JPH07119347B2 - スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物

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JPH07119347B2
JPH07119347B2 JP2234448A JP23444890A JPH07119347B2 JP H07119347 B2 JPH07119347 B2 JP H07119347B2 JP 2234448 A JP2234448 A JP 2234448A JP 23444890 A JP23444890 A JP 23444890A JP H07119347 B2 JPH07119347 B2 JP H07119347B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は家電、OA分野において好適に利用される耐熱
性、耐衝撃性、離型性に優れたゴム変性のスチレン系樹
脂組成物に関する。
[従来の技術] スチレン系樹脂の耐熱性を向上させるために、スチレン
にα−メチルスチレン、無水マレイン酸、メタクリル酸
などのコモノマーを共重合する方法が一般に行われてい
る。しかしながら得られた共重合体はコモノマーの価格
が高いため価格が高く、また流動性が低い、吸湿性が高
いなどの問題が在り、用途に制限を受けている。
芳香族モノビニル重合体中にゴム状重合体を分散粒子と
して含有する耐熱性、耐衝撃性、離型性を兼ね備えたゴ
ム変性スチレン系樹脂組成物が特開平1-247446号公報に
開示されているが、芳香族モノビニル重合体の分子量が
小さく耐熱性が十分でないという問題点がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の問題点を解消した耐熱性、耐衝撃性、離
型性のバランスに優れたゴム変性のスチレン系樹脂組成
物を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、特定な分子量のマトリックスポリスチレン系
樹脂中に特定なゴム状重合体を含有し、スチレン2量体
とスチレン3量体の総量及び残留揮発成分の総量が特定
量未満であるゴム変性スチレン系樹脂に特定の離型剤を
特定量含有させてなるスチレン系樹脂組成物により前記
目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、分子量が16×104〜24×104のマト
リックスポリスチレン系樹脂中に粒径1.0〜4.0μmの粒
子状のゴム状重合体を4.0〜8.0重量%、スチレン2量体
とスチレン3量体を総量で0.5重量%以下、残留揮発成
分を総量で500ppm以下含有するスチレンとゴム状重合体
を重合して得られたゴム変性スチレン系樹脂(A)及び
組成物に対して500〜3000ppmの飽和高級脂肪族のカルボ
ン酸及びそれらの金属塩から選ばれる1種又は2種以上
の化合物からなり、融点100℃以下の化合物が50重量%
以下である離型剤(B)からなることを特徴とするスチ
レン系樹脂組成物を提供するものである。
本発明におけるゴム変性スチレン系樹脂(A)はスチレ
ンとゴム状重合体を重合して得られるものであり、従来
のゴム変性スチレン系樹脂の製造において慣用されてい
る方法、例えば乳化重合法、塊状重合法、塊状−懸濁重
合法、懸濁重合法など、いずれの方法によっても製造す
ることができるが、本発明においては、経済的に有利な
点から、塊状−懸濁重合法又は連続塊状重合法による製
造方法が選ばれる。
次に、本発明のゴム変性スチレン系樹脂の製造方法の一
例について説明する。まず、ゴム状重合体を、スチレン
及び所望に応じて用いられる他の共重合可能な単量体を
含む混合溶液に加え、20〜70℃程度の温度において溶解
したのち、この溶液を攪拌機付の1段以上、好ましくは
2段以上の重合器に供給して重合を行い、重合の最終段
から固形成分と未反応単量体及び溶剤などの揮発成分と
を分離する脱揮発成分工程を経て、所望の樹脂が得られ
る。
この方法においては、第1段目の重合器には、単量体に
溶解したゴム状重合体が供給され、また、単量体及び所
望に応じて用いられる重合開始剤や連鎖移動剤は、任意
の段階で重合器に供給してもよい。
この重合方法において、所望に応じて用いられる重合開
始剤としては、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、
ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、
1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブ
チルペルオキシシクロヘキサン)プロパノンなどの有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサン
カルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスシ
アノ吉草酸などのアゾ化合物などが挙げられる。これら
は単独で又は2種以上を混合して使用することができる
が、半減期温度温度(10時間)が100℃以下のものと100
℃以上のものを混合して使用することが好ましい。
また、所望に応じて用いられる連鎖移動剤としては、例
えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプ
タンなどのメルカプタン類や、α−メチルスチレンダイ
マー、1−フェニル−ブテン−2−フルオレン、テルピ
ノール、クロロホルムなどが挙げられる。
スチレン単量体を重合して得られるマトリックス成分の
スチレン系樹脂は、スチレン単独重合体又はスチレンと
共重合可能な単量体との共重合体であり、共重合可能な
単量体としては、例えばα−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、p−
t−ブチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレ
ン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸、アクルリル酸、無水マレイン酸、
フェニルマレイミドなどを挙げることができる。これら
の単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組み合せて
用いてもよいが、スチレンを含む全単量体に対して、通
常50重量%以下、好ましくは40重量%以下の割合で用い
られる。
ゴム状重合体の種類については特に制限はなく、従来ゴ
ム変性スチレン系樹脂に慣用されているもの、例えば天
然ゴムや、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプ
レン共重合体ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン
共重合体ゴムなどの合成ゴム、あるいはこれらのゴムと
スチレンとのグラフト共重合体ゴムなどが用いられる。
上記のようにして得られたゴム変性スチレン系樹脂中の
ゴム状重合体の量は仕込ゴム濃度と樹脂の最終転化率か
ら計算により求められる。また、ゴム状重合体の粒径は
ゴム状重合体の面積平均粒子径(直径)(Ds)として次
のようにして求められる。すなわち、配向の小さいゴム
変性スチレン系樹脂のペレットを3重量%の四酸化オス
ミウム水溶液にて処理したものを超ミクロトームにより
薄片化したのち、このものの透過型電子顕微鏡像を得、
画像上のゴム状重合体粒子の長径方向の直径(D)を約
1000個の粒子について測定し、その面積平均値を次式に
従って求めることにより、ゴム状重合体の面積平均粒子
径(直径)(Ds)が得られる。
(nは直径Dのゴム状重合体粒子の個数。) ゴム状重合体の含有量は4.0〜8.0重量%であることが必
要で、4.0重量%未満では耐衝撃性が低下し、8.0重量%
を超えると耐熱性が低下する。好ましい範囲は4.0〜7.5
重量%である。またゴム状重合体の粒径は1.0〜4.0μm
であることが必要で1.0μm未満では耐衝撃性が低下
し、4.0μmを超えると耐衝撃性及び耐熱性が低下す
る。好ましい範囲は1.2〜3.6μmである。
次に、マトリックスポリスチレン系樹脂の分子量は次の
ようにして求められる。すなわち、ゴム変性スチレン系
樹脂をメチルエチルケトンに溶解後、ゲル成分を除去す
るために遠心分離し、マトリックス成分を含む上澄み液
を乾燥した。その後、テトラヒドロフランを溶媒として
マトリックス成分の0.2重量%溶液を調製し、ウォータ
ース社製GPC150Cを使用して、重量平均分子量(Mw)
を、ポリスチレン換算で求めた。マトリックスポリスチ
レン系樹脂の分子量は16×104〜24×104の範囲にあるこ
とが必要で、16×104未満であると耐衝撃性及び耐熱性
が低下し、24×104を超えると流動性が低下する。好ま
しい範囲は17×104〜23×104である。
さらに本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、樹脂中のス
チレン2量体及び3量体の総量が0.5重量%以下である
ことが必要である。この総量が0.5重量%を超えると耐
熱性が低下する。好ましい範囲は0.4重量%以下であ
る。また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、樹脂中
の残留揮発成分の総量が500ppm以下であることが必要で
ある。この総量が500ppmを超えると耐熱性が低下する。
好ましい範囲は400ppm以下である。残留揮発成分として
はスチレン、イソプロピルベンゼン、n−プロピルベン
ゼン、エチルベンゼン及び重合に使用した溶剤などがあ
る。
上記スチレン2量体及び3量体の総量、残留揮発成分の
総量は島津製作所製のガスクロマトグラフィーGC-3BFを
使用して求めた。
次に、(B)成分として用いられる飽和高級脂肪族のカ
ルボン酸としては炭素数12〜42程度の直鎖飽和モノカル
ボン酸が用いられる。例えば、ラウリン酸(44℃)、ミ
リスチン酸(54℃)、パルミチン酸(63℃)、ステアリ
ン酸(70℃)、ベヘン酸(81℃)、モンタン酸(89℃)
などが挙げられる。これらの金属塩の金属としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、アルミニウム、亜鉛などがあり、代表的な高級脂
肪族のカルボン酸の金属塩としては、ステアリン酸マグ
ネシウム(132℃)、ステアリン酸アルミニウム(103
℃)、ステアリン酸カルシウム(180℃)、ステアリン
酸亜鉛(140℃)などが挙げられる(かっこ内は融点を
表す)。
本発明の組成物において、離型剤(B)は上記飽和高級
脂肪酸及びそれらの金属塩から選ばれる1種又は2種以
上の化合物からなり、融点100℃以下の化合物が50重量
%以下であることが必要である。融点100℃以下の化合
物が50重量%を超えると耐熱性が低下する。また、離型
剤の量は組成物に対して500〜3000ppnであることが必要
である。500ppm未満であると離型性が低下し、3000ppm
を超えると耐熱性が低下する。好ましい範囲は1000〜25
00ppmである。
離型剤の添加方法は特に制限はなくゴム変性スチレン系
樹脂の原料であるゴムを溶解したスチレン溶液中に添加
しても、あるいは重合工程、脱揮発成分工程に添加して
も、あるいは得られた樹脂ペレットに添加してもいずれ
でもよい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物には、所望に応
じて通常用いられている種々の添加剤、例えばエチレン
ビスステアロアミドなどの滑剤や有機ポリシロキサン、
ミネラルオイル等、また酸化防止剤として、例えば、ヒ
ンダートフェノール類、ヒンダートビスフェノール類、
ヒンダートトリスフェノール類等、また、例えば、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ステアリル
−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−
3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフ
ェニル)プロピオネート等、あるいは、リン化合物、例
えば、トリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ァイト、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6
−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)フォスファイ
ト等を添加することができる。さらに必要に応じて、安
定剤、染料、顔料、充填剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤
などを添加することができる。
また、本発明のスチレン系樹脂組成物は、所望により、
汎用ポリスチレン(GPPS)や他のポリマー、例えばポリ
フェニレンエーテル、ABSなどを配合することもでき
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。なお、物性等の測定法
を下記に示す。
(1)メルトインデックス(MI) JIS-K-7210に準拠して測定。
(2)アイゾット衝撃強度 JIS-K-7110(23℃、ノッチ付)に準拠して測定。
(3)ボールプレッシャー温度 試験片を恒温槽内に入れ、その上に直径が5mmの鋼玉を
用いて20Nの静加重を1時間加えたのち、鋼玉を除去し
てただちに25℃±5℃の水中で30分間冷却し、へこんだ
穴の直径を測定したとき、その直径が2mm(深さで換算
する場合は、0.209mm)である温度。
(4)離型性 成形温度220℃にてリブ及びボス部分などの多くついた
複雑な成形品を射出成形し、成形品の外観を次のランク
にて評価した。
◎:キズ、白化が全くないもの。
○:キズ、白化がほんの少しあるもの。
△:キズ、白化がかなりあるもの。
×:キズ、白化があり、割れもあるもの。
実施例1 毎時20lの供給速度で次の組成の混合物を、容量23lの第
一重合槽に連続的に送液した。
ゴム状重合体:NF35AS(旭化成工業製ポリブタジエン)
5.2重量% スチレン 89.8重量% エチルベンゼン 5.0重量% n−ドデシルメルカプタン 200ppm 1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン 300ppm 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン 100ppm 第一重合槽の温度は115℃であり、回転数は150rpmであ
った。
次いで容量33lの第二重合槽、容量33lの第三重合槽に順
次送液した。温度、回転数は各々、137℃、50rpm、160
℃、20rpmであった。また、第三重合槽出口の添加率は8
5重量%であった。
さらに、230〜280℃の温度に加熱した真空槽にて揮発成
分を除去して、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂を
得た。以下の運転条件を第1表に示す。
このペレットにステアリン酸カルシウムを2500ppm添加
し、押出機にて練り込んだ。得られた樹脂組成物の組成
及び物性並びにゴム変性スチレン系樹脂の樹脂構造を第
2表に示す。
実施例2〜4 実施例1において、運転条件を第1表に示す様に、離型
剤組成を第2表に示すように変更した。得られた樹脂組
成物の物性及びゴム変性スチレン系樹脂の樹脂構造を第
2表に示す。
比較例1〜5 実施例1において、運転条件を第1表に示す様に、離型
剤組成を第2表に示すように変更した。得られた樹脂組
成物の物性及びゴム変性スチレン系樹脂の樹脂構造を第
2表に示す。
[発明の効果] 本発明によれば耐熱性、耐衝撃性、離型性のバランスに
優れ、特に耐熱性に優れたスチレン系樹脂組成物を得る
ことができる。
したがって、本発明のスチレン系樹脂組成物は家電、OA
分野の材料として好適に用いられ、その工業的価値は極
めて大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が16×104〜24×104のマトリックス
    ポリスチレン系樹脂中に粒径1.0〜4.0μmの粒子状のゴ
    ム状重合体を4.0〜8.0重量%、スチレン2量体とスチレ
    ン3量体を総量で0.5重量%以下、残留揮発成分を総量
    で500ppm以下含有するスチレンとゴム状重合体を重合し
    て得られたゴム変性スチレン系樹脂(A)及び組成物に
    対して500〜3000ppmの飽和高級脂肪族のカルボン酸及び
    それらの金属塩から選ばれる1種又は2種以上の化合物
    からなり、融点100℃以下の化合物が50重量%以下であ
    る離型剤(B)からなることを特徴とするスチレン系樹
    脂組成物。
JP2234448A 1990-09-06 1990-09-06 スチレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH07119347B2 (ja)

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