JPH0699668B2 - 被覆用塗料組成物 - Google Patents

被覆用塗料組成物

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JPH0699668B2
JPH0699668B2 JP2191119A JP19111990A JPH0699668B2 JP H0699668 B2 JPH0699668 B2 JP H0699668B2 JP 2191119 A JP2191119 A JP 2191119A JP 19111990 A JP19111990 A JP 19111990A JP H0699668 B2 JPH0699668 B2 JP H0699668B2
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宏 山中
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、金属、セラミックス、ガラス、セメント、プ
ラスチックス、木材、紙、繊維などの表面に、耐熱性、
耐摩耗性、耐薬品性、耐水性、耐候性などに優れ、高硬
度、高光沢の厚い被覆膜を形成するために好適な被覆用
塗料組成物に関する。
(ロ)従来の技術 金属やセラミックスなどの各種成形体表面をシリコーン
系の化合物およびシリコーン変性アクリル樹脂からなる
組成物で被覆して、美粧性を与え、あるいは耐摩擦性、
耐薬品性、耐食性、耐候性、耐水性、グレア防止性など
を向上させることが行われている。例えば、特開昭60−
135465号公報には、オルガノトリヒドロキシシランとコ
ロイダルシリカの分散液とシリコーン変性アクリル樹脂
から成るコーティング用組成物が開示されている。この
組成物は、メチルトリエトキシシランを水性シリカゾル
の水で加水分解した分散液と、アルコキシ基を含有する
シリコーン変性アクリル樹脂を相溶性のある溶剤で混合
したにすぎない。従って該組成物を塗布して得られる硬
化膜は、化学的に均質なものとはいえない。シリコーン
成分とシリコーン変性アクリル樹脂が独立して硬化する
ためにグレア防止の効果は有しても塗膜としての耐水
性、耐薬品性、密着性、耐擦傷性、平滑性に欠ける。
特開昭61−277901号公報には、合成樹脂板用防眩剤とし
て、オルトエチルシリケートの加水分解物とシリル基含
有ビニル系重合体から成る組成物が開示されている。こ
の組成物は、ポリシロキサンがエチルシリケートから成
ることを除いては、前記した組成物と基体的には同じで
ある。従って該組成物を塗布して得られる硬化膜は不均
質であり、グレア防止の効果は有しても、塗膜としての
耐水性、耐薬品性、密着性、耐擦傷性、平滑性に欠け
る。
特開昭64−1769号公報には、オルガノポリシロキサン、
ジルコニウム化合物、シリル基含有ビニル系樹脂から成
るコーティング用組成物が開示されている。この組成物
はジルコニウム化合物がオルガノポリシロキサンとシリ
ル基含有ビニル系樹脂との間の架橋部を形成し、オルガ
ノポリシロキサンとシリル基含有ビニル系樹脂が化学的
に複合化された共重合体を与える。従って該組成物を塗
布して得られる硬化膜は、均質であり平滑性にすぐれ、
耐薬品性、光沢性にすぐれる。また組成物中には安定化
剤として働くβ−ジケトン類が含まれるため該組成物の
保存安定性も良好である。しかしこの組成物は、オルガ
ノポリシロキサンとシリル基含有ビニル系樹脂との共重
合体であるため、共重合体分子あたりのシラノール含有
率が小さい、すなわち架橋密度が小さい。そのため基材
との接着性が劣るばかりでなく、硬化して得られる塗膜
の硬度も低い。
また、ジルコニウム化合物の加水分解時に用いたβ−ジ
ケトン類あるいはβ−ケトエステル類は、微量の金属イ
オン、特に鉄イオンなどと着色性のキレート化合物を形
成するため、該組成物の調製時、保存時あるいは塗膜形
成時に使用する原料、容器、器具などが限定される。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、そ
の目的とするところは、金属、セラミックス、ガラス、
セメント、プラスチックス、木材、紙、繊維などの表面
を被覆するための被覆用塗料組成物であって、次の性質
を有する塗料組成物を提供することにある。
透明性かつ光沢性にすぐれ、高硬度を有し、かつ基材
との密着性にすぐれた被覆膜を形成しうる塗料組成物、 耐アルカリ性、耐酸性、耐沸騰水性、耐溶剤性などに
すぐれた被覆膜を形成しうる塗料組成物、 被覆膜を調製する時に高温で長時間の硬化処理を必要
とせず、比較的厚い膜厚の被覆膜を形成するときもタラ
ックなどを生じない塗料組成物、 耐候性にすぐれ、長間屋外に暴露されても、変色、ふ
くれ、ひび割れなどの生じない被覆膜を形成しうる塗料
組成物。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 本発明の被覆用塗料組成物は、 (1)(a)一般式RSi(OR1(式中、Rは炭素数1
〜8の有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基または炭
素数1〜4のアシル基を示す)で表されるオルガノアル
コキシシランおよび/またはその部分縮合物をオルガノ
アルコキシシラン換算で100重量部、 (b)末端あるいは側鎖に加水分解性基と結合したケイ
素原子を有するシリル基を重合体1分子中に少なくとも
1個有するシリル基含有ビニル系樹脂10〜300重量部、 (c)水10〜70重量部、 (d)一般式Si(OR2(式中、R2は炭素1〜4のア
ルキル基を示す)で表されるテトラアルキルシリケート
0.5〜30重量部、 (e)一般式Al(OR3)n〔OC(R4)=CHCOR53−n
(式中、R3およびR4はアルキル基、R5はアルキル基また
はアルコキシ基、nは0〜3の整数を示す)で表される
アルミニウム化合物および該アルミニウム化合物の部分
加水分解物の群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜30
重量部、および (f)適量の固形分調整剤、 を配合してなるものであり、そのことにより上記目的が
達成される。
本発の組成物に用されるオルガノアルコキシシランおよ
び/またはその部分縮合物〔成分(a)〕は、一般式RS
i(OR1で表されるアルコキシ基含有のケイ素化合物
および一般式RSi(OR1)で表されるアルコキシ基含有の
ケイ素化合物を加水分解条件下に縮合させてられるアル
コキシ基含有部分縮合物である。
上記式において、Rは炭素数1〜8の有機基、R1は炭素
数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基で
ある。RおよびR1は炭素数が大きすぎると、後述の加水
分解速度が極めて遅くなり、場合によってはほとんど加
水分解が進行しなくなる。上記Rとしては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基;フ
ェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;シ
クロヘキシル基などのシクロアルキル基;その他γ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル
基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基、γ−メルカ
プトプロピル基、γ−アミノプロピル基、3,4−エポキ
シシクロヘキシル基などが挙げられる。R1としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アセチル基な
どが挙げられる。このようなオルガノアルコキシシラン
としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチ
ルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラ
ン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γメ
タクリルオキシトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシル
エチルトリメトキシシランなどがある。好ましくは、メ
チルトリメトキシシランおよび/またはメチルトリエト
キシシランが用いられる。これらのオルガノアルコキシ
ランは、単独で使用することも、また2種以上を併用す
ることもできる。
上記したオルガノアルコキシシランを加水分解条件下に
縮合させて得られる部分縮合物の生成反応は、それ自体
既知の製造方法、すなわち上記したオルガノアルコキシ
シランに水を添加し、縮合せしめることによって行うこ
とができる。
本発明の組成物に用いられるシリル基含有ビニル系樹脂
(成分(b))は、末端あるいは、側鎖に加水分解性基
を結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体1分子
中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂で
ある。例えば、このようなシリル基含有ビニル系樹脂
は、 一般式(イ) (ここでR6は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキ
シ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基などの加水分解性基、R7水素原子または炭
素数1〜8の有機基、R8は二価の炭化水素基、R9は水素
原子または1価の炭化水素基、n=1〜3の整数であ
る)で示されるアクリルオキシ官能性シランと 一般式(ロ) (ここでR10は水素原子または、置換または非置換のn
価の脂肪族炭化水素残基および少なくとも1個のエーテ
ル結合を有する置換されたn価の脂肪族炭化水素残基か
ら成る群より選ばれた基を表し、R11は水素原子または
低級アルキル基、n=1〜4の整数である) で示されるラジカル重合性アクリレートモノマーの共重
合によるか、もしくは、 一般式(ハ) (ここでR12は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロ
キシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
基、アミノ基などの加水分解性基、R13は水素原子また
は炭素数1〜8の有機基、n=1〜3の整数である)で
示されるヒドロシラン化合物を、炭素−炭素二重結合を
有するビニル重合体と反応させることによって製造する
ことができ、その製造方法に特に限定はない。
ここで、一般式(イ)で示されるアクリルオキシ官能性
シランとしては、例えば、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリイソプ
ロポキシシランなどが挙げられる。
これから成る群より選ばれた、1種もしくは2種以上の
ものが使用される。
また、一般式(ロ)で示される、ラジカル重合性モノマ
ーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メトキシジエチレングリコールアクリレー
ト、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メ
トキシテトラエチレンメタクリレートおよびメタクリル
酸アリルなどのモノアクリレートモノマー;エチレング
リコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート
および1,3−ブチレングリコールジメタクリレートなど
のジアクリレートモノマー;トリメチロールプロパント
リメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリ
レートおよびテトラメチロールメタントリアクリレート
などのトリアクリレートモノマー;テトラメチロールメ
タンテトラアクリレートなどのテトラアクリレートモノ
マーなどが挙げられる。
これから成る群より選ばれた1種もしくは2種以上のも
のが使用される。
これらアクリルオキシ官能性シランの少なくとも1種と
ラジカル重合性モノマーの少なくとも1種を適当な溶媒
中で混合し、ラジカル重合開始剤を用いて共重合させる
ことによって加水分解性シリル基含有アクリル樹脂を得
ることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジ−t−
ブチルペルオキシド、2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエ
ート)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーベンゾエート
などのパーエステル化合物;アゾビスイソブチロニトリ
ルおよびジメチルアゾブチレートなどのアゾ化合物;お
よび有機過酸化物などが挙げられる。
一般式(ハ)で示されるヒドロシラン化合物としては、
例えば、メチルジクロルシラン、エチルジクロルシラ
ン、フェニルジクロルシランおよびトリクロルシランな
どのハロゲン化シラン化合物;メチルジメトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラ
ン、エチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラ
ン、トリメトキシシランおよびトリエトキシシランなど
のアルコキシシラン化合物;メチルジアセトキシシラ
ン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラ
ン、などのアシロキシシラン化合物;メチルジアミノキ
シシラン、トリアミノキシシラン、トリアミノシランな
どのアミノシラン化合物が挙げられる。これらから成る
群より選ばれた1種もしくは2種以上のものが使用され
る。
炭素−炭素二重結合を有するビニル重合体としては一般
式(ロ)で示されるアクリレート類の中で水酸基を持た
ないものの他、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビ
ニル、酢酸ビニルなどから選ばれた1種もしくは2種以
上のビニル系化合物と、ブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレンなどの共役ジエン化合物、および/または重合
に関与しない炭素−炭素二重結合を持つ、アクリル酸誘
導体と共重合させて得られる炭素−炭素二重結合を有す
るビニル系重合体が好ましい。
これらヒドロシラン化合物の少なくとも1種を、炭素−
炭素二重結合を有するビニル系重合体に適当な方法で付
加させることによって加水分解性のシリル基含有ビニル
系樹脂(成分(b))を得ることができる。
本発明に使用される加水分解性のシリル基含有ビニル系
樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業(株)製ゼムラッ
ク、サイリル;東芝シリコーン(株)製、シリコーンア
クリルワニスなどが挙げられる。
上記シリル含有ビニル系樹脂(成分(b))の配合割合
は、オルガノアルコキシシラン100重量部に対して、10
〜300重量部、好ましくは15〜200重量部である。上記シ
リル基含有ビニル系樹脂が10重量部未満では、得られる
塗膜の耐薬品性が充分でなく、また厚い膜ではクラック
が発生し易い。一方、300重量部を越えると耐擦傷性、
耐熱性に劣り、また保存安定性に欠ける。
本発明の組成物に用いられる水(成分(c))は、オル
ガノアルコキシシラン(成分(a))とシリル基含有ビ
ニル系樹脂(成分(b))の加水分解反応に必須の成分
である。水の使用割合は、オルガリアルコキシシラン10
0重量部に対して10〜70重量部、好ましくは20〜60重量
部である。10重量部未満では、得られる組成物を用いて
塗布しても、塗膜が充分に硬化しない場合がある。他
方、配合割合が70重量部を越えると、組成物の保存安定
性が低下し好ましくない。
上記必要とされる水としては、水道水、蒸留水、イオン
交換水などが用いられる。好ましくは蒸留水、イオン交
換水が用いられる。
なお、該水には、加水分解反応を制御あるいは促進する
ために解媒を配合することもできる。
かかる触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、
蟻酸、蓚酸、酢酸などの有機酸のいずれもが使用され得
る。
本発明の組成物に用いられる一般式Si(OR2で表わ
されるテトラアルキルシリケート(成分(d))は、組
成物を塗布してなる硬化塗膜の硬度を向上させ、あるい
は塗報と基材との密着性を向上させる。特に耐水性を向
上させる働きをする。
上記式においてR2は、炭素数1〜4のアルキル基を示
す。
このようなアルキルシリケートとしては、テトラメチル
シリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プ
ロピルシリケート、チトラ−i−プロピルシリケート、
テトラ−n−ブチルシリケート、テトラ−i−ブチルシ
リケート、テトラ−sec−ブチルシリケートなどを挙げ
ることができる。
上記テトラアルキルシリケートの配合割合は、オルガノ
アルコキシシラン100重量部に対して0.5〜30重量部、好
ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満では、得
られる塗膜の硬度、耐水性が低く、他方30重量部を超え
ると得られる塗膜にクラックが生じ易くなる。
本発明の組成物に用いられる一般式Al(OR3)n[OC(R
4)=CHCOR53−nで表わされるアルミニウム化合
物、該アルミニウム化合物の部分加水分解物(成分
(e))は、前記したオルガノアルコキシシラン(成分
(a))、シリル基含有ビニル系樹脂(成分(b))の
加水分解反応時の反応促進剤として働く。更にオルガノ
アルコキシシランとシリル基含有ビニル樹脂の架橋部位
を形成するよう作用する。従って、該アルミニウム化合
物は、加水分解反応時に配合しても良いし、該加水分解
反応終了後に配合しても良い。
上記式においてR3およびR4はアルキル基、R5はアルキル
基またはアルコキシ基、nは0〜3の整数を示す。この
ようなアルミニウム化合物としては、トリ−i−プロポ
キシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウ
ム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム、トリ−n−ブ
トキシアルミニウム、sec−ブトキシアルミニウムイソ
プロピレート、トリ−tert−ブトキシアルミニウム、エ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(エチルアセトアセトナー
ト)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、
アルミニウムモノアセチルアセトナートビス(エチルア
セトナート)および該アルミニウム化合物の部分加水分
解物などを挙げることができる。これらのアルミニウム
化合物および該アルミニウム化合物の部分加水分解物
は、単独で使用することも、また2種以上を併用するこ
ともできる。
なお、上記したアルミニウム化合物の部分加水分解物
は、アルミニウム化合物を含有する親水性有機溶媒中に
沈殿やゲルを生じない範囲で水を添加することによって
得られる。
上記アルミニウム化合物および該アルミニウム化合物の
部分加水分解物の配合割合は、オルガノアルコキシシラ
ン100重量部に対して0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜
20重量部である。0.01重量部未満では、得られる塗膜の
硬度、耐薬品性が低く、他方30重量部を超えると組成物
の経時安定性が悪化する。また得られる塗膜にクラック
が生じ易くなる。
本発明の組成物に用いられる固形分調製剤(成分
(f))は、本発明の固形分濃度を調整する希釈剤とし
ての働きのほか、種々の塗装方法に適用できるように
し、また組成物の保存安定性を向上させるものである。
かかる固形分調整剤としては、アルコール系溶剤、芳香
族系溶剤、ケトン系溶剤、エステル型溶剤、多価アルコ
ール系溶剤などが挙げられる。たとえば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n
−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチ
レングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブなどを挙げることができる。
これらは単独で使用することも、また2種以上を併用す
ることもできる。
上記固形分調整剤(成(f))の配合割合は粘度調整、
希釈等の目的に応じて適宜定められ、とくに限定される
ものではない。しかし、通常、組成物中の全固形物濃度
が、10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%となるよう
に調整されるのが好ましい。10重量%未満では固形分濃
度が低すぎて得られる組成物を用いて塗布して得られる
塗膜にピンホールが発生し易く、塗膜の諸特性が発現さ
れない場合がある。他方50重量%を超えると固形分濃度
が高過ぎて組成物の保存安定性が悪化する。
本発明の組成物には、さらに必要に応じて各種添加剤が
含有される。
例えば、体質顔料や、着色顔料を添加して着色エナメル
として使用すること、あるいは適切な充填剤を加えて、
防錆膜、電気絶縁膜、導電膜、遠赤外線放射膜、遠赤外
線吸収膜、紫外線吸収膜などを形成するための塗料とし
て使用することも可能である。
この他に、各種界面活性剤、シランカップリング剤、チ
タンカップリング剤、アセチルアセトン、染料などの従
来公知の各種添加剤が含まれてもよい。
本発明の組成物を調製するに際しては、(a)〜(f)
成分を一度に混合してもよく、(a)〜(c)成分と
(f)成分を混合後、(d)〜(e)成分と混合しても
よく、(a)成分と(c)成分を混合後、(b)成分、
(d)〜(f)成分を混合してもよく、(a)〜(c)
成分に(e)成の一部を混合後、(d)成分、(e)成
分の残りと(f)成分を混合してもよくその調製方法は
特に限定されない。
本発明の被覆用塗料組成物を各種基材上に塗工、硬化す
ることにより所望の塗膜が形成される。対象基材として
は、金属、セラミックス、セメント、ガラス、プラスチ
ックス、紙、繊維、木材などが挙げられる。そして、塗
膜の硬化は約80〜200℃で5〜60分という比較的温和な
条件で行うことができ、しかも硬化時にクラックや剥離
が生じることなく、比較的厚い被覆膜を形成することが
可能である。
本発明の組成物は、オルガノアルコキシシラン(成分
(a))由来のポリシロキサンと、シリル基含有ビニル
系樹脂(成分(b))が、テトラアルキルシリケート
(成分(d))およびアルミニウム化合物(成分
(e))と共に塗工、硬化時に基材上で化学的に強固に
結合する形態を有するために、基材との密着性を損なう
ことはない。従って、この塗膜はポリシロキサンとシリ
ル基含有ビニル系樹脂の化学的共重合体から形成される
ものに較べ、格段にすぐれた特性を有する。
このように本発明の被覆用塗料組成物を用いることによ
り、光沢を有し、高硬度で耐候性、耐溶剤性、耐酸性、
耐アルカリ性、耐水性などにすぐれた塗膜が形成され得
る。
(ホ)実施例 以下に本発明を実施例により説明する。実施例中、部は
すべて重量部を、%はすべて重量%を示す。
実施例1 (a)被覆用塗料組成物の調製 還流冷却器および攪拌機を備えた反応容器に、メチルト
リメトキシシラン100部、カネカゼムラック(鐘淵化学
工業(株)製:トリアルコキシシリル基含有アクリル重
合体、固形50%)100部、イソプロパノール20部、水40
部を仕込み、攪拌しながら、70℃に加熱し、8時間反応
させた。次いでイソプロパノール40部、アルミニウムト
リス(アセチルアセトナート)2部、テトラメチルシリ
ケート4部を加えて、被覆用塗料組成物Aを得た。
(b)被覆用塗料組成物の評価 (a)項で得られた被覆用塗料組成物Aを冷間圧延ステ
ンレス鋼板(JIS G4305 SUS−CP)上にスプレー装置
を用いて、乾燥塗膜が約20μmとなるように塗布する。
これを180℃で20分間加熱し、得られた硬化塗膜を以下
の項目について評価した。塗料の組成および得られた結
果を、後述の実施例2〜5および比較例1〜5で得られ
た被覆用塗料組成物の評価結果とともにそれぞれ表1お
よび表2に示す。
[塗膜外観]目視観察により表面状態を評価する。
[密着性]JIS5400の碁板目により評価する。
[硬度]JIS5400の鉛筆硬度により評価する。
[耐溶剤性]ガーゼにメタノールを浸し、塗膜を30回ラ
ビングテストした後の状態を観察する。
[耐沸騰水性]98℃の沸騰水に8時間浸漬した後の状態
を観察する。
[耐酸性]5%硫酸水溶液を塗膜上に1ml滴下し、蓋付
きシャーレ中で一日静置後、水洗し、状態を観察する。
[耐アルカリ性]5%水酸化ナトリウム水溶液を塗膜上
に1ml滴下し、蓋付きシャーレ中で一日静置後、水洗
し、状態を観察する。
[耐候性]JISK5400に従ってウェザオメーターで1000時
間照射試験を実施し、状態を観察した。
実施例2〜5 表1に示す組成物および反応条件で、実施例1に準じて
操作を行い被覆用塗料組成物B〜Eを得た。得られた被
覆用塗料組成物の組成および評価結果をそれぞれ表1及
び表2に示す。
比較例1〜5 表1に示す組成物および反応条件で、実施例1と同様の
操作により被覆用塗料組成物F〜Jを得た。得られた被
覆用塗料組成物の組成および評価結果をそれぞれ表1お
よび表2に示す。
実施例6 実施例1で得た被覆用塗料組成物A100部をバインダーと
して、酸化チタン(石原産業(株)製、タイペークR−
380)30部を配合し、サンドミルにて1時間分散させ、
被覆用塗料組成物Kを得た。次いで得た被覆用塗料組成
物Kをスレート板(JIS A5403)上にスプレー装置を用
いて、乾燥塗膜が約50μmとなるように塗布し、150℃
で20分間加熱して硬化塗膜を形成させた。これらの硬化
塗膜を実施例1で示した評価項目について評価した。そ
の結果を後述の実施例7〜10および比較例6〜10で得ら
れた被覆用塗料組成物の評価結果とともに表3に示す。
実施例7〜10 被覆用塗料組成物Aに変えて実施例2〜5で調整した被
覆用塗料組成物B〜Eを用いた以外は、実施例6〜10と
同様の操作で被覆用塗料組成物L〜Oを得、同様の方法
で評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例6〜10 被覆用塗料組成物に変えて比較例1〜5で調製した被覆
用塗料組成物F〜Jを用いたこと以外は、実施例6と同
様の操作で被覆用塗料組成物P〜Tを得、同様の方法で
評を行った。その結果を表3に示す。
(ヘ)発明の効果 本発明によれば、上記実施例等に示されるように、金属
やセラミックス基板等の基材表面に優れた性質の被覆膜
を容易に形成し得る被覆用塗料組成物が提供される。こ
とに本発明の被覆用塗料組成物を用いて得られる被覆膜
は、高硬度を有し、耐擦傷性に優れ、光沢性を有し、耐
候性、耐水性、耐薬品性などに極めて優れたものであ
る。特に腐蝕しやすい条件下あるいは屋外に放置されて
も高光沢を維持し、変色および劣化が起こらないとい
う。これまでの被覆用塗料組成物では得られない優れた
性質を有する。そのため、たとえば、太陽光線に曝され
る外壁材、腐蝕しやすい条件下で用いられる機器、美粧
性を必要とされる建材などを被覆するための塗料として
その有用性は極めて大なるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式RSi(OR1(式中、Rは炭
    素数1〜8の有機基、R1は炭素数1〜5のアルキル基ま
    たは炭素数1〜4のアシル基を示す)で表されるオルガ
    ノアルコキシシランおよび/またはその部分縮合物をオ
    ルガノアルコキシフラン換算で100重量部、 (b)末端あるいは側鎖に加水分解性基と結合したケイ
    素原子を有するシリル基を重合体分子中に少なくとも1
    個有するシリル基含有ビニル系樹脂10〜300重量部、 (c)水10〜70重量部 (d)一般式Si(OR2(式中R2は炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す)で表されるテトラアルキルシリケート
    0.5〜30重量部、 (e)一般式Al(OR3)n〔OR(R4)=CHCOR53−n
    (式中、R3およびR4はアルキル基、R5はアルキル基また
    はアルコキシ基、nは0〜3の整数を示す)で表される
    アルミニウム化合物および該アルミニウム化合物の部分
    加水分解物の群から選ばれる少なくとも1種を0.01〜30
    重量部、および (f)適量の固形分調整剤 からなる被覆用塗料組成物。
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