JPH07103455B2 - アルミニウム基軸受合金の製造方法 - Google Patents

アルミニウム基軸受合金の製造方法

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JPH07103455B2
JPH07103455B2 JP3084749A JP8474991A JPH07103455B2 JP H07103455 B2 JPH07103455 B2 JP H07103455B2 JP 3084749 A JP3084749 A JP 3084749A JP 8474991 A JP8474991 A JP 8474991A JP H07103455 B2 JPH07103455 B2 JP H07103455B2
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aluminum
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武志 坂井
博巳 松本
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エヌデーシー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム基軸受合金
の製造方法に係り、詳しくは、最終の加熱処理を僅か9
0秒以内程度付加するのみで、加工性が良く、耐焼付性
が良好で破壊強度に優れた錫−鉛含有アルミニウム基軸
受合金が製造できる方法に係る。
【0002】
【従来の技術】従来のアルミニウム基合金から成る自動
車用の軸受材料の製造方法の一つとして、例えば特開昭
61−272358号公報に開示される方法がある。
【0003】この方法は、8〜35%Sn、1〜3%C
u、2〜10%Siを、含んで残部がAlから成るアル
ミニウム(以下、単にアルミという。)基合金の軸受材
料の製造方法である。
【0004】しかし、この軸受材料は、2〜10%Si
成分を必須として含み、その上Cu含有量が1〜3%と
高いため、製造工程途中の圧延過程で加工硬化が著し
く、圧延材端部に大きな割れが発生し歩留まりが悪化す
る。
【0005】とくに、最悪の場合には、圧延後の材料か
ら軸受材料を取り出すことが出来なかったり、圧延の中
間で、加工歪を除去するために熱処理を施さなければな
らないという問題がある。
【0006】また、Sn添加量を少なくした場合(9〜
13%Sn)は耐焼付性が悪化し、逆にSn添加量を多
くした場合は(15〜25%Sn)は破壊強度が悪くな
るという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な従来
の問題点に着目してなされたもので、重量%で少なくと
も8〜18%Snならびに6%未満(0を含まず)Pb
を含むほか、Siはほとんど含むことないとともに、C
uは1%未満(0を含まず)しか含むことなく、しか
も、例えば、90秒以内のように、きわめて短時間の加
熱で十分な溶体化処理効果が得られ、なかでも、圧延段
階での加工硬化が軽減でき、Sn添加量が少なくても耐
焼付性を悪化させることなく破壊強度の良好なアルミ基
軸受合金が製造できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明方法は
重量%で少なくとも8〜18%Sn、6%〜0.5%P
b、1%〜0.1%Cuを含み残余が実質的にアルミニ
ウムから成るアルミニウム合金を冷間圧延したのちに、
この冷延材を400〜550℃で90秒以内最終の加熱
処理し、その後、180℃/分〜50℃/分以上の速度
で冷却することを特徴とする。
【0009】以下、本発明の手段たる構成ならびにその
作用について説明すると、次の通りである。
【0010】一般に、アルミ合金で強度向上の手段とし
て溶体化処理は有効であることが知られている。
【0011】しかし、溶体化処理には、高温の加熱時間
は少なくとも4時間以上は必要であると云われ、このた
め、強度向上の手段として用いられていない。
【0012】これに対し、本発明においては、アルミ合
金に対しSnとともにPbを多く配合する。これらSn
ならびにPbは低融点金属であるところから、比較的低
い温度で液相が多く発生し、極めて短時間、ちなみに、
後記の実施例で示すように90秒以内で十分な溶体化処
理効果が得られる。
【0013】また、本発明においては、処理すべきアル
ミ合金中にSnとPbが共存する。このため、液相発生
温度範囲が広くなり、固溶体処理効果を得るために、C
uの含有量を多く、例えば、1%以上にする必要はな
く、Cu1%未満で十分にその効果が達成できる。
【0014】従って、Cuが多いと効果が過大となった
り、制御が困難となるが、このような問題がない。
【0015】また、Si成分がなくとも、つまり必須成
分としなくとも、アルミ合金の溶体化処理は達成でき
る。
【0016】そこで、処理すべきアルミ合金の各成分の
限定理由から説明すると、次の通りである。
【0017】このアルミ軸受合金は重量%で少なくとも
8〜18%Sn、6%未満(0を含まず)Pb、1%未
満(0を含まず)Cuを含む。
【0018】まず、錫(Sn)は8〜18%添加され、
後記のように添加される鉛(Pb)と相まって、液相発
生温度を低下させるとともに比較的多くの液相を発生さ
せる。このため、後記のように、ちなみに90秒以内の
ような短時間で十分に溶体化処理が達成でき、機械的強
度を向上させることができる。
【0019】すなわち、一般に、軸受合金では、錫(S
n)は主に耐焼付性のために添加される。この意味で
は、18%を超えると、軟質相が多くなり、軸受合金強
度が低下し破壊強度が損なわれ、好ましくない。
【0020】しかし、ある程度発生液相量を確保して短
時間で溶体化処理を達成するのには、錫(Sn)は8〜
18%必要であり、8%未満では、発生液相量が少なく
なり、高温短時間での固溶量も少なく、溶体化処理効果
も不十分になり、その上、破壊強度や耐焼付性が確保で
きない。
【0021】次に、鉛(Pb)は、アルミ軸受合金にお
いては耐焼付性向上成分として添加されるが、本発明で
は、先にのべた通り、錫(Sn)との共存によって液相
発生温度を降下させ、発生液相量を多くして、溶体化処
理の効果を十分に達成させる。
【0022】この場合、少ない銅含有量(1%未満)で
溶体処理効果を確保できる。
【0023】添加量の上限としてはアルミ合金中で著し
い偏析を起こさない範囲として6%未満であり、下限と
しては後の実施例に示すように0.5%は必要である。
【0024】次に、銅(Cu)はアルミ合金を強化させ
る成分であるが、本発明においてはSnとPbの共存の
もとで高温加熱後急冷する事でアルミ基地中には小量の
Cuでも十分にCuを固溶させることができ、強度と伸
びを大幅に改善し、結果として軸受合金としての破壊強
度を向上させる。
【0025】添加量として、Cuは1%以上では圧延段
階での加工効果が大きくなり、圧延材端部に大きな割れ
が発生し歩留まりが悪化し、それを軽減するために1回
以上の中間熱処理が必要となる。また、Cuが1%以上
だと溶体処理効果が過大となってかえって軸受合金とし
ての特性(異物埋収性等)を阻害したり、効果に対する
熱処理の制御が困難となる。
【0026】添加量の下限としては常温で固溶するCu
量以上が必要なので、0.1%以上が望ましい。
【0027】その他の基地強化成分(Fe、Mn、C
r、Ni) その他の基地成分としては通常の展伸用アルミ合金に含
まれる成分のうち銅以外に固溶体効果のあるMg、Zn
を除く基地強化成分Fe、Mn、Cr、Niのうちから
1種または2種以上を合計で3%を超えない範囲で添加
しても本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0028】微細化成分(Ti、Zr、V、B、Ga、
Sr) 合計組成の微細化成分としてのTi、Zr、V、B、G
a、Srは合計で0.1%を超えない範囲で添加を妨げ
るものではない。
【0029】次に、以上の組成のアルミ合金を鋳造で溶
製し、この鋳造時の歪などを熱処理で除去してから、冷
間圧延し、これに400℃〜550℃×90秒以内の最
終加熱処理を付加し、その後180℃/分〜50℃/分
の冷却速度で冷却する。
【0030】この場合、最終加熱処理が400℃以下で
あると、後記の実施例にも示す通り、溶体化処理が不十
分で軸受としての破壊強度が得られない。
【0031】
【実施例】以下、実施例について説明する。
【0032】表1に示す所定組成のアルミ合金(ただ
し、No.1〜5が本発明に係り、No.11〜14は
比較例)を鋳造により溶製し、厚さ20mmの板とし
た。この鋳造時の歪を除去するために熱処理(300℃
x4時間)し、鋳肌を除去した。
【0033】その後、1mmの板厚まで冷間圧延した。
【0034】この冷間圧延途中段階で比較例14は、C
u2%も含まれることもあって、圧延割れが激しく評価
試料は得られなかった。
【0035】他のアルミ合金薄板について表1に示す最
終熱処理条件で最終の熱処理を溶体化処理として実施し
た。
【0036】
【表1】
【0037】その後、各試料について、JIS5号試験
片に加工して引張試験機にて破壊強度を測定した。その
結果を表2に示す。本発明例のNo.1〜5は破壊強度
13.7〜17.4Kgf/mmであり、比較例13
はSn5%、Pb0.5%であったが、Cu0.7%を
含むため、破壊強度は17Kgf/mmを示してい
る。
【0038】次に、鈴木式摩擦摩耗試験機を用いて耐焼
付試験を行なった。焼付試験条件は次の通りである。
【0039】摩擦速度 4m/秒 相手材 材質 S45C 硬さ HRC 55 面粗さ 0.8〜1.0S 使用オイル SAE20W−40 油温 150±5℃ テスト数 各2 焼付荷重 20Kgf/cmから10Kgf/c
毎に面圧を上げていき、焼付をおこした面圧を焼付
荷重とする。 尚、焼付の判定は材料温度が180℃を超えた場合また
は摩擦力が25.5Kgfを超えた場合とする。
【0040】その結果を表2に示す。本発明例のすべて
は焼付荷重120〜230Kgfで優れた耐焼付性を示
している。なお、比較例13はPbが少なくSnが5%
と少ないため、焼付荷重は70Kgfときわめて低く、
耐焼付性が劣化していることがわかる。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法は重量%
で少なくとも8〜18%Sn、6%〜0.5%Pb、1
%〜0.1%Cuを含むアルミ軸受合金材を冷間圧延な
どを介して製造する際に、400〜550℃の最終加熱
を90秒以内に行なって、180℃/分〜50℃/分の
速度で冷却する。このため、本発明方法によると、Cu
が少なく加工性が良く、耐焼付性が良好であるほか、溶
体化処理が十分に行なわれるところから、破壊強度に優
れる錫−鉛含有アルミ基軸受合金が製造できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で少なくとも8〜18%Sn、6
    %〜0.5%Pb、1%〜0.1%Cuを含み残余が実
    質的にアルミニウムから成るアルミニウム合金を冷間圧
    延したのちに、この冷延材を400〜550℃で90秒
    以内最終の加熱処理し、その後、180℃/分〜50℃
    /分以上の速度で冷却することを特徴とするアルミニウ
    ム基軸受合金の製造方法。
  2. 【請求項2】 基地強化成分として、Fe、Mn、C
    r、Niの内から1種または2種以上を合計で3%を超
    えない範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の
    アルミニウム基軸受合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 微細化成分としてTi、Zr、V、B、
    Ga、Srの内から1種または2種以上を合計で0.1
    %を超えない範囲で含有することを特徴とする請求項1
    又は2記載のアルミニウム基軸受合金の製造方法。
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