JPH07120586B2 - 変圧器用ギャップ付鉄心 - Google Patents

変圧器用ギャップ付鉄心

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JPH07120586B2
JPH07120586B2 JP8490290A JP8490290A JPH07120586B2 JP H07120586 B2 JPH07120586 B2 JP H07120586B2 JP 8490290 A JP8490290 A JP 8490290A JP 8490290 A JP8490290 A JP 8490290A JP H07120586 B2 JPH07120586 B2 JP H07120586B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、大容量半導体電力変換装置に使用される変換
器用変圧器のギャップ付鉄心に関する。
(従来の技術) 半導体電力変換装置に使用される変換器用変圧器には、
直流側巻線と交流側巻線を1つの鉄心に巻装したユニッ
ト変圧器数台で構成され、その直流側巻線にはサイリス
タ数台が並列に接続され、その交流側巻線は数台を直列
に接続して電源あるいは負荷に接続する、いわゆる直列
多重電圧形のインバータあるいはコンバータ用のものが
あるが、この方式は、その動作の速応性、電源側の力率
及び高周波に関して良好な特性が得られる。
通常の変圧器では、その鉄心は、けい素鋼板の抜板接合
部のギャップを小さくして磁気抵抗を小さくし、鉄損、
励磁電流及び振動騒音をより小さくするが、前述の変換
器用変圧器では、次の2つの理由によりその鉄心にはギ
ャップを付け、磁気抵抗をある程度に大きくする必要が
ある。
サイリスタの僅かなオンタイミングのずれや制御上の
ずれ、及び変圧器を含む回路のインピーダンス特性の差
などにより、直流成分の電流が発生する。この直流電流
が変圧器巻線に流れると、鉄心には直流偏磁が発生して
鉄心は飽和し、励磁電流が増大し、電力変換装置として
の特性を悪化させると共に、変換器用変圧器の損失が増
加し、振動騒音が大きくなる。
この直流偏磁現象を完全に防止することは困難であるの
で、鉄心にギャップを設けることにより鉄心の磁気抵抗
を大きくし、その偏磁量を小さくし、定格電流の1%程
度の直流電流が流れても鉄心飽和にならない様にする。
そのため、直流電流と偏磁量の関係を満足するように鉄
心のギャップを設計し、工作しなければならない。
直列接続される交流側巻線の分担電圧を均一となる様
にしないと、電力変換装置としての動作を良好に継持で
きないので、ユニット変圧器間でその励磁インピーダン
ス、即ち鉄心の磁気抵抗を同一にする必要がある。
磁気抵抗を同一にすることは、鉄心の材質による磁気特
性のバラツキや抜き板接合部の隙間の不揃いなどが存在
するために、通常では困難であるが、ギャップを付け、
そのギャップ長を各器で正確に等しくなるように製造管
理することにより、励磁インピーダンスのバラツキを数
%以内にすることができる。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来の電力変換装置では、必要とするユニッ
ト変圧器の容量が小さく、直列にする台数も少なかった
ので、その鉄心をユニット変圧器毎に独立させた構造で
も特に問題はなかった。
しかし、最近注目されている磁気浮上式鉄道用電力変換
装置や、電力系統の安定化を目的として自励式インバー
タを用いた静止形無効電力発生装置などは、その容量が
大きくなるため、使用するユニット変圧器の容量も大き
く、直列にする台数も多くなり、装置全体が大規模なも
のとなる。そして、大規模な装置になれば、その変換器
用変圧器も大型化することは避けられず、それに伴って
その鉄心も大きく重量が重くなるために、ギャップ長の
調整などその工作が困難であった。
本発明は、上述の課題を解決するために提案されたもの
であり、鉄心の磁気抵抗を仕様値に合せるためのギャッ
プ長の調整が容易にでき、しかもユニット変圧器鉄心数
台分を1つの鉄心で構成することにより、変換器用変圧
器の小形化を可能とした変圧器用ギャップ付鉄心を提供
することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、以上の目的を達成するために、直流側巻線と
交流側巻線を巻装する複数の主脚と、この主脚の両脇に
配置された側脚及びそれらの脚を接合する下部ヨークと
上部ヨークとを備え、主脚と上部ヨークとの間に磁気的
絶縁物のギャップを取付け、且つ、上部ヨークの主脚間
及び主脚と側脚間にラップ接合の継ぎ目部を設けたこと
を構成上の特徴とするものである。
(作用) このような構成を有する本発明の鉄心は、直流側巻線と
交流側巻線を巻装する複数の主脚を備えているので、ユ
ニット変圧器1台分の巻線を1つの主脚に巻装すること
ができ、ユニット変圧器複数台分を1つの鉄心で構成す
ることが可能になる。そして、主脚部に磁気的絶縁物の
ギャップが形成してあるので、鉄心の磁気抵抗は大きく
でき、しかも磁気的絶縁物のギャップの取付位置は変圧
器巻線より上部であるから、上部ヨークの取り外しだけ
で、磁気抵抗を仕様値に合せるためのギャップ長の調整
が容易に行える。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を第1図を参照して説明する。
本実施例の鉄心は、第1図の様に、直流側巻線1と交流
側巻線2とを巻装した主脚3を3本備えたもので、その
両側に側脚4が設けられている。これら3本の主脚3と
両側の側脚4は下部ヨーク5と上部ヨーク6とで接合さ
れ、特に各主脚3と上部ヨーク6との間には磁気的絶縁
物のギャップ7が取り付けられている。また、上部ヨー
ク6の主脚3間及び主脚3と側脚4間には、各々ラップ
接合の継ぎ目8が設けられている。
そして、図示されていないが、主脚3及び側脚4を構成
する抜き板の表面には各々当て板が取り付けられ、また
下部ヨーク5及び上部ヨーク6を構成する抜き板にはク
ランプが取付けられて、ボルト締付け或いはガラステー
プなどによりバインド締付けされている。また、本実施
例の様なギャップ付鉄心では、ギャップ7部を通過する
磁束により、ギャップ7の上下面間に磁気吸引力が働
き、振動・騒音が発生するので、図示していないが上部
ヨーク6、ギャップ7、主脚3及び下部ヨーク5が上下
方向に締付スタッドにより強固に締付けられている。
更に、第2図の拡大平面図に示す通り、上部ヨーク6は
けい素鋼板の抜き板を積層して構成されており、その継
ぎ目8は抜き板が寸法Aでラップジョイントされ、左右
の上部ヨーク6は磁気的には接合されているが、上下方
向には相対的に移動が可能となるように構成されてい
る。
本実施例のギャップ付鉄心は上記の様な構成を有するも
のであるが、次にその作用を説明する。
仮に、上部ヨーク6が継ぎ目8がない1枚ものであれ
ば、下部ヨーク5と上部ヨーク6を上下に締付けること
によって、主脚3と側脚4には圧縮力が加わるが、製作
上の寸法公差、組立上の誤差により接合部には隙間が生
じたり、上下ヨークが突っ張ったりし、また主脚3、側
脚4の上下方向の寸法にバラツキがあると、ギャップ7
が適切な圧力で締付けられず振動・騒音が増加する恐れ
がある。しかし、本実施例では、上部ヨーク6には継ぎ
目8があり、しかもその継ぎ目8は各脚毎に分割されて
上下方向に相対的に移動が可能なので、前記の各誤差を
吸収して締付力が均一に加わるようになり、振動・騒音
の増加を抑制することができる。特に、変圧器を運転し
た場合に鉄心の温度が高くなると、各主脚間及び側脚間
に熱膨脹による伸びの差が生じ、上部ヨーク6を押し曲
げたりし、無理な曲げ応力や圧縮応力が発生し磁気歪が
大きくなり、磁歪による振動・騒音が増加するが、本実
施例の構成では、上部ヨーク6の継ぎ目8の作用によっ
て無理な力は発生しないので、磁歪による振動・騒音の
増加を抑制することができる。
次に、本実施例におけるギャップ長の調整法について説
明する。まず、主脚3と側脚4を下部ヨーク5で接合
し、上部より直流側巻線1と交流側巻線2を挿入し巻線
を組立て、主脚3の上部にギャップ7を取付けた後、上
部ヨーク6を組込み、クランプと上下締付スタッドを取
付けて締付ける。そして、直流側巻線1あるいは交流側
巻線2に交流電源を接続し、各脚の励磁インピーダンス
を測定する。測定された励磁インピーダンスが仕様値を
満足しない場合には、いったん組立てた上部ヨーク6を
取外し、ギャップ7の寸法Gを調整し、再度上部ヨーク
6を組立て、励磁インピーダンスが仕様値を満足するよ
うに調整する。このようにギャップ7の寸法Gを調整す
ることにより、主脚3とギャップ7の合計高さが他脚間
で異なっても、上部ヨーク6には継ぎ目8があるので、
上部ヨーク6を上下方向に相対的に移動すれば良い。
更に、本実施例の鉄心が、従来の複数のユニット変圧器
で別鉄心とした時と同様な作用を果たすことを、第3図
及び第4図により説明する。
即ち、第3図は第1図の鉄心の磁気的な等価回路を示す
図であり、電源表示のEa,Eb,Ecは、その主脚に磁束を流
すための励磁電流とその励磁電流が流れる巻線の巻回数
の積で求められる起磁力である。抵抗表示のR1,R2,R3,R
4は各磁路の磁気抵抗で、R1はギャップ7を含む主脚の
磁気回路分、R2,R3は下部ヨーク5と上部ヨーク6で主
脚間に相当する磁気回路分、R4は主脚と側脚の間の下部
ヨーク5と上部ヨーク6及び側脚4に相当する磁気回路
分である。ここで、抵抗R1はギャップ7を有するため、
ギャップを有しない抵抗R2,R3,R4よりはるかにその値は
大きい。もし、抵抗R2,R3,R4が小さく、抵抗R1に比べ無
視できる程度の値であれば、第3図で、例えば左側の主
脚3にのみ起磁力Eaが発生し、磁束Φaが流れる場合に
ついて考えると、両脇の側脚4に流れる磁束Φ1
大きくなり、中央と右側の主脚3に流れる磁束Φ2
は小さく無視できることになる。他の主脚の場合の磁束
の流れ方も同じことになり、次のことが言える。
即ち、1つの主脚に発生した磁束は他の主脚には流れな
く、側脚4、下部ヨーク5、上部ヨーク6を通って流れ
るので、主脚間では磁気的結合が無視でき、従来のユニ
ット変圧器で別鉄心にした場合と同等になり、各主脚毎
の巻線で別々の電圧抑制、即ちパルス幅変調方式として
も支障はない。
この場合、抵抗R2,R3,R4の値をより小さくするには、 側脚4、下部ヨーク5、上部ヨーク6には透磁率の大
きい、より特性の良い高配向性材などを使用する。
下部ヨーク5と上部ヨーク6の断面積は、通常の変圧
器鉄心なら主脚の断面積の半分で良いが、多少大きく
し、その磁束密度がより低くなる様にする。
側脚4と下部ヨーク5及び上部ヨーク6との接合部
は、額縁形ラップ接合とし、更に、必要なら抜き板を階
段状にずらせて接合する、いわゆるステップラップ構造
としても良い。
などの手段を、その鉄心の仕様により最適となるように
組合せて採用する。
(他の実施例) 本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではな
く、主脚の数は任意に変更できばかりでなく、他の部分
の構成も本発明の要旨を変更しない範囲で変更すること
ができるものである。
例えば、第1図において、矢印9で示す方向は、方向性
けい素鋼板の圧延方向であり、前記実施例では、その方
向に磁束が流れるようにして発生損失を少なくしている
が、主脚3よりギャップ7を通って上部ヨーク6へ流れ
る磁束については、上部ヨーク6の部分ではその圧延方
向と直角方向に流れる成分があるため、その部分の発生
損失が大きくなり、局部過熱の原因になる。そこで、適
用される装置がより大きくなり、その鉄心寸法が大形に
なる場合や、発生損失を特に少なくする必要がある場合
には、第4図に示すように、ギャップ7の上に二等辺直
角三角形の抜き板10を取付ける。即ち、ギャップ7に接
する上部ヨーク6を三角形に切欠き、その部分に抜き板
10をその圧延方向9が上下方向になうように取付ける。
この様な構成とすることにより、主脚3よりギャップ7
を通って上部ヨーク6へ流れる磁束は、抜き板10をスム
ーズに流れ、いずれの場所でも圧延方向に磁束が流れる
ように改善され、前述の発生損失の増加が少なくなり、
局部過熱の防止に効果がある。
[発明の効果] 以上の通り本発明によれば、任意の数の主脚とその両側
の側脚を上・下部ヨークで接合すると共に、各主脚と上
部ヨークとの間にギャップを取付け、且つ、上部ヨーク
の主脚間及び主脚と側脚間にラップ結合の継ぎ目を設け
るという簡単な手段にもかかわらず、1つの多相鉄心に
数組の直流側巻線と交流側巻線を巻装することが可能と
なり、変換器用変圧器として小型で、ギャップ長の調整
が容易に行え、しかもギャップ部に発生する磁気吸引力
及びけい素鋼板の磁歪による振動・騒音を抑制できる変
圧器用ギャップ付鉄心を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による変圧器用ギャップ付鉄心の一実施
例を示す正面図、第2図は第1図における継ぎ目8部分
の拡大平面図、第3図は第1図の実施例の作用を説明す
るための磁気的等価回路図、第4図は本発明の他の実施
例における上部ヨークと主脚との接合部分を示す正面図
である。 1……直流側巻線、2……交流側巻線、3……主脚、4
……側脚、5……下部ヨーク、6……上部ヨーク、7…
…ギャップ、8……継ぎ目、9……圧延方向、10……三
角形上部ヨーク抜き板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変圧器巻線を巻装した複数の主脚と、この
    主脚の両脇に配置された側脚及びそれらの脚を接合する
    下部ヨークと上部ヨークとで構成された変圧器用ギャッ
    プ付鉄心において、 主脚と上部ヨークとの間に磁気的絶縁物のギャップを取
    付け、且つ、上部ヨークの主脚間及び主脚と側脚間にラ
    ップ接合の継ぎ目部を設けたことを特徴とする変圧器用
    ギャップ付鉄心。
JP8490290A 1990-04-02 1990-04-02 変圧器用ギャップ付鉄心 Expired - Lifetime JPH07120586B2 (ja)

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