JPH07126525A - 芳香族ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリアミド樹脂組成物

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JPH07126525A
JPH07126525A JP27551193A JP27551193A JPH07126525A JP H07126525 A JPH07126525 A JP H07126525A JP 27551193 A JP27551193 A JP 27551193A JP 27551193 A JP27551193 A JP 27551193A JP H07126525 A JPH07126525 A JP H07126525A
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JP
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aromatic polyamide
component unit
resin composition
weight
acid component
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JP27551193A
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English (en)
Inventor
Kazuto Sugiyama
山 和 人 杉
Norio Kaneshige
重 則 男 兼
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
(a)テレフタル酸成分単位50〜100モル%と、こ
れ以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜50モル%お
よび/または特定の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜5
0モル%とからなるジカルボン酸成分単位と、脂肪族ジ
アミン成分単位および/または脂環族ジアミン成分単位
からなるジアミン成分単位とからなる繰返し単位から構
成される芳香族ポリアミド、ならびに、(b)ポリフェ
ニレンスルフィドおよび(c)結晶核剤からなり、成分
(a),(b),(c)の重量比が次の関係式を有する。
0.0005≦(c)/(a)≦0.25 0.005
≦(b)/(a)≦0.5。 【効果】 本発明に組成物よれば、耐熱剛性に優れた成
形体を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、機械強度、特に衝撃強度
にすぐれ、かつ、結晶化速度が改善された芳香族ポリア
ミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、エンジニアリングプラ
スチックとしてナイロン6、ナイロン66あるいはナイ
ロン610のような脂肪族ポリアミド(ナイロン)が使
用されている。
【0003】このような脂肪族ポリアミドは、良好な成
形性を有するものの、ガラス転移温度が低く(例えばナ
イロン66のガラス転移温度は通常は60℃前後であ
る)、脂肪族ポリアミドは高温で使用するエンジニアリ
ングプラスチックとしては、必ずしも適しているとは言
えない。
【0004】ポリアミドとしては、上記脂肪族ポリアミ
ドの他に、ジカルボン酸成分が主として芳香族ジカルボ
ン酸である芳香族ポリアミドが知られている。芳香族ポ
リアミドは、耐熱性、耐水性の点でナイロン6,ナイロ
ン66等の脂肪族ポリアミドよりも優れているが、成形
温度が高いため、射出成形などによって成形する際に、
射出成形された溶融体の降温速度(冷却速度)が通常の
ポリアミドと比較して著しく大きく、このため結晶成長
速度が遅くなり得られる成形体の結晶化度が低くなって
しまうという問題点があった。このように成形体の結晶
化度が低くなると、この成形体の耐熱剛性が不足すると
いう問題点が生じてしまう。
【0005】このような問題点を解決するため、上記の
ような耐熱性ポリアミド中に核剤を添加することが考え
られてるが、従来公知の核剤による結晶化速度促進効果
は充分でないため、さらに優れた耐熱性ポリアミド用の
核剤の出現が強く望まれていた。
【0006】本発明者は、上記のような耐熱性ポリアミ
ド用の核剤を探索したところ、核剤としてタルクとポリ
フェニレンスルフィドとを併用することによって優れた
結晶化速度促進効果を発現できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0007】なお、本出願人は芳香族ポリアミドとポリ
フェニレンスルフィドとを含有する樹脂組成物について
既に出願している(特願平3-318073号明細書参照)。こ
の明細書では特定の芳香族ポリアミドとポリフェニレン
スルフィドとを5:95〜95:5の重量比で含有する芳
香族ポリアミドの発明を開示した。また、またこの明細
書には、粒子状の充填材を、芳香族ポリアミドとポリフ
ェニレンスルフィドの合計100重量部に対して200
重量部以下の量で配合することに関する記載がある。
【0008】しかしながら、この明細書では、ポリフェ
ニレンスルフィドと粒子状充填材とを特定量配合して、
芳香族ポリアミドの結晶化度を調整し、もって耐熱剛性
を向上させようとする技術的思想は示されていない。
【0009】
【発明の目的】本発明は、得られる成形体の機械的強
度、特に衝撃強度を保持しつつ、結晶化速度が改善され
た芳香族ポリアミド樹脂組成物を提供することを目的と
している。
【0010】
【発明の概要】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、(a) テレフタル酸成分単位50〜100モル%
と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0
〜50モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪
族ジカルボン酸成分単位0〜50モル%とからなるジカ
ルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成分単位および/
または脂環族ジアミン成分単位からなるジアミン成分単
位とからなる繰返し単位から構成される芳香族ポリアミ
ド、ならびに、(b)ポリフェニレンスルフィドおよび
(c)結晶核剤からなる組成物であり、該組成物におけ
る成分(a)と成分(b)との合計100重量部中に占
める成分(b)の割合が0.5〜5重量部であり、かつ
成分(c)の含有量が、成分(a)と成分(b)との合
計100重量部に対して0.05〜25重量部であるこ
とを特徴としている。
【0011】本発明において、上記芳香族ポリアミドと
しては、30℃濃硫酸中で測定した極限粘度が0.50
〜3.00dl/gの範囲内にあり、かつ融点が280℃以
上である芳香族ポリアミドを使用することが好ましい。
【0012】上記のように特定の芳香族ポリアミドと、
ポリフェニレンスルフィドおよび結晶核剤とを特定の割
合で含有する本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物で
は、ポリフェニレンスルフィドおよび結晶核剤が相乗的
に作用して、芳香族ポリアミド樹脂組成物の結晶化速度
が改善される。
【0013】さらに、この樹脂組成物に繊維状充填材を
配合することにより、耐熱特性および機械的特性が向上
する。
【0014】
【発明の具体的説明】次に、本発明の芳香族ポリアミド
樹脂組成物について具体的に説明する。本発明の芳香族
ポリアミド樹脂組成物は、以下に示すような特定の芳香
族ポリアミドと、ポリフェニレンスルフィドおよび結晶
核剤とからなる。
【0015】本発明の組成物を構成する芳香族ポリアミ
ドは、特定のジカルボン酸成分単位[A]と特定の脂肪
族ジアミン成分単位[B]とからなる繰返し単位から構
成されている。
【0016】このポリアミドを構成する特定のジカルボ
ン酸成分単位[A]は、必須成分単位としてテレフタル
酸成分単位(イ) を有している。このようなテレフタル酸
成分単位(イ) を有する繰返し単位は、次式[I]で表わ
すことができる。
【0017】
【化1】
【0018】ただし、上記式[I]において、R1は、後
述するジアミン成分に対応する二価の炭化水素基を表わ
す。芳香族ポリアミドを構成する繰返し単位は、全部が
上記式[I]で表される成分単位である必要はなく、上
記のようなテレフタル酸成分単位(イ) の代わりに他のジ
カルボン酸成分単位を有するものであってもよい。
【0019】このようなテレフタル酸成分以外の他のカ
ルボン酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(ロ) と脂肪族ジカルボン酸成分単位
(ハ) とがある。
【0020】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(ロ) の例としては、イソフタル酸成分単位、2-メ
チルテレフタル酸成分単位、ナフタレンジカルボン酸成
分単位およびビフェニルジカルボン酸単位を挙げること
ができる。本発明で使用される芳香族ポリアミドがテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位を有する場
合、このような成分単位としては、特にイソフタル酸成
分単位が好ましい。
【0021】このようなテレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(ロ)のうち、本発明において特に好ま
しいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次式
[II]で表わすことができる。
【0022】
【化2】
【0023】ただし、上記式[II]において、R1 は上
記式[I]におけるR1と同じ意味である。さらに、脂肪
族ジカルボン酸成分単位は、通常は炭素原子数4〜2
0、好ましくは6〜12のアルキレン基を有する脂肪族
ジカルボン酸から誘導される。このような脂肪族ジカル
ボン酸成分単位(ハ) を誘導するために用いられる脂肪族
ジカルボン酸の例としては、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸およびセバシン酸を挙げることができる。
【0024】このポリアミドが脂肪族ジカルボン酸成分
単位を有する場合、このような成分単位としては、特に
アジピン酸成分単位が好ましい。ジカルボン酸成分単位
[A]を構成する他のジカルボン酸成分単位として、脂
肪族ジカルボン酸成分単位(ハ) を含む繰返し単位を有す
る繰返し単位は、次式[III]で表わすことができる。
【0025】
【化3】
【0026】ただし、上記式[III]において、R1
上記1におけるR1と同じ意味であり、nは4〜20、
好ましくは6〜12の整数を表わす。本発明の組成物を
構成する芳香族ポリアミドは、ジカルボン酸成分単位
[A]と、ジアミン成分単位[B]とから形成されてい
る。
【0027】このジアミン成分単位[B]には、脂肪族
ジアミン成分単位と脂環族ジアミン成分単位とがある。
脂肪族ジアミン成分単位は、通常は炭素原子数4〜1
8、好ましくは6〜18の脂肪族アルキレンジアミンか
ら誘導される成分単位である。
【0028】このような脂肪族アルキレンジアミンの具
体例としては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキ
サン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミ
ノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナ
ン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカンお
よび1,12-ジアミノドデカンを挙げることができる。
【0029】特に本発明においてジアミン成分単位とし
ては、直鎖脂肪族アルキレンジアミンから誘導された成
分単位が好ましく、このような直鎖脂肪族アルキレンジ
アミンとしては、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカ
ン、および、これらの混合物が好ましい。さらに、これ
らの中でも、1,6-ジアミノヘキサンが特に好ましい。
【0030】また、脂環族ジアミン成分単位は、通常は
炭素原子数3〜18、好ましくは6〜18の脂環族ジア
ミンから誘導される成分単位である。このような脂環族
ジアミンの具体的な例としては、シクロヘキシレンジア
ミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-
アミノシクロヘキシル)メタン、4,4'- ジアミノ-3,3'-
ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノシ
クロヘキシル)メタンおよび1,3-ビス(アミノメチル)
シクロヘキサンを挙げることができる。
【0031】このようなジアミン成分は単独で使用する
こともできるし、組み合わせて使用することもできる。
本発明で使用される芳香族ポリアミドの全ジカルボン酸
成分(100モル%)中におけるテレフタル酸成分単位
(イ)の含有率は60〜100モル%であり、テレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(ロ)の含有率は0
〜40モル%であり、そして、脂肪族ジカルボン酸成分
単位(ハ)の含有率は0〜40モル%である。
【0032】なお、上記芳香族ポリアミドには、芳香族
ジカルボン酸成分単位として、上記の主成分単位である
テレフタル酸成分単位、さらにイソフタル酸成分単位に
代表されるテレフタル酸以外の二価の芳香族カルボン酸
から誘導される成分単位および上述のジカルボン酸成分
単位を有する繰返し単位の外に、少量のトリメリット酸
あるいはピロメリット酸のような三塩基性以上の多価カ
ルボン酸成分単位を有する繰返し単位を含有していても
よい。本発明で使用される芳香族ポリアミド中における
このような多価カルボン酸から誘導される成分単位を含
む繰返し単位の含有率は、通常は0〜5モル%である。
【0033】上記のような芳香族ポリアミドについて、
濃硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]は、通
常は0.5〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜2.8dl/g、
特に好ましくは0.6〜2.5dl/gの範囲にある。このよ
うな極限粘度を有する芳香族ポリアミドを使用すること
により、成形性および耐熱特性の両者が共に優れた組成
物を得ることができる。
【0034】さらに本発明で使用される芳香族ポリアミ
ドは、前記式[I]で表わされる繰返し単位を主な繰返
し単位とする芳香族ポリアミドと、前記式[II]およ
び、または前記式[III]で表わされる繰返し単位を主
な繰返し単位とする芳香族ポリアミドとからなる混合物
であってもよい。この場合、式[I]で表わされる繰返
し単位を主な繰返し単位とする芳香族ポリアミドの含有
率は、通常は50重量%以上、好ましくは60重量%以
上である。
【0035】本発明の組成物を構成する上記芳香族ポリ
アミドは、従来から使用されている脂肪族ポリアミドよ
りも高い融点を示す。すなわち本発明で使用される芳香
族ポリアミドの融点は通常は280℃以上、好ましくは
290〜340℃である。さらに、本発明で使用される
芳香族ポリアミドの非晶部におけるガラス転移温度は通
常は110℃以上である。融点および非晶部のガラス転
移温度が上記の範囲内にある芳香族ポリアミドを使用す
ることにより、本発明の組成物から形成された成形体を
相当苛酷な温度条件(例えば200℃前後の温度)で使
用しても、この成形体の特性の変化が少なく、この成形
体を長期間にわたり使用することが可能になる。さらに
上記のような芳香族ポリアミドを含有する本発明の組成
物は、成形性に優れているため、この組成物を用いるこ
とにより、成形体の製造が容易になる。また、この芳香
族ポリアミドは、非晶部におけるガラス転移温度が11
0℃以上であるので、本発明の組成物から形成される成
形体を高温に晒した場合であってもクラック等が発生し
にくい。
【0036】この芳香族ポリアミドは、従来の脂肪族ポ
リアミドと比較すると吸水性が低い値を示す。本発明の
芳香族ポリアミド樹脂組成物は、上記芳香族ポリアミド
(a)と、この芳香族ポリアミド(a)の結晶化速度を向上さ
せるために配合されるポリフェニレンスルフィド(b)お
よび結晶核剤(c)とからなる。
【0037】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物で、
上記芳香族ポリアミド(a)の結晶化速度を上げるために
配合するポリフェニレンスルフィドは、次式[IV]で表
される繰返し単位を通常は70モル%以上、好ましくは
90モル%以上の量で有する重合体である。
【0038】
【化4】
【0039】ここで使用されるポリフェニレンスルフィ
ドとしては、上記式[IV]で表される繰返し単位を単独
で有する重合体の他に、上記式[IV]で表される繰返し
単位と、以下に示す式[V]〜式[X]で表される繰返し
単位とを有する共重合体であってもよい。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】上記式[IV]〜[IX]で表される繰返し単
位は芳香族環にアルキル基、ニロト基、フェニル基ある
いはアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。さ
らに、次式[X]で示すような三官能のフェニルスルフ
ィド繰返し単位を10モル%以下の量で含んでいてもよ
い。
【0046】
【化10】
【0047】このポリフェニレンスルフィドとしては、
温度300℃で測定した粘度が100〜10000pois
e の範囲内にあるポリフェニレンスルフィドを使用する
ことが好ましく、さらにこの粘度が300〜3000po
ise の範囲内にあるポリフェニレンスルフィドを使用す
ることが特に好ましい。この粘度は、例えばフローテス
ター等をを使用して、通常は20Kg程度の荷重をかけな
がら測定される。
【0048】このようなポリフェニレンスルフィドは、
公知の方法を利用して調製することができる。例えば、
p-ジクロルベンゼンをイオウと炭酸ナトリウムとの存在
下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムある
いは水硫化ナトリウムと、水酸化ナトリウムの存在下
で、または硫化水素と水酸化ナトリウムの存在下で、p-
ジクロルベンゼンを重合させる方法、p-クロルチオフェ
ノールの自己重合法などを挙げることができる。このよ
うな重合法のうちでも、N-メチルピロリドンあるいはジ
メチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、またはスルホ
ラン等のスルホン系溶媒中で、硫化ナトリウムとp-ジク
ロルベンゼンとを反応させる方法が好ましい。なお、こ
のような重合反応に際して、得られるポリフェニレンス
ルフィドの重合度を調整するためにカルボン酸あるいは
スルホン酸の金属塩を添加することもできる。
【0049】このようなポリフェニレンスルフィドの調
製法に関しては、米国特許第2,513,188 号明細書、同3,
274,165号明細書、英国特許第1,160,660号明細書、ベル
ギー特許代29,437号、特公昭44-27671号公報、同45-336
8号公報、同46-27255 号公報、特開昭50-84698号公報、
同51-144495 号公報などを参照することができる。
【0050】上記芳香族ポリアミド(a)の結晶化度を上
げるために配合される結晶核剤(c)としては、たとえ
ば、タルク、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、二酸
化チタン、ケイソウ土、クレー、カオリン、ガラス、マ
イカ、セッコウ、ベンガラ、酸化亜鉛などの無機化合
物、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフ
ェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフ
タルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ジ
アミノジフェニルエーテルとテレフタル酸(イソフタル
酸)との縮合物、パラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物
などの全芳香族ポリアミド、ジアミノジフェニルエーテ
ルと無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸との
縮合物などの全芳香族ポリアミドイミド、全芳香族ポリ
エステル、全芳香族ポリイミド、ポリベンツイミダゾー
ル、ポリイミダゾフェナントロリンなどの複素環含有化
合物などの有機高分子を挙げることができる。
【0051】これらの中では特にタルクが好ましい。ま
た、これらの結晶核剤(c)は、2種以上混合して使用す
ることもできる。また、これらの結晶核剤をシランカッ
プリング剤あるいはチタンカップリング剤などで処理し
て使用することもできる。なお、このような粉末状の結
晶核剤の平均粒径は、通常0.1〜200μm、好まし
くは1〜100μmの範囲内にある。
【0052】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物にお
いては、芳香族ポリアミド(a)とポリフェニレンスルフ
ィド(b)との合計量100重量部中に占めるポリフェニ
レンスルフィド(b)の割合が0.5〜5重量部、好ましく
は0.7〜3重量部、特に好ましくは1.0〜2.0重量
部の範囲内にあり、かつ結晶核剤(c)の含有量が、芳香
族ポリアミド(a)およびポリフェニレンスルフィド(b)の
合計量100重量部に対して0.05〜25重量部、好
ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.3〜5
重量部の範囲内にある。
【0053】成分(b)の含有量が、上記範囲に満たな
いと得られる組成物の粘度が高くなるために、組成物か
ら形成された成形体の結晶成長速度が低くなるために、
結晶化度が充分には向上せず、従って得られる成形体の
耐熱剛性が改善されない。成分(b)の含有量が、上記
範囲を超えると、芳香族ポリアミド(a)の特性がポリフ
ェニレンスルフィド(b)によって滅殺されて、得られる
成形体の機械的強度が低下する。
【0054】また、成分(c)の含有量が、上記範囲に
満たないと、結晶核剤(c)が核剤として有効に作用しな
いため、組成物の結晶化速度が充分に高くならず本発明
の目的を達成することはできない。また、成分(c)の
含有量が、上記範囲を超えると、得られる組成物の溶融
粘度が高くなるため組成物の結晶化が充分に進行しな
い。
【0055】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
上記のような芳香族ポリアミド(a)と、ポリフェニレン
スルフィド(b)および結晶核剤(c)とを含有する。これら
3成分からなる組成物は、融点が高く、且つ、結晶成長
速度が速いので、該組成物から得られる成形体は、耐熱
性に優れ、かつ、結晶化度が高い。
【0056】上記のような芳香族ポリアミドと、ポリフ
ェニレンスルフィドおよび結晶核剤とを含有する組成物
が、融点が高く、かつ、結晶成長速度が速い理由につい
ては必ずしも明かではないが、芳香族ポリアミドよりも
溶融粘度の低いポリフェニレンスルフィドを組成物の1
成分として用いることによってこの組成物の溶融粘度が
芳香族ポリアミドよりも低くなること、および、結晶核
剤の存在によって結晶化に際して多量の結晶核が生成す
ることが考えられる。
【0057】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
この組成物中に含有される芳香族ポリアミド(a)の結晶
化温度よりも15℃程度高い結晶化温度を示す。このよ
うに結晶化温度が高いことは、この組成物の結晶成長速
度が高いことを示している。
【0058】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
上記のように特定の芳香族ポリアミド(a)と、ポリフェ
ニレンスルフィド(b)および結晶核剤(c)とからなるが、
さらに本発明の組成物には、特性を損なわない範囲内
で、無機充填材、有機充填材、熱安定剤、耐候性安定
剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、天然油、合成油および
ワックス等の添加剤が配合されていてもよい。
【0059】特に本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
には、繊維状充填材を配合することが好ましい。ここで
使用される繊維状充填材には、有機繊維および無機繊維
があり、本発明においてはいずれをも使用することがで
きるが、特に無機繊維からなる繊維状充填材を使用する
ことが好ましい。さらにこのような無機繊維の好適な例
としては、ガラス繊維およびホウ素繊維を挙げることが
できる。このような繊維状の充填材としては特にガラス
繊維が好ましい。ガラス繊維を使用することにより、芳
香族ポリアミド樹脂組成物から形成される成形体の引張
り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱
変形温度などの耐熱特性が向上する。繊維状充填材とし
てガラス繊維を使用する場合には、使用されるガラス繊
維の平均長さが、通常は、0.1〜20mm、好ましくは
0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比が、通常は1
0〜2000、好ましくは30〜600の範囲にあるも
のが好適に使用される。このようなガラス繊維を配合す
ることにより、本発明の組成物の成形性が向上すると共
に、熱変形温度などの耐熱特性、引張り強度、曲げ強度
等の機械的特性が特に良好な成形体を得ることができ
る。
【0060】本発明の組成物に繊維状充填材を配合する
場合に、繊維状充填材の配合量は、組成物中の芳香族ポ
リアミドとポリフェニレンスルフィドと結晶核剤の合計
重量100重量部に対して、通常0.5〜200重量部
の範囲内、好ましくは5〜180重量部の範囲内、さら
に好ましくは5〜150重量部の範囲内に設定される。
【0061】また、本発明の樹脂組成物には、本発明の
組成物の特性を損なわない範囲内で、耐熱性樹脂を配合
することもできる。このような耐熱性熱可塑性樹脂の例
としては、PPE(ポリフェニルエーテル)、PES
(ポリエーテルスルフォン)、PEI(ポリエーテルイ
ミド)およびLCP(液晶ポリマー)などを挙げること
ができ、さらにこれらの樹脂の変性物を挙げることがで
きる。このような耐熱性熱可塑性樹脂の含有率は、通常
は50重量%未満、好ましくは0〜40重量%である。
【0062】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物は、
上記芳香族ポリアミド(a)と、ポリフェニレンスルフィ
ド(b)および結晶核剤(c)と、さらに必要により添加剤お
よび他の樹脂とを混合して溶融することにより調製する
ことができる。
【0063】本発明の樹脂組成物を製造する際の混練方
法には特に制限はなく、たとえば、前記芳香族ポリアミ
ド、ポリフェニレンスルフィド、結晶核剤および必要に
応じて充填材を一括して溶融混練する方法、あるいは、
予め結晶核剤及び必要に応じて充填材をポリフェニレン
スルフィドと混合し、溶融混練したものを前記芳香族ポ
リアミドと溶融混練する方法が挙げられる。
【0064】後者の場合、予め結晶核剤及び充填材とポ
リフェニレンスルフィドとの溶融混練物としては、市販
の射出成形用グレード、たとえば、旭硝子製「ライトン
R-10」(ガラス繊維・無機フィラー強化物)などを用い
ることができる。
【0065】この際、押出し機、ニーダーなどのような
通常の混練装置を用いることができる。上記のようにし
て調製した芳香族ポリアミド樹脂組成物を用いて、通常
の溶融成形法、例えば圧縮成形法、射出成形法または押
し出し成形法などを利用することにより、所望の形状の
成形体を製造することができる。
【0066】例えば、本発明の樹脂組成物を、シリンダ
温度が300〜350℃程度に調整された射出成形機に
投入して溶融状態にして、所定の形状の金型内に導入す
ることにより成形体を製造することができる。
【0067】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物を用
いて製造される成形体の形状に特に制限はなく、例えば
ギヤ、カムなどのような機械部品、プリント配線基板、
電子部品のハウジングなどのような電子部品などを形成
するための樹脂として使用することができる。
【0068】特に本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、長時間高温(例えば200℃以上の高温)に晒され
る成形体を調製するのに適している。すなわち、本発明
の樹脂組成物は、脂肪族ポリアミドを含有する樹脂組成
物では達成することができなかった高温条件下で使用さ
れる成形体の製造に適している。このような用途として
は、例えば赤外線リフロー方式によりハンダ付けされる
電子部品のハウジング、高温下で使用される自動車用部
品、例えばシリンダーブロック、シリンダーヘッドカバ
ー、オイルパン、キャブレター、エアインテークパイ
プ、ベアリングリテーナーを挙げることができ、また水
が存在する環境下で使用される自動車部品、例えばウォ
ーターポンプインペラー、温熱コネクター、ラジエター
タンクなどに特に適している。
【0069】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
は、上述のように芳香族ポリアミドと、ポリフェニレン
スルフィドおよび結晶核剤とを含有している樹脂組成物
であり、このような樹脂組成物を用いることにより、従
来脂肪族ポリアミドを用いた組成物では達成し得なかっ
た優れた耐熱性と結晶化速度を示す成形体を調製するこ
とができる。殊に本発明の樹脂組成物から調製された成
形体は、200℃以上といった非常に高温に長時間晒さ
れた場合であっても、曲げ強度、曲げ弾性率などの特性
の低下が少なく、優れた耐熱老化性を示す。
【0070】さらに、本発明の芳香族ポリアミド樹脂組
成物の熱分解温度(HDT)は脂肪族ポリアミドを主体
とする樹脂組成物よりも格段に高い値を示す。このよう
な本発明の樹脂組成物が有している優れた特性を利用す
ることにより、本発明の芳香族ポリアミド樹脂組成物
を、従来脂肪族ポリアミドを主体とする樹脂組成物では
使用することができなかった非常に高温で使用される成
形体を調製するための樹脂組成物として有効に使用する
ことができる。
【0071】さらに、本発明の芳香族ポリアミド樹脂組
成物は、上記のような優れた特性を有しているにも拘ら
ず、成形性に関しては従来の脂肪族ポリアミド樹脂を主
体とする樹脂組成物とほぼ同等の特性を有しており、脂
肪族ポリアミド樹脂に採用されている成形技術に準じて
容易に成形体を調製することができる。
【0072】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。
【0073】
【実施例1〜3,比較例1〜16】テレフタル酸、イソ
フタル酸およびヘキサメチレンジアミンから芳香族ポリ
アミド(A-1) を調製した。この芳香族ポリアミド(A-1)
中におけるテレフタル酸から誘導される成分単位とイソ
フタル酸から誘導される繰返し単位のモル比は、70:
30であった。またこの芳香族ポリアミドの融点は32
4℃であり、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘度
[η]は1.00dl/gであった。
【0074】この芳香族ポリアミド(A-1) と、以下に示
すポリフェニレンスルファイド樹脂((株)トープレン製
T−4)およびタルク(平均粒子径:5μm)とを表1
に示す重量比にて、二軸押出機を用いてシリンダー温度
320℃で混練してペレタイズした。
【0075】ポリフェニレンスルファイド樹脂((株)ト
ープレン製T−4) このポリフェニレンスルファイド樹脂は、下記の繰返し
単位を主な繰り返し単位とする数平均分子量が8000
のポリフェニレンスルフィドであり、300℃で測定し
た粘度は2000poiseである。
【0076】
【化11】
【0077】こうして得られた芳香族ポリアミド樹脂組
成物について、DSC法にて結晶化温度を測定した(降
温速度=10℃/min)。ここで結晶化温度は、高いものほ
ど結晶化速度が速いことを表している。
【0078】また、この芳香族ポリアミド樹脂組成物に
ついて、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度(ノ
ッチ無し)を測定した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) テレフタル酸成分単位50〜10
    0モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
    分単位0〜50モル%および/または炭素原子数4〜2
    0の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜50モル%とから
    なるジカルボン酸成分単位と、 脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
    成分単位からなるジアミン成分単位とからなる繰返し単
    位から構成される芳香族ポリアミド、 ならびに、 (b)ポリフェニレンスルフィドおよび(c)結晶核剤
    からなる組成物であり、 該組成物における成分(a)と成分(b)との合計10
    0重量部中に占める成分(b)の割合が0.5〜5重量
    部であり、かつ成分(c)の含有量が、成分(a)と成
    分(b)との合計100重量部に対して0.05〜25
    重量部であることを特徴とする芳香族ポリアミド樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記芳香族ポリアミドの30℃濃硫酸中
    で測定した極限粘度が0.50〜3.00dl/gの範囲内に
    あり、かつ融点が280℃以上であることを特徴とする
    請求項第1項記載の芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記芳香族ポリアミド樹脂組成物が、芳
    香族ポリアミドとポリフェニレンスルフィドとの合計量
    100重量部に対して、0.5〜200重量部の繊維状
    充填材を含有することを特徴とする請求項第1項もしく
    は第2項記載の芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記結晶核剤がタルクであることを特徴
    とする請求項第1項記載の芳香族ポリアミド樹脂組成
    物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100604739B1 (ko) * 2002-11-26 2006-07-26 주식회사 효성 고수축성 폴리아미드 3원 공중합체 및 이를 이용한고수축성 폴리아미드 섬유
JP2011047955A (ja) * 2010-11-24 2011-03-10 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリアミド樹脂組成物および燃料タンク部品
JP2019524471A (ja) * 2017-07-10 2019-09-05 東莞市森特塑膠製品有限公司 プラスチックフィルム
JP2019532113A (ja) * 2017-07-10 2019-11-07 東莞市森特塑膠製品有限公司 プラスチックフィルム層及びこのプラスチックフィルム層を用いたプラスチックフィルム

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