JPH07109285A - リムラステスト陽性植物lps、それらを含む免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤及び動物用鎮痛剤 - Google Patents

リムラステスト陽性植物lps、それらを含む免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤及び動物用鎮痛剤

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JPH07109285A
JPH07109285A JP3221307A JP22130791A JPH07109285A JP H07109285 A JPH07109285 A JP H07109285A JP 3221307 A JP3221307 A JP 3221307A JP 22130791 A JP22130791 A JP 22130791A JP H07109285 A JPH07109285 A JP H07109285A
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animal
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源一郎 杣
Atsushi Yoshimura
淳 吉村
Daisuke Tsukioka
大輔 月岡
Denichi Mizuno
伝一 水野
Haruyuki Oshima
治之 大島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い免疫機能活性化能、抗糖尿病効果、鎮痛
効果を有し、副作用が少なく、従って化学治療係数が高
く、長期使用が可能であり、生産コストが安く、しか
も、経口、経皮、注射での投与が可能な、大量に供給可
能な新規なリムラステスト陽性植物LPS、及びそれを
含む免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免
疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮痛剤を提
供する。 【構成】 次の物性を有するリムラステスト陽性植物L
PSを特徴とする。 分子量:5,000±2,000(SDS電気泳動法) ヘキソサミン数:4±1/分子 リン数:1〜2/分子 KDO数:1〜2/分子 脂肪酸数:4±1/分子

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リムラステスト陽性植
物LPS(脂質多糖体)に関する。より詳細には、本発
明は、リムラステスト陽性植物LPS及びその少なくと
も1種を含む免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、
動物用免疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮
痛剤等に関する。
【0002】
【従来の技術】リムラステスト陽性のLPSとしては大
腸菌LPS、百日咳菌LPS、サルモネラ菌LPS等の
菌界源LPSの存在は知られており、各種実験で利用さ
れているが、毒性が高いために、格別の用途は知られて
いない。そして、リムラステスト陽性植物LPSについ
てはその存在すら報告されていない。ここで「リムラス
テスト」とは、1968年にレヴィン(Levin)に
より創案された、カブトガニ血球抽出液と発色合成基質
を用いたエンドトキシン定量法である。
【0003】 生物には、生体の内部環境が外来性及
び内因性の異物によって攪乱されるのを防ぎ、生体の恒
常性を維持するための免疫機能が備わっている。従っ
て、免疫機能の低下は健康の悪化、各種疾病の発病、老
化促進の原因となり、その活性化は健康向上、各種疾病
の発病阻止、治癒、老化防止につながる。このため、免
疫機能を活性化させる物質の提供が要請されており、現
在、PSK[別名クレスチン(呉羽化学株式会社の登録
商標)]、レンチナン(味の素株式会社の登録商標)、
ベスタチン(日本化薬株式会社の登録商標)、ソニフィ
ラン(科研製薬株式会社の登録商標)、OK−432
[キャンサー ケモセラピーレポートゥ パートゥ 1
(Cancer Chemotherapy Rep−
orts Part1)、vol.58、No.1、1
0頁(1972)、別名ピシバニール(中外製薬株式会
社の登録商標)]等が知られている。
【0004】 糖尿病の治療方法としては、人間の場
合も家畜の場合も食事療法、運動療法、経口血糖降下
剤、インスリン注射療法が病状に応じて適宜組み合わさ
れて用いられている。いずれも体内のインスリン作用が
発揮され、全身の代謝異常が改善され、良好な状態が継
続されることを期待して適用されている。しかし、経口
血糖降下剤はインスリン依存性糖尿病には無効であり、
インスリン非依存性糖尿病で、食事療法と運動療法のみ
では血糖値が十分低下しない場合にのみ適用されてい
る。現在使用されている経口血糖降下剤にはスルホニル
尿素剤(SU)とビグアナイド剤(BG)の2種があ
り、SU剤が主流で、BG剤は補助的に使用されてい
る。
【0005】 鎮痛剤は麻薬系鎮痛剤と非麻薬系鎮痛
剤とに大別される。麻薬系鎮痛剤は、麻薬であることか
らして、投与に際しては最大限の注意が必要とされてい
る。(昭和56年に株式会社メヂカルフレンド社が発行
した「痛みの臨床」の70〜74頁) 一方、非麻薬系鎮痛剤の鎮痛作用は一般に麻薬系に比べ
て弱く、非習慣性であることが特徴であるが、長期使用
においては耐性、依存性がみられるなど、薬理学的には
麻薬系鎮痛剤と全く同様に取り扱われるべき薬剤である
と考えるべきとされている。(前掲「痛みの臨床」の7
4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 先ず、従来の免疫機能活性化剤のうちで、PSK、
レンチナン、ベスタチン、ソニフィランはTNF産生能
がないので、それらの免疫機能活性化能は低い。一方、
OK−432にはTNF産生能があるが、大量投与が必
要であることから、発熱、悪寒、血圧低下、血小板減少
等の副作用の発生が避けられず、従って化学療法係数が
小さい。更に、生産工程に、微生物培養と極めて煩雑な
分離、精製とが含まれるために生産コストが高いという
問題点もある。加えて、簡便な経口投与や経皮投与では
効果がないので、投与上の便宜に欠ける。なお、ここ
で、「TNF」とは、マクロファージにより産生される
腫瘍障害因子(TumorNecrosis Fact
or)の総称[ザ ジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー(The Journal of Bi
ol. Chem.、260、2345〜2354頁
(1985年)]であり、マクロファージの活性が高ま
るにつれてその産生量は増していく。「マクロファー
ジ」は、免疫担当細胞の一種であり、動物体内のほとん
ど全ての組織に分布し、粒子状の異物や体内の老廃細胞
などを捕食して消化する大型のアメーバ状細胞の総称で
ある。「化学療法係数」は、薬剤に対する宿主の最大耐
量と、病原菌に対する薬剤の最小有効濃度の比をいい、
この値が大きい程すぐれた化学療法剤とされる。
【0007】 次に、抗糖尿病剤としてのSU剤に
は、重篤かつ遷延性の低血糖症を惹起するという重大な
問題点があり、しかも、この低血糖症は過剰投与のみな
らず、不規則な食事、運動、肝臓障害、腎臓障害、他剤
との併用によっても引き起こされるので、使用が極めて
困難である。加えて、胃腸障害、肝機能障害、肝性ポル
フィリン症、過敏症状、血液疾患等の副作用がある[1
986年に廣川書店から発行された、日本公定書協会監
修の「第11改正日本薬局方解説書」のC−69〜C−
70頁]。又、犬の糖尿病にはほとんど無効であり、し
かも犬に対しては肝毒性が強い[1989年に養賢堂か
ら出版された吐山豊秋著「家畜薬理学」の248頁]。
BG剤はSU剤の効果が不十分な場合や、副作用のため
にSU剤が使用できない場合や、インスリン療法が不可
能な場合に限って使用されている薬剤である。これは、
BGが乳酸アシドーシスという重篤な合併症を引き起こ
すことがあるので、その使用に厳しい制限がつけられて
いることによる。[1986年に講談社から発行され
た、日本糖尿病学会編集の「糖尿病の臨床」の71〜1
31頁]。又、BG剤は人間のみに投与されている[前
掲の「家畜薬理学」の248頁]。
【0008】 更に、現在使用されている鎮痛剤には
前記の通り欠点があり、未だ満足すべきものは提供され
ていない。特に、慢性痛に対する鎮痛剤として、安全性
が高く、副作用がなく、安価で投与方法が簡便な薬剤の
開発が強く待たれている。
【0009】本発明は、前記各従来技術の諸欠点が解消
された、高い免疫機能活性化能、抗糖尿病効果、鎮痛効
果を有し、副作用が少なく、従って化学治療係数が高
く、長期使用が可能であり、経口、経皮、注射での投与
も可能であり、しかも、生産コストが安く、大量に供給
可能な新規なリムラステスト陽性植物LPS及びそれが
配合された免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動
物用免疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮痛
剤を提供することを技述的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記技述的課題は、高い
免疫機能活性化能、抗糖尿病効果、鎮痛効果を有し、副
作用が少なく、従って化学治療係数が高く、長期使用が
可能であり、経口、経皮、注射での投与も可能であり、
しかも、生産コストが安く、大量に供給可能な本発明の
リムラステスト陽性植物LPS、及び、本発明のリムラ
ステスト陽性植物LPSの少なくとも1種を含む免疫機
能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免疫機能活性
化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮痛剤によって達成で
きる。なお、ここで、「少なくとも1種を含む」とは、
本発明のリムラステスト陽性植物LPSは各別に使用で
きることはもちろん、その意図される用途が阻害されな
い限り、それらの2種以上を任意に組み合わせて、又、
更には他のいずれの物質とも組み合わせて使用できるこ
とを意味する。
【0011】また、本発明のリムラステスト陽性植物L
PSは、免疫機能検査薬、動物用免疫機能検査薬、医薬
部外品、化粧品、食品、機能性食品、飲料、飼料等にも
用いることができる。
【0012】本発明のリムラステスト陽性植物LPSと
は、次の物性により特定されるリムラステスト陽性植物
LPSである。 分子量:5,000±2,000(SDS電気泳動法) ヘキソサミン数:4±1/分子 リン数:1〜2/分子 KDO数:1〜2/分子 脂肪酸数:4±1/分子
【0013】本発明で使用できる原料植物は、リムラス
テストで陽性を示す成分を含むものならばいずれでもよ
い。採取源は、本明細書において名称をあげて特定され
たものに限定されることはない。又、その採取源の成
長、保存、流通の過程で付着、共存する細菌その他の全
てのものが含まれる。例えば、「小麦」と特定された場
合には、小麦そのもののみならず、小麦の成長、保存、
流通の過程で付着、共存する細菌その他の全てのものが
含まれるものと理解されたい。なぜならば、特に寄生植
物、寄生動物という関係が解明されているもの以外に
も、特定の植物、動物、菌界生物、地衣界生物に、それ
らにより付着、共存を許されたものが棲息している例が
多く存在し得ることは当業界で良く知られていることで
あるからである。
【0014】原料植物として使用できるものを下記に例
示する。なお、本明細書に記載した植物が帰属する科
名、属名は、次の文献の記載を照合して決定された。裸
子植物、単子葉類、双子葉類、シダ植物、ソウ類:昭和
57年(正編)、昭和58年(続編)に北隆館から発行
された「原色牧野植物大図鑑」の記載を照合して所属を
決定した。但し、「燕麦」は、昭和45年に女子栄養大
学出版部から発行された「食用植物図説」と、昭和58
年に至文堂から発行された「新日本植物誌顕花篇」の記
載を照合し、「裸麦」は、昭和46年に東京同文書院か
ら発行された「総合食品事典」の記載を照合し、「鳩
麦」、「カラスビシャク」、「ジャノヒゲ」、「ウコ
ン」、「マタタビ」、「アマチャヅル」、「ドクダ
ミ」、「胡椒」、「トウガラシ」、「ダイウイキョ
ウ」、「ダイダイ」、「クズ」、「ナンキンカンゾ
ウ」、「オタネニンジン」、「ボウフウ」、「オオツヅ
ラフジ」、「ウンカリア・ヒルスタ」は、昭和63年に
北隆館から発行された「原色牧野和漢薬草大図鑑」の記
載を照合し、「アボガド」は、昭和53年に財団法人農
林統計協会から発行された熱帯農業技術叢書第15号
「ブラジルの果実」の記載を照合し、「カイワレダイコ
ン」は、昭和59年に北隆館から発行された「原色園芸
植物大図鑑」の記載を照合し、「ニクズク」は、昭和4
4年に廣川書店から発行された「図説熱帯植物集成」の
記載を照合し、「クロレラ」は、財団法人日本健康食品
協会が昭和61年に公示した、「クロレラ規格基準」の
記載を照合して所属を決定した。 菌類:昭和62年に保育社から発行された「原色日本新
菌類図鑑」の記載を照合して所属を決定した。但し、酵
母は、昭和37年に技報堂から発行された「微生物学ハ
ンドブック」の記載を照合し、「冬虫夏草」は、前掲の
「原色牧野和漢薬草大図鑑」の記載を照合して所属を決
定した。本発明で使用できる原料植物は、例えば、裸子
植物、単子葉類、双子葉類、シダ植物、ソウ類、菌類の
植物であり、これらは個別に或は混合して使用できる。
裸子植物としては、例えば、マツ科マツ属植物であるマ
ツを使用できる。単子葉類植物としては、例えば、イネ
科イネ属植物であるイネ、イネ科コムギ属植物である小
麦、イネ科オオムギ属植物である大麦、裸麦、イネ科カ
ラス麦属植物である烏麦、燕麦、イネ科ササ属植物であ
るクサ笹、イネ科ジュズダマ属植物である鳩麦、アヤメ
科アヤメ属植物であるアヤメ、ユリ科ネギ属植物である
ニンニク、ユリ科キジカクシ属植物であるアスパラガ
ス、ユリ科ジャノヒゲ属植物であるジャノヒゲ、ショウ
ガ科ショウガ属植物であるミョウガ、ショウガ科ウコン
属植物であるウコン、サトイモ科ハンゲ属植物であるカ
ラスビシャクを使用できる。双子葉類植物としては、マ
メ科ダイズ属植物である大豆、マメ科インゲンマメ属植
物である小豆、マメ科ソラマメ属植物であるそら豆、マ
メ科クズ属植物であるクズ、マメ科カンゾウ属植物であ
るナンキンカンゾウ、ナス科ナス属植物であるジャガイ
モ、トウガラシ、ナス科トマト属植物であるトマト、ナ
ス科トウガラシ属植物であるトウガラシ、バラ科ビワ属
植物であるビワ、バラ科サクラ属植物であるモモ、クス
ノキ科アボガド属植物であるアボガド、クルミ科クルミ
属植物であるクルミ、ウリ科トウナス属植物であるカボ
チャ、ウリ科アマチャヅル属植物であるアマチャヅル、
アブラナ科ダイコン属植物であるカイワレダイコン、マ
タタビ科マタタビ属植物であるマタタビ、ドクダミ科ド
クダミ属植物であるドクダミ、コショウ科コショウ属植
物である胡淑、シキミ科シキミ属植物であるダイウイキ
ョウ、ニクズク科ニクズク属植物であるニクズク、ミカ
ン科ミカン属植物であるダイダイ、ウコギ科オタネニン
ジン属植物であるオタネニンジン、セリ科サポシュニコ
ビア属植物であるボウフウ、ツヅラフジ科オオツヅラフ
ジ属植物であるオオツヅラフジ、アカネ科カギカズラ属
植物であるウンカリア・ヒルスタを使用できる。シダ植
物としては、例えば、トクサ科トクサ属植物であるスギ
ナ、ゼンマイ科ゼンマイ属植物であるゼンマイを使用で
きる。ソウ類植物としては、例えば、カッソウ類、紅ソ
ウ類、緑ソウ類、ランソウ類を使用できる。カッソウ類
植物としては、例えば、コンブ科ワカメ属植物であるワ
カメ、コンブ科コンブ属植物であるコンブ、ホンダワラ
科ヒジキ属植物であるヒジキを使用できる。紅ソウ類植
物としては、例えば、ウシケノリ科アマノリ属植物であ
るアサクサノリを使用できる。緑ソウ類植物としては、
例えば、オオシスティス科クロレラ属植物であるクロレ
ラを使用できる。菌類植物としては、例えば、担子菌類
植物、子ノウ菌類植物を使用できる。担子菌類植物とし
ては、例えば、ヒラタケ科マツオウジ属植物である椎
茸、キシメジ科エノキタケ属植物であるエノキ茸、キシ
メジ科シメジ属植物であるシメジ、タコウキン科マイタ
ケ属植物であるマイ茸、サルノコシカケ科ポリポラス属
植物であるアワビ茸、ハラタケ科ハラタケ属植物である
マッシュルーム、キクラゲ科キクラゲ属植物であるキク
ラゲ、モエギタケ科スギタケ属植物であるナメコを使用
できる。子ノウ菌類植物としては、例えば、エンドミセ
タセア科サッカロミセス属植物であるパン酵母、醸造用
酵母を使用できる。醸造用酵母にはビール酵母、清酒酵
母、葡萄酒酵母、醤油酵母、味噌酵母等の他、サッカロ
ミセス セレヴィシドに属する多くの酵母(例えば、ウ
イスキーや老酒の製造に使用される酵母)が含まれる。
又、バッカクキン科ノムシタケ属植物である冬虫夏草も
使用できる。
【0015】以上に述べた原料植物中の本発明のリムラ
ステスト陽性植物LPSの検出、含量測定は、例えば、
生化学工業株式会社からエンドスペシーという名称で市
販されている試薬セットを使用して実施できる。即ち、
原料植物を同エンドスペシーと合わせて発色させ、その
発色の強さを、同じく同社の市販品であるトキシカラー
システムのEt−2セットを使用して作成した検量線と
対比させればよい。
【0016】又、本発明のリムラステスト陽性植物LP
Sは、以下に述べる方法で分離、精製できる。 (1)原料植物を必要に応じて適宜細切、乾燥、粉砕し
た後に蒸留水によく懸濁し、上清を回収する。例えば、
原料植物が穀類の種子である場合は、種皮をつけたま
ま、或は、種皮を除いた後に簡単に砕くか、又は、食用
に供せられている程度の粉末になるまで粉砕し、得られ
た粉末に水を加えて分散液とし、攪拌した後に沈降物を
静置又は遠心分離により除去するか、粉末に水を加えて
練って得られるドウをミキサー中でゆるやかに水洗し、
沈降物を除去すればよい。この抽出操作の際の種子の粒
度、水の温度、液性、添加量、攪拌の速度、時間遠心分
離の際の条件等は特に制限する必要はない。しかし、便
宜上、抽出水の温度は、穀類種子に含まれる澱粉の糊化
を招来しない50℃以下とすることが好ましい。又、水
の添加量は、穀類の種類、粒度により異なるが、穀類種
子の割合が70w/v%以下、望ましくは20〜50w
/v%程度とすると操作上便宜である。更に、攪拌の速
度は、起泡を引き起こさない程度のものとすることが好
ましい。 (2)所望ならば、夾雑物を除去して純度を上げるため
に、上記(1)で得られた上清を、約8,000〜2
0,000G、2時間での高速連続遠心分離にかけるこ
ともできる。 (3)高速連続遠心分離を経た、或は経ない上記(1)
からの上清を常法に従って限外ろ過で濃縮する。 (4)なお、限外ろ過で得られた濃縮液を、所望なら
ば、常法に従ってゲル濾過に付して処理することもでき
る。ゲル濾過用の担体としては、例えば、セファデック
ス(Sephadex)G−75、G−100、セファ
クリル(Sephacryl)S−200、セファロー
ス(Sepharose)6B[以上は米国ファルマシ
ア社(Pharmacia Inc.)製]、バイオゲ
ル(Biogel)P−100[バイオラッド(Bio
rad Inc.)社製]、トーヨーパールHW−5
0、HW−55(東洋曹達工業社製)等を使用できる。
緩衝液はpH3〜10のものならいずれでもよい。例え
ば、トリス−HCl又はリン酸緩衝液を使用できる。 (5)又、所望ならば、上記(1)、(3)或は(4)
の上清或は濃縮液に、或はそれらの希釈液に蛋白分解酵
素を加え、37℃で2時間以上インキュベーションして
残存蛋白質を分解し、得られた酵素処理液を常法に従っ
て限外ろ過により濃縮することもできる。なお、この際
に使用する蛋白分解酵素は特定なものである必要はな
く、例えば、V8プロテアーゼ、キモトリプシン、トリ
プシン、サーモライシンを単独で、或は任意に組み合わ
せて使用できる。市販品としては、例えば、プロナーゼ
E(科研化学社)、プロティネースK(メルク社)を使
用できる。 (6)更に、所望ならば、上記(5)で得られるリムラ
ステスト陽性画分を常法に従って、例えば、ファルマシ
ア社製のFPLCシステムでファルマシア社製のモノQ
−セファロース(Sepharose)、Q−セファロ
ース(Sepharose)を使用しての陰イオン交換
クロマトグラフィーに付して処理することもできる。 (7)又、所望ならば、常法に従って脱塩のためにゲル
濾過に付してもよい。以上の操作の組合せにより、例え
ば小麦種子の場合には、当初活性の約20%が回収さ
れ、純度約95%の精製標品が得られ、又、段階(1)
終了時の純度に比べ約30万倍の純度(小麦種子の場
合)に達することもできる。又、小麦の場合には、上記
(1)〜(3)の工程のみにより当初活性の約50%以
上が回収される。
【0017】後述の実施例中で詳述する通り、本発明の
リムラス陽性植物LPSの97%純度標品の分子量はお
よそ5,000±2,000(SDS電気泳動法)、ヘ
キソサミン数は4±1/分子、リン数は1〜2/分子、
KDO(2−ケト−3−デオキシオクトネート)数は1
〜2/分子、脂肪酸数は4±1/分子であった。
【0018】本発明のリムラステスト陽性植物LPSは
そのまま、或いは任意の程度に濃縮した形で提供でき
る。又、保存性を高めるために、凍結乾燥や噴霧乾燥な
どの任意の手段により乾燥粉末として提供することもで
きる。これらはいずれも常法によることができる。
【0019】本発明のリムラステスト陽性植物LPSは
免疫機能活性化能、抗糖尿病効果、鎮痛効果を有する。 本発明のリムラステスト陽性植物LPSの免疫機能
活性化能は、マクロファージ活性を通じての内因性TN
F産生促進能により確認できる。動物体内にTNFを産
生させるためには、産生前駆(プライミング)段階と産
生開始(トリガリング)段階とが必要であることは、カ
ーズウェル(Cars−well)らにより、プロシー
ディング オブ ナショナル アカデミー サイエンス
オブ ユーエスエー(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA.)72、3666〜3670頁
(1975年)に報告されている。プライミング段階開
始のために投与される薬剤が「プライマー」(内因性T
NF産生促進剤)であり、トリガリング段階開始のため
に投与される薬剤が「トリガー」(内因性TNF産生
剤)である。本発明のリムラステスト陽性植物LPS
は、既にその有用性が確立されているピシバニールと同
程度にプライマーとして機能する。TNF活性は、L−
929細胞[プロシーディング オブ ナショナル ア
カデミー サイエンス オブ ユーエスエー72、36
66〜3670頁]に対する細胞毒性を基にして、次の
ようにして測定する。L929細胞を、5%仔牛胎児血
清を加えたイーグルミニマムエッセンシャル培地(以
下、MEM培地と表す)で育成し、8×10個の細胞
が100μlの同上培地に含まれる様にし、96穴の平
底プレートで育種する。育種条件は37℃、2時間、5
%CO、100%HOであり、通常の細胞培養に用
いられる方法でよい。その後、アクチノマイシンDを培
地中に終濃度1μg/mlとなるように加え、培養液の
液量を150μlとする。即座に、検体を適当にMEM
培地で稀釈したものを50μl加える(この際稀釈率を
適宜調製し、ED50を求める事ができる)。更に、最
終液量200μlとなったL929細胞を上記条件で1
8時間培養する。細胞障害活性を測定するには、まず全
培地を除去し、ついで0.1%クリスタルバイオレット
を含む1%メチルアルコール溶液を加えて固定染色す
る。クリスタルバイオレットは全有核細胞を染色する
が、死細胞は染色後にプレート底面より水洗で除去され
るので、生存細胞の結果から細胞障害活性を直接測定で
きる。この染色度をOD(590nm)での吸光度を指
標として測定し、対照群に対する染色度と比較する事で
細胞障害活性を測定する。活性の定義は次の様に行う。
L929細胞が50%生存できる検体の稀釈率(N)を
求める。対照としてウサギTNS[腫瘍障害血清(Tu
mor Necrosis Serum)]を使用し、
このウサギTNSの活性n(単位/ml)を2.4×1
単位/mg/mlのTNF−αを用いて決定する。
このウサギTNSのED50を与える稀釈率(C)を求
める。検体活性(単位/ml)はN/C×nで計算す
る。
【0020】 本発明のリムラステスト陽性植物LP
Sの抗糖尿病効果は、I型糖尿病のモデル動物であるN
ODマウス(ソフトサイエンス社発行、京極方久編「難
病疾患のモデルと動物実験」140〜148頁、198
4年)に投与したときの抗糖尿効果により確認できる。
【0021】 本発明のリムラステスト陽性植物LP
Sの鎮痛効果は、非麻薬系鎮痛剤検定法の1つとして確
立されている「酢酸−ライズィング(Writhin
g)法」(1982年に医歯薬出版株式会社から発行さ
れた「炎症と抗炎症療法」の415頁)による動物実験
により確認できる。
【0022】本発明のリムラステスト陽性植物LPSを
含む免疫機能活性化剤等のいずれもが常法の製剤技術或
は動物薬製造の常法により、経口薬として、或いは静注
薬、筋注薬、経皮薬として単独で、或いは他薬との配合
物として、散剤、顆粒剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、カ
プセル剤、液剤、貼付剤、軟膏剤、リニメント剤、ロー
ション剤、坐剤、注射剤等の形態で提供できる。又、動
物用としては、更に、飼料添加剤、プレミックス製剤、
飲水添加剤として調製することもできる。飼料添加剤と
する場合には、粉剤か顆粒剤とすることが好ましい。
又、プレミックス製剤とは、飼料との混合を容易にする
ために澱粉などの飼料成分で希釈されたものを指す。本
発明のリムラステスト陽性植物LPSを含む飼料添加
剤、プレミックス製剤を添加できる飼料は市販されてい
る飼料のいずれでもよい。又、ミネラル、ビタミン、ア
ミノ酸等の飼料添加物を含む飼料であってもよい。これ
ら製剤には、所望ならば、保存性、均質性を保持するた
めに、常法に従って、賦形剤、保存剤、緩衝剤等の添加
剤を加えることもできる。更に、矯味剤、矯臭剤、着色
剤を含めることもできる。賦形剤としては、例えば、乳
糖、デンプンを使用できる。保存剤としては、例えば、
パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチ
ル、パラオキシ安息香酸プロピル等のパラオキシ安息香
酸エステル類、デヒドロ酢酸ナトリウム、フェノール、
メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン等
を使用できる。緩衝剤としては、例えば、クエン酸塩、
酢酸塩、リン酸塩等が使用できる。以下、実験例、実施
例により、本発明を更に詳細に説明する。
【0023】実験例1(リムラステスト陽性植物LPS
の定量) リムラステスト陽性植物LPSの定量を、生化学工業株
式会社より市販されているエンドスペシーとEt−2セ
ットを使って行なった。得られた結果の一部を表1に示
す。表中、LPS量は大腸菌LPS(ディフコ社製の大
腸菌0127:B8LPSを使用)換算量である(明細
書の他の記載においても同様とする)。又、表中の試料
の欄の会社名、地名等は、当該試料の入手先、産地をさ
す。かかる記載がない品はスーパーストアー忠実屋の神
奈川県津久井郡中野町店で購入した品で、製造者が不明
なものを指す。
【0024】表1
【表1】
【0025】
【実施例】 実施例1 (1)160リットル容ミキサーに硬質小麦粉(アメリ
カ又はカナダ産のハードレットスプリング)30kgと
80リットルの冷水(2〜4℃)を入れて30分間混合
した。 (2)次いで、4℃で遠心分離操作(5,000G×1
20分)に付して上清56リットルを回収した。 (3)この上清を更に9,000Gで2時間遠心分離操
作に付して、上清46リットルを回収した。この上清
を、実験例1に記載した方法に準拠してリムラステスト
に付したら1.0μg/mlのLPSが検出された。 (4)LPSは会合して見掛け分子量は50,000以
上になっていると推定されたので、上記上清を限外瀘過
に付して分子量50,000以下の成分を除去した。リ
ムラステストにより排液のLPS含量を調べたらわずか
5ng/mlであり、上記推定が正しいことが裏付けら
れた。 (5)得られた濃縮液17リットルを恒量になるまで凍
結乾燥して、乾燥粉末標品(以下、標品Aと称す)0.
62kgを得た。 リムラステストで調べたら、原料小麦粉30kgのLP
S含量は2.8μg/gであり、標品A(0.62k
g)のLPS含量は70μg/gであった。従って、こ
の段階でのLPSの回収率は51.7%と計算される。
【0026】(6)物性を測定するため、上記方法を繰
り返して標品Aを1,000g集め、以下の工程で更に
処理した。 標品A(1,000g)を20リットル容プラスチ
ック容器に入れ、10リットルの蒸留水を注いで100
mg/ml濃度とし、60分間スターラーで攪拌した
後、日立冷却高速遠心機SCR−20B(ローターRP
R9を事前に4℃に冷却しておいた)で4℃で遠心分離
操作(6,000G×10分)に付して上清を回収し
た。この上清を5リットル三角フラスコに入れ、氷冷下
(液温約2℃)、スターラーで攪拌しながら、事前に2
℃に冷却してあった100%TCA水溶液240mlを
滴下し、滴下終了後氷水中に10分間放置した。 次いで、前記と同様にして4℃で遠心分離操作
(6,000G×15分)に付して沈殿を回収し、氷水
中で冷却下、300mlの蒸留水と共に500ml容ビ
ーカーに入れて懸濁し、氷水中で冷却し、前記と同様に
して4℃で遠心分離操作(6,000g×15分)に付
して沈殿を回収した。 この沈殿を1リットル容ビーカーに入れ、蒸留水5
00mlで懸濁し、1N水酸化ナトリウム溶液約3.5
mlを使用して中和(pH7)し、ついで、氷水中で冷
却しながら、1N水酸化ナトリウム溶液約2mlを添加
して0.02N水酸化ナトリウム溶液になるようにして
沈殿を溶解した。 1N塩酸約1.5mlを加えてpH8とし、次いで
100mlの蒸留水を加えた後に1リットル容三角フラ
スコに移し、37℃のインキュベーター内で30分間ゆ
っくり振盪した。次いで、100%TCA水溶液30m
lを加えて混合した後、37℃のインキュベーター内で
10分間ゆっくり振盪してから、約37℃に保温した遠
心分離器トミーCD100R(トミー精器社製)を使用
して遠心分離操作(3,000G×10分)に付した。
上清を回収して氷冷し、4℃で遠心分離操作(10,0
00G×10分)に付した。上清を回収して10N水酸
化ナトリウム溶液約3.6mlで中和してpH7とし、
限外濾過器(東洋濾紙UHP−150、フィルター:U
K−10、N圧:4.0kg/cm)で濃縮した。 得られた濃縮液70mlを、セファロース(Sep
harose)6Bカラム[米国ファルマシア社(Ph
armacia Inc.)製、カラムサイズ:5cm
(内径)×90cm(2リットル)]を使い、ゲル濾過
[緩衝液:10mMトリス−HCl/10mMNaCl
(pH7.5)、流速:60ml/時]に付して、各2
0mlの画分を得た。 初めから30番目から55番目迄の画分280ml
を併せ、プロナーゼE(科研化学社)450μgを加
え、振盪下、37℃に2時間保温した後に、限外濾過器
(東洋濾紙UHP−62、フィルター:UK−10、N
圧:4.0kg/cm)で濃縮した。次いで、ファ
ルマシア社製FPLCシステム(カラム:モノQHR1
0/10)を使って陰イオン交換クロマトグラフィーに
付した。即ち、10mMトリス−HCl(pH7.5)
と10mMのNaClを含む緩衝液で試料をカラムに付
した後、上記緩衝液でNaCl量が165mMに増加さ
れた組成を持つ緩衝液(200ml)でカラムを洗っ
た。次いで、NaCl濃度を、165mMから1MのN
aCl濃度勾配になるように増加させながら全量400
mlで目的LPSを溶出させ、各2mlの画分を回収し
た。リムラステスト陽性が確認された、濃度勾配をかけ
てから5〜8番目の画分を併せて、LPS純度約92%
の8ml(LPS:5mg)を回収した。 次いで、その8mlを、セファデックス(Seph
adex)G−25[カラム:2.0cm(内径)×2
0.2cm(66ml)]を使ってゲル濾過(緩衝液:
水)に付して各3mlの画分を回収した。リムラステス
ト陽性の確認された第9〜12番目の画分を併せ、12
ml(LPS:3.5mg)を回収した。次いで、−8
0℃で凍結後に恒量になるまで凍結乾燥し、重量を測定
したら3.05mgあった。以下、この凍結乾燥標品を
標品Bと称する。 標品Bのリムラス活性を実験例1記載の方法で測定
したら3.7mgに相当するので、その比活性は、3.
7÷3.05=1.2 になる。又、夾雑物として存在
し得る単独の糖は、以上の精製により実質上全て除去さ
れたと考えられるので、検出される糖は全て、小麦LP
Sを構成する糖と考えられる。従って、この段階での小
麦LPSの純度を重量に基づいて計算すると、蛋白=
0.1mg、LPS=3.05−0.1=2.95mg
だから、2.95÷3.05×100=97(%)で
ある。なお、糖はフェノール−硫酸法で、蛋白はローリ
ー法で測定した。
【0027】(7)97%精製標品である標品Bの物性
は次の通りにして測定した。分子量 標品Bを蒸留水に溶解して2mg/ml溶液を調製し、
その10μlを1.5ml容プラスチックチューブに入
れた。これに、別途、180μlの10%(w/v)S
DS、45μlの5%β−メルカプトエタノール、90
μlのCBB色素溶液、112.5μlの0.5Mトリ
ス塩酸(pH6.8)及び22.5μlの蒸留水を加え
て調製したSDS処理液10μlを加えてよく混合し、
次いで5分間沸騰水浴中に浸した。この加熱後直ちに氷
水中に浸して急冷した。10mlの10%(w/v)S
DS、17.9gのトリシン及び3.03gのトリスを
1リットルの蒸留水に溶解して調製した泳動緩衝液をマ
リソル社製のスラブゲル電気泳動槽に入れた。20%ポ
リアクリルアミドゲルを泳動槽に固定し、サンプル溝に
検体を入れ、電圧を50vに1時間、次いで、150v
に固定して、色素がゲルより溶出するまで泳動を続け
た。泳動終了後に、バイオラッド社の銀染色キット16
1−0443を使い銀染色を室温で行って、挙動を確認
した。同時に泳動させた蛋白分子量マーカー[ファルマ
シア社製のLMWキットE:ホスホリラーゼb(94
k)、アルブミン(67k)、オブアルブミン(43
k)、カーボニックアンヒドラーゼ(30k)、トリプ
シンインヒビター(20k)、α−ラクトアルブミン
(14k)]、ペプチド分子量マーカー[ファルマシア
社製の1860−101分子量マーカー:ミオグロビン
(16.9k)、ミオグロビンI&II(14.4
k)、ミオグロビンI(8.2k)、ミオグロビンII
(6.0k)、ミオグロビンIV(2.5k)]の泳動
位置から本発明のLPSの分子量を計算したら、5,0
00±2,000であった。同様にして測定された大腸
菌LPS(ディフコ社製の大腸菌0127:B8LP
S)の分子量は30,000±20,000であった。
上記銀染色における本発明の植物LPS及び大腸菌LP
Sの染色帯を、図1に示す。図1において、番号1が大
腸菌LPSの、番号2が本発明の植物LPSの染色帯で
ある。
【0028】ヘキソサミン数 エルソン−モルガン(Elson−Morgan)法
(東京化学同人出版「生化学実験講座」No.4の37
7〜379頁)に準拠して次の通りに行った。上記精製
品を蒸留水に溶解して1mg/mlの溶液を調製し、そ
の100μlをスクリューキャップ付きスピッツ(イワ
キガラス社製)に入れ、これに100μlの8NHCl
を添加して110℃で16時間加熱した。4NNaOH
を約200μl添加してpH7とした。その100μl
を分取し、別のスクリューキャップ付きスピッツに入
れ、200μlの下記試薬Aを加えた後に、105℃で
1.5時間加熱し、次いで流水で冷却した。次いで、1
00μlを分取し、670μlの96%エタノールを加
え、更に、67μlの下記試薬Bを加えた後に室温で1
時間放置し、535nmで吸光度を測定した。検量線作
製用試料としては0.20〜200μg/mlのN−ア
セチル グルコサミン(和光純薬社製)を使用した。 (試薬A)75μlのアセチルアセトンと2.5mlの
1.25N炭酸ナトリウムを混合して調製 (試薬B)1.6gのp−ジメチルベンズアルデヒドと
30mlの濃塩酸と30mlの96%エタノールを混合
して調製 結果、本発明のLPSのヘキソサミン数は6±2/分子
(仮定分子量5,000)だった。同様にして測定され
た大腸菌LPS(ディフコ社製の大腸菌0127:B8
LPS)(仮定分子量30,000)の分子量5,00
0のヘキソサミン数は8だった。
【0029】リン数 チェン−トリバラ(Chen−Toribara)法
[チェン等著、「アナリティカル ケミストリ(Ana
lytical Chemistry)、vol.2
8、1756〜1758頁(1956年)に準拠して次
の通りに行った。上記精製品を蒸留水に溶解して、28
μgの上記精製品を含む20μlの溶液を調製し、小試
験管に入れた。20μlの50v/v%硫酸を添加し、
160℃で2時間加熱した。次いで、20μlの10v
/v%過塩素酸を添加した後にガスバーナーで1分間加
熱して灰化させた。その後に0.5mlの蒸留水、次い
で0.5mlの反応試薬(1mlの6N硫酸、2mlの
蒸留水、2mlの2.5v/w%モリブデン酸アンモニ
ウム及び1mlの10v/w%のアスコルビン酸を混合
して調製し、その0.5mlを使用)を添加して室温で
30分間放置した後に、820nmでの吸光度OD(8
20nm)を測定した。なお、検量線作製用の試料とし
ては、リン酸二水素カリウム(和光純薬社製)を蒸留水
で希釈し、リン重量としてそれぞれ2.5μg、1μ
g、0.25μg、0μgを含む0.5mlの溶液を調
製して使用した。なお、リン1gはリン酸二水素カリウ
ム4.39gに相当する。得られた結果を表2に示す。
なお、表中の標品Bのデータは、無機リンの混入(例え
ば、リン酸緩衝液に由来する)による誤差を避けるた
め、加熱処理をしていない対照のデータを減じた値であ
る。
【表2】
【0030】本発明のLPSの分子量を5,000と仮
定し、表2の結果に基づいてその1分子当たりのリン数
を次式により計算すると1〜2になった。リン数が1〜
2と変動している原因の1つとしては、精製段階でのモ
ノフォスフォエステラーゼの混入により、リン酸が脱離
したことも考えられる。
【数1】
【0031】同様にして求められた大腸菌LPS(分子
量は30,000と仮定)の分子量5,000換算のリ
ン数は2であった。
【0032】KDO数 KDO(2−ケト−3−デオキシオクトネート)数をジ
フェニルアミン法[シャビ アール(Shaby
R.)等著、アナリティカル バイオケム(Analy
tical Biochem.)、58(1)、123
〜129頁(1974年)]に準拠して次の通りに行っ
た。500mgのジフェニルアミン、5mlのエタノー
ル、45mlの氷酢酸、50mlの濃塩酸(全て和光純
薬社製)を合わせてKDO検出試薬を調製した。その5
00μlに、1.05mg/mlの上記精製品を含む蒸
留水250μlを合わせ、100℃の沸騰水浴中で30
分間加熱後に冷水(23℃)中で30分間冷却し、次い
で、日立分光光度計320を使って420、470、6
30、650nmでの紫外部吸収を測定した。測定値を
それぞれ、A(420)、A(470)、A(63
0)、A(650)とする。標準試料としては、127
μg/mlのKDOアンモニウム塩[米国シグマ(Si
gma)社製]を含む蒸留水250μlを使用した。検
体試料、標準試料それぞれについて、次式の値を求め
た。 S=A(420)−A(470)+A(630)−A
(650) 検体試料のS値は0.379、標準試料のS値は0.2
94であった。この値の比較により、上記精製品には1
〜2/分子のKDOが含まれると推定された。同様にし
て求められた大腸菌LPS(分子量は30,000と仮
定)の分子量5,000換算のKDO数は1であった。
【0033】脂肪酸数 90μlの上記精製品蒸留水溶液(1mg/ml)に1
0μlの内部標準(0.55mMのマルガリン酸)を加
えた。1.0mlの0.5Mナトリウムメチラートを加
えて脂肪酸エステルの加水分解とエステル化を行った。
室温で1時間放置後に960μlの0.5NHClを加
えて中和した。これに2mlのヘキサンを加えて15分
間激しく攪拌した。次いで、1,000gで5分間遠心
分離を行いヘキサン層を分取した。窒素ガスでヘキサン
を蒸発させて、約20μlになるまで濃縮した。このサ
ンプルをガスクロマトグラフィー[本体:島津社製のG
C8APF、キャピラリーカラム:カナダのスペルコ
(Spelco)社製FSCAP Sp2330、キャ
リヤーガス:窒素]に付して脂肪酸数を測定した。脂肪
酸数測定の基準としては、第一化学薬品社製の合成リピ
ドAである大腸菌型LA−15−PP(分子量2,00
0で、脂肪酸数/分子は6であることが知られている)
を用いた。結果、本発明のLPSの脂肪酸数は4±1/
分子(仮定分子量5,000)であると推定された。同
様にして推定された大腸菌LPS(ディフコ社製の大腸
菌0127:B8LPS)(仮定分子量30,000)
の分子量5,000換算の脂肪酸数は3だった。
【0034】実施例2〜5は、本発明の植物LPSを含
む製剤の処方例である。実施例2(錠剤) 植物LPS 0.04g 6%HPC乳糖 178g ステアリン酸タルク 8g バレイショデンプン 14g 以上を混和し、打錠して、0.1mgの植物LPSを含
む0.5gの錠剤400個を調製した。実施例3(内用液剤) 植物LPS 1mg 精製水 100ml実施例4(軟膏剤) 植物LPS 0.1g 精製ラノリン 80g黄色ワセリン 適量 1000g実施例5(注射剤) 植物LPS 0.5mg注射用蒸留水 適量 合計 1000ml
【0035】
【発明の効果】本発明により、高い免疫機能活性化能、
抗糖尿病効果、鎮痛効果を有し、副作用が少なく、従っ
て化学治療係数が高く、長期使用が可能であり、経口、
経皮、注射での投与も可能であり、しかも、生産コスト
が安く、大量に供給可能な新規なリムラステスト陽性植
物LPS、及び、当該LPSの少なくとも1種を含む免
疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免疫機能
活性化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮痛剤が提供され
る。本発明のリムラステスト陽性植物LPSは、原料が
人間その他の動物により常食されているものなので、人
間その他の動物への投与に当り憂慮すべき問題点が皆無
であり、そのまま、或いは任意の程度に濃縮した形で、
又、乾燥粉末として提供することができる。更に、本発
明のリムラステスト陽性植物LPSは、その免疫機能活
性能を指標にして人間その他の動物の免疫機能をチェッ
クするための免疫機能検査薬、動物用免疫機能検査薬と
して有効である。又、医薬部外品、化粧品、食品、機能
性食品、飲料、飼科等に配合すれば、その免疫機能活性
化能が発現される。例えば、本発明のリムラステスト陽
性植物LPSを配合した化粧品は皮膚の老化防止、新陳
代謝促進に役立つので、常に、又、末長く皮膚を新鮮に
保つのに役立つ。皮膚にはマクロファージが多いので、
皮膚塗布剤として投与するとより高い効果が得られる。
【0036】実験例2(内因性TNF産生促進能の測
定) 7週齢のオスC3H/He(平均体重23g)を実験動
物とした。A群(8匹)には蒸留水を自由に摂取させ
た。各マウスにゾンデで200μlの蒸留水を経口投与
し、その3時間後にOK−432(中外製薬社製)を1
KE[クリニッシュ アインハイト(Klinisch
e Einheit)系単位であり、1KEは0.1m
gの乾燥細菌を含む製剤量にあたる]を溶解した生理的
食塩水0.2mlを尾静脈より注射した。その2時間後
に大腿部動脈より採血し、常法により血清を採取した。
B群(4匹)にも蒸留水を自由に摂取させた。100μ
gの大腸菌LPSを含む蒸留水溶液200μlをゾンデ
で経口投与し、その3時間後に、A群と同様にOK−4
32を投与し、血清を採取した。C群(4匹)では、大
腸菌LPSの代わりに、実施例1で製造された標品A
(LPS量で100μg)を投与した以外は、B群と同
様に処理した。D群(4匹)では、10μg/mlの大
腸菌LPSを含む蒸留水を飲料水として3日間自由摂取
させ、次いで、B群と同様に、100μgの大腸菌LP
Sをゾンデで経口投与し、次いでOK−432を投与
し、血清を採取した。E群(4匹)では、実施例1で製
造された標品Aの水溶液(10μg/mlのLPSを含
む)を飲料水として3日間自由に摂取させ、次いで、C
群と同様に処理して血清を採取した。採取した各血清の
TNF産生促進能を、L929細胞に対する毒性に基づ
いて測定した。結果を各群の平均として表3に示す。図
2は表3に示した結果をグラフ化したものである。図2
において、A〜Dは、それぞれA群〜D群のデータを示
す。
【0037】
【表3】 表3及び図2から、本発明のリムラステスト陽性植物L
PSが大腸菌LPSと同程度の内因性TNF産生促進能
を示すことが明瞭である。
【0038】実験例3(抗糖尿病活性) 7週齢目に達したばかりの各群10匹のNODマウス
(ソフトサイエンス社発行、京極方久編「難病疾患のモ
デルと動物実験」、140〜148頁、1984年)を
実験動物として使用した。A群には、蒸留水を飲料水と
して自由に摂取させ、週に1回は注射用生理食塩水を静
脈投与した。これを13週齢に達するまで続けた。B群
には、蒸留水を飲料水として自由に摂取させ、週に1回
の割合で1μg(LPS量)/匹の本発明の植物LPS
(実施例1で製造された標品A)を注射用生理食塩水に
溶かして静脈投与した。13週齢に達するまで計7回投
与した。C群には、蒸留水を飲料水として自由に摂取さ
せ、週に3回の割合で1μg/mlのLPSを含む本発
明の植物LPS(実施例1で製造された標品A)の溶液
(50w/v%のグリセロール水溶液を溶媒として使
用)を腹部に指で100μl/回塗布した。この塗布は
17週齢に達するまで続けた。D群には、20ng/m
lのLPSを含む本発明の植物LPS(実施例1で製造
された標品A)を含む蒸留水を飲料水として13週齢に
達するまで自由に摂取させた。13週齢目から14週齢
末迄はその量を500ng/mlとし、15週齢目から
16週齢末迄はその量を3,000ng/mlとした。
各群とも、毎週1回、尿中の糖量をテステープ
(((株)塩野義製薬販売)を使用して検査した。結果
は、尿糖値が1ng/ml未満は陰性、1〜4ng/m
lは擬陽性、4ng/mlを越えたら陽性として評価し
た。尿糖陽性と評価されたマウスを糖尿病発症と認定し
た。結果を表4にそれぞれ糖尿病発症率(尿糖陽性匹数
/10×100)、生存率(生存匹数/10×100)
として示す。
【0039】
【表4】 図3、図4は表4に示した結果をグラフ化したものであ
る。図3、図4において、○はA群の、□はB群の、△
はC群の、◇はD群のデータを示す。
【0040】実験例4(鎮痛効果) 7週齢の各群6匹のC3H/He雄マウス(体重約23
g)に、LPS換算でそれぞれ0、1、10、100、
1000、10000μg/匹ずつの本発明の植物LP
S(実施例1で製造された標品A)或は大腸菌LPSを
含むように調製した200μlの蒸留水をゾンデで経口
投与した。その3時間後に0.5mlの1%酢酸を腹腔
内投与し、その後30分間にわたり、各マウスの身もだ
え回数(各群6匹の平均)を計数し、表5に示す結果が
得られた。表中、「−」は該当量では測定しなかったこ
とを示す。又、「身もだえ阻止率(%)」は、次式によ
り計算した。
【数2】
【0041】表5
【表5】 図5は表5に示した結果をグラフ化したものである。図
5より、本発明の植物LPSの身もだえ阻止率ED50
は25μg/匹、大腸菌LPSのそれは3600μg/
匹と推定される。従って、本発明の植物LPSは大腸菌
LPSの約150倍の鎮痛効果があると推定される。
【0042】投与量、投与間隔、毒性値 本発明のリムラステスト陽性植物LPSを免疫機能活性
化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤材として、或いは、動物用免
疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤、動物用鎮痛剤とし
て投与するさいの量、投与間隔は、当然、担当医師或い
は獣医師により、患者の年齢、症状、投与効果等を勘案
して個別に決定されるが、人間の成人(60kg)で、
経口投与で1μg〜100mg、静脈投与で10ng〜
1mg、経皮投与で100ng〜1mgが1日1回の投
与量の一応の目安となる。なお、動物では、牛、馬等の
大型動物は上記の量の60分の1を体重1kg当たりの
量の目安とし、豚、犬、猫等の中型、小型の動物ではそ
の2倍量を体重1kg当たりの量の目安とし、鶏等の鳥
類では更にその2倍量を体重1kg当たりの量の目安と
し投与できる。本発明のリムラステスト陽性植物LPS
(純度97%である実施例1で製造された標品B)は、
6週齢のマウス(BALB/C、オス、体重19〜23
g)3匹に2mg/kgを投与しても、経口、経皮、静
注いずれの経路でも、48時間観察したが死亡例はなか
った。本発明のリムラステスト陽性植物LPSは安全性
が極めて高いと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリムラステスト陽性植物LPS及び大
腸菌LPSの銀染色における染色帯を示す。
【図2】本発明のリムラステスト陽性植物LPSを含
め、各種検体の内因性TNF産生促進能を示すTNF活
性データのグラフである。
【図3】本発明のリムラステスト陽性植物LPSの抗糖
尿病効果を示す、糖尿病発症率を示すグラフである。
【図4】本発明のリムラステスト陽性植物LPSの抗糖
尿病効果を示す、生存率を示すグラフである。
【図5】従来の大腸菌LPS及び本発明のリムラステス
ト陽性植物LPSの鎮痛効果を示す、身もだえ阻止率を
示すグラフである。
【符号の説明】
図1において、1は大腸菌LPS、2は本発明のリムラ
ステスト陽性植物LPSの染色帯を示す。図2におい
て、Aは、蒸留水投与群のデータを示す。Bは、蒸留水
−大腸菌LPS投与群のデータを示す。Cは、蒸留水−
本発明のリムラステスト陽性植物LPS投与群のデータ
を示す。Dは、大腸菌LPS含有蒸留水−大腸菌LPS
投与群のデータを示す。Eは、本発明の植物LPS含有
蒸留水−本発明のリムラステスト陽性植物LPS投与群
のデータを示す。図3、図4において、○は、生理的食
塩水投与群のデータを示す。□は、本発明のリムラステ
スト陽性植物LPS静注投与群のデータを示す。△は、
本発明のリムラステスト陽性植物LPS塗布群のデータ
を示す。◇は、本発明のリムラステスト陽性植物LPS
経口自由摂取群のデータを示す。図5において、●は大
腸菌LPS、○は本発明のリムラステスト陽性植物LP
Sのデータを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/715 ABD C08B 37/00 Q 7433−4C (72)発明者 月岡 大輔 千葉県千葉市春日1−21−17 (72)発明者 水野 伝一 神奈川県鎌倉市岡本18 (72)発明者 大島 治之 東京都八王子市館町1097館ケ丘団地2−1 −513

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の物性を有するリムラステスト陽性植
    物LPS。 分子量:5,000±2,000(SDS電気泳動法) ヘキソサミン数:4±1/分子 リン数:1〜2/分子 KDO数:1〜2/分子 脂肪酸数:4±1/分子
  2. 【請求項2】 植物が小麦、大麦、豆、ぬか及びそれら
    の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、
    請求項1のリムラステスト陽性植物LPS。
  3. 【請求項3】 請求項1のリムラステスト陽性植物LP
    Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする免疫機能活
    性化剤。
  4. 【請求項4】 免疫機能促進剤が内因性TNF産生促進
    能であることを特徴とする、請求項3の免疫機能活性化
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1のリムラステスト陽性植物LP
    Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする抗糖尿病
    剤。
  6. 【請求項6】 請求項1のリムラステスト陽性植物LP
    Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする鎮痛剤。
  7. 【請求項7】 請求項1のリムラステスト陽性植物LP
    Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする動物用免疫
    機能活性化剤。
  8. 【請求項8】 免疫機能促進剤が内因性TNF産生促進
    能であることを特徴とする、請求項7の動物用免疫機能
    活性化剤。
  9. 【請求項9】 請求項1のリムラステスト陽性植物LP
    Sの少なくとも1種を含むことを特徴とする動物用抗糖
    尿病剤。
  10. 【請求項10】 請求項1のリムラステスト陽性植物L
    PSの少なくとも1種を含むことを特徴とする動物用鎮
    痛剤。
JP3221307A 1991-05-24 1991-05-24 リムラステスト陽性植物lps、それらを含む免疫機能活性化剤、抗糖尿病剤、鎮痛剤、動物用免疫機能活性化剤、動物用抗糖尿病剤及び動物用鎮痛剤 Pending JPH07109285A (ja)

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