JPH0699799B2 - 真空蒸着方法 - Google Patents

真空蒸着方法

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JPH0699799B2
JPH0699799B2 JP63067010A JP6701088A JPH0699799B2 JP H0699799 B2 JPH0699799 B2 JP H0699799B2 JP 63067010 A JP63067010 A JP 63067010A JP 6701088 A JP6701088 A JP 6701088A JP H0699799 B2 JPH0699799 B2 JP H0699799B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、基板面に薄膜被覆加工を施す真空蒸着方法
に関する。
〔従来技術とその課題〕
例えば、工具のコーティング、機械部品のコーティン
グ、電子部品のコーティング、表面装飾用コーティング
等において、これらの部品面を基板面にして薄膜被覆加
工を施す真空蒸着方法の中の物理的蒸着法の有用な方法
として、真空アーク蒸着法およびスパッタリング法があ
る。
真空アーク蒸着法は、真空アークを応用したもので、ス
ネーパやサブレフによって、例えば、特公昭58−3033
号、或いは特公昭52−14690号公報等に開示されている
方法であり、蒸発物質の高いイオン化率とイオンエネル
ギーによって密着度の高い膜が高成膜レートで得られる
という特徴を持つ一方で、蒸発時に発生する溶融粒子
(マクロパーティクル)によって成膜した膜が粗い等の
問題点があった。
一方、スパッタリング法は、不活性ガスプラズマを発生
させ、この不活性ガスイオンを膜物質の「ターゲット」
に衝突させ、この時に反動で飛び出す膜物質の原子を基
板に埋積させる周知の手法であり、集積回路の製造に多
く用いられる等、高品質の成膜が可能である一方、しば
しば成膜レートが遅いという問題があった。
この発明は、上述の点に鑑みなされたものであって、共
通の蒸発源から真空アーク蒸着法とスパッタ蒸着法の両
方式の蒸発を連続的に行い、両蒸着法による薄膜が持つ
欠点を互いに補い、それぞれの長所を併せ持つ高品質の
薄膜が得られる真空蒸着方法を提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するためのこの発明の要旨とするとこ
ろは、真空チャンバ内に基板と蒸発源とを備え、前記蒸
発源を用いて前記基板の表面に薄膜を形成する真空蒸着
方法において、前記蒸発源を、電源の切り換えにより真
空アーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発を連続的に
行い得る構成にし、最初に蒸発源をアーク蒸発源として
動作させて前記基板の表面に真空アーク蒸着法による薄
膜層を形成した後、引き続き蒸発源をスパッタ蒸発源と
して動作させて前記真空アーク蒸着法による薄膜層の上
にスパッタ蒸着法による薄膜層を形成することを特徴と
する真空蒸着方法にある。
〔作用〕
電源の切り換えにより、共通の蒸発源から真空アーク蒸
発とスパッタ蒸発を連続的に行い、基板の表面に両蒸着
法の薄膜を積層状に形成するもので、成膜の前半では、
アーク蒸着によって成膜レートを稼ぎ、成膜の後半で
は、スパッタ蒸着によって膜表面の品質を確保する。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明を実施する装置の要部の構成図であ
る。
図において、1は真空チャンバ2内(図面左側)に設置
した蒸発源で、絶縁構造体3により、電気的に印加され
る電圧に充分な耐圧をもって真空チャンバ2壁から絶縁
されている。
4はこの蒸発源1をスパッタ蒸発源として作動させるた
めのスパッタ用電源装置、5は蒸発源1を真空アーク蒸
発源として作動させるためのアーク発生用電源装置で、
両電源装置4,5は切換えスイッチ6により切り換えて蒸
発源1に接続するようにしている。
さて、上記する蒸発源1は、これをスパッタ蒸発源とし
て機能させるために、スパッタ蒸発材(ターゲット)7
と、この蒸発材7の背面において励磁マグネット8を配
装した透磁率の良い物質で構成された磁気回路9を備
え、また、蒸発源1を真空アーク蒸発源として機能させ
るために、蒸発源1の蒸発面の前方に真空チャンバ2壁
から絶縁され、且つ、冷却機構(図示せず)により冷却
されたリング状をなす導電性構造の陽極10と、蒸発面の
周囲に、真空アークスポットを蒸発面内に閉じ込めるよ
うに設置した閉じ込めリング11を備えている。
また、図示はしていないが、蒸発源近辺には真空アーク
を点火するための点火機構が設置されている。
上記構成において、切換えスイッチ6により蒸発源1を
アーク発生用電源装置5に接続し、アーク発生用電源装
置5の出力を蒸発源1を陰極とし、蒸発源1の蒸発面の
前方の陽極10に印加しつつ、真空アーク点火機構を作動
させると、背面から冷却された蒸発材7表面と陽極10間
に真空アーク放電が発生し、真空アークにより蒸発材7
の蒸発が発生する。
この場合の蒸発源1の構造は、真空アーク蒸発源のもの
と基本的に変わる所がない。
次いで、切換えスイッチ6をスパッタ用電源装置4側に
切り換え、蒸発源1をスパッタ用電源装置4に接続し、
スパッタ用電源装置4の直流又はRFの出力を蒸発源1と
真空チャンバ2壁間に印加(直流を用いる時は、蒸発源
1を陰極とする)すると共に、背面から冷却された蒸発
材7の表面にはその背面の励磁マグネット8及び磁気回
路9によって磁場12が形成される。
こうして、真空チャンバ2内にガス導入系より、アルゴ
ン等の不活性ガスを導入し、磁場12の強度を適切なもの
に保つようにしてスパッタ用電源装置4を出力を印加す
ることにより、磁力線がターゲット面と平行する辺り
で、放電が発生し、スパッタリングによる蒸発材7の蒸
発が発生する。
この場合の蒸発源1の構造は、プレーナマグネトロンと
呼ばれるスパッタ蒸発源と基本的に変わる所がない。
すなわち、この発明においては、成膜の前半では、比較
的膜質が落ちてもアーク蒸着によって成膜レートを稼
ぎ、成膜の後半では、成膜レートは遅くても膜表面の品
質を確保するためにスパッタ蒸着を用いて成膜するもの
である。
次に、この発明の装置の蒸発源1が、一方の蒸発方式に
用いられている時、他方の機構が悪影響を与えぬかにつ
いて検討する。
先ず、真空アーク蒸発を行う際には、スパッタ用電源装
置4は切換えスイッチ6で完全に切り離されているため
に影響はなく、磁場12を形成するための励磁マグネット
8及び磁気回路9では、励磁マグネット8に電流が流れ
ていないので、実質的にこれが存在しないのと同じで何
等問題にならない。
また、仮に、励磁が行われていても、真空アークは磁場
が蒸発面に平行になる位置近辺にアークスポットが集ま
る傾向を示し、また、アークスポットは磁力線に垂直方
向に力を受け、移動することになるが、蒸発自体には重
要な影響は出ない。
このことは、スパッタ用磁場形成の手段として永久磁石
の使用も可能であることを示している。
次に、スパッタ蒸発を行う際には、アーク発生用電源装
置5は切換えスイッチ6により完全に蒸発源1より切り
離されていて影響はなく、アーク閉じ込めリング11はタ
ーゲットの最も外側にあり、強い放電が発生しスパッタ
作用の起こる位置から離れた位置に設置でき、スパッタ
現象には悪影響はないと考えられる。
また、アーク点火機構も、周知の機械的に動作するもの
を用いることにより、使用しない時は蒸発面より遠く離
しておくことが可能で、スパッタ蒸発の妨げにはならな
い。また、陽極もリング状構造のものを採用すれば、ス
パッタ蒸発の妨げにはならず、しかも、図示のようなフ
ローテイング状態では、スパッタ用放電に悪影響が出る
ような場合も、スパッタ蒸発源として使用時には真空チ
ャンバへ接地するような方法で容易に影響を取り除くこ
とが出来る。
尚、上記実施例では、電源装置として、スパッタ用電源
装置4とアーク発生用電源装置5の2つを用い、両電源
装置4,5を切換えスイッチ6により切り換えて蒸発源1
に接続する構成を示したが、高電圧/高電流タイプの1
つの電源装置を用い、その運転上からの切換え操作で、
真空アーク蒸発用としては低電圧/高電流を、スパッタ
リング用としては高電圧/低電流を蒸発源1に対して出
力するようにして用いても良い。
また、上記の実施例においては、スパッタ蒸発源として
プレーナマグネトロン構造のものを用い、アーク電源と
しては、陽極をリング状に陰極前方に置き、且つ、アー
ク閉じ込め手段としてBN製等のセラミックリングを用い
た場合について述べたが、これ以外の周知の各蒸発源構
造を採用して良い。
例えば、スパッタ蒸発源としては、プレーナマグネトロ
ン型だけでなく、同軸マグネトロン型でも良いし、ま
た、磁場を用いない2極管、或いは3極管構造のもので
も良く、更には、プレーナマグネトロン型であっても、
磁場を永久磁石で構成したタイプのものでも良い。
また、上記実施例のように真空チャンバを陽極とせず
に、チャンバ内に独立の陽極を設置する方式のものでも
良いことは勿論である。
アーク蒸発源としても、上記実施例ではチャンバ内に独
立の陽極を設置した例について述べたが、特別に陽極を
用意せず、真空チャンバを陽極としても良いし、また、
アーク閉じ込めもBN製セラミックリングに限定されるも
のではなく、例えば、サブレフ等によって開示されたシ
ールドリングを用いたものでも良いことは勿論である。
また、スパッタ蒸発源として同軸マグネトロン構造のも
のを用いた時は、アーク蒸発源も周知の円筒構造で使用
可能である。
〔効果〕
この発明は上述のように、真空チャンバ内に設置する蒸
発源を、電源の切り換えにより真空アーク蒸発とスパッ
タ蒸発の両方式の蒸発を連続的に行い得る構成にし、こ
の共通の蒸発源を用いて基板の表面には、最初に真空ア
ーク蒸着による薄膜を形成した後、続いてスパッタ蒸着
による薄膜を積層状に形成するので、膜質が問われる基
板表面には、高品質とされるスパッタ蒸着による薄膜が
存在することになり、また、所望の膜厚を得るのに、そ
の下層を成膜レートが早い真空アーク蒸着で成膜するの
で、全層をスパッタ蒸着で成膜するよりも成膜レートは
早くなるもので、両蒸着法による薄膜が持つ欠点をお互
いに補い、それぞれの長所を併せ持つ高品質の薄膜とな
る。
さらに、このような2種の成膜方法を行う場合に、共通
の蒸発源を連続的に動作させるので、生産効率も高くで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を実施する装置の要部の構成図であ
る。 1…蒸発源、2…真空チャンバ、3…絶縁構造体、4…
スパッタ用電源装置、5…アーク発生用電源装置、6…
切換えスイッチ、7…蒸発材、8…励磁マグネット、9
…磁気回路、10…陽極、11…閉じ込めリング、12…磁
場、A…基板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバ内に基板と蒸発源とを備え、
    前記蒸発源を用いて前記基板の表面に薄膜を形成する真
    空蒸着方法において、前記蒸発源を、電源の切り換えに
    より真空アーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発を連
    続的に行い得る構成にし、最初に蒸発源をアーク蒸発源
    として動作させて前記基板の表面に真空アーク蒸着法に
    よる薄膜層を形成した後、引き続き蒸発源をスパッタ蒸
    発源として動作させて前記真空アーク蒸着法による薄膜
    層の上にスパッタ蒸着法による薄膜層を形成することを
    特徴とする真空蒸着方法。
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