193A (ja) | 1989-09-11 | 1999-03-25 | 耐火鋼のサブマ―ジア―ク溶接方法 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27972789A Division JPH0698497B2 (ja) | 1989-09-11 | 1989-10-30 | 耐火鋼のサブマージアーク溶接方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11314193A true JPH11314193A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=26422537
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8151699A Pending JPH11314193A (ja) | 1989-09-11 | 1999-03-25 | 耐火鋼のサブマ―ジア―ク溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11314193A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100466204B1 (ko) * | 2002-11-26 | 2005-01-13 | 고려용접봉 주식회사 | 서브머지드 아크 용접용 플럭스 조성물 |
| CN100366375C (zh) * | 2004-06-29 | 2008-02-06 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强耐候埋弧焊丝 |
| CN100441364C (zh) * | 2006-09-13 | 2008-12-10 | 武汉钢铁(集团)公司 | 低合金超高强度钢用高韧性埋弧焊丝 |
| CN106271212A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-01-04 | 北京科技大学 | 一种低温用高强高韧埋弧焊丝及应用方法 |
-
1999
- 1999-03-25 JP JP8151699A patent/JPH11314193A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100466204B1 (ko) * | 2002-11-26 | 2005-01-13 | 고려용접봉 주식회사 | 서브머지드 아크 용접용 플럭스 조성물 |
| CN100366375C (zh) * | 2004-06-29 | 2008-02-06 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高强耐候埋弧焊丝 |
| CN100441364C (zh) * | 2006-09-13 | 2008-12-10 | 武汉钢铁(集团)公司 | 低合金超高强度钢用高韧性埋弧焊丝 |
| CN106271212A (zh) * | 2016-10-13 | 2017-01-04 | 北京科技大学 | 一种低温用高强高韧埋弧焊丝及应用方法 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
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