JPH07112981B2 - 悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和するための組成物 - Google Patents

悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和するための組成物

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JPH07112981B2
JPH07112981B2 JP62500132A JP50013286A JPH07112981B2 JP H07112981 B2 JPH07112981 B2 JP H07112981B2 JP 62500132 A JP62500132 A JP 62500132A JP 50013286 A JP50013286 A JP 50013286A JP H07112981 B2 JPH07112981 B2 JP H07112981B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明は一般に、悪性腫瘍の症状の緩和ならびにウィ
ルス起因性疾病治療のための免疫療法に関する。より具
体的には、本発明は、ネコ白血病、ウシ白血病および後
天性免疫不全症(AIDS)等の疾病状態の治療に有用な免
疫療法に関する。さらに具体的には、本発明は、悪性腫
瘍に伴う痛みを緩和するのに有用な、免疫療法に関す
る。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
生体の健全性を維持するために、高度な脊椎動物は、外
来物質と『自己』物質を識別する複雑な免疫系を有して
おり、外来物質は、免疫応答を誘発して初めて排除さ
れ、自己物質は生体が許容するものである。この自己物
質と外来物質とを識別する機序には、種々の白血球間の
相互作用が関与することが知られている。
抗原を生体の循環液に暴露させると、免疫系が認識する
物質(抗原)が、マクロファージと呼ばれる種類の白血
球と接触する。マクロファージは食細胞であり、したが
って、大きさ、表面組織(すなわち、平滑さ)、表面電
荷、あるいはその他の機序によって免疫系から保護され
ない物質を貪食して破壊することができる。
マクロファージによって一旦、貪食され、処理される
と、抗原あるいはその一部分は、マクロファージの表面
に置かれ、胸腺細胞あるいはT細胞と呼ばれる別の種類
の白血球と接触する。T細胞は、さらに別のB細胞と呼
ばれる種類の白血球による抗体の産生を制御する。
抗体は、B細胞産生タンパク質であり、ある抗原に特異
な反応によって、その抗原と結合する能力がある。抗体
は、抗原表面のある一定部分(抗原決定群)とのみ結合
するので、この抗体の特異性、それぞれ結合する決定因
子がその他の抗原に認められない程度によって決定され
る。
外来細胞表面における抗体とそれに対応する抗原との結
合は、免疫系によるその細胞の破壊に関連する重大な結
果をもたらす。第一に、抗体による細胞被覆は、マクロ
ファージ、ならびにキラー(K)細胞や多形核(PMN)
球等のその他の種類の食細胞による細胞の貪食を促進す
る。キラー細胞は、抗体が被覆した細胞を破壊する作用
があるが、マクロファージが処理した抗原に予め暴露さ
せて感作させる必要がない。第二に、抗体による細胞被
覆は、血液の液体(血漿)分画中の補体系として知られ
るタンパク質系を活性化する。この系が活性化すると、
補体成分も外来細胞を被覆し、食作用を促進する。さら
に、補体の活性化は炎症細胞を刺激し、その結果、化学
走性と呼ばれるプロセスを通じてマクロファージを引き
つける化学物質が産生され、さらに細胞機能の炎症性の
ホルモン的活性化が起きる。最後に、補体成分は、外来
細胞の膜を直接に分解(溶解)する。抗原−抗体および
補体の相互作用に関連する免疫応答は、一般に、体液性
反応と呼ばれる。
体液反応を調整するT細胞には、いくつかの種類があ
る。
T細胞の種類には、ヘルパー(TH)細胞、インデューサ
ー(TI)細胞、レギュレーター(TR)細胞、およびサプ
レッサー(TS)細胞が含まれると説明されている。〔He
rscowitz,Immunology III,第7章、Bellanti,J.W.Saund
ers,Philadelphia(1985)〕。TIおよびTH細胞は、マク
ロファージ表面にある処理された抗原との接触によって
起動される。さらに、TH細胞は、TI細胞およびTR細胞か
らの信号によって活性化される。TR細胞は、TI細胞およ
びTS細胞からの信号によって活性化される。TS細胞の起
動は、TR細胞からの信号に応答、あるいは抗原との接触
の結果、起きる。
最適量の外来物質を体液に導入すると、B細胞が抗体を
産生するプロセスが開始される。このプロセスにおい
て、B細胞はTH細胞による刺激に応答するが、このTH
胞は先にマクロファージによる刺激を受けている。いく
つかの抗原を、持続的に低レベルで導入するか、あるい
は、一つの抗原を高レベルで導入するとTH細胞からB細
胞への信号がTS細胞によって遮断されるために、抗体産
生は低レベルとなるか、あるいは産生の欠如が起きる。
この抑制と呼ばれる遮断は、マクロファージ−TI−TR
路を通じて、あるいは抗原によるTS細胞の直接刺激によ
って引き起こされる可能性がある。最初の抗原に体する
抗体産生の抑制は、反抑制として知られるプロセスによ
って克服できる。このプロセスでは、抗原性が最初の抗
原に似た第二の抗原によって、反サプレッサー細胞と呼
ばれるTS細胞のサブタイプを刺激する。これらの反サプ
レッサー細胞は、TR細胞に信号を送り、TR細胞は、サプ
レッサーTS細胞の活動に対する耐性をTH細胞に与え、さ
らに、サプレッサーTS細胞のサプレッサー信号を遮断す
る。Gershon等,J.Exp.Med.,153,1533−1546(1981);Ya
mauchi等,J.Exp.Med.,153,1547−1561(1981);および
Green等,Ann.Rev.Immunol.,1,439−463(1983)を参照
されたい。
抗原が存在する場合に免疫応答が起きるか否かを決定す
るものは、THヘルパー細胞の作用とTSサプレッサー細胞
の作用の平衡である。したがって、実際的には、T細胞
のネットワークの働きは、サプレッサー細胞に対するヘ
ルパー細胞の比率(TH/TS)について検討できると思わ
れる。
さらにT細胞は、細胞媒介免疫(CMI)反応に関与する
とされる別の種類の免疫応答に関連する。TH細胞がマク
ロファージによって処理された抗原と接触すると、TH
胞はインターロイキンII(IL−2)を放出する。このイ
ンターロイキンII(IL−2)は、細胞毒性(TCYT)T細
胞を活性化し、さらにこの時にTH細胞によって放出され
たガンマインターフェロンと共に、ナチュラルキラー
(NK)細胞を活性化する。TCYT細胞およびNK細胞は、共
に外来細胞を殺す。TCYTは、、特に、腫瘍細胞の拒絶お
よび破壊に関与する。
上記の考察から明らかなように、免疫系の働きの概要は
既に得られている。しかし、免疫系の働きの多くの部分
はまだ解明されていない。未解明の領域の一つは、ある
種の癌(悪性腫瘍)およびある種のウィルス〔例えば、
ネコ白血病ウィルス、ウシ白血病ウィルス、およびAIDS
の原因と考えられているヒトT細胞白血病リンパ腫ウィ
ルス(HTLV)〕に感染した細胞を免疫系が認識すること
ができないことである。
悪性腫瘍に対する免疫系を刺激するために、アジュバン
ト(免疫促進剤あるいは増強剤)の投与によって抗腫瘍
防御の強化を図る多くの試みがなされてきた。これらの
方法は、マクロファージおよびT細胞による非特異性食
作用ならびに腫瘍細胞の死滅を促進することを目的とし
ている。このような方法は、感染性BCGミコバクテリ
ア、不活性Coryne−bacterium parvum、グレカン(微生
物から得たグルコース重合体)、あるいはレバニゾール
(levanizole)(CMIおよびマクロファージの活動を刺
激するのに有用であることが知られている駆虫剤)を用
いる。Herberman等,Immunology III、第19章、(Bellan
ti編),W.B.Saunders Co.(1985)、343頁。Lactobacil
lus bulgaricusの細胞壁からの糖タンパク質を含む『リ
ソソームおよびペプシン溶解物』が有すると報告されて
いる抗腫瘍作用〔Bogdanov等,FEBS Letters,57:259(19
75);Bogdanov等,Byulletin Eksperimental′noi Biolo
gia i Meditsiiny,84:709(1977)〕、および破壊したS
taphylococcus aureusを用いる悪性腫瘍の治療〔審査済
みの日本国特許出願第84046487号の要約〕は、このカテ
ゴリーに属するものと思われる。アジュバント療法の成
果には、様々な疑問や限界がある。前出のHerberman等
の文献。
免疫系が悪性腫瘍を認識できないことは、種々の腫瘍疾
患の患者に、ある種の特徴的な物質(腫瘍マーカー)が
標準を上回るレベルで存在することを考えると、特に難
しい問題である。具体的に説明すると、αフェトプロテ
イン(AFP)、癌胎児抗原(CEA)およびヒト絨毛ゴナド
トロピン(HCG)は、それぞれ肝臓、結腸および栄養膜
に腫瘍があある患者の検査に広く用いられている胎児性
腫瘍マーカーである。卵黄嚢腫瘍、ヘパトーム、網膜芽
腫、胎生期癌、乳癌および子宮頚癌患者の50%以上の通
常のレベルを上回るAFPが見られ、さらに、膵臓の癌、
黒色腫、胃癌、基底細胞癌、気管支癌、膵臓癌、髄様甲
状腺癌、家族性髄様甲状腺癌、骨肉腫、網膜芽腫、卵巣
嚢胞腺癌、キノコ状真菌症、ヘパトーム、食道癌、子宮
頚腺癌、肺癌、小腸癌、膀胱癌、および腎細胞癌の患者
の2ないし50%に高レベルのAFPが見られ、さらに神経
堤腫瘍、乳癌、前立腺癌、一次ブドウ膜癌、神経芽腫、
悪性体液、精上皮腫、基底細胞癌、胃癌、喉頭癌、子宮
内膜癌、子宮頚上皮内癌、頬粘膜癌、頭蓋咽頭腫、胎児
性横紋筋肉腫、咽頭口部癌、脳腫瘍および睾丸奇形腫の
患者の9ないし50%に高レベルのAFPが見られる。HCG
は、絨毛癌、精巣悪性間質細胞腫瘍、精巣非精上皮腫、
胎生期癌および膵臓癌の患者の50%以上の血清中に高レ
ベルで見られ、さらに奇形腫、卵巣腺癌、子宮頚癌、子
宮内膜癌、精上皮腫、胃癌、膀胱癌、乳癌、結腸直腸
癌、気管支扁平上皮癌、黒色腫、および多発骨髄腫の患
者の6ないし50%に高レベルで見られる。組織ポリペプ
チド抗原(TPA)やその他の万能胎児性腫瘍マーカーも
知られており、このTPAは細胞増殖に関連し、またいか
なる種に対しても特異的ではない。KlavinsのAnnals of
Clinical and Laboratory Science,13:275−280(198
3)を参照されたい。HCGに関しては、Acevedo等,Infect
ion and Immunity,31,487−494(1981)に示されている
ように、絨毛ゴナドトロピン様の抗原が、癌患者の尿か
ら単離された細菌中に見つかっているが、試験を行った
その他の採取源から得た同じ細菌種には見つかっていな
い。さらに、ラット乳房腺癌細胞とラットヘパトーム細
胞は、絨毛ゴナドトロピン様の物質を合成することが明
らかになったが、Kellen等,Cancer Immunol.Immunothe
r.,13,2−4(1982)に示されるように、この物質はこ
れらの腫瘍が発生した動物と血清中には見られなかっ
た。Kellen等の論文ならびに米国特許第4,384,995号に
おいては、破傷風類毒素に接合したHCGのサブユニット
を用いて、絨毛ゴナドトロピン様抗原を産生することが
知られている腫瘍細胞に暴露される前に、この接合物質
を繰り返して注射することによって、絨毛ゴナドトロピ
ン様物質に対する免疫応答を予防的に刺激している。
HCGを用いる予防療法とアジュバント療法の相違点はい
ろいろあるが、その一つは、予防を目的とする免疫応答
を誘発する場合は、ある腫瘍抗原に対する特定の抗体を
産生する同一B細胞(クローン)の少なくとも一個体群
の発生を開始させるために、さらにそのクローンによっ
て産生された抗体のために、一定期間にわたって繰り返
し注射を行うことが必要であることである。一方、アジ
ュバント療法では、B細胞の既存のクローンによる抗体
産生が起きる可能性があり、従って直ちに観察すること
ができる抗腫瘍効果を有する。破傷風類毒素と接合きた
HCGを用いる治療(すなわち、悪性腫瘍が発生した後の
治療)では、抑制不可能なヘルクスハイマー型の反応が
生じる可能性が高まる。ヘルクスハイマー反応は、梅毒
患者を、梅毒の原因となるスピロヘータ属菌に毒性を有
する物質を用いて治療した後に発生し、菌が大量に死亡
するために、潜在的に致死性の毒性物質が患者の血流に
放出される。これから類推すると、腫瘍抗原に対する免
疫応答を誘発する過程と、今までのところ予測不可能な
一時点において、癌細胞が大量に死滅して患者が死亡す
るかもしれない。
黄体化ホルモン放出因子(LHRF)は、しばしばゴナドレ
リンと一般的に称され、下垂体ゴナドトロピンの一つで
ある黄体化ホルモンを下垂体から放出させるものである
が、米国特許第4,002,738号および4,071,622号では、種
々の腫瘍の治療に使用されている。さらに、ゴナドレリ
ンは、米国特許第4,321,260号では、一種の非悪性では
あるが過剰な前立腺の増殖である良性前立腺過形成の治
療に用いられている。しかし、ゴナドトロピンの直接投
与が悪性腫瘍の破壊に影響を及ぼす可能性があること
は、これらの特許には一切示唆されていない。さらに、
下垂体からの黄体化ホルモンの放出は、投与されたゴナ
ドトロピンとは関係のないフィードバック制御を受ける
ので、もし黄体化ホルモンが放出されるとしても、その
放出量は、単に投与量の知識だけでは決定することがで
きない。その上、LHRFは他の物質と共に、腫瘍細胞に直
接作用して、絨毛ゴナドトロピンの分泌を増加させる可
能性がある。これによって、LHRFの投与の効果はさらに
不確定性が高まる。Kellen等,AACR Abstracts,23,235
(1982年3月)(要約928)。
実際のところ、Simon等,J.M.C.I.,70,839−845(1983)
は、性腺刺激ホルモンおよびステロイドホルモンの投与
は、分化した癌の増殖を刺激することを示している。こ
のようなホルモンとしては、ヒト卵胞刺激ホルモン(FS
H)、HCG、ヒト黄体化形成ホルモン(LH)、およびコル
チゾールがある。
このように、Simon等は、性腺刺激ホルモンあるいはス
テロイドホルモンの直接投与は、悪性腫瘍の増殖作用が
あるという考えを支持しているものと思われる。
腫瘍細胞抗原に対する免疫応答の抑制の証拠が、Akiyam
a等,J.Immunol.,131,3085−3090(1983)に示されてい
る。それによると、癌患者と健康な供与者から採取した
リンパ球の混合培養物の応答は、癌患者から採取した腫
瘍細胞をこの系に導入することによって抑制された。こ
れは、健康な供与者から採取したリンパ球だけを含む培
養物の応答はそれほど抑制されないことから、癌患者の
リンパ球の中には、腫瘍に由来する細胞に特異性を示す
TS細胞が存在することを示唆している。
さらに、抗原特異性、TS細胞が、形質細胞腫を持つマウ
スから単離されており、この細胞は、この腫瘍に対する
細胞毒性T細胞応答の試験管内誘発を阻止した。Kolsc
h,Scand.J.Immunol.,19,387−393(1984)。Kolschによ
ると、TS細胞は、抗原の高投与ないし低投与によって活
性化することが可能であり、またTH細胞を抑制すること
が可能であるが、TS細胞を活性化するのと同時にTH細胞
を活性化する臨界ないしは中間抗原投与量を用いれば、
TH細胞は支配的になることができる。このように、Kols
chは、TH細胞は活性化されるが、この時TS細胞が免疫応
答を支配するという微妙なバランスが達成される抗原投
与量が存在することを示唆している。
Loblay等,Aust.J.Exp.Biol.Med.Sci.,62,11−25(198
4)では、ある抗原に暴露されていた動物においてTS
胞によって生じる抑制は、その後に十分な量の抗原を投
与することによって強化されることが示唆されている。
したがって、反抑制を誘導する試みが、反抑制を直接誘
導するよりも、反サプレッサー細胞、あるいはそれから
得た物質を供給することを目的としていたことは、驚く
に足りない。
Green,『反抑制:免疫調節におけるその役割(The Pote
ntial Role of T−Cells In Cancer Therapy)』,Fefer
等編,Raven Press,New York(1982)、およびGreen等,A
nn.Rev.Immunol.,1,439−463(1983)を参照されたい。
〔問題点を解決するための手段〕
したがって、悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和するための
本発明の方法は、皮下注射後の陽性膨疹による評価に例
示される、体液性免疫応答を誘発するのに必要な最少量
より少ない量の、悪性腫瘍の患者/患畜の罹患細胞に特
有の物質、その有効な断片、およびその有効な誘導体か
らなるグループから選択された物質を、患者/患畜に投
与する工程を含むものである。このような方法の一例と
して、HCGとStaphylococcus aureusの溶解物を含む組成
物の一日当たり一度の投与がある。本発明に基づく患者
/患畜の後天性免疫不全症の症候を緩和するための方法
は、皮下注射後の陽性膨疹による評価に例示される、体
液性免疫応答を誘発するのに必要な最少量より少ない量
の、後天性免疫不全症患者/患畜の罹患細胞に特有の物
質、その有効な断片およびその有効な誘導体からなるグ
ループから選択された物質を、患者/患蓄に投与する工
程を含むものである。
本発明に基づく患者/患畜の悪性腫瘍に伴う疼痛症状を
緩和するための組成物は、体液性免疫応答を誘発するの
に必要な最少量より少ない、悪性腫瘍患者/患畜の罹患
細胞に特有の物質、その有効な断片およびその有効な誘
導体からなるグループから選択された物質を含むもので
ある。
本発明に基づく混合物はさらに、皮下注射後の陽性膨疹
による評価に例示される、体液性免疫応答を誘発するの
に必要な最少量より少ない量の免疫促進剤を含むもので
ある。このような組成物の一例として、HCGとStaphyloc
occus aureusの溶解物を含む混合物がある。
本発明に基づく患者/患畜の後天性免疫不全症の症候を
緩和するための他の組成物は、体液性免疫応答を誘発す
るのに必要な最少量より少ない量の、後天性免疫不全症
患者/患畜の罹患細胞に特有の物質、その有効な断片お
よびその有効な誘導体からなるグループから選択された
物質を含むものである。この組成物はさらに、皮下注射
後の陽性膨疹の評価に例示される、体液性免疫応答を誘
発するのに必要な最少量より少ない量の免疫促進剤を含
む。このような組成物の一例として、HCGとStaphylococ
cus aureusの溶解物を含む混合物がある。
本発明に基づく一方法において、悪性腫瘍あるいはAIDS
に特有の物質をそれぞれ悪性腫瘍あるいはAIDSの患者/
患畜に投与するが、その投与は、体液性免疫応答を誘発
する(すなわち、抗体の産生を開始する)のに必要な最
少量より少ないと考えられる量で充てられる。この投与
量は、疾病の症状が消失するまで毎日投与されるが、望
むならばもっと長く投与を続けてもかまわず、支障も無
い。
体液性免疫応答を誘発するのに必要な投与量より少ない
投与量を確定するために、Moore,Clinical Medicine,8
1,16−19(1974)に記載された手順に従って、治療剤の
皮下注射によって生じる膨疹を評価する。Mooreの論文
によると、このような評価は、インフルエンザの症候を
根絶するのに有用なワクチンの投与量を確定するために
使用されている。皮下注射を行えば、注射後10分間して
から、白く、堅く、段になり、かつ円板状(円板を皮膚
に接着したような、均整のとれた、廻りとはっきりと区
別がつくもの)の膨疹は、陽性と判定される。陰性の膨
疹は、投与量か免疫応答を誘発するのに必要な投与量を
下回ることを示すものであり、10分後には吸収されて、
注射時よりも柔らかくかつ平たくなる。この陰性膨疹
は、緑の均整がとれず、ギザキザであり、直径は平均2m
mを下回る。
望ましい投与量である2国際単位(IU)は、最初は実施
例1の馬の皮膚試験によって決定したが、下記の各実施
例は、2IUのレベルの投与量を投与することによって治
療にしばしば成功する可能性があることを示している。
皮膚試験によって最初に最適投与量を決定したくても、
2IUの投与量は、試験した動物あるいはヒトのいずれに
ついても十分に低いように思われた。しかしながら、当
業者は、上記の例に示したような方法、あるいは別の方
法による適切な投与量の決定を用いて、本発明の方法を
洗練することが可能であると考える。
絨毛ゴナドトロピンの働きを補完し、かつヘルクスハイ
マー反応に類似した壊死組織の急速な痂皮形成によって
誘発される毒性反応を同時に防止するために、細菌溶解
物を細胞媒介免疫の広スペクトル刺激物質として、各治
療バイアルに加えた。応答には種特異性は見られず、ヒ
トはウマの絨毛ゴナドトロピン(ECG)あるいはHCGに応
答し、実施例におけるその他の動物もECGあるいはHCGに
よる治療に良好に応答した。
AIDS患者はTS細胞に対するTH細胞の比率が大きく低減す
ることが報告されている。Cohen,British Journal of H
ospital Medicine,31,250−259(1984)を参照された
い。AIDSは、the Centers for Disease Controlによっ
て、細胞媒介性免疫を欠損があることを少なくともある
程度示唆する疾病であり、その疾病に対する抵抗性を低
下の既知の原因が無い人に発生するものとして定義され
ている。
AIDSの原因となると考えられるウィルスは、ヒトT細胞
白血病リンパ腫ウィルス(HTLV)の一種で、HTLV−III
ウィルスとして知られているものであること、そして、
このウィルスはネコおよびウシの白血病を起こすウィル
スに関係があることが報告されている。Franklin,Scien
ce News,126,269(1984)。ネコおよびウシ白血病ウィ
ルスは、抗原性の点で似ていることが知られている。Mo
rgan等,J.Virol.,46,177−186(1983)。したがって、
体液性免疫応答を誘発するのに必要な量よりも小さい量
のHCGを投与すれば、ネコ白血病およびウシ白血病の症
候を緩和するのに役立つ可能性があるという本発明者の
発見は、類似形態の治療がAIDSの症候の緩和に有効であ
る可能性があることを示唆している。
さらに、ネコ白血病ウィルス(FLV)およびHTLVはとも
にレトロウィルス(タイプCウィルス、RNA腫瘍ウィル
ス、白血病ウィルスとしても知られている)である。Ma
nzani等,Surv.Immunol.Res.,1,122−125(1982)。レト
ロウィルスは、リボ核酸(RNA)の形でコード化された
ウィルス遺伝子を含む感染性粒子として伝達される可能
性がある。感染した細胞の中で、このRNAは、逆転写酵
素と呼ばれるウィルス酵素によって、デオキシリボ核酸
(DNA)の中にコード化される。DNAに読み込まれたウィ
ルス遺伝子は、感染細胞のDNAにコード化された遺伝物
質と一体化され、複製、転写および翻訳される。Lewin,
Genes,第13章,John Wiley and Sons,New York(198
3)。このようなレトロウィルスは一般に定常的な感染
状態を生じ、ウィルスの後代は宿主細胞の表面からの発
芽によって連続的に排出される。このようにして、定常
状態ウィルスは、耐性の誘導の臨床規準を示す。
それは、ウィルス抗原の接種物の投与量が大きいこと、
ウィルス特異性抗原が存続すること、そして、腫瘍特異
抗原が生成し、かつ存続することである。前出のHerber
man等。
したがって、下記の実施例において種々の腫瘍疾病、と
りわけ、ネコ白血病およびウシ白血病の治療に有効であ
ることが示された本発明の方法および組成物は、AIDSの
治療にも有効であると思われる。
〔実施例〕
実施例1、2および3は、2つの異なる悪性腫瘍が生じ
たウマの治療に関する。
実施例4および5は、ネコ白血病に罹っていると診断さ
れたネコの治療に関する。
実施例6は、ウシ白血病の雌ウシの治療に関する。
実施例7および8は、2つの異なる悪性腫瘍が生じたイ
ヌの治療に関する。
実施例9は、悪性腫瘍が生じた患者の治療に関連する。
実施例10は、悪性腫瘍が生じた患者の治療の痛み緩和効
果に関する。
実施例1 肥満細胞腫が生じたウマを、日に2IUのゴナドトロピン
のみ(すなわち、細菌溶解物免疫促進剤を用いずに)を
用いて治療した。使用したゴナドトロピンは、W.A.Butl
er Companyのウマ絨毛ゴナドトロピン、あるいはAyerst
Corp.のヒト絨毛ゴナドトロピン(A.P.L.−ヒト絨毛ゴ
ナドトロピン)であった。本実施例および下記実施例に
おいては、日に2IUのウマ絨毛ゴナドトロピン(ECG)あ
るいはHCGを投与した。
ウマがヘルクスハイマー反応によって死亡するまでは、
ウマの腫瘍は急速かつ大幅に縮小した。(免疫促進剤を
用いたその他の治療を受けた動物では、このような副作
用は見られなかった。) 実施例2 黒色腫のウマ3頭を、実施例1の手順によって、症状が
消失するまで治療することに成功した。但し、細菌溶解
物免疫促進剤を加えた。
症状が消失した後は、3頭はそれ以上治療を受けなかっ
たが、症状が再発しなかった。
この手順に用いるのに適切な細菌溶解物が、Staphage L
ysate(登録商標)の名前でDelmont Labs.から発売され
ている。Staphage Lysate(登録商標)は、細菌学的に
滅菌されたブドウ球菌ワクチンであり、Staphylococcus
aureusの成分および培地成分(塩化ナトリウムおよび
限外濾過ビーフハートインフュージョンブロス)を含
む。ブドウ球菌の成分は、Staphylococcus aureus血清
学タイプIIおよびIIIの母培養を多価ブドウ球菌属バク
テリオファージで溶解して調製する。1ml当たり、Staph
ylococcus aureusのコロニー形成ユニットを12000万〜1
8000万、およびブドウ球菌属バクテリオファージプラー
ク形成ユニットを10000万〜100000万含む。治療に用い
た試験剤はすべて、各0.5ccの注射薬に、ゴナドトロピ
ン2ユニットおよびStaphage Lysate(登録商標)0.1cc
を含んでいる。
薬剤の投与 種、悪性のタイプ、あるいは腫瘍のサイズに関係なく、
すべての動物は、腫瘍あるいは白血病が消失するまで、
絨毛ゴナドトロピンと免疫促進剤の混合物の皮下注射
を、1日に1度受けた。
試験および結果 すべての動物は、免許を有する獣医によって、腫瘍があ
ると診断された。
実施例3 顔に未分化腫瘍が生じたウマ1頭を、実施例2の手順に
よって症状が消失するまで治療するのに成功した。症状
が消失した後、ウマはそれ以上治療を受けなかったが、
症状は再発しなかった。
実施例4 ネコ白血病ウィルスに感染していると診断されたネコの
治療の二重盲検法による試験が認可を受けた試験研究所
によって実施された。ネコ白血病の臨床試験は、認可を
受けた試験所によって実施され、幾匹かの被検動物から
採取した生検組織は、獣医学委託試験所にて検査され
た。すべての症例において、動物は上記と同様に治療を
受け、症状が消失した時点で治療を中止した。いずれの
症例においても、2回目の治療を実施する必要はなかっ
た。副作用は見られなかった。
プラシーボを投与された動物は7日以内にすべて死亡し
た。治療を受けた動物の一部は6週間後にも生存してお
り、実験以降は治療を受けていなかった。特に興味深い
ことは、治療を受けたネコが無症候であっただけでな
く、ウィルス血症でもなかったことである。いずれにし
ても、プラシーボを与えた動物と比較して、治療を受け
た8匹の動物のうちの6匹(番号が2、3、11、21、23
および24のネコ)は、生存期間が延びるか、ないしは症
状が緩和された。
番号が4、5、16、22のネコはプラシーボを投与され
た。
番号4のネコは、試験開始後1日で死亡した。番号4の
ネコの剖検は行わなかった。
番号5のネコは、ウィルス血症に大した変化は見られな
かった。腫瘍の大きさは一定のままであった。このネコ
は、試験開始後第10日目に安楽死させた。剖検したとこ
ろ、ネコは瀕死の状態にあり、痩せ衰え、盲目で、貧血
状態にあったことが確認された。腫瘍が、舌、眼、胸膜
腔、腎周囲腔および腹膜腔にあった。
番号16のネコは、最初の治療から6日後に死亡した。剖
検したところ、小さな転移腫瘍が肺に見られ、さらに、
大きな腫瘍が網膜に見られた。
番号22のネコは、最初の治療から6日後に死亡した。剖
検したところ、転移腫瘍が肺、肝臓および網膜に見られ
た。
死因は、腹膜後腰下部位への腎出血であった。
番号2、3、7、11、15、21、23および24のネコは、実
験治療を受けた。
番号2のネコでは、ウィルス血症は低減したが、腫瘍の
大きさは変化しなかった。番号2のネコは試験開始後16
日で死亡した。剖検したところ、腫瘍が一つ見つかった
が、この腫瘍は開いて、流出していた。全身のリンパ節
の膨大、および肝臓の肥大、および心尖に小さな腫瘍が
認められた。
番号3のネコでは、ウィルス血症は低減し、陰性になっ
た。腫瘍は大きさが小さくなり、正常の状態に戻った。
試験期間中、ネコは外見上正常であった。
番号7のネコは、最初の治療から4日後に死亡した。剖
検は行われなかった。
番号11のネコでは、ウィルス血症が僅かに低減した。腫
瘍の大きさは変わらなかった。番号11のネコは、最初の
治療から19日後に死亡した。剖検したところ、体腔全体
に腫瘍が見られた。
番号15のネコでは、ウィルス血症は大して低減しなかっ
た。腫瘍には変化はみられなかった。このネコは、最初
の治療から10日後に死亡した。剖検したところ、このネ
コは、痩せ衰えており、腫瘍が、肺、縦隔膜、心嚢、胸
膜、および腸骨(illiac)リンパ節に見られた。
番号21のネコにおいては、ウィルス血症は変化しなかっ
た。このネコは正常であるように思われた。剖検したと
ころ、胸腺の肥大および腸間膜のリンパ節の肥大が見ら
れた。
番号23のネコにおいては、ウィルス血症は試験期間全体
にわたって低減した。番号23のネコは、試験の期間中、
正常な状態にとどまった。番号24のネコにおいては、ウ
ィルス血症は変化しなかった。このネコは、試験の期間
中、正常であるように思われた。剖検したところ、胸腺
の肥大が認められたが、その他の点ではネコは正常であ
った。
実施例5 オハイオ州、ペンシルバニア州およびノースキャロライ
ナ州の獣医によって、数ダースのネコが実施例2の手順
によってネコ白血病の治療を受け、治療は成功した。治
療を行った獣医の報告所見に基づくと、少なくとも80%
は、治療の停止後に健康を回復した。例えば、あるネコ
は、わずかにその胸壁を持ち上げて呼吸をするだけの体
力を余すのみであり、13ポンドあった体重は6ポンドに
低減していた。治療を10日間続けた後、このネコは動き
廻り、活発になった。体重は10ポンドに増加した。
実施例6 実施例2の手順により、ウシ白血病20症例を治療した結
果、13月間もの長期に渡って症状は完全に寛解した。17
頭の乳牛のミルクの生産は、回復しただけでなく、増進
した。治療に失敗したのは3症例だけであったが、これ
らの症例においては、乳牛は治療開始の数日前には瀕死
の状態であった。
ウシ白血病の臨床試験は、認可を受けた試験所によって
実施され、幾つかの症例の生検組織は、獣医学委託試験
所によって検査された。
実施例7 生後6カ月の子犬の顎に生じた偏平上皮癌を、上記の実
施例2の手順によって治療した。生検組織を検査した獣
医学委託試験所の評価によると『予後は良くない』とい
うことであったが、継続的なX線記録が示すように、こ
のイヌは完全に治癒した。
12歳のイヌの肩に生じた偏平上皮癌を、上記の実施例2
の手順によって治療した。2日後に、イヌは長く歩くこ
とが可能となり、食事も進み、腫瘍は手で触ると温かく
感じられるようになった。5日後には、はっきりと腫瘍
が縮小したことが観察された。2週間後には、腫瘍は殆
ど消失した。
実施例8 13歳のイヌに肛門腫瘍が生じ、日に日に大きさを増し、
尾を横方向に押し退ける状態になった。このイヌを実施
例2の手順によって治療した。写真記録は、腫瘍の大き
さが第3日から低減しはじめ、日に日に小さくなったこ
とを示した。腫瘍は消失した。イヌは、その後に死亡し
たが原因は不明である。剖検は行われなかった。
実施例9 黒色腫、結腸癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌おおび肺癌を含
む、末期癌と診断された少数の患者の治療を行った。患
者は、実施例2の手順によって治療されたが、但し、何
人かの患者は単位投与量あたり0.2ccの免疫促進剤を投
与された。
ある場所において2年半の期間中に治療を受けた患者9
人は、患者を治療した医師が示した予測生存時間よりも
皆長く生存し、1人だけ死亡した。死亡した患者は、死
亡する2カ月前に本発明による治療を中止した。生存し
ている8人の患者のうち、6人は治療を開始してことか
ら1年半あるいはそれ以上長く生存していることにな
る。
これら9人の患者は皆、本発明を最後の頼みの綱として
実施した。そして、死亡した患者1人を除いて残りの患
者は皆、本発明による治療を開始する前に、なんらかの
放射線治療あるいは化学療法を受けていた。患者9人は
すべて転移があり、疾病が進行していることを示してい
た。副作用は見られなかった。
しかしながら、すべての患者がどの程度まで定期的に本
発明による混合物を用いたかは明らかではない。たとえ
ば、生存している患者の幾人かは、週に1度あるいは2
度にまで治療回数を減らしているが、総合的な健康状態
は低下していない。これらの患者のうち誰一人として
(但し、死亡した患者は別として)治療を完全に中止し
たものはいない。
その他の場所における散発的な治療はそれほど成功して
おらず、全体では、治療を受けた患者のおおよそ半数が
現在も生存している。残りの半分の患者は死亡した。剖
検データがないので、治療を受けた患者の死亡の原因を
すべて癌としてもよいのか、その他の原因があるのか、
明らかではない。
最大限の化学療法および放射線療法を受けていなかった
患者が、本発明の混合物および方法に最も明確な反応を
示した。このことは、本発明の治療薬が、少なくとも部
分的に、免疫操作に関連していること、そして、存来の
抗癌療法を受けている患者の免疫応答を担っている細胞
が弱められていることを示唆している。
実施例10 実施例9において述べた患者の多く、および種々の癌に
対する本発明による治療を受けたその他の患者は、これ
らの癌に伴う痛みの大部分あるいは全部が軽減したこと
を報告した。本発明による治療にかかわらず、やがて死
亡した患者の場合にも、患者が苦しんだ痛みのレベル
は、殆どの例において相当に低減した。多くの症例にお
いて、麻酔薬およびその他の鎮痛剤による治療は中止で
きるようになり、その結果、患者は薬剤が引き起こす感
情鈍麻と精神的な重苦しさから開放された。
患者は実施例2の手順によって治療を受けたが、但し、
一部の患者は単位投与量あたり0.2ccの免疫促進剤を投
与された。しかしながら、すべての患者がどの程度まで
定期的に本発明による組成物を用いたかは明らかではな
い。患者の幾人かは、治療を1日に1度から、週1に1
度あるいは2度にまで減らしたものと考えられる。
悪性腫瘍による疾病状態による痛みを経験した患者は、
下記の結果を報告した。
患者Aは74歳の男子であり、脊椎の癌を患っており、こ
の癌は肺に転移していた。患者はかなりの量の痛みに苦
しんでいることを報告しており、1日あたり4〜6回の
Perkosetの投与が必要であった。この薬剤は痛みを低減
するのに僅かに役立つだけであったが、精神的な重苦し
たと感情鈍麻をもたらした。本発明による治療を開始し
てから9日以内に、患者は痛みが無くなったと報告し
た。患者は4カ月以上に渡って痛みから開放されたが、
患者が肺炎に罹ったために本発明による治療は中止され
た。治療を再開したが、もはや痛みを軽減する効果は報
告されなかった。
患者Bは、乳房、肺および骨の癌を患っており、本発明
による治療の開始前に、激しい痛みに苦しんでいると報
告した。本発明による治療は患者の痛みを完全には解消
しなかったが、痛みを軽減したと報告された。
患者Cは、骨癌による激しい痛みに苦しんでいると報告
したが、この痛みは本発明による治療を5週間続けるま
で全く軽減しなかった。しかしながら、この5週間後の
時点で、患者は痛みが相当に軽減したことを報告した。
患者Dは、肝臓および膵臓の癌による激しい痛みに苦し
んでいることを報告した。この痛みは、本発明の方法に
よる治療を2週間続けた後に殆ど解消したと報告され
た。
患者Eは、乳房、皮膚、肺およびリンパ管の癌による激
しい痛みに苦しんでいることを報告した。本発明による
方法で7週間に渡って治療したが、症状は改善しなかっ
た。そこで、治療の投与量を増したところ、患者は4日
以内に痛みが劇的に消えたことを報告した。
患者Fは、肺癌による激しい痛みに苦しんでいることを
報告した。本発明による治療を5〜6日受けた後、患者
はコデインおよびモルヒネを用いる痛みの治療を中止す
ることができた。その後に痛みは再発しなかったことが
報告された。
患者Gは、肺癌による中程度の痛みがあると報告した。
この痛みは本発明の方法による治療の結果消失したこと
が報告された。
患者Hは、結腸、肺および骨の癌による抑えることがで
きない痛みを報告した。この痛みは、それまで行われた
麻酔薬やその他の鎮痛剤による治療には応答しなかっ
た。本発明による治療を開始してから7日以内に、患者
は痛みが消えたことを報告した。
患者Iは、肝臓および大動脈の癌を患っており、患者
が、『引っ張り、あるいは引っ掛かり』と説明する軽い
不快感があった。この痛みは本発明による方法によって
は緩和されなかったと報告された。
患者Jは、40歳の女子であり、多数の器官の内臓癌によ
る中程度の痛みに苦しんでいると報告した。患者は4週
間後に死亡したが、患者の痛みは本発明による治療によ
って消失したと報告された。
患者Kは、50歳の男子であり、末期の肺癌による猛烈な
痛みに苦しんでいた。患者は本発明による治療の開始か
ら2週間後に死亡したが、その時点で患者には比較的に
痛みが無かったと報告された。
患者Lは、70歳の男子であり、結腸癌による激しい痛み
に苦しんでいると報告した。患者は本発明による治療の
開始から4週間後に死亡したが、患者はその最後の2〜
3週間にわたって痛みから開放されたことを報告した。
患者Mは、55歳の女子で、乳癌を患っており、癌は腕と
肩にも転移していた。腕が甚だしく腫脹し、皮膚が糜爛
したため痛みがあり、一度に10〜20分以上眠ることがで
きなかった。本発明に従って実施された治療は、2〜3
週間後に、完全とはいえないにしてもかなり痛みを軽減
したと報告された。
患者Nは、70歳の男子であり、骨癌による遊走性の痛み
に悩まされていると報告した。この痛みは、以前は治療
できなかったが、本発明の方法による治療を3週間続け
た後に消失したと報告された。
ゴナドトロピンを用いる悪性腫瘍、ネコ白血病、および
AIDSの治療の有効性は、いくつかの方法で説明できよ
う。実施例3にあるようにHCGのみを投与した場合にお
いても、本発明によって達成された応答は迅速である。
この迅速さは、本発明が単に体液性免疫応答を開始する
ことによって働くものではないことを示唆している。こ
のことは次のように説明できる。すなわち、ゴナドトロ
ピンの少量投与は、TH/TS比のバランスを変えてTH細胞
の活性化に有利になるようにすることによって、反抑制
反応を刺激する。そして、この結果、疾病に対する既存
の免疫応答(CMI応答を含む)が開始される。別の説明
も可能であろう。すなわち、ゴナドトロピンは、負のフ
ィードバックメカニズムにおいて、悪性細胞によるゴナ
ドトロピン様分子の産生を停止させる。
その結果、ゴナドトロピン様分子に伴う表面電荷を負の
電荷から正の電荷に変え、こうして変化した電荷はマク
ロファージによる貪食を促進するか、あるいは、そうで
なければ隠れた状態の腫瘍抗原を暴露する。
〔発明の効果〕
本発明を特定の方法および組成物について説明してきた
が、本発明の開示を考慮すれば、当業者には種々の修正
および変更が可能であろうと思われる。
例えば、開示したヒト絨毛ゴナドトロピンの種々の誘導
物や断片、そしてその他の腫瘍特異抗原あるいはウィル
ス特異抗原は、本発明に従って有効であると思われる。
さらに、望ましい投与経路は皮下注射であるが、筋肉内
注射、腹腔内注射、あるいは静脈注射、鼻腔内投与、あ
るいはその他の有効な投与経路を本発明の範囲から除外
する必要性は毛頭ないのは勿論である。
さらに、その他の腫瘍マーカー、例えば、癌胎児抗原、
αフェトプロティンおよび組織ポリペプチド抗原は、HC
Gとともに、悪性腫瘍に伴って出現するものとして分類
されており、従って、同様に有効である可能性が大き
い。これら物質も本発明の範囲に含まれるものである。
さらに、ヒト絨毛ゴナドトロピン、卵胞刺激ホルモン、
黄体化ホルモンおよび甲状腺刺激ホルモンは、それぞれ
αサブユニット1つおよびβサブユニット1つからなる
糖タンパクである。HCGのサブユニットは、FSH、LHおよ
びTSHの各αサブユニットと同じαサブユニットと僅か
に異なるだけである。サブユニット構造の意義はまだ確
定していないが、α−HCGおよびβ−HCGはともに腫瘍と
関連している。Acevedo等、Infection and Immunity,3
1,487−494(1981)を参照されたい。従って、これらの
下垂体ホルモンは本発明の範囲に含まれるものである。
さらにまた、Staphylococcus aureusの溶解物以外の免
疫促進剤も同等な有効性を示すものと思われる。このよ
うなその他の免疫促進剤には、例えば、BCGミコバクテ
リア、Corynebacterium Baruumおよびレバミゾールがあ
る。従って、これら免疫促進剤も本発明の範囲の中に含
まれるものである。
ここに示唆した物質のすべての有効な断片および有効な
誘導物は、当業者によって製造され、本発明に従って使
用されることになると思われる。これら断片および誘導
物も請求の範囲に記載するように本発明の範囲に入るも
のである。
従って、特許請求の範囲の欄に記載された発明には、前
述してきた変更態様をもその均等の範囲に包含されるも
のと解釈されるべきである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和するための
    組成物であって、皮下投与後の陽性膨疹の発現によって
    例示される、体液性免疫応答を誘発するのに必要な最少
    量より少ない量のゴナドトロピン、その有効な断片、お
    よびその有効な誘導体からなるグループから選択された
    物質、および、免疫促進剤、 を含むことを特徴とする悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和
    するための組成物。
  2. 【請求項2】前記免疫促進剤が、皮下投与後の陽性膨疹
    の発現に例示される、ゴナドトロピンと共に体液性免疫
    応答を誘発するのに必要な最少量より少ない量の免疫促
    進剤である、特許請求の範囲第1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記ゴナドトロピンが、絨毛ゴナドトロピ
    ンである特許請求の範囲第1項もしくは第2項に記載の
    組成物。
  4. 【請求項4】前記ゴナドトロピンが、ヒト絨毛ゴナドト
    ロピンおよびウマ絨毛ゴナドトロピンからなるグループ
    から選択された物質である特許請求の範囲第3項に記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】前記免疫促進剤が、細菌溶解物である特許
    請求の範囲第4項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】前記細菌溶解物が、Staphylococcus aureu
    sの溶解物である特許請求の範囲第5項に記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】前記ゴナドトロピンが、下垂体ゴナドトロ
    ピンである特許請求の範囲第1項もしくは第2項に記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】前記下垂体ゴナドトロピンが、黄体化ホル
    モンおよび卵胞刺激ホルモンからなるグループから選択
    された物質である特許請求の範囲第7項に記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】前記免疫促進剤が、細菌溶解物である特許
    請求の範囲第8項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】前記細菌溶解物が、Staphylococcus aur
    eusの溶解物である特許請求の範囲第9項に記載の組成
    物。
JP62500132A 1985-12-09 1986-12-05 悪性腫瘍に伴う疼痛症状を緩和するための組成物 Expired - Lifetime JPH07112981B2 (ja)

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