JPH07109184B2 - ディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置の燃料供給装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置の燃料供給装置

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JPH07109184B2
JPH07109184B2 JP62123185A JP12318587A JPH07109184B2 JP H07109184 B2 JPH07109184 B2 JP H07109184B2 JP 62123185 A JP62123185 A JP 62123185A JP 12318587 A JP12318587 A JP 12318587A JP H07109184 B2 JPH07109184 B2 JP H07109184B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置の燃
料供給装置に関し、その中でも、燃料噴射カムから燃料
噴射ポンプに至るまでの間のプランジャ駆動機構に、間
欠的に隙間が生じて衝撃や騒音が発生するのを、燃料の
圧力を利用して防止する形式のものに関する。
〈前提構造〉 本発明のディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置の燃
料供給装置は、たとえば第1図−第6図に示すように、
次の前提構造を有するものを前提とする。
この前提構造では、燃料の圧力を利用して、燃料噴射カ
ムから燃料噴射ポンプのプランジャに至るまでの間のプ
ランジャ駆動機構に隙間が生じないようにして、この隙
間が生じる場合の衝撃や騒音の発生を無くすようになっ
ている。
○ 前提構造 すなわち、第3図に示すように、ディーゼルエンジンの
負荷に対応して燃料を調量装置(4)で調量し、この調
量燃料を圧送ポンプ(5)で燃料供給弁(57)および入
口弁(10)を経て燃料噴射ポンプ(6)に供給して、燃
料噴射ポンプ(6)で蓄圧式燃料噴射装置(7)へ圧入
するように構成し、 この燃料噴射ポンプ(6)にポンプ室(9)と、これに
進退可能に挿入されたプランジャ(8)と、吐出時にポ
ンプ室(9)から上流側への逆流を阻止する入口弁(1
0)とを設け、 第1図に示すように、上記プランジャ(8)内に上記入
口弁(10)の弁室(28)を形成し、この弁室(28)に内
蔵されたスプール(29)によって、弁室(28)内の上部
に開弁圧室(35)を、弁室(28)内の下部にストローク
調整用蓄圧室(36)をそれぞれ区画形成し、 上記スプール(29)を上端が閉じられた円筒形に形成す
るとともに、このスプール(29)の中空部(32)を、ス
プール(29)の周壁に形成した入口通路部分(31)及び
プランジャ(8)の周壁に形成した入口通路部分(30)
を介して、燃料噴射ポンプ(6)のボディ(23)に形成
した上流側通路(62)に常時連通連結させ、 上記入口弁(10)は入口弁孔(33)と出口孔(34)とが
相対摺動して開閉するように構成し、この入口弁孔(3
3)は上記スプール(29)の周壁の下部に形成し、その
出口孔(34)は上記プランジャ(8)の周壁の下部に形
成し、入口弁孔(33)に対して出口孔(34)は、スプー
ル(29)が上死点(U2)よりも僅かに低い所定の高さ以
下に位置するときには連通するのに対し、スプール(2
9)がそれよりも高い位置に位置するときには遮断する
ように構成し、 上記スプール(29)が上死点(U2)に位置するときに中
空部(32)と開弁圧室(35)とを連通させる連通路(3
7)を、スプール(29)の周壁の上部に形成し、スプー
ル(29)が下死点(D2)に位置するときに中空部(32)
と開弁圧室(35)とを通路(84)(85)(38)を介して
連通させ、このうちの通路(38)を上記プランジャ
(8)の周壁に形成し、 上記開弁圧室(35)に上記通路(38)及びボディ(23)
に形成した圧力伝達路(46)を介して付勢力安定用蓄圧
室(41)(48)を接続し、 第4図および第6図(B)に示す燃焼供給行程(B)で
は、スプール(29)が下死点(D2)に位置し、プランジ
ャ(8)が上死点(U1)に位置する状態から、第3図に
示す燃料供給弁(57)が開弁し、調圧装置(4)で調量
された燃料が圧送ポンプ(5)で第1図に示す上流側通
路(62)・入口通路部分(30)・中空部(32)を経てス
トローク調整用蓄圧室(36)へ供給されて、スプール
(29)を下死点(D2)から押し上げ、 第4図および第6図(C)(D)に示す燃料圧入行程
(C)では、プランジャ(8)が燃料噴射カム(80)で
上死点(U1)から下死点(D1)へ吐出駆動され、第6図
(C)に示すように、ポンプ室(9)内の燃料の一部
(V2)が、その吐出駆動の前期で入口弁(10)を経てス
トローク調整用蓄圧室(36)に圧入されて、スプール
(29)を押し上げ、入口弁(10)を閉弁させてから、第
6図(D)に示すように、ポンプ室(9)内の燃料の残
部(V3)がその吐出駆動の後期で蓄圧式燃料噴射装置
(7)へ圧入されるように構成したものである。
○ 前提構造の作用 利点(イ) プランジャ駆動機構の衝撃・騒音発生の防
止 蓄圧式燃料噴射装置の全体にわたる作動のうち、燃料噴
射カム(80)のリフトダウン行程(第4図の初期状態へ
の復帰行程(F)中の時点t−v)において、この燃料
噴射カム(80)とプランジャ(8)との間に若しも隙間
が生じる場合には、次回の燃料噴射カムのリフトアップ
行程(第4図の燃料圧入行程(C)中の時点c−i)
で、燃料噴射カム(80)がプランジャ(8)に衝突し、
その衝撃で騒音や早期摩耗・変形などの弊害が生じる。
上述の前提構造では、この弊害を無くすために、燃料噴
射カム(80)とプランジャ(8)との間に隙間が生じな
いようにしてあり、このためプランジャ作動の1サイク
ルを、第6図(A)−(D)で示す各行程順にに基づ
き、次に説明する。
(A) 初期状態 第6図(A)参照 この初期状態では、スプール(29)が下死点(D2)に、
プランジャ(8)が上死点(U1)に位置する。入口弁
(10)が開き、燃料供給弁(57)が閉じ、逆止弁(13)
が燃料蓄圧貯留室(14)の内圧で押し閉じられている。
燃料噴射ポンプ(6)の最大吐出量(V0)と、入口弁
(10)の閉弁時のストローク調整用蓄圧室(36)の最大
容量(V0)とが、等しい値となるように設定されてい
る。
(B) 燃料供給行程 第6図(B)参照 燃料は、エンジンの負荷に応じてメータリングユニット
(M)で調量供給量(V1)調量されて供給される。
この調量供給量(V)1の燃料が、燃料供給弁(57)が
開いたとき、メータリングユニット(M)からストロー
ク調整用蓄圧室(36)に押し込まれ、スプール(29)が
下死点(D)2から上死点(U2)へ向かってその途中ま
で押し上げらる。
(C) 無効吐出行程 第6図(C)参照 燃料供給弁(57)が閉じた後、燃料噴射カム(80)がリ
フトアップ行程(81)に入ってプランジャ(8)を押し
下げていくと、ポンプ室(9)内の燃料が入口弁(10)
を経てストローク調整用蓄圧室(36)内に無効吐出量
(V2だけ)圧入される。このとき、逆止弁(13)は燃料
蓄圧貯留室(14)の内圧で閉じられている。
このストローク調整用蓄圧室(36)内の燃料は、無効吐
出量(V2)だけ圧入され終えたときに、さきに入ってい
た調量供給量(V1)と合わせて、最大容積(V0)に達す
る。これにより、スプール(29)が上死点(U2)まで上
昇し、ストローク調整用蓄圧室(36)の内圧が閉弁圧に
まで上昇して、入口弁(10)を押し閉じる。
ポンプ室(9)に残った有効吐出量(V3)の燃料は、最
大吐出量(V0)から無効吐出量(V2)を差し引いた量で
あり、ストローク調整用蓄圧室(36)の最大容積(V0)
から無効吐出量(V2)を差し引いた調量供給量(V1)と
等しくなる。
(D) 有効吐出行程 第6図(D)参照 プランジャ(8)がさらに押し下げられて下死点(D1)
に達したとき、ポンプ室(9)内の有効吐出量(V3<=
調量供給量V1>)の燃料が、逆止弁(13)を経て燃料蓄
圧貯留室(14)へ圧入され終わる。
この後、有効吐出量(V3)の燃料が蓄圧式燃料噴射器
(7)から燃焼室へ噴射される。
(E) プランジャ復帰行程 第6図(A)参照 メータリングユニット(M)内の主タイミング設定弁
(19b)が短時間だけ開いた瞬間に、ストローク調整用
蓄圧室(36)の内圧がこの主タイミング設定弁(19b)
から僅かに抜かれて、入口弁(10)が開弁圧室(35)の
弾圧力が押し開かれる。
燃料噴射カム(80)がリフトダウン行程(82)に入る
と、ストローク調整用蓄圧室(36)内に貯留されていた
最大容積(V0)の燃料が、開弁圧室(35)の弾圧力で入
口弁(10)を経てポンプ室(9)へ圧入される。これに
より、スプール(29)が上死点(U2)から下死点(D2)
に復帰し、プランジャ(8)が燃料噴射カム(80)に押
し当てられながら下死点(D1)から上死点(U1)に復帰
させられて接触し続けるので、プランジャ(8)と燃料
噴射カム(80)との間に隙間が生じない。
このため、次回の燃料噴射カム(80)のリフトアップ行
程(81)(第6図(C)=第4図の燃料圧入行程(C)
中の時点c−i)で、燃料噴射カム(80)がプランジャ
(8)に衝突することが起こらない。
以上でプランジャ(8)の作動の1サイクルが終了す
る。
利点(ロ) 燃料噴射開始時期の作動遅れ誤差を小さく
する 蓄圧式燃料噴射装置(7)から燃料噴射が開始する前の
状態では、第4図の着火用燃料噴射行程(D)・主燃料
噴射行程(E)、第6図(D)有効吐出行程、および第
1図に示すようになっている。プランジャ(8)は下死
点(D1)に位置し、スプール(29)は上死点(U2)に位
置し、入口弁(10)は閉じている。第1図に示すよう
に、上流側通路(62)と入口通路部分(30)との連通部
分での通路断面積が充分に広く開き、通路(38)と圧力
伝達路(46)との連通部分での通路断面積も充分に広く
開いている。
この状態から、第3図の主タイミング設定弁(19b)が
開弁することにより、ストローク調整用蓄圧室(36)の
内圧が主タイミング設定弁(19b)を経て減圧室(20)
へ逃がされて圧力低下し、スプール(29)が開弁圧室
(35)の圧力で押し下げられて、入口弁(10)が開く。
すると蓄圧式燃料噴射装置(7)内の閉弁圧室(12)の
内圧が、入口弁(10)および主タイミング設定弁(19
b)を経て、減圧室(20)へ逃がされて、圧力低下す
る。このため、噴射弁(15)の閉弁バネ(43)と閉弁圧
室(12)の圧力(P1)による力との合力からなる閉弁力
が、燃料蓄圧貯留室(14)による力からなる開弁力より
も弱くなって、噴射弁(15)が開き、蓄圧貯留室(14)
内の燃料が噴射孔(16)から噴射され始める。
このとき、開弁圧室(35)の内圧は、スプール(29)を
押し下げて入口弁(10)を開弁させていきながら、圧力
低下していく。しかし、上記のように第1図の通路(3
8)と圧力伝達路(46)との連通部分での通路断面積が
充分に広く開いていることから、付勢力安定用蓄圧室
(41)(48)の内圧が開弁圧室(35)へスムースに流れ
込むため、開弁圧室(35)の圧力低下率が小さくなり、
開弁圧室(35)は高圧に維持されながら、入口弁(10)
を高速度で開弁する。
しかも、上記のように上流側通路(62)と入口通路部分
(30)との連通部分での通路断面積が充分に広く開いて
いることから、その入口弁(10)が開弁したときに、上
記連通部分での通路抵抗による圧力損失が小さいため、
上記閉弁圧室(12)から減圧室(20)への減圧が速やか
に進む。
このように、入口弁(10)の開弁速度も閉弁圧室(12)
の減圧速度も高速度であるから、主燃料噴射の開始時期
は、作動遅れによる誤差が非常に小さく、高精度にな
る。
利点(ハ) 調量燃料(V1)の供給時間を短くして、エ
ンジンの高速回転化に寄与する 第4図の燃料供給行程(B)および第6図(B)燃料供
給行程で示すように、調量燃料量(V1)の燃料をメータ
リングユニット(M)からストローク調整用蓄圧室(3
6)へ圧入するとき(時点a−b)には、プランジャ
(8)が上死点(U1)に保持されているため、第1図に
示すストローク調整用蓄圧室(36)と上流側通路(62)
とを連通させるための入口通路部分(30)と上流側通路
部分(62)との連通部分での通路断面積が充分広く開い
ていて、通路抵抗による圧力損失が小さい。
これにより、第6図(B)の調量燃料量(V1)の燃料を
メータリングユニット(M)からストローク調整用蓄圧
室(36)へ圧送するのに必要な時間が短くてすみ、エン
ジンの高速化に寄与できる。
〈従来の技術〉 上述の前提構造において、従来技術では、次のように構
成していた。
すなわち、第4図中の燃料供給行程(B)中の燃料供給
弁(57)の開弁開始時期(a)よりも後で、上記燃料圧
入行程(C)中のプランジャ(8)が上死点(U1)から
下降し始める吐出駆動開始時期(y)に至る前までの間
の燃料供給開始後吐出開始前期間(z)内においては、
燃料噴射カム(80)のカムリフト形状により、プランジ
ャ(8)を実線図(8a)で示すように正規の上死点位置
(U1)い保持するように構成していた。
〈発明が解決しようとする課題〉 ○ 前提構造において生ずるスプール(29)の振動の発
生と減衰 前述の前提構造においては、次のようにスプールが振動
し、減衰する。
前述した燃料噴射ポンプ(6)のプランジャ(8)の作
動の1サイクルは短時間のうちに急速に終了し、このう
ちの燃料供給行程(B)での燃料供給は一瞬のうちに急
速に行われる。
第6図(B)で示すように、メータリングユニット
(M)内で調量された調量供給量(V1)の燃料が、第3
図の圧送ポンプ(5)でストローク調整用蓄圧室(36)
へ圧入されて、スプール(29)を下死点(D2)から上死
点(U2)へ向かってその途中にまで押し上げていく。
このとき、ストローク調整用蓄圧室(36)の圧力が急激
に上昇して、スプール(29)を急速に押し上げるため、
スプール(29)はその運動慣性により、ストローク調整
用蓄圧室(36)の圧力と開弁圧室(35)の圧力との圧力
バランス点を越えて、上方へ大きくオーバーランして
は、その反動で下方へ大きく押し戻される、ということ
を繰り返して、その圧力バランス点を中心にして大きく
振動する。
このスプール(29)の振動の振幅の初期値は、ストロー
ク調整用蓄圧室(36)の圧力の急上昇によるスプール
(29)の運動慣性力(駆動力)と、スプール(29)の上
昇に伴う開弁圧室(35)の圧力の上昇率(制動力)とに
より決まり、その運動慣性力が大きいほど、またその圧
力上昇率が小さいほど、スプール(29)の振幅の初期値
が大きくなる。
そして、このスプール(29)の振幅の減衰速度は、スプ
ール(29)の振動に伴う開弁圧室(35)およびストロー
ク調整用蓄圧室(36)の容積圧縮による圧縮上昇率(制
動力)により決まり、この圧力上昇率が小さいほどスプ
ール(29)の減衰速度が遅くなる。
○ 従来技術の問題点 上述の従来技術では、次の問題がある。
第4図中の燃料供給行程(B)から燃料圧入行程(C)
に亙る前記燃料供給開始後吐出開始前期間(z)内にお
いて、プランジャ(8)を実線図(8a)で示すように正
規の上死点位置(U1)に保持するように構成しているこ
とから、第1図の開弁圧室(35)と付勢力安定用蓄圧室
(41)(48)とを連通させる通路(38)と圧力伝達路
(46)との連通部分での通路断面積が充分広く開いてい
るため、スプール(29)の急上昇に伴う開弁圧室(35)
の圧縮時に、開弁圧室(35)内の上昇中の圧力が付勢力
安定用蓄圧室(41)(48)へ速やかに逃げ出すぶんだ
け、この開弁圧室(35)の圧力上昇率が小さくなる。
そのうえ、ストローク調整用蓄圧室(36)と上流側通路
(62)とを連通させるための入口通路部分(30)と上流
側通路部分(62)との連通部分でも通路断面積が充分広
く開いているため、スプール(29)の急速下降に伴うス
トローク調整用蓄圧室(36)の上昇中の圧力が上流側通
路(62)へ速やかに逃げ出す分だけ、このストローク調
整用蓄圧室(36)の圧力上昇率が小さくなる。
このように、開弁圧室(35)もストローク調整用蓄圧室
(36)も圧力上昇率(制動力)が小さくなることから、
上記スプール(29)の振動の減衰速度が遅くなり、この
スプール(29)が長い時間にわたって大きく振動し続け
る。そして、プランジャ(8)が下降駆動されて、第6
図(C)の無効吐出行程で、正規の量の無効吐出量
(V2)の燃料がポンプ室(9)からストローク調整用蓄
圧室(36)へ圧入され終えた時点に至っても、スプール
(29)がまだ大きく振動し続ける。このため、スプール
(29)が振動中に下方へ過剰移動している間、入口弁
(10)が余分に開く分だけ、無効吐出量(V2)が正規の
量よりも多くなって、その残りの有効吐出量(V3)が少
なくなり、エンジンの負荷に対して燃料噴射量が不足
し、エンジンがトルク不足を起こして回転低下する。
○ 発明の課題 本発明の課題は、第6図(B)の調量燃料量(V1)の燃
料のストローク調整用蓄圧室(36)への供給に伴うスプ
ール(29)の振動による燃料噴射量の不足を抑制して、
エンジンのトルク不足による回転低下を防止することに
ある。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、前述の前提構造において、上記課題を達成す
るために、例えば第1図および第4図に示すように、次
の特徴構造を追加したことを特徴とする。
すなわち、第4図に示すように、上記燃料供給行程
(B)中の燃料供給弁(57)の開弁開始時期(a)より
も後で、上記燃料圧入行程(C)中のプランジャ(8)
が上死点(U1)から下降し始める吐出駆動開始時期
(y)に至る前までの間の燃料供給開始後吐出開始前期
間(z)内で、燃料噴射カム(80)のカムリフト形状に
より、プランジャ(8)を破線図(8b)で示すように正
規の上死点位置(U1)よりもさらに上側の上死点上側位
置(UO)にまで過剰に移動させるように構成し、 このプランジャ(8)が上死点上側位置(UO)に過剰移
動した状態においては、 一方では、第1図に示す開弁圧室(35)と付勢力安定用
蓄圧室(41)(48)とを連通させる、プランジャ(8)
の通路(38)と燃料噴射ポンプ(6)のボディ(23)の
圧力伝達路(46)とのうち、その通路(38)の下縁(38
a)が圧力伝達路(46)の下縁(46a)よりも上側に偏倚
して、この通路(38)と圧力伝達路(46)との連通部分
での通路断面積を減少させ、 他方では、プランジャ(8)に形成した入口通路部分
(30)の下縁(30a)が、燃料噴射ポンプ(6)のボデ
ィ(23)に形成した上流側通路(62)の下縁(62a)よ
りも上側に偏倚して、この上流側通路(62)と入口通路
部分(30)との連通部分での通路断面積を減少させるよ
うに構成した、ことを特徴とする。
なお、前期上流側通路(62)と入口通路部分(30)との
接続部での通路断面積、および通路(38)と圧力伝達路
(46)との接続部での通路断面積を「減少させる」こと
には、これらの通路断面積を遮断することも含まれる。
〈発明の作用および効果〉 本発明は、前述の前提構造において、上述の特徴構造を
追加したことから、次の作用・効果(ニ)を奏する。
(ニ) スプール(29)の振動による燃料噴射量の不足
を防止する 第4図中の燃料供給行程(B)から燃料圧入行程(C)
に亙る前期燃料供給開始後吐出開始前期間(z)内にお
いて、プランジャ(8)を破線図(8b)で示すように正
規の上死点位置(U1)よりもさらに上側の上死点上側位
置(UO)にまで過剰に移動させるように構成して、開弁
圧室(35)と付勢力安定用蓄圧室(41)(48)とを連通
させる通路(38)と圧力伝達路(46)との連通部分での
通路断面積を減少させるように構成したことから、スプ
ール(29)の急上昇に伴う開弁圧室(35)の圧縮時に、
開弁圧室(35)内の上昇中の圧力が付勢力安定用蓄圧室
(41)(48)へ逃げ出しにくくなった分だけ、この開弁
圧室(35)の圧力上昇率が大きくなる。
そのうえ、ストローク調整用蓄圧室(36)と上流側通路
(62)とを連通させるための入口通路部分(30)と上流
側通路部分(62)との連通部分でも通路断面積を減少さ
せるように構成したことから、スプール(29)の下降に
伴うストローク調整用蓄圧室(36)の上昇中の圧力が上
流側通路(62)へ逃げ出しにくくなった分だけ、このス
トローク調整用蓄圧室(36)の圧力上昇率が大きくな
る。
このように、開弁圧室(35)もストローク調整用蓄圧室
(36)も圧力上昇率(制動力)が大きくなることから、
上記スプール(29)の振動が発生しにくくなるととも
に、もしスプール(29)が振動し始めたとしても、その
振動が短時間で減衰されることになる。
その結果、プランジャ(8)が下降駆動されて、第6図
(C)の無効吐出行程で、正規の量の無効吐出量(V2)
の燃料がポンプ室(9)からストローク調整用蓄圧室
(36)へ圧入され終えた時点では、スプール(29)の振
動が充分に防止されている。このため、「スプール(2
9)が振動中に下方へ過剰移動している間、入口弁(1
0)が余分に開く分だけ、無効吐出量(V2)が正規の量
よりも多くなって、その残りの有効吐出量(V3)が少な
くなる」ということが防止され、エンジンの負荷に対し
て燃料噴射量が不足することがなくなり、エンジンがト
ルク不足により回転低下するのを防止することができ
る。
〈実施例〉 以下、本発明の一実施例を第1図ないし第4図に基づい
て説明する。
第1図は圧送ポンプから燃料噴射ポンプへの燃料供給時
における本発明に係る蓄圧式燃料噴射装置用燃料噴射ポ
ンプの入口弁の縦断面図であり、第2図は初期状態にお
ける上記蓄圧式燃料噴射装置のユニットインジェクタの
縦断面図でしり、第3図は上記蓄圧式燃料噴射装置の等
価回路図であり、第4図は上記蓄圧式燃料噴射装置の要
部の動作タイミングを示すタイミング図である。
第3図に示すように、この蓄圧式燃料噴射装置は、燃料
タンク1と、メータリングユニットMと、ユニットイン
ジェクタUとを備えている。
メータリングユニットMには、燃料ポンプ2、調圧装置
3、調量装置4、圧送ポンプ5が組込んである。
上記ユニットインジェクタUには、エッジフィルタ27、
燃料噴射ポンプ6及び蓄圧式燃料噴射器7が組込んであ
る。
上記ディーゼルエンジン用蓄圧式燃料噴射装置は、更
に、蓄圧式燃料噴射器7の燃料噴射開始のタイミングと
噴射特性とを制御する噴射制御装置を備えており、この
噴射制御装置は、後述するようにメータリングユニット
MとユニットインジェクタUとにわたって設けられる。
蓄圧式燃料噴射器7に燃料を供給する燃料系は、燃料タ
ンク1から燃料ポンプ2で汲み出した燃料の圧力を調圧
装置3で例えばエンジン回転数に正比例して増減するよ
うに調圧し、調圧装置3で調圧された燃料の供給量を調
量装置4で例えばエンジンの負荷に正比例して増減する
ように調量してから圧送ポンプ5でエッジフィルタ27を
介して燃料噴射ポンプ6に圧送し、燃料噴射ポンプ6で
例えば700〜1200気圧の高圧に昇圧させて蓄圧式燃料噴
射器7に圧入するように構成されている。
第1図及び第2図に示すように、上記燃料噴射ポンプ6
は、ユニットインジェクタUのボディ23の上面(第2図
では右面)から凹設されたプランジャ挿入孔24に進退可
能に挿入されたプランジャ8と、プランジャ挿入孔24の
下部にプランジャ8によって区画されたポンプ室9と、
入口弁10とを備えている。
この入口弁10は、プランジャ8と独立して設けることも
可能であるが、ここではユニットインジェクタUの小型
化を図るためにプランジャ8に内蔵してある。即ち、プ
ランジャ8の内部には上端部と下端部とが僅かに拡径さ
れたほぼ円筒形の弁室28が形成され、この弁室28内にス
プール29が摺動可能に内嵌されている。このスプール29
は上端が閉じられた中空円筒形に形成され、この中空部
32はスプール29の周壁の中間高さの部分を貫通する入口
通路部分31と上記プランジャ8の周壁の中間高さの部分
を貫通する入口通路部分30とを介してボディ23に形成さ
れた上流側通路62に常時連通させてある。上記入口弁10
はスプール29の周壁の下半部に形成された入口弁孔33
と、プランジャ8の周壁の下半部に形成された出口孔
(以下、出口という)34とを備え、スプール29が上死点
よりも少し低い所定の高さよりも低く位置する時に入口
弁孔33が出口34に連通されて開弁し、スプール29がそれ
よりも上方に位置するときには入口弁孔33が出口34から
遮断されて閉弁されるように成っている。
弁室28内には、その上部に開弁圧室35が、下部にプラン
ジャストローク調整用の蓄圧室36がそれぞれスプール29
によってそれぞれ区画されている。そして、スプール29
は入口弁10の上流側に連通する中空部32及び蓄圧室36の
内圧P0によって閉弁方向に付勢され、開弁圧室35の内圧
P0′によって開弁方向に付勢されている。尚、この開弁
圧室35は、スプール29が上死点に位置するときに、スプ
ール29の周壁の上部に形成された連通孔37により中空部
32と連通され、また、スプール29が下死点に位置すると
きに、この連通孔37とプランジャ8の周壁の上部に形成
された通路38とを介して上記中空部32に連通されるよう
に成っている。
上記ユニットインジェクタUのボデイ23にはプランジャ
挿入孔24と平行に噴射管挿通孔25が形成してあり、この
噴射管挿通孔25に蓄圧式燃料噴射器7の噴射管26が内嵌
支持される。
この噴射管26内の下半部には、閉弁圧室12と、逆止弁室
39と、燃料蓄圧貯留室14の一部分(以下、第1燃料蓄圧
貯留室という)14aとが上下方向に同軸心状に並べて一
連に形成され、第1燃料蓄圧貯留室14aの下端部(第2
図では左端部)の周面に噴射弁15の弁座面40が形成され
ている。
この噴射弁15の弁柄42は第1燃料蓄圧貯留室14a、逆止
弁室39及び閉弁圧室12を貫通し、更に、その上端部を噴
射管26の上半部内に形成された閉弁バネ室41に突入させ
てある。
閉弁圧室12と第1燃料蓄圧噴射室14aとの間に介在する
逆止弁室39には、逆止弁13の弁体13aが摺動可能に内嵌
され、この弁体13aは、噴射弁15の弁型42の中間高さに
形成された拡径部からなる弁座13bに向かって閉弁バネ1
3cによって上昇付勢されている。従って、この逆止弁13
の弁体13aは閉弁圧室12の内圧(=ポンプ室9の内圧
P1)で開弁付勢され、第1燃料蓄圧噴射室14aの内圧P2
によって閉弁付勢され、燃料噴射ポンプ6により燃料が
圧入されて閉弁圧室12の内圧P1が第1燃料蓄圧噴射室14
aの内圧P2を上回るときにのみ開弁されることになる。
上記閉弁バネ室41の内部には上記弁柄42を介して噴射弁
15を閉弁方向に付勢する閉弁バネ43が挿入されている。
従って、上記噴射弁15は、閉弁バネ43の付勢力と閉弁圧
室12の内圧P1により閉弁方向に付勢され、第1燃料蓄圧
貯留室14aの内圧P2によって開弁方向に付勢され、燃料
噴射ポンプ6からの燃料供給が終了して逆止弁13が閉弁
された後、閉弁圧室12の内圧P1を減圧して上記の閉弁力
が上記の開弁力よりも小さくなると開弁されることにな
る。
上記開弁バネ室41の上端は閉弁バネ43の付勢力を設定す
るバネ受座44及び噴射弁15の最大開弁量を設定する開弁
制限具45により閉塞され、閉弁ばね室41の下端部は圧力
伝達路46及びプランジャ8に形成した通路38を介して入
口弁10の開弁圧室35に連通されている。また、噴射管26
の上端部には、バネ受座44及び開弁制限具45を覆うキャ
ップ47が螺着してあり、このキャップ47とバネ受座44及
び開弁制限具45との間に形成される空間48は、開弁制限
具45に通設された連通路49を介して閉弁バネ室41に連通
されている。このように構成することにより、キャップ
47とバネ受座44及び開弁制限具45との間に形成される空
間48は閉弁バネ室41とともに入口弁10の開弁圧室35の急
激な圧力変動を吸収する開弁圧安定用蓄圧室の役割を果
たすことになる。
燃料蓄圧貯留室14の残りの部分(以下、第2燃料蓄圧貯
留室という)14bは上記噴射管26の中間高さの部分とこ
れの周囲のボディ23の部分にわたって環状に形成され、
この第2燃料蓄圧貯留室14bは逆止弁50及び圧力設定弁5
1を介して第1燃料蓄圧噴射室14aに接続される。
この逆止弁50は第1燃料蓄圧噴射室14aの内圧P2が第2
燃料蓄圧貯留室14bの残圧(例えば、約700気圧)よりも
高圧になれば開弁して第1燃料蓄圧噴射室14aから第2
燃料蓄圧貯留室14bに燃料を流入させるとともに第2燃
料蓄圧貯留室14bから第1燃料蓄圧噴射室14aへの逆流を
阻止するように構成されている。また、上記圧力設定弁
51は第2燃料蓄圧貯留室14bの内圧P3が所定の残圧以外
に昇圧すれば開弁して第2燃料蓄圧貯留室14bと第1燃
料蓄圧噴射室14aとの間の燃料の流通を許容し、第2燃
料蓄圧貯留室14bの内圧P3が所定の残圧まで減圧される
と第2燃料蓄圧貯留室14bの内圧P3が所定の残圧を下回
らないように閉弁されるように成っている。
上記噴射制御装置は、第3図に示すように、ユニットイ
ンジェクタU内に組み込まれる着火用噴射開始指令弁21
及び着火燃料噴射用減圧室22と、メータリングユニット
Mに組み込まれた噴射開始指令手段18とを備えている。
着火用噴射開始指令弁21は、第1図及び第2図に示すよ
うに、燃料噴射ポンプ6の入口弁10と共通の弁室28及び
スプール29を有している。即ち、この着火用噴射開始指
令弁21は、上記プランジャ8の周壁の入口弁の出口34よ
りも下方でポンプ室9と弁室28とを連通させる噴射開始
用減圧通路52と、上記入口弁孔33よりも下方のスプール
29の周面部分に全周にわたって凹設された弁溝53とで構
成され、スプール29の上死点よりも低く、入口弁10が開
閉切り替えされるスプール29の位置を含む所定の範囲内
の高さにスプール29が位置するときに噴射開始用減圧通
路52と弁溝53とが連通されて開弁されるように成ってい
る。
上記着火燃料噴射用減圧室22は、噴射開始用減圧通路52
に対向するプランジャ8の周壁部分の外周面を凹入させ
ることによりプランジャ挿入穴24の内周面とプランジャ
8の外周面との間に形成され、噴射開始用減圧通路52に
対向するプランジャ8の周壁部分に貫通形成された減圧
通路54を介して弁室28に連通されている。そして、この
着火燃料噴射用減圧室22は噴射開始用減圧通路52と弁溝
53とが連通されるときに減圧通路54、弁溝53及び噴射開
始用減圧通路52を介してポンプ室9に連通されるように
成っている。また、この着火燃料噴射用減圧室22は、常
時、プランジャ8の周壁に形成した微小通路60及びスプ
ール29の周壁に形成した連通路61を介してスプール29の
中空部32に連通されるように成っている。
第3図に示すように、噴射開始指令手段18は、入口弁10
の上流側に順次接続されたタイミング設定弁19と減圧室
20とを備え、このタイミング設定弁19が図示しないクラ
ンク軸に連動して所定のクランク軸角で開弁されたとき
に減圧室20が入口弁10の上流側と連通されるように成っ
ている。尚、このタイミング設定弁19は、エンジン回転
数に対応して噴射開始タイミングを早めたり、遅らせた
りする進角制御弁19aと、その進角範囲内で進角制御弁1
9aと入口弁10とを接続させる主タイミング設定弁19bと
で構成されている。第3図に示すように、上記進角制御
弁19aは、液圧作動式のスプール弁から成り、弁箱71内
でスプール弁体72が、釣合いばね73で遅角側へ押し上げ
弾圧されるのに対し、液圧作動室74内の燃料の圧力で進
角側へ押し下げ加圧されて、この押し下げ加圧力とその
押し上げ弾圧力とが釣り合う位置にまで上下に調節移動
させられるように構成されている。
上記弁箱71の入り口側には上から順に、遅角側弁入口75
・中間時期弁入口76・および進角側弁入口77が開口し、
弁箱71の出口側には弁出口78が開口する。スプール弁体
72にスプール弁体通路79が横断状に形成される。このス
プール弁体通路79は、入り口側では上記遅角側弁入口75
・中間時期弁入口76・および進角側弁入口77に対しては
選択的に開通するのに対し、出口側では弁出78を介して
減圧室20に常時連通する。
上記液圧作動室74は、圧力連通路90を介して、前記調圧
装置3の出口側に連通している。エンジンの回転速度が
低速から中速をへて高速になることにより、調圧装置3
の出口側の燃料圧が低圧から中圧を経て高圧になり、ス
プール弁体72が液圧作動室74の作動圧で、上側の遅角側
位置から中間高さ位置を経て下側の進角側位置に移動し
て、スプール弁体通路79が遅角側弁入口75から中間時期
弁入口76を経て進角側弁入口77へと連通し換えていくよ
うに構成されている。
前記主タイミング設定弁19bは、回転弁から成り、弁箱8
8内で回転弁体89がエンジンのクランク軸に連動して右
回りに回転するように構成されている。
この弁箱88の入り口側には弁入口83が開口し、その出口
側には回転弁体89の回転方向の上手側から下手側へ向か
って順に進角側弁出口84・中間時期弁出口85・および遅
角側弁出口86が開口する。
エンジンのクランク軸の回転角が燃料噴射開始時期に至
ると、回転弁体89の回転弁体通路87は、その入り口側で
は弁入口83にしばらくの間連通し続けるのに対し、その
出口側では進角側弁出口84から中間時期弁出口85を経て
遅角側弁出口86へと順に連通し換えていくように構成さ
れている。
このようにして構成した噴射開始指令手段18は、エンジ
ンのクランク軸の回転角が燃料噴射開始時期に至ったと
きに、回転弁体89が開通して、前記閉弁圧室12の閉弁用
圧力P1を、入口弁10・主タイミング設定弁19b・および
進角制御弁19aを経て、減圧室20へ逃がすことにより、
蓄圧式燃料噴射器7の噴射弁15の閉弁用圧力P1を弱め
て、この噴射弁15を燃料蓄圧貯留室14内の燃料蓄圧力に
よる開弁用圧力P2で開弁させて、燃料蓄圧貯留室14内に
蓄圧された燃料を噴射口16から燃焼室へ噴射させ始め
る。
このように、回転弁体89が開通することにより、噴射弁
15を開弁させて、燃料噴射を開始させる場合において、
まず第1に、エンジンが高速回転しているときには、調
圧装置3の出口の燃料圧が高くなることにより、液圧作
動室74の圧力が高くなって、スプール弁体72を進角位置
に押し下げ、スプール弁体通路79を進角側弁体入口77に
開通させる。
このため、回転弁体89の回転角が、燃料噴射開始時期の
可変領域のうちでの早い時期、すなわち進角時期に達し
て、回転弁体通路87が進角側弁出口84に開通した時点
で、閉弁圧室12の閉弁用圧力P1が、回転弁体通路87・進
角側弁出口84・進角側弁入口77・およびスプール弁体通
路79を経て、減圧室20へ逃がされて減圧される。これに
より、燃料噴射時期が進角時期へと早められるのであ
る。
第2に、これとは逆に、エンジンが低速回転していると
きには、調圧装置3の出口の燃料圧が低くなることによ
り、液圧作動室74の圧力が低くなって、スプール弁体72
が釣合いばね73で遅角位置に押し上げられ、スプール弁
体通路79が遅角側弁入口75に連通する。
このため、回転弁体通路87は、まず進角側弁出口84に連
通した時点では、スプール弁体通路79に対して連通でき
ず、次に中間時期弁出口85に達した時点でも連通でき
ず、そして遅角側弁出口86に達した時点に至ってはじめ
て連通する。これにより、燃料噴射時期が遅角時期へと
遅らせられるのである。
そして第3に、エンジンが中速回転しているときには、
上記低速回転の場合と同様に作用する事により、燃料噴
射時期が中間時期に調節制御されるのである。また、上
記噴射開始指令手段18には、タイミング設定弁19と並列
に減圧室20と入口弁10とを接続する吐戻し通路55が設け
られ、この吐戻し通路55には一旦開通されたタイミング
設定弁19が遮断され、燃料噴射が終了した後の所定のタ
イミングに開弁される吐戻し弁56を介在させてある。
上記燃料供給系の圧送ポンプ5とエッジフィルタ27との
間には燃料供給弁57が介在させてあり、また、上記燃料
供給系の調圧装置3の出口とエッジフィルタ27との間に
は、調圧装置4、圧送ポンプ5及び燃料供給弁57と並列
に調圧装置3の出口をエッジフィルタ27の上流側に接続
する初期圧調整用圧力伝達路58が接続されている。この
初期圧調整用圧力伝達路58には燃料噴射が終了して燃料
噴射装置が初期状態に戻るときに開弁される開閉弁59が
介在させてある。
上記の燃料供給弁57、タイミング設定弁19、吐戻し弁56
及び開閉弁59は別個に設けてもよいが、これらの弁はそ
れぞれ所定のクランク軸で開閉されるので、クランク軸
に連動連結された共通の回転弁体を有する1個の複合タ
イミング制御弁として構成することが可能である。
以上、要するに、本発明の特徴とする構成は、次のとお
りである。
すなわち、第4図に示すように、上記燃料供給行程
(B)中の燃料供給弁(57)の開弁開始時期(a)より
も後で、上記燃料圧入行程(C)中のプランジャ(8)
が上死点(U1)から下降し始める吐出駆動開始時期
(y)に至る前までの間の燃料供給開始後吐出開始前期
間(z)内で、燃料噴射カム(80)のカムリフト形状に
より、プランジャ(8)を破線図(8b)で示すように正
規の上死点位置(U1)よりもさらに上側の上死点上側位
置(UO)にまで過剰に移動させるように構成し、 このプランジャ(8)が上死点上側位置(UO)に過剰移
動した状態においては、 一方では、第1図に示す開弁圧室(35)と付勢力安定用
蓄圧室(41)(48)とを連通させる、プランジャ(8)
の通路(38)と燃料噴射ポンプ(6)のボディ(23)の
圧力伝達路(46)とのうち、その通路(38)の下縁(38
a)が圧力伝達路(46)の下縁(46a)よりも上側に偏倚
して、この通路(38)と圧力伝達路(46)との連通部分
での通路断面積を減少させ、 他方では、プランジャ(8)に形成した入口通路部分
(30)の下縁(30a)が、燃料噴射ポンプ(6)のボデ
ィ(23)に形成した上流側通路(62)の下縁(62a)よ
りも上側に偏倚して、この上流側通路(62)と入口通路
部分(30)との連通部分での通路断面積を減少させるよ
うに構成した、ことを特徴とする。
次に、この燃料噴射装置の動作をユニットインジェクタ
U及び噴射制御装置の動作を中心にして説明する。
(A) 初期状態 初期状態では、燃料供給弁57、タイミング設定弁19、吐
戻し弁56及び開閉弁59は全て閉弁されており、第2図に
示すように、燃料噴射ポンプ6のプランジャ8は上死点
に位置し、スプール29は下死点に位置している。したが
って、入口弁10は開弁され、着火用噴射開始指令弁21は
閉弁されている。また、逆止弁13は閉弁バネ13cによっ
て閉弁され、噴射弁15は閉弁バネ43によって閉弁されて
いる。更に、燃料蓄圧貯留室14の逆止弁50及び圧力設定
弁51は共に閉弁されている。
また、初期状態では、入口弁10の中空部32に連通されて
いる開弁圧室35、閉弁バネ室41及びキャップ47内の空間
48の内圧P0′、蓄圧室36の内圧P0、着火燃料噴射用減圧
室22の内圧P4、ポンプ室9及び蓄圧式燃料噴射器7の閉
弁圧室12の内圧P1は等しく所定の初期圧になっている。
逆止弁13の下流側の第1燃料蓄圧貯留室14aの内圧P2は
噴射終了後の残圧(噴射弁15の閉弁時の内圧)に等し
く、第2燃料蓄圧貯留室14bの内圧P3は圧力設定弁51の
閉弁圧(例えば700気圧)に成っている。
(B) 燃料供給行程 (噴射ポンプ6への燃料供給) 燃料噴射ポンプ6への燃料の供給が開始される第4図a
時点(以下、単にa時点といい、これ以降の第4図に示
す各時点も同様にいう)に燃料供給弁57が閉弁状態から
開弁状態に切換られ圧送ポンプ5から燃料噴射ポンプ6
に調圧され、かつ、調量された燃料が圧送される。この
燃料は、まず、入口通路部分30,31及び中空部32を介し
て蓄圧室36に圧入され、スプール29を上死点側に移動さ
せる。
エンジン始動時、全負荷時あるいは過負荷時には最大噴
射量の燃料が圧送ポンプ5から圧送され、スプール29は
上死点に移動させられるが、部分負荷時にはスプール29
は下死点と上死点との中間の位置まで移動させられ、燃
料噴射ポンプ6への燃料の圧入が終了するb時点で燃料
供給弁57が閉弁される。
このb時点では、ポンプ室9の内圧P1、蓄圧室36の内圧
P0及び蓄圧室36の内圧P0と対抗している開弁圧室35の内
圧P0′は初期圧よりも高められているが、第1燃料噴射
蓄圧室14aの内圧P2よりは低圧であり、逆止弁13は開弁
されるに至らない。
注意すべきことは、この噴射ポンプ6への燃料供給に際
して、第4図に破線で示すように、プランジャ8が燃料
供給弁57の開弁後の所定のタイミングから蓄圧式燃料噴
射器7への吐出が始まるまで所定のタイミングにわたっ
て、正規の上死点よりも上側に上昇させられることであ
る。これにより、第1図に示すように、上流側通路62と
入口側通路部分30との接続流路断面積および通路38と圧
力伝達路46との接続流路断面積が減少され、開弁圧室35
と、中空部32及び蓄圧室との内圧のバネ定数が大きくな
り、スプール29の運動慣性にブレーキがかけられること
になる。従って、圧送ポンプ5からの燃料供給開始時に
燃料の供給圧で勢いよく動かされるスプール29が圧力バ
ランス点を中心として振動しても、この開弁圧室35と、
中空部32及び蓄圧室との内圧のバネ定数増加によるブレ
ーキ作用によってその振動が解消されることになる。
(C) 燃料圧入行程 (蓄圧式燃料噴射器7への燃料
圧入) 噴射ポンプ6への燃料供給が終了するb時点の後のc時
点からi時点にわたって図示しないカムによってプラン
ジャ8が上死点から押し下げられる。ポンプ室9の内圧
P1及び蓄圧室36の内圧P0はc時点から更に高められ、ス
プール29はさらに上昇させられてポンプ室9から蓄圧室
36に燃料が圧入され、やがてd時点でスプール29が上死
点の近くの所定の高さに上昇して入口弁10が閉弁される
ことになる。上述のように、噴射ポンプ6への燃料供給
に際して生じるスプール29の振動はこのd時点までに解
消されているので、常に、入口弁10はこのような振動を
考慮にいれない理想的なタイミングで閉弁されることに
なる。
このd時点以降は、プランジャ8が下死点に達するi時
点まではポンプ室9の内圧P1が更に高められ、ポンプ室
9内の燃料が蓄圧式燃料噴射器7に圧入されることにな
る。
ここで、a時点から入口弁10が閉弁されるd時点までの
間に拡大される蓄圧室36の容積を最大噴射量と等しくし
てあるので、c時点からd時点の間にポンプ室9から蓄
圧室36に圧入された燃料の量は最大噴射量とa時点から
b時点にわたって蓄圧室36に圧入された燃料供給量との
差に相当する。また、プランジャ8が上死点から下死点
に移動することにより縮小されるポンプ室9の容積も最
大噴射量と等しくしてあるので、d時点以後プランジャ
8が下死点に達するi時点までにポンプ室9から蓄圧式
燃料噴射器7に圧入される燃料の量は、最大噴射量とc
時点からe時点の間にポンプ室9から蓄圧室36に圧入さ
れた燃料の量との差、即ち、圧送ポンプ5からの燃料供
給量に相当する。
尚、a時点からd時点までの着火燃料噴射用減圧室22の
内圧は、d時点前には着火燃料噴射用減圧室22が微小通
路60、連通路61中空部32及び入口弁10を介してポンプ室
9に連通されているので、比較的緩慢に変化する蓄圧室
36及びポンプ室9の内圧P0,P1と同じように変化する。
d時点以降、ポンプ室9及び閉弁圧室12の内圧P1は急激
に上昇し、これが第1燃料蓄圧貯留室14aの内圧P2を上
回るe時点からプランジャ8が下死点に達するi時点に
わたって逆止弁13が開弁され、燃料が第1燃料蓄圧貯留
室14aに圧入される。また、ポンプ室9から第1燃料蓄
圧貯留室14aにわたる燃料の圧力P1(ここでは=P2)が
圧力設定弁51の設定圧を上回るh時点に、逆止弁50が開
弁されて第1燃料蓄圧貯留室14aから第2燃料蓄圧貯留
室14bに燃料が圧入される。
尚、上記着火用噴射開始指令弁21はd時点の前に開弁さ
れ、d時点で入口弁10が閉弁されてから、ポンプ室9の
内圧P1が高められるに連れてポンプ室9から着火用噴射
開始指令弁21、着火燃料噴射用減圧室22、微小通路60及
び連通路61を介してスプール29の中空部32及び蓄圧室36
にごく僅かの燃料がリークし、この燃料によって蓄圧室
36及び中空部32の内圧P0が僅かに高められ、スプール29
がd時点の位置よりも更に押上げられる。スプール29が
上死点に達する少し前のf時点で着火用噴射開始指令弁
21が閉弁されるが、この後は、着火燃料噴射用減圧室22
の内圧P4が中空部32及び蓄圧室36の内圧P0と同じになる
まで着火燃料噴射用減圧室22から微小通路60及び連通路
61を介してスプール29の中空部32及び蓄圧室36に燃料が
流入する。この流入によりスプール29は上死点まで押し
上げられる。
燃料噴射ポンプ6から燃料噴射器7への燃料の圧入はプ
ランジャ8が下死点に達するi点で終了され、各逆止弁
13,50は閉弁される。
(D) 着火用燃料噴射行程 この後の所定のj時点に噴射開始指令手段18のタイミン
グ設定弁19が開弁されて減圧室20が入口弁10の上流側に
連通される。これにより入口弁10の中空部32及び蓄圧室
36の内圧が減圧され、スプール29が上死点から下降し始
め、スプール29が上死点から僅か下の所定の位置まで下
降したk時点で着火用噴射開始指令弁21が開弁される。
尚、タイミング設定弁19の開弁から着火用噴射開始指令
弁21の開弁までの制御遅れ時間は、減圧室20の初期圧
(タイミング設定弁19の開弁前の内圧)が一定であれば
一定になる。この着火用噴射開始指令弁21の開弁によ
り、ポンプ室9及び閉弁圧室12の内圧P1が着火燃料噴射
用減圧室22に急激に圧抜きされ、第1燃料蓄圧貯留室14
aの内圧P2(この時点では=P3)からなる開弁力よりも
閉弁圧室12の内圧P1及び閉弁バネ43の付勢力からなる閉
弁力が弱くなるl時点に噴射弁15が開弁される。
ここで注目すべきことは、着火用噴射開始指令弁21と着
火燃料噴射用減圧室22を燃料噴射ポンプ6のプランジャ
8内に組込むことにより、蓄圧式燃料噴射器7の閉弁圧
室12に順次接続される着火用噴射開始指令弁21と着火燃
料噴射用減圧室22が蓄圧式燃料噴射器7の閉弁圧室12の
間近に配置され、閉弁圧室12から着火燃料噴射用減圧室
22までの距離ができるかぎり短くされていることであ
る。このように閉弁圧室12から着火燃料噴射用減圧室22
までの距離を短くすると、着火用噴射開始指令弁21から
着火燃料噴射用減圧室22に至る流路の抵抗が小さくな
り、着火用噴射開始指令弁21開弁後の閉弁圧室12の減圧
勾配を急にすることができる。その結果、制御感度を敏
感にでき噴射弁15の開弁開始時期のばらつきの範囲を小
さくして、噴射開始時期の制御精度を高めることができ
るのである。
ここでの圧抜きは比較的容積が小さい着火燃料噴射用減
圧室22への圧抜きであるために、閉弁圧室12の内圧P1の
圧抜きされる燃料の量は比較的少なく、従って噴射弁15
の開弁量も小さく抑えられ、燃料噴射率が小さく抑えら
れる。ポンプ室9及び閉弁圧室12の内圧P1と着火燃料噴
射用減圧室22の内圧P4が等しくなると、着火燃料噴射用
減圧室22と中空部32とが微小通路60及び連通路61により
連通されているので、これらの内圧P1(=P4)は徐々に
減圧される。これに対して、燃料噴射による第1燃料蓄
圧貯留室14aの内圧P2の減圧は閉弁圧室12の内圧P1の減
圧よりも急激であり、開弁力と閉弁力との差が最大とな
るm時点から噴射弁15開弁量が減少し、やがてn時点で
噴射弁15が一旦閉弁されて燃料噴射が中断される。n時
点で噴射弁15が閉弁されると、第1燃料蓄圧貯留室14a
の減圧が止まる一方、圧力設定弁51の連通により第2燃
料蓄圧貯留室14bからの燃料が流入する結果、第1燃料
蓄圧貯留室14aの内圧P2は再び昇圧して行く。
(E) 主燃料噴射行程 ところで、入口弁10の中空部32及び蓄圧室36の内圧P0の
減圧は、j時点以降減圧室20の内圧が蓄圧室の内圧P0と
等しくなるまで連続して行われ、スプール29はl時点か
らn時点にわたる燃料噴射とは殆ど関係無く下降させら
れる。そして、スプール29が上死点よりも低い所定の高
さまで下降したo時点で入口弁10が開弁され、ポンプ室
9及び閉弁圧室12が入口弁10及びタイミング設定弁19を
介して減圧室20に接続される。これにより、ポンプ室9
及び閉弁圧室12の内圧P1が急激に、しかも、大幅に減圧
されて、噴射弁15が急に、しかも、大きく開弁され、高
圧の燃料が一気に多量に噴射されることになる。
スプール29が下降を開始するj時点から着火用噴射開始
指令弁21が開弁されるk時点までの時間及びj時点から
入口弁10が開弁されるo時点までの時間は入口弁10から
減圧室20までの流路抵抗によって決定されるのでそれぞ
れ一定である。また、k時点から燃料噴射が開始される
l時点までの時間は閉弁圧室12から着火燃料噴射用減圧
室22までの流路抵抗によって決定されるので一定であ
る。従って、着火用噴射が開始するl時点から主噴射が
開始するo時点までの時間はエンジンの回転数と無関係
に一定になり、この時間を着火遅れ時間に等しく設定す
ることにより、着火用噴射により噴射された少量の燃料
を着火させ、ディーゼルノックの発生を防止してエンジ
ンの運転騒音を減少させるとともに、着火用噴射で噴射
された燃料が着火したところに主噴射により多量の燃料
を噴射させて大出力を得ることができるようになり、デ
ィーゼルノックの防止と高出力の確保との両立をうまく
図ることができる。
上記入口弁10が開弁した後、入口弁10の中空部32及び蓄
圧室36の内圧P0の減圧はさらに連続し、スプール29はo
時点以降も下降を続ける。そして、o時点から少し後の
p時点で着火用噴射開始指令弁21が閉弁される。o時点
以後、燃料の噴射圧は第1燃料蓄圧貯留室14aの内圧P2
と同じであり、次第に減圧される。そして、第2燃料蓄
圧室14bの内圧P3が圧力設定弁51の設定圧まで減圧され
たq時点で圧力設定弁51が閉じられ、このq時点以後の
第1燃料蓄圧貯留室14aの減圧が一層急激になる。燃料
噴射率が、o時点からq時点までは第2燃料蓄圧貯留室
14bから流出する高圧の燃料が噴射されるので上昇する
が、q時点以後は、第1燃料蓄圧貯留室14aの内圧P2の
減少が激しく、燃料噴射率は減少する。そして、噴射に
よって第1燃料蓄圧貯留室14aの内圧P2が減少して開弁
力が閉弁力と等しくなるr時点以後は、第1燃料蓄圧貯
留室14aの内圧P2が更に継続する噴射により減少し続け
るので、閉弁力が開弁力よりも強くなり、噴射弁15が閉
弁方向に移動する。そして、第1燃料蓄圧貯留室14aの
内圧P2が所定の残圧まで減圧されたs時点で噴射弁15が
閉弁されて燃料噴射が終わる。
尚、ポンプ室9の内圧P1は入口弁10が開弁されたo時点
以後急速に、かつ、大幅に減圧されて短時間の内に中空
部32の内圧P0と同じになる。又、着火燃料噴射用減圧室
22の内圧P4は、k時点では中空部32の内圧P0と同じであ
るが、k時点で着火用噴射開始指令弁21が開弁されると
非常に急激に立ち上がり、短時間の内にポンプ室9の内
圧P1と同じになる。そして、入口弁10がo時点で開弁す
るとポンプ室9の内圧P1とともに着火燃料噴射用減圧室
22の内圧P4は急激に立ち下がるが、スプール29が所定の
高さ以下になって着火用噴射開始指令弁21が閉弁される
p時点以降は、着火燃料噴射用減圧室22とポンプ室9と
の連通が遮断されるので、着火燃料噴射用減圧室22の内
圧P4は、これから微小通路60及連通路61を介して中空部
32に徐々に圧抜きされ、やがて着火燃料噴射用減圧室22
の内圧は中空部32およびポンプ室9の内圧P0,P1と同じ
になる。このとき、蓄圧室36には、最大噴射量にポンプ
室9から着火燃料噴射用減圧室22等を介して蓄圧室36に
リークしてきた燃料の量を加えた量から減圧室20に圧抜
きされた燃料の量を差し引いた量に相当する量の燃料が
残され、スプール29は下死点よりも高い位置に位置させ
られている。
(F) 初期状態への復帰行程 着火燃料噴射用減圧室22、中空部32及びポンプ室9の内
圧P0,P1,P4が同じになった後の所定のt時点から燃料噴
射ポンプ6のプランジャ8が上昇し始め、プランジャ8
の上昇に従って蓄圧室36からポンプ室9に燃料が吸入さ
れる。
しかし、上記のようにt時点に蓄圧室36に収容されてい
る燃料の量は最大噴射量にポンプ室9から着火燃料噴射
用減圧室22等を介して蓄圧室36にリークしてきた燃料の
量を加えた量から減圧室20に圧抜きされた燃料の量を差
し引いた量に相当する量であり、プランジャ8を上死点
まで上昇させるには不足している。そこで、プランジャ
8がカムのカムベースに達すべきv時点までに必要と思
われる時間、即ち、u時点からv時点にわたって吐戻し
弁56を開弁して減圧室20に圧抜きされた燃料を蓄圧室36
に吐き戻すことにより、プランジャ8を確実に上死点に
戻すようにしてある。また、このようにしてv時点でプ
ランジャ8を上死点に戻した場合、減圧室20からポンプ
室9までの間には、ポンプ室9から着火燃料噴射用減圧
室22等を介して蓄圧室36にリークしてきた量に相当する
燃料が過剰に閉じ込められていることになるので、これ
らの内圧はv時点では初期圧よりも高くなっている。そ
こで、v時点の後の所定のw時点からx時点にわたって
初期圧調整用開閉弁59を開弁することにより、入口弁10
の中空部32、ポンプ室9、蓄圧室36、開弁圧室35、閉弁
圧室12及び着火燃料噴射用減圧室22の内圧が初期圧まで
減圧される。
〈実施例2〉 第5図は本発明の他の実施例の要部の縦断面図である。
この実施例では、着火用噴射開始指令弁21がプランジャ
8内に組み込まれた二重スプール弁で構成されている。
即ち、スプール29の下端部に子スプール68を昇降可能に
内嵌し、この子スプール68には下端部で縮径された貫通
孔63と、この貫通孔63の大径部の周壁に互いに対向する
ように形成された弁孔64とが形成されている。また、こ
の貫通孔63の縮径部の周壁の外周面には着火用噴射開始
指令弁21の弁溝53が全周にわたって形成されている。こ
れに対して、スプール29の下端部の周壁には、子スプー
ル68が上死点まで上昇した時に弁溝53に連通する1対の
弁孔65,66が形成され、プランジャ8にはスプール29が
上死点から少し低い所定の範囲の高さに位置するときに
スプール29の各弁孔65,66にそれぞれ連通する噴射開始
用減圧通路52,54が形成されている。その他の構成は上
記の一実施例と同様に構成されているのでその説明は省
略する。
この実施令では、開弁開始指令手段18のタイミング設定
弁19を開弁させて中空部32の減圧が開始されると、貫通
孔63を通って蓄圧室36の燃料が減圧室20に吸い出され、
スプール29が下降するが、貫通孔63には縮径部があるの
で、蓄圧室36と中空部32との間に圧力差が生じてスプー
ル29の下降と同時に子スプール68が上昇させられる。そ
して、子スプール68が上死点に達するとプランジャ8の
噴射開始用減圧通路52,54、スプール29の65,66及び子ス
プール68の弁溝53が互いに連通して着火用噴射開始指令
弁21が開弁され、ポンプ室9が着火燃料噴射用減圧室22
と連通してポンプ室9及い閉弁圧室12の内圧が減圧され
ることになる。
その他の動作は上記の一実施例と同様であるのでその説
明は省略する。
【図面の簡単な説明】
第1図は圧送ポンプから燃料噴射ポンプへの燃料供給時
における本発明に係る蓄圧式燃料噴射装置用燃料噴射ポ
ンプの入口弁の縦断面図、第2図は初期状態における上
記蓄圧式燃料噴射装置のユニットインジェクタの縦断面
図、第3図は上記蓄圧式燃料噴射装置の等価回路図、第
4図は上記蓄圧式燃料噴射装置の要部の動作タイミング
を示すタイミング図、第5図は本発明の他の実施例の要
部の縦断面図、第6図(A)−(D)はプランジャ
(8)の作動順序を示す図である。 4……調量装置、5……圧送ポンプ、6……燃料噴射ポ
ンプ、7……蓄圧式燃料噴射装置、8……プランジャ、
9……ポンプ室、10……入口弁、23……ボディ、28……
弁室、29……スプール、30・31……入口通路部分、30a
……下縁、32……中空部、33……入口弁孔、34……出口
孔、35……開弁圧室、36……ストローク調整用蓄圧室、
37……連通路、38……通路、38a……下縁、41・48……
付勢力安定用蓄圧室、46……圧力伝達路、46a……下
縁、57……燃料供給弁、62……上流側通路、62a……下
縁、80……燃料噴射カム、84・85……通路、B……燃料
供給行程、C……燃料圧入行程、D1・D2……下死点、U1
・U2……上死点、UO……上死点上側位置、V2……ポンプ
室9内の燃料の一部、V3……燃料の残部、a……開弁開
始時期、y……吐出駆動開始時期、z……燃料供給開始
後吐出開始前期間。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼルエンジンの負荷に対応して燃料
    を調量装置(4)で調量し、この調量燃料を圧送ポンプ
    (5)で燃料供給弁(57)および入口弁(10)を経て燃
    料噴射ポンプ(6)に供給して、燃料噴射ポンプ(6)
    で蓄圧式燃料噴射装置(7)へ圧入するように構成し、 この燃料噴射ポンプ(6)にポンプ室(9)と、これに
    進退可能に挿入されたプランジャ(8)と、吐出時にポ
    ンプ室(9)から上流側への逆流を阻止する入口弁(1
    0)とを設け、 上記プランジャ(8)内に上記入口弁(10)の弁室(2
    8)を形成し、この弁室(28)に内蔵されたスプール(2
    9)によって、弁室(28)内の上部に開弁圧室(35)
    を、弁室(28)内の下部にストローク調整用蓄圧室(3
    6)をそれぞれ区画形成し、 上記スプール(29)を上端が閉じられた円筒形に形成す
    るとともに、このスプール(29)の中空部(32)を、ス
    プール(29)の周壁に形成した入口通路部分(31)及び
    プランジャ(8)の周壁に形成した入口通路部分(30)
    を介して、燃料噴射ポンプ(6)のボディ(23)に形成
    した上流側通路(62)に常時連通連結させ、 上記入口弁(10)は入口弁孔(33)と出口孔(34)とが
    相対摺動して開閉するように構成し、この入口弁孔(3
    3)は上記スプール(29)の周壁の下部に形成し、その
    出口孔(34)は上記プランジャ(8)の周壁の下部に形
    成し、入口弁孔(33)に対して出口孔(34)は、スプー
    ル(29)が上死点(U2)よりも僅かに低い所定の高さ以
    下に位置するときには連通するのに対し、スプール(2
    9)がそれよりも高い位置に位置するときには遮断する
    ように構成し、 上記スプール(29)が上死点(U2)に位置するときに中
    空部(32)と開弁圧室(35)とを連通させる連通路(3
    7)を、スプール(29)の周壁の上部に形成し、スプー
    ル(29)が下死点(D2)に位置するときに中空部(32)
    と開弁圧室(35)とを通路(84)(85)(38)を介して
    連通させ、このうちの通路(38)を上記プランジャ
    (8)の周壁に形成し、 上記開弁圧室(35)に上記通路(38)及びボディ(23)
    に形成した圧力伝達路(46)を介して付勢力安定用蓄圧
    室(41)(48)を接続し、 燃焼供給行程(B)では、スプール(29)が下死点
    (D2)に位置し、プランジャ(8)が上死点(U1)に位
    置する状態から、燃料供給弁(57)が開弁し、調圧装置
    (4)で調量された燃料が圧送ポンプ(5)で上流側通
    路(62)・入口通路部分(30)・中空部(32)を経てス
    トローク調整用蓄圧室(36)へ供給されて、スプール
    (29)を下死点(D2)から押し上げ、 燃料圧入行程(C)では、プランジャ(8)が燃料噴射
    カム(80)で上死点(U1)から下死点(D1)へ吐出駆動
    され、ポンプ室(9)内の燃料の一部(V2)が、その吐
    出駆動の前期で入口弁(10)を経てストローク調整用蓄
    圧室(36)に圧入されて、スプール(29)を押し上げ、
    入口弁(10)を閉弁させてから、ポンプ室(9)内の燃
    料の残部(V3)がその吐出駆動の後期で蓄圧式燃料噴射
    装置(7)へ圧入されるように構成した、 ディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射装置の燃料供給装
    置において、 上記燃料供給行程(B)中の燃料供給弁(57)の開弁開
    始時期(a)よりも後で、上記燃料圧入行程(C)中の
    プランジャ(8)が上死点(U1)から下降し始める吐出
    駆動開始時期(y)に至る前までの間の燃料供給開始後
    吐出開始前期間(z)内で、燃料噴射カム(80)のカム
    リフト形状により、プランジャ(8)を正規の上死点位
    置(U1)よりもさらに上側の上死点上側位置(UO)にま
    で過剰に移動させるように構成し、 このプランジャ(8)が上死点上側位置(UO)に過剰移
    動した状態においては、 一方では、開弁圧室(35)と付勢力安定用蓄圧室(41)
    (48)とを連通させる、プランジャ(8)の通路(38)
    と燃料噴射ポンプ(6)のボディ(23)の圧力伝達路
    (46)のうち、その通路(38)の下縁(38a)が圧力伝
    達路(46)の下縁(46a)よりも上側に偏倚して、この
    通路(38)と圧力伝達路(46)との連通部分での通路断
    面積を減少させ、 他方では、プランジャ(8)に形成した入口通路部分
    (30)の下縁(30a)が、燃料噴射ポンプ(6)のボデ
    ィ(23)に形成した上流側通路(62)の下縁(62a)よ
    りも上側に偏倚して、この上流側通路(62)と入口通路
    部分(30)との連通部分での通路断面積を減少させるよ
    うに構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの蓄圧式燃料噴射
    装置の燃料供給装置。
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