JPH07100978B2 - 構造物の補強方法とその構造 - Google Patents

構造物の補強方法とその構造

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JPH07100978B2
JPH07100978B2 JP3226394A JP22639491A JPH07100978B2 JP H07100978 B2 JPH07100978 B2 JP H07100978B2 JP 3226394 A JP3226394 A JP 3226394A JP 22639491 A JP22639491 A JP 22639491A JP H07100978 B2 JPH07100978 B2 JP H07100978B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリートもし
くは鉄骨鉄筋コンクリートや鉄骨等の構造物における柱
と梁の接合部や、その他一般の剛体接合部における耐力
及び剛性に関する補強方法とその構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート(以下,RCと
いう)等の建築物における柱と梁との接合部において
は、地震時の水平力等の構造物に対する変形力に対して
十分な耐力を持たせるべく、コンピュータシュミレーシ
ョンによる応力解析を行う方法がある。また、最近のO
A化やインテリジェントビル化に対応すべく、設備に応
じた高耐力の柱、梁、床の設計が必要となる。それに
は、例えば図13に示すような成を大きくした垂直ハン
チ20もしくは水平ハンチ21、床スラブ22には図1
4に示すドロップハンチ23を設けて、梁や床の端部の
抵抗曲げモーメントや抵抗剪断力を増加させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
耐力の増加方法では、所望の耐力が得られない場合に
は、再度の設計の見直しとなり手間が掛かり、また、ハ
ンチを形成した場合でも単に柱と梁の接合部に応力が集
中するのを防止して、剪断力に対して最も弱い部分をス
パン中央方向へ移動させたに過ぎない、と言った欠点が
存在した。更に、構造物を構築後の柱や梁等に強度補強
を行うにしても、容易に施工できずコストも嵩み工期も
長くなると言った欠点がある。
【0004】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、柱や梁等の支持される躯体が外力による剪断力も
しくは曲げモーメントで変形が進むにつれて補強体の曲
面と順次当接し、力学上の支点の位置を連続的に補強体
の曲面に沿って移動させることにより、耐力を増加させ
ることができて、構造物の構築後においてもその施工が
容易に行える補強方法とその構造を提供することを目的
とする。
【0005】 本発明の上記課題を解決し上記目的を達
成するための要旨は、構造物を構成する被補強体に、該
被補強体の固定端に当接するとともに、該固定端から前
記被補強体の中央部側へ漸次離間する任意の曲率半径の
曲面を有した補強体を設けた構造物の補強方法に存す
る。そして、前記補強体の曲面が、被補強体の最外縁降
伏耐力時の曲率と最大耐力時の曲率との範囲内で選択し
た任意の曲率による曲率半径で形成されることである。
【0006】更に具体的には、構造物における柱と梁と
の接合部に、外力により変形させられる柱もしくは梁
固定端と当接するとともに、該固定端から前記柱若しく
は梁の中央部側へ漸次離間する任意の曲率半径の曲面が
形成された補強体を設けることである。また、他の補強
構造として、構造物における柱と梁で四方囲まれた空間
部内に、柱と梁の接合部間の中央で柱もしくは梁の側面
に接し、かつ、前記接合部の方向に向かって漸次離間す
任意の曲率半径の曲面を形成した壁状の補強体を設け
たことである。
【0007】
【作用】本発明の補強方法は、構造物に外力が加わり柱
や梁が設計変形に達した場合に、補強体の曲面に当接さ
せて力学上の支点を順次移動させることにある。これに
より、抵抗曲げモーメントや抵抗剪断力が増加して柱や
梁の耐力が増すことになる。
【0008】更に図面を参照して説明すると、概念的に
説明している図1において、柱1,1間に架設されてい
る梁2が水平力Qで変形すると、梁2の底面が補強体3
の所定の曲率の曲面3aに当接する。図1の一部を拡大
して示す図2に示すように、この梁2の底面が前記曲面
3aに接した点を支点Aとし(図2中の梁2aの場
合)、更に水平力Qにより梁2が連続的に変形して支点
B点に到ると(図2中の梁2bの場合)、モーメントに
おける長さは原点Oから順次L2→L3→L4へと変化し
て漸次短くなる。なお、補強体3の長さL1は補強箇所
の条件により設計上で適宜変更されるものである。
【0009】このようにモーメントまわりの長さが短く
なることにより、水平力Q=2Md/L (Mdは設計モ
ーメント)より前記梁2の撓みδと水平力Qの変位曲線
を表すと図3に示すようになり、同一モーメントMdに
対して長さLが短くなって、梁2の水平力Q1がQ2→Q
3と大きくなる。これは即ち、補強体3の所定の曲率
(曲率半径r)で形成された曲面によって梁2のモーメ
ントが設計モーメントMdに達するときの水平力QがQ1
からQ2,Q3へと連続的に増加し耐力が大きくなったと
言うことである。尚、図3中の曲線A、Bは各々補強体
3の長さL1(図2参照)をAの位置までとBの位置ま
での長さとした場合の変位曲線を示し、図3中の符号を
付けていない曲線は補強体3を設けていない場合の変位
曲線を示す。梁2に対して補強体3を設けた場合を説明
したが、柱1に補強体を設けた場合も同様である。
【0010】次に、請求項4に記載した壁状の補強体4
を設けた場合を説明すると、図4にその一例を示したよ
うに、梁先行降伏に設計された構造体に補強体4を付け
る。梁2のスパン中央D点において初期状態で補強体4
と前記梁2とが接している。これに水平力Qが加わる
と、梁2が変形するにつれて補強体4の所定の曲率の曲
面4aに接して、前記中央D点から左右方向へと支点の
位置が移動していくものである。これによりモーメント
まわりの長さが短くなり、抵抗曲げモーメントを大きく
するものである。
【0011】このように、補強体の曲面に変形した柱や
梁が連続的に当接することで、構造物に許容される水平
力Qの値が増加し、構造体の耐力が増したことになるの
である。尚、前記補強体の所定の曲率の曲面を形成する
にあたっての前記曲率の求め方は以下の実施例において
詳細に説明する。
【0012】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。尚、各図の符号は相対応するものには同一符号を付
けてある。図5は、本発明の補強方法を梁2に適用した
場合の説明図である。構造物の各階層における梁2は柱
1よりも先に外力に対して降伏するように設計される梁
先行降伏なので、図6に示す補強体3を梁2の接合部に
設けている。
【0013】前記補強体3は、RCの本体3bに鉄板等
の金属製帯板3cを囲繞させたものである。施工上では
予め工場で補強体3を製作して建築現場へと運搬される
ことになる。勿論現場施工が可能であればそれでもよ
い。また、この補強体3の剛性は柱1や梁2よりも剛性
が少なくとも同程度、もしくはそれ以上の剛性である。
このためには補強体3の成りを大きくするか、より高い
剛性材料を使用すればよい。更に、補強体3の幅は、柱
1や梁2の被補強体の幅よりも少なくとも同じかそれ以
上である。尚、前記金属製帯板3cは曲面の精度を高め
るものであり、場合によってはなくてもよく、RC本体
3bのみとしてもよいものである。
【0014】そして、この補強体3を梁2の下側で柱1
に固着するには、図5乃至図6に示すように、梁2の固
定端Fで梁2の下面2cと補強体3の曲面3aとが当接
して、スパンの中央に向かって次第に離間するように、
高張力ボルト5等の締結手段でもって柱1に固着する。
また、補強体3を柱1に固着するに、構造物の構築時に
設けてもよいし、補強が必要なときに後付けにしてもよ
い。
【0015】図7は柱1を補強するために、柱1に補強
体3を設けた状態の説明図である。即ち、構造物の一階
床の柱は柱先行降伏となるので、構造物の基礎梁6に補
強体3を高張力ボルト5で固着するものである。
【0016】ここで、図7に示す実施例で補強体3の曲
面3aの降伏曲率φを求めてみることにする。先ず、柱
1の表面1aから鉄筋7間での長さをdとして求める。
次に、図9に示すように、柱1の鉄筋が降伏する時の歪
εを±εyとすると、降伏曲率φはφ=2εy/dとして
求めることができる。
【0017】そして、このときの曲率半径rは曲率φの
逆数であるから、r=1/φで求めることができる。具
体的に数値を示すと、d=400mm,εy=0.00
2,L5=1000mmであるした場合に、r=1/φ=
d/2εy=400/(2×0.002)=10000
0mm=100mとなる。また、固定端からL5=10
00mmでの柱1の表面1aからの離間距離δ1は、δ1
=(1000/100000)×1000=10mmと
なる。
【0018】このように、補強体3の曲面3aの曲率半
径rを求めることができるので、補強体3を設計する上
で、前記鉄筋の歪εの値を小さく(弾性変形の領域で当
接させるようにする)設定すれば曲率半径rは更に大き
くなり、場合によってはεyを越える値(塑性変形した
後でも十分使用に耐える場合)をとり曲率半径rを小さ
くしてもよい。よって、前記曲率半径rは、被補強体
(例えば、前記柱1)の最外縁降伏耐力時の曲率である
前記降伏曲率φと、塑性変形した後に破断する時の最大
耐力時の曲率との範囲内において、設計者によって選択
される任意の曲率の逆数として設定されるものである。
【0019】そして、補強体3を柱や梁に設ける態様
は、図9に示すような態様が考えられるが、この他にも
補強したい箇所や補強条件により任意に変更が可能であ
る。また、図10に、補強体3を設けたときと補強体の
ないときの復元力特性の一部を示す、図中の曲線Cは補
強体を設けたとき、曲線Eは補強体のないときの場合を
示している。
【0020】次に図4に示す壁状の補強体4では、柱1
と梁2で四方囲まれた空間部内に、梁の接合部間の中央
Dで梁の側面に接し、かつ、前記接合部の方向に向かっ
て漸次離間する所定の曲率φの曲面4aを形成した壁状
の補強体4を設けたものであり、図11に示すように、
柱1に係止具8,8…を設けて、該係止具8で補強体4
の水平方向(図中の矢印)の動きを規制しているのみで
ある。作用などは既に作用の欄で説明したので省略す
る。
【0021】本発明の補強方法は、上述した例に限らず
他に応用できるものであり、図12に示すように、例え
ばトラス構造の構造物において、トラス継手9の嵌合孔
11に嵌合されるトラスパイプ10との接合において、
図12(ロ)に示すように嵌合孔11に所定の曲率φを
有する曲面11aを形成する。このようにしてもトラス
パイプ10の耐力を向上させることができる。なお、嵌
合孔11の底側周壁11bでは1/50程度のテーパ
(先細り)が設けられている。
【0022】本発明の補強方法及び構造は、その要旨を
変更しない範囲で種々変更して適用できるのは勿論であ
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構造物の
補強方法とその構造は、構造物を構成する被補強体に当
接する補強体の曲面が、該被補強体の固定端に当接する
とともに、該固定端から前記被補強体の中央部側へ漸次
離間する任意の曲率半径の曲面に形成され、構造物に変
形力が加えられた際に前記被補強体と補強体とが所望の
補強条件となるようにしたので、次のような効果があ
る。
【0024】補強体の曲面の曲率(もしくは曲率半径)
は、補強しようとする程度に応じて任意に設定が可能で
あり、構造体の補強が任意の箇所で行えるので便宜であ
り、そして補強の程度を前記曲率を変更することによ
り、適正な条件に設定でき、しかも鉄筋や鋼材の変更と
ならずに構造物の設計上の能率が向上する。
【0025】本発明の補強体は任意の箇所に後付け工事
が可能となり、従来では容易に出来なかった補強工事が
極めて容易となりコストも軽減できて、近年のOA化や
インテリジェント化に適した構造物とすることができ
る。本発明の補強方法や構造により、構造物に加えられ
た外力による水平力のエネルギーは、応力集中箇所が前
記曲面に沿って移動して分散し、柱や梁の接合部の破壊
が防止される。
【0026】また、壁状の補強体であれば、容易に柱と
梁に囲まれた空間内に前記壁状の補強体を内挿できるの
で、柱と梁を同時に補強することができて低コストで容
易に補強構造体を構築できる。この場合、壁状の補強体
の所定曲率の曲面を該補強体の周壁の全周に亘り設けた
り周壁の一部に設けたりするのは設計上の自由であるの
で、設計上の制約がなく便宜である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)、(ロ)は本発明に係る補強方法を示す
説明図である。
【図2】図1の一部を拡大した拡大説明図である。
【図3】梁の撓みと水平力の関係を示す特性曲線の説明
図である。
【図4】壁状の補強体による補強方法を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の補強方法を実施した例を示す正面図で
ある。
【図6】(イ)は補強体の正面図、(ロ)は補強体の斜
視図である。
【図7】柱に補強体を実施した例を示す正面図である。
【図8】歪曲線を示す説明図である。
【図9】(イ)、(ロ)は補強体を各箇所に応用した例
を示す説明図である。
【図10】水平力と梁の変形量の復元力特性を示す説明
図である。
【図11】壁状の補強体を支持する構造を示す平面図で
ある。
【図12】(イ)は本発明の補強方法を応用した他の例
を示す説明図、(ロ)は同じくその一部を拡大した説明
図である。
【図13】従来例に係る補強の例を示す説明図である。
【図14】同じく従来例に係る補強構造を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 柱、2 梁、3 補強体、4 壁状の補強体、5
高張力ボルト等の締結手段、6 基礎梁、7 鉄筋。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物を構成する被補強体に、該被補強
    体の固定端に当接するとともに、該固定端から前記被補
    強体の中央部側へ漸次離間する任意の曲率半径の曲面を
    有した補強体を設けたことを特徴としてなる構造物の補
    強方法。
  2. 【請求項2】 補強体の曲面が、被補強体の最外縁降伏
    耐力時の曲率と最大耐力時の曲率との範囲内で選択した
    任意の曲率による曲率半径で形成されることを特徴とし
    てなる請求項1に記載の構造物の補強方法。
  3. 【請求項3】 柱と梁との接合部に、外力により変形さ
    せられる柱もしくは梁の固定端と当接するとともに、該
    固定端から前記柱若しくは梁の中央部側へ漸次離間する
    任意の曲率半径の曲面が形成された補強体を設けること
    を特徴としてなる構造物の補強構造。
  4. 【請求項4】 柱と梁で四方囲まれた空間部内に、柱と
    梁の接合部間の中央で柱もしくは梁の側面に接し、か
    つ、前記接合部の方向に向かって漸次離間する任意の曲
    率半径の曲面を形成した壁状の補強体を設けたことを特
    徴としてなる構造物の補強構造。
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JP5491070B2 (ja) * 2009-05-15 2014-05-14 国立大学法人名古屋大学 耐震補強部材及び耐震建築物
JP6898016B1 (ja) * 2020-03-31 2021-07-07 アイディールブレーン株式会社 制震装置及び制震構造
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