JPH0699865B2 - 複合炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents

複合炭素繊維及びその製造方法

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JPH0699865B2
JPH0699865B2 JP62260488A JP26048887A JPH0699865B2 JP H0699865 B2 JPH0699865 B2 JP H0699865B2 JP 62260488 A JP62260488 A JP 62260488A JP 26048887 A JP26048887 A JP 26048887A JP H0699865 B2 JPH0699865 B2 JP H0699865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複合炭素繊維及びその製造方法に関し、詳し
くは宇宙、航空、防衛用の繊維強化複合材料や自動車部
品等の繊維強化複合材料に使用される複合炭素繊維とそ
の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 金属やセラミックスの短所である強度、剛性、耐摩耗
性、熱膨張などの特性を炭素繊維により向上させた材料
が炭素繊維強化金属、炭素繊維強化セラミックスであ
り、この材料は特に高温下での高強度軽量構造体として
常用されていることは周知である。
しかし、炭素繊維強化金属を製造する場合には、炭素繊
維と金属マトリックス、特にアルミニウムとの場合は反
応性が高く、高温で容易に反応してAl4C3を生成して強
度低下することが大きな問題となっている。これは特に
黒鉛化率の低い炭素繊維で顕著である。
また、炭素繊維強化セラミックスを製造する場合には、
炭素繊維とセラミックスとの濡れ性が悪く、両者の界面
での接着力を十分に高めることができない。
このため従来は、炭素繊維表面にCVD処理やPVD処理、メ
ッキ、溶射をして、SiC、WC、TiC、W、Mo、Cuなどを沈
積被覆してマトリックス物質との反応を低くおさえるこ
とが試みられてきた。具体的には特公昭50−26528号公
報のようにCVD処理によって炭素繊維表面に金属珪素を
沈着させ、その金属珪素と炭素繊維自身とを次式のよう
に反応させ繊維表面を炭化珪素化する方法が示されてい
る。
Si+C=SiC 又、最近では特開昭62−107038号公報に開示されている
ように炭素繊維上にMgOやBeOなどの金属酸化物を被覆し
て金属との反応を防止し、セラミックスとの濡れ性を改
善する方法が考えられてきた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来から行われてきた炭素繊維表面への
高融点酸化物、非酸化物、金属などのCVD処理、PVD処
理、メッキ処理、溶射などによる沈積被覆処理、あるい
はMgOやBeOなどの金属酸化物の塗布による方法は、第4
図に示すように炭素繊維(19)表面と被膜物質(21)と
がファン・デル・ワールス力等の物理的接着によって結
合しているため、炭素繊維(19)表面と被膜物質(21)
との界面接着力が十分でなく、マトリックス金属との複
合体にして高温化で負荷をかけて繰り返し使用した場
合、強度劣化が速いという問題があった。
又、金属珪素をCVD処理でいったん炭素繊維表面に沈積
させ炭素繊維と直接反応させて炭化珪素化する方法では
珪素原子が余分に炭素繊維に組み込まれるため、大巾な
体積膨張と微細空孔の消滅によってクラックが発生した
り、繊維の柔軟性が過度に失われるといった問題が起こ
り、特に珪素化反応が1500℃以上ではこれら欠点が顕著
にあらわれるということが知られていた。
一方、炭素繊維表面へのCVD処理、PVD処理、メッキ処
理、溶射などの沈積被覆作業は生産性が悪くコストダウ
ンを進める上で大きな障害となっていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記のような問題点に対しなされたものであ
り、炭素繊維と金属、セラミックスとの濡れ性を改善
し、かつ高温下でも製造された複合材料が強度劣化を起
こさないような炭素繊維強化材料の原料となる炭素繊維
及びその製造方法を見い出すことを目的とする。
すなわち、本発明の複合炭素繊維は、炭素繊維表面層の
一部又は全部を一酸化珪素を主成分とするガスにより炭
化珪素に転化して成るものである。
さて、炭素繊維表面層を炭化珪素に転化する方法として
は、珪素蒸気又は各種珪素化合物と反応させるか、パッ
クセメンテーションを応用した方法があるが、最も好ま
しい方法として一酸化珪素ガスと炭素繊維を次式のよう
に反応させる方法があげられる。
SiO(g)+2C=SiC+CO(g) この方法を用いることによって、第3図に示すように炭
素繊維(19)の形状、寸法を保持したまま珪化層(20)
を形成することができる。
この反応は1300℃〜2300℃の温度範囲で加熱することに
より進行する。ここで、一酸化珪素ガスを発生させるに
は、珪素粉と二酸化珪素粉の混合体、又は炭化珪素粉と
二酸化珪素粉の混合体、あるいは炭素粉と二酸化珪素粉
の混合体、その他、各種珪素化合物を1200℃〜2300℃に
加熱することにより行なうことができる。
炭素繊維と一酸化珪素とを反応させて炭素繊維表面を炭
化珪素に転化させるとき、処理温度を1400℃〜2300℃の
範囲で選択することによって、炭素繊維表面の珪化層の
中に未反応炭素を残留させ、炭化珪素分の割合である珪
化率をいろいろ変えたものをつくることができる。又、
処理温度のほかに処理時間を調節することによっても炭
素繊維表面の珪化層の厚さをコントロールすることがで
きる。その他にも、一酸化珪素の濃度を調節することに
よって珪化率、珪化層の厚さをコントロールすることが
できる。
炭素繊維表面層を炭化珪素に転化した珪化層の中には未
反応炭素を少なくとも10%以上は残留させておくことが
望ましい。このことによって炭素繊維のフレキシビリテ
ィーを確保することができる。
次に炭素繊維を連続的に焼成して製造する方法について
図面を用いて説明する。
第1図は本発明の複合炭素繊維を製造する装置の概略図
である。
第1図において、(1)は炭化前繊維又は炭素繊維であ
り、予熱ヒーター(2)を用いて150℃〜250℃で処理す
る。炉内の雰囲気ガスはガス供給口(3)より導入し、
排気ガスは炉内の排気ガス口(7)及び(13)より取り
出す。
又、炉内のシール用水浴(17)を配した水封部からはシ
ール用ガスを供給口(15)より流し、炉内の排気ガス口
(7)及び(13)より取り出す。
予熱処理を受けた繊維は焼成炭化用ヒーター(5)によ
って1000℃〜3000℃で加熱され炭化される。以上の処理
を受けた炭素繊維はスリット(12)とスリット(14)に
よって区切られた珪化帯域へ移り、表面層を炭化珪素に
転化される。ここで、珪化用ヒーター(6)を用いて珪
化帯域を1400℃〜2300℃になるようにする。又、一酸化
珪素ガスは黒鉛ルツボ(9)内の一酸化珪素ガス発生源
(10)を1300℃〜2300℃に加熱することによって発生さ
せることができ、それを一酸化珪素ガス供給口(11)よ
り導入して炭素繊維と反応させる。1300℃〜2300℃に加
熱するには誘導加熱コイル(8)を用いて黒鉛ルツボ
(9)を加熱すればよい。残留一酸化珪素ガスは炉内の
排気ガス口(13)より排出する。
表面層を炭化珪素に転化された炭素繊維はスリット(1
4)とスリット(18)によって区切られた冷却帯域を通
って冷却され、スリット(16)を設けた水封部から出て
くる。
(発明の作用) 本発明では炭素繊維表面層を一酸化珪素ガスが浸透拡散
していき、炭素繊維自体と置換反応させて炭化珪素に転
化させることが特徴になっており、CVD法やPVD法、ある
いはメッキ、溶射、塗布のように炭素繊維表面の上に同
一物質、又は別物質を沈積被膜化したものとは根本的に
違っている。
つまり、CVD法やPVD法、あるいはメッキ、溶射、塗布な
どによって得られた炭素繊維表面は沈積被膜物質と炭素
繊維表面がファン・デル・ワールス力等による物理的接
着のみで結合しており、複合材料の繊維フィラーとして
用いられた場合、高温下での繰り返し使用では沈積被膜
物質が熱膨張差等が原因となって剥離を起こし、強度劣
化をはやめる。
しかし、本発明の炭素繊維表面の炭化珪素層は繊維自体
が一酸化珪素と置換反応して変化したものであるから境
界は完全な連続の組織となっており、高温下での繰り返
し使用によって珪化層が剥離することはない。
又、本発明の炭素繊維表面の炭化珪素層は炭素繊維のポ
ロシティーと同一であるので、CVD法やPVD法による沈積
被膜のようにほとんどポアーを持たないものにくらべ耐
熱衝撃性が高く、マトリックスが炭化珪素層の微少ポア
ー中に入り込むことによって、いわゆる投錨効果がはた
らくので、マトリックスと、より強固に結合される。
そのほかにも、複合材料の耐摩耗性の点で通常の炭素繊
維フィラーの場合にくらべ本発明の複合炭素繊維フィラ
ーでは大巾に向上することが判明した。
本発明は炭素繊維単体のほか、マット、布、不織布、ヤ
ーンなどでも極めて有効である。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例) 実施例1 PAN系繊維(2デニール、フィラメント数10000)を第1
図に示す装置を用いて焼成炭化、及び珪化処理を行なっ
た。ガス供給口(3)からは所定量の酸素を含んだ窒素
ガスを送り、ガス供給口(15)からは窒素ガスを送り込
んだ。
一酸化珪素ガス発生源(10)は珪素粉と二酸化珪素粉の
混合体300g(モル比1:1)を黒鉛ルツボ(9)に入れ、
誘導加熱によって1850℃に加熱して、一酸化珪素を発生
させた。炉内の温度は予熱ヒーター(2)、焼成炭化用
ヒーター(5)、珪化用ヒーター(6)を用いて第2図
のように調整した。このようにして得られた複合炭素繊
維をアルミ箔と積層して所定の形状に成形した後、ホッ
トプレス法を用いて炭素繊維強化アルミニウム複合体を
作製した。作製した試料の炭素繊維含有体積分率は15vo
l%、20vol%、30vol%とした。
得られた複合体の室温における引張強度は複合則から計
算される値の85%〜95%となった。又、高温引張強度の
測定の結果、580℃まではほぼ一定値を示した。
実施例2 実施例1と同じ方法で得られた複合炭素繊維をバインダ
ーで調整されたSiC粉末といっしょに所定の形状に成形
した。これを2000℃で焼結した炭素繊維含有体積分率15
vol%、20vol%、30vol%の炭素繊維強化SiC複合体を作
製した。
得られた複合体の高温引張強度の測定の結果、1800℃ま
で強度を保つことができた。
比較例1 実施例1において炭素繊維表面層の珪化処理を行なわな
いこと以外は全て同じ処理を行ない試料を作製した。
得られた複合体試料の室温における引張強度は複合則か
ら計算された値の55%〜65%となった。
又、高温引張強度の測定の結果、280℃までほぼ一定値
を示した。
比較例2 実施例2において炭素繊維表面層の珪化処理を行なわな
いこと以外は全て同じ処理を行ない試料を作製した。
得られた複合体試料の高温引張強度の測定の結果、1320
℃まで強度を保つことができた。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の複合炭素繊維は表面層の
一部又は全部を置換反応により炭化珪素に転化させてい
るため、炭素繊維強化複合体を作製した場合、マトリッ
クスの金属又はセラミックスと、炭素繊維とが反応を起
こしたり、炭化珪素の層が剥離して強度劣化することが
なく高温でも安心して使うことができる。
又、炭素繊維の珪化処理も簡単な装置で連続して行なう
ことができ、生産性を大巾に高めコストダウンを図るこ
とができる。
なお、本発明の複合炭素繊維の製造上、珪化処理温度、
処理時間、一酸化珪素ガス濃度等を自由に調整すること
によって、いろいろな珪化率を持った炭素繊維を得るこ
とができ、炭素繊維複合体の摺動特性を簡単に制御でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合炭素繊維を製造する装置の断面
図、第2図は第1図に示す複合炭素繊維の製造装置内の
温度分布を示すグラフ、第3図は炭素繊維及び本発明の
複合炭素繊維の断面図、第4図は炭素繊維及びCVD、PV
D、塗布等による表面コーティングされた複合炭素繊維
の断面図である。 符号の説明 1…繊維、2…予熱ヒーター、 3、15…ガス供給口、 4、12、14、16、18…スリット、 5…焼成炭化用ヒーター、 6…珪化用ヒーター、7、13…排気ガス口、 8…誘導加熱コイル、9…黒鉛ルツボ、 10…一酸化珪素ガス発生源、 11…一酸化珪素ガス供給口、 17…シール用水浴、19…炭素繊維、 20…珪化層、21…被膜物質。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維表面層の一部又は全部を一酸化珪
    素を主成分とするガスにより炭化珪素に転化して成るこ
    とを特徴とする複合炭素繊維。
  2. 【請求項2】炭素繊維を一酸化珪素ガスを主成分とする
    雰囲気中で1500℃〜2300℃の範囲に加熱することを特徴
    とする複合炭素繊維の製造方法。
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