JPH07128324A - 工業用水中の添加物の経時的濃度検知方法 - Google Patents

工業用水中の添加物の経時的濃度検知方法

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JPH07128324A
JPH07128324A JP6219146A JP21914694A JPH07128324A JP H07128324 A JPH07128324 A JP H07128324A JP 6219146 A JP6219146 A JP 6219146A JP 21914694 A JP21914694 A JP 21914694A JP H07128324 A JPH07128324 A JP H07128324A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 工業用水中に含まれる添加物の濃度変化を経
時的に追跡するに際し、該添加物とともにトレーサーと
して蛍光性物質を添加し、その濃度を測定することによ
り添加物の経時的濃度を検知する。蛍光性物質としては
2‐アミノピリジンが好ましい。 【効果】 水中の添加薬剤の濃度を任意の場所及び時間
などにおいて迅速かつ正確にチェックすることが可能と
なり、該添加物の濃度を効率よく管理しうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工業用水中に含まれる添
加物の時々刻々変化する濃度を経時的に追跡して検知す
るための改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工業用水は多くの産業分野におい
て重要な役割を果たしているが、多くの場合この工業用
水には、使用目的に応じてその水質を改善したり、反応
のための原料用として種々の添加物が含まれている。例
えば、工業用水の中で最も多く使用されている冷却水に
は、防食剤、スケール防止剤、スライムコントロール剤
などの各種添加物が添加されているし、使用済の工業廃
水中には、未使用の原料などが残存している。そして、
工業用水中の添加物の効果を有効に発揮させたり、使用
済廃水を再循環させて、再利用する際に残存原料を有効
利用するには、それらの添加物の濃度を経時的に追跡す
ることが重要な問題となる。
【0003】ところが、添加物の種類によっては、水中
濃度の測定が不可能なものもあり、あるいは測定できた
としても、その操作が煩雑であったり、操作に長時間を
要するため、プラントの運転管理上実用にそぐわない場
合がある。
【0004】このため、系内の保有水量及び外部への放
出量からコンピューターシュミレーションにより、添加
物の濃度推移を予想することが行われているが、流水系
の末端部まで添加物が到達するまでには、種々の要因が
からむ上に、予想外の流出経路が存在し、添加物の濃度
が維持されない場合が多く、実際にはいろいろな問題を
生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、工業用水中の添加物の濃度を、任意の場
所及び時間などにおいて迅速かつ正確にチェックし、該
添加物の効率のよい利用をはかる方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、蛍光性物質は
微量でも、蛍光分光光度計や蛍光検出機付きHPLCな
どを用いる蛍光検出法により、極めて高感度に検出で
き、したがって、添加物にトレーサーとして該蛍光性物
質を随伴させることにより、任意の添加剤の濃度を経時
的に追跡しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0007】本発明方法においては、トレーサーとして
蛍光性物質を用いることが必要である。この蛍光性物質
については、(1)低毒性物質であること、(2)工業
用水中に存在していないか、あるいはその存在量が無視
できるほど微量であること、(3)金属材料に対して腐
食性がないこと、(4)最終製品に影響を及ぼさないこ
と、(5)化学的に安定であること、(6)溶存物質に
妨害されずに容易に定量可能であること、などの条件を
満たすものであればよく、特に制限はない。このような
蛍光性物質としては、例えば2‐アミノピリジン、4‐
ジメチルアミノピリジン、3‐アミノピリジン、2‐ジ
メチルアミノピリジン、2‐ナフトール、(−)‐キニ
ーネ硫酸塩・二水和物、N‐アミノフタルイミドなどが
挙げられ、特に2‐アミノピリジンが好適である。この
2‐アミノピリジンは、医薬品の中間原料、例えば抗ヒ
スタミン剤の原料として用いられる低毒性の化合物であ
る。工業用水中に添加されたこれらの蛍光性物質は、蛍
光検出法により、極めて高感度に検出することができ
る。具体的な検出方法としては、例えば蛍光分光光度計
や蛍光検出機付きHPLCなどを用いる方法を挙げるこ
とができる。
【0008】本発明方法においては、トレーサーである
蛍光性物質は、系内に添加する添加物に適当量混合し
て、該添加物と一緒に添加してもよいし、あるいは該添
加物とは別々に添加してもよい。蛍光性物質の添加量に
ついては、該蛍光性物質の種類に応じて適宜選ばれる。
例えば、蛍光性物質として2‐アミノピリジンを用いる
場合、表1に示す検量線データー及び図1に示す検量線
から、0.002441406ppmから1.25pp
mの範囲で極めて良好な直線性を示すことから、この範
囲の濃度になるように添加すればよい。なお、前記検量
線は、某製紙会社より採取した製紙白水中に2‐アミノ
ピリジンを添加し、蛍光検出機を装備したHPLCによ
り、 カラム:ODS4.6mm×30cm 溶媒:50%メタノール0.1%酢酸 流速:0.8ミリリットル/分 検出:蛍光検出機Ex310nm Em370nm サンプル:遠心ろ過白水をそのまま使用 注入量:5マイクロリットル の条件で定量し、求めた。
【0009】
【表1】
【0010】また、表1に示す検量線データーから、2
‐アミノピリジンの検出限界は、2.4ppb以下と推
定される。また、蛍光性物質として4‐ジメチルアミノ
ピリジンを用いる場合は、図2に示すような検量線の1
例が得られるので、このものも添加薬剤の濃度検知用ト
レーサーとして好適に使用しうる。
【0011】本発明方法によれば、測定不可能な添加物
や測定困難な添加物の水中における濃度の検知が可能で
あり、これを経時的に追跡することにより、必要な濃度
管理を行うことができる。また、従来用いられてきた濃
度測定不可能な添加物とともに該蛍光性物質を添加する
ことにより、該添加物の水中における挙動を容易に把握
することができる。例えばリン酸塩系防食剤は沈殿皮膜
型の防食剤であり、処理法を誤ると熱交換器にリン酸カ
ルシウムのスケールが付着し、熱交換率を低下させるば
かりでなく、さらに著しくなると、熱交換器を閉塞させ
ることがある。このようなトラブルは防食剤として添加
したリン酸塩がリン酸カルシウムとして析出している状
態を知らずに、水中の防食剤濃度を維持するため、防食
剤の補給を続けることによって起こる。この場合、該蛍
光性物質を防食剤とともに添加し、両者の濃度を測定し
て比較すれば、スケール析出の傾向があるかどうかを容
易に把握することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明方法によると、トレーサーとして
蛍光性物質を用いることにより、水中の添加薬剤の濃度
を任意の場所及び時間などにおいて迅速かつ正確にチェ
ックすることが可能となり、該添加物の濃度を効率よく
管理することができる。
【0013】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0014】実施例1 製紙会社白水中における2‐アミノピリジンの安定性試
験 抄紙マシンに添加するスライムコントロール剤、防腐剤
の濃度管理を目的として抄紙白水中における2‐アミノ
ピリジンの安定性を確認した。実機で薬剤添加当日に分
析用サンプルを採取し、冷蔵条件下で分析施設まで輸送
することを想定した。したがって、この条件を再現する
ために、抄紙白水に2‐アミノピリジンを0.85pp
m濃度になるように添加し、40℃恒温器内に8時間放
置した。その後、サンプルを冷蔵庫に保管し、経時的に
2‐アミノピリジンの濃度を定量した。結果を図3にグ
ラフで示す。
【0015】図3から分かるように、2‐アミノピリジ
ンは処理後7日目まで極めて安定しており、したがって
2‐アミノピリジンは抄紙白水に添加し、薬剤濃度を管
理するのに有効であることが確認された。
【0016】実施例2 2‐アミノピリジンの紙に対する影響試験 A社の抄紙原料2種に、2‐アミノピリジンを実用検出
濃度に比べ大過剰に添加し、TAPPI式抄紙試験機を
用いて実際に紙を抄造した。抄造後の廃液中に含まれる
2‐アミノピリジンの濃度を定量し、その結果を表2及
び表3に示した。
【0017】また、抄造物に関しては電光デジタルハン
ター白度計を用いて薬剤添加による色相の変位を測定し
た。その結果を表4に示す。なお、表中の2‐APは2
‐アミノピリジンの略称である。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】以上の結果から、2‐アミノピリジンは、
原料にそれぞれ5、10、20ppm添加した場合、良
好に回収できることが分かる。したがって、抄紙原料に
対する特異的な吸着の可能性は考えられない。また、色
相に関しても相異は認められず、抄造物への影響はない
ものと判断された。
【0022】実施例3 簡易実機試験 抄紙マシンを想定し、簡易実機試験を実施した。概略を
図4に示す。水道水を貯めた取水槽1からポンプ2を用
いて、水道水を予め2‐アミノピリジンを添加した撹拌
機4を備えている容量20リットルのバケツ3に導く。
バケツ内の水はオーバーフローし、内部の2‐アミノピ
リジン濃度は順次低下する。この2‐アミノピリジン濃
度の低下を経時的に定量し、ポンプの流量、すなわちオ
ーバーフローにより外部に流出する水量を算出した。な
お、2‐アミノピリジン濃度は、バケツ内から採取した
水道水をろ過後、その5マイクロリットルをHPLCに
注入して求めた。
【0023】(1)ポンプ流量の測定及び2‐アミノピ
リジンの定量結果 ポンプの流量の実測値を表5に示す。11回測定の平均
値は1.5552リットル/分である。また、添加した
2‐アミノピリジンの経時による濃度変化を表6及び図
5に示す。図5から分かるように、多項式に対する相関
を算出した場合の係数が0.999と極めて高いレベル
の定量結果が得られた。したがって、流水中の薬剤濃度
管理に十分使用可能な方法であると考えられる。
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】(2)ポンプ流量の算出 表6から、2‐アミノピリジンは最初の2分間で1.3
328ppmから1.1430ppmにまで減少してい
る。したがって2分間に12.695%の減少が生じ、
バケツの容量は20リットルであるため3.1459リ
ットルが流出していることになる。したがって1分間の
平均流量は1.5730リットルと算出される。この値
は、ポンプ流量の実測値1.5552リットル/分とよ
く一致している。
【0027】実施例4 A社抄紙マシンについて、スライムコントロール剤に本
トレーサーを随伴させた以外は、A社において常用され
ている、スライムコントロール剤の一時添加(短時間添
加)処理下での操業を行い、本トレーサーの効果を検証
した。すなわち、10%水溶液の2‐アミノピリジンを
定量ポンプを用いて種箱から150ml/分の流量でス
ライムコントロール剤と共に30分間系内に添加し、そ
の直後から抄紙白水をサンプリングし含有される2‐ア
ミノピリジン濃度を測定した。この2‐アミノピリジン
濃度の測定結果を表7に示す。さらにこれから、スライ
ムコントロール剤の経時的濃度推移が、10%水溶液の
2‐アミノピリジンと100%濃度のスライムコントロ
ール剤の濃度比及び比重差から表7のとおり算出され
る。
【0028】
【表7】
【0029】実施例5 2‐アミノピリジン水溶液の流量及び該水溶液とスライ
ムコントロール剤の添加時間をそれぞれ47ml/分及
び480分に代えた以外は実施例4と同様にして、長時
間にわたる本トレーサーの半連続添加効果を検証した。
この2‐アミノピリジン濃度の測定結果を表8に示す。
さらにこれから、スライムコントロール剤の経時的濃度
推移が、10%水溶液の2‐アミノピリジンと100%
濃度のスライムコントロール剤の濃度比及び比重差から
表8のとおり算出される。
【0030】
【表8】
【0031】実施例6 2‐アミノピリジン水溶液の高感度の検出能力を用い
て、抄紙工場排水中にどの程度のスライムコントロール
剤が蓄積するか、また添加方法により変化するものか確
認した。A社抄紙マシンにおいて、10%水溶液の2‐
アミノピリジンを定量ポンプを用いて種箱から150m
l/分の流量でスライムコントロール剤と共に30分間
系内に添加する実施例4と同じ一時添加を行い、その直
後から排水系の末端に位置する微生物処理槽(活性汚泥
槽)における2‐アミノピリジン濃度を経時的に測定し
た。また、A社抄紙マシンにおいて実施例5と同じ半連
続添加を行い、上記と同様に2‐アミノピリジン濃度を
経時的に測定した。これらの測定結果を、それから算出
されたスライムコントロール剤の濃度推移とともに表9
に示す。
【表9】
【0032】これより、この工場では、薬剤添加方法を
半連続添加とした場合は、スライムコントロール剤添加
に起因すると思われる活性汚泥のバルキング現象が発生
するが、排出スライムコントロール剤の少ない一時添加
に切り替えることによりこの現象を消失させることがで
きることが分る。また、従来は、このような低濃度のス
ライムコントロール剤しか排出させない一時添加方法で
は、このような正確な濃度測定は全く不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2‐アミノピリジンの検量線の1例を示すグ
ラフ。
【図2】 4‐ジメチルアミノピリジンの検量線の1例
を示すグラフ。
【図3】 2‐アミノピリジンの安定性の1例を示すグ
ラフ。
【図4】 実施例3における簡易実機試験の概略図。
【図5】 実施例3における2‐アミノピリジン濃度の
経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 取水槽 2 ポンプ 3 バケツ 4 撹拌機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業用水中に含まれる添加物の濃度変化
    を経時的に追跡するに際し、該添加物とともにトレーサ
    ーとして蛍光性物質を添加し、その濃度を測定すること
    により添加物の濃度を検知することを特徴とする添加物
    の経時的濃度検知方法。
  2. 【請求項2】 蛍光性物質が2‐アミノピリジンである
    請求項1記載の方法。
JP6219146A 1993-09-13 1994-09-13 抄紙用水中のスライムコントロール剤の経時的濃度検知方法 Expired - Lifetime JP2982999B2 (ja)

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