JPH07107802B2 - 複合誘電体およびその製造方法 - Google Patents

複合誘電体およびその製造方法

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JPH07107802B2
JPH07107802B2 JP59249882A JP24988284A JPH07107802B2 JP H07107802 B2 JPH07107802 B2 JP H07107802B2 JP 59249882 A JP59249882 A JP 59249882A JP 24988284 A JP24988284 A JP 24988284A JP H07107802 B2 JPH07107802 B2 JP H07107802B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は半導体物質の粉末と有機高分子材料との混合
系からなる複合誘電体およびその製造方法に関するもの
である。
(従来の技術) 誘電体としては従来知られているものとして、セラミッ
ク系誘電体、有機高分子系誘電体、セラミック誘電体粉
末と有機高分子材料との複合誘電体などがある。
セラミック誘電体は、各種セラミック誘電体材料を所定
の比率で混合してこれを仮焼し、得られた仮焼物を一旦
粉砕したのちバインダを加えて造粒し、この造粒粉末を
プレス機などにより加圧成形し、成形物を高温焼成する
ことによって製造される。
また、有機高分子系誘電体は、有機高分子フィルムを単
一の誘電体として用いるもので、スチロール、ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどが用いら
れていた。
さらに、複合誘電体は、セラミック誘電体粉末を有機高
分子材料中に均一に分散したものである。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のうち、セラミック誘電体は上記したように、混合
粉末を仮焼し、さらに仮焼粉末を成形して高温で焼成す
るなど工程が複雑で、また最終製品に至るまでの加工に
長時間を要していた。また任意の寸法、形状にすること
が難しく、寸法を変えるには金型などの変更が必要であ
った。さらに大きな容量を得るためには薄膜状にしなけ
ればならないが、セラミック誘電体を薄くすると機械的
強度がなくなり、割れやすくなるという問題があった。
また、有機高分子系誘電体は絶縁抵抗にすぐれ、tanδ
も小さいという特徴を有している。しかしながら、大き
な静電容量を得るためには、大面積のものとしなければ
ならず、この結果大型になるという問題があった。
さらに、従来の複合誘電体はセラミック誘電体のように
高温での処理を必要とせず、また可塑性に富むという性
質を有するが、静電容量が小さく、せいぜい静電容量は
5〜450の値しか示さないという問題を含んでいる。こ
れは複合誘電体全体の静電容量が誘電率の小さい有機高
分子材料の存在によって低減せしめられることによるも
のである。
(発明の目的) したがって、この発明は複合誘電体についてさらに大き
な静電容量を得ることを目的とする。
(発明の構成) すなわち、この発明は複合誘電体において、表面そのも
のを酸化絶縁層とした半導体物質の粉末を用い、該粉末
を相互に近接または/および接触させて粉末間で静電容
量を形成するようにし、これにより大きな静電容量を得
るようにしたことを特徴とするものである。
(問題を解決するための手段) この発明にかかる複合誘電体は、表面そのものを酸化絶
縁層とした半導体物質の粉末を有機高分子材料とともに
混合し、半導体物質の粉末を有機高分子材料中に均一に
分散することによって構成される。
ここで、半導体物質の粉末としては、チタン酸バリウム
系、チタン酸ストロンチウム系、酸化チタン系、二酸化
硅素系、炭化硅素系、窒化シリコン系、窒化硼素系、酸
化亜鉛系、酸化錫系などのセラミック粉末を用いること
ができる。この半導体物質の粉末にはZnO、SnO2などの
ように本来半導体の性質を有するもののほか、一般に絶
縁物として知られているもの、たとえばチタン酸バリウ
ム系、チタン酸ストロンチウム系の粉末を半導体化した
ものが含まれている。後者の半導体物質の粉末は半導体
化剤を微量含有させたものや、還元焼成などによって得
られる。そして、半導体物質の表面に絶縁層を形成する
には、酸化雰囲気中で熱処理したり、半導体物質の粉末
表面に絶縁層を形成する物質を付着させ、そののち熱処
理することによって得られる。
また有機高分子材料としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、ゴムなどがある。
このうち、熱硬化性樹脂としては、ポリエステス樹脂、
エポキシ樹脂などがある。また熱可塑性樹脂としては、
ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、フッ素
系樹脂、エチレン−酢酸ビニル、SBなどがある。さらに
ゴムとしてはシリコーンゴム、ウレタンゴム、天然ゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジェンゴム(NBR)、スチ
レン−ブダジェンゴム(SBR)、フッ素ゴムなどがあ
る。このゴムのうち、アクリロニトリル−ブタジェンゴ
ム(NBR)、スチレン−ブタジェンゴム(SBR)などはエ
マルジョンまたは別の表現としてラテックスという分類
に属するものである。
また有機高分子材料としては85℃以上で耐熱性を有する
ものが好ましい。これは85℃以下の温度領域での耐熱性
を有しないと、有機高分子材料が劣化し、半導体物質の
粉末相互の近接または/および接触状態を保持できず、
一般にコンデンサの使用温度範囲である85℃以下での安
定な特性が得られないことによる。
半導体物質の粉末と有機高分子材料との混合比は、半導
体物質の粉末100重量部に対して有機高分子材料3〜30
重量部、好ましくは5〜20重量部の範囲で混合含有され
る。半導体物質の粉末に対する有機高分子材料の混合比
を上記した範囲に限定した理由は、有機高分子材料が、
3重量部未満では、成形物の機械的強度が小さくなり、
形状保持が困難となる。また30重量部を越えると有機高
分子材料の誘電率の影響が大きくなり、全体の静電容量
が小さくなるからである。
また半導体物質の粉末としてはその粒径が200μm以下
のものが適している。これは半導体物質の粒径が200μ
mを越えると、成形物の機械的強度が弱くなるからであ
る。また半導体物質の粉末のうち、粒径の大きいものと
小さいものとを混在すれば、大きい粒径の半導体物質の
粉末が埋められない隙間に小さい粒径のものが入り込
み、小さい粒径の半導体物質の粉末によっても静電容量
が形成されるため、結果的に静電容量が大きくするとい
う効果が期待できる。
この発明にかかる複合誘電体を製造するには次のような
方法によって行われる。つまり、構成材料として、あら
かじめ半導体物質の粉末と有機高分子材料を準備してお
き、半導体物質の粉末と有機高分子材料を混合する。こ
の工程で半導体物質の粉末の表面に有機高分子材料が付
着したものが得られる。得られた粉末を延伸またはプレ
スあるいは延伸とプレスとの併用により成形することに
より複合誘電体の成形物を得ることができる。
得られた複合誘電体は半導体物質の粉末が有機高分子材
料で結合された状態となっており、概略的構造は第1図
に示すものからなる。つまり、図中、1は半導体物質の
粉末、2は有機高分子材料である。半導体物質の粉末1
には表面に絶縁層1′が形成されており、この半導体物
質の粉末1同志が近接または/および接触するととも
に、半導体物質の粉末1の周囲に有機高分子材料2が巡
らされているものである。この場合、有機高分子材料2
は粒子状または/および変形粒子状となっており、半導
体物質の粉末1の全周囲を覆うことなく半導体物質の粉
末1同志を結合する役目を果たしている。また、第1図
中、Bは半導体物質の粉末1同志の界面である。なお、
界面Bは図示した位置に限らず、半導体物質の粉末1同
志が近接または/および接触する箇所にも形成されてい
る。
また第1図に示した複合誘電体の等価回路を図示すれば
第2図のようになる。第2図中、Cは第1図中に図示し
た半導体物質の粉末1同志の界面Bにより形成される容
量成分であり、この容量成分によりコンデンサとしての
機能が付与される。また一部には有機高分子材料2が半
導体物質の粉末1間にも存在しており、この有機高分子
材料2からも容量成分が得られる。しかしこの容量成分
の占める割合はきわめて少なく、全体の静電容量に与え
る影響はほとんど無視できる。さらに第1図に示した複
合誘電体は半導体物質の粉末1の表面に絶縁層1′が形
成されているから、この絶縁層1′からも容量成分が取
り出される。
(作用) この発明にかかる複合誘電体の大きな特徴は、表面その
ものを酸化絶縁層とした半導体物質の粉末同志を互いに
近接または/および接触した状態になるように有機高分
子材料で保持した構造であり、静電容量が半導体物質の
粉末同志の近接または/および接触状態における界面と
絶縁層によって形成されるところにある。したがって、
従来の複合誘電体のように、各構成材料が有する固有の
誘電率にもとづく合成の静電容量では獲得できなかった
ような大きな静電容量が得られることになる。
(効果) この発明にかかる複合誘電体によれば次のような効果が
得られる。
(1)表面そのものを酸化絶縁層とした半導体物質の粉
末同志の近接または/および接触状態により大きな静電
容量が形成される。
(2)有機高分子材料をマトリックスとするため、半導
体物質の粉末の充填量を増やすことができ、複合誘電体
の体積分率とは関係なく容量を大きくすることができ
る。
(3)セラミック誘電体のように高温焼結が必要でな
く、表面そのものを酸化絶縁層とした半導体物質の粉末
と有機高分子材料の混合粉末を成形するだけで得られ
る。
(4)有機高分子材料の選択によって複合誘電体のヤン
グ率を変えることができる。
したがって、複合誘電体に押圧力を加えて厚みを変化さ
せることにより容量を可変にすることができる。
(5)可撓性に富み、寸法、形状に任意性のある複合誘
電体が得られる。
(実施例) 以下この発明を実施例に従って詳細に説明する。
実施例1 酸化雰囲気中で熱処理により表面に絶縁層を形成したSr
TiO3を主成分とするセラミック半導体粉末100gを、固形
分が6.4gのNBRエマルジョン12.8gに分散させ、さらに水
15ccを加えて懸濁液とした。この懸濁液に約500mlのエ
チルアルコールを加え、NBRエマルジョン・ラッテクス
の固形分を凝固させた。懸濁液中の分散媒、水を除去し
て固形分を取り出し、乾燥し、セラミック半導体粉末の
表面にNBRラッテクスを付着させた複合誘電体粉末を得
た。
得られた複合誘電体粉末を200Kg/cm2の圧力で加圧しな
がら150℃、30分間熱間プレスした。得られた複合誘電
体のシート厚みは0.70mmであり、このシートの両主表面
にAlを蒸着して電極を形成し、コンデンサを完成した。
このコンデンサについて誘電特性を測定したところ、誘
電率は2635、絶縁抵抗は2.05×1010Ωであった。なお、
絶縁抵抗は印加電圧10Vで測定した値である。
実施例2 SrTiO3を主成分とするセラミック半導体粉末を酸化ビス
マスの雰囲気中で熱処理し、表面に絶縁層を形成した。
この粉末100gを固形分が6.4gのNBRエマルジョン12.8gに
分散させ、さらに水15ccを加えた懸濁液とした。このの
ち実施例1と同様に処理しコンデンサを完成した。
得られた複合誘電体の厚みは0.70mmであり、誘電特性を
測定したところ、誘電率は1270、絶縁抵抗は3.00×1010
Ωであった。なお、絶縁抵抗は実施例1と同様の条件で
測定した。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明にかかる複合誘電体の一例を示す概略
構造図である。 第2図は第1図に示した複合誘電体の等価回路図であ
る。 1は半導体物質の粉末、1′は絶縁層、2は有機高分子
材料、Bは界面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−88198(JP,A) 特開 昭51−23654(JP,A) 特開 昭53−89963(JP,A) 特開 昭58−166609(JP,A) 特公 昭56−38004(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面そのものを酸化絶縁層とした半導体物
    質の粉末と有機高分子との混合物からなり、 前記半導体物質の粉末が相互に近接または/および接触
    して前記半導体物質の粉末間の界面で静電容量が形成さ
    れた構造を含み、 該構造は前記有機高分子材料により保持されていること
    を特徴とする複合誘電体。
  2. 【請求項2】前記半導体物質の粉末100重量部に対し
    て、前記有機高分子材料3〜30重量部が混合含有された
    混合物からなる特許請求の範囲第(1)項記載の複合誘
    電体。
  3. 【請求項3】表面そのものを酸化絶縁層とした半導体物
    質の粉末と有機高分子材料とを混合し、前記半導体物質
    の粉末の表面に前記有機高分子材料を付着する工程と、 前記有機高分子材料を表面に付着した前記半導体物質の
    粉末を成形する工程と、 該成形工程により前記半導体物質の粉末が相互に近接ま
    たは/および接触して前記半導体物質の粉末間の界面で
    静電容量を形成するようにしたことを特徴とする複合誘
    電体の製造方法。
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