JPH0699233B2 - 単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶の製造方法

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JPH0699233B2
JPH0699233B2 JP60257326A JP25732685A JPH0699233B2 JP H0699233 B2 JPH0699233 B2 JP H0699233B2 JP 60257326 A JP60257326 A JP 60257326A JP 25732685 A JP25732685 A JP 25732685A JP H0699233 B2 JPH0699233 B2 JP H0699233B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (ア)技術分野 この発明は、GaAs、CaP、InPなどのIII−V族化合物半
導体、及びCdSe、CdTe…などII−VI族化合物半導体単結
晶の、低温度勾配下に於ける液体カプセルチヨクラルス
キー法(LEC)による結晶成長の改良に関する。
(イ)従来技術 III−V族化合物半導体単結晶、又はII−VI族化合物半
導体単結晶をチヨクラルスキー法で育成する場合、液体
カプセル法(LEC法)が用いられた。
V族元素、VI族元素は揮発性成分であり、高温状態の原
料融液から逃散しやすいので、これを防ぐため、20mm〜
30mmの液体封止剤を原料融液の上に入れ、5〜100atmの
不活性ガス、またはN2ガスによつて圧力をかけていた。
液体封止剤はB2O3やKCl、NaClの共晶を用いる。
液体封止剤に高圧が加わつているから、揮発性成分が液
体封止剤を抜けて、上方の空間に出ることは難しい。液
体封止剤は厚い方が、シール効果は大きい。
第1図によつて、液体カプセル法の概要を説明する。In
P単結晶を引上げる例である。
ルツボ1の中にInPの原料融液2があり、この中に上軸
3の下端に取付けた単結晶4を漬け、種付けした後これ
を回転しながら引上げる。単結晶4に続いて種結晶5が
引上げられてゆく。
原料融液2の上には、液体封止剤6がある。これは、原
料融液2の中の揮発性成分であるP元素の逃散を防ぐた
めである。
耐圧容器7の中には、50〜100atmのN2ガス域は不活性ガ
スが充填されている。このような高圧の気体が液体封止
剤6に圧力を加えるからPの逃散を有効に防ぐことがで
きる。
9はヒータ、18は遮蔽板である。耐圧容器7には、ガス
入口管16とガス出口管17があつて、容器内の雰囲気を任
意のガス、任意の圧力に設定できるようになつている。
下軸30は回転昇降自在であつて、上端にサセプタ31を有
する。サセプタ31はルツボ1を保持する。
液体封止剤6は、通常B2O3を用いる。KCl、NaClなどで
もよい。
液体封止剤6の厚みTは、結晶育成前の状態で通常20mm
〜30mmであり、育成中は増加して30mm〜50mmにもなる。
従来の他の技術としては、二重融液シール法(特開昭54
−123585)がある。
LEC法は、このような工夫によつて、揮発性元素の揮散
を抑制するようにしている。
しかし、このような化合物半導体単結晶をLEC法で作つ
た場合、結晶欠陥が多いという欠点がある。結晶欠陥の
多さは、エツチピツト密度(EPD)で評価する事が多い
が、LEC法の場合、これが104〜105/cm2にも達する。
これは、単結晶中の温度差のため、熱応力が存在し、こ
のため転位が発生すると考えられる。
転位の他にも結晶欠陥の種類がある。これらの欠陥も熱
応力の発生に関係がある。
欠陥の多い単結晶を基板にしてデバイスを作つても、デ
バイスの性能のバラツキが大きくなり、製品の歩留りが
低下する。このため、結晶中に発生する欠陥を減少させ
るという事は、LEC法にとつて急務の事項であつた。
結晶欠陥の発生は、熱応力に起因する。
熱応力を減少させることができれば、結晶欠陥が減少す
るはずである。
従来の液体カプセル法は、軸方向の温度勾配が約−100
℃/cm程度であつた。かなり大きい値である。結晶化し
た部分に強い熱応力が発生するのは当然である。
そこで、ふたつの方向がありえた。
ひとつは、断熱性の良い液体封止剤の中に成長結晶を保
持しようというものである。
これはFEC法と呼ばれる。液体封止剤をさらに厚くし
て、液体封止剤を加熱し、液体封止剤中の温度勾配を小
さくして、結晶の全体を常に封止剤によつて覆う。たし
かに熱応力は減るのであるが、この方法は、長い結晶を
作ることができない。また、B2O3が多いので、引上げ後
のルツボの処理が困難である。
工業的にはあまり意味がない。
もうひとつは、液体封止剤の厚みは従来のままにして、
固液界面より上方の温度勾配を減少させるものである。
従来のLEC法の温度勾配は−100℃/cm程度であつたが、
これを低い温度勾配にすると、熱応力は減退するはずで
ある。
これは固液界面より上方を加熱するヒータやさらに、こ
の上方を加熱するヒータ、又は断熱遮蔽筒を設ける事に
よつてなされる。
例えば、固液界面の温度勾配を−20℃/cmとしたとす
る。ここで勾配の値に負号がつくのは、軸方向に上向き
に座標をとつているからである。
このように、低温度勾配が実現できたにも拘らず、LEC
法で引上げた化合物半導体単結晶は、EPDが1〜5×104
とかなり大きい値を示した。
この理由を明らかにするために、本発明者は温測実験を
行なつた。
そして、従来のLEC法において、結晶中の熱応力を緩和
するために、不活性ガス中の温度勾配を大幅に低くして
も、液体カプセル剤の中の温度勾配はあまり低くならな
い、という事が明らかになつた。
本発明者は、従来のように厚い液体封止剤を使う場合
の、軸方向温度分布を測定した。中心軸に沿うB−B′
線上と、これより外れたA−A′線上の温度分布であ
る。
第4図はこの結果を示す。従来例といつても、低温度勾
配にしたものである。熱電対をA−A′線に沿つて動か
し、結晶成長していないが成長時と同じヒータ条件で、
軸方向の温度を測定する。これが第4図(a)である。
固液界面Vと原料融液面Uは少し異なる。これをメニス
カス15という。
液体封止剤との境界Wより上では、温度勾配がたしかに
ゆるやかであり、B2O3直上で0〜−5℃/cmであつた。
液体封止剤の中(VW間)では、温度勾配が−25〜−30℃
/cmであり、低温度勾配になつているとはいえない。
第4図(b)は中心線B−B′に沿う温度分布である。
結晶成長している時は、この分布を測定できない。結晶
成長していない時に、中心軸B−B′の温度分布を測定
してもあまり意味がない。そこで、第4図(a)のよう
な結晶表面の温度分布が結晶成長時に成立しているとし
て、熱伝導の式を使い、コンピユーターで計算して求め
た分布が第4図(b)である。
液体封止剤での温度勾配はA−A′線に沿うものよりは
穏やかであり、Y、Z間で−18℃/cm〜−23℃/cmであ
る。それでも、液体封止剤より上方の領域よりも温度勾
配が大きい。
これは、厚い液体封止剤のために、結晶表面での強い温
度勾配の影響が内部にまで及ぶことによる。
育成中の単結晶5に出入りする熱の流れを第2図に示
す。これは、低温度勾配下にあるものとしている。熱の
流出、流入は、大別して、対流の熱伝導によるものと、
輻射によるものがあるが、ここではそれらの総和として
の熱の出入を示している。
ヒータ9はルツボ1の周囲にあつて、大量の入力熱10を
原料融液2に与える。熱10は、原料融液を加熱しある適
当な温度に保持する。
この熱は、接触する単結晶5に、熱11として吸収され
る。単結晶5の中を熱は、上昇しあるいは外側へ向つて
移動する。
軸に沿つて温度勾配ができているから、熱の一部は上昇
して種結晶4に伝わり、上軸3へ逃げる熱14となる。し
かし、これは僅かな割合にすぎない。
上昇した熱の一部は、気体中に輻射、又は対流によつて
放出される。これが斜上向きの熱13である。
しかしながら、低温度勾配下におけるLEC法では、単結
晶の中の熱の多くのものは、単結晶の中を横に進んで液
体封止剤6の中へ放出される熱12となる。
通常のLEC法では、液体封止剤の厚みが、結晶育成中で3
0mm〜50mmもあり、ここで液体封止剤へと逃げる熱が多
くなるのである。
特に、液体封止剤面19から結晶引上げ方向に向けて、少
なくとも、100mmの範囲に於ける軸方向の温度勾配が−2
0℃/cm〜0℃/cmである場合には、以上の熱の流れ12、1
3、14の内、結晶単位表面積当たりの熱の流れが最も大
きくなるのは、液体封止剤への流れ12である事が分つ
た。
そして、液体封止剤への熱の流れ12によつて、固液界面
付近の単結晶は、大きな熱応力を受ける。このため、結
晶中に転位が生ずる、という事が分つた。
このように、第2図で示すように、低温度勾配下であつ
て、液体カプセルが厚い場合、結晶から放出される熱
は、大部分が横方向へ流れる。
さらに、第4図(a)に示すように、A−A′、B−
B′線上で液体封止剤中での温度勾配が、これより上方
での温度勾配より大きい。
このように、液体封止剤に囲まれる部分の単結晶は、軸
方向にも半径方向にも大きい温度勾配をもつている事に
なる。
B−B′線上で温度勾配が大きいのは、外側A−A′線
上の大きい温度勾配を反映している。
(ウ)目的 III−V族、II−VI族化合物半導体単結晶のLEC法による
単結晶の引上げに於て、結晶欠陥の少い単結晶を成長さ
せる事が本発明の目的である。
低温度勾配で単結晶を成長させる時の、液体封止剤への
熱の流れを減少させ、結晶中の軸線方向の温度勾配を低
くし、こうして熱応力を減少させた単結晶成長方法を与
える事が本発明の第2の目的である。
(エ)構成 本発明の単結晶成長方法は、このように低温度勾配化す
ることによつて新たに現われた液体封止剤に囲まれる部
分での大きい温度勾配によつて生ずる結晶中の欠陥の増
大、という問題を解決する。
ここで低温度勾配というのは、液体封止剤面からの高さ
が少なくとも100mmの範囲で、−20℃/cm〜0℃/cmの程
度の低温度勾配のことをいう。
本発明者は、そこで、液体封止剤の厚みを減らす事を考
えた。厚みが減ると、液体封止剤へ流れる熱は減るはず
である。
本発明の単結晶引上げ方法は、液体封止剤表面から上方
に少なくとも100mmまでの範囲に於て、引上げ方向の温
度勾配を−20℃/cm〜0℃/cmとする低温度勾配下で単結
晶を引上げることとし、かつ液体封止剤層の厚みが、結
晶成長開始前の状態で2〜8mmであるようにしている。
結晶径とルツボの径にもよるが、結晶成長前の液体封止
剤の厚みが2〜8mmであれば、結晶育成中の液体封止剤
の厚みは3〜10mm程度になる。
原料融液面と固液界面とは厳密にいえば一致しない。後
者の方が2〜3mm高い。この差をメニスカス15という。
第2図にこれを示す。
メニスカスの分だけ単結晶は液体封止剤底面より盛り上
つているから、単結晶育成中、結晶の側面が液体封止剤
と接触している部分の高さは0〜7mm程度となる。
通常のLEC法のように、30〜50mm厚の液体封止剤によつ
て囲まれている、というのと多いに異なる。
本発明方法に於て、単結晶側面と液体封止剤の接触面積
は著しく狭い。
従つて、単結晶から横方向に進んで液体封止剤へ逃げる
熱量も著しく小さくなる。第2図でいえば、熱流12が減
少する、という事である。
もともと、ヒータの発熱量を制御し、液体カプセルより
上方では低温度勾配が実現しているのであるから、液体
封止剤層が薄くなつたという事は、低温度勾配である領
域が、下まで拡大した、という事になる。
また、軸方向に低温度勾配化するために、ルツボ周辺は
非常に断熱されており、液体封止剤が薄いにも拘らず、
原料融液面の径方向温度勾配について非常に小さくなつ
ている。
ルツボの中へ多結晶材料やドーパント、液体封止剤など
の固体を入れておき、これを単結晶成長装置内にセツト
し、装置を閉じて、真空にし、不活性気体を充填して、
ヒータを駆動する。これが単結晶引上げ法の準備であ
る。薄い液体封止剤層を作るには、最初にチヤージする
液体封止剤の量を少なくすればよいのである。ルツボ内
での高さh(2〜8mm)を決めれば、ルツボの断面積A
がわかつているのであるから、チヤージ量wは w=ρAh (1) によつて直ちに計算できる。
しかし、液体封止剤の層が薄いので、これが偏在する事
がある。表面張力が強い封止剤(例えばB2O3)の場合、
均一な液体層にならず、原料融液が露出した穴があくこ
とがある。計算では2mmの液体封止剤層が生ずるはずで
あるのに、全く液体封止剤のないところも生ずることが
ある。
そうすると、原料融液からV族元素が揮散してゆくこと
になる。これではLEC法ではない。
液体封止剤層を薄くするためには、次にようにする事が
有効である。
最初、原料多結晶、ドーパントとともに、ルツボに多量
の液体封止剤を入れて、単結晶成長装置にセツトする。
ヒータに通電して、これらの固形物(形状は多様であ
る)をいつたん溶かす。
この場合、多量の液体封止剤を使つているから、原料多
結晶が溶けている時、V族元素が逃げる、という事を防
止できる。
この後、単結晶引上げを行なわずに冷却する。ルツボに
は原料多結晶の固化したものが下に、液体封止剤が溶け
て固化したものが上にある。いつたん溶けたものである
から、二重層になつている。つまり、原料多結晶は、液
体封止剤の固形物により完全に覆われている。
そして、水、メチルアルコールなどで、上部の液体封止
剤を除去する。全部除くのではなく、一部を残してお
く。
これを再び単結晶引上げ装置に入れ、再びヒータによつ
て加熱する。原料多結晶が再び融けるが、この時は、均
一に薄い液体封止剤で覆われているから、V族元素の揮
散を防ぐ事ができる。
この後、種結晶を下し、単結晶を引上げてゆく。単結晶
は薄い液体封止剤からすぐに上方の低温度勾配部に出て
しまう。このため、単結晶中の平均の温度勾配はより低
くなる。
第3図は本発明の単結晶引上げ方法に於ける結晶周縁の
軸方向A−A′の温度分布と、結晶中心の軸方向B−
B′の温度分布とを示す。
第3図(a)はA−A′線の分布を示すが、E点は原料
融液面、Fは固液界面、Gは液体封止剤面である。
液体封止剤(B2O3)の厚みは、結晶成長前の状態で5mm
とした。
B2O3より上(G点より上)では低温度勾配でアル。GF間
は温度勾配が大きく−35〜−40℃/cm程度であつた。し
かし、GF間は短いから、ここでの温度下降は僅かであ
る。従つて、全体として温度分布は極めて一様である。
A−A′線に沿つては、熱電対を使つて実測したもので
あるが、B−B′線にそつては実測したものではない。
結晶成長が行なわれている時の結晶中の温度分布がB−
B′線の分布であるが、これは実測できない。
そこで、A−A′線に沿つた温度分布を結晶表面温度と
する境界条件を与え、熱伝導の方程式を使つて、コンピ
ユーターで計算した結果、第3図(b)のような温度分
布曲線を得る。
B−B′線に対し、H点は原料融液面、Iは固液界面、
JはB2O3面である。
重要なことはIJ間の温度勾配が小さくなつているという
事である。IJ間は液体封止剤の高さに対応している。し
かし、液体封止剤は薄いから、外周部に於て液体封止剤
に接する部分の温度勾配が大きくても、結晶中心の同じ
高さIJには影響を及びぼさないのである。
単結晶はI点より上方にあるが、B−B′線上で、単結
晶内の温度は極めて低温度勾配になつており、−5〜10
℃/cmである。
従つて、熱応力は少なく、転位もあまり発生しない。
結晶の径方向温度勾配についていえば、次のように説明
できる。
B2O3厚が厚い場合は、結晶中の径方向温度勾配は、結晶
表面から結晶中心に渡つて大きいため、結晶中に大きな
熱応力が生ずる。
B2O3厚が極端に薄い場合は、結晶中の径方向温度勾配は
結晶表面の極く近傍で大きいが、結晶表面近傍を除く結
晶中心では、非常に小さくなつているため、結晶中の大
部分には大きな熱応力が加わらないのである。また、低
温度勾配下雰囲気であるため、B2O3が薄くても径方向温
度勾配は小さく保てる。
さて、温度勾配をこのようにするには、ヒータの空間的
な制御性を高めなければならあい。融液上方少なくとも
100mmの空間の温度分布を自由に設定できるようにしな
ければならない。
本発明では、それゆえ、2段ヒータ、或は3段ヒータを
作つた方がよい。
低温度勾配という前提があり、低温度勾配にする事によ
つて現われた難点を解決するために、液体封止剤層を薄
くしている。高温度勾配下では意味がない。
低温度勾配という事の規定を、ここでは液体封止剤液面
より少なくとも100mm以内は温度勾配が−20℃/cm〜0℃
/cmであること、というように規定している。もちろん2
00mm以内で同じ条件が成立すればさらによい。
液体封止剤の厚みは、結晶育成前の状態(ルツボ全体に
拡がつている)で2mm〜8mmである。
2mm以下であると、薄すぎて液体封止剤(B2O3、NaCl、K
Clなど)が偏在し、原料融液が完全に被覆されない、と
いう惧れがある。
8mmよりも大きいと厚すぎて、液体封止剤中に於ける温
度下降が大きくなりすぎ、熱応力が大きくなりすぎる可
能性がある。
そこで、2〜8mmの厚みとするのである。
(オ)実施例 GaAs単結晶のLEC法による育成に本発明を実施した。
4インチ内径の石英ルツボを用いた。液体カプセル剤と
して、B2O3を38gルツボに投入した。原料はノンドープG
aAs多結晶である。
上記のB2O3は融けた時にルツボ内に拡がり、3mm厚さの
液体封止剤層を形成した。
雰囲気は、10atmのN2ガスであつた。引上速度は5mm/H、
上軸の回転数は5rpm、下軸の回転数は20rpmであつた。B
2O3液面より上方100mmでの温度勾配は約15℃/cmであつ
た。
このような条件で、GaAs単結晶を引上げた。外径は60mm
で、直胴部の長さは50mmであつた。
ウエハに切り出し、エツチングして、EPDを測定した。
この値は3000〜8000cm-2であつた。
従来のLEC法では、EPDが104〜105cm-2になるのに比較す
ると、EPDが著しく低減している、という事が分る。
(カ)効果 (1)低温度勾配下の化合物半導体単結晶のLEC法によ
る引上げに於て、液体封止剤の厚みを小さくしている。
薄い液体封止剤であるから、結晶から横に熱伝導して液
体封止剤へと逃げる熱が少ない。
結晶の中心近くに於ては、軸方向の温度勾配が著しく低
くなる。
結晶の表面近傍を除く、結晶中の半径方向の温度勾配も
減少する。
熱応力はこれにともなつて小さくなる。
結晶中に発生する欠陥の数は少なくなる。このため高品
質の単結晶を得ることができる。
(2)液体封止剤の消費量が少なくて済む。
(3)液体封止剤の量が少ないから、引上げ終了後のル
ツボ処理が簡単である。
PBNルツボを一般に使うが、これは高価なルツボであ
る。4インチルツボで、少なくとも60万円程度する。何
回も繰返して使用する。
結晶成長後、原料と液体封止剤の固化物がルツボに残量
する。液体封止剤がB2O3の場合、水中に入れて煮沸した
りするが、B2O3はなかなか取れない。
結局、PBNの薄層を剥離してB2O3を除去することにな
る。PBNは多層構造となつているから剥離することはで
きる。しかし、1回で0.1mm程度剥離してしまう。ルツ
ボ厚みは1mm程度である。従つて、いかにしても、残量B
2O3が多い場合、10回以上使用できない。
ところが本発明では、ほんの少ししかB2O3を使わないか
ら、PBNを殆んど痛めることなくB2O3を完全に除去でき
る。
本発明によると、少なくとも20回繰返し使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は液体カプセル単結晶引上装置の全体縦断面図。 第2図は液体カプセル法に於て、熱の流れを示するつぼ
近傍の縦断面図。 第3図は本発明の方法に於て、単結晶の中に生ずる温度
分布を、外周近傍(a)(A−A′線)と、中心部
(b)(B−B′線)の鉛直線に沿つて示すグラフ。 第4図は従来のLEC法に於て、単結晶の中に生ずる温度
分布を、外周近傍(a)(A−A′線)と、中心部
(b)(B−B′線)の鉛直線に沿つて示すグラフ。 1……ルツボ 2……原料融液 3……上軸 4……種結晶 5……単結晶 6……液体封止剤 7……耐圧容器 8……N2ガス又は不活性ガス雰囲気 9……ヒータ 10……ヒータから原料融液への熱の流れ 11……原料融液から育成結晶中への熱の流れ 12……育成中結晶から液体封止剤への熱の流れ 13……育成中結晶から雰囲気への熱の流れ 14……育成中結晶から上軸への熱の流れ 15……メニスカス 16……ガス入口管 17……ガス出口管 18……遮蔽板 19……液体封止剤表面 20……固液界面 21……原料融液面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体封止剤によって覆われた原料融液に種
    結晶を漬け回転させながら引上げることによって単結晶
    を引上げる液体カプセルチョクラルスキー法によってII
    I−V族化合物半導体単結晶及びII−VI族化合物半導体
    単結晶を育成する際、原料融液を覆う液体封止剤の厚み
    を、単結晶育成前の原料融液中心部の厚みで2mm〜8mmと
    し、かつ液体封止剤から結晶引上げ方向に向けて、少な
    くとも100mmの範囲における軸方向温度勾配が−20℃/cm
    〜0℃/cmであるようにした事を特徴とする単結晶の製
    造方法。
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JPS62119197A (ja) 1987-05-30

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