JPH07102348A - ごみ焼却処理設備用耐食性金属材 - Google Patents
ごみ焼却処理設備用耐食性金属材Info
- Publication number
- JPH07102348A JPH07102348A JP25064793A JP25064793A JPH07102348A JP H07102348 A JPH07102348 A JP H07102348A JP 25064793 A JP25064793 A JP 25064793A JP 25064793 A JP25064793 A JP 25064793A JP H07102348 A JPH07102348 A JP H07102348A
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- JP
- Japan
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- corrosion
- alloy
- intermetallic compound
- high temperature
- feal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 比較的安価な金属素材で、且つ非常に苛酷な
高温腐食環境に曝された場合でも、優れた耐食性を発揮
し得る様なごみ焼却設備(火格子やボイラー管等)用の
耐食性金属材を提供すること。 【構成】 Al含有率が20〜45原子%のFe−Al
系2元合金を主成分として含有するもので、このFe−
Al系2元合金は、Fe3 Al系金属間化合物および/
またはFeAl系金属間化合物からなるものであって、
特に焼却炉の火格子やボイラー管の素材として優れた適
性を発揮する。
高温腐食環境に曝された場合でも、優れた耐食性を発揮
し得る様なごみ焼却設備(火格子やボイラー管等)用の
耐食性金属材を提供すること。 【構成】 Al含有率が20〜45原子%のFe−Al
系2元合金を主成分として含有するもので、このFe−
Al系2元合金は、Fe3 Al系金属間化合物および/
またはFeAl系金属間化合物からなるものであって、
特に焼却炉の火格子やボイラー管の素材として優れた適
性を発揮する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非常に厳しい腐食環境
に曝されるごみ焼却処理設備(ごみ焼却炉やごみ発電設
備を含む)に適用される、Fe−Al系合金主体の高温
耐食性金属材に関するものであり、この金属材は、焼却
炉の火格子や廃棄物発電設備の熱交換器用管材等として
有用である。
に曝されるごみ焼却処理設備(ごみ焼却炉やごみ発電設
備を含む)に適用される、Fe−Al系合金主体の高温
耐食性金属材に関するものであり、この金属材は、焼却
炉の火格子や廃棄物発電設備の熱交換器用管材等として
有用である。
【0002】
【従来の技術】都市ごみの発生量はこの数年急増してお
り、埋立地の確保が困難な状況とも相まってごみの焼却
処理量も増加の一途を辿っている。一方、これらごみの
焼却エネルギーを発電に利用する研究も積極的に進めら
れており、1970年代以降ごみを燃料とする発電設備
が相次いで建造され、実用規模で稼働されている。ごみ
の発生量が今後ますます増加していくことは明らかなと
ころであり、ごみは将来の重要なエネルギー源として位
置付けられている。
り、埋立地の確保が困難な状況とも相まってごみの焼却
処理量も増加の一途を辿っている。一方、これらごみの
焼却エネルギーを発電に利用する研究も積極的に進めら
れており、1970年代以降ごみを燃料とする発電設備
が相次いで建造され、実用規模で稼働されている。ごみ
の発生量が今後ますます増加していくことは明らかなと
ころであり、ごみは将来の重要なエネルギー源として位
置付けられている。
【0003】ところで、ごみの中には塩素等を含むプラ
スチックや様々の金属塩や重金属塩が多量含まれてお
り、そのため焼却炉の火格子や発電設備のボイラー管等
は、腐食性ガスや媒塵、付着灰等を含めて非常に厳しい
腐食環境に曝されている。即ち燃焼雰囲気は、酸化性の
空気や高濃度のHCl、およびSOx ,NOx ,水分
等、更には硫酸塩や塩化物等を多量に含んだ厳しい腐食
環境を形成するものであって、該燃焼雰囲気は、基本的
にはアルカリ金属塩による溶融塩腐食とHClを主体と
する酸性ガス腐食が、高い温度とも相まって相乗作用を
もたらして厳しい腐食環境を構成するものと考えられて
いる。
スチックや様々の金属塩や重金属塩が多量含まれてお
り、そのため焼却炉の火格子や発電設備のボイラー管等
は、腐食性ガスや媒塵、付着灰等を含めて非常に厳しい
腐食環境に曝されている。即ち燃焼雰囲気は、酸化性の
空気や高濃度のHCl、およびSOx ,NOx ,水分
等、更には硫酸塩や塩化物等を多量に含んだ厳しい腐食
環境を形成するものであって、該燃焼雰囲気は、基本的
にはアルカリ金属塩による溶融塩腐食とHClを主体と
する酸性ガス腐食が、高い温度とも相まって相乗作用を
もたらして厳しい腐食環境を構成するものと考えられて
いる。
【0004】この様な腐食環境条件を考慮して、ごみ焼
却炉の火格子用素材としては従来よりSCH13(Fe
−26%Cr−12%Ni−0.35%C)やSCH1
1(Fe−26%Cr−5%Ni−0.4%以下C)等
の耐食性合金鋼材が使用されてきた。ところが、近年大
気汚染防止の観点からNOx 低減対策として低酸素焼却
法が採用されはじめるにつれて、上記の様な耐熱性合金
鋼材でも高温腐食の問題が指摘される様になってきた。
却炉の火格子用素材としては従来よりSCH13(Fe
−26%Cr−12%Ni−0.35%C)やSCH1
1(Fe−26%Cr−5%Ni−0.4%以下C)等
の耐食性合金鋼材が使用されてきた。ところが、近年大
気汚染防止の観点からNOx 低減対策として低酸素焼却
法が採用されはじめるにつれて、上記の様な耐熱性合金
鋼材でも高温腐食の問題が指摘される様になってきた。
【0005】殊に火格子は、燃焼ガスへの直接暴露と崩
落する燃焼残渣との直接接触により高温で且つ通常50
〜80℃程度の温度変動を受けるので、これらの影響で
合金鋼材が膨張・収縮を繰返して腐食生成物(スケー
ル)の破壊・剥離が進行し、それに伴ってCrの欠乏し
た合金鋼素地の耐食性が低下し、腐食性ガスによる侵食
が加速度的に進むものと考えられる。そこで高温腐食の
防止対策として、SCH2の如きNiを含まない耐熱合
金鋼の使用も検討されたが、満足のいく高温耐食性は得
られていない。
落する燃焼残渣との直接接触により高温で且つ通常50
〜80℃程度の温度変動を受けるので、これらの影響で
合金鋼材が膨張・収縮を繰返して腐食生成物(スケー
ル)の破壊・剥離が進行し、それに伴ってCrの欠乏し
た合金鋼素地の耐食性が低下し、腐食性ガスによる侵食
が加速度的に進むものと考えられる。そこで高温腐食の
防止対策として、SCH2の如きNiを含まない耐熱合
金鋼の使用も検討されたが、満足のいく高温耐食性は得
られていない。
【0006】一方、ごみ発電設備用のボイラー管として
は、現在主としてSTB35(炭素鋼鋼管)が用いられ
ているが、これらも上記した様な高温の腐食環境下で腐
食が急速に進行する。そして腐食の進行速度は温度が4
00℃を超えた時点で顕著になることが確認されている
ので、実操業に当たってはボイラー管の温度を400℃
程度以下(蒸気温度で300℃程度以下)に抑えた制御
運転を行なっている。
は、現在主としてSTB35(炭素鋼鋼管)が用いられ
ているが、これらも上記した様な高温の腐食環境下で腐
食が急速に進行する。そして腐食の進行速度は温度が4
00℃を超えた時点で顕著になることが確認されている
ので、実操業に当たってはボイラー管の温度を400℃
程度以下(蒸気温度で300℃程度以下)に抑えた制御
運転を行なっている。
【0007】しかしながら、発電のエネルギー効率を高
めるうえで上記の様な制御運転が不利であることは明白
であるから、エネルギー効率向上のため蒸気温度を50
0℃程度以上に高めようとする動きもあり、こうした温
度条件にも耐え得る様な高温耐食性材料の開発研究も進
められている。尚汎用の耐食性金属材としてステンレス
鋼材があるが、前述の様な厳しい腐食環境下での高温耐
食性は不十分である。現在のところ有望視されているの
は、Alloy825(22%Cr−42%Ni−3%
Mo)やAlloy625(22%Cr−62%Ni−
9%Mo)等のNi基合金であるが、これらのNi基合
金は非常に高価であって実用にそぐわない。またCrや
Niの含有率を高めると高温耐食性が向上するという一
般的傾向を活用し、ステライト(Co−Cr−W−C合
金)や50%Cr−50%Ni等の使用も考えられる
が、これらも非常に高価であり、しかも加工性が極めて
悪いという問題が指摘される。
めるうえで上記の様な制御運転が不利であることは明白
であるから、エネルギー効率向上のため蒸気温度を50
0℃程度以上に高めようとする動きもあり、こうした温
度条件にも耐え得る様な高温耐食性材料の開発研究も進
められている。尚汎用の耐食性金属材としてステンレス
鋼材があるが、前述の様な厳しい腐食環境下での高温耐
食性は不十分である。現在のところ有望視されているの
は、Alloy825(22%Cr−42%Ni−3%
Mo)やAlloy625(22%Cr−62%Ni−
9%Mo)等のNi基合金であるが、これらのNi基合
金は非常に高価であって実用にそぐわない。またCrや
Niの含有率を高めると高温耐食性が向上するという一
般的傾向を活用し、ステライト(Co−Cr−W−C合
金)や50%Cr−50%Ni等の使用も考えられる
が、これらも非常に高価であり、しかも加工性が極めて
悪いという問題が指摘される。
【0008】他方、安価な炭素鋼を素材とし、高温耐食
性向上策としてその表面にAlを浸漬法によりコーティ
ングし、使用中の高温酸化性雰囲気下で該Alコーティ
ング層をAl酸化物皮膜に変えることによって高温耐食
性を与える方法(アルマ加工法)も知られているが、こ
の方法も400℃程度を超える高温条件下ではAl酸化
物皮膜が剥離してしまうので、前述の様な火格子や発電
設備用ボイラー管等に適用することはできない。
性向上策としてその表面にAlを浸漬法によりコーティ
ングし、使用中の高温酸化性雰囲気下で該Alコーティ
ング層をAl酸化物皮膜に変えることによって高温耐食
性を与える方法(アルマ加工法)も知られているが、こ
の方法も400℃程度を超える高温条件下ではAl酸化
物皮膜が剥離してしまうので、前述の様な火格子や発電
設備用ボイラー管等に適用することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、比較
的安価な金属素材で前述の如き苛酷な高温腐食環境に曝
された場合でも優れた耐食性を発揮し得る様なごみ焼却
設備用耐食性金属材を提供しようとするものである。
情に着目してなされたものであって、その目的は、比較
的安価な金属素材で前述の如き苛酷な高温腐食環境に曝
された場合でも優れた耐食性を発揮し得る様なごみ焼却
設備用耐食性金属材を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るごみ焼却設備用耐食性金属材の構
成は、Al含有率が20〜45原子%のFe−Al系2
元合金を主成分として含有するものであるところに要旨
を有するものであり、このFe−Al系2元合金は、F
e3 Al系金属間化合物および/またはFeAl系金属
間化合物からなるものであって、この耐食性金属材は、
特に焼却炉の火格子やボイラー管の素材として優れた適
性を発揮する。またボイラー管として使用するに当たっ
ては、厳しい腐食環境に曝される外面側をAl含有率2
0〜45原子%のFe−Al系2元合金を主成分とする
合金によって構成し、内面側は高温の水蒸気に耐える通
常の炭素鋼で構成すれば、ボイラー管としての素材コス
トを一段と安価のなものにすることができる。
のできた本発明に係るごみ焼却設備用耐食性金属材の構
成は、Al含有率が20〜45原子%のFe−Al系2
元合金を主成分として含有するものであるところに要旨
を有するものであり、このFe−Al系2元合金は、F
e3 Al系金属間化合物および/またはFeAl系金属
間化合物からなるものであって、この耐食性金属材は、
特に焼却炉の火格子やボイラー管の素材として優れた適
性を発揮する。またボイラー管として使用するに当たっ
ては、厳しい腐食環境に曝される外面側をAl含有率2
0〜45原子%のFe−Al系2元合金を主成分とする
合金によって構成し、内面側は高温の水蒸気に耐える通
常の炭素鋼で構成すれば、ボイラー管としての素材コス
トを一段と安価のなものにすることができる。
【0011】
【作用】周知の通り金属間化合物の多く、たとえばNi
Al,CoAl,FeAl,MoSi2 等が高温酸化性
雰囲気中で優れた耐食性を示すことは確認されている。
しかしながらこれらの金属間化合物が、前記ごみ焼却設
備の火格子やボイラー管等の様に高温HClガス等を含
み且つ腐食性金属塩(焼却残渣)の共存する厳しい腐食
環境下でどの程度の耐食性を発揮するかという点につい
ては、現在のところ全く明らかにされていない。
Al,CoAl,FeAl,MoSi2 等が高温酸化性
雰囲気中で優れた耐食性を示すことは確認されている。
しかしながらこれらの金属間化合物が、前記ごみ焼却設
備の火格子やボイラー管等の様に高温HClガス等を含
み且つ腐食性金属塩(焼却残渣)の共存する厳しい腐食
環境下でどの程度の耐食性を発揮するかという点につい
ては、現在のところ全く明らかにされていない。
【0012】一方、金属間化合物は一般に延性が乏し
く、成形加工性が非常に悪いことも知られている。その
ためこれら金属間化合物を火格子やボイラー管の素材と
して実用可能にするには、成形加工性についても十分に
検討する必要がある。
く、成形加工性が非常に悪いことも知られている。その
ためこれら金属間化合物を火格子やボイラー管の素材と
して実用可能にするには、成形加工性についても十分に
検討する必要がある。
【0013】そこで上記の様な観点に立ち様々の金属間
化合物について、高温腐食性ガスと腐食性金属塩の共存
する腐食性環境下での耐食性と成形加工性、更には価格
面も加味してごみ焼却設備用耐食性金属材としての適用
可能性を追求した。
化合物について、高温腐食性ガスと腐食性金属塩の共存
する腐食性環境下での耐食性と成形加工性、更には価格
面も加味してごみ焼却設備用耐食性金属材としての適用
可能性を追求した。
【0014】その結果、従来の高温耐食性Ni基合金に
比べて格安であるFe−Al合金のうち、Al含有率が
20〜45原子%、殊に25〜40原子%であるFe−
Al系2元合金はNi基合金に匹敵する高温耐食性を有
しており、しかも板、棒、管への加工が比較的簡単であ
り、ごみ焼却処理設備における火格子やボイラー管用の
高温耐食性金属材として優れた効果を発揮し得ることが
確認された。
比べて格安であるFe−Al合金のうち、Al含有率が
20〜45原子%、殊に25〜40原子%であるFe−
Al系2元合金はNi基合金に匹敵する高温耐食性を有
しており、しかも板、棒、管への加工が比較的簡単であ
り、ごみ焼却処理設備における火格子やボイラー管用の
高温耐食性金属材として優れた効果を発揮し得ることが
確認された。
【0015】Fe−Al系2元合金におけるAl含有率
を20〜45原子%の範囲に定めた具体的根拠は、後述
する実施例によって詳細に説明するが、この範囲のAl
を含有するFe−Al系2元合金は、状態図からFeA
l系金属間化合物単相、Fe 3 Al系金属間化合物単
相、もしくはこれらの混合相からなるものであり、この
様な相構造のFe−Al系2元合金は、優れた高温耐食
性と成形加工性を兼備している。
を20〜45原子%の範囲に定めた具体的根拠は、後述
する実施例によって詳細に説明するが、この範囲のAl
を含有するFe−Al系2元合金は、状態図からFeA
l系金属間化合物単相、Fe 3 Al系金属間化合物単
相、もしくはこれらの混合相からなるものであり、この
様な相構造のFe−Al系2元合金は、優れた高温耐食
性と成形加工性を兼備している。
【0016】ちなみにFe−Al系2元合金の高温耐食
性と成形加工性は、Al含有率およびそれに伴って変わ
ってくる相構造によって著しく変わり、Al含有率が1
0原子%未満では優れた成形加工性を示すものの、この
組成では金属間化合物が形成されず高温耐食性が劣悪に
なる。またAl含有率が10〜20原子%の組成域では
高温耐食性の向上がみられるが、焼却設備用として適用
する場合の厳しい腐食条件下での高温耐食性が不十分で
あり、本発明の目的にそぐわなくなる。
性と成形加工性は、Al含有率およびそれに伴って変わ
ってくる相構造によって著しく変わり、Al含有率が1
0原子%未満では優れた成形加工性を示すものの、この
組成では金属間化合物が形成されず高温耐食性が劣悪に
なる。またAl含有率が10〜20原子%の組成域では
高温耐食性の向上がみられるが、焼却設備用として適用
する場合の厳しい腐食条件下での高温耐食性が不十分で
あり、本発明の目的にそぐわなくなる。
【0017】これに対しAl含有率が20原子%以上に
なると、相構造がFe3 Al系金属間化合物主体とな
り、Al含有率が多くなるにつれてFeAl系金属間化
合物の比率が増大し、Al含有率が35原子%を超える
とFeAl系金属間化合物単相となるが、これらFe3
Al系単相、Fe3 Al系とFeAl系の共存2相もし
くはFeAl系単相のものは、Ni基合金に匹敵しもし
くはこれを上回る高温耐食性と優れた加工性を示し、火
格子やボイラー管等への熱間加工も比較的容易に行なう
ことができる。但しAl含有率が45原子%を超える
と、FeAl系と共にFeAl2 系の共存する2相とな
り、この様にFeAl2 系金属間化合物を含むものは熱
間加工性が悪く、管状等への加工が困難になるので実用
性を欠く。
なると、相構造がFe3 Al系金属間化合物主体とな
り、Al含有率が多くなるにつれてFeAl系金属間化
合物の比率が増大し、Al含有率が35原子%を超える
とFeAl系金属間化合物単相となるが、これらFe3
Al系単相、Fe3 Al系とFeAl系の共存2相もし
くはFeAl系単相のものは、Ni基合金に匹敵しもし
くはこれを上回る高温耐食性と優れた加工性を示し、火
格子やボイラー管等への熱間加工も比較的容易に行なう
ことができる。但しAl含有率が45原子%を超える
と、FeAl系と共にFeAl2 系の共存する2相とな
り、この様にFeAl2 系金属間化合物を含むものは熱
間加工性が悪く、管状等への加工が困難になるので実用
性を欠く。
【0018】上記の様に本発明の耐食性金属材は、Al
含有率が20〜45原子%、より好ましくは25〜40
原子%でありFe3 Al系及び/又はFeAl系の金属
間化合物を主体とするものであるが、これらの中には必
要により少量(トータルで20%程度以下)の合金元素
(Cr,Ni等)を含有させることも有効である。
含有率が20〜45原子%、より好ましくは25〜40
原子%でありFe3 Al系及び/又はFeAl系の金属
間化合物を主体とするものであるが、これらの中には必
要により少量(トータルで20%程度以下)の合金元素
(Cr,Ni等)を含有させることも有効である。
【0019】ところで上記耐食性金属材をごみ焼却設備
用のボイラー管として使用する場合、該管材の全てを前
述の耐食性金属材とすることが可能である。しかしなが
らボイラー管の腐食条件を考えると、その外面側は前述
の様な厳しい高温腐食環境に曝されるが、内面側は高温
の水蒸気に接触するだけであるから、それほどの耐食性
は要求されない。従ってこうした腐食条件の差異を加味
すると、ボイラー管の外面側は前述の高温耐食性金属
材、内面側は高温水蒸気に対して十分な耐食性を示す炭
素鋼よりなる2重管構造にすれば、必要十分な高温耐食
性を確保しつつ全体としての素材コストを下げることが
できるので有利である。
用のボイラー管として使用する場合、該管材の全てを前
述の耐食性金属材とすることが可能である。しかしなが
らボイラー管の腐食条件を考えると、その外面側は前述
の様な厳しい高温腐食環境に曝されるが、内面側は高温
の水蒸気に接触するだけであるから、それほどの耐食性
は要求されない。従ってこうした腐食条件の差異を加味
すると、ボイラー管の外面側は前述の高温耐食性金属
材、内面側は高温水蒸気に対して十分な耐食性を示す炭
素鋼よりなる2重管構造にすれば、必要十分な高温耐食
性を確保しつつ全体としての素材コストを下げることが
できるので有利である。
【0020】この様な2重管構造のボイラー管は、共押
出成形法やオスプレイ法あるいは炭素鋼管の外面側に前
述のFeAl系金属間化合物を溶射、肉盛等によって被
覆形成する方法等によって製造すればよい。
出成形法やオスプレイ法あるいは炭素鋼管の外面側に前
述のFeAl系金属間化合物を溶射、肉盛等によって被
覆形成する方法等によって製造すればよい。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0022】実施例1:Fe−Al系2元合金の試作と
大気酸化試験 Fe−10,20,30,40,50Al(原子%、以
下省略)よりなる5種類のFe−Al系2元合金につい
て、真空高周波溶解により50kg鋳塊を溶解し、12
00℃×24hの条件で均質化処理した後、熱間押出に
て25mmφの丸棒を製作した。押出条件は、加熱温度
1200℃、押出比6とし、押出し後は1000℃×1
h、空冷の条件で熱処理を行なった。
大気酸化試験 Fe−10,20,30,40,50Al(原子%、以
下省略)よりなる5種類のFe−Al系2元合金につい
て、真空高周波溶解により50kg鋳塊を溶解し、12
00℃×24hの条件で均質化処理した後、熱間押出に
て25mmφの丸棒を製作した。押出条件は、加熱温度
1200℃、押出比6とし、押出し後は1000℃×1
h、空冷の条件で熱処理を行なった。
【0023】この丸棒試作実験において、Fe−10〜
40Alではいずれも健全な押出丸棒が得られたが、F
e−50Alでは激しい粒界割れが発生し、。丸棒を製
作することができなかった。またX線回折の結果、Fe
−40AlではFeAl系の金属間化合物単相であった
ものが、Fe−50AlではFeAlとFeAl2 の2
相合金となっており、FeAl2 相の存在により熱間加
工性が極端に低下することが明らかとなった。尚、状態
図によるとAl含有量が約48%以下の場合はFeAl
単相となることが示されている。
40Alではいずれも健全な押出丸棒が得られたが、F
e−50Alでは激しい粒界割れが発生し、。丸棒を製
作することができなかった。またX線回折の結果、Fe
−40AlではFeAl系の金属間化合物単相であった
ものが、Fe−50AlではFeAlとFeAl2 の2
相合金となっており、FeAl2 相の存在により熱間加
工性が極端に低下することが明らかとなった。尚、状態
図によるとAl含有量が約48%以下の場合はFeAl
単相となることが示されている。
【0024】また、前記5種類の押出丸棒熱処理材の大
気酸化試験を行なった。試験条件は800,900,1
000℃×1000hの3種類の大気中連続酸化とし、
結果を表1に示した。
気酸化試験を行なった。試験条件は800,900,1
000℃×1000hの3種類の大気中連続酸化とし、
結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1からも明らかな様に、耐酸化性はAl
量によって大きく変動し、特にFe−10Alになると
極端に悪くなる。ところが、Fe−30,40Alでは
SUS304はもちろんNi基合金であるAlloy 718 に
比べても良好な耐酸化性を示している。耐酸化性は高温
材料として使用する場合に必ずクリアしなければならな
い基本特性である。尚、状態図によるとAl量が約20
%以上になるとFe3Al系の金属間化合物が生成して
くる。従ってFe−10Alで耐酸化性が極端に悪くな
るのは、この組成では金属間化合物相でなくなるためと
考えられる。
量によって大きく変動し、特にFe−10Alになると
極端に悪くなる。ところが、Fe−30,40Alでは
SUS304はもちろんNi基合金であるAlloy 718 に
比べても良好な耐酸化性を示している。耐酸化性は高温
材料として使用する場合に必ずクリアしなければならな
い基本特性である。尚、状態図によるとAl量が約20
%以上になるとFe3Al系の金属間化合物が生成して
くる。従ってFe−10Alで耐酸化性が極端に悪くな
るのは、この組成では金属間化合物相でなくなるためと
考えられる。
【0027】Fe−Al系に他の元素を添加すると、A
l量の適正範囲(上限、下限)は若干変化すると考えら
れるが、基本的にはAl含有率を20〜45%の範囲と
し、マトリックスの大部分がFe3 Al相またはFeA
l相単相であるか、Fe3 Al+FeAlの2相共存系
とすることにより、優れた加工性と高温耐食性を兼ね備
えたものが得られる。
l量の適正範囲(上限、下限)は若干変化すると考えら
れるが、基本的にはAl含有率を20〜45%の範囲と
し、マトリックスの大部分がFe3 Al相またはFeA
l相単相であるか、Fe3 Al+FeAlの2相共存系
とすることにより、優れた加工性と高温耐食性を兼ね備
えたものが得られる。
【0028】実施例2:Fe3 Al系合金の大気酸化試
験 Fe3 Al系2元合金であるFe−28Alと、常温延
性を向上させるといわれているCrを5%添加したFe
−28Al−5Crについて、真空高周波溶解により5
0kg鋳塊を溶解し、1200℃×24hの条件で均質
化処理した後、鍛造を繰り返して25mmφの丸棒を製
作した。鍛造時の加熱温度は1150℃とし、複数回の
加熱を繰り返して鍛造を行なった。また、鍛造後の熱処
理条件は800℃×1hとした。
験 Fe3 Al系2元合金であるFe−28Alと、常温延
性を向上させるといわれているCrを5%添加したFe
−28Al−5Crについて、真空高周波溶解により5
0kg鋳塊を溶解し、1200℃×24hの条件で均質
化処理した後、鍛造を繰り返して25mmφの丸棒を製
作した。鍛造時の加熱温度は1150℃とし、複数回の
加熱を繰り返して鍛造を行なった。また、鍛造後の熱処
理条件は800℃×1hとした。
【0029】この2種類の合金について、1000℃×
200hの大気中連続酸化試験を行なった結果は表2に
示した通りであり、Cr添加の有無による耐酸化性の劣
化は殆んど認められず、優秀な耐酸化性を有することが
明らかである。
200hの大気中連続酸化試験を行なった結果は表2に
示した通りであり、Cr添加の有無による耐酸化性の劣
化は殆んど認められず、優秀な耐酸化性を有することが
明らかである。
【0030】
【表2】
【0031】実施例3:Fe3 Al系合金のHClを含
む高温ガス中での腐食試験 上記実施例2と同様にして得たFe−28AlおよびF
e−28Al−5Crを供試材とし、ごみ焼却炉および
ごみ発電設備の排ガスを模擬した下記の雰囲気ガス中で
腐食試験を行なった。
む高温ガス中での腐食試験 上記実施例2と同様にして得たFe−28AlおよびF
e−28Al−5Crを供試材とし、ごみ焼却炉および
ごみ発電設備の排ガスを模擬した下記の雰囲気ガス中で
腐食試験を行なった。
【0032】・雰囲気ガスの組成:HCl(0.24V
ol%)+H2 O(相対湿度:30%)+Air(残
り) ・温度:700℃ ・時間:120h ・雰囲気ガス流量:0.7リットル/min 結果は表3に示す通りであり、Fe3 Al系合金は上記
の様な非常に厳しい腐食雰囲気でも、現状最も有望と考
えられているNi基合金(Alloy 625 )並みあるいはそ
れ以上の耐食性を示すことが確認できる。
ol%)+H2 O(相対湿度:30%)+Air(残
り) ・温度:700℃ ・時間:120h ・雰囲気ガス流量:0.7リットル/min 結果は表3に示す通りであり、Fe3 Al系合金は上記
の様な非常に厳しい腐食雰囲気でも、現状最も有望と考
えられているNi基合金(Alloy 625 )並みあるいはそ
れ以上の耐食性を示すことが確認できる。
【0033】
【表3】
【0034】実施例4:Fe3 Al系合金管および2重
管の試作実験 Fe−28AlおよびFe−28Al−5Crの2種類
の合金について、真空高周波溶解により50kg鋳塊を
溶解し、1200℃×3hの条件で均質化処理した後、
1150℃および850℃で加熱鍛造して80mmφの
丸棒を製作した。この丸棒を外径70mm、内径35m
mの押出ビレットに加工した後、900℃の温度で熱間
静水圧押出法により外径33mm、内径28mm(押出
比:12)の管を製作した、このとき、ビレット加熱時
にはガラス質の酸化防止材を用い、且つ押出の際にも十
分なガラス潤滑を行なうことにより、前記2種類の合金
共に健全な押出管を得た。
管の試作実験 Fe−28AlおよびFe−28Al−5Crの2種類
の合金について、真空高周波溶解により50kg鋳塊を
溶解し、1200℃×3hの条件で均質化処理した後、
1150℃および850℃で加熱鍛造して80mmφの
丸棒を製作した。この丸棒を外径70mm、内径35m
mの押出ビレットに加工した後、900℃の温度で熱間
静水圧押出法により外径33mm、内径28mm(押出
比:12)の管を製作した、このとき、ビレット加熱時
にはガラス質の酸化防止材を用い、且つ押出の際にも十
分なガラス潤滑を行なうことにより、前記2種類の合金
共に健全な押出管を得た。
【0035】次いでFe−28Al−5Crについて
は、押出ままの管(熱処理なし)を用いて外径31.5
mmまでマンドレルなしの冷間抽伸を行なったが、特に
トラブルは無く、仕上げ抽伸が可能なことを確認した。
は、押出ままの管(熱処理なし)を用いて外径31.5
mmまでマンドレルなしの冷間抽伸を行なったが、特に
トラブルは無く、仕上げ抽伸が可能なことを確認した。
【0036】2重管の試作実験は、内面側を炭素鋼(S
TB35)、外面側をFe−28Al−5Crの組合せ
で、上記と同様の熱間静水圧押出法を適用することによ
り行なった。ビレットサイズは上記と同様であるが、外
面側Fe−28Al−5Crの厚さは全体肉厚17.5
mmのうちの4.5mmとした。従って、押出後の2重
管の外面側Fe−28Al−5Cr層の厚さは約0.8
mm(全体肉厚2.5mm)であった。この2重管につ
いても、押出後熱処理を施さずに冷間抽伸を行ない、仕
上げ抽伸が可能なことを確認した。
TB35)、外面側をFe−28Al−5Crの組合せ
で、上記と同様の熱間静水圧押出法を適用することによ
り行なった。ビレットサイズは上記と同様であるが、外
面側Fe−28Al−5Crの厚さは全体肉厚17.5
mmのうちの4.5mmとした。従って、押出後の2重
管の外面側Fe−28Al−5Cr層の厚さは約0.8
mm(全体肉厚2.5mm)であった。この2重管につ
いても、押出後熱処理を施さずに冷間抽伸を行ない、仕
上げ抽伸が可能なことを確認した。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、F
e−Al系合金におけるAl含有率を特定し、主たる相
構成をFe3 Al系金属間化合物および/またはFeA
l系金属間化合物とすることにより、高温の厳しい腐食
環境下においても優れた耐食性を示し、ごみ焼却設備用
の火格子やボイラー管等として優れた適性を備えた金属
材を提供し得ることになった。
e−Al系合金におけるAl含有率を特定し、主たる相
構成をFe3 Al系金属間化合物および/またはFeA
l系金属間化合物とすることにより、高温の厳しい腐食
環境下においても優れた耐食性を示し、ごみ焼却設備用
の火格子やボイラー管等として優れた適性を備えた金属
材を提供し得ることになった。
Claims (5)
- 【請求項1】 Al含有率が20〜45原子%のFe−
Al系2元合金を主成分として含有することを特徴とす
るごみ焼却処理設備用耐食性金属材。 - 【請求項2】 Fe−Al系2元合金が、Fe3 Al系
金属間化合物および/またはFeAl系金属間化合物か
らなるものである請求項1記載の耐食性金属材。 - 【請求項3】ごみ焼却炉の火格子に使用されるものであ
る請求項1または2記載の耐食性金属材。 - 【請求項4】 ごみ焼却設備におけるボイラー管に使用
されるものである請求項1または2記載の耐食性金属
材。 - 【請求項5】 外面側がAl含有率20〜45原子%の
Fe−Al系2元合金を主成分とする合金によって構成
され、内面側が炭素鋼で構成されたものである請求項4
記載の耐食性金属材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25064793A JPH07102348A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ごみ焼却処理設備用耐食性金属材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25064793A JPH07102348A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ごみ焼却処理設備用耐食性金属材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07102348A true JPH07102348A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17210974
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25064793A Withdrawn JPH07102348A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ごみ焼却処理設備用耐食性金属材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07102348A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012201893A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Yokohama National Univ | 耐食性材料 |
| JP2020117805A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | 学校法人東京電機大学 | 合金皮膜及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-10-06 JP JP25064793A patent/JPH07102348A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012201893A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Yokohama National Univ | 耐食性材料 |
| JP2020117805A (ja) * | 2019-01-24 | 2020-08-06 | 学校法人東京電機大学 | 合金皮膜及びその製造方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001226 |