JPH07116872A - レーザ加工機の制御方法及び装置 - Google Patents

レーザ加工機の制御方法及び装置

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JPH07116872A
JPH07116872A JP5265180A JP26518093A JPH07116872A JP H07116872 A JPH07116872 A JP H07116872A JP 5265180 A JP5265180 A JP 5265180A JP 26518093 A JP26518093 A JP 26518093A JP H07116872 A JPH07116872 A JP H07116872A
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Jiyunichi Nabesawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工不良を低減し、無人運転を可能にする。 【構成】 光検知部1は加工部Kの放射光を電気信号に
変えてその強度を測定する。記憶部2には最良とされる
正常加工時の加工部Kの放射光の強度を標準パターンと
して記憶させておく。比較部3は、光検知部1で測定さ
れた放射光の強度と上記標準パターンとを比較してその
結果を制御部4に出力する。制御部4は放射光の強度が
標準パターンの所定範囲に収まるように制御ルールに従
ってレーザ加工機の加工条件を修正する。制御ルールに
ファジイ推論を利用することができる。光検知部1には
複数のシュミットトリガ回路を設けて放射光の強度を的
確に測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工機の制御方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ加工(切断)では、材料
の材質と板厚とをパラメータとし、レーザ連続発振の場
合は、加工速度とアシストガス圧力等の加工条件を、ま
たレーザパルス発振の場合は、上記に、発振器のパルス
周波数とパルスデューティ(パルスの周期に対するパル
ス幅の割合)を加えた加工条件を決めている。良質な加
工を保持するための上記の加工条件は、一定範囲の規則
性はあるものの厳密な条件はいわゆるあいまいさをもつ
ため、加工の専門家(エキスパート)によって決められ
ることが多い。従来においては必要がある場合、エキス
パートが決めた加工条件を基本データとして機械に記憶
させ、その加工条件を一義的に参照して加工を行ってい
る。
【0003】また、上記とは別に、レーザ光と同一波長
の切断部からの放射光と、これとは異なる波長の放射光
とを観察し、両放射光の強度が同時に低下したことを検
知して切断完了と判断するレーザ切断のモニタリング方
法が提案されている(特開平4−327392号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の上記
方式では、加工材料の種類とか厚さなどが異なるすべて
の加工物に対してエキスパートの基本データが必要で汎
用性に劣る上、実際の加工を監視する訳ではないので、
正常に加工が行われているかどうかのオペレータの判断
が必要となる。このため、加工不良を生じる頻度が高く
なり、しかも無人加工ができない。また、加工が良好に
行われないと、スパッタ(溶融塊)の量が増加し、飛散
スパッタが集光レンズに付着してこれを傷つけるだけで
なく、集光性能を低下させて加工不良を助長するという
悪循環を生じさせる。この結果、高価な集光レンズが短
期間に使用不能となり、また加工能率が著しく低下す
る。
【0005】また、後者のモニタリング方式は、制御の
一形態で、切断部を監視することについては評価できる
が、単に切断の完了を知ることができるだけで、加工不
良を低減して無人運転をすることはできない。
【0006】本発明は、加工不良を低減し無人運転を可
能とするレーザ加工機の制御方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のレーザ加工機の制御方法は、最良
とされる正常加工時の加工部の放射光を光検知部で電気
信号に変換し、その電気信号から放射光の強度を測定し
て標準パターンとして記憶部に記憶し、レーザ加工時に
加工部の放射光を光検知部で電気信号に変換し、その電
気信号から放射光の強度を測定して上記標準パターンと
比較部で比較し、放射光の強度が標準パターンの所定範
囲を超えた場合に、放射光の強度が標準パターンの所定
範囲に収まるように予め定められた制御ルールに従って
制御部でレーザ加工機の加工条件を修正する構成とし
た。
【0008】また、請求項2の制御方法は、請求項1の
発明において、放射光の電気信号を、互いに並列に接続
されたトリガレベルの異なる複数のシュミットトリガ回
路に通して、放射光の強度を測定する構成とした。
【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、加工条件の修正が、レーザ出力パルスデュー
ティ、加工速度、アシストガス圧力、集光レンズの加工
材料からの距離の一以上を含む構成とした。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1,2又
は3の発明において、制御ルールをファジィ推論に基づ
く制御ルールとした構成とした。
【0011】更に、請求項5のレーザ加工機の制御装置
は、加工部の放射光を電気信号に変換して放射光の強度
を測定する光検知部と、最良とされる加工時の加工部の
放射光の強度を標準パターンとして記憶する記憶部と、
上記光検知部から出力された放射光の強度と上記記憶部
の標準パターンとを比較してその比較結果を出力する比
較部と、該比較部の出力信号に基づいてレーザ加工機を
制御する制御部とを具備した構成とした。
【0012】請求項6の制御装置は、請求項5の発明に
おいて、光検知部は、放射光を電気信号に変換する変換
手段に、互いに並列に接続されたトリガレベルの異なる
複数のシュミットトリガ回路を直列に接続した構成とし
た。
【0013】
【作用】光検知部は加工部の放射光を電気信号に変換し
てその強度を測定する。記憶部には最良とされる正常加
工時の加工部の放射光の強度を標準パターンとして記憶
させておく。比較部は、レーザ加工時に光検知部で測定
された放射光の強度と上記標準パターンとを比較してそ
の結果を制御部に出力する。制御部は放射光の強度が標
準パターンの所定範囲に収まるように予め定められた制
御ルールに従ってレーザ加工機の加工条件を修正する。
したがって、良好な加工を無人で行うことができる。
【0014】加工条件の修正には、通常、レーザ出力パ
ルスデューティ、加工速度、アシストガス圧力、集光レ
ンズの加工材料からの距離の一以上を用いる。
【0015】複数のシュミットトリガ回路を用いた場合
は、放射光の強度を比較的簡単かつ的確に測定すること
ができる。また、制御ルールをファジィ推論とすると、
より一層きめ細かにレーザ加工機を制御することができ
る。
【0016】
【実施例】図1ないし図3は本発明に係るレーザ加工機
の制御装置の一実施例を示す。制御装置は、光検知部
(装置)1と、記憶部2と、比較部3と、制御部4とを
備える。光検知部1は、加工部Kの放射光を電気信号に
変換して放射光の強度を測定するものであり、加工部K
の放射光を受光する光ファイバ6と、光ファイバ6によ
って受光された放射光を電気信号に変換するフォトトラ
ンジスタ(変換手段)7と、フォトトランジスタ7の電
気信号を内部処理に適した値に増幅する増幅器8と、増
幅器8で増幅された信号から、所定レベルの信号を取り
出すシュミットトリガ回路9a,9b,9cと、各シュ
ミットトリガ回路9a,9b,9cの出力信号を所要の
時間だけ個々に遅延させて連続した信号とする遅延回路
10a,10b,10cと、各遅延回路10a,10
b,10cの出力信号を信号OUTa,OUTb,OU
Tcとして個々に出力する出力回路11a,11b,1
1cを主体とする。
【0017】レーザ加工は周知のように、レーザ発振器
12から発振されたレーザビームBを、ビーム保護筒1
3内の集光レンズ14を通し、アシストガス供給口15
から供給されたアシストガスと一緒にノズル16から加
工材料Wに照射してこれを加工するものである。光ファ
イバ6は、集光レンズ14を通った加工部Kの光を加工
中のレーザビームBと干渉しない位置でとらえ、フォト
トランジスタ7に導く。
【0018】フォトトランジスタ7には、通常、可視光
のうち赤色光(波長が約600〜800nm)に対する
感度の高いものが用いられる。各シュミットトリガ回路
9a,9b,9cは、それぞれのボリウムSLa,SL
b,SLcによって、検出する信号レベルを任意にプリ
セットすることができ、また、各遅延回路10a,10
b,10cは、それぞれのボリウムTDa,TDb,T
Dcによって遅延時間を調節することができる。増幅器
8の出力信号TP1はチェック端子18によって、また
各シュミットトリガ回路9a,9b,9cの出力信号T
P2a,TP2b,TP2cはチェック端子19a,1
9b,19cによってそれぞれ個々に観測することがで
きる。
【0019】記憶部2には、加工の内容により区分され
た、最良とされる加工時の加工光(放射光)の標準パタ
ーン(標準波形)と、エキスパートによって決定された
制御情報が記憶される。比較部3は、光検知部1からの
信号OUTa,OUTb,OUTcと、記憶部2の標準
パターン(条件)とを比較し、その結果を制御部4と記
憶部2に信号を出力するものである。
【0020】また、制御部4は、比較部3の信号を受け
てレーザ加工機のレーザ発振器12、加工材料Wを載せ
てプログラム等の指令で製品形状などの動きをする加工
テーブル20、アシストガスを供給する補助機器21等
に制御信号を出力し、レーザ発振器12からのレーザビ
ームBの発振がパルス発振の場合にそのパルスデューテ
ィ、加工スピード、アシストガス圧力、或いは集光レン
ズ14の加工材料Wからの距離等を制御するものであ
る。
【0021】記憶部2には、運転プログラム22の運転
指令が与えられる。記憶部2は、比較部3の出力信号を
受け、制御部4からレーザ発振器12等に出力される制
御信号を、エキスパートデータに基づいて修正する修正
信号を出力する。
【0022】ところで、レーザ切断の始点にレーザビー
ムBが貫通する孔を明けるピアシングが開始されると、
加工材料Wのスパッタは孔が明くまではアシストガスの
作用によって、高温赤色で材料表面の四方に飛散し、強
い光を放射する。また、材料に孔が貫通すると、溶融物
は材料下面に吹き飛ぶため、急速に放射光が弱くなる。
光ファイバ6は上記の放射光を光検知部1に導き、光検
知部1はその放射光の強度を検出する。
【0023】図4ないし図6は、軟鋼にピアシングをし
たときに検出された電気信号TP1,TP2c,OUT
cの例を示す。これらの図において(イ)はピアシング
加工中のレーザ出力時間、(ロ)は加工材料Wにレーザ
ビームBが照射されてから孔が明くまでのピアシング中
の時間、(ハ)は、加工材料Wに孔が貫通した後のレー
ザ出力時間を示す。
【0024】なお、図5の電気信号TP2cは、シュミ
ットトリガ回路9cのレベルを、約15Vに設定して、
それ以上の入力のときはON、それより低いときはOF
Fとなるように調整したときのものである。電気信号O
UTcは、材料Wに孔が明いたことを検知するのに利用
することができる。
【0025】レーザ切断の良否は、光検知部1で検知さ
れた、例えば電気信号TP1の波形から知ることができ
る。図7は軟鋼の良好なピアシングの例、図8は正常だ
が良好とは言えない例である。なお、図7,8共、電気
信号TP1、TP2c,OUTcは纏めて描かれてい
る。両図7,8で電気信号OUTaはシュミットトリガ
回路9aのトリガレベルを約22Vにした場合、電気信
号OUTbはシュミットトリガ回路9bのトリガレベル
を約18Vにした場合、電気信号OUTcはシュミット
トリガ回路9cのトリガレベルを約15Vにした場合で
ある。
【0026】良好なピアシング(図7)の電気信号TP
1を注意深く観察すると、ピアシングの開始直後は光は
強く、すぐ(約1秒)に弱くなり、その後ほぼ一定の光
が継続している。これに対して正常だが良好とは言えな
いピアシング(図8)の電気信号TP1の場合は、ピア
シング開始直後の光の低下が図7に比べて長びき、更に
その後一定にはならず徐々に低下している。電気信号T
P1の波形は、加工材料Wの材質によって異なる。これ
は組成成分による融点の違いと溶融時の粘性の差による
ものと説明される。
【0027】本発明においては、加工部Kの光強度の光
検知部1による検知結果に基づいて、パルスデューテ
ィ、加工スピード、アシストガス圧力、集光レンズ14
の加工材料Wからの距離等を予め定められた制御ルール
にしたがって自動制御するものである。上記の制御ルー
ルとして通常、ファジィ推論が用いられる。ファジイ推
論は、ルールifA thenB(もしAならばBを実
行せよ)の形式で記述されるものであり、このA及びB
に何を与えるかについて具体的に例を挙げて説明する。
【0028】ピアシングが良好に行われた図7と、正常
だが良好とは言えない図8の電気信号OUTaとOUT
bに注目すると、 図7の場合 信号OUTaは、ON時間が約1秒。……(条件1) 信号OUTbのON時間はOUTaの約2倍である。…
…(条件2) これに対し、図8の場合 信号OUTaは、図7に比べてON時間が長い。……
(条件3) 信号OUTbのON時間は信号OUTaの約4倍であ
る。……(条件4) という条件データが得られる。
【0029】したがって、上記の(条件1)の信号OU
TaのON時間を良好な正常時間と考えたとき、判定条
件Aとして、 ピアシング開始後信号OUTaのON時間は(条件1)
より長い。……(判定1) また、 信号OUTbのON時間は信号OUTaの約2倍を越え
た。……(判定2) が考えられる。
【0030】そしてこれから、例えば次のような制御式
を作ることができる。 if{(条件3)かつ(条件2を満たさず}then
{レーザ出力パルスデューティを下げる}……(制御式
1)
【0031】制御式1によって制御(変更)する対象条
件の幅は、経験的に決められるものとする。この制御式
を実施(実行)後、更に、加工状況を、前述と同類の方
法でチェックして更に条件を変更させ、最適値に収束さ
せることが可能となる。
【0032】ピアシング加工のファジィ制御の別の例を
説明する。なお、この場合の制御の目的は、加工中に、
吹上げ不良が発生しないように監視、予防しながら最短
時間で加工を終了させることであり、制御の前件部、後
件部、推論ルールの基本ルールは次の通りである(加工
材料Wは鉄板)。
【0033】基本ルール 通常より強い加工光を検知したら、材料への入力レ
ーザパワーの平均値を下げる。 レーザパワーを制御しても不十分なときは、アシス
トガスの圧力を上下させ最良区間内になっているかをチ
ェックし調節する。
【0034】ファジィ推論の前件部変数は、光検知部1
の出力信号OUTa,OUTb,OUTcの信号有無
と、それらの相関関係であり、後件部は、レーザパルス
発振の(周波数、)パルスデューティ、そしてアシスト
ガス圧力である。
【0035】推論ルールは、次の現象事実に基づき、以
下のようにする。 1) 図8のように、ピアシング途中の発光が一定では
なく、少しずつ弱くなったり、また強くなったり弱くな
ったりと変動すると、吹き上がる確率が高い。 2) 図9のように、もし開始瞬間の発光が強いとき
は、吹き上がる確率が高い。(当然ながら、強発光が続
く時は、吹き上がっている。) なお、図9は図7及び図8に対応するものである。図9
のピアシング開始直後の破線部分は飽和していると考え
られる。
【0036】初期発光強度に関してのif thenル
ールの例は次の通りである。 i) もし、OUTaのON時間が、0≦Tai≦2.
0sec(図10の(i)参照)ならば、パルスデュー
ティは(μAi)Tai×30(%)下げる。但し、
(μAi)TaiはTai時間のときのファジィ値μA
iの値である。ii) もし、OUTaのON時間が、
2.0<Tai<3.0sec(図10の(ii)参照) ならば、アシストガス圧を標準の90%にしてみる。
【0037】iii) もし、アシストガス圧を下げても
OUTaのON時間が、2.0<Tai<3.0sec
(図10の(ii)参照) ならば、アシストガス圧を標準の110%にしてみる。
iv) もし、OUTaのON時間が、3.0≦Tai
(図10の(iii)参照)……(吹き上がっている) ならば、(ノズルの変形など他の原因が考えられるの
で)外部へアラーム表示しピアシングを停止する。
【0038】また、ピアシング途中の発光変化に関して
のif thenルールの例は次の通りである。 i) もし、OUTaがOFF後OUTbのON時間
(Ai)が、1.0sec<(Ai)(図11参照)な
らば、パルスデューティは(μBi)Ai×30%下げ
る。但し、Ai=Tbi−Tai、(μBi)Aiは、
Aiの値で決まるファジィ値μBiの値である。 ii) もし、OUTbが一旦OFF後、再度ONになる
ことがたびたび(NA)ある(図12参照)ならば、ア
シストガス圧を(μCi)NAi×30%下げる。但
し、NAは回数、(μCi)NAiは回数NAiの値に
より決まるファジィ値μCiの値である。
【0039】ピアシング後の切断加工のファジィ制御の
例を説明する。なお、この場合の目的は、加工の途中で
切断面が溶け落ちてギザギザの状態になるガウジング
や、吹上げが発生しないように監視、予防しながら、な
るべく加工スピードを早くし、加工時間を短くすること
であり、制御の前件部、後件部、推論ルールの基本ルー
ルは次の通りである(この場合も加工材料Wは鉄板であ
る)。
【0040】基本ルール 加工中のラインを一定距離ずつ区切り、即ち、加工
スピードに反比例したある一定のチェックインターバル
時間を決め、その間に光検知部1の出力信号OUTc,
OUTb,OUTaの順にONになる頻度をチェック
し、その頻度に合わせ、加工スピード又は、平均照射レ
ーザ出力を加減する。
【0041】ファジィ推論の前件部変数は、光検知部1
の出力信号OUTa,OUTb,OUTcがインターバ
ルごとにONする回数であり、後件部は、加工スピード
及びパルスデューティである。
【0042】推論ルールは、次の現象事実に基づいて、
以下のようにする。 1) 加工のスタート時点で、強い発光があるときは、
ガウジングの発生する確率が高い。 2) 加工中の光強度が一定でなく変動する場合(この
ときは、切断面に爪でひっかいたような筋が生じるノッ
チが入る)は、ガウジングの発生する確率が高い(図1
3)。 3) 一旦、ガウジングが発生すると、それが次々に連
鎖反応で続くことが多い。 4) 標準加工スピードより速過ぎると「ガウジング」
となり、極端な場合切断不能(けがいた状態のようにな
る)、遅いと「セルフバーニング」になる。
【0043】切断のif thenルールは次の通りで
ある。 i) もし、チェックインターバル間にOUTa,OU
TbがOFFでも、OUTcがONになること(NBi
回)があるならば、加工スピードを(μsi)NBi×
10%早くする。但し、(μsi)NBiは、NBiの
値に対するファジィ値μsiの値である(図14)。
【0044】ii) もし、チェックインターバル間にO
UTaがOFFでも、OUTbがONになる(当然OU
Tcも同時にON)こと(NCi回)があるならば、加
工スピードを(μti)NCi×15%早くする。但
し、(μti)NCiは、NCiの値に対するファジィ
値μtiの値である(図15)。
【0045】iii) もし、チェックインターバル間に
OUTaがONになる(当然OUTc,OUTbも同時
にON)ことがある ならば、加工を一旦止め、一時ストップし、再加工す
る。このときは加工スピードは100%にし、アシスト
ガス圧を10%下げてみる。 iv) もし、ii)を実行し、逆にOUTaがONになる ならば、(セルフバーニングと判断し)加工を一旦止
め、初期の条件に戻し再加工する。もし、再加工で同じ
状態になるときは製品不良と判断し次のステップへジャ
ンプする。なお、上記のi),ii)はファジィ制御を含
む。iii),iv)は単なるシーケンシャル制御である。
【0046】図では、光検知部1の構成において、各ボ
リウムSLa,SLb,SLc,TDa,TDb,TD
cは電気部品によって調節するようになっているが、デ
ジタル方式により書き込み設定可能とし、任意に選択設
定できるようにする方が一般的で汎用性の高い装置にで
きる。更に説明の都合で、光検知部1の出力をOUT
a,OUTb,OUTc,の3つにしているが、シュミ
ットトリガ回路の増設によって更にキメ細かい制御も可
能になる。
【0047】また、レーザパルス発振の場合、ピアシン
グが正常に行われているときの加工部Kの放射光はパル
ス波形となり、スパッタを吹き上げている加工不良のと
きは正常時のパルス波形が崩れて連続するようになる。
遅延回路10a,10b,10cの遅延時間が大きいと
正常時のパルス波形も連続してしまい加工不良を識別す
ることができないが、遅延時間を短かくするか、或いは
無くすと、加工不良の識別が可能となる。
【0048】図16は、P1点でピアシング、そのあと
1→P2→P3とレーザ連続発振で切断加工し、P3で加
工を終了する場合を示すものであり、このときの加工用
NCプログラム(メインプログラム)の一例は次の通り
である。 1° O1000; ……(プログラム番号) 2° G90 G92 XO,YO,; ……(絶対値での座標系の決定) 3° G26 M12; ……(加工準備動作,加工条件の呼び出し) 4° G00 X−5,YO; ……(加工開始点へ位置決め) 5° G22; ……(ピアシング加工起動) 6° G23 AO; ……(外周切断加工起動) 7° G01 XO; ……(加工方向指令) 8° X100, Y300 ……(加工方向指令) 9° G25 ……(加工終了動作指令) 10°M30 ……(プログラムの自動リセット) なお、AOはレーザ連続発振(CW)であり、図23の
A1はパルス発振(PW)である。
【0049】上記NCプログラムの実行フローの例を図
17ないし図19に示す。なお、図中右側に記入され
「1°」,〜,「10°」は、上記NCプログラムに対
応するステップ番号である。
【0050】また、図17の中のステップP−(1),
P−(3),P−(4)におけるピアシングとモニタリ
ングとファジイ制御フローの例を参考までに図20と図
21に示す。図20で※印のついたステップは前述の詳
細内容と必ずしも一致していない。
【0051】更に、図18の中のステップC−(1),
C−(3),C−(4)における切断加工のモニタリン
グとファジイ制御フローの例を参考までに図22と図2
3に示す。図22においても※印のついたステップは前
述の詳細内容と必ずしも一致していない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は前記の構
成とされ、加工部から放射される光を監視してその強度
が所定の範囲に収まるように、予め定めた制御ルールに
したがってレーザ加工機の加工条件を修正するものであ
るから、飛散スパッタによる集光レンズの損傷を防ぎ、
また加工不良を低減して良好な加工を無人運転で行うこ
とができる効果がある。
【0053】また、複数のシュミットトリガ回路を用い
た場合は、放射光の強度をより的確に測定して加工条件
の修正精度を高めることができる。制御ルールにファジ
イ推論を用いると、エキスパートの基本データを有効か
つ幅広く活用してきめ細かにレーザ加工機を制御し良好
なレーザ加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ加工機の制御装置の一実
施例を示すブロック図である。
【図2】 集光レンズと光ファイバ等の関係を示す断面
図である。
【図3】 光検知部の詳細図である。
【図4】 増幅器で増幅されたピアシングの電気信号の
波形の一例を示す図である。
【図5】 シュミットトリガ回路から出力されたピアシ
ングの電気信号の波形の一例を示す図である。
【図6】 出力回路から出力されたピアシングの電気信
号の一例を示す図である。
【図7】 良好なピアシングの電気信号と、トリガレベ
ルを変えた三つのシュミットトリガ回路の出力回路から
の出力信号の相互関係を示す図である。
【図8】 正常だが良好とは言えないピアシングとこれ
に続く切断加工の電気信号と、トリガレベルを変えた三
つのシュミットトリガ回路の出力回路からの出力信号の
相互関係を示す図である。
【図9】 図7及び図8とは別の、増幅器で増幅された
電気信号と、トリガレベルを変えた三つのシュミットト
リガ回路の出力回路からの出力信号の相互関係を示す図
である。
【図10】 パルスデューティを下げるための出力信号
OUTaのON時間が「長い」というメンバーシップ関
数の図である。
【図11】 発光がダラダラと「長引く」というメンバ
ーシップ関数の図である。
【図12】 「たびたび」というあいまいの度合を示す
メンバーシップ関数の図である。
【図13】 正常切断とノツチが入る切断、及びガウジ
ングが発生する波形の図である。
【図14】 ガウジングになる可能性が「高い」という
メンバーシップ関数の図である。
【図15】 ガウジングになる可能性が「高い」という
メンバーシップ関数の図である。
【図16】 NCプログラムの切断軌跡を示す図であ
る。
【図17】 NCプログラムの概略実行フロー図の前段
部である。
【図18】 NCプログラムの概略実行フロー図の中段
部である。
【図19】 NCプログラムの概略実行フロー図の後段
部である。
【図20】 ピアシングのモニタリングとファジィ制御
フロー図の前段部である。
【図21】 ピアシングのモニタリングとファジィ制御
フロー図の後段部である。
【図22】 切断加工のモニタリングとファジィ制御フ
ロー図の前段部である。
【図23】 切断加工のモニタリングとファジィ制御フ
ロー図の後端部である。
【符号の説明】
1 光検知部 2 記憶部 3 比較部 4 制御部 6 光ファイバ 7 フォトトランジスタ 8 増幅器 9a シュミットトリガ回路 9b シュミットトリガ回路 9c シュミットトリガ回路 10a 遅延回路 10b 遅延回路 10c 遅延回路 11a 出力回路 11b 出力回路 11c 出力回路 12 レーザ発振器 13 レーザ保護筒 14 集光レンズ 15 アシストガス供給口 16 ノズル 18 チェック端子 19a チェック端子 19b チェック端子 19c チェック端子 20 加工テーブル 21 補助機器 22 運転プログラム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最良とされる正常加工時の加工部の放射
    光を光検知部で電気信号に変換し、その電気信号から放
    射光の強度を測定して標準パターンとして記憶部に記憶
    し、レーザ加工時に加工部の放射光を光検知部で電気信
    号に変換し、その電気信号から放射光の強度を測定して
    上記標準パターンと比較部で比較し、放射光の強度が標
    準パターンの所定範囲を超えた場合に、放射光の強度が
    標準パターンの所定範囲に収まるように予め定められた
    制御ルールに従って制御部でレーザ加工機の加工条件を
    修正することを特徴とするレーザ加工機の制御方法。
  2. 【請求項2】 放射光の電気信号を、互いに並列に接続
    されたトリガレベルの異なる複数のシュミットトリガ回
    路に通して、放射光の強度を測定することを特徴とする
    請求項1記載のレーザ加工機の制御方法。
  3. 【請求項3】 加工条件の修正が、レーザ出力パルスデ
    ューティ、加工速度、アシストガス圧力、集光レンズの
    加工材料からの距離の一以上を含むことを特徴とする請
    求項1又は2記載のレーザ加工機の制御方法。
  4. 【請求項4】 制御ルールがファジィ推論に基づく制御
    ルールであることを特徴とする請求項1,2または3記
    載のレーザ加工機の制御方法。
  5. 【請求項5】 加工部の放射光を電気信号に変換して放
    射光の強度を測定する光検知部と、最良とされる加工時
    の加工部の放射光の強度を標準パターンとして記憶する
    記憶部と、上記光検知部から出力された放射光の強度と
    上記記憶部の標準パターンとを比較してその比較結果を
    出力する比較部と、該比較部の出力信号に基づいてレー
    ザ加工機を制御する制御部とを具備したことを特徴とす
    るレーザ加工機の制御装置。
  6. 【請求項6】 光検知部は、放射光を電気信号に変換す
    る変換手段に、互いに並列に接続されたトリガレベルの
    異なる複数のシュミットトリガ回路が直列に接続された
    ことを特徴とする請求項5記載のレーザ加工機の制御装
    置。
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