JPH0711070B2 - 溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼板

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JPH0711070B2
JPH0711070B2 JP20285090A JP20285090A JPH0711070B2 JP H0711070 B2 JPH0711070 B2 JP H0711070B2 JP 20285090 A JP20285090 A JP 20285090A JP 20285090 A JP20285090 A JP 20285090A JP H0711070 B2 JPH0711070 B2 JP H0711070B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛
系めっき鋼板に関するものである。
(従来の技術) 亜鉛系めっき鋼板の溶接性を向上させる方法としては、
例えば特開昭55-110783号公報に示される如く、めっき
鋼板表面にAl2O3等の酸化物皮膜を生成せしめ、該酸化
物の高融点、高電気抵抗を利用し、溶接性を向上させる
とともに電極チップとめっき金属との接触を妨げ、チッ
プの溶損を防止して寿命延長を図ることが提案されてい
る。
また、特開昭59-104463号公報に示される如く、メッキ
鋼板の表面に加熱処理により、ZnO/Zn比を0.1〜0.70に
した酸化膜を生成させ、同様に溶接性を向上させること
が提案されている。
しかしながら、このような方法においても、未だ工業的
規模では満足すべき結果が得られ難く、めっき鋼板にお
ける溶接性の向上が強く要望されている。
また、亜鉛めっき鋼板のプレス性を向上させる方法とし
ては、例えば、特開昭62-185883号公報に記載の如く、
めっき鋼板表面に電解クロメート処理を施し、Cr2O3
酸化物皮膜を生成せしめる方法や、特開昭62-192597号
公報に記載の如く、亜鉛系めっき鋼板上に硬い皮膜を形
成し、プレス時のめっきとダイスのかじりを防止してプ
レスの潤滑性の向上を図る方法が開示されている。
更に特開平1-136952号公報に記載の如く、めっき鋼板の
表面に有機潤滑皮膜や潤滑油等の有機物を塗布または被
覆し、プレス性を向上させることが開示されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような製品は自動車ユーザー等の使
用において、以下のような不十分な点がある。
自動車ユーザーでの使用工程の概略は、鋼板を油で洗浄
する工程、プレス工程、脱脂工程、化成処理工程、塗装
工程からなっているので、電解クロメート処理鋼板の場
合は、化成処理工程で化成処理皮膜が形成せず、また潤
滑油や潤滑皮膜などを鋼板に塗布した鋼板の場合は、清
浄工程で油が落ちるので十分な潤滑性能を発揮しない。
さらには、化成処理前の脱脂工程に負荷がかかりコスト
が高くなる。一方、亜鉛系めっき鋼板に鉄−亜鉛合金フ
ラッシュめっきを施したものは電解クロメート処理に比
較して鋼板のコストが高くなる等の問題点があり、低コ
ストで、化成処理が可能で、脱脂等の工程に負荷をかけ
ず、プレス性に優れる亜鉛系めっき鋼板の開発が望まれ
ている。
更に上記の如き、溶接性、プレス性とあいまって化成処
理性にも優れた亜鉛系めっき鋼板が強く要望されてい
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは下記のとおりである。
(1) 亜鉛系めっき鋼板表面にZnO量で30〜3000mg/m2
の酸化物、その上層にMn酸化物、P酸化物、Mo酸化物、
Co酸化物、Ni酸化物、Ca酸化物、W酸化物、V酸化物あ
るいはホウ酸の1種または2種以上を1〜500mg/m2(酸
化物中の金属量として)を被覆してなることを特徴とす
る溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき
鋼板。
(2) 上層酸化物層中にSiO2、TiO2、Al2O3の1種また
は2種以上を1〜500mg/m2含有せしめた前項1に記載の
溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系めっき鋼
板。
本発明の対象とする亜鉛系めっき鋼板は、溶融めっき
法、電気めっき法、蒸着めっき法、溶射法など各種の製
造方法によるものであり、めっき組成としては純Znの
他、ZnとFe,ZnとNi,ZnとAl,ZnとMn,ZnとCr,ZnとPなどZ
nを主成分として、耐食性など諸機能の向上のため1種
ないし2種以上の合金元素および不純物元素を含む。
また、SiO2,Al2O3などのセラミック微粒子、TiO2などの
酸化物、有機高分子をめっき層中に分散させたものがあ
り、めっき層の厚み方向で単一組成のもの、連続的ある
いは層状に組成が変化するものがある。およびこれらの
めっき上にZnを主成分とする粒子を分散させた有機皮膜
を被覆させた鋼板も対象とする。例えば、溶融亜鉛めっ
き鋼板のめっき層と素地の鉄を加熱して合金化させた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気めっき法または蒸着めっ
き法により亜鉛とその合金(例えば、鉄,ニッケル,ク
ローム等との合金)をめっきした鋼板およびこれを200
〜550℃に加熱して素地の鉄と合金化した鋼板、さらに
単一合金層のみならず、例えば電気めっき法で複層合金
めっきとしたもの、めっき層中にSiO2,Al2O3等のセラミ
ック粒子を分散させたもの、これらのめっき層の上か、
または直接鋼板上に亜鉛粒子を含む有機皮膜を被覆せし
めたものがある。防錆鋼板の形態としては、両面めっ
き、片面めっきおよび上下面に互いに異なるめっきを施
した異種めっき鋼板がある。
本発明者らは、亜鉛めっき鋼板の種類の如何によらず、
めっきがZnを主成分とする限り、めっき鋼板の表面にZn
Oを形成させることにより、スポット溶接において電極
チップ先端にFe,Znを主成分とする電極保護金属を生成
させ、以って電極チップ寿命を大幅に改善することを見
出した。
従来の上記めっき鋼板においては、ZnOを主体とする酸
化膜を溶接性によいとされるZnO量で30〜3000mg/m2(片
面当たり)生成させることが不安定であった。ここで、
ZnOを主体とする酸化膜とは酸化物中にZnOの他、例え
ば、めっき層中に含有する成分元素またはそれらの酸化
物などの化合物等を含有するものでもよい。また、陽極
酸化などの電気化学処理において、処理液が含有する成
分あるいは化合物を含んでもよい。
本発明者らは亜鉛めっき層表面に、ZnOを主体とする酸
化膜を生成せしめるために、第1の方法として鋼板を酸
含有の酸化剤水溶液に接触させることで、ZnOを主体す
る酸化膜をZnO量で30〜3000mg/m2(片面当たり)生成さ
せることが容易になり、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼
板を提供し得ることを見出した。酸の働きは、めっき層
表面をいくらか溶解してめっき層からZn等のイオンを供
給し、かつめっき層に接触する溶液中のpHを高くするこ
とであり、酸化剤はそのめっき層表面にて浴中のZn等を
酸化してめっき層表面にZnOを主体とする酸化膜を形成
する働きをする。
酸化剤として、例えばHNO310〜100g/lを含有すること
で、Zn等を酸化してめっき層表面にZnOを主体とする酸
化膜を形成することができる。HNO3の下限を10g/lとし
たのはそれ未満では酸化がしにくくなり、酸化膜を生成
することができなくなるためである。また、HNO3の上限
を100g/lとしたのはそれを超えて含有しても酸化剤とし
ての効果が飽和し、合金層表面のZnとFeを溶解し、特に
Feを溶解することで、Feの酸化物の生成が多くなり、ス
ポット溶接チップ寿命の改善の効果が低くなるためであ
る。
さらに酸化剤として、KMnO4,Ca(ClO)2,K2Cr2O7,NaClO3,
ClO2,KNO3,NaNO3等を添加することにより、表面皮膜の
生成が促進される。
鋼板にZn(NO3)2とHNO3の水溶液を接触させる方法として
は浸漬、スプレーによる噴射等いずれの方法でもよい。
また、浸漬、スプレーによる噴射後、例えば表面に乾燥
加熱ガスを吹きつけたり、鋼板を約100℃以下に加熱す
れば、より薄い溶液でも水分の蒸発により濃縮液とな
り、かつ高温で反応するので効果的に処理することがで
きる。
かくして、酸化膜生成処理を行うことで生成した酸化膜
等の組成はZnOを主体としてFeの酸化物、ZnおよびFeの
水酸化物で、これらは単体でも混合していても、Al等の
不純物を含んでいてもかまわない。しかし、表面皮膜と
しての特性からは、表面を均一に覆い、皮膜抵抗が低く
なるZnO成分の多い酸化膜が望ましい。
ZnOを主体とする酸化膜を生成せしめるために、Znイオ
ンの補給剤としてZn(NO3)2100〜600g/lとすることで、
酸化剤水溶液のpHが4以下であればめっき層表面の活性
化に寄与し、ZnOを生成せしめるためのZnイオンの供給
ができる。
Zn(NO3)2の下限を100g/lとしたのはそれ未満では合金層
表面のZnイオンとして不十分で酸化膜を生成することが
できなくなるためである。また、その上限を600g/lとし
たのはそれを超えると皮膜が多く生成しすぎて、抵抗が
大きくなり、溶接時の電極チップとの抵抗発熱により、
電極チップ径の拡大による溶接性劣化の原因になるから
である。
処理浴にはめっき中のFeやZn、不純物としてのMn,Al,P,
Si等が溶け出すことがある。これらの中でZnイオンをあ
らかじめ浴中に添加しておくとZnイオンをめっき層中か
ら溶かして供給する必要がなくなり、より短時間でZnO
の析出が起こるので好ましい。なお、他の不純物の溶出
はできるだけ少量に抑制することが望ましい。特に、Fe
は1g/lを超えて含有すると表面にFeの酸化物、水酸化物
が生成して表面が黄変し、鋼板表面の商品品位を悪化さ
せるとともに、Feの酸化物、水酸化物が抵抗皮膜とな
り、スポット溶接チップ寿命が低下する。従って、本発
明ではFeイオン濃度を規定するものではないが、できる
だけ低くすることが望ましい。
ZnOを主体とする酸化膜を生成せしめるために、鋼板をZ
n(NO3)2100〜600g/lとHNO310〜100g/lを含有する酸化剤
水溶液に浴温30〜80℃で、0.2〜10秒間接触をさせるこ
とにより、酸化膜生成処理を行うことができる。
処理浴温を30〜80℃とし、下限を30℃としたのは、めっ
き表面のZnイオンの酸化を容易にするためであり、それ
未満では反応速度が遅く、表面皮膜を得にくいためであ
る。また、上限を80℃としたのは、反応が進行しすぎ
て、過度に酸化皮膜が発生し、溶接性を悪くするためで
ある。もっとも、温度が80℃を超えても接触時間を短く
すればよいが、時間を短くしたときの温度を高温に制御
することが困難なため、温度は80℃以下とするのが望ま
しい。
そのために、ライン速度との兼ね合いにもよるが、浸漬
またはスプレー等の接触処理時間を0.2〜10秒としたの
は、0.2秒未満では酸化膜生成処理が不十分で、溶接性
が向上しないためであり、10秒を超えて処理しても酸化
膜の生成は多くなりすぎて、溶接性を悪くするためであ
る。
また、第2の方法としては、例えば、Zn(NO3)2・6H2O:40
0g/l、HNO3:1g/lの水溶液中で、亜鉛系めっき鋼板を陰
極として、電流密度1〜20A/dm2、処理時間0.5〜10秒で
溶接性に優れた酸化物を生成せしめることができる。
更に第3の方法としては、溶融めっき、電気めっき或い
は蒸着めっき後、合金化処理、酸化膜生成処理を行うこ
とで、ZnOを主体とする酸化膜を確実に生成することが
できる。その具体的な方法としては、例えば合金化溶融
亜鉛めっき鋼板を製造する合金化炉を、板温が400〜800
℃になるように調整し、該炉中を表面まで合金化が完了
する速度で通過させ、続いて雰囲気の露点を確保するた
めに気水ノズルで水と空気を噴射する気水処理すること
で効果的に酸化膜生成反応を行わせることもできる。さ
らに、ライン外で溶融めっき、電気めっきあるいは蒸着
めっき後、合金化処理、酸化膜生成処理を行うことで、
ZnOを主体とする酸化膜を確実に生成させることができ
る。その方法も、前記の方法に類似の方法を採れば、Zn
Oを主体とする酸化膜生成反応を確実にかつ効果的に行
うことができる。
なお、酸化膜生成処理は上記の気水処理の他に、蒸気を
めっき表面に噴射してZnOを主体とする酸化膜を生成さ
せたり、ライン外で、露点を酸化雰囲気に調整した加熱
炉で熱処理を行ってZnOを主体とする酸化膜を生成させ
る等、いずれの方法を採ってもよい。
このようにして亜鉛系めっき鋼板の表面に溶接性に優れ
た酸化物としてZnO主体酸化物を30〜3000mg/m2生成せし
め、その上層に下記の如くプレス性、化成処理性に優れ
た酸化物を生成せしめることができる。
プレスの潤滑性を付与するには、表面に硬質の皮膜を形
成することが有効である。この点で電解クロメート処
理、鉄亜鉛合金めっきは有効であるが、前者は化成処理
皮膜が形成できず、後者は処理量が多くコスト高にな
る。
これらの問題を解決し得るめっき鋼板表面の硬質皮膜と
しては、酸化物皮膜であって、かつ化成処理液中で溶解
し、化成皮膜を形成できるとともに、皮膜成分が化成処
理液に溶け出しても化成処理に悪影響を与えないことが
必要である。
本発明者等は、このような観点から、表面にMn,P,Mo,C
o,Ni,Ca,W,V,Bの1種または2種以上からなる酸化物系
皮膜を形成すれば良いことを見出した。この酸化物皮膜
はクロメート皮膜と同様ガラス状の皮膜となり、プレス
時にめっきのダイスへのかじりを抑制し、摺動性を良好
とする。さらに、化成処理液には溶解するため、クロメ
ート皮膜と異なり、化成処理皮膜を形成することがで
き、また化成処理皮膜の成分でもあるため、化成処理液
に溶け出しても悪影響はない。
酸化物皮膜の構造は明確ではないが、Mn−O結合、その
他金属−O結合、P−O結合、B−O結合、Si−O結
合、Ti−O結合、Al−O結合からなるネットワークが主
体で、部分的に−OH、CO3基等が、さらにはめっきから
供給される金属が置換したアモルファス状の巨大分子構
造であろうと推定している。
また、この皮膜は酸化膜皮膜のため、油による洗浄工程
や、脱油工程でも溶解しないので、潤滑性能の低下や、
他の工程に負荷を与えない。
酸化物皮膜の密着性、成膜性を向上させるためにリン酸
又はホウ酸とコロイダルSiO2、コロイダルTiO2、コロイ
ダルAl2O3の1種又は2種以上500mg/m2以下(P,SiO2,Ti
O2,Al2O3として)を混入する。かくして、酸化物の皮膜
構造が均一化し、成膜性も向上し、プレス成形性が良好
になり、又化成処理性をも向上することができる。
このような酸化物皮膜は、亜鉛系めっき鋼板を水溶液中
へ浸漬するか、水溶液を散布するか、又は水溶液中で陰
極電解処理することにより確実に生成させることができ
る。このときに前記の如きめっき金属の亜鉛、亜鉛合金
めっきの場合は、亜鉛と合金元素(金属)、水溶液中の
不純物等がその他の酸化物として混入する。
次に、本発明の皮膜の皮膜量範囲について述べる。
酸化物の皮膜量はプレス性を良好とするには、金属とし
て1mg/m2以上あればよいが、皮膜量が500mg/m2を越える
と化成処理皮膜の形成が不十分となる。ゆえに、酸化物
の適正な皮膜量は、金属として1〜500mg/m2、好ましく
は1〜200mg/m2である。
次にコロイダルSiO2、コロイダルTiO2、コロイダルAl2O
3の1種又は2種以上の合計量としては500mg/m2以下(S
iO2、TiO2、Al2O3として)、好ましくは200mg/m2以下がよ
く、500mg/m2超になると化成処理性が劣化することがあ
る。下限は1mg/m2で十分である。
次に上記のごとき酸化物皮膜の生成方法としては、例え
ばMn系酸化物としては、過マンガン酸カリウム、リン
酸、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニ
ウム、リンモリブデン酸、タングステン酸アンモニウ
ム、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、バナジ
ン酸アンモニウム、コバルト、ニッケル、カルシウム等
の塩化物、硫酸塩、あるいはリン酸塩として1g/l〜溶解
限、反応を促進するためリン酸、硫酸、硝酸、塩酸等添
加した浴を用いる。
SiO2、TiO2、Al2O3としては、それぞれコロイド微粒子水
溶液、ケイフッ化カリウム、チタンフッ化カリウム等を
固体として1〜60g/l添加することができる。
このような水溶液に前記のごとき亜鉛系めっき鋼板を浸
漬するか、水溶液を散布するか、又は水溶液中で電解処
理することにより確実に皮膜を生成することができる。
このようにして酸化物皮膜が生成すると、めっき層及び
めっき層中の合金金属の一部が酸化物皮膜中へ、その他
酸化物として混入する。
(実施例) 次に本発明の実施例を比較例と共に、下記の表に示す。
注1) めっき鋼板の種類:AS:合金化溶融亜鉛めっき鋼
板(Fe10%,Al10.25%,残Zn),EG:電気亜鉛めっき鋼
板,GI:溶融亜鉛めっき鋼板(Al0.3%,Fe0.8%,Pb0.1
%,残Zn),HA:半合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe5%,Al
0.3%,残Zn),鋼板厚はいずれも0.8mmの普通鋼,Zn/Zn
-Cr:12%Cr含有電気合金めっき上層に電気亜鉛めっき1g
/m2鋼板 注2) ZnO皮膜処理条件 ・ 浸漬:Zn(NO3)2・6H2O:400g/l、HNO3:70g/lの50℃水
溶液中に1〜10秒間亜鉛系めっき鋼板を浸漬してZnO皮
膜を生成せしめた。
・ 電解:Zn(NO3)2・6H2O:400g/l、HNO3:1g/l水溶液中
で亜鉛系めっき鋼板を陰極として電流密度7A/dm2、1〜
7秒電解によりZnO皮膜を生成せしめた。
・ 気水噴霧:合金化処理後の亜鉛系めっき鋼板(500
℃)表面に80〜125l/分の霧化水を噴射してZnO皮膜を生
成した。
注3) 上層酸化膜生成条件 ・ Mn酸化物生成は過マンガン酸カリウム:50g/l、リン
酸10g/l、硫酸3g/l、炭酸亜鉛:5g/lの溶液(30℃)に被
処理鋼板を浸漬するかまたは該鋼板を陰極とし、Pt電極
を陽極として7A/dm2で1.5秒電解を行った後、水洗、乾
燥した。
・ P酸化物生成は、リン酸カリウム50g/l、リン酸10g
/lの水溶液中に亜鉛系めっき鋼板を浸漬するかまたは該
鋼板を陰極または陽極として、電解処理(5〜10A/d
m2、1〜1.5秒)した。
・ Mo酸化物生成はモリブデン酸アンモニウム:50g/l、
リン酸:10g/lの溶液(30℃)に被処理鋼板を浸漬するか
または該鋼板を陰極、Pt電極を陽極にして7A/dm2で1.5
秒電解を行った後、水洗、乾燥した。モリブデン酸アン
モニウム、リン酸の濃度、さらには一部には硫酸、炭酸
亜鉛の添加を行い、溶液の温度、浸漬時間、電解量を調
整して作成した。
・ Co酸化物生成は硝酸コバルト:200g/l、硝酸亜鉛:15
0g/l、濃硝酸:1cc/lの溶液30℃で被処理鋼板を陰極とし
て、Pt電極と陽極にし、7A/dm2で1.5秒電解を行った
後、水洗、乾燥した。硝酸コバルト、硝酸亜鉛、硝酸の
濃度を調節し、さらには一部にはリン酸、硫酸、炭酸亜
鉛の添加を行い、溶液の温度、電解量を調整して作成し
た。
・ Ni酸化物生成は硝酸ニッケル:250g/l、硝酸亜鉛:15
0g/l、濃硝酸1cc/lの溶液30℃で被処理鋼板を陰極とし
て、Pt電極を陽極にし、7A/dm2で1.5秒電解を行った
後、水洗、乾燥した。硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、硝酸の
濃度を調節し、さらには一部にはリン酸、硫酸、炭酸亜
鉛の添加を行い、溶液の温度、電解量を調整して作成し
た。
・ Ca酸化物生成は硝酸カルシウム:250g/l、濃硝酸:1c
c/lの溶液30℃で被処理鋼板を陰極として、Pt電極を陽
極にし、7A/dm2で1.5秒電解を行った後、水洗、乾燥し
た。硝酸カルシウム、硝酸の濃度を調節し、さらには一
部にはリン酸、硫酸、炭酸亜鉛の添加を行い、溶液の温
度、電解量を調整して作成した。
・ W酸化物生成はタングステン酸アンモニウム:20g/
l、リン酸:10g/lの溶液(30℃)に被処理鋼板を浸漬す
るかまたは該鋼板を陰極として、Pt電極を陽極にし、7A
/dm2で1.5秒電解を行った後、水洗、乾燥した。タング
ステン酸アンモニウム、リン酸の濃度を調節し、さらに
は一部には硫酸、炭酸亜鉛の添加を行い、溶液の温度、
浸漬時間、電解量を調整して作成した。
・ V酸化物生成はバナジン酸アンモニウム:30g/l、り
ん酸:10g/lの水溶液(30℃)中で被処理鋼板を陰極とし
て、Pt電極を陽極にし、7A/dm2で1.5秒電解を行った
後、水洗、乾燥した。バナジン酸アンモニウム、リン酸
の濃度、さらには一部には硫酸、炭酸亜鉛の添加を行
い、溶液の温度、電解時間、電解量を調整して作成し
た。
・ ホウ素酸化物生成はホウ酸:50g/lからなる水溶液中
で、亜鉛系めっき鋼板を陰極として7A/dm2、1.5〜7秒
の電解条件で電解した。混合酸化物皮膜の生成において
は、上記それぞれの金属塩あるいは酸を添加混合した浴
を作成して行った。
皮膜量は何れも測定元素量 注4) 化成処理性試験条件 化成処理液(亜鉛−リン酸−弗素系処理浴)にはSD5000
(日本ペイント社製)を用い、処方どおり脱脂、表面調
整を行った後化成処理を行った。化成処理皮膜の判定
は、SEM(2次電子線像)により、均一に皮膜が形成さ
れているものは○、部分的に皮膜形成されているものは
△、皮膜が形成されていないものは×と判定した。
注5) プレス性試験条件および評価方法: サンプルサイズ:17mm×300mm,引張り速度:500mm/min,角
ビート肩R:1.0/3.0mm,摺動長:200mm,塗油:ノックスラ
スト530F(パーカー興産株式会社)40.1mg/m2の条件
で、面圧を100〜600kgfの間で数点試験を行い、引き抜
き加重を測定し、面圧と引き抜き加重の傾きから摩擦係
数を求めた。
注6: 溶接性 溶接条件は下記による。
1) 加圧力:250kgf 2) 初期加圧時間:49Hr 3) 通電時間:12Hr 4) 保持時間:5Hr 5) 溶接電流:11KA 6) チップ先端径:5.0φ(円錐台頭型) 7) 電極寿命終点判定:溶接電流の85%でのナゲット
径が3.6mmを確保できる打点数 8) 電極材質:Cu-Cr(一般に用いられているもの) 溶接は、めっき鋼板の片面を上、他面を下として、2枚
重ね合わせて連続打点数をとった。
注7): ZnO皮膜の測定 5%沃素メチルアルコール溶液で、めっき層のみ溶解
し、抽出残渣で混合融剤(硼酸1,炭酸ナトリウム3)で
融解した後、塩酸で溶液化してICPで分析した亜鉛量をZ
nO量に換算。
(発明の効果) かくすることにより、スポット溶接において、連続打点
数を増加し、それだけチップを取り替えることなく長時
間溶接でき、チップの耐久性を向上させることができ
る。また、溶接による生産性を向上させることができ、
かつ適性溶接電流範囲も従来材と同レベルであり、溶接
性も良好である。
更にプレスにおいて摺動性を冷延鋼板並以上に向上し、
かつ化成処理皮膜も形成可能とすることができる。これ
によって、従来より低コストで、またユーザーの工程に
おける負荷を低減でき、プレスによる生産性を向上させ
ることができるなどの優れた効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 順一 愛知県東海市東海町5―3 新日本製鐵株 式會社名古屋製鐵所内 (56)参考文献 特開 平4−21751(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛系めっき鋼板表面にZnO量で30〜3000m
    g/m2の酸化物、その上層にMn酸化物、P酸化物、Mo酸化
    物、Co酸化物、Ni酸化物、Ca酸化物、W酸化物、V酸化
    物あるいはホウ酸の1種または2種以上を1〜500mg/m2
    (酸化物中の金属量として)を被覆してなることを特徴
    とする溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系め
    っき鋼板。
  2. 【請求項2】上層酸化物層中にSiO2、TiO2、Al2O3の1種
    または2種以上を1〜500mg/m2含有せしめた請求項1に
    記載の溶接性、プレス性、化成処理性に優れた亜鉛系め
    っき鋼板。
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