JPH07104440B2 - 放射性廃棄物固化方法及び装置 - Google Patents

放射性廃棄物固化方法及び装置

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JPH07104440B2
JPH07104440B2 JP62171028A JP17102887A JPH07104440B2 JP H07104440 B2 JPH07104440 B2 JP H07104440B2 JP 62171028 A JP62171028 A JP 62171028A JP 17102887 A JP17102887 A JP 17102887A JP H07104440 B2 JPH07104440 B2 JP H07104440B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は放射性廃棄物の固化装置に係り、特に不燃性雑
固体廃棄物を、セメント等の無機固化材で固化処理する
のに好適な固化装置に関する。
〔従来の技術〕
原子力発電所から発生する放射性廃棄物のうち使用済配
管類やバルブ等のいわゆる金属廃材、及びコンクリート
からなる不燃性雑固体廃棄物は、現在、大半がドラム缶
に入れられた状態で原子力発電所内に貯蔵されている。
一方、近年、不燃性雑固体廃棄物に対しても、固化して
処理しようとする動きがある。従来、不燃性雑固体廃棄
物を固化処理する場合には、セメント固化するのが、通
常の方法である。不燃性雑固体廃棄物は一般に寸法が大
きくミキサーによる混練が不可能なため、予め固化容器
内に不燃性雑固体廃棄物を入れておき、後からセメント
等の固化材を注入して固化する方法が実施されている
(「放射性廃棄物処理処分に関する研究開発」産業技術
出版、1983年2月5日発行、p63−65)。第2図に、従
来から実施されている不燃性雑固体廃棄物の固化装置の
概念図(上記文献より転載)を示す。従来から実施され
ている不燃性雑固体廃棄物の固化装置には、高さによる
ヘッドの差を利用する自由落下注入方式と、モノポンプ
を利用するポンプ圧送注入方式がある。
第3図に、ポリエチレンシート等の高分子有機化合物か
らなるプラスチックシートに包まれた雑固体廃棄物をド
ラム缶に詰め、従来の方式てセメントを注入した場合の
結果を模式的に示す。ポリエチレンシート18と雑固体廃
棄物3の間や、雑固体廃棄物3の下の部分でセメントモ
ルタルが侵入しにくい部分に空隙部分を生じてしまうこ
とがわかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、セメントモルタル注入時に固化体や固
化体容器内に生じる空隙については配慮がされていな
い。従って、固化体強度の低下等の原因となる空隙が固
化体内に発生するため、陸地処分用固化体として適当で
ないという問題があった。
本発明の目的は、空隙率が少なく、かつ強度がより増加
した固化体を得ることができる放射性廃棄物固化方法及
び装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成する本発明の特徴は、放射性固体廃棄
物を充填した固化容器内に前記固化材を注入する前に、
前記固化材と反応して前記固化材に取り込まれる反応生
成物を生成する物質で前記固化容器内の雰囲気を置換す
ることにある。
〔作用〕
固化材と反応して固化材に取り込まれる反応生成物を生
成する物質を固化容器内に充填しているので、注入され
た固化材とその反応生成物を生成する物質とが反応し、
空隙内は減圧状態になる。減圧状態になった空隙は、固
化材の外圧によってつぶされ、流動状の固化材は空隙を
埋めることにより落下し、空隙の少ない廃棄物固化体が
得られる。また、注入された固化材とその反応生成物を
生成する物質とが反応するので、固化材硬化後の固化体
の強度が増大する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図により説明する。
実施例1 第1図に、本発明の一実施例を説明するための装置概念
図を示す。本実施例は、原子力発電所から発生する不燃
性雑固化体廃棄物(使用済配管類やバルブ等のいわゆる
金属廃材、コンクリート廃材等)がポリエチレンシート
等の高分子有機化合物からなるプラスチックシートに包
まれたままドラム缶に入っているものを、セメント固化
するものである。耐圧容器1内に収められたドラム缶2
内には、ポリエチレンシートに包まれた不燃性雑固体廃
棄物3が入っている。真空ポンプ4により、耐圧容器内
の空気は排気される。排気された空気中に含まれる放射
性物質は高性能フィルタ(High Effciency Particle Ai
r Filter:HEPAフィルタ)5で除去される。耐圧容器1
内の圧力を示す圧力計6が、絶対圧力で0.05kg/cm2以下
になったら排気を止め、バルブ7を閉じる。バルブ8を
開いて炭酸ガスボンベ9を開き、耐圧容器1内に圧力計
6の指示で絶対圧力1kg/cm2になるまで、炭酸ガスを充
填する。耐圧容器内が炭酸ガスで置換されたら、耐圧容
器のふた10をクレーン等の昇降装置40を用いて開ける。
セメント混練機11からセメントモルタルをドラム缶2内
に流し込む。除中、セメントモルタルが配管で閉塞しな
いように、フレキシブルパイプ12を用いたり、必要に応
じてモノポンプも用いる。セメントモルタルのドラム缶
内への充填量はレベル計13で測定され、このレベル計13
の検出結果に基づいて制御される。また、ロードセル14
により雑固体廃棄物、及び充填したセメントモルタル量
を測定する。このデータを固化体計量管理システム15に
入力し、予め入力してある廃棄物及びセメントモルタル
の比重の値を用いて、ドラム缶内の雑固体廃棄物固化体
内に空隙が発生しないか否かを管理する(後述の(2)
式参照)。
以上のように、ドラム缶内を真空にした後、炭酸ガスを
充填し、次いでセメントモルタルを充填すると、ドラム
缶内にできた空隙率は約1%であった。第4図に、本実
施例の効果を説明するための模式図を示す。第4図の左
側の図(a)は、真空排気、炭酸ガス置換の後、セメン
トを注入した直後のドラム缶2内の状態を示している。
雑固体廃棄物3に囲まれた空間や雑固体廃棄物3の下に
なった部分には、空隙部16が認められた。約30分経過後
の模式図を第4図の右図(b)に示す。空隙部16内の炭
酸ガスは(1)式に従って、固化材であるセメントモル
タル17中のカルシウムイオンまたは原子と反応し、セメ
ント内に吸収、固定化される。
Ca2+(セメント)+CO2→CaCO3 ……(1) 従って、空隙部16内は減圧状態になり、上からセメント
モルタル17が流れ落ちて、空隙部16を埋め、第4図の右
図(b)のようにほとんど空隙の存在しない固化体が得
られた。なお、固化体の空隙率Vpは(2)式に従って、
算出した。
ここで、 V:実際に固化材が充填されている部分の固化体作製容器
容積 (但し、レベル計測定値までの部分) W1:固化材のモルタルの重量 ρ1:固化材のモルタルの密度 W2:廃棄物の重量 ρ2:廃棄物の密度 本実施例において、炭酸ガスと反応するセメント量を算
出してみると、ドラム缶内でセメントモルタルの占める
容積は約50%なので100である。そのうち、セメント
モルタルを充填した当初にできる空隙部は100のうち
の約20%なので20である。これは標準状態(0℃、1a
tm)で約1モル分の炭酸ガスに相当する。(1)式よ
り、1モル分の炭酸ガスと反応するのは、1モルのカル
シウム、すなわち約40gである。ドラム缶1本中に充填
するセメント量は100×2kg/=200kgと推定されるの
で、炭酸ガスと反応するセメント量は0.1%以下で全く
問題にはならない。従って、セメント固化体に与える影
響はない。
本実施例によれば、空隙の少ない雑固体廃棄物固化体が
得られるという効果がある。また、炭酸ガスとセメント
の反応により、セメント硬化後の固化体強度が向上する
という効果、及びポリエチレンシートをはずさないで固
化できるという効果がある。
実施例2 本実施例は、耐圧容器を使用しないでドラム缶のみを使
用して固化するものである。第5図に本実施例を説明す
るための装置概念図を示す。200用ドラム缶2内に
は、ポリエチレンシートに包まれた不燃性雑固体廃棄物
3が入っている。ドラム缶2の上部には、ドラム缶内を
真空排気するためのふたが付いている。真空ポンプ4に
より、ドラム缶内の空気は排気され、排気された空気中
の放射性物質はHEPAフィルタ5で除去される。ドラム缶
2内の圧力を減圧にしすぎると、ドラム缶が内側に凹む
などの問題を生じるので、圧力計6が絶対圧力で0.3kg/
cm2になったら排気を止め、バルブ7を閉じる。炭酸ガ
ス用バルブ8を開き、炭酸ガスボンベ9からドラム缶2
内に炭酸ガスを、圧力計6の指示で絶対圧力1kg/cm2
なるまで送り込む。ドラム缶内での真空排気、及び炭酸
ガス充填の操作をそれぞれ3回繰り返すことにより、ド
ラム缶内の炭酸ガス濃度は97%以上になる。次いで、ド
ラム缶上部のふたをはずし、ドラム缶をセメント混練機
11の方に移動する。この間、炭酸ガスは空気より比重が
重いので、ドラム缶内の炭酸ガスがドラム缶外に拡散し
てしまう可能性は、ほとんどない(従って、置換するガ
スとしてはこのように比重の重いものが良い。)。セメ
ント混練機からのセメント注入ラインをドラム缶上部に
位置させ、セメントモルタルをドラム缶2内に注入す
る。セメントモルタル注入直後の空隙率は約20%存在す
るが、空隙の中に存在する炭酸ガスは上述の(1)式に
従って、固化材であるセメント中に吸収固定化され、空
隙内の減圧効果によって空隙内にセメントが流入し、空
隙のほとんど存在しない固化体が得られた。
本実施例によれば、耐圧容器を使用しないでドラム缶の
みの簡単な固化装置によって、空隙のほとんど存在しな
い固化体が得られる効果がある。
第6図に、固化材であるセメントモルタル部の空隙率
を、従来法と比較して、実施例1及び実施例2の結果と
併せて示す。実施例1の場合には固化容器であるドラム
缶内ガスの置換数が1回で、また実施例2の場合でもせ
いぜい3回で、固化材中の空隙率を1%程度まで減少さ
せることができ本実施例も、炭酸ガスとセメントとの反
応生成物が生成されるので、セメント硬化後の固化体の
強度が向上する。
実施例3 実施例1と同様の装置、すなわち第1図に示す装置を用
い、セメントの代りに、水ガラスとリン酸ケイ素にセメ
ントを混合したものを固化材として使用とした。実施例
1の結果と同様に、ほとんど空隙のない雑固体廃棄物が
約15分で得られた。本実施例では,水ガラス中のナトリ
ウムイオンまたは原子が(3)式に従って反応すると考
えられる。
Na+(水ガラス)+CO2→Na2CO3 ……(3) 本実施例でも、水ガラス、リン酸ケイ素にセメントを混
合した固化材中に生じる空隙内では、(3)の反応が進
み、空隙内では減圧になり、空隙を埋める作用をすると
考えられる。なお、水ガラス、リン酸ケイ素にセメント
を混合して作成した固化材で空隙を埋める時間が短いの
は、ナトリウム成分がカルシウム成分に比べて水溶性が
高いためと推定される。
本実施例によれば、空隙を埋める時間が短いため、操作
時間の短縮化という効果が得られる。また、本実施例
は、炭酸ガスと水ガラス中のナトリウムイオンとの反応
生成物が生成されるので、水ガラス硬化後の固化体の強
度が向上する。
なお、早硬性セメントのようにナトリウムを含むセメン
トあるいはセメントに水酸化ナトリウムを添加するこ
と、本実施例と同様の効果が認められた。
実施例4 第7図に、本発明の他の実施例を説明するための装置概
念図を示す。本実施例は、炭酸ガスの代わりにドライア
イスを使用して、不燃性雑固体をセメント固化するもの
である。ドライアイス粉砕機19中のドライアイスは、平
均径1〜2cmに粉砕された後、ロードセル方式の定量供
給装置20に送り込まれる。約400gのドライアイスを計量
し、電磁弁23を開け、ドラム缶2内へ供給する。ドラム
缶内の空気はドライアイス及びドライアイスから発生す
る炭酸ガスにより外に出される。約5分経過後、セメン
ト混練機11のバルブを開け、ドラム缶内へセメントモル
タルを注入する。セメントモルタルは約20℃であるの
で、ドライアイスは短時間のうち炭酸ガスに変化する。
固化体内にできた空隙は、上述の(1)式の反応に従
い、実施例1及び実施例2と同様に埋められ、ほとんど
空隙のない固化体が得られた。
本実施例によれば、真空排気の操作が不要のため、操作
が簡単になり、フィルタを使用しないので、2次廃棄物
が少ないという効果が得られる。また、本実施例も、炭
酸ガスとセメントとの反応生成物が生成されるので、セ
メント硬化後の固化体の強度が向上する。
実施例5 本実施例は、炭酸ガスを熱交換器に通して、約60〜90℃
に加熱したものを使用するものである。約60℃以上に加
熱した炭酸ガスをドラム缶内に噴射すると、不燃性雑固
体廃棄物を包んでいるポリエチレンシートは、60℃に加
熱されると熱変形を起こすため雑固体廃棄物と密着す
る。この状態のドラム缶にセメントモルタルを流し込む
と、セメントモルタルが流れやすくなり、かつ温度が高
いために反応速度が大きくなり、短時間で空隙の少ない
固化体が得られた。
本実施例によれば、硬化時間がはやいので、廃棄物固化
体作製後の取扱いが容易であるという効果が得られる。
また、本実施例も、実施例1と同様に、炭酸ガスとセメ
ントとの反応生成物が生成されるので、セメント硬化後
の固化体の強度が向上する。
上述の実施例1から5では、アルカリ性の無機固化材と
反応し、固化材中に吸収固定化されるガスとして、炭酸
ガスに限ったが、亜硫酸ガス(SO3)、酸化窒素(NO
x)、硫化水素(H2S)を用いても有効である。
実施例6 第8図に、本発明の別の実施例を説明するための装置概
念図を示す。本実施例は、炭酸ガスの代わりに加熱水蒸
気を使用して、水蒸気の凝縮現象を応用し、固化材であ
るセメント内の空隙を減少させるものである。水蒸気発
生器24からの水蒸気はコントロールシステム26に従いバ
ルブ25で調整され、ドラム缶2内に供給される。一定時
間経過後、ドラム缶の空気は水蒸気に置換される。コン
トロールシステム26により、一定時間経過後、バルブ25
は自動的に閉じられる。水蒸気の供給が停止されたら、
セメント混練機11から室温のセメントモルタルをドラム
缶2内に注入する。セメントモルタルのドラム缶内への
充填量は、レベル計13で測定、制御される。同時に、ロ
ードセル14と固化体計量管理システム15とにより、固化
体内の空隙率が測定される。固化体の空隙内に存在する
水蒸気は、固化材であるセメントによって冷却され凝縮
し、空隙内は減圧効果によって、セメントで埋められ、
空隙率1%程度の固化体が得られた。
本実施例によれば、炭酸ガス等の反応ガスを使用しない
で水蒸気を使用するので、低コストであるという効果が
得られる。また、本実施例は、水蒸気(または凝縮によ
り生じた水)とセメントとの反応生成物が生成されるの
で、セメント硬化後の固化体の強度が向上する。
尚、ガスの凝縮性を利用するとすれば、水蒸気のほか
に、低沸点の水溶性物質であるエタノール、メタノール
等でも同様の効果がある。
実施例7 ポリエチレンシートに包まれた廃棄物をドラム缶内にい
れ、空気を150℃に加熱し、ドラム缶内に噴射する。ド
ラム缶内のポリエチレンシートは分解や燃焼することな
しに軟化し、ポリチレンシートは廃棄物に密着する。次
いで、セメントモルタルを注入すると、ポリエチレンシ
ートによって生じる空隙が少ないために、短時間で注入
が終了する。また、固化体内に生じたわずかの空隙は
(空隙率で15〜20%)、空隙中の空気温度が150℃から
室温に戻るのに伴い減少し、比較的空隙の少ない(空隙
率で10%以下)固化体が得られた。
本実施例によれば、簡単な装置で、簡単な操作で、短時
間に空隙の少ない廃棄物固化体が得られるという効果が
有る。また、加熱空気をドラム缶に噴射する方法の他
に、ドラム缶周囲を電気炉等で150℃程度に加熱するこ
とによっても、本実施例と同様の効果が認められる。
以上の実施例(実施例1〜7)では、固化剤としてセメ
ント又は水ガラス、リン酸ケイ素にセメントを混合して
作成した固化材の場合について記したが、その他の無機
系固化材、例えば、水ガラス、石こう、各種ポルトラン
ドセメント、膨張セメント、早硬性セメント、高炉セメ
ント、ポゾランセメント、フライアッシュセメント、ア
ルミナセメント、シリカセメント、マグネシアセメン
ト、高強度セメント、セメントに各種の添加剤(分散
剤、ポリマーエマルジョン、消泡剤、遅延剤、シリカ微
粉末等)を加えたものでも同様の効果は認められる。
実施例8 本発明は、無機系の固化材に限らず、有機系の固化材に
適用することも可能である。プラスチック固化における
本発明の実施例を第9図を用いて説明する。本実施例
は、プラスチック固化剤によって放射性固体廃棄物を固
化する場合に、プラスチック固化剤と反応する気体で、
予め固化体作成容器内を充填することにより、固化体内
の空隙を減少させるものである。
ポリエチレンシートに包まれた不燃性固体廃棄物3は、
ドラム缶2内に収められている。真空度ポンプ4によっ
て、ドラム缶内の空気は高性能フィルタ5を通して排気
される。圧力計6が絶対圧力で0.3kg/cm2になったら、
バルブ7を閉じ、エチレンガスボンベ28からエチレンガ
スを1kg/cm2になるまで送り込む。一方、プラスチック
固化剤である不飽和ポリエステル樹脂は、固化剤タンク
29から計量ポンプ30を通して混合槽31に送られる。重合
開始剤を重合開始剤タンク32にから混合槽31に送り、混
合槽31内で有機過酸化物の重合開始剤と、不飽和ポリエ
ステル分子とスチレンモノマーが混合し、重合反応を開
始する。重合反応の速度に応じて、重合促進剤や重合禁
止剤が重合促進剤タンク33や重合禁止剤タンク34から混
合槽31に添加され、重合反応が制御される。30分程度混
合後、重合反応が余り進行しない段階で、エチレンガス
が充填されてあるドラム缶に固化剤を注入する。固化剤
注入によりドラム缶内の圧力は上昇するが、圧力自動調
整弁35で0.9−1kg/cm2に調節する。固化剤は重合反応の
ため約80℃になっているため、廃棄物を包んでいるポリ
エチレンシートは熱変形し、空隙発生量は比較的少なく
なる。廃棄物の下部等に一部空隙が発生するが、空隙内
ガスの70%程度はエチレンであるので、このエチレンと
固化剤の不飽和ポリエステルが反応し、約24時間後に重
合反応が完了した段階で、固化剤が硬化すると共に空隙
内が埋められ、殆ど空隙の無い固化体が得られた。本実
施例によれば、有機物質による固化剤であるプラスチッ
ク固化剤を用いた場合に、空隙の少ない廃棄物固化体が
得られるという効果が得られる。また、本実施例は、不
飽和ポリエステルとエチレンとの反応生成物が生成され
るので、不飽和ポリエステル硬化後の固化体の強度が向
上する。
また、本実施例は、不飽和ポリエステル樹脂、またはポ
リエチレン樹脂を用いて、プラスチック固化体を作成す
る場合に、予めスチレンモノマー、エチレンモノマー、
アセチレンモノマー、ブタジエンモノマー、ビニルエス
テル、その他プラチック固化体に反応又は吸収又は凝縮
等の作用を持つ有機物を固化体作成容器内に添加または
それらで容器内を置換しておくことにより、固化体内に
ほとんど空隙の存在しない固化体が得られることを示す
ものである。固化材としてポリスチレン樹脂を用いる場
合には、置換又は添加する物質としてスチレンやジビニ
ルベンゼンが有効であり、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
の場合には、尿素またはホルムアルデヒドが有効であ
る。エポキシ樹脂の場合には、エポキシ、フェノール等
が有効である。
上記のすべての実施例では、廃棄物として金属廃材、コ
ンクリート廃材の場合であるが、当然他の雑固体廃棄物
である布、シート、ゴム手袋、木材、フィルタスラッ
ジ、廃樹脂、粉末をペレット化したもの、その他すべて
の放射性固体廃棄物に、また、再処理施設や医療施設か
らの廃棄物に対しても本発明は有効である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、放射性廃棄物固化体を固化材の注入方
式によって作製する際に、固化体中に生成する空隙内の
圧力を低下させることができるので、固化体内の空隙率
を低下させる効果がある。
注入された固化材とその反応生成物を生成する物質とが
反応するので、固化材硬化後の固化体の強度が増大す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す装置概念図。第2図
は、従来例を示す装置概念図。第3図は、従来法による
固化体断面の模式図。第4図(a)(b)は、本実施例
の効果を説明するための固化体断面模式図。第5図は、
本発明の他の実施例を示す装置概念図。第6図は、本発
明の効果を示すグラフ。第7図、第8図および第9図
は、本発明の他の実施例を示す装置概念図である。 1……耐圧容器、2……ドラム缶、3……不燃性雑固体
廃棄物、4……真空ポンプ、5……HEPAフィルタ、6…
…圧力計、7、8……バルブ、9……炭酸ガスボンベ、
10……耐圧容器ふだ、11……セメント混練機、12……フ
レキシブルパイプ、13……リベル計、14……ロードセ
ル、15……固化体計量管理システム、16……固化体内空
隙部、17……セメントモルタル、21……コントローラ、
22……電磁弁、24……水蒸気発生器、27……モノポンプ
フロントページの続き (72)発明者 松田 将省 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 千野 耕一 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 菊池 恂 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭52−8300(JP,A) 特開 昭54−150598(JP,A)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性固体廃棄物を固化容器内に充填し、
    この放射性固体廃棄物を固化材により固化する放射性廃
    棄物固化方法において、 前記固化容器内に前記固化材を注入する前に、前記固化
    材と反応して前記固化材に取り込まれる反応生成物を生
    成する物質で前記固化容器内の雰囲気を置換することを
    特徴とする放射性廃棄物固化方法。
  2. 【請求項2】前記反応生成物を生成する物質がガス状物
    質である特許請求の範囲第1項記載の放射性廃棄物固化
    方法。
  3. 【請求項3】前記ガス状物質は空気よりも比重が重い物
    質である特許請求の範囲第2項記載の放射性廃棄物固化
    方法。
  4. 【請求項4】前記ガス状物質が炭酸ガスであり、前記固
    化材がアルカリ性無機固化材である特許請求の範囲第2
    項記載の放射性廃棄物固化方法。
  5. 【請求項5】前記置換は、前記固化容器内を少なくとも
    一回は真空排気した後に行われる特許請求の範囲第2項
    記載の放射性廃棄物固化方法。
  6. 【請求項6】前記置換する物質が凝縮性ガスである特許
    請求の範囲第1項記載の放射性廃棄物固化方法。
  7. 【請求項7】前記凝縮性ガスが水蒸気である特許請求の
    範囲第6項記載の放射性廃棄物固化方法。
  8. 【請求項8】プラスチックシートで被われた放射性固体
    廃棄物を固化容器内に充填し、 前記放射性固体廃棄物が充填された前記固化容器内の雰
    囲気を、前記固化容器内に前記前記固化材を注入する前
    に、固化材と反応して前記固化材に取り込まれる反応生
    成物を生成する物質で置換し、 その後、前記固化容器内に前記固化材を充填することを
    特徴とする放射性廃棄物固化方法。
  9. 【請求項9】前記反応生成物を生成する物質がガス状物
    質である特許請求の範囲第8項記載の放射性廃棄物固化
    方法。
  10. 【請求項10】前記ガス状物質が加熱されて前記固化容
    器内に注入される特許請求の範囲第9項記載の放射性廃
    棄物固化方法。
  11. 【請求項11】前記ガス状物質が炭酸ガスであり、前記
    固化材がアルカリ性無機固化材である特許請求の範囲第
    9項記載の放射性廃棄物固化方法。
  12. 【請求項12】前記置換は、前記固化容器内を少なくと
    も一回は真空排気した後に行われる特許請求の範囲第2
    項記載の放射性廃棄物固化方法。
  13. 【請求項13】前記置換する物質が凝集性ガスである特
    許請求の範囲第8項記載の放射性廃棄物固化方法。
  14. 【請求項14】固化容器内に放射性固体廃棄物を充填す
    る手段と、 前記放射性固体廃棄物が充填された前記固化容器内に、
    固化材と反応して前記固化材に取り込まれる反応生成物
    を生成する物質を供給する手段と、 前記反応生成物を生成する物質が供給された前記固化容
    器内に前記固化材を注入する手段とを備えたことを特徴
    とする放射性廃棄物固化装置。
  15. 【請求項15】固化容器内に放射性固体廃棄物を充填す
    る手段と、 前記放射性固体廃棄物が充填された前記固化容器内の雰
    囲気を真空排気する手段と、 前記真空排気手段により真空排気された前記固化容器内
    に、固化材と反応して前記固化材に取り込まれる反応生
    成物を生成する物質を供給する手段と、 前記反応生成物を生成する物質が供給された前記固化容
    器内に前記固化材を注入する手段とを備えたことを特徴
    とする放射性廃棄物固化装置。
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