JPH07120822B2 - ジョセフソン素子の製造方法 - Google Patents

ジョセフソン素子の製造方法

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JPH07120822B2
JPH07120822B2 JP63036965A JP3696588A JPH07120822B2 JP H07120822 B2 JPH07120822 B2 JP H07120822B2 JP 63036965 A JP63036965 A JP 63036965A JP 3696588 A JP3696588 A JP 3696588A JP H07120822 B2 JPH07120822 B2 JP H07120822B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低温で動作するジョセフソン効果を用いた素
子、特に高速スイッチ素子および高磁界感度を有する素
子の製造方法に関する。
(従来の技術) 従来、ニオブ等の金属および窒化ニオブ等の金属間化合
物超伝導体を用いて構成したジョセフソン接合を用いた
素子(ジョセフソン素子)は、酸化アルミニウムやゲル
マニウム等の絶縁体や半導体から成るトンネル障壁を超
伝導体間に形成してジョセフソン接合を構成することに
よって作製されている。
トンネル障壁の形状の規定には、半導体等の製造に用い
られている露光技術と加工技術が用いられる。これらの
ジョセフソン素子は、主にシリコン基板上に製作されて
いる。場合により、基板上に形成された超伝導体の薄膜
のパターンエッジを用いたトンネル障壁構造を有するエ
ッジ接合型ジョセフソン素子も用いられる。エッジ接合
の構造に関しては、一方の超伝導体電極膜のエッジと他
方の超伝導体電極膜の面とを接触させた構造が通常用い
られている。これは、従来のニオブ等の金属および金属
間化合物の超伝導体の超伝導性か、膜の面方向や結晶方
位に全く依存せず等方的であることによる。これらのジ
ョセフソン素子は、従来のシリコンデバイスの製造に用
いられている露光技術および加工技術を駆使して製造さ
れている。
一方、最近イットリウム・バリウム・銅酸化物(Y−Ba
−Cu−O)等において超伝導特性を示す物質が存在する
ことが発見された。希土類と銅を含むこれらの酸化物超
伝導体は、絶対温度40K〜90K前後において超伝導状態に
転移する。これらの酸化物高温超伝導体の超伝導特性、
即ち臨界電流密度、臨界磁界、コヒーレンス長等の物質
定数は、結晶の方位に著しく依存し、AB軸面内方向とC
軸方向において1桁前後も値に差が見られる。
さらに酸化物高温超伝導体の薄膜は、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)結晶上に基板温度500℃〜700℃で成膜
した時アニールなしでも超伝導特性を示す。膜の結晶軸
は、基板の結晶方位を反映して配向することが知られて
いる。一方、成膜後、900℃前後のアニールを行うと膜
の臨界温度が上昇し、超伝導特性が改善される。この時
の膜は多結晶となり多数の結晶粒が成長する。この酸化
物超伝導体を用いたジョセフソン素子やスクィッド(SQ
UID)は、酸化物超伝導体のセラミックスや薄膜を用い
て下記の方法で製造されている。
(発明が解決しようとする課題) 酸化物高温超伝導体を用いたジョセフソン素子は、酸化
物超伝導体のセラミックス棒にひび割れを入れて、棒内
部に微小な弱結合を作る方法(ジャパン・ジャーナル・
オブ・アプライド・フィジックス(Japan Journal of A
pplied Physics)第26巻第5号第L701〜L703頁)や、チ
タン酸ストロンチウムやマグネシアの基板上に成膜後ア
ニールによって生じる結晶粒界をジョセフソン接合とす
る方法(信学技報第87巻第249号第73〜78頁)によって
作られている。
しかしながら、酸化物高温超伝導体は、超伝導性が影響
するコヒーレンス長が2〜4nm程度と著しく小さいこ
と、真空保管時に生じる酸素の離脱や、大気中の水蒸気
との反応による組成変化等により超伝導性の破壊が生じ
易いことが知られている。このため、従来のニオブ/ア
ルミ酸化膜/ニオブ接合を形成すると同様の絶縁体をは
さむ方法では酸化物超伝導体間に制御性良くジョセフソ
ン接合を作ることが困難であった。即ち、これらの従来
の方法によって作られたジョセフソン素子は、接合界面
において膜の組成が超伝導となる組成からずれるため十
分な性能を有する接合が得られず、又接合の臨界電流値
の制御性と再現性が著しく悪かった。一方粒界やクラッ
クを用いたジョセフソン素子では、粒界やクラックの位
置の制御ができないため、接合位置の規定も困難であっ
た。特に従来の方法では、電流密度が高いAB軸面に直交
するジョセフソン接合を形成できなかった。
本発明の目的は、従来の問題点を解決し、指定された位
置に再現性良く形成できるジョセフソン素子を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のジョセフソン素子の製造方法は、結晶基板もし
くは結晶膜上に設けた溝上の超伝導体膜に粒界を形成し
てジョセフソン接合とするジョセフソン素子の製造にお
いて、前記溝形成後、前記結晶基板もしくは結晶膜表面
に、前記結晶基板もしくは結晶膜と同一物質もしくは前
記超伝導体膜の成長の下地となる物質を成膜して前記溝
の幅を縮小させる工程を含むことを特徴とする。
(作用) 本発明によるジョセフソン素子の製造方法によれば、結
晶基板もしくは結晶膜上に設けた溝の上の超伝導体膜に
粒界を形成してジョセフソン接合とするジョセフソン素
子が、下記のようにして製造される。
先ず酸化物高温超伝導体等の超伝導物質を成膜する結晶
基板もしくは結晶膜上のジョセフソン素子を形成する領
域に微細な溝を形成する。微細な溝は、電子ビームを用
いて穴を掘る方法や、通常シリコンデバイス等の加工に
用いられている反応性イオンエッチング(RIE)法等に
より形成される。続いて基板全面に前記の結晶物質もし
くは、他の超伝導体形成の下地となる下地補助膜を電子
ビーム蒸着法やスパッタ法等により成膜し溝幅を縮め
る。特に、前記の溝の側壁部に膜が形成されるような斜
め蒸着等の成膜法が好ましく使用され、溝幅の縮小が行
なわれる。この工程は、溝を掘る加工精度が、露光・エ
ッチング技術の精度に制約され、0.5ミクロンメートル
程度以下の微細な溝の高精度の加工が困難であるため
に、導入されている。
続いて、基板全面に超伝導物質を成膜する。成膜された
超伝導薄膜の結晶構造は、下地の結晶構造を反映して下
地の結晶構造と一致した構造となる。従って、溝部にお
いては、表面の凹凸もしくは溝加工時における結晶構造
の破壊等により、溝周辺部とは異なる構造の膜が成長す
る。この膜の成長速度は、溝の側壁の効果により遅くな
る。このため、溝の両側に成長した結晶領域は徐々に拡
大し、やがて溝上に結晶粒界を作って互いに接触する。
最後に、超伝導体膜を所望の形状に加工し必要な回路を
形成する。即ち溝上の超伝導体膜を指定された電極幅W
に加工する。以上のようにして作られた結晶粒界から成
るジョセフソン接合の面積は、超伝導体膜の膜厚をtと
する時、ほぼWtとなる。よって電極幅Wもしくは膜厚t
を変えることにより、臨界電流値の制御が行なわれる。
(実施例) 本発明の第1の実施例によるジョセフソン素子の製造工
程を第1図に示す。
先ずチタン酸ストロンチウムから成る結晶基板1のジョ
セフソン素子を形成する領域に、通常の露光技術を用い
てフォトレジスト2に長さ6μm、幅0.6μmの窓3を
明ける(第1図(a))。次に塩素ガスを用いた反応性
イオンビームエッチング技術(第48回応用物理学会講演
予稿集第1分冊第67頁講演番号19p−D−2)により溝
4を形成する。この時のエッチング条件は、塩素ガス圧
力0.15Pa、引出し電圧400V、イオンビーム5の電流数+
μA/cm2であり、エッチング速度は超伝導体膜10nm/分、
レジスト30nm/分である。上記条件の塩素イオンビーム
5で40分間エッチングし深さ400nmの溝4を掘る(第1
図(b))。
続いて、チタン酸ストロンチウムから成る結晶基板1を
600℃に加熱し、電子ビーム斜め蒸着法により5nm/分の
速度で、チタン酸ストロンチウムから成る下地補助膜6
が300nm厚に成膜される(第1図(c))。この時溝4
の側壁には約200nmのチタン酸ストロンチウムが成長す
る。従って、溝4の幅は0.6μmから0.2μm程度に縮小
され、溝4の深さは400nmから100nmと浅くなる。以上の
結果、0.2μm幅で100nmの深さに、溝4がチタン酸スト
ロンチウムから成る下地補助膜6で埋込まれる。この時
の溝4の両側の領域では、結晶基板1と同一の構造を有
するチタン酸ストロンチウムから成る下地補助膜6が成
長する。
続いて、基板1を650℃に加熱し、イットリウム・バリ
ウム・銅酸化物を成膜速度10nm/分で圧力10パスカルの
酸素雰囲気中で40分間蒸着して成膜する。蒸着源として
は、イットリウム・バリウム・銅酸化物の焼結体を用い
る。焼結体の組成は、蒸着により形成されたイットリウ
ム・バリウム・銅酸化物が超伝導体となる組成に調整さ
れている。蒸着源と成長した膜との組成ずれは、装置と
成膜条件に依存して大きく変化する。たとえば本実施例
においては、バリウムと銅がそれぞれ所望の組成比より
2%と4%増量した蒸着源を用いる。ここで蒸着源の加
熱には、10KVで加速された電子ビームが用いられる。又
十分な酸素を補給する他の方法として100Vで加速した酸
素イオンビームを試料全面に照射する手段も用いても良
い。
以上のようにして形成された膜厚400nmのイットリウム
・バリウム・銅酸化物超伝導体の結晶構造は、基板のチ
タン酸ストロンチウムの結晶構造を反映した構造とな
る。即ち、C軸が基板面に垂直なチタン酸ストロンチウ
ム基板1を用いた時、同様にイットリウム・バリウム・
銅酸化物は、C軸が基板面に垂直となった構造となる。
なお、溝4の上部においては、溝の両側から成長した第
1および第2の超伝導体膜7、8の結晶の粒界9が形成
され、ジョセフソン接合となる(第1図(d))。図に
おいてジョセフソン接合となる結晶粒界9は、模式的に
線で示したが、より詳細には本発明のジョセフソン素子
を使用する温度において非超伝導体である粒界層を形成
している。
粒界層は有限な厚さをもち、その厚さは、コヒーレンス
長より短い。よって、粒界層を通して超伝導電流即ちジ
ョセフソン電流が流れる。イットリウム・バリウム・銅
酸化物超伝導体において、その化学量論的組成がY=1:
Ba=2:Cu=3からずれると超伝導体とならないことが知
られている。超伝導体電極に挟まれている粒界層の部分
は、イットリウム・バリウム・銅の組成比が1:2:3と異
なる酸化物である。従って、粒界層は、超伝導となる臨
界温度が使用温度より低いために、実施例の使用温度に
おいて常伝導特性、半導体特性もしくは絶縁特性を示す
超伝導体、もしくは常伝導体、半導体、絶縁体のいずれ
かである。
溝4上にある下地補助膜6上の溝部に初期に形成される
物質は結晶の軸方向が異なる超伝導体もしくは前述した
非超伝導体である。溝4上の部分に下地補助膜6が形成
される時、溝4の加工時に生じた結晶基板1の表面構造
の乱れにより、下地補助膜6の結晶構造は溝部の結晶基
板1の結晶構造の乱れを反映した結晶構造をもつ物質が
形成される。この溝部の下地補助膜6の結晶構造の乱れ
を受けて、その上に形成されるイットリウム・バリウム
・銅物質は、超伝導体もしくは組成比が超伝導相とは異
なる物質が形成される。第1および第2の超伝導体が下
地補助膜6の上に成長するにつれ、第1および第2の超
伝導体電極膜7、8の結晶が溝を覆ってゆき、結晶粒界
9を介して溝4上で互いに接し、ジョセフソン接合を形
成する。
続いて、フォトレジストを用いた露光・エッチング技術
により、第1及び第2の超伝導体電極膜7、8が所望の
形状、たとえば電極幅Wが4μmに加工され、必要な配
線と第2図に斜視図で示したジョセフソン素子が形成さ
れる。この時の反応性イオンビームエッチングを用いた
加工は次のように行なわれる。10-3Torrの塩素ガスを高
周波プラズマでイオン化し、引出し電圧400Vでイオン化
した塩素ガスを加速してイオンビームを作る。このイオ
ンビームを試料全面に照射してイットリウム・バリウム
・銅酸化物をエッチングする。たとえばエッチング速度
4nm/分で80分間エッチングすることにより超伝導体電極
7、8が所望形状に加工される。
上記実施例以外の超伝導体膜の成膜法として、イットリ
ウム・バリウム・銅酸化物の焼結体の電極をターゲット
としたスパッタ法や、イットリウムとバリウムと銅の金
属もしくは酸化物をそれぞれ異なるターゲット又は蒸着
源として同時にもしくは時分割でスパッタ又は蒸着する
方法等も利用できる。さらに超伝導体膜の加工には、イ
オンビーム・エッチング法や塩素以外の気体を用いた反
応性プラズマエッチング法等が用いられる。超伝導体膜
の形成時の試料温度は、650℃以外にも400〜900℃前後
の範囲に設定しても良好な超伝導体膜が形成される。
以上に説明した本発明のジョセフソン素子の製造方法に
よれば、第1および第2の超伝導体電極膜、結晶粒界
は、結晶基板に設けた溝の上に形成される。従って接合
の長さは超伝導体電極膜の電極幅Wで決まり、接合部の
幅は、超伝導体電極膜の膜厚tでほぼ決まる。従って接
合の面積はほぼWtとなり膜厚tと電極幅Wで制御でき
る。又接合が形成される位置は、結晶基板に設けた溝に
よって制御できる。即ちジョセフソン素子の形状と特性
の制御が容易になる。
以上のようにして形成された、第1および第2の超伝導
体膜の粒界を接合としたジョセフソン素子は、大きな電
流密度を有する接合を形成することができる。即ち、ジ
ョセフソン素子の臨界電流値は以下のようにして定ま
る。C軸が基板に垂直となっている下地結晶を用いる
と、超伝導体膜は、C軸が基板に垂直となる。よって、
超伝導体膜においては、臨界電流値が大きい方向(AB
軸)が膜面の方向となり、接合を流れる電流方向と一致
する。従って、ジョセフソン素子の電流密度として、超
伝導体膜の最大電流密度106A/cm2を得ることもできる。
たとえば、ジョセフソン接合部の電流密度5×105A/cm2
を仮定すると、ジョセフソン素子の臨界電流値として、
通常の論理回路等で用いられている0.1mAを有する接合
は、0.4μm厚の超伝導体膜を用いた時約1μmの電極
幅の第1及び第2の超伝導体電極によって得られる。0.
4μm膜厚の超伝導体電極の電極幅を2μmにすれば0.2
mA、4μmにすれば0.4mAの臨界電流値を有するジョセ
フソン素子が形成される。
なお前記実施例では溝4の断面形状が矩形であるが、V
字形、U字形、台形、逆台形等でもよい。
(発明の効果) 本発明のジョセフソン素子の製造方法によれば、結晶基
板上に設けた溝の上に超伝導体膜の粒界を形成して、接
合としたジョセフソン素子が得られる。特に下地の結晶
上に設けた溝の幅を縮小することにより、溝の上に形成
する超伝導体膜の粒界の形成を容易にし、粒界接合の特
性の制御を容易にする。さらに本発明の製造方法におい
ては、超伝導体膜の結晶構造を下地の結晶構造で制御で
きるので、電流密度の高い結晶軸方向に電流を流すよう
なジョセフソン素子を制御性良く形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を説明するためのジョセフソン
素子の断面構造で表わした製造工程を示す図、第2図は
本発明の製造方法によって製作されたジョセフソン素子
の斜視図である。 1……結晶基板、2……フォトレジスト 3……窓、4……溝 5……イオンビーム、6……下地補助膜 7……第1の超伝導体電極膜 8……第2の超伝導体電極膜 9……結晶粒界、10……電極幅W

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶基板もしくは結晶膜上に設けた溝上の
    超伝導体膜に粒界を形成してジョセフソン接合とするジ
    ョセフソン素子の製造において、前記溝形成後、前記結
    晶基板もしくは結晶膜表面に、前記結晶基板もしくは結
    晶膜と同一物質もしくは前記超伝導体膜の成長の下地と
    なる物質を成膜して前記溝の幅を縮小させる工程を含む
    ことを特徴とするジョセフソン素子の製造方法。
JP63036965A 1988-02-18 1988-02-18 ジョセフソン素子の製造方法 Expired - Lifetime JPH07120822B2 (ja)

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