JPH0711392A - 極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼およびその製造方法

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JPH0711392A
JPH0711392A JP15976193A JP15976193A JPH0711392A JP H0711392 A JPH0711392 A JP H0711392A JP 15976193 A JP15976193 A JP 15976193A JP 15976193 A JP15976193 A JP 15976193A JP H0711392 A JPH0711392 A JP H0711392A
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JP15976193A
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Akio Yamamoto
章夫 山本
Yuichi Sato
雄一 佐藤
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 C:0.02%以下、Si:0.01%以上
2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:12%
以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、Nb:
0.01%以上0.2%以下、Al:0.001%以上
0.10%以下、N:0.05%以上0.3%以下およ
び、必要に応じMo:0.5%以上3%以下、Ca:
0.0005%以上0.01%以下の1種以上を含有
し、残部鉄および不可避不純物からなり、鋼中にNbC
および/ないしNbNを析出させたステンレス鋼。前記
鋼成分を含有する鋳片または鋼片を常法により熱間圧延
し、次いで1000℃以上1200℃以下に0.5分以
上加熱し、その冷却時に950〜800℃の間を1分以
上30分以下保定し、しかる後冷却する前記ステンレス
鋼の製造方法。 【効果】 微細に粒内析出したNb炭窒化物がNb3
n製造のための熱処理時に析出するCr炭窒化物の析出
核として機能するため、粒界へのCr炭窒化物の析出が
減少し、極低温で優れた靱性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導発電機などに使
用されるNb3 Sn超電導コイルのコンジット管用の極
低温での強度および靱性の優れたステンレス鋼およびそ
の製造方法に関するものである。Nb3 Sn超電導体は
非常に脆いため、これらの素材を金属の支持体を用いて
コイルの形状にし熱処理を行って製造する。この支持体
は、そのまま強度部材として超電導温度まで冷却され稼
動中も使用される。
【0002】
【従来の技術】Nb3 Sn超電導コイルのコンジット管
は、超電導体製造時に600〜750℃の長時間加熱を
受けた上、超電導温度の極低温域で高い強度と優れた靱
性が要求され、また超電導コイルと接するので非磁性で
あること、さらにコンジット管の造管の点から溶接割れ
のないことが不可欠である。
【0003】従来この用途には、Cを極力低減しNを多
量添加して低温強度を確保しかつγ相を安定化したオー
ステナイト系ステンレス鋼が用いられてきた。しかし、
このような低Cのオーステナイト系ステンレス鋼でも、
600〜850℃の長時間加熱で粒界にCrの窒化物が
生成し、極低温での靱性が劣化することが認められてい
る。これに対して、特開昭58−193347号公報に
はVを添加する方法が開示されているが、高価な元素の
添加が必要となるだけでなく、強度向上を狙って高Nに
すると効果が必ずしも明確ではなくなる。また、特開昭
63−134627号公報には溶体化後Nb3 Sn生成
熱処理温度より高目の温度域に再加熱を行う方法が開示
されている。この方法は、工程が煩雑になることからコ
ストの上昇を防止できない。
【0004】従来より極低温域での特性改善を狙って成
分の影響が検討されている。この結果、Niを多量に添
加することで極低温域での特性劣化が抑制されることが
認められていることから、インコロイなどの高Ni合金
の適用も試みられている。しかしこの方法は、高価なN
iを多量に添加する必要があり、コスト的に幅広い適用
は困難であった。
【0005】以上の様に、Nb3 Sn超電導コイルのコ
ンジット管として極低温域で強度と靱性が確保できる低
コストの材料や対応方法がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Nb3 Sn
超電導コイルのコンジット管において、Nb3 Sn製造
時の熱処理を行っても極低温で靱性の劣化が少なく、か
つ高い強度を確保できる低コストのオーステナイト系ス
テンレス鋼とその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】Nb3 Sn超電導体コン
ジット管に用いられるNを多量に添加した高強度のオー
ステナイト系ステンレス鋼において、Nb3 Sn製造時
の熱処理による極低温での靱性の劣化は、この熱処理時
に粒界に多量のCr炭窒化物が析出するためであると考
えられてきた。そのため、この熱処理による粒界Cr炭
窒化物の析出抑制を狙って、主として粒内に析出しやす
いCr以外の炭窒化物を析出させる方法や合金元素の適
正化による方法が検討されてきた。しかし、通常高強度
を狙ってNを多量に添加したオーステナイト系ステンレ
ス鋼であるために、Cr炭窒化物の析出を抑制すること
は極めて困難であり、多少の抑制は可能であっても不確
実であることがわかった。
【0008】そこで、本発明者らはCr炭窒化物の析出
を抑制するのではなく、析出しても極低温域での靱性に
無害であるような状態で析出するように制御することを
指向した。すなわち、析出炭窒化物が極低温で靱性を劣
化せしめるのは粒界に析出するからであり、粒内に析出
する限りはその悪影響は軽いものと考えられる。従っ
て、何等かの方法でCr炭窒化物の析出部位を粒内に導
くことを指向したのである。
【0009】本発明者らは、種々の合金でCr炭窒化物
の析出起点を詳細に調査したところ、微細なNbの炭窒
化物を析出核とする傾向が認められた。本発明はこの知
見を基づいて、下記要旨の発明を構成した。 1)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、N
b:0.01%以上0.2%以下、Al:0.001%
以上0.10%以下、N:0.05%以上0.3%以下
を含有し、残部鉄および不可避不純物からなり、鋼中に
NbCおよび/ないしNbNを析出させたことを特徴と
する極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステ
ンレス鋼。
【0010】さらに、極低温域での強度向上を狙ってM
oを添加した鋼の実施態様として、 2)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、M
o:0.5%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.
2%以下、Al:0.001%以上0.10%以下、
N:0.05%以上0.3%以下を含有し、残部鉄およ
び不可避不純物からなり、鋼中にNbCおよび/ないし
NbNを析出させたことを特徴とする極低温特性の優れ
たNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼。
【0011】また、熱間加工性の向上を狙ってCaを添
加した鋼の実施態様として 3)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、N
b:0.01%以上0.2%以下、Al:0.001%
以上0.10%以下、N:0.05%以上0.3%以
下、Ca:0.0005%以上0.01%以下を含有
し、残部鉄および不可避不純物からなり、鋼中にNbC
および/ないしNbNを析出させたことを特徴とする極
低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス
鋼。および 4)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、M
o:0.5%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.
2%以下、Al:0.001%以上0.10%以下、
N:0.05%以上0.3%以下、Ca:0.0005
%以上0.01%以下を含有し残部鉄および不可避不純
物からなり、鋼中にNbCおよび/ないしNbNを析出
させたことを特徴とする極低温特性の優れたNb3 Sn
超電導体支持用ステンレス鋼。
【0012】本発明において、Cr炭窒化物の析出核を
Nbの炭窒化物に限定するためには、析出するCr炭窒
化物の総量が少ないことが必要である。すなわち、多量
にCr炭窒化物が析出する場合には析出しやすいNbの
炭窒化物以外の部分すなわち粒界からの析出が増加し、
所期の目的を達成できなくなる。そこで、C添加量を極
めて低いレベルに限定する必要がある。
【0013】本発明鋼は、合金成分さえ一致させれば達
成できるものではない。すなわちCr炭窒化物の析出核
となる微細なNbの炭窒化物が粒内に散在していること
が重要である。このために種々の製造の方法が考えられ
る。このための方法として、種々の炭窒化物を一旦溶体
化した後、Nb炭窒化物は析出するがCr炭窒化物は析
出しない温度域を徐冷するかあるいは同温度域に保定す
ることを創案した。そこで本発明では、溶体化処理の加
熱後冷却途中でNb炭窒化物は析出するがCr炭窒化物
は析出しない特定の温度域を徐冷することとしたもので
ある。
【0014】従来、溶体化処理は、その目的効果を確実
ならしめるために急冷することが常識である。しかし、
本発明では、たとえ本発明鋼と同じ成分の鋼を用いたと
しても、従来の常識通りに急冷すると完全にC、Nが溶
体化することになる。その場合、その後のNb3 Sn製
造時の熱処理でCr炭窒化物は粒内に析出核がないため
に粒界に析出し極低温の靱性が劣化して、本発明鋼を用
いた場合の効果は期待できない。溶体化処理ではNb炭
窒化物も析出するが、Cr炭窒化物とほぼ同時に析出す
るために、Cr炭窒化物の析出核として機能しない。
【0015】以上の知見に基づいて、下記要旨の発明を
構成した。 5)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、N
b:0.01%以上0.2%以下、Al:0.001%
以上0.10%以下、N:0.05%以上0.3%以下
を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼塊ある
いは鋼片を常法により熱間圧延し、次いで1000℃以
上1200℃以下に0.5分以上加熱し、その冷却時に
950〜800℃の間を1分以上30分以下保定し、し
かる後冷却することを特徴とする鋼中にNbCおよび/
ないしNbNを析出させた極低温特性の優れたNb3
n超電導体支持用ステンレス鋼の製造方法。
【0016】6)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%
以下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上2
0%以下、Mo:0.5%以上3%以下、Nb:0.0
1%以上0.2%以下、Al:0.001%以上0.1
0%以下、N:0.05%以上0.3%以下を含有し、
残部鉄および不可避不純物からなる鋼塊あるいは鋼片を
常法により熱間圧延し、次いで1000℃以上1200
℃以下に0.5分以上加熱し、その冷却時に950〜8
00℃の間を1分以上30分以下保定し、しかる後冷却
することを特徴とする鋼中にNbCおよび/ないしNb
Nを析出させた極低温特性の優れたNb3Sn超電導体
支持用ステンレス鋼の製造方法。
【0017】7)重量%で、C:0.02%以下、S
i:0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%
以下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上2
0%以下、Nb:0.01%以上0.2%以下、Al:
0.001%以上0.10%以下、N:0.05%以上
0.3%以下、Ca:0.0005%以上0.01%以
下を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼塊あ
るいは鋼片を常法により熱間圧延し、次いで1000℃
以上1200℃以下に0.5分以上加熱し、その冷却時
に950〜800℃の間を1分以上30分以下保定し、
しかる後冷却することを特徴とする鋼中にNbCおよび
/ないしNbNを析出させた極低温特性の優れたNb3
Sn超電導体支持用ステンレス鋼の製造方法。 8)重量%で、C:0.02%以下、Si:0.01%
以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以下、Cr:1
2%以上25%以下、Ni:5%以上20%以下、M
o:0.5%以上3%以下、Nb:0.01%以上0.
2%以下、Al:0.001%以上0.10%以下、
N:0.05%以上0.3%以下、Ca:0.0005
%以上0.01%以下を含有し、残部鉄および不可避不
純物からなる鋼塊あるいは鋼片を常法により熱間圧延
し、次いで1000℃以上1200℃以下に0.5分以
上加熱し、その冷却時に950〜800℃の間を1分以
上30分以下保定し、しかる後冷却することを特徴とす
る鋼中にNbCおよび/ないしNbNを析出させた極低
温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼
の製造方法。
【0018】次に、本発明の限定条件について説明す
る。Cは、多量に添加すると極低温での強度は向上する
が、本発明の狙いであるCr炭窒化物のNb炭窒化物を
析出核とした粒内析出以外に粒界にも多量に析出するこ
ととなり、極低温での靱性が劣化して所期の目的を果た
せないために、0.02%を上限とした。
【0019】Siは、0.01%未満では鋼の清浄度が
不良となり靱性が劣化するために0.01%を下限とし
た。しかし、2.0%を超えると冷間加工性が劣化し、
コンジット管製造が困難となるため2.0%を上限とし
た。Mnは、オーステナイト相の安定化を促進するだけ
でなくNの固溶限を拡大して強化を可能ならしめるため
積極的に添加する元素である。しかし1%未満ではこの
効果が小さいので1%を下限とし、8%を超えると逆に
極低温での母材靱性が劣化するので8%を上限とした。
【0020】Crは、Nb3 Sn製造のための熱処理時
の高温強度と耐食性を確保するために12%以上が必要
であるが、25%を超えると脆いσ相を生成して靱性を
劣化させるため25%を上限とした。Niは、オーステ
ナイト相を安定化し、極低温での強度、靱性および延性
を向上させる元素であるが、5%未満ではオーステナイ
ト相の安定化効果が不十分であるので5%を下限とし
た。しかし、極めて高価な元素であるためコストの点か
らオーステナイト安定化効果が飽和する20%を上限と
した。
【0021】Nbは、本発明のCr炭窒化物の析出起点
を造り込むために不可欠な元素である。0.01%未満
ではその効果が認められず、0.2%を超えるとNbの
炭窒化物が多量になり強化元素のNを消費して極低温で
の強度を低下させるだけでなく、Nb3 Sn製造のため
の熱処理時にFe2 Nbを形成して逆に極低温での靱性
を劣化させるためNb含有量を0.01〜0.2%と限
定した。
【0022】Alは、脱酸材として鋼の清浄度を改善す
る元素である。しかし、0.001%未満ではこの効果
がなく、0.10%を超えると熱間加工性が劣化するた
めAl含有量を0.001〜0.10%と限定した。N
は、オーステナイト相を安定化し、極低温での強度を確
保するために極めて有効な元素である。しかし、0.0
5%未満ではその効果が小さく、0.3%を超えると溶
接性が著しく劣化して溶接割れやブローホールの発生が
多発するためN含有量を0.05〜0.3%と限定し
た。
【0023】以上が本発明鋼の基本成分であるが、本発
明においては前記基本成分に加えてさらに強度を確保す
るためにMoを、また熱間加工性向上を狙ってCaを、
それそれ単独でもしくは複合して添加することができ
る。Moの添加は0.5%未満では強度向上効果が小さ
く、3%を超えるとFe2Moを形成して極低温での靱
性を劣化させるためMo含有量を0.5〜3%と限定し
た。Caの添加は0.0005%未満では熱間加工性向
上効果がなく、0.01%を超えると清浄度を不良とす
るためにCa含有量を0.0005〜0.01%と限定
した。
【0024】請求項5から8に示した本発明鋼の製造方
法では、いずれも常法により熱間圧延した後、1000
℃以上1200℃以下に0.5分以上加熱し、次いでそ
の冷却時に950℃〜800℃の間を1分以上30分以
下保定し、しかる後冷却することを限定している。熱間
圧延後、一旦種々の炭窒化物を溶体化することが必要で
あるが、1000℃未満では溶体化が不十分であり、1
200℃を超えるとオーステナイト結晶粒が粗大化して
強度の低下を招くので、溶体化温度を1000〜120
0℃と限定した。
【0025】Cr炭窒化物は析出させずにNb炭窒化物
を析出させる温度域は、950〜800℃の温度域が適
切である。950℃を超える温度域は冷却速度にかかわ
らず溶体化状態であるために、本発明では冷却速度は限
定しない。950〜800℃は、Nb炭窒化物の粒内微
細析出の起こる温度域である。従って、本発明ではこの
温度域を徐冷ないし保定することを限定要件とする。N
b炭窒化物の粒内微細析出は、この温度域を1分以上3
0分以下保定し、しかる後冷却するか、あるいはこの温
度域を1分以上かけて徐冷する必要がある。しかし、3
0分を超える保定ないし徐冷は、Nb炭窒化物の析出が
ほぼ完了し、その後の保定ないし徐冷は無意味となるの
で本発明では除外した。
【0026】
【作用】本発明鋼においては、微細に粒内析出したNb
炭窒化物がNb3 Sn製造のための熱処理時に析出する
Cr炭窒化物の析出核として機能するため、粒界へのC
r炭窒化物の析出が減少し、極低温で優れた靱性を確保
できることになる。また、溶体化した後直ちに急冷せず
に、Cr炭窒化物は析出しないがNb炭窒化物が析出す
る温度域を徐冷ないし保定することで、粒内にNb炭窒
化物を微細析出させることが可能となり本発明鋼を容易
に製造可能となる。
【0027】
【実施例】表1に示した鋼を溶解鋳造し、熱間圧延を行
って厚さ3mmの熱延板を製造した。この熱延鋼板を1
050℃に加熱し、表2に示した冷却条件で冷却する溶
体化処理を実施した。その後、溶体化処理材の析出物の
析出状態の調査およびNb 3 Sn生成熱処理に相当する
700℃−200h空冷処理後の析出物の析出状態の調
査と4Kでの強度、靱性評価を行い、その結果を表2に
併せて示した。なお、強度は引張試験で靱性はシャルピ
ー衝撃値で評価した。
【0028】本発明方法による本発明鋼は、溶体化処理
材では微細なNb炭窒化物が粒内に析出し、Nb3 Sn
生成相当熱処理後はCr炭窒化物が粒内を中心に析出し
ており、4Kでの強度が高く靱性が優れていることが認
められた。一方、Nbを添加しない鋼では、本発明方法
で限定した熱処理を実施しても溶体化処理後析出物が認
められず、Nb3 Sn生成相当熱処理後Cr炭窒化物が
粒界に析出して靱性が劣った。逆にNbを多量に添加し
た鋼では、本発明方法で限定した熱処理を実施すると溶
体化処理後析出物が粒界を含め多量に認められ、Nb3
Sn生成相当熱処理後Cr炭窒化物が粒界に析出しやは
り靱性が劣った。また、Cを多量に添加した鋼では、本
発明方法で限定した熱処理を実施すると、溶体化処理材
では微細なNb炭窒化物が粒内に析出するが、Nb3
n生成相当熱処理後Cr炭窒化物が粒内だけでなく粒界
にも多量に析出しやはり靱性が劣った。
【0029】Caを添加した本発明鋼は、熱間での疵が
大幅に減少し熱間加工性の向上が確認できた。もちろ
ん、析出物や強度靱性への影響は認められず、4Kでの
靱性も優れていた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によりNb3
Sn超電導コイルのコンジット管に用いられる極低温で
の強度靱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を低
コストで得ることが可能となる。従来、コンジット管の
靱性が劣化することからNb3 Snの生成反応を適切な
条件に設定できなかった。このため、超電導コイルとし
て大きな電流を流すには大きな超電導コイルを製造せざ
るを得なかったが、本発明によりNb3 Snの生成熱処
理条件を適切に設定することが可能となり、超電導を利
用した機器の普及を促進することができる。さらにはこ
の結果、エネルギーの大きな節約が可能となるなど、工
業的社会的効果は大きい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Nb:0.01%以上0.2%以下、Al:
    0.001%以上0.10%以下、N:0.05%以上
    0.3%以下を含有し、残部鉄および不可避不純物から
    なり、鋼中にNbCおよび/ないしNbNを析出させた
    ことを特徴とする極低温特性の優れたNb3 Sn超電導
    体支持用ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Mo:0.5%以上3%以下、Nb:0.01
    %以上0.2%以下、Al:0.001%以上0.10
    %以下、N:0.05%以上0.3%以下を含有し、残
    部鉄および不可避不純物からなり、鋼中にNbCおよび
    /ないしNbNを析出させたことを特徴とする極低温特
    性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Nb:0.01%以上0.2%以下、Al:
    0.001%以上0.10%以下、N:0.05%以上
    0.3%以下、Ca:0.0005%以上0.01%以
    下を含有し、残部鉄および不可避不純物からなり、鋼中
    にNbCおよび/ないしNbNを析出させたことを特徴
    とする極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ス
    テンレス鋼。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Mo:0.5%以上3%以下、Nb:0.01
    %以上0.2%以下、Al:0.001%以上0.10
    %以下、N:0.05%以上0.3%以下、Ca:0.
    0005%以上0.01%以下を含有し、残部鉄および
    不可避不純物からなり、鋼中にNbCおよび/ないしN
    bNを析出させたことを特徴とする極低温特性の優れた
    Nb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼。
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Nb:0.01%以上0.2%以下、Al:
    0.001%以上0.10%以下、N:0.05%以上
    0.3%以下を含有し、残部鉄および不可避不純物から
    なる鋼塊あるいは鋼片を常法により熱間圧延し、次いで
    1000℃以上1200℃以下に0.5分以上加熱し、
    その冷却時に950〜800℃の間を1分以上30分以
    下保定し、しかる後冷却することを特徴とする鋼中にN
    bCおよび/ないしNbNを析出させた極低温特性の優
    れたNb3 Sn超電導体支持用ステンレス鋼の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Mo:0.5%以上3%以下、Nb:0.01
    %以上0.2%以下、Al:0.001%以上0.10
    %以下、N:0.05%以上0.3%以下を含有し、残
    部鉄および不可避不純物からなる鋼塊あるいは鋼片を常
    法により熱間圧延し、次いで1000℃以上1200℃
    以下に0.5分以上加熱し、その冷却時に950〜80
    0℃の間を1分以上30分以下保定し、しかる後冷却す
    ることを特徴とする鋼中にNbCおよび/ないしNbN
    を析出させた極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支
    持用ステンレス鋼の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Nb:0.01%以上0.2%以下、Al:
    0.001%以上0.10%以下、N:0.05%以上
    0.3%以下、Ca:0.0005%以上0.01%以
    下を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼塊あ
    るいは鋼片を常法により熱間圧延し、次いで1000℃
    以上1200℃以下に0.5分以上加熱し、その冷却時
    に950〜800℃の間を1分以上30分以下保定し、
    しかる後冷却することを特徴とする鋼中にNbCおよび
    /ないしNbNを析出させた極低温特性の優れたNb3
    Sn超電導体支持用ステンレス鋼の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%で、C:0.02%以下、Si:
    0.01%以上2.0%以下、Mn:1%以上8%以
    下、Cr:12%以上25%以下、Ni:5%以上20
    %以下、Mo:0.5%以上3%以下、Nb:0.01
    %以上0.2%以下、Al:0.001%以上0.10
    %以下、N:0.05%以上0.3%以下、Ca:0.
    0005%以上0.01%以下を含有し、残部鉄および
    不可避不純物からなる鋼塊あるいは鋼片を常法により熱
    間圧延し、次いで1000℃以上1200℃以下に0.
    5分以上加熱し、その冷却時に950〜800℃の間を
    1分以上30分以下保定し、しかる後冷却することを特
    徴とする鋼中にNbCおよび/ないしNbNを析出させ
    た極低温特性の優れたNb3 Sn超電導体支持用ステン
    レス鋼の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5135170U (ja) * 1974-09-06 1976-03-16
US6541121B2 (en) * 2000-02-01 2003-04-01 Zentrum Fuer Funktionswerkstoffe Gemeinnuetzige Gesellschaft Mbh Superconducting element

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