JPH07126385A - 加工性良好なポリイミド及びその製造方法 - Google Patents

加工性良好なポリイミド及びその製造方法

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JPH07126385A
JPH07126385A JP27638793A JP27638793A JPH07126385A JP H07126385 A JPH07126385 A JP H07126385A JP 27638793 A JP27638793 A JP 27638793A JP 27638793 A JP27638793 A JP 27638793A JP H07126385 A JPH07126385 A JP H07126385A
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低分子量成分が多い熱安定性に優れ、成形加
工性に優れたポリイミドの提供。 【構成】 下記式(1) の繰り返し単位で示され、ゲル浸透クロマトグラフィー
による平均分子量が、数平均分子量Mnが16,000
〜18,000の範囲且つ重量平均分子量Mwが60,
000〜200,000の範囲且つ多分散度Mw/Mn
が3.8以上であるポリイミド樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性の良好なポリイミ
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとの反応により得られるポリイミドは種々の優れ
た物性や、良好な耐熱性を有するために今後もエレクト
ロニクスの分野や宇宙・航空産業分野等での利用が期待
されている。
【0003】従来開発されたポリイミドは優れた特性を
示すものが多いが、優れた耐熱性を有するけれども加工
性はとぼしく、また、加工性を向上する目的で開発され
た樹脂は耐熱性に劣るなど性能に一長一短があった。例
えば式(5)
【0004】
【化6】
【0005】で表されるような基本骨格からなるポリイ
ミド(デュポン社製:商品名 Kapton,Vesp
el )は明瞭なガラス転移温度を有せず、耐熱性に優
れたポリイミドであるが、成形材料として用いる場合に
加工が困難であり、粉末焼結成形などの特殊な手法を用
いて加工しなければならない。また、電気電子部品の材
料として用いる際に寸法安定性、絶縁性、はんだ耐熱性
に悪影響を及ぼす吸水率が高いという性質がある。ま
た、式(6)
【0006】
【化7】
【0007】で表されるような基本骨格からなるポリエ
ーテルイミド(ゼネラル・エレクトリック社製:商品名
Ultem )は加工性の優れた樹脂であるが、ガラ
ス転移温度が217℃と低く、またメチレンクロライド
などのハロゲン化炭化水素に可溶で、耐熱性、耐溶剤性
の面からは満足のゆく樹脂ではない。これらの欠点を解
消すべく、鋭意検討した結果、我々は一般式(1)
【0008】
【化8】
【0009】(式中、X、Y1〜Y4、Rは前記に同じ)
で表される新規なポリイミド樹脂を見いだし、既に出願
した。(特開平1−110530等)
【0010】該ポリイミド樹脂は、250℃付近に明瞭
なガラス転移温度を示し、400℃付近でもほとんど重
量減少がなく、加工性が良好である。また、耐薬品性に
も優れ、従来のポリイミドの欠点を補うものであった。
【0011】該ポリイミド樹脂の合成方法は種々あり、
原料のテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応さ
せ、ポリアミド酸とした後、熱により脱水環化させる方
法や、無水酢酸により脱水環化させてポリイミドを得る
方法が知られている。
【0012】しかしながら該ポリイミド樹脂も、分子量
が高くなるに従い加工性がとぼしくなり、加工時に樹脂
のゲル化が起こったり、樹脂の粘度が増加するなどの問
題点がある。
【0013】該問題点を解決するため、これまで本発明
者等は、ジアミンの両末端にジカルボン酸無水物を付加
させ、さらに脱水環化させた一般式(7)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、X、Rは前記に同じ)で表される
ビスイミド化合物、及び該ビスイミド化合物を該ポリイ
ミド樹脂に添加することによって加工性が向上すること
を見いだし、既に出願した(特願平03−00496
3、特願平03−086558)。
【0016】また、本発明者等はポリイミドを合成する
際、上記のジアミンとテトラカルボン酸二無水物をある
特定のモル比で合成することにより、一般式(1)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、X、Y1〜Y4、Rは前記に同じ)
で表される低分子量のポリイミドオリゴマーが得られる
こと、及び該ポリイミドオリゴマーを該ポリイミド樹脂
に添加することによって加工性が向上することを見いだ
し、既に出願した(特願平04−340138、特願平
04−342548)。
【0019】このようにポリイミド樹脂にビスイミド化
合物やポリイミドオリゴマーなどのような低分子量成分
を添加することで加工性は向上するが、その場合でも問
題点がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】一般にビスイミド化合
物の製造は容易であるが、ビスイミド化合物を添加した
場合、一般にビスイミド化合物の揮発点が低く、加工中
に一部揮散してしまい、その効果が十分に表れないとい
う問題点がある。
【0021】オリゴマーを添加して得られるポリイミド
は、ビスイミド化合物に比べると加工時に問題はほとん
どない。しかしながら、オリゴマーの合成は原料モノマ
ーのモル比を調節することによって得られるが、得られ
たオリゴマーは一般に高分子量ポリマーに比して溶剤へ
の溶解性が高く、収率が低下し、工業的な生産には不適
当である。
【0022】また、これら低分子量成分は、ポリイミド
樹脂とは別途に製造しなければならず、その製造設備
や、ポリイミド樹脂と混合するための設備、労力や手間
の問題がある。
【0023】このように低分子量成分を添加して加工性
を向上する手法には一長一短があり、ワンポットで製造
できる加工性の良好なポリイミド樹脂の製造方法が望ま
れていた。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記の問題
点を解決するために鋭意検討を行なった結果、ある特定
の反応条件で合成した場合、ビスイミド化合物やオリゴ
マーを添加することなく、従来の方法で合成した該ポリ
イミド樹脂にこれら低分子量成分を添加したのと同様の
分子量分布を有し、従来の方法で合成したポリイミド樹
脂よりもさらに加工性が良好なポリイミド樹脂が得られ
ることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すな
わち、本発明は下記式(1)
【0025】
【化11】
【0026】(式中、Xは直結、炭素数1〜10の2価
の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カ
ルボニル基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基ま
たはオキシドからなる群より選ばれた基を表し、Y1
2、Y3、Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、塩素または臭素からなる群より
選ばれた基を示し、同じであっても異なっていてもよ
い。Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環
式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接また
は架橋員により相互に連結された非縮合環式芳香族基か
らなる群より選ばれた4価の基を表す。)
【0027】の繰り返し単位で示され、ゲル浸透クロマ
トグラフィー(以下、GPCと略する)による平均分子
量が、数平均分子量Mnが16,000〜18,000
の範囲且つ重量平均分子量Mwが60,000〜20
0,000の範囲且つ多分散度Mw/Mnが3.8以上
であるポリイミド樹脂。更に該ポリイミド樹脂の製造方
法に於いて、ジアミンが下記式(2)
【0028】
【化12】
【0029】(式中、Xは直結、炭素数1〜10の2価
の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カ
ルボニル基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基ま
たはオキシドからなる群より選ばれた基を表し、Y1
2、Y3、Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、塩素または臭素からなる群より
選ばれた基を表す。)で表されるジアミン化合物であ
り、テトラカルボン酸二無水物が下記式(3)
【0030】
【化13】
【0031】(式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環
式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合環式芳香族基からなる群より選ばれた4価の基を表
す。)で表されるテトラカルボン酸二無水物であり、さ
らに反応が下記式(4)
【0032】
【化14】
【0033】(式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式
芳香族基、芳香族基が直接または架橋員により相互に連
結された非縮合多環式芳香族基から成る群より選ばれた
2価の基を表す。)
【0034】で表されるジカルボン酸無水物の存在のも
とに行なわれ、テトラカルボン酸二無水物の量がジアミ
ン1モル当たり0.9〜1.0モル比であり、かつジア
ミン1モルに対しジカルボン酸無水物の量が0.001
〜2.0モル比である式(1)
【0035】
【化15】
【0036】(式中、X、Y1〜Y4、Rは前記に同じ)
で表される繰り返し単位を基本骨格として有するポリイ
ミド樹脂を得る際、有機塩基性化合物の含有量が10p
pm以下の特定の有機溶媒中で、反応温度が180℃〜
202℃の範囲で脱水環化し、重合することを特徴とす
るポリイミドの製造方法である。
【0037】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
係るポリイミドの製造方法は、ある特定の反応条件で合
成することにより、オリゴマー成分が、生成したポリイ
ミド中に多く含まれているようなポリイミドを得る製造
方法である。該方法は、従来の方法で製造したポリイミ
ド樹脂に、別に製造した低分子量成分を添加するのと同
様の効果をもつポリイミド樹脂を、一つの反応釜で製造
し、得られることに特徴がある。
【0038】本発明者等は鋭意検討した結果、通常、ポ
リイミド樹脂が十分な機械的物性を発現し、溶融成形す
るために必要な重量平均分子量Mwは、60,000〜
200,000の範囲であることを見いだしている。重
量平均分子量Mwが60,000より低いと十分な機械
的物性が発現しない。また、200,000を超えると
溶融時の粘度が高くなるため、溶融成形するという目的
に適さない。
【0039】数平均分子量Mnは、重量平均分子量Mw
によって変化するが、通常20,000以上で、多分散
度Mw/Mnの範囲では、通常3.0〜3.8の範囲で
ある。 本発明の方法以外の反応条件でポリイミド樹脂
を重合した場合、例えば有機塩基性化合物が含まれてい
る溶媒で重合した場合、あるいは180℃〜202℃の
範囲以外での反応温度で重合した場合、ジカルボン酸無
水物を用いないで重合した場合等のいずれの場合でも重
量平均分子量Mwが60,000〜200,000の範
囲のものを得ようとすると、その多分散度Mw/Mnは
3.0〜3.8の範囲である。
【0040】多分散度Mw/Mnが3.0〜3.8のポ
リイミド樹脂に、ビスイミド化合物、あるいはポリイミ
ドオリゴマーを適量ブレンドしたものは、重量平均分子
量Mwに比べて数平均分子量Mnの減少する度合いが大
きいので、重量平均分子量Mwを60,000〜20
0,000の範囲に保ちながら多分散度Mw/Mnを
3.8以上のポリイミド樹脂を調製することは可能であ
る。
【0041】しかしながら、本発明の方法によれば、ビ
スイミド化合物、ポリイミドオリゴマー等の低分子量成
分を添加することなく、重量平均分子量Mwを60,0
00〜200,000の範囲に保ちながら多分散度Mw
/Mnが3.8以上であるポリイミド樹脂を得ることが
できる。
【0042】本発明で使用されるジアミンとしては、ビ
ス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)メタン、
1,1−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル)エタン、1,2−(4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル)ブタン、2,2−
ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル−1,
1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロプロパン、4,
4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス
(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ケトン、ビ
ス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィ
ド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ス
ルホキシド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル)エーテル等が挙げられ、これらは単独あるい
は二種以上混合して用いられる。
【0043】テトラカルボン酸二無水物としてはエチレ
ンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンカルボン
酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3.3´,4,
4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2´,3,3´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,2´,3,3´−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2´−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、2,2´−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェンル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)メタン二無水物、2,3,6,7−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,
6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,
9,10−ベリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−アントラセンカルボン酸二無水物、1,
2,7,8−フェナントレンカルボン酸二無水物等が挙
げられ、これらは単独あるいは二種類以上混合して用い
られる。
【0044】本発明で末端封止剤として用いられる一般
式(4)で表されるジカルボン酸無水物としては、無水
フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水
物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,
3−ジカルボキシフェニル−フェニル−エーテル無水
物、3,4−ジカルボキシフェニル−フェニル−エーテ
ル無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、
2,3−ジカルボキシフェニル−フェニル−スルホン無
水物、2,3−ジカルボキシフェニル−フェニル−スル
フィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水
物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−
ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセン
ジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン
酸無水物などが挙げられ、これらは単独あるいは2種以
上混合して用いられる。
【0045】本発明の方法で有機溶媒に、出発原料のジ
アミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸無水
物を添加、反応させる方法としては、(イ)ジアミンと
テトラカルボン酸二無水物を反応させた後に、ジカルボ
ン酸無水物を添加して反応を続ける方法、(ロ)ジアミ
ンにジカルボン酸無水物を加えて反応させた後、テトラ
カルボン酸二無水物を添加し、さらに反応を続ける方
法、(ハ)ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカ
ルボン酸無水物を同時に添加、反応させる方法、など、
いずれの添加、反応をとっても差支えない。
【0046】重合に用いる溶媒としては、m−クレゾー
ル、p−クレゾールが挙げられる。これらは混合して用
いてもよい。
【0047】一般にポリイミド樹脂を合成しようとする
場合、無水酢酸を用いて脱水閉環するためにはピリジン
などの有機塩基性化合物を触媒として用いる。また、熱
により脱水閉環する場合も反応を促進するために該有機
塩基性化合物を反応系に添加する場合がある。
【0048】本発明に於ける重合有機溶媒は、ピリジン
などの有機塩基性化合物の含有量が10ppm以下であ
ることが必要である。これ以上有機塩基性化合物が含ま
れていると、高分子量成分が生成し、得られるポリイミ
ド樹脂の分子量は上がるが、得られる樹脂に本発明の特
徴であるオリゴマー成分が十分に生成しない。また、該
重合溶媒以外の有機溶媒では、やはり高分子量成分が生
成し、分子量は上がるが本発明の特徴であるオリゴマー
成分が十分に生成しないので用いられない。
【0049】反応温度は、180℃〜202℃の範囲で
ある。180℃以下の温度では、反応が十分に進行せ
ず、熱安定性に優れたポリマーが生成しない。また、重
合溶媒のクレゾールの沸点は202℃であり、これ以上
の反応温度で製造することは常圧では不可能であるが、
加圧下で202℃以上で反応させると反応は進行し、ポ
リマー中に高分子成分は生成する。しかしながら、本発
明の特徴であるオリゴマー成分が十分に生成しない。
【0050】反応温度が180℃〜202℃の範囲であ
れば、反応は減圧、常圧、加圧のいずれの条件下で行な
っても何等差支えがない。
【0051】反応時間はその反応温度によって異なる
が、一般的に1時間以上であり、特に2時間から6時間
の範囲が好ましい。1時間よりも短い反応時間では、生
成ポリマーの分子量が十分に上がらない。また、6時間
よりも長く反応時間をとっても生成ポリマーの物性に大
差はない。
【0052】本発明による重合方法により生成したポリ
イミドの分子量は、GPCによる平均分子量が、数平均
分子量Mnが16,000〜18,000、重量平均分
子量Mwが60,000〜200,000、多分散度M
w/Mnが3.8以上の範囲である。
【0053】重量平均分子量Mwが60,000以下で
あれば、材料として十分な機械的物性を発現しない。多
分散度Mw/Mnが3.8に満たないと、加工性に劣る
ことになる。重量平均分子量Mwがさらに大きい場合は
この傾向は顕著になる。
【0054】重量平均分子量Mwが200,000を超
えると、たとえ樹脂中にオリゴマー成分が十分に含まれ
ていたとしても加工が困難である。また、数平均分子量
Mnも大きくなるため、上記の範囲から外れることにな
る。
【0055】本発明のポリイミドを溶融成形に供する場
合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、
ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、変性ポリフェ
ニレンオキシドなどを目的に応じて適当量を配合するこ
とも可能である。
【0056】また、さらに通常の樹脂組成物に使用する
次のような充填剤などを発明の目的を損なわない程度で
用いてもよい。すなわち、グラファイト、カーボランダ
ム、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂などの耐
摩耗性向上材、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊
維、炭化ケイ素繊維、カーボンウィスカー、アスベス
ト、金属繊維、セラミック繊維などの補強材、酸酸化ア
ンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの難
燃性向上材、クレー、マイカなどの電気的特性向上材、
アスベスト、シリカ、グラファイトなどの耐トラッキン
グ向上材、硫酸バリウム、シリカ、メタケイ酸カルシウ
ムなどの耐酸性向上材、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム
粉、銅粉などの熱伝導度向上材、その他ガラスビーズ、
ガラス球タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、
水和アルミナ、金属酸化物、着色料などである。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定さ
れるものではない。 実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル368.4g(1.0モル)、無水フタル酸1
4.81g(0.1モル)、無水ピロメリット酸20
7.22g(0.95モル)およびm−クレゾール2,
200gを装入し、撹拌下200℃まで加熱し、200
℃にて6時間保温した。m−クレゾールは高速液体クロ
マトグラフィー(以下、HPLCと略する)で分析し、
ピリジン、ピコリン、イソキノリンの総含有量が10p
pm以下のものを用いた。次いで反応溶液にトルエンを
装入し、析出物を濾別し、さらにトルエンにて洗浄を数
回行なった後、窒素雰囲気下250℃で6時間乾燥を行
ない、510g(収率92.0%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉のガラス転移温度は250℃、融
点は388℃(DSCによる。以下同じ)であった。ま
た、このポリイミド粉の対数粘度は、0.48dl/g
であった。ここに対数粘度はパラクロロフェノール:フ
ェノール(重量比90:10)の混合溶媒を用い、濃度
0.5g/100ml溶媒で、35℃で測定した値であ
る。本実施例で得られたポリイミド粉末を用い、高化式
フローテスター(島津製作所製、CFT−500)で直
径0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて、溶融
粘度の経時変化を測定した。420℃の温度に5分間保
った後、100kg/cm2 の圧力で一部押し出し、
その粘度を測定した。残りをさらに100kg/cm2
の圧力で一部押し出し、その粘度を測定した。420
℃保持時間と溶融粘度の関係を第1図(図1)に示す。
保持時間が延びても、溶融粘度の変化はほとんどなく、
熱安定性の良好なことがわかる。また、本実施例で得ら
れたポリイミド粉末のGPC測定を行なった。溶媒はp
−クロロフェノール:o−クロロフェノール(重量比5
0:50)を用い、55℃で分析を行なった。GPC装
置はシステム11(昭和電工製)、カラムはKD−80
M、KD−803(昭和電工製)を2本直列に連結した
ものを用いた。実施例中でのポリイミドの分子量分布な
どの物性を第1表(表1)にまとめて示す。また、実施
例1で得られたポリイミド粉のGPC溶出曲線を第2図
(図2)に示す。実施例1で得られたポリイミドは低分
子量成分が多いことがわかる。
【0058】実施例2 重合溶媒にp−クレゾールを用いた以外は実施例1と同
様に実験を行なった。p−クレゾールはHPLCで分析
し、ピリジン、ピコリン、イソキノリンの総含有量が1
0ppm以下のものを用い、505g(収率91.1
%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘
度は0.48dl/gであった。溶融粘度の経時変化を
実施例1と同様に行なったところ、保持時間が延びて
も、溶融粘度の変化はほとんどなかった。
【0059】実施例3 原料のジアミンにビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕ケトン396.0g(1.0モル)を用いた
他は実施例1と同様に実験を行なった。実験に用いたm
−クレゾールはHPLCで分析し、ピリジン、ピコリ
ン、イソキノリンの総含有量が10ppm以下のものを
用い、525g(収率90.2%)のポリイミド粉を得
た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/gで
あった。溶融粘度の経時変化を実施例1と同様に行なっ
たところ、保持時間が延びても、溶融粘度の変化はほと
んどなかった。
【0060】実施例4 原料のテトラカルボン酸二無水物に3,3´,4,4´
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物306.1
1g(0.95モル)を用いた他は実施例1と同様に実
験を行なった。実験に用いたm−クレゾールはHPLC
で分析し、ピリジン、ピコリン、イソキノリンの総含有
量が10ppm以下のものを用い、589.3g(収率
90.2%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉
の対数粘度は0.49dl/gであった。溶融粘度の経
時変化を実施例1と同様に行なったところ、保持時間が
延びても、溶融粘度の変化はほとんどなかった。
【0061】実施例5 反応温度を180℃にした以外は実施例1と同様に実験
を行なった。実験に用いたm−クレゾールはHPLCで
分析し、ピリジン、ピコリン、イソキノリンの総含有量
が10ppm以下のものを用い、508.5g(収率9
1.7%)のポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
対数粘度は0.46dl/gであった。溶融粘度の経時
変化を実施例1と同様に行なったところ、保持時間が延
びても、溶融粘度の変化はほとんどなかった。
【0062】ポリイミド低分子量成分の合成例 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル368.4g(1.0モル)、無水フタル酸59.
24g(0.4モル)、無水ピロメリット酸174.5
g(0.8モル)およびm−クレゾール2,172gを
装入し、撹拌下200℃まで加熱し、6時間200℃に
て保温した。次いで反応溶液にトルエンを装入し、析出
物を濾別し、さらにトルエンにて数回洗浄を行なった
後、窒素雰囲気下250℃で6時間乾燥を行ない、対数
粘度0.21dl/gのポリイミドオリゴマー粉末を得
た。このポリイミドのガラス転移温度は210℃、融点
は385℃(DSCによる)であった。
【0063】比較例1 反応溶媒にピリジン、ピコリン、イソキノリンの総含有
量が15ppmのものを用いた以外は実施例1と同様に
実験を行ない、507g(収率91.4%)のポリイミ
ド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.49d
l/gであった。本比較例で得られたポリイミド粉末を
用い、実施例1と同様に溶融粘度の経時変化を測定し
た。420℃保持時間と溶融粘度の関係を第1図(図
1)に示す。実施例1で得られたポリイミド粉末に比べ
ると、短時間ではほとんど差はないが、保持時間が延び
てくると溶融粘度が増加する傾向があることがわかる。
また、本比較例で得られたポリイミド粉末のGPC測定
を行ない、そのGPC溶出曲線を第3図(図3)に示
す。実施例1で得られたポリイミドに比べると低分子量
成分が少ないことがわかる。
【0064】比較例2 反応温度を170℃にした以外は実施例1と同様に実験
を行なった。m−クレゾールはHPLCで分析し、ピリ
ジン、ピコリン、イソキノリンの総含有量が10ppm
以下のものを用い、505g(収率91.1%)のポリ
イミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.4
5dl/gであった。溶融粘度の経時変化を実施例1と
同様に行なったところ、420℃保持時間と溶融粘度の
関係を第1図(図1)に示す。実施例1に比べると短時
間でも増粘し、対数粘度も低いことから、反応が未完で
あると判断される。
【0065】比較例3 無水フタル酸を用いない以外は実施例1と同様に実験を
行ない、490gのポリイミド粉末を得た。得られたポ
リイミド粉の対数粘度は0.51dl/gであった。実
施例1と同様にして溶融粘度の経時変化を測定した。4
20℃保持時間と溶融粘度の関係を第1図(図1)に示
す。保持時間が延びると粘度が上昇し、実施例1で得ら
れたポリイミドに比較して熱安定性の劣ったものであっ
た。
【0066】参考例 比較例1で合成したポリイミド粉末90部に、ポリイミ
ド低分子量成分の合成例で得られたポリイミド低分子量
10部をドライブレンドした。得られたブレンドパウダ
ーの対数粘度は0.48dl/gであった。実施例1と
同様にして溶融粘度の経時変化を測定した。420℃保
持時間と溶融粘度の関係を第1図(図1)に示す。保持
時間が延びても、溶融粘度の変化はほとんどなく、熱安
定性が良好なことがわかる。また、ブレンドパウダーの
GPC溶出曲線を第4図(図4)に示す。実施例1と同
様、低分子量成分が多いことがわかる。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の方法によれば、低分子量成分が
多いポリイミドをブレンド等の操作をすることなく、1
つの釜で得られる。低分子量成分が多いため熱安定性に
優れ、成形加工性に優れたポリイミドを簡単に提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、および比較例1〜3、参考例1で得
られたポリイミド粉を用い溶融粘度の経時変化を示した
図である。
【図2】実施例1で得られたポリイミド粉のGPC溶出
曲線図である。
【図3】比較例1で得られたポリイミド粉のGPC溶出
曲線図である。
【図4】参考例1で得られたポリイミド粉のGPC溶出
曲線図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (式中、Xは直結、炭素数1〜10の2価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキ
    シドからなる群より選ばれた基を表し、Y1、Y2
    3、Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、塩素または臭素からなる群より選ばれた
    基を示し、同じであっても異なっていてもよい。Rは炭
    素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族
    基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員
    により相互に連結された非縮合環式芳香族基からなる群
    より選ばれた4価の基を表す。)の繰り返し単位で示さ
    れ、ゲル浸透クロマトグラフィーによる平均分子量が、
    数平均分子量Mnが16,000〜18,000の範囲
    且つ重量平均分子量Mwが60,000〜200,00
    0の範囲且つ多分散度Mw/Mnが3.8以上であるポ
    リイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリイミド樹脂の製造方
    法に於いて、ジアミンが下記式(2) 【化2】 (式中、Xは直結、炭素数1〜10の2価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基またはオキ
    シドからなる群より選ばれた基を表し、Y1、Y2
    3、Y4はそれぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、塩素または臭素からなる群より選ばれた
    基を表す。)で表されるジアミン化合物であり、テトラ
    カルボン酸二無水物が下記式(3) 【化3】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
    単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
    または架橋員により相互に連結された非縮合環式芳香族
    基からなる群より選ばれた4価の基を表す。)で表され
    るテトラカルボン酸二無水物であり、さらに反応が下記
    式(4) 【化4】 (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    す。)で表されるジカルボン酸無水物の存在のもとに行
    なわれ、テトラカルボン酸二無水物の量がジアミン1モ
    ル当たり0.9〜1.0モル比であり、かつジアミン1
    モルに対しジカルボン酸無水物の量が0.001〜2.
    0モル比である式(1) 【化5】 (式中、X、Y1〜Y4、Rは前記に同じ)で表される繰
    り返し単位を基本骨格として有するポリイミド樹脂を得
    る際、有機塩基性化合物の含有量が10ppm以下の有
    機溶媒中で、反応温度が180℃〜202℃の範囲で脱
    水環化し、重合することを特徴とするポリイミドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 有機塩基性化合物がピリジン、ピコリ
    ン、イソキノリンである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒がm−クレゾール、p−クレゾ
    ールである請求項2記載の方法。
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CN105694034A (zh) * 2016-01-28 2016-06-22 深圳市弘海电子材料技术有限公司 高尺寸稳定性的挠性无胶覆铜板的聚酰胺酸及其制备方法
KR20160116318A (ko) * 2016-09-27 2016-10-07 연세대학교 원주산학협력단 단량체의 염을 사용한 폴리이미드 성형품 제조방법
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