JPH07109406B2 - メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置 - Google Patents

メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置

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JPH07109406B2 JP1079964A JP7996489A JPH07109406B2 JP H07109406 B2 JPH07109406 B2 JP H07109406B2 JP 1079964 A JP1079964 A JP 1079964A JP 7996489 A JP7996489 A JP 7996489A JP H07109406 B2 JPH07109406 B2 JP H07109406B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜
組成をオンラインで測定するメッキ鋼板のメッキ付着量
およびメッキ被膜組成の測定方法およびその測定装置に
係わり、特にメッキ被膜が下地金属と同じ成分を含む場
合の分析に有効なメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッ
キ被膜組成の測定方法およびその測定装置に関する。
〔従来の技術〕
この種のメッキ鋼板のメッキ付着量やメッキ被膜組成を
測定する場合、蛍光X線分析法が用いられている。この
蛍光X線分析法はZnメッキ鋼板やZn−Niメッキ鋼板の如
くメッキ被膜が下地金属を含まないものについてはオン
ラインでメッキ付着量やメッキ被膜組成を測定すること
が可能である。
しかし、近年,Zn−Fe合金メッキ鋼板が耐食性,加工性
等で優れた特性を有することが注目されてきているが、
蛍光X線分析法ではメッキ被膜中のFeによる蛍光X線と
下地のFeによる蛍光X線との区別がつけ難く、ひいては
蛍光X線強度とメッキ付着量,メッキ被膜組成との関係
を対応づけることが困難であり、オンラインで分析する
ことが難しい。
そこで、従来,以上のような不具合を解決する方法とし
て、次の2つの分析法が提案されている。
その1つは、Zn−Fe合金メッキ鋼板上に多数の波長をも
った,いわゆる白色X線を照射した後、そのメッキ鋼板
の下地金属からの蛍光X線がX線侵入深さの点から実質
的に検出されない第1の測定角と、下地金属からの蛍光
X線が検出できる第2の測定角とにおいてそれぞれk系
列の蛍光X線の強度を測定し、この両測定値に基づいて
メッキ付着量およびメッキ被膜組成を求めるオンライン
分析法である(特開昭58−223047号公報)。
他の1つは、Zn−Fe合金メッキ鋼板において、被膜によ
る吸収を利用して下地のα−Feの回折X線からメッキ付
着量を求め、さらにメッキ被膜中のZn−Fe合金相および
η相から選ばれた1つ以上の相の回折X線強度からメッ
キ被膜組成を求める方法である(特開昭60−169553号公
報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、以上のように2つの測定角を用いた蛍光X線分
析法は、入射X線として白色X線を用いているために次
のような問題が指摘されている。
先ず、前者の蛍光X線分析法では、 −1 白色X線中の高エネルギーのX線は、メッキ被
膜中での減衰が小さいために侵入深さが大きいといった
性質を有しており、そのため下地金属からの蛍光X線が
検出されない第1の測定角は5゜以内と非常に小さくす
る必要があるので、鋼板面の上下動,つまりバタツキに
よる測定距離の変動および測定角の変動の影響を受けや
すい問題がある。
−2 また、メッキ付着量及びメッキ被膜組成は、メ
ッキ鋼板に実際にX線を入射して得られる実測強度と予
め周知の理論強度計算式に与えて得られる理論強度とを
比較演算して求めることが考えられるが、理論強度の計
算の際,X線管の経時変化などによる入射X線のスペクト
ル変動の影響を受けるので測定精度が低下する問題があ
る。
−3 また、分析値を求めるに際して測定された実測
蛍光X線強度と、周知の理論強度計算式から計算される
理論蛍光X線強度との比較演算により分析値を求める場
合、理論強度の計算において波長積分が必要なために計
算時間が長くなり、ひいては測定時間の増加は否めな
い。
−4 さらに、前記−3で指摘した問題を回避する
ために、校正曲線を用いる方法があるが、この方法はマ
トリクス効果を考慮したモデルの作成に20〜30種類の標
準試料が必要となり、非常に煩雑な分析法とならざるを
得ない。
一方、後者の回折X線による分析法では、 −1 下地のα−Feの回折X線強度は、メッキ付着量
だけでなく、鋼板の鋼種や板厚,メッキ鋼板の製造条件
等により異なる集合組織やメッキ被膜組成に依存し、測
定精度の面で問題がある。
−2 一方、合金相の回折X線強度はメッキ条件によ
り異なり、また溶融メッキ材と電気メッキ材では合金の
構造や組成が異なり、この場合にも同様に十分な測定精
度が得られない。
本発明は以上のような問題を解決するためになされたも
ので、メッキ鋼板表面の変動の影響を低減化でき、か
つ、分析精度の向上および分析時間の短縮化が図れ、少
ない標準試料を用いて確実にメッキ付着量およびメッキ
被膜組成を取得しうるメッキ鋼板のメッキ付着量および
メッキ被膜組成の測定方法を提供することを目的とす
る。
また、他の発明であるメッキ鋼板のメッキ付着量および
メッキ被膜組成の測定装置の目的とするところは、簡単
な構成を用いてオンラインでメッキ付着量およびメッキ
被膜組成を精度良く測定することにある。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明方法は上記課題を解決するために、メッキ鋼板に
所定の入射角で単色のX線を入射した場合に得られる,2
種類の所定の測定角での分析目的元素のk系列の2次以
上の励起効果も考慮した一般的な蛍光X線強度(以下単
に、蛍光X線強度という)又は強度比の理論計算式のほ
か、メッキ付着量およびメッキ被膜組成を既知とする標
準試料を用いて前記理論計算式を求めたと同じ条件で蛍
光X線強度又は強度比を実測し、この実測値と前記理論
計算式とに基づいて実測値を理論計算値に換算するため
の変換係数を予め求めておく。
以上のようにして理論計算式および変換係数を求めた
後、メッキ付着量およびメッキ被膜組成を未知とする被
測定メッキ鋼板に対し、前記理論計算式を求めたのと同
じ測定条件を用いて当該被測定メッキ鋼板から得られる
蛍光X線強度又は強度比を測定し、その後、この蛍光X
線強度又は強度比を変換係数を用いて理論強度又は強度
比に変換する。そして、前記理論計算式より得られる理
論強度又は強度比を、前記変換された理論強度又は強度
比に最も近づける、理論計算式中のパラメーターである
メッキ付着量およびメッキ被膜組成をもって前記被測定
メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成とする
ものである。
また、他の発明方法においては、予めメッキ鋼板に所定
の入射角で単色のX線を入射した場合に得られる、2種
類の所定の測定角での分析目的元素のk系列の蛍光X線
強度又は強度比の検量線をメッキ付着量およびメッキ被
膜組成をパラメータとして求めておき、しかる後、メッ
キ付着量およびメッキ被膜組成を未知とする被測定メッ
キ鋼板に対し、前記検量線を求めたのと同じ測定条件で
当該被測定メッキ鋼板から得られる蛍光X線強度又は強
度比を測定する。さらに、検量線より得られる蛍光X線
強度又は強度比を、前記測定された蛍光X線強度又は強
度比に最も近づける、検量線中のパラメータであるメッ
キ付着量およびメッキ被膜組成をもって前記被測定鋼板
のメッキ付着量およびメッキ被膜組成とするものであ
る。
本発明装置においては、X線を発生するX線発生部と、
このX線発生部から発生するX線を単色化するモノクロ
メータと、X線のパスラインを決めメッキ鋼板に所定の
入射角で投射し所定の受光角で受光するスリット系と、
メッキ鋼板から発生する分析目的元素のk系列蛍光X線
強度を異なる角度で測定する2個の検出器と、これらの
測定系で得られるべき2次以上の励起効果も考慮した一
般的な理論強度(以下単に、理論強度という)又は強度
比の理論計算式を記憶する手段と、実際に測定された蛍
光X線強度又は強度比を理論強度又は強度比に変換する
手段と、この変換された理論強度又は強度比と理論計算
式より得られる理論強度又は強度比の差を最小にするメ
ッキ付着量およびメッキ被膜組成を求める手段とを備え
たものである。
従って、このような手段を講じたことにより、X線発生
部から発生されたX線をスリットを通してモノクロメー
タで単色化し所定の入射角で被測定メッキ鋼板へ入射
し、これによって被測定メッキ鋼板から発生する分析目
的元素のk系列蛍光X線強度を2個の検出器を用いて異
なる所定の受光角で検出する。
そして、この2個の検出器で測定した蛍光X線強度又は
強度比を理論強度又は強度比に変換し、またメッキ付着
量およびメッキ被膜組成を可変パラメータとして理論計
算式により理論強度又は強度比を計算し、この計算値が
前記変換値に最も近づくパラメータから被測定メッキ鋼
板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を得るものであ
る。
また、他の本発明装置においては、X線発生部、モノク
ロメータ、スリット系および2個の検出器等からなる測
定系のほか、これらの測定系で得られるべき理論強度又
は強度比の検量線を記憶する記憶手段と、実際に測定さ
れる蛍光X線強度又は強度比と検量線より得られる蛍光
X線強度又は強度比の差を最小にするメッキ付着量およ
びメッキ被膜組成を求める手段とを備えたものである。
この装置では、理論計算式に代えて検量線を用いて上記
とほぼ同一の信号処理手段により、被測定メッキ鋼板の
メッキ付着量およびメッキ被膜組成を測定する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明するに先立ち、オンライン
測定に適したものとするため、次のような条件を満たす
測定系で構成するものとする。
(イ) 入射X線は市販のX線管を用いて十分な蛍光X
線強度が得られること。
(ロ) X線入射角,蛍光X線取出角等の測定角はオン
ラインで実現可能な測定角,つまり5゜以上とするこ
と。
また、メッキ鋼板から発生する蛍光X線の強度は放射線
検出器で測定するが、望ましくは半導体検出器を用いて
測定する。
以下、Zn−Fe合金メッキ鋼板のメッキ付着量およびメッ
キ被覆組成(Fe%)を測定する方法の実施例について説
明する。
すなわち、この測定方法は、第1図および第2図に示す
如く、先ず、メッキ鋼板に対して単色化処理した波長λ
1のX線を入射角φ1で照射し、このときメッ
キ鋼板から発生する2種類の蛍光X線強度Fekα線の強
度およびZnkα線の強度を受光角ψ1をもって測定
する測定条件を理論計算式を設定した後、メッキ付着量
およびメッキ皮膜組成が既知である標準試料に対して、
前記測定条件と同じ測定条件を用いて蛍光X線強度又は
強度比を実測し、この実測値と前記理論計算式とから当
該実測値を理論強度又は強度比に換算することにより、
後記する予め理論強度又は強度比などの理論値に変換す
る際の変換係数a1,a2,b1,b2を求めて記憶しておく(S
1)。
すなわち、この変換係数a1,a2,b1,b2は、予め標準試料
のメッキ付着量およびメッキ被覆組成を用いて理論計算
式によって求めた値と、同じく標準試料を用いたときの
実測蛍光X線強度から計算した値との間に後記するステ
ップS3の式が成立するように、回帰分析等によって求め
たものである。
このように理論計算式を使用し、実際の測定系との差を
標準試料を使用して校正する方法を採用すれば、少ない
数の標準試料を用いて、メッキ付着量およびメッキ被膜
組成と蛍光X線強度又は強度比の関係式を求めることが
可能となる。
しかる後、被測定メッキ鋼板11に対して前述と同様な測
定条件,つまり単色化処理した波長λ1のX線を入
射角φ1で照射し、このとき被測定メッキ鋼板11か
ら発生するFekα線の強度およびZnkα線の強度を受光角
ψ1で測定する。そこで、この測定角(φ1
の条件下で測定したFekα線強度,Znkα線強度をそれぞ
れ▲I1 Fe▼,▲I1 Zn▼とし、また測定角(φ2
の条件下で測定したFekα線強度,Znkα線強度を▲I2 Fe
▼,▲I2 Zn▼とし なる演算を行う(ステップS2)。さらに、このX1,X2
用いて理論値Y1,Y2に変換する。ここで、X1,X2を理論値
Y1,Y2に変換するに際し、理論値とは測定条件と同じX
線波長、X線強度、幾何学的条件で測定した場合に得ら
れる蛍光X線強度を、メッキ鋼板のメッキ付着量および
メッキ被膜組成をパラメータとして理論計算式により計
算し、この値に基づいて前記X1,X2に対応する値として
求めたものである。実際の測定値は検出器の感度特性、
スリット系の影響等によりこれらの理論強度とは異なっ
た値となる。
そこで、本発明方法では、以下の換算式を用いて実測値
X1,X2を理論値Y1,Y2に変換する(ステップS3) Y1=a1X1+b1 Y2=a2X2+b2 なお、a1,a2,b1,b2としては、ステップS1で求めた変換
係数a1,a2,b1,b2が用いられる。
以上のようにしてステップS3において理論値Y1,Y2を求
めたならば、引き続き、メッキ付着量およびFe%を可変
したパラメータPk(k=1)を用いて、既存の蛍光X線
強度計算式から上記Y1,Y2に対応するY1′,Y2′を求める
(ステップS4,S5)。しかる後、ステップS6に移行し、
ここでは、 なる演算を行い、さらにパラメータPkを変えて同様な演
算を行い(ステップS7,S5,S6)、これら演算値の中で最
も小さくなる演算値のときのパラメータの値を決定し
(ステップS8)、この決定パラメータ値をもってメッキ
付着量およびFe%とすることにより、被測定メッキ鋼板
11のメッキ付着量およびメッキ被覆組成を得るものであ
る。
次に、以上のような測定方法を用いたときの分析結果に
ついて具体的に説明する。今、X1の測定条件として例え
ば入射X線の波長λ=1.28Å、測定角(φ1)=
(15゜,45゜)とし、X2の測定条件として例えば入射X
線の波長λ=0.71Å、測定角(φ2)=(75゜,6
0゜)とする。なお、X1に対してはタングステンターゲ
ットを持つX線管を、X2に対してはモリブデンターゲッ
トを持つX線管を用いれば、波長λ1はそれぞれWL
β線,Mokα線近傍の波長となり、前述した条件(イ)を
満足させることができる。
一方、2つの測定角のうち低角度側の測定角(φ1,
ψ)は、亜鉛の吸収端より少しだけ短い波長で、メッ
キ被膜に対する減衰が大きく侵入深さが小さい波長λ
=1.28Åを用いているために(15゜,45゜)となり、前
述した条件(ロ)を十分に満足する測定角とすることが
でき、その結果、メッキ鋼板11面のバタツキによる測定
距離変動および測定角度変動の影響を小さくできる。
なお、X1とX2で、メッキ付着量およびFe%に対する特性
に差があるほど精度は向上するので、λはλに比べ
てメッキ被膜に対する減衰が小さい波長とし、測定角
(φ2)も(φ1)に比べて大きい角度とし、
蛍光X線を検出できる最大深さ,つまり分析深さを大き
くした。さらに、測定距離変動を小さくするためには、
入射X線のビーム径を小さくし、かつ、検出器の視野を
大きくし、測定距離変動に拘らず入射X線を照射してい
る全ての部分からの蛍光X線を検出することが望まし
い。そこで、入射側はφ2.0〜5.0mmのピンホールコリメ
ータ、受光側は検出器の窓を開放とすることにより実現
できる。
さらに、もう1つの本発明方法としては、多数の標準試
料を使用することが可能な場合、前記理論計算式に代え
て、標準試料を使用してメッキ付着量およびメッキ被膜
組成と蛍光X線強度又は強度比の関係式すなわち検量線
を用いて、被測定メッキ鋼板11のメッキ付着量およびメ
ッキ被膜組成を求めてもよい。
次に、本発明装置の実施例について第3図を参照して説
明する。同図において11は被測定メッキ鋼板であって、
このメッキ鋼板11の上部に測定系12が設置されている。
この測定系12には所定の方向にX線を発生する2個のX
線管21,31と、このX線管21,31からコリメータ22,32を
介して入射される白色X線を単色化し、かつ、この単色
化処理したX線を所望の入射角度で被測定メッキ鋼板11
へ入射するモノクロメータ23,33と、被測定メッキ鋼板1
1から得られた蛍光X線強度を幅可変の平板スリット24,
34を介して測定する検出器25,35とによって構成されて
いる。26,36はコリメータである。このコリメータ26に
は測定距離および測定角の変動の影響を小さくするため
にピンホールコリメータとすることが望ましい。また、
これらX線管21,31、モノクロメータ23,33、コリメータ
22,26,32,36、検出器25,35、スリット24,34等は駆動制
御部13からの駆動制御信号で位置調整可能となってい
る。
14は信号処理手段であって、これは2個の検出器25,35
で測定された蛍光X線強度又は強度比を理論強度又は強
度比,つまり理論値に変換する理論値変換手段15、メッ
キ付着量およびFe%を可変パラメータとして既存の蛍光
X線強度計算式により理論値を計算する理論値計算手段
16、前記理論値変換手段15で得た理論値と理論値計算手
段16で得られた理論値とが等しくなるパラメータを決定
する決定するパラメータ値決定手段17等によって構成さ
れ、このパラメータ値をメッキ付着量およびメッキ被膜
組成とすることにより、被測定メッキ鋼板のメッキ付着
量およびメッキ被膜組成を得るものである。
次に、以上のように構成された装置の動作を説明する。
2つのX線管21,31から白色X線を発生すると、この白
色X線はコリメータ22,32を通り、モノクロメータ23,33
で単色化された後、被測定メッキ鋼板11にそれぞれ入射
角φ=10〜30゜,φ=45〜90゜なる角度で照射され
る。なお、X線管21としてタングステンターゲットを用
い、これによりモノクロメータ23からメッキ被膜に対し
て減衰が大きい亜鉛の吸収端より少しだけ短いWLβ線を
含むWLβ線近傍の波長のX線を取出して被測定メッキ鋼
板11への入射X線とし、一方、X線管31側ではモリブデ
ンターゲットを用い、これによりモノクロメータ33から
WLβ線に比べてメッキ被膜に対して減衰がはるかに小さ
いMokα線を含むMokα線近傍の波長のX線を取出して被
測定メッキ鋼板11への入射X線とする。
そして、以上のように単色化処理されたX線を照射後、
被測定メッキ鋼板11から発生するZn,Feのkα線強度を
それぞれ受光角ψ=30〜60゜,ψ=45〜90゜の角度
をもって検出器25,35で検出する。しかる後、理論値変
換手段15を用いて両検出器25,35で得られた蛍光X線強
度等に基づいて前記X1,X2を求めた後これを理論値に変
換し、パラメータ値決定手段17に送出する。一方、理論
値計算手段16ではメッキ付着量およびFe%を順次可変パ
ラメータとしながら既存の蛍光X線強度計算式により理
論値を求めながらパラメータ値決定手段17に送出する。
そこで、このパラメータ値決定手段17では、理論値変換
手段15から送られてくる理論値と順次理論値計算手段16
でパラメータを変えて得られる理論値とを用いて所定の
演算を実行し、両理論値が等しくなるときのパラメータ
値を決定し、このパラメータ値から被測定メッキ鋼板11
のメッキ付着量およびメッキ被膜組成を得るものであ
る。
因みに、第4図および第5図は第3図の装置を用いて得
られた分析結果を示す図である。この第4図および第5
図は上記装置を用いてモノクロメーター23,33で波長λ
=1.28Å、λ=0.71Åとし、かつ、それぞれの測定
角を(φ1)=(15゜,45゜)、(φ2)=(7
5゜,60゜)とした例であって、そのうち第4図はメッキ
付着量、第5図はメッキ被膜組成を示す。従って、これ
らの図から明らかなように、測定距離変動、測定角度変
動および温湿度変動等を加わる実ラインであるにも拘ら
ず、測定時間10秒という短い時間で高精度に測定でき
る。また、この分析値はFeまたはZnの蛍光X線強度では
なく、FeおよびZnの蛍光X線の強度比から求めたが、こ
の強度比をとることにより温湿度変動,経時変化の影響
を低減できる。
なお、本発明装置は理論計算式を用いて行ったか、この
理論計算式に代えて検量線を用いて行ってもよい。
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施できる。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば次のような種々の効
果を奏する。
先ず、請求項1,2においては、単色化処理によってメッ
キ被膜による吸収の大きな波長のX線を取りだして被測
定メッキ鋼板に照射するので、従来に比べて大きな測定
角で蛍光X線強度を測定でき、被測定メッキ鋼板のバタ
ツキによる測定距離変動および測定角変動の影響を低減
でき、かつ、入射X線のスペクトル変動の影響が少な
く、かつ、波長積分を必要としないので測定精度の向上
および測定時間の短縮化を図ることができる。また、測
定上必要な標準試料は実測値から理論値への変換パラメ
ータを求めるために数種類でよく、オンラインに適する
ものである。
次に、請求項3,4においては、非常に簡単な構成で、か
つ、オンラインで被測定メッキ鋼板のメッキ付着量およ
びメッキ被膜組成を高精度に測定でき、メッキ製品の品
質向上に大きく貢献させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を用いたときのX線と被測定メッキ
鋼板との関係を表す図、第2図は同じく本発明方法によ
る分析動作を説明する図、第3図は本発明装置の一実施
例を示す構成図、第4図および第5図は本発明装置を用
いて得られた分析結果図である。 11……被測定メッキ鋼板、12……測定系、21,31……X
線管、23,33……モノクロメータ、25,35……検出器、13
……駆動制御部、14……信号処理手段、15……理論値変
換手段、16……理論値計算手段、17……パラメータ値決
定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 忠昭 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−84511(JP,A) 特開 昭59−195146(JP,A) 特開 昭58−223047(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)、(b)、(c)、(d)の
    工程を有してなるメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッ
    キ被膜組成の測定方法。 (a) 予めメッキ鋼板に1種類または2種類の所定の
    入射角で単色のX線を入射した場合に得られる、2種類
    の所定の測定角における分析目的元素のk系列の蛍光X
    線強度又は強度比を求める測定条件に基づく理論計算式
    が設定され、メッキ付着量およびメッキ被膜組成が既知
    の標準試料に対して、前記測定条件と同じ測定条件を用
    いて蛍光X線強度又は強度比を実測し、この実測値と前
    記理論計算式とから当該実測値を理論計算値に換算する
    変換係数を求めて記憶しておく工程、 (b) メッキ付着量およびメッキ被膜組成が未知の被
    測定メッキ鋼板に対して、前記測定条件と同じ測定条件
    を用いて前記2種類の所定の測定角における分析目的元
    素のk系列の蛍光X線強度又は強度比を測定する工程、 (c) この(b)工程で得られる蛍光X線強度又は強
    度比と前記(a)工程で求めた変換係数とを用いて理論
    強度又は強度比に変換する工程、 (d) 前記理論計算式より得られる理論強度又は強度
    比を、前記(c)工程で変換された理論強度又は強度比
    の近傍に近づく、理論計算式中のパラメータであるメッ
    キ付着量およびメッキ被膜組成を、前記被測定メッキ鋼
    板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成とする工程。
  2. 【請求項2】以下の(a)、(b)、(c)の工程を有
    してなるメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被膜組
    成の測定方法。 (a) 予めメッキ鋼板に1種類または2種類の所定の
    入射角で単色のX線を入射した場合に得られる、2種類
    の所定の測定角における分析目的元素のk系列の蛍光X
    線強度又は強度比を求める測定条件に基づく検量線をメ
    ッキ付着量およびメッキ被膜組成をパラメータとして求
    めて記憶する工程、 (b) メッキ付着量およびメッキ被膜組成が未知の被
    測定メッキ鋼板に対して、前記測定条件と同じ測定条件
    を用いて前記2種類の所定の測定角における分析目的元
    素のk系列の蛍光X線強度又は強度比を測定する工程、 (c) 前記検量線より得られる蛍光X線強度又は強度
    比を、前記(b)工程で測定される蛍光X線強度又は強
    度比の近傍に近づく、検量線中のパラメータであるメッ
    キ付着量およびメッキ被膜組成を、前記被測定メッキ鋼
    板のメッキ付着量およびメッキ被膜組成とする工程。
  3. 【請求項3】X線を発生するX線発生部と、このX線発
    生部から発生するX線を単色化するモノクロメータと、
    X線のパスラインを定めてメッキ鋼板に所定の入射角で
    投射し所定の受光角で受光するスリット系と、メッキ鋼
    板から発生する分析目的元素のk系列蛍光X線強度を異
    なる角度で測定する2個の検出器と、これらの測定系で
    得られるべき理論強度又は強度比の理論計算式を記憶す
    る手段と、実際に測定される蛍光X線強度又は強度比を
    理論強度又は強度比に変換する手段と、この変換された
    理論強度又は強度比と理論計算式より得られる理論強度
    又は強度比との差を最小にするメッキ付着量およびメッ
    キ被膜組成を求める手段とを有してなるメッキ鋼板のメ
    ッキ付着量およびメッキ被膜組成の測定装置。
  4. 【請求項4】X線を発生するX線発生部と、このX線発
    生部から発生するX線を単色化するモノクロメータと、
    X線のパスラインを定めてメッキ鋼板に所定の入射角で
    投射し所定の受光角で受光するスリット系と、メッキ鋼
    板から発生する分析目的元素のk系列蛍光X線強度を異
    なる角度で測定する2個の検出器と、これらの測定系で
    得られるべき理論強度又は強度比の検量線を記憶する手
    段と、実際に測定される蛍光X線強度又は強度比と検量
    線より得られる蛍光X線強度又は強度比との差を最小に
    するメッキ付着量およびメッキ被膜組成を求める手段と
    を有してなるメッキ鋼板のメッキ付着量およびメッキ被
    膜組成の測定装置。
  5. 【請求項5】スリット系は、入射側にピンホールコリメ
    ータ、受光側に幅可変の平板スリットを有してなる請求
    項3又は請求項4に記載のメッキ鋼板のメッキ付着量お
    よびメッキ被膜組成の測定装置。
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