JPH07113146B2 - アルミニウムまたはその合金の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウムまたはその合金の表面処理方法

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JPH07113146B2
JPH07113146B2 JP60010410A JP1041085A JPH07113146B2 JP H07113146 B2 JPH07113146 B2 JP H07113146B2 JP 60010410 A JP60010410 A JP 60010410A JP 1041085 A JP1041085 A JP 1041085A JP H07113146 B2 JPH07113146 B2 JP H07113146B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面
処理方法に係り、特にある所定の温度のフラックス溶液
にアルミニウムまたはその合金からなる板,管、その他
の構造物を浸漬する工程を有していることにより、それ
らの構造物に優れた耐食性を持たせることができる表面
処理方法に関する。
〔発明の背景〕
従来、アルミニウム(以下、Alと元素記号で表示する)
またはAl合金の耐食性を向上させる先行技術として、電
気化学的処理が存在する。この電気化学的処理は、Alま
たはAl合金の表面に亜鉛(以下、Znと元素記号で表示す
る)のメッキ層を形成することを内容とするものであ
る。しかし、この電気化学的処理では、Znメッキ層の剥
離の問題と、メッキ層が薄いことによる早期にZnが腐食
によりなくなるために、AlまたはAl合金の耐食性には充
分といえない。さらに、このZnがメッキされたAlまたは
Al合金のろう付けする際には、被ろう付け部材表面に化
学的に安定なZn被膜ができるためにろう付けが困難とな
る。
そこで、AlまたはAl合金の耐食性を向上させる目的で、
表面にZnの被膜を形成し、加熱処理を行ってZnをAlまた
はAl合金中に拡散する従来例が存在する(住友軽金属技
法,1980年4月号、第12頁〜第19頁)。この従来例は、A
lまたはAl合金を犠牲陽極による陰極防食によってその
耐食性を図ろうとするものである。しかし、この従来例
による防食法では、AlまたはAl合金中へのZnの拡散が充
分図れないという虞れがある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、アルミニウムまたはアルミニウム合金
中へZnを充分拡散すさせることによって、より耐食性に
優れたアルミニウムまたはその合金の表面処理方法を提
供することにある。
〔発明の概要〕
本発明は、重量比で、ZnF2:3〜35%、AlF3:38〜54%、K
F:25〜40%を含むフッ素系フラックス粉末または、ZnCl
2:6〜10%、KCl:30〜55%、NaCl:20〜30%、LiCl:13〜4
0%を含む塩素系フラックス粉末が、重量比で85%以上
含まれてなる60〜80℃である水溶液に、アルミニウムま
たはその合金からなる被処理部材を浸漬し、当該被処理
部材の表面に亜鉛被膜および前記フラックス粉末の付着
層を同時に形成し、その後亜鉛の溶融温度以上でかつ前
記被処理部材の溶融温度以下に加熱し、亜鉛を被処理部
材中に拡散させると同時にろう付けすることを特徴とす
るアルミニウムまたはその合金の表面処理方法である。
上記本発明に用いられるフラックス粉末には、フッ素系
のものと塩素系のものが存在する。これらのフラックス
には、Zn層を被処理部材表面に形成させるためにZn化合
物が必須成分として含まれている。
フッ素系フラックスの場合の主成分は、重量比で、38〜
54%AlF3、25〜40%KF、3〜35%ZnF2が含まれている。
塩素系フラックスの主成分は、30〜55%KCl、20〜30%N
aCl、13〜40%LiCl、6〜10%ZnCl2である。
これらのフラックスの主成分は、フラックスの全体重量
に対して85%以上含まれていることが望ましい。85%よ
り小さい場合には、フラックスの融点が上昇するため
に、被処理部材表面に形成されたZn層を被処理部材中に
拡散させる際に不都合が生じる。
上記フラックスにおいて、主成分の他に加えられる成分
として、アルカリ金属とフッ素からなるLIF,NaF,MgF,Ca
Fから選んだ少なくとも一種以上を0.5〜9重量%添加し
ても有効である。フラックスの成分範囲として特に好ま
しい範囲は、フッ素系フラックスの場合重量比で44〜50
%AlF3、32〜36%KF、7〜15%ZnF2および3〜6%LiF
である。
本発明に用いられるフラックスは、塩素系のフラックス
に比較してフッ素系のフラックスの方が有効性を有す
る。これは、被処理部材中にZnを拡散したのち被処理部
材を冷却するが、塩素系フラックスの場合は被処理部材
の表面上に残る残滓フラックスが吸湿性を有するので、
この吸湿に従って塩素イオンが発生し、被処理部材表面
を腐食させる。したがって、塩素系フラックスを用いた
場合は、Znを拡散後被処理部材表面を充分洗浄する必要
がある。これに対してフッ素系フラックスの場合は吸湿
性を有しないため、このような被処理部材表面上の腐食
および洗浄を行うという煩雑さがない。
上記フラックス粉末は、微粉末の方が水に懸濁しやすい
ので有効である。例えばフッ素フラックスに含まれるAl
F3の場合、AlF3が製造される前に生成されるAlF3・3H2O
の微粉末を用いた方がより好ましい。またZnF2の場合
は、水和物であるZnF2・4H2Oを用いても有効である。
フラックスが懸濁される温熱水溶液のフラックス濃度は
3%より低いと、均一のZn被膜を形成しにくく、Znの被
処理部材表面への濡れ性も低下する。また、濃度が50よ
りも高い場合、Znを被処理部材中に拡散後のフラックス
の残滓の除去が困難になる。フラックス濃度の特に好ま
しい範囲は、10〜20%である。
上記本発明に用いられるフラックス粉末が懸濁する水溶
液には、水の換わりにアルコール等の溶液を用いること
ができる。フラックスが懸濁される溶液は、水の場合に
は60〜80℃の温熱溶液が望ましい。温度が50℃以下で
は、Zn層およびフラックス層の形成に時間がかかり過
ぎ、80℃以上ではZn層の密着性,均一性の点で劣ること
によるものである。
被処理部材表面のZn濃度を高めるためには、フラックス
中のZn化合物例えばZnF2量を多くするか、フラックス水
溶液濃度を高くして、被処理部材表面へのフラックス付
着量を多くする必要がある。しかし、後者のフラックス
付着量を多くすることは、フラックスの融点の上昇、残
渣の増大、さらには表面処理がなされた被処理部材のろ
う付け性能の低下等の問題がある。そこで、被処理部材
のAlとフラックス中のZnの反応を早めるために、フラッ
クス水溶液を加熱してその中に予め前処理を行った被処
理部材を浸漬する。このことによって、被処理部材表面
上にZn層が形成され、さらにこのZn層の上にフラックス
層が形成される。そして、Znの溶融温度以上でかつ被処
理部材の溶融温度以下に加熱することによって耐食性の
優れた被処理部材が得られる。上記の被処理部材表面上
に形成されたZn層は、被処理部材の浸漬部分の全体にわ
たって均一に形成されている。
フラックス粉末が懸濁する温熱水溶液に被処理部材を浸
漬してZn層およびフラックス層を形成させたのち、Znを
拡散する前にこの被処理部材を乾燥させる必要がある。
乾燥時にもフラックス水溶液は加熱されるので、乾燥温
度も高い方が効果があるが、フラックス水溶液を加熱し
た方がZn拡散の効果は大きいものとなる。
Zn層の厚さは、フラックス水溶液への被処理部材の浸漬
時間を長くすることによって厚くすることができる。し
かし、あまりに層の厚さが厚くなりすぎると剥離が生じ
やすくなる。例えば、90℃で10分間被処理部材を懸濁溶
液中に浸漬すると、約5μmのZn層を得ることができる
が、乾燥時にそのZn層が剥離する虞れがあるために、浸
漬時間は5分以内にとどめるのが好ましい。通常望まし
いZn層の厚さは、螢光X線厚さ計で測定して1〜5μm
程度である。
被処理部材をフラックス粉末が懸濁する温熱水溶液に浸
漬した際に、フラックス中のZnが減少し、Zn膜形成能力
が低下した場合には、Zn化合物、例えばフッ素系フラッ
クスの場合はZnF2を添加するだけでZn膜形成能力は回復
する。
被処理部材をフラックス粉末の懸濁する温熱水溶液に浸
漬して表面にZn層およびフラックスを形成したのち、こ
の被処理部を乾燥させる。そしてZnの溶融温度以上でか
つ被処理部材の溶融温度以下でZnを被処理部材中に拡散
させる。この溶融温度(融点)は、Znが420℃で、被処
理部材のAlが660℃なので、600℃程度で行う。
被処理部材を600℃に加熱すると、フラックス層が活性
化して、Al表面およびZn表面の酸化物と結合して、その
表面を純粋なものとする。
被処理部材を600℃付近で加熱すると、被処理部材上に
形成されたZn層が被処理部材中に拡散する。この拡散
は、被処理部材表面上のAlに対するZnの濃度が1〜2%
であり、拡散層の深さは100μm程度である。そして拡
散が終了したのちは冷却し、被処理部材上に存在する残
渣を洗浄して除去する。被処理部材中に拡散したZnは、
周囲の腐食環境に対して犠牲陽極的に腐食するために、
被処理部材であるAlまたはその合金を防食することがで
きる。
このようなZn拡散層は、被処理部材中に均一に形成され
ているものである。
フッ化物系フラックスに用いられるAlF3は、製造方法に
湿式と乾式の方法がある。今日では、その生産のほとん
どは乾式法で、湿式法はわが国の全生産量の10%にも満
たないのが現状である。
湿式法によるAlF3は、硅フッ化水素酸の熱水溶液に当量
の水酸化アルミニウムを加え、準安定性のAlF3とシリカ
ゲルの沈澱を作り、速やかにシリカゲルを瀘別して、瀘
液を晶析器に移し、種晶を加えて100℃で3〜4時間攪
拌すれば、β−AlF3・3H2Oの結晶が析出する。AlF3は、
この結晶を乾燥後、600℃に加熱焼成することによって
得られる。このAlF3の製造途中で得られるAlF3・3H2Oは
微粉末であり、フラックスとしては好ましいものであ
る。また、湿式法によって得られたAlF3の結晶は、β−
AlF3・3H2Oの結晶水が除かれた状態であるため多孔質と
なり、表面積が増えるため、加熱したフラックス水溶液
中でKFやZnF2と反応し、Zn被膜の形成に効果がある。
一方、乾式法によるAlF3の製造は、フッ化水素と水酸化
アルミニウムの流動反応による流動床を用いる連続生成
方式による。この乾式法は、水酸化アルミニウムとアル
ミニウムとフッ化水素のガスの固相−気相反応により製
造する方法で、反応熱により水酸化アルミニウムの脱水
とフッ素化を行う。乾式法により製造したAlF3の結晶は
緻密な結晶である。
湿式法および乾式法によるAlF3の差はX線回折法による
分析では認められない。しかし、フラックスの原料とし
て使用し、フラックスとして用いた場合、そのフラック
ス水溶液でAlまたはAl合金の表面にZn被膜を形成する
と、その差は歴然となる。つまり、湿式法によるAlF3
用いたフラックスではZn被膜が形成されるが、乾式法に
よるAlF3を用いたフラックスではZn被膜が形成されな
い。
湿式法によるAlF3および乾式法によるAlF3をそれぞれ1g
ずつpH5.7の脱イオン水100mlに溶かし、pHを測った結
果、湿式法AlF3は54.5、乾式法AlF3は6.00であることが
解った。また、15%のフラックス水溶液のpHも、乾式Al
F3使用フラックスは7.15、湿式AlF3使用のフラックスは
5.61で、湿式AlF3使用のフラックスの方が酸性になって
いた。このことから、フラックス水溶液のpHは酸性の方
がZn被膜形成に好ましいことがわかる。フラックス水溶
液のpHは、一般に6.70以下でZn層の均一な形成には有効
であり、特に6.00以下で好ましい結果が得られる。特に
フラックス粉末の原料となるAlF3に乾式法により製造し
たAlF3を使用する場合には、このフラックス水溶液に有
機酸を加え、フラックス水溶液のpHを5.6以下、好まし
くは5.30以下にすることが必要である。
フラックス水溶液を酸性にする有機酸としては、サリチ
ル酸、シュウ酸、酢酸、フタル酸、酒石酸、アスコルビ
ン酸等の酸が好ましく用いられ、特に好ましいのは酢酸
である。
〔実施例〕
以下、実施例1〜4までにおいて、ろう付前の段階まで
を説明し、実施例5〜7においてろう付工程を含むもの
を説明する。
実施例1 重量で49%AlF3、37%KF、14%ZnF2からなるフッ化物系
フラックス(1)、46%AlF3、34%KF、14%ZnF2、6%
LiFからなるフッ化物系フラックス(2)、および25%N
aCl、45%KCl、14%LiCl、8%ZnCl2、8%LiFからなる
塩化物系フラックス(3)粉末を水に懸濁し、15重量%
(残水分)の水溶液とした。なお、AlF3は湿式法により
製造したものである。
フラックスの製造方法は、フラックスの原料となる化合
物の粉末を混合し、水を加えてペースト状にする。この
場合、フラックスの原料1に対して水0.6〜0.8の重量比
がよく、水の中に原料を少量ずつ添加してペースト状に
なるまで乳鉢で混練した。その後、120℃の恒温槽内で2
5時間乾燥し、冷却後粉砕した。原料となる粉末は、予
る振動ミルにより粒径を40μm以下(−400メッシュ)
に粉砕しておいた。この粉末フラックスを水に懸濁させ
てフラックス水溶液とした。
このフラックス水溶液を加熱攪拌し、予め脱脂洗浄処理
を施した、50mm×50mm×1mmのAl板(A1050)を浸漬し、
所定の温度で30秒間保持したのち引き上げる。次いで、
表面に付着したフラックスを水洗により除去し、乾燥さ
せたのちに螢光X線分析装置によりAl板表面のZn分析を
行った。測定条件は、2次ターゲット:Ge、一次X線管
電圧:25kV、一次X線管電流:10mA、測定時間:500秒、Z
線照射面積:φ24mmである。
第1図にAl表面のX線強度と各種フラックス水溶液温度
の関係を示す。フッ化物系フラックス(1)および
(2)では、フラックスの溶温が50℃以上で急激にZnの
X線強度が強くなっているのがわかる。
Al表面に形成したZn被膜は、目視によっても確認でき、
その色が黒みがかった灰色である。塩化物系フラックス
(3)では、60℃以上でX線強度は強くなるが、目視で
確認できるほど着色してはおらず、90℃でもフッ化物系
フラックス(1),(2)の1/10程度であった。しか
し、90℃で30分間処理するとAl表面は金属Znの光沢を呈
し、密着性も良好であった。
また、フッ化物系フラックス(2)により形成したZn被
膜を、走査型電子顕微鏡により観察した結果、被膜の均
一性,密着性の点から60〜70℃のフラックス温度が最も
良好であることがわかった。
Zn被膜の厚みは、フラックス水溶液への浸漬時間を長く
することにより厚くできるが、厚くし過ぎると剥離しや
すくなる。例えば、90℃で10分間保持すると、約5μm
に達するが乾燥時に剥離する虞れがあるので、5分以内
にとどめるのが好ましい。この剥離を防止するのも一方
法である。
実施例2 実施例1において製造したフラックス水溶液を60℃に加
熱した中に、50mm×25mm×1mmのAl板(01050)を60秒間
浸漬後引き上げ、120℃で5分間乾燥し、N2ガス露点を
−30℃以下とした雰囲気600℃に加熱して、ZnをAl板中
に拡散させた。Znを拡散させたAl板のZnの表面濃度およ
び拡散深さは、EPMAにより測定した。Zn濃度は重量で0.
1%,0.5%,1.0%,5.0%,残Alの標準試料から検量線を
作成し、概算した。その結果を第2図に示す。図から明
らかなように、フッ化物系フラックス(1),(2)お
よび塩化物系フラックス(3)のいずれで処理してもAl
中のZn濃度はほぼ同じで、表面で1.5%、拡散深さは0.1
2〜0.13mmである。しかし、塩化物系フラックス(3)
では、拡散処理後のフラックス残渣除去工程は避けられ
ず、特に複雑構造物においては、フラックス残渣除去工
程は不可欠である。
実施例3 第3図は、Zn被膜形成能力を示したものである。脱イオ
ン水42.5gに対し、フッ化物系フラックス(2)を7.5g
添加した水溶液を作成し、そのフラックス水溶液を60℃
に加熱し、所定の面積のAl板(A1050)を150秒間浸漬し
た。浸漬後引き上げたのち、フラックス中のZnF2の減量
を化学分析により測定した。フラックス中のZnF2は、Zn
被膜形成面積が1000cm2まではほぼ直線的に減少してい
る(図中の(1))。その後、減少率が低下し、Zn被膜
形成能力は低下するが、ZnF2を添加することにより形成
能力は回復する(図中の(2))。
実施例4 乾式法により製造したAlF3を使用して、重量で46%Al
F3、34%KF、14%ZnF2、6%LiFからなるフッ化物系フ
ラックス粉末(4)を水に懸濁し、15重量%(残水分)
の水溶液とした。フラックスの製造方法は実施例1と同
じである。
このフラックス水溶液に酢酸を滴下し、フラックス水溶
液のpHを変えて60℃に加熱し、予め脱脂洗浄処理を施し
た、50mm×50mm×1mmのAl板(A1050)を60秒間浸漬し、
引き上げ、表面に付着したフラックスを水洗により除去
した。除去後、Al板を乾燥させた後に、螢光X線分析装
置によりAl板表面のZnの分析を行った。測定条件は実施
例1と同じである。比較のため、フッ化物系フラックス
(2)についても同じ条件で測定した。
第4図にAl表面のX線強度とフラックス水溶液のpHの関
係を示す。pHの値が6.7より小さくなると、急激にZnの
X線強度が強くなっているのがわかる。
酢酸以外のサリチル酸、シュウ酸、フタル酸、酒石酸、
アスコルビン酸等の有機酸でも同様な効果があったが、
フッ酸、硝酸ではほとんど効果がなかった。
実施例5 本実施例は、最終目的である拡散処理でZnをAlまたはAl
合金の中へ充分拡散させると同時にろう付を行う表面処
理方法である。
第5図はフィンとチューブから構成されるコルゲート型
熱交換器の斜視図である。第5図(A)において、偏平
チューブ5と偏平チューブ5との間にフィン6が配置さ
れ、各々の接触部がろう付けされる。偏平チューブ5は
JIS規格のA1050のAl材で、その断面寸法は20mm×5mmの
中空(穴数6)になっていて、フィン6はAl板からなる
心材(JIS規格A3003)7の表面に、Al−Si系のろう材
(BA4343)8をクラッドしたブレージングシートによっ
て形成され、その断面寸法は22mm×0.1mmである。偏平
チューブ5と偏平チューブ5の間隙は16mmで、この間隙
に成型したフィン6を挿入し、3段に組み合わせた。こ
の被ろう付部材を60℃に加熱したフラックス濃度3,5,1
5,30,50重量%(残水分)の水溶液に90秒間浸漬し、そ
の後120℃で乾燥して水分を蒸発させた。続いて、N2
スの露点を−30℃以下とした雰囲気で615℃に加熱し
て、ZnをAlに拡散させながらろう付けした。なお、ここ
で使用したフラックスは、実施例1の方法で製造したフ
ラックスで、重量で46%AlF3、34%KF、14%ZnF2、6%
LiF2からなるフッ化物系フラックス(2)および実施例
4で説明したフッ化物系フラックス(4)である。フッ
化物系フラックス(4)は、酢酸によりpHを5.6に調整
して使用した。比較のために、フッ化物系フラックス
(2)を用いて室温のフラックス水溶液に90秒間浸漬
し、他は全て同じ条件でろう付けを行った。
ろう付けが終了すると、第5図(B)に示すように、心
材7の表面にはろう材の被覆層が形成され、偏平チュー
ブ5との間にフィレット9が形成される。
フィン6とチューブ5のZn拡散による表面処理効果につ
いては、JISH8681で規定しているキャス試験法(Alおよ
びAl合金の陽極酸化被膜の耐食性試験方法)で200時間
にわたって行い、孔食深さで評価した。またチューブ5
表面のZn濃度および拡散深さをEPMAにより測定した。測
定用の試験片は熱交換器の一部を切り出して当てた。そ
れらの結果を第1表に示す。チューブ5とフィン6のろ
う付け性については、接触部に形成されるフィレット9
の形状で判定した。
チューブ表面のZn濃度、チューブへのZn拡散深さ、キャ
ス試験200時間後の孔食深さのいずれもフラックス水溶
液を加熱して被処理部材を処理した効果があらわれてい
る。本来、拡散深さは加熱温度と加熱時間によって決ま
るものであるが、フラックス濃度が低いと浅くなる傾向
があった。
またキャス試験200時間におけるチューブの最大孔食深
さは、フッ化物系フラックス(2)の水溶液温度20℃の
フラックス濃度3%が0.85mm、5%が0.50mmで、15%、
30%、50%は全面腐食の形態を示している。これに対し
て、本発明の処理方法により処理した試料は、全て全面
腐食の形態を示しており、フラックス濃度5%では、最
大孔食深さが0.12mmおよび0.15mmで、(2)の20℃の50
%より浅くなっている。この結果から、フラックス濃度
5%以上でフラックス水溶液濃度が60℃のとき、耐孔食
性に優れていることが明らかとなった。
Zn被膜が形成されたことによりろう付け性の低下はほと
んど認められず、フラックス濃度が3%でフィレット形
成がやや不良であったが、接合は充分に行われていた。
外観はフラックス濃度が高くなるに従って、フラックス
残渣が多くなるため、仕上がりが悪くなる。熱交換器に
使用する場合にはフィンの目づまりを起こし、通風抵抗
を大きくするので、フラックス濃度は30%以下が好まし
い。
実施例6 実施例5で用いたと同じ熱交換器の表面処理およびろう
付けをフッ化物系フラックス(1)、塩化物系フラック
ス(3)により行い、キャス試験200時間後の最大孔食
深さを測定した。フラックスの製造法および表面処理方
法は、実施例5と全て同じにしてフラックス濃度15%に
ついて行った。その結果を第2表に示す。
比較例がいずれも孔食があるのに対して、本発明の実施
例では、全面腐食の形態を示しており、耐孔食性に優れ
ていることは明らかである。
熱交換器のチューブとフィンのろう付けを行う場合、フ
ラックスの塗布方法はフラックスの水溶液にチューブと
フィンを浸漬し、フラックスを付着せる方法がとられて
いる。
実施例7 本実施例では、従来のメッキによる電気化学的処理の表
面処理法との比較試験を行った。
50mm×50mm×1mmのAl板(A1050)を15%濃度のフッ化物
系フラックス(1)水溶液、塩化物系フラックス(3)
水溶液にそれぞれ浸漬した。浸漬条件は60℃で90秒であ
る。その後引き上げ、120℃で乾燥し、N2雰囲気中で600
℃に加熱し、ZnをAl中に拡散させて腐食試験片とした。
また、同じ形状のAl板(A1050)に5μmの電気メッキ
を施したままで腐食試験片とした。腐食試験はキヤス試
験を行った。その結果を第6図に示す。図において、図
中(1)は弗化物系フラックスのときの結果、図中
(2)は液化物系フラックスのときの結果、図中(3)
はメッキ法のときの結果を示す。
フラックスを用いた表面処理がキヤス試験720時間で最
大孔食深さは、約300μmであったのに対して、5μm
電気メッキでは200時間で全面腐食を呈しており、210μ
mの深さであった。なお、この試験片表面のZnメッキ膜
は、試験途中で溶出したか、メッキ面剥離を起こしてし
まったものと思われる。いずれにしても、Zn被膜はなく
なっているので、腐食は急激に進行するものと思われ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、温度が60から80
℃であるフラックス水溶液にアルミニウムまたはその合
金からなる板、管、その他の構造物を浸漬する工程を有
していることにより、被処理部材へのZn拡散が充分に行
われ、それらの構造物は優れた耐食性を得ることができ
る。また、構造物を浸漬する上記フラックス水溶液のpH
を6.7以上の範囲にすることにより、さらに、均一に、
且つ高い密着性をもってZn皮膜を構造物に形成すること
ができ、これも構造物は優れた耐食性を得ることにつな
がる。
【図面の簡単な説明】
第1図はフラックス水溶液温度と被処理部材表面のZnの
X線強度の関係を示すグラフ、第2図は被処理部材の表
面のZn濃度と拡散深さの関係を示すグラフ、第3図はZn
皮膜形成面積とフラックス中のZnF2量との関係を示すグ
ラフ、第4図はフラックスのpHと被処理部材表面のZnの
X線強度の関係を示すグラフ、第5図(A)は本発明に
係る表面処理方法の適用例である一例を示す熱交換器の
斜視図、第5図(B)は第5図(A)のろう付け部拡大
図、第6図はメッキによる表面処理と本発明にかかる表
面処理との試験時間と孔食深さの関係を示すグラフであ
る。 1……フッ化物系フラックス(1)、2……フッ化物系
フラックス(2)、3……塩化物系フラックス(3)、
4……フッ化物系フラックス(4)、75……偏平チュー
ブ、6……フィン、7……心材、8……ろう材、9……
フィレット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 一成 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−205467(JP,A) 特開 昭59−47088(JP,A) 特公 昭55−36433(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、ZnF2:3〜35%、AlF3:38〜54
    %、KF:25〜40%を含むフッ素系フラックス粉末また
    は、ZnCl2:6〜10%、KCl:30〜55%、NaCl:20〜30%、Li
    Cl:13〜40%を含む塩素系フラックス粉末が、重量比で8
    5%以上含まれてなる60〜80℃の水溶液に、アルミニウ
    ムまたはその合金からなる被処理部材を浸漬し、当該被
    処理部材の表面に亜鉛被膜および前記フラックス粉末の
    付着層を同時に形成し、その後亜鉛の溶融温度以上でか
    つ前記被処理部材の溶融温度以下に加熱し、亜鉛を被処
    理部材中に拡散させると同時にろう付けすることを特徴
    とするアルミニウムまたはその合金の表面処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の溶液のpHが
    6.7以下であることを特徴とするアルミニウムまたはそ
    の合金の表面処理方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の溶液のpH
    を、酢酸、サリチル酸、シュウ酸、フタル酸、酒石酸、
    アスコルビン酸から選ばれた少なくとも1種の酸を加え
    ることによりpHが6.7以下とすることを特徴とするアル
    ミニウムまたはその合金の表面処理方法。
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