JPH0699775B2 - 鉄−マンガン−アルミニウム合金の精密鋳造方法 - Google Patents

鉄−マンガン−アルミニウム合金の精密鋳造方法

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JPH0699775B2
JPH0699775B2 JP3347543A JP34754391A JPH0699775B2 JP H0699775 B2 JPH0699775 B2 JP H0699775B2 JP 3347543 A JP3347543 A JP 3347543A JP 34754391 A JP34754391 A JP 34754391A JP H0699775 B2 JPH0699775 B2 JP H0699775B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフクラブの金属ヘ
ッドなどの複雑形状で肉厚不均一で薄肉鋳物である精密
鋳物を鉄−マンガン−アルミニウム合金にて精密鋳造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のゴルフクラブの金属ヘッドなどの
精密鋳物にはニッケル−クロム(Ni−Cr)系ステン
レス鋼などが多用されている。また、高靭性で機械的強
度が強く耐食性に優れ、耐摩耗性を有する鉄−マンガン
−アルミニウム合金を用いる試みもなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のニッケル−クロム(Ni−Cr)系ステンレス鋼で
製造された、例えばゴルフクラブの金属ヘッドではゴル
フボールを打撃する打撃面の強度が不足し、前記金属ヘ
ッドを損傷する可能性があり、打撃時の振動吸収性が低
く、打撃音も大きくなり、比重も大きいなどの問題点が
ある。また、鉄−マンガン−アルミニウム合金について
は、各種研究によって前記の優れた特質が知られている
反面、熱膨張率が大きく、熱伝導率が低く、また、この
合金を溶融した際、酸化し易く結晶粒界に脆性組織が偏
析するなどの鋳造製造上の阻害因子も有しており、この
合金の鋳造技術における材料の配合、鋳造工程の管理お
よび鋳物の熱処理などが製品の特性に及ぼす影響につい
て未だ明確になっておらず、鋳造技術が確立されていな
い問題点がある。
【0004】本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、ニ
ッケル−クロム(Ni−Cr)系ステンレス鋼鋳物より
も原料価格が安価な鉄−マンガン−アルミニウム合金の
優れた特質を損なうことなく複雑形状で鋳物の断面厚さ
が不均一である薄肉鋳物の精密鋳造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の鉄−マンガン−
アルミニウム合金の精密鋳造方法は、組成が、炭素
(C)0.5〜2.0重量%、マンガン(Mn)25〜
36重量%、アルミニウム(Al)5〜10重量%、モ
リブデン(Mo)0.5〜1.5重量%、残部鉄(F
e)である鉄−マンガン−アルミニウム合金の精密鋳物
の製造工程において、迅速に1400〜1420℃に加熱溶解せ
しめた上記合金を予め1300〜1320℃に余熱されたセラミ
ックス鋳型に鋳込み、このセラミックス鋳型で得られた
複数の鋳物部品をTIG溶接によって溶接電流が40〜
60アンペアで溶接し、溶接した鋳物を1030〜1050℃で
1〜2時間溶体化処理後、450〜550℃で1〜2時
間時効処理してなり、前記セラミックス鋳型は、厚さ略
5mm、生型強度が350psi、焼成体強度が460p
siおよび通気率が6.5×10−3cm/sec・cm・aq
であることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明の鉄−マンガン−アルミニウム合金の精
密鋳造方法は、組成が、炭素(C)0.5〜2.0重量
%、マンガン(Mn)25〜36重量%、アルミニウム
(Al)5〜10重量%、モリブデン(Mo)0.5〜
1.5重量%、残部鉄(Fe)となるように管理されて
配合された合金原料を迅速に1400〜1420℃に加熱溶解せ
しめ、予め1300〜1320℃に余熱されたセラミックス鋳型
に鋳込むことによって、前記溶融した合金の湯がこの鋳
型に良好に流れ、偏析を防止できる。そして、前記セラ
ミックス鋳型を厚さ略5mm、生型強度が350psi、
焼成体強度が460psiおよび通気率が6.5×10
−3cm/sec・cm・aqにすることで、鋳物の凝固中に
亀裂を生じたり、割れたりすることを防止できる。そし
て、鋳込みによって得られた各種鋳物部品を溶接電流が
40〜60アンペアでTIG溶接によって溶接すること
によって、溶接近傍に亀裂やひび割れおよびピンホール
を防止できる。そして、溶接された鋳物を1030〜1050℃
で1〜2時間溶体化処理することによって鋳物表面の酸
化層の生成を抑え、450〜550℃で1〜2時間時効
処理することによって高強度の鋳物を得ることができ
る。
【0007】
【実施例】本発明の鉄−マンガン−アルミニウム合金の
精密鋳造方法の一実施例のゴルフクラブの金属ヘッドを
図1ないし図3について説明する。
【0008】1はゴルフクラブの金属ヘッドで、この金
属ヘッド1は図示しないゴルフクラブのシャフトを嵌合
する開口を有する後方に突出した接続部2と、右側面部
は略半球状に突出しその曲面が前方にまで達する本体部
3と、左側面部は例えば図示しないゴルフボールを打撃
する凹弧状の打撃面4と、図示しない地面と接する底部
5とから形成されている。
【0009】次ぎに、上記実施例の金属ヘッドの製造方
法を説明する。
【0010】厚さ略5mm、生型強度が350psi、焼
成体強度(乾態強度)が460psiおよび通気率が
6.5×10−3cm/sec・cm・aqにシェルモールド法
によって焼結して作成されたセラミックス鋳型を1300〜
1320℃に加熱保持しておく。別途組成が、炭素(C)
0.5〜2.0重量%、マンガン(Mn)25〜36重
量%、アルミニウム(Al)5〜10重量%、モリブデ
ン(Mo)0.5〜1.5重量%、残部鉄(Fe)とな
るように管理されて合金原料を配合する。
【0011】この合金原料を加熱溶解する際、溶融原料
の酸化によるスカムの生成、および、セラミックス鋳型
に鋳込み徐冷している途中で偏析や亀裂などの欠陥を防
止し前記溶融原料の湯が良好に前記鋳型内に流れ込める
ように、1200℃に達した時点で急加熱により略20〜25分
間で1400〜1420℃に加熱溶解して、1400〜1420℃に達し
た時点で直ちに前記セラミックス鋳型に鋳込む。
【0012】冷却凝固した本体部3と底部5を合わせて
接する底部の周辺部を溶接する際、ステンレス鋼やマン
ガン鋼などからなる溶接棒による溶接では、溶接を施し
た部分近傍に亀裂やひび割れおよびピンホールを生ずる
ため、溶接電流が40〜60アンペアとなるように制御
してTIG溶接によって溶接する。
【0013】溶接後の金属ヘッド1を熱処理する際、図
5および図6に示すように、真空炉熱処理の窒素冷却方
式および例えばトンネル型炉などのような連続炉熱処理
の窒素冷却方式によって熱処理された金属ヘッド1は、
表面の酸化被膜厚は薄く、ロックウェル硬さが真空炉で
はHRC32〜36、連続炉ではHRC28〜32と硬
いが靭性であるねばり強度および機械的強度が弱くなっ
てしまうので、図4に示すように、900℃以上に保持
された高温連続炉に入れて1030〜1050℃で1〜2時間急
加熱処理し、水冷による水焼入れあるいは油冷方式によ
って急冷して、ロックウェル硬さをHRC8〜12とな
るように溶体化処理を行う。
【0014】そして、面取りおよび穴あけ作業後、45
0〜550℃で1〜2時間加熱処理してロックウェル硬
さをHRC28〜36となるように時効処理する。
【0015】この時効処理後の金属ヘッド1は、表面に
残留する酸化物をサンドブラストまたはショットブラス
トにて除去し、乾燥被膜の厚みが3〜5μmとなるよう
に塗料を塗布して焼き付ける。
【0016】なお、前記鉄−マンガン−アルミニウム合
金は、炭素(C)1.5〜2.0重量%、マンガン(M
n)32〜36重量%、アルミニウム(Al)6〜8重
量%、モリブデン(Mo)1.0〜1.5重量%、残部
鉄(Fe)の組成が好ましい。
【0017】次に、前記セラミックス鋳型について説明
する。
【0018】前記セラミックス鋳型は、前記溶融した合
金原料の湯にスカムを生成させず偏析も防止させるため
に鋳型も高温に保持しなければならず、高温まで耐火性
を有する必要がある。また、熱膨張率が大きく、熱伝導
率が低い鉄−マンガン−アルミニウム合金の徐冷中に生
ずる冷却収縮応力によって金属ヘッド1に亀裂やひび割
れなどを生じる前に、このセラミックス鋳型が破砕され
る性質を有する必要がある。そこで、このセラミックス
鋳型は、第一層が0.044mm以下のジルコン粉末30
〜70重量%、例えば珪砂などのシリカ粉末略25重量
%、珪酸ゾル略25重量%からなり、第二層が0.07
4mm以下のマルグレイン粉末45〜55重量%、例えば
0.074mm以下の鱗状黒鉛などの黒鉛略4重量%、前
記シリカ粉末略25重量%、珪酸ゾル略25重量%、適
量の0.25〜0.5mmのシャモットからなり、第三層
が0.074mm以下のマルグレイン粉末45〜80重量
%、前記黒鉛略4重量%、前記シリカ粉末略25重量
%、珪酸ゾル略25重量%、適量の0.25〜0.5mm
のシャモットからなり、第四層が前記0.074mm以下
のマルグレイン粉末45〜80重量%、前記黒鉛略6重
量%、前記シリカ粉末略25重量%、珪酸ゾル略25重
量%、適量の0.5〜1.0mmのシャモットからなり、
第五層が前記0.074mm以下のマルグレイン粉末45
〜80重量%、前記黒鉛略6重量%、前記シリカ粉末略
25重量%、珪酸ゾル略25重量%からなり、第一層が
溶融合金と接する鋳込面側となるように5層の耐火性ス
ラリから構成されることが特に好ましい。
【0019】次いで、上記実施例の作用を説明する。
【0020】組成が、炭素(C)0.5〜2.0重量
%、マンガン(Mn)25〜36重量%、アルミニウム
(Al)5〜10重量%、モリブデン(Mo)0.5〜
1.5重量%、残部鉄(Fe)となるように管理されて
配合された合金原料を迅速に1400〜1420℃に加熱溶解せ
しめ、予め1300〜1320℃に余熱されたセラミックス鋳型
に鋳込むことによって、高温下における金属の酸化によ
るスカムの生成が防止でき、前記溶融した合金の湯がこ
の鋳型に良好に流れ、偏析を防止できる。そして、前記
セラミックス鋳型を厚さ略5mm、生型強度が350ps
i、焼成体強度が460psiおよび通気率が6.5×
10−3cm/sec・cm・aqにすることで、本体部3およ
び底部5の凝固中に亀裂を生じたり、割れたりすること
を防止できる。そして、鋳込みによって得られた本体部
3および底部5を溶接電流が40〜60アンペアでTI
G溶接によって溶接することによって、溶接近傍に亀裂
やひび割れおよびピンホールを防止できる。そして、溶
接された金属ヘッド1を、図4に示すように、900℃
の温度雰囲気中に入れ1030〜1050℃で1〜2時間加熱処
理後、水焼入れまたは油冷方式によって急令して硬さを
HRC8〜12となるように溶体化処理することによっ
て、加工性のよい硬さの低くく、鋳物表面の酸化層の生
成を抑え、平均圧縮強さが2100kg/mm以上のねば
り強度および機械的強度がつよい金属ヘッド1が得ら
れ、450〜550℃で1〜2時間時効処理することに
よって硬さも硬い高強度の金属ヘッド1を得ることがで
きる。
【0021】表1に従来のニッケル−クロム(Ni−C
r)系ステンレス鋼による金属ヘッドと本発明の鉄−マ
ンガン−アルミニウム合金の精密鋳造方法による金属ヘ
ッド1との特性表を示す。
【0022】
【表1】 表1から本発明の鉄−マンガン−アルミニウム合金の精
密鋳造方法による金属ヘッド1と、従来のニッケル−ク
ロム(Ni−Cr)系ステンレス鋼による金属ヘッドを
比較すると、本発明によって、鉄−マンガン−アルミニ
ウム合金の特質である硬さが硬く、ねばり強度および機
械的強度が強いことが明確であるとともに、軽くて振動
吸収性に優れた衝撃音の小さい金属ヘッド1を製造でき
る。
【0023】そして、焼き付け塗装後の製品である金属
ヘッド1は、5%食塩水のソルトスプレー試験によって
24時間以上の耐食性も認められた。
【0024】
【発明の効果】本発明の鉄−マンガン−アルミニウム合
金の精密鋳造方法によれば、組成が、炭素(C)0.5
〜2.0重量%、マンガン(Mn)25〜36重量%、
アルミニウム(Al)5〜10重量%、モリブデン(M
o)0.5〜1.5重量%、残部鉄(Fe)となるよう
に管理されて配合された合金原料を迅速に1400〜1420℃
に加熱溶解せしめ、予め1300〜1320℃に余熱されたセラ
ミックス鋳型に鋳込むことによって、前記溶融した合金
の湯がこの鋳型に良好に流れ、偏析を防止できる。そし
て、前記セラミックス鋳型を厚さ略5mm、生型強度が3
50psi、焼成体強度が460psiおよび通気率が
6.5×10−3cm/sec・cm・aqにすることで、鋳物
の凝固中に亀裂を生じたり、割れたりすることを防止で
きる。そして得られた各種鋳物部品を溶接電流が40〜
60アンペアでTIG溶接によって溶接することによっ
て、溶接近傍に亀裂やひび割れおよびピンホールを防止
できる。そして、溶接された鋳物を1030〜1050℃で1〜
2時間溶体化処理することによって鋳物表面の酸化層の
生成を抑え、450〜550℃で1〜2時間時効処理す
ることによって高強度の鋳物を得ることができる。これ
らのことから、高靭性で機械的強度が強く耐食性に優
れ、耐摩耗性を有する鉄−マンガン−アルミニウム合金
が、これらの特性を損なうことなく、ニッケル−クロム
(Ni−Cr)系ステンレス鋼で製造された鋳物より衝
撃強度が強く、比重も軽く、原料価格が安価な鉄−マン
ガン−アルミニウム合金の複雑形状で鋳物の断面厚さが
不均一である薄肉鋳物を精密鋳造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄−マンガン−アルミニウム合金の精
密鋳造方法の一実施例のゴルフクラブの金属ヘッドの正
面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の背面図である。
【図4】同上の溶体化処理の条件を示すグラフである。
【図5】従来の溶体化処理の一実施例の条件を示すグラ
フである。
【図6】同上の他実施例の条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1 溶接した鋳物である金属ヘッド 3 複数の鋳物部品である本体部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/00 Z 9352−4K C22C 38/00 302 A 38/12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が、炭素(C)0.5〜2.0重量
    %、マンガン(Mn)25〜36重量%、アルミニウム
    (Al)5〜10重量%、モリブデン(Mo)0.5〜
    1.5重量%、残部鉄(Fe)である鉄−マンガン−ア
    ルミニウム合金の精密鋳物の製造工程において、 迅速に1400〜1420℃に加熱溶解せしめた上記合金を予め
    1300〜1320℃に余熱されたセラミックス鋳型に鋳込み、 このセラミックス鋳型で得られた複数の鋳物部品をTI
    G溶接によって溶接電流が40〜60アンペアで溶接
    し、 溶接した鋳物を1030〜1050℃で1〜2時間溶体化処理
    後、450〜550℃で1〜2時間時効処理してなり、 前記セラミックス鋳型は、厚さ略5mm、生型強度が35
    0psi、焼成体強度が460psiおよび通気率が
    6.5×10−3cm/sec・cm・aqであることを特徴と
    する鉄−マンガン−アルミニウム合金の精密鋳造方法
JP3347543A 1991-12-27 1991-12-27 鉄−マンガン−アルミニウム合金の精密鋳造方法 Expired - Lifetime JPH0699775B2 (ja)

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