JPH0711248B2 - 2サイクル内燃エンジンおよびそのシリンダヘッド - Google Patents

2サイクル内燃エンジンおよびそのシリンダヘッド

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JPH0711248B2
JPH0711248B2 JP62500487A JP50048786A JPH0711248B2 JP H0711248 B2 JPH0711248 B2 JP H0711248B2 JP 62500487 A JP62500487 A JP 62500487A JP 50048786 A JP50048786 A JP 50048786A JP H0711248 B2 JPH0711248 B2 JP H0711248B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般に、往復ピストンを有する少なくとも一
つのシリンダを備える2サイクル内燃エンジンに関し、
特にそれに限定されるわけではないがディーゼルタイプ
の2サイクル内燃エンジンに関し、さらに詳細にはシリ
ンダヘッドに特別に備えられて、燃焼ガスを燃焼に必要
な外気(新鮮の空気)と交換することができるバルブ装
置に関する。
本発明はさらに、前記装置が備えられる内燃エンジンの
シリンダヘッド、およびその種々の適用および利用に関
する。
2サイクル内燃エンジンにおいては、燃焼ガスと外気と
の交換には特別の問題が生じるが、その理由はその達成
のための時間が短時間(クランクシャフトの約120゜〜1
40゜の回転角度に対応する)しかないからであるのに対
し、4サイクルエンジンにおいては、その目的に利用で
きる時間は実質的に長く、クランクシャフトの約400゜
の回転角度に対応している。
最近の弁を備える2サイクルエンジンにおいては、掃気
の改善にあたり、下記のような手段が試行されている: a)吸気および排気弁が同時に開放する時、作動室もし
くはシリンダの通気性を増大すること、 b)シリンダに流入する外気の粒子流動方向を、それが
吸気部から排気部へ直接流動することを防止するように
指向させることにより、吸気部と排気部との間の短絡を
低減すること、 c)シリンダ内において外気と、前のサイクルからの燃
焼ガスとの混合を可能な限り減少させること。
米国特許第2,061,157号(ハラムHURUM)において、2サ
イクル内燃エンジンのシリンダヘッドに、平坦形状の第
1予備室に開口すると共にその軸心がシリンダの軸心に
対して直交する一つまたは2つの吸気弁と、軸心がシリ
ンダのそれに平行であると共にその軸心に対して片寄り
配置された排気弁とを配置することが提案されている。
予備室は制限された断面のオリフィスを介してシリンダ
と連通して、空気と燃料の混合気をコンパクトジェット
の形態でシリンダに流入させるようになっており、また
単一または各々の吸気弁のステムが、シリンダの幾何学
的延設部によりシリンダヘッド内に画定された空間を延
長しており、それにより混合気が絞られ、かつ非対称の
流動としてシリンダへ送られる。前記コンパクトジェッ
トは掃気の点からはそれ程効率的でないことが実験で示
されている:事実、基準b)が重要とされる場合は、シ
リンダ内でピストンに向けて空気粒子が高速で導入され
るために、他方で基準c)が重要化されなくなる:吸気
弁を、特にその開放開始時に、ガス質量のまさに真中に
配置し、かつ外気と燃焼ガスとの激しい混合を生じさせ
ることにより、シリンダへの空気粒子の高速導入がもた
らされる。さらに、この配置により掃気されないデッド
領域が残され、それによりさらに掃気効果が低減され
る。制限された断面のオリフィスの存在により、流動に
対するシリンダヘッドの通気性(基準a)は非常に弱
い。最後に、平坦形状の予備室により、外気と燃料との
混合状態が悪くなる。この米国特許第2,061,157号にお
ける分析結果は、米国特許第4,616,605号(クラインKLI
NE;1986年10月14日発行)の第3項で確認されている。
米国特許第2,222,134号(オーガスチンAUGUSTINE)に
は、その軸心がシリンダのそれに平行であると共に、そ
の開放運動が逆方向にある吸気および排気弁を有する2
サイクル内燃エンジンが記載されている。吸気弁の座は
予備室に対して上向きに開口しており、予備室は、シリ
ンダに対して接線方向に配置される三日月形状を有する
オリフィスを介して、シリンダ上に下向きに開口してい
る。予備室の幾何形状は、吸気弁の周囲に高乱流が発生
し、それによりシリンダに流入する外気粒子が無方向化
され、大きく短絡がもたらされ(基準bが重視されな
い)、かつ空気が、予備室をシリンダへ連絡するエルボ
の弓形外輪へ選択的に指向されて、それにより空気粒子
がガス室量のまさに真中に流入して、外気と燃焼ガスの
高い混合がなされる(基準cが重視されない)ように構
成されている。
本発明の目的は、往復ピストンを備える少なくとも一つ
のシリンダを有し、かつ関連シリンダの頂部のシリンダ
ヘッドに配置された少なくとも一つの吸気弁と少なくと
も一つの排気弁により独占的に達成されるガス交換のた
めの装置を有する、ディーゼルタイプに限定されるもの
ではないが、好ましくはそのタイプの2サイクル内燃エ
ンジンの作動を、前述の全ての3つの基準を重視する掃
気が達成されるように改良することにある。
本発明は、したがって、前述のタイプのエンジンにおい
て、ガスの交換の効率を増大すること、なすわちシリン
ダ内の残留燃焼ガスを、対応する体積の外気により置換
することにより可能な限り放出させると共に、外気が吸
気弁から排気弁へ直接通過する危険を可能な限り防止ま
たは少なくとも減少させると同時に、最少のエネルギー
消費により、外気と燃焼ガスとの混合領域の発生を可能
な限り避けることを主目的としている。エネルギー消費
量は、前述のようにシリンダに供給される掃気用空気の
最良の有効利用を追求することにより、かつ大きな通気
性を達成すること、すなわちガス状流体に対して最大の
流動断面を実現し、それにより所定の掃気用空気流をも
たらすのに必要な掃気用空気の圧力と排出部の背圧との
間の圧力差を最少にすることにより、最少化される。し
たがって、2サイクル内燃エンジンのガス交換効率は、
一方で、掃気用空気の有用特性、そして他方で、シリン
ダの通気性により特徴づけられている。これら2つの特
徴は、過給されていないディーゼルエンジンのサイクル
の効率および動力を直接決定すると共に、中程度または
高度に過給されているディーゼルエンジンに対してはあ
る程度の影響を与えるものである。
ディーゼルエンジンに関するこれまでのすべての知識
は、点火が制御され、あるいは自然吸気、あるいは過給
されるエンジンに適用される。
これらのエンジンについて、空気と燃料の好ましくは均
質な混合気の調整が、気化器または燃料噴射システムに
より、シリンダの上流側で行なわれる場合は、気化され
た外気が排出部へ短絡することなくガス交換を達成する
ことが必要になる。吸気および排気ポートを介してルー
プ掃気が行なわれる2サイクルエンジンにおいては、し
たがって、ガスの交換過程においてシリンダ内に保有さ
れる外気の30%まで、そして40%もの空気損失、したが
って燃料損失を受けることが通常であり、それにより燃
料消費量が悪影響を受ける。構造の幾何形状は満足でき
る燃焼を可能にすることが必要であり、これは相反する
条件または要件を同時に満足させる必要性により表わさ
れる。したがって、本発明の目的は、簡単な技術により
掃気および燃焼の良好な効率間における妥協を実現する
と共に、可能な限り前述の利点を保持し、かつ前述の欠
点を低減させることにある。
以下の説明を簡単にするために、シリンダはその軸心が
垂直であるように位置されると共に、シリンダヘッドが
上方または頂部位置を、そしてピストンが下方または底
部位置を占めるものと仮定する。
本発明は、往復ピストンを備える少なくとも一つのシリ
ンダと、シリンダヘッド内のガスを完全に交換する装置
であって、少なくとも一つの吸気弁を有するグループ
と、少なくとも一つの排気弁を有するグループとからな
り、各吸気弁はその座を燃焼・掃気予備室の壁に配置さ
れているガス交換装置とを有し、前記ガス交換装置が、
シリンダの軸心を通る対称平面であって、グループをな
す少なくとも一つの吸気弁の配置に対し、グループをな
す少なくとも一つの排気弁の配置に対し、かつ予備室お
よびシリンダヘッドの天井部の内面の輪郭、およびピス
トンの表面の輪郭に対して共通の対称平面を有している
2サイクル内燃エンジンにおいて、予備室が移送通路を
介してシリンダに連通しており、この通路の壁は少なく
とも部分的にシリンダの軸心に対して実質的に平行であ
り、かつ前記通路の前記軸心に直交する横断面は、シリ
ンダに対して接線方向の実質的に長方形状により開口し
ており、かつ単一または各々の吸気弁が予備室の横壁に
対して、前記弁の上部において実際上クリアランス無く
共働して、弁上昇の最初の瞬間を含み、弁の上流側の吸
入空気の回路が弁の下流側の移送通路に直接開口するこ
とを特徴とする2サイクル内燃エンジンを提供すること
により、前述の技術的問題を解決している。
本発明の別の特徴においては、各吸気弁の軸心は、シリ
ンダの軸心の方向に対して平行ではない方向を有すると
共に、前記シリンダ軸心に対して好ましくは45゜〜90゜
の角度をなしている。
本発明のさらに別の特徴においては、各吸気弁に関連す
る座は、予備室において、少なくともほぼシリンダ面に
正接する移送通路の壁部に延長する壁部に配置されてい
る。
第1実施態様においては、単一の吸気弁と単一の排気弁
が設けられている。
特別の実施態様においては、ガス交換装置は相互に平行
な2つの吸気弁を有している。
別の特別の実施態様においては、ガス交換装置はシリン
ダの軸心に平行な2つの排気弁を有している。本発明の
別の特徴においてはエンジンは、シリンダに開口する通
路の横断面が、円形セクターとして展開されると共に、
中心から60゜〜110゜の角度を有し、かつシリンダの横
断面の面積に対して好ましくは0.10〜0.20、そして特別
には、0.13〜0.17の比の面積を示すという特徴を有して
いる。
本発明の別の実施態様においては、掃気および燃焼予備
室において、シリンダに開口する移送通路に実質的に対
向する底部壁が、実質的に各バルブヘッドに正接する各
吸気弁と同軸心の回転円筒の一部により構成されて、前
記壁と各吸気弁のヘッドとの間の半径方向クリアランス
が最小値を有し、したがって各吸気弁が移送通路の方向
に直接吐出して、各吸気弁から噴出する空気流のほぼ全
体が移送通路へ直接指向されるようになされている。
本発明のさらに別の実施態様においては、エンジンは、
各吸気弁の上部と、移送通路に実質的に対向する角度セ
クターにおける予備室の対応する弁と同軸心の横および
円筒壁との間の半径方向クリアランスが可能な限り小さ
くされるという特徴を有している。
別の形態において、本発明はさらに、前述の特徴により
構成される2サイクル内燃エンジンのシリンダヘッドに
関する。
本発明はさらに、下記の重要な利点を有している: −吸気弁および排気弁の断面積を最大にできると共に、
吸気マニホルドからシリンダ内部への通過中、空気の平
均流れからの偏りは比較的少しで良い。これは、実質的
に同数の吸気弁および排気弁を利用する別の解決法に比
較して、実質的に通気性を増大する結果となっている。
−掃気効果が改善される。その理由は、高い通気性を保
証すると共に、掃気空気を良好に利用することにより高
い掃気効率を達成できると共に、吸気弁の開放の最初の
瞬間を含み、排気弁の方向に逸脱することなくピストン
方向に加速されるように流れを制限することにより、シ
リンダから排気弁への外気の直接通過の危険を可能な限
り低減させることができるからである。
−良好な掃気効果を達成するための実験開発が、空気流
の形成を決定するパラメータ数が少ないことから、かな
り単純化される。事実、弁上昇の最初の部分において、
したがって低掃気流量においては、移送通路へ通じる予
備室を画定する壁の形状が、排気弁から最も遠いライナ
ーの壁への空気流の向きに対してまさるのに対して、上
昇増大および高掃気流量において、この機能はその大部
分が、吸気弁および関連する座のチューリップ形状によ
り達成され、この構成により流れは吸気パイプとシリン
ダとの間で、ネック部通過後の絞りが最小状態で約90゜
の曲がりが行なわれる。
−単一の吸気弁のみを利用する変形例において、本発明
により得られる明瞭な構造上の単純化とは別に、単一と
吸気弁により、前に画定された対称平面に対する掃気空
気流の不均斉化が防止される。これは、たとえば2つの
吸気弁がある時には、作動時のそれぞれのクリアランス
またはそれぞれのよごれた状態の進展により避けること
が困難なものである。掃気空気流を形成するにあたり、
本質的に可変な吸気弁の幾何形状に対して固定的な幾何
形状を表わしている。移送通路の幾何形状の重要な関係
により、エンジンのあらゆる場合の負荷および運転速度
において、安定性を有する掃気空気流を実現することが
できる。移送通路は場合により、改善された対称ガス状
流動の再確立に寄与する。
−本発明は予備室およびシリンダの連絡掃気を保証し、
したがって非常に少量の掃気空気の場合にも、予備室容
積は掃気され、圧縮ストローク前に(予備燃焼室が非掃
気状態であるのに対して)ほぼ独占的に外気で満たされ
る。これは、部分的負荷による運転に対応する前述の極
端な場合、助燃用空気が圧縮ストローク中にシリンダか
らの残留ガスにより押戻された後で、予備室の上部に存
するという結果になる。
こうして、ある程度相剰効果により、圧縮点火のエンジ
ンまたは制御点火のエンジン如何にかかわらず、最少負
荷のエンジンの運転を制御するために非常に有利に利用
できる状態がもたらされる。両場合とも、燃料を導入す
る装置(インジェクタ)および/または点火装置は、吸
気弁の座に対向する予備室の一部に配置されることが好
ましい。
−ピストンの上昇走行の終了時、すなわちその上死点付
近での移動により、外気がシリンダから予備室へ移送さ
れ、好ましくは平坦であるピストンの頭部と、排気弁の
頭部が閉鎖状態で同一平面内にあるシリンダヘッドの内
端部との間のデッドスペースが小さいことから、強い乱
流場が生じる。
−ピストンの上死点中央位置の直前の時期における、燃
料噴射の瞬間の燃焼予備室中の乱流は、ピストンの上昇
により発生される乱流場に対向する方向に掃気過程から
もたらされる残留渦巻き乱流により強い影響を受ける。
−燃焼および掃気予備室が掃気空気により掃気および冷
却され、かつ燃焼過程で与えられる熱の大部分が前記予
備室において発生するという事実により、燃焼ガスにさ
らされるシリンダヘッドおよびシリンダの構成部分の最
高温度を同等化すると共に、シリンダヘッドおよびシリ
ンダの上部の熱充填が可能になる。この利点は2サイク
ルエンジンにおいて優れており、熱充填量は4サイクル
エンジンの場合より高いこと、そして特に本発明のよう
に非常に高い最大サイクル圧力(たとえば200〜300バー
ルのオーダー)を利用するエンジンにおいてそう言える
ことが良く知られている。
−吸気弁および排気弁の配置およびサイズにより、その
座の内側を通常の方法で環状冷却通路を設けるために利
用することができ、それにより前記弁だけでなくシリン
ダヘッド自体の冷却も保証され、それは燃焼ガスに接触
するシリンダヘッドの表面の大部分が、前記弁座の冷却
水により自然に潅流されることによるものである。
吸気弁を水平または傾斜して配置することにより、個々
のシリンダヘッドを設けられた多シリンダ型エンジンの
場合は特に、エンジンブロックの上部に配置された横カ
ムシャフトにより、あるいは単一のシリンダヘッドを備
えるエンジンの場合はオーバーヘッドカムシャフトによ
り、その作動が直接駆動により行なわれる。この構成に
より、運動質量が小さいことから、吸気弁が開放および
閉鎖される時、カム領域における許容接触圧力限界を越
えることなく非常に高い加速値を実現することが可能で
あり、この点は吸気弁の開放ダイアグラムが非常に短く
(クランクシャフトの回転の100゜〜140゜のオーダー)
かつ排気弁のそれ(クランクシャフトの20゜〜40゜のオ
ーダー)より短いことから非常に好ましい。この配置状
態は、吸気弁が、移送通路に対向する予備室の横面に対
する、その上部における半径クリアランスが実際上零で
あることを考慮して、吸気弁の下部においてのみ吐出が
なされるという事実を補償するため、通常のエンジンに
おけるより大きい吸気弁の上昇(最大上昇量と弁座の内
径との間の比は通常の比の2倍に達し、さらにそれを越
える)を実現するのに好ましい。
これは、前述の弁、特に吸気弁の開放時間が非常に短い
ことからもたらされる問題に対する洗練された解決を可
能にしている。
これまで説明した利点、及び掃気および燃料の効率に主
として関連する利点のすべてにより、シリンダの行程/
内径比の高い値まで、特にライナーに配置されたポート
により、あるいはシリンダヘッドに配置された弁のみに
より達成されるループまたはコーナーにおいて掃気する
場合の通常の値より高い、優れた掃気および燃焼効率を
実現できる。非常に高い行程/内径比(2以下、さらに
2.5まで)の良好な掃気効率の達成は、非常に好ましい
状況において海上または地上用の大径型ディーゼルエン
ジンの実際の技術的進展と調和して行なわれており、そ
の理由は、今日の高効率の追求により、単流動掃気およ
びクロス構造の低2サイクルエンジンについては、3〜
4のオーダーの、そして中速4サイクルエンジンについ
ては1.5〜2のオーダーの、さらひ増大する行程/内径
比(高い容積圧縮比および高い燃焼効率を達成できる)
を利用する結果となるからであるが、前述の両場合とも
重量および全体サイズにとっては不利となっている。実
際にこの特徴により、本発明の装置を、シリンダヘッド
を介してのみ掃気がなされる中速2サイクルエンジンへ
適用することが可能となり、その場合、比出力に関する
2サイクルエンジンの通常の利点により、サイズは増大
するがこれら高効率エンジンが重量/動力比に実質的な
改善(不変効率についておよそ30%)が得られる。
最後に、掃気および燃焼予備室の幾何形状により、20に
も達しさらにそれを越える非常に高い容積比が提供さ
れ、これは行程/内径比が1に近い場合においても言え
る。この事実は、たとえば自動車に適用されるような非
常に小型サイズのディーゼルエンジンの始動条件を容易
にしている。
図面を参照する以下の説明により、本発明が良好に理解
されると共に、本発明の他の目的、特徴、詳細および利
点が明らかになるであろう。
第1図は本発明に関連する要素のみの概略断面図で、す
なわち相互に直交すると共に、ピストンの下死点付近に
おける掃気および充填段階中で共に開放されている吸気
弁および排気弁を配置された2サイクルディーゼルエン
ジンの、シリンダヘッドおよび関連するシリンダヘッド
部分が示され、 第2図はシリンダに対する移送通路の開口状態を示す、
第1図のII−II線に沿う水平断面図、 第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図、 第4図は相互に平行な2つの吸気弁を有する実施態様に
関する第2図と同様の断面図、 第5図は相互に平行な2つの排気弁を有する実施態様に
関する第2図と同様の断面図、 第6図は第1〜3図の実施態様の好ましい変形例の概略
拡大図、 第7図は第4図のVII−VII線に沿う断面図、 第8図はクランクシャフトの回転角度の関数としての吸
気弁および排気弁の開放期間の略図、 第9a〜9h図は第1および2図に示される変形例の異なる
位相過程の作動サイクルを示す図、 第10図は単一の共通オーバーヘッドカムシャフトによる
弁制御を明瞭に示す、本発明の別の実施態様の第1図と
同様の概略断面図を示す。
第1図に示される実施態様において、1は2サイクルで
運転(作動)される単一まはた複数のシリンダを有する
ディーゼルエンジンのシリンダを示しており、このシリ
ンダ1はここでは実質的に垂直位置で示されている幾何
軸心2を有すると共に、下死点に近い位置に示される往
復ピストン3を包含している。
このシリンダ1は、ここではたとえばウェットライナー
型として構成されているが、エンジンのシリンダフレー
ムまたはブロック4に取付けられると共に、通常は冷却
水ジャケット5で包囲されている。シリンダの上端部ま
たは頭部はシリンダヘッド6を載置されると共にそれに
より閉鎖されており、シリンダヘッド6には、特に排気
マニホルドを形成する排気ライン9と連通する燃焼ガス
用拝気パイプ8を制御する排気弁7と、吸気マニホルド
12に連通する助燃用外気のための吸気パイプ11を制御す
る吸気弁10とが包含されている。吸気弁10および吸気パ
イプ11は、掃気用新気の流動方向において掃気・燃焼予
備室13へ開口しており、この予備室13はシリンダヘッド
6に形成されると共に、移送通路14を介して連通する状
態でシリンダ1に開口している。吸気弁10および排気弁
7の配置状態は、第1図の平面に対応すると共に、排気
弁7の軸心、吸気弁10の軸心およびシリンダ1の軸心2
を含む対称平面を可能にするようになっており、ここで
これら3つの軸心は第1図に一点鎖線で示されている。
排気弁7の軸心は実質的にシリンダの軸心2に平行であ
ると共に、それに対して片寄って配置されていて、開放
位置において、この排気弁7の頭部が、シリンダ1の対
応する隣接横壁に対して相対的に近接する一側部(第1
図の左側)と、移送通路14の開口から相対的に遠い他側
部(第1図の右側)に配置されるように構成されてい
る。
予備室13に開口する吸気弁10の軸心は平行ではなく、こ
こではシリンダ1の壁に対して、したがって排気弁7の
軸心およびシリンダの軸心2に対して少なくとも直交す
るように、好ましい状態として示されている。第1図か
ら明らかなように、吸気弁10のステム17は前記対称平面
において、この軸心2から離れる方向に延長している。
排気弁7は、シリンダヘッド6に設けられた固定座15と
共働する。同様に、吸気弁10は、シリンダヘッド6に設
けられた固定座16と共働する。
移送通路14は、少なくとも一部シリンダ1の軸心2に対
して実質的に平行な壁14aを有し、吸気弁10に隣接して
配置された壁部分14bは実際には、シリンダ1の壁の延
設部を構成している(第2図参照)。移送通路14の壁14
aの対向部分は実際には、吸気弁10に対向する予備混合
室13の壁13aの一部の延設部を構成している。また移送
通路14は第2図に示されるように、シリンダ1の軸心2
に直交する横断面形状において、シリンダ1に正接する
実質的に長方形状を有している。シリンダ1に開口する
移送通路14の横断面形状は円形セクター(扇形)として
展開されることが好ましく、その中心角は60゜〜110゜
で、かつシリンダ1の横断面積に対するその面積の比
は、0.10〜0.20、そして特に0.13〜0.17であることが好
ましい。
予備室13はその上部において、吸気弁10の座16から回転
円筒部分18を有しており、この回転円筒部分18は吸気弁
10と同軸心であると共に、吸気弁10の頭部10aに対して
実質的に正接しており、かつ吸気弁10の頭部10aの上部
において実際上空気流動が無いような寸法を有してい
る。したがってこの円筒部分18は実際上、予備室13の頂
部または端部壁を構成している。
さらに、移送通路14の壁部分14aは弁座16の下部に弓形
輪郭22により連結されており、それにより空気が吸気弁
10の開放開始時から移送通路14へ直接流動することがで
きる。
特に第3図から明らかなように、実質的に吸気弁10と同
軸心の回転円筒部分18は、この壁18と吸気弁10の頭部10
aとの間に半径方向クリアランス32を残しており、これ
は吸気弁10の頭部10aの上部周囲に大きい空気流が生じ
ることを防止する最小値を有している。その結果、吸気
弁10から発する空気流のほとんど全部が、第3図の流動
矢印28により示されるように、吸気弁10の頭部10aの下
部周囲から移送通路14へ流動する。
第4図において、本発明の第2実施態様が示されてお
り、ここではそれぞれ100および110で示される2つの吸
気弁が設けられており、それぞれの上部には第3図の場
合と同様に、これらの弁の頭部が通過するのにまさに十
分な最小半径方向クリアランス32が設けられている。第
7図に示されるように、この構成により、前述した対称
平面内における燃料の噴射が可能になると共に、後述す
るように、ピストンの上昇の結果としてのシリンダ1か
らの流れによりもたらされる系統化された乱流による利
点が得られる。この実施態様においては、単一の排気弁
7が設けられている。
第5図において、それぞれ107および117で示される2つ
の排気弁と、単一の吸気弁10が設けられた本発明の別の
実施態様が示されている。
これら第4図および第5図の各実施態様において単一の
弁、すなわち排気弁7または吸気弁10は前述の対称平面
内にある。
第8図は第1,2および3図の好ましい実施態様の吸気弁
および排気弁の開放図を示している。通常、吸入部開放
はIOで示され、排出部開放はEOで示され、吸入部閉鎖は
ICで示され、排出部閉鎖はECで示され、かつ上死点はTD
C、下死点はBDCで示されている。
排気弁7の開放期間はクランクシャフトの回転角度の約
160゜を示しているのに対して、吸気弁10の開放期間は
クランクシャフトの回転角度の約140゜を示している。
この点に関して、排気弁7の開放期間は吸気弁10の開放
期間より以前に開始されることが観察でき、これら両期
間はそれぞれ下死点の前60゜および30゜で開始されてい
る。
第9a〜9h図において、このエンジンの異なる作動サイク
ルが連続して示されている。
第9a図は膨脹過程を示しており、ここでは吸気弁10およ
び排気弁7は閉鎖され、ピストン3が矢印Fで示される
ように下死点に向けて走行している。
第9b図は次の過程を示しており、ここでは排気弁7がま
さに開放されると共に、吸気弁10はまだ閉鎖されてお
り、ピストン3は下死点へ向かう下方移動を継続中であ
り、この状態においては良く知られるように、シリンダ
1内の圧力は掃気圧力のレベルまで降下する。
第9c図はその次の過程を示しており、ここでは排気弁7
はほぼ完全に開放され、ピストンは逆方向の矢印Fによ
り示されるように、その上向きストロークの開始点にあ
ると共に、吸気弁10は既に実際上開放されており、した
がってたとえば第3図に28で示される空気流動が可能に
なっている。
この流動28は移送通路14に続くシリンダの垂直壁に当た
る単一の空気流40に転換され、これはシリンダ1に流入
すると、対応する体積の燃焼ガス42を排出させる。
第9d図はその次の、シリンダ1の掃気に対応する過程を
示しており、それぞれ排気弁7と吸気弁10の最大上昇状
態が示されている。この点に関して、この吸気弁10の最
大上昇量が通常の2サイクルエンジンのそれより大きい
点に注目されたい。実際知られるように、弁の上昇量
は、弁座と弁の横断面との間に限定される幾何円筒形状
の横面積が、開放弁座の自由断面に等しいか、それより
少し大きくなるように計算される。本発明の場合、新気
の通過を許容する前記幾何円筒形状の横面積の約半分に
すぎず、その結果、吸気弁10または吸気弁100,110の上
昇量を増大することによりこの面積損失を補償すること
が必要になる。そのため、単一または各々の吸気弁10の
最大上昇量と前記吸気弁の座16の内径との間の比は0.35
を越えることが好ましい。
このサイクルの瞬間、実際上は燃焼ガス42と混合されて
おらず、かつ吸気弁10の頭部10aの位置によりほぼ全体
的に流れ28により供給される吸入空気流40は、シリンダ
1の容積のほぼ全体を占有すると共に、燃焼ガス42の大
部分を押戻している。
第9e図は掃気の終了過程を示しており、ここでは排気弁
7はまさに閉鎖され、吸気弁10はその完全閉鎖前で部分
的に開放されている。ピストン3はシリンダ1内で上向
き走行を継続しており、かつ吸気マニホルド12の方向に
空気の一部を押戻している。
第9f図は次の圧縮過程を示しており、ここでは2つの
弁、なすわち排気弁7および吸気弁10は閉鎖されてい
る。したがってシリンダ1内でのピストンの上向き走行
の継続により、圧縮がなされるだけでなく、予備室13へ
の空気の漸進的吐出がなされ、その結果、矢印50で示さ
れる大乱流場が形成され、これは燃料噴射過程および次
の過程での燃料と助燃用空気との混合に適している。
第9g図は燃料ジェット52により示される、下死点直前の
燃料噴射過程を示している。
最後に、第9h図はこうして調整された混合気の、上死点
におけるピストンによる燃焼に関連する最後の過程を示
している。説明した構造およびこの作動により、この明
細書の導入部で述べたすべての技術的利点が達成され
る。
さらに、本発明の範囲内において種々の修正が可能であ
ることが明らかであろう。したがって、本発明は、説明
した手段の技術的均等物およびその種々の結合を構成す
るすべての手段を包含するものである。
特に、たとえロッカーアーム、噴射および燃焼室の設
計、よく知られた孔通路を有するタイプのシリンダヘッ
ドの構造の設計に関連するとしても、本発明の手段と結
合するにあたり通常の手段を利用することができる。さ
らに第1図において、排気弁7および吸気弁10の座15,1
6を冷却するための通路70,72により示されており、これ
により弁自体の冷却だけでなく、燃焼ガスにさらされる
シリンダヘッド6の大部分の冷却が可能になる。
この明細書の導入部において述べた点に関して、このよ
うにシリンダヘッドに非常に高度の構造強度を付与する
ことにより、ほぼ完全に水室の存在を避けることが可能
になる。
さらに、第1図に類似の第10図に示される別の実施態様
であって、同一部材については同一参照番号が付けられ
ているものにおいては、吸気弁10の軸心の方向がシリン
ダ1の軸心2の方向に対して約50゜の角度を有するよう
に構成されている。この場合、少なくとも一つの吸気弁
10を有する各グループ、および少なくとも一つの排気弁
7を有する各グループの制御が、ローラ156,158を備え
る関連ロッカーアーム152,154を介して前述の各弁に作
用する単一の共通オーバーヘッドカムシャフト150、お
よび図面を理解しやすくするために省略された弁復帰装
置により実現される。
第6図の変形例においては、吸気弁10の頭部10aはほぼ
平坦な面19を有しており、この面19はこれもほぼ平坦な
座16の共役面20と共働するようになっている。好ましく
はほぼ円錐形を有する頭部10aの対向面21は、予備室13
の対向壁に設けられた共役形状の空所30に入るように構
成されており、全体的な構成としては、吸気弁10がその
最大上昇時に、この空所を実際上は完全に貫通して、燃
焼ガスを追い出すようになっている。さらに、吸気パイ
プ11は座16の直ぐ上流側でその下部に、リップ33を設け
られており、リップ33はノズル効果により、吸気弁10の
開放により予備室13に流入する新気を漸進的に加速する
ようになっている。
また、第1図に概略的に示されるようなこの予備室の頂
部ではなくて、吸気弁17の軸心上に配置された噴射装置
120を介して燃料が予備室13内へ圧力下で導入されるこ
とが好ましく、それによりシリンダに導入される空気お
よび燃料の混合気の均質性が改善される。2つの対称的
な吸気弁100および110が設けられる場合(第7図)は、
これら2つの弁の装置の対称軸心に沿って吐出する単一
の噴射装置120のみが設けられる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】往復ピストンを有する少なくとも一つのシ
    リンダと、シリンダヘッド内のガスを完全に交換する装
    置とを備え、前記ガス交換装置が少なくとも一つの吸気
    弁(10)を有するグループと少なくとも一つの排気弁
    (7)を有するグループからなり、各吸気弁がその座を
    掃気・予備燃焼室(13)の壁に配置されていると共に、
    前記ガス交換装置が、シリンダ(1)の軸心(2)を含
    む対称平面であって、少なくとも一つの吸気弁(10)を
    有するグループの配置に対し、少なくとも一つの排気弁
    (7)を有するグループの配置に対し、並びに予備室
    (13)およびシリンダヘッド天井部(6)の内面の形状
    およびピストン(3)の表面の形状に対して共通する対
    称平面を有している2サイクル内燃エンジンにおいて、
    予備室(13)が移送通路(14)を介してシリンダ(1)
    に連通すると共に、前記移送通路の壁(14a)が少なく
    とも部分的にシリンダ(1)の軸心に対して実質的に平
    行であり、かつこの軸心に直交する横断面が実質的に長
    方形状によりシリンダに正接して開口しており、かつそ
    の上部を介して、単一または各々の吸気弁(10)が実際
    上クリアランス無しに、移送通路(14)に実質的に対向
    する予備室(13)の横壁の上部と共働するようになって
    いることを特徴とする2サイクル内燃エンジン。
  2. 【請求項2】各吸気弁(10)の軸心がシリンダ(1)の
    軸心(2)に対して平行でない方向を有すると共に、前
    記軸心(2)に対して好ましくは約45゜〜90゜の角度を
    有することを特徴とする、請求の範囲第1項に記載のエ
    ンジン。
  3. 【請求項3】各吸気弁(10)に関連する座(16)が、少
    なくともシリンダ(1)の面に正接する移送通路(14)
    の壁部分におよそ延長する予備室(13)の壁部に配置さ
    れていることを特徴とする、請求の範囲第2項に記載の
    エンジン。
  4. 【請求項4】単一の吸気弁(10)と単一の排気弁(7)
    とを備えることを特徴とする、請求の範囲第1項乃至第
    3項のいずれかに記載のエンジン。
  5. 【請求項5】ガス交換装置が、相互に平行な2つの吸気
    弁(100,110)を備えることを特徴とする、請求の範囲
    第1項乃至第3項のいずれかに記載のエンジン。
  6. 【請求項6】ガス交換装置が、シリンダの軸心に平行な
    2つの排気弁(107,117)を備えることを特徴とする、
    請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載のエンジ
    ン。
  7. 【請求項7】シリンダ(1)に開口する移送通路(14)
    の横断面が円形セクターとして展開されており、このセ
    クターが60゜〜120゜の中心角を有すると共に、シリン
    ダ(1)の横断面に対して、好ましくは0.10〜0.20、特
    に0.13〜0.17の面積比を有することを特徴とする、請求
    の範囲第1項乃至第6項のいずれかに記載のエンジン。
  8. 【請求項8】シリンダ(1)に開口する移送通路(14)
    に実質的に対向する掃気・燃焼予備室(13)の端部壁
    が、各吸気弁(10)と同軸心で各弁頭部に実質的に正接
    する回転円筒部分(30)により構成されて、前記壁(3
    0)と各吸気弁(10)の頭部との間の半径方向クリアラ
    ンス(32)が最小値を有しており、この最小値におい
    て、各吸気弁(10)が直接かつ本質的に移送通路(14)
    の方向に向くセクター上で吐出して各吸気弁(10)から
    流出される空気流のほぼ全部が直接移送通路方向へ向け
    られるようになっていることを特徴とする、請求の範囲
    第1項乃至第7項いずれかに記載のエンジン。
  9. 【請求項9】少なくとも一つの排気弁を有する各グルー
    プが単一の共通オーバーヘッドカムシャフトにより制御
    されることを特徴とする、請求の範囲第1項乃至第8項
    のいずれかに記載のエンジン。
  10. 【請求項10】単一または各々の吸気弁(10)の最大上
    昇量と、前記吸気弁の座(16)の内径との間の比が0.35
    より大きいことを特徴とする、請求の範囲第1項乃至第
    9項のいずれかに記載のエンジン。
  11. 【請求項11】単一または各々の吸気弁(10)の頭部
    (10a)が、その座(16)から遠い方の面(21)によ
    り、予備室(13)の対向壁に設けられた共役形状の空所
    (30)と共働することを特徴とする、請求の範囲第1項
    乃至第10項のいずれかに記載のエンジン。
  12. 【請求項12】単一または各々の吸気弁(10)の座(1
    6)が平坦であると共に、移送通路(14)とシリンダ
    (1)との組合せ部の壁に正接していることを特徴とす
    る、請求の範囲第1項乃至第11項のいずれれかに記載の
    エンジン。
  13. 【請求項13】吸気バイプ(11)に設けられたリップ
    (33)が単一または各々の吸気弁の座(16)の直ぐ上流
    側で、このパイプ(11)の下部に配置されていることを
    特徴とする、請求の範囲第1項乃至第12項のいずれかに
    記載のエンジン。
  14. 【請求項14】燃料噴射装置(120)が、単一または各
    々の吸気弁(10)のほぼ軸心上で、かつ好ましくは吸気
    弁(10)の反対側で予備室(13)に開口していることを
    特徴とする。請求の範囲第4項に記載のエンジン。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項乃至第14項のいずれか
    に従って配置されていることを特徴とする2サイクル内
    燃エンジンを備えるシリンダヘッド。
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