JPH07129953A - 磁気記録ディスク及びその磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録ディスク及びその磁気記録方法

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JPH07129953A
JPH07129953A JP27868093A JP27868093A JPH07129953A JP H07129953 A JPH07129953 A JP H07129953A JP 27868093 A JP27868093 A JP 27868093A JP 27868093 A JP27868093 A JP 27868093A JP H07129953 A JPH07129953 A JP H07129953A
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magnetic
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disk
perpendicular magnetic
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JP27868093A
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Makoto Noda
誠 野田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】磁性層エッチング型垂直磁気記録ディスクにお
いて、直流磁化再生信号出力の向上を図り、かつ、該磁
気記録ディスクの凹凸信号部分に高速に直流磁化記録を
行なう。 【構成】非磁性基板上に、少なくとも垂直磁気記録層と
軟磁性裏打ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体に
おいて、データトラックもしくはサーボ信号部分の少な
くとも一部が磁気的に凹凸分離形成され、かつその凹部
において垂直磁気記録層部分のみが除去されてなる事を
特徴とする磁気記録ディスクである。及び、1枚、ある
いは複数枚の該磁気記録ディスク鉛直方向に、一括して
直流磁界を印加する事を特徴する磁気記録方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性基板上に、少な
くとも基板鉛直方向に磁気異方性を有するCoCr等の
垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁性裏打ち層とを
有してなる所謂垂直磁気記録媒体の、データトラックも
しくはサーボ信号部分の少なくとも一部がリソグラフィ
ー法等によって磁気的に凹凸分離形成されてなる磁性層
エッチング型垂直磁気記録ディスクに係り、高い直流磁
化再生信号を得る事の可能な高密度記録用磁気記録ディ
スク、及び該磁気記録ディスクに高速に直流磁化記録を
行なう事の可能な磁気記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューター用の外部記憶装置等に用
いられるハードディスク等の磁気記録ディスクにおいて
は、近年その記憶情報量の増大に伴い、単位面積当りに
記録される信号量のさらなる高密度化が要求される様に
なってきた。この様な面記録密度の向上を図るには、線
記録密度及びトラック記録密度の両方、あるいはどちら
か一方を向上させる必要がある。
【0003】これら線記録密度及びトラック記録密度の
向上のためには、磁気ヘッドの単位トラック幅及び単位
媒体残留磁化・膜厚積当り再生出力の向上はもちろんで
あるが、線記録密度の向上に際しては、再生波形幅及び
媒体ノイズの低減が、トラック密度の向上に際しては、
記録あるいは再生時フリンジングノイズの低減とトラッ
キング精度の向上が、各々主たる課題であると考えられ
る。
【0004】線記録密度を飛躍的に向上させるための有
効な手法の一つとして、近年、記録媒体に、非磁性基板
上に、少なくとも基板鉛直方向に磁気異方性を有するC
oCr等の垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁性裏
打ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体を用い、記
録再生ヘッドに単磁極ヘッドを用いる事を特徴とする、
所謂垂直磁気記録方式が提案されている。
【0005】一方、トラック密度を向上させるための記
録媒体側における有効な手法としては、記録トラックが
磁気的に分離された、所謂ディスクリートトラック型の
媒体を用いる事により、記録あるいは再生時フリンジン
グノイズの発生を回避する方法が知られている。この方
法によれば、サーボ信号部分を同時に分離形成させ、こ
の部分を直流磁化させる事により、高価なサーボライタ
ーを用いる事なしに高精度サーボ信号出力を得る事も可
能である。
【0006】この様なディスクリートトラック型媒体の
製法としては、平坦基板上に形成された磁性層の一部を
エッチングあるいは非磁性化する事により、信号記録部
分を分離形成させる方法、及び射出成形法等により信号
記録部分が予め凹凸形成された基板を作製した後、該基
板上に磁性層等を形成させる方法等が、一般的に知られ
ている。
【0007】ディスクリートトラック型媒体用の磁気記
録層としては、Cr等の下地層上にCoCrTa、Co
CrNi、CoCrPt等を形成させた所謂面内磁気記
録媒体を用いるのが通常であるが、特開平04−310
621に開示される様に、基板鉛直方向に磁気異方性を
有するCoCr等の垂直磁気記録層と、パーマロイ等の
軟磁性裏打ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体を
用いた例もある。
【0008】ただし、この様なディスクリートトラック
型垂直磁気記録媒体において、たとえば一般的なリソグ
ラフィー技術等によって磁性層の一部をエッチングする
場合には、特開平04−310621等に開示される様
に、磁気ディスク上の凹部においては、図5に示してな
る様に、「磁性層が存在しない」のが通常である。これ
は、USP3,258,750や特開昭49−1023
03等に開示される様に、磁気記録層に面内磁化膜を用
いた場合も同様である。
【0009】また、凹凸信号部分を直流磁化する方法
は、磁気記録層が垂直磁気記録媒体である場合について
は特に述べられた例はないが、磁気記録層が面内磁気記
録媒体である場合については磁気ヘッドを用いて凸部磁
性層を直流磁化する方法が通常である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】非磁性基板上に、少な
くとも基板鉛直方向に磁気異方性を有するCoCr等の
垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁性裏打ち層とを
有してなる所謂垂直磁気記録媒体において、磁性層の一
部をエッチングする事によってデータトラックもしくは
サーボ信号部分の少なくとも一部が分離形成された磁性
層エッチング型垂直磁気記録ディスクに関して、たとえ
ば上述した様に磁気ディスク上の凹部において磁性層が
存在しない様にサーボ用の信号を凹凸形成した後、該信
号部分を直流磁化した場合、その直流磁化再生出力が非
常に低いという問題が有った。
【0011】特開平04−310621において述べら
れている様な従来の磁性層エッチング型垂直磁気記録デ
ィスクの凹部は、トラック間に設けられるガードバンド
として利用される事が想定されていたため、この様な問
題が起こる事はなかったものと考えれるが、凸部を磁気
記録ディスク円周方向に直流磁化する事によってサーボ
信号を得る場合には、この様な問題が発生する。
【0012】また、磁性層エッチング型垂直磁気記録デ
ィスクの凹凸信号部分を磁気ヘッドを用いて直流磁化す
る場合、ディスク1枚1枚についてスピンドルあるいは
ドライブにチャッキングした後、記録領域全面に磁気ヘ
ッドをフライングさせて凹凸信号部分を直流磁化しなけ
ればならず、たとえばこの手法を用いてサーボ信号を記
録する場合のディスクの生産性について考えてみると、
通常のサーボライターを用いた記録方法に比べれば良好
であるが、未だ不十分であるという問題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性基板上
に、少なくとも基板鉛直方向に磁気異方性を有するCo
Cr等の垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁性裏打
ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体において、デ
ータトラックもしくはサーボ信号部分の少なくとも一部
がリソグラフィー法等によって磁気的に凹凸分離形成さ
れ、かつその凹部において垂直磁気記録層部分のみが除
去されてなる事を特徴とする磁気記録ディスクとする。
【0014】また本発明は、上記磁気記録ディスクにお
いて、1枚、あるいは複数枚のディスクに対して、同時
に、ディスク鉛直方向に一括して直流磁界を印加する事
によって、各磁気記録ディスクの垂直磁気記録層を一括
直流磁化する事を特徴とする磁気記録方法とする。
【0015】
【作用】本発明による磁気記録ディスクは、特に高記録
密度用の磁性層エッチング型垂直磁気記録ディスクにお
いて、高い直流磁化再生信号出力を得る事ができ、かつ
本発明による磁気記録方法は、該磁気記録ディスクに高
速に直流磁化記録を行なう事を可能とする。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例に基いて説明す
るが、言うまでもなく本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。
【0017】本実施例及び比較例においては全て、ま
ず、外径65mm、内径20mm、板厚0.89mmの
ハードディスク用の結晶化ガラス基板上に、インライン
式静止対向型DCマグネトロンスパッタ装置を用いて、
基板加熱処理を行なって裏打ち層1μm及び磁性層0.
1μmを形成させる事により、垂直磁気記録用磁気記録
ディスクを作製した。
【0018】ターゲットには裏打ち層用にNb系パーマ
ロイNiFeNb合金、磁性層用にCoCr合金を各々
用い、Arガスを用いて製膜した。ただし製膜条件は全
て、Arガス導入前のチャンバー内バックグラウンド圧
力を2×10-6Pa、スパッタ時のArガス圧力を0.
2Pa、投入電力密度を30kW/m2 とした。
【0019】垂直磁気記録層のCoCrターゲット組成
を変化させる事により、垂直磁気記録層の磁気特性の異
なる3種類の磁気記録ディスク1、2、及び3を作製し
た。表1に、これら磁気記録ディスクの垂直磁気記録層
のみを結晶化ガラス基板上に直接スパッタする事によ
り、試料振動型磁力計(VSM)を用いて測定した膜垂
直方向の保磁力、及び飽和磁化量を示す。
【0020】
【表1】 以下に、まず本発明による磁気記録ディスクについて、
具体的実施例に基づいて説明する。
【0021】実施例1 磁気記録ディスク1の垂直磁気記録層の一部を、一般的
なリソグラフィー法によってエッチングした。
【0022】つまり、磁気記録ディスクの表面に全面に
フォトレジストを塗布した後、図1に示す様に、基板中
心から放射状に基板円周方向において凸部長さ5μm、
凹部長さ5μmの一様なパターンが磁気記録ディスク上
の一部に形成される様、露光を施して、レジストをパタ
ーニングした。
【0023】次に、このレジストをマスクとして、イオ
ンミリング法による異方性エッチングにより、保護膜層
と垂直磁気記録層のみを図1中の溝部について除去した
後、酸素プラズマ処理及びアセトン洗浄を施し、レジス
トを除去する事により、磁性層エッチング型垂直磁気記
録ディスクを作製した。
【0024】ただし、本実施例に用いた図1に示してな
る凹凸パターンは、実際のハードディスクドライブシス
テムに供されるためのものではなく、凹凸部分の再生出
力測定時に、特にトラッキングをかけなくても再生ヘッ
ドのトラック幅全体で再生出力が測定できる様、凸部が
ディスク半径方向に放射状に連続的に形成される様、特
に実験用に作製されたものである。
【0025】従って、この様な実験用パターンにおいて
良好な再生出力が得られていれば、凹凸パターンをサー
ボ信号等として形成しても、良好な再生出力が得られる
事は明らかである。図2に、本実施例による磁気記録デ
ィスクの円周方向断面の概念図を示す。
【0026】比較例1 実施例1と同様の手法に従い、磁気記録ディスク1の保
護膜層、垂直磁気記録層、軟磁性裏打ち層を図1中の溝
部について除去した。本比較例による磁気記録ディスク
の円周方向断面の概念図は、図5と同様である。
【0027】実施例1及び比較例1の上記各磁気ディス
クをスピンスタンド上にチャッキングした後、マイクロ
スライダーに加工されたトラック幅10μm、主磁極長
0.3μm、ターン数30の単磁極ヘッドを用いて、相
対速度6m/sec (ヘッド浮上量0.06μm)にお
いて、磁気ヘッドに40mA程度の大きな記録電流を流
して磁気ディスク上の磁性層凸部を全て膜垂直方向に直
流磁化する事により直流磁化記録を行なった後、その再
生出力を測定した。
【0028】比較例1の再生出力を0dBとした場合の
実施例1及び比較例1の直流磁化信号再生出力を、表2
に示す。
【表2】
【0029】表2の結果から明らかな様に、非磁性基板
上に、少なくとも基板鉛直方向に磁気異方性を有するC
oCr等の垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁性裏
打ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体の、データ
トラックもしくはサーボ信号部分の少なくとも一部がリ
ソグラフィー法等によって磁気的に凹凸分離形成されて
なる磁性層エッチング型垂直磁気記録ディスクにおい
て、その凹部において垂直磁気記録層部分のみを除去す
る事により、従来の、凹部において磁性層の存在しない
磁性層エッチング型垂直磁気記録ディスクに比較して、
非常に高い直流磁化再生出力を得る事ができる。
【0030】なおここで、上述の様に、本発明による実
施例1の磁気記録ディスクの直流磁化再生出力が比較例
1の磁気記録ディスクのそれよりも著しく高い理由は、
比較例1の磁気記録ディスクにおいては、軟磁性裏打ち
層が不連続となっているために、単磁極ヘッド、垂直磁
気記録層、軟磁性裏打ち層との間で磁束が閉ループを形
成しにくいため、ヘッド主磁極に媒体磁束が流入しにく
くなってしまうのに対して、実施例1の磁気記録ディス
クにおいては、軟磁性裏打ち層が連続となっているため
に、磁性層が凹凸形成されていない通常の垂直磁気記録
媒体と同様に、単磁極ヘッド、垂直磁気記録層、軟磁性
裏打ち層との間で磁束が閉ループを形成しやすく、ヘッ
ド主磁極に媒体磁束が流入しやすくなっているためと考
えられる。
【0031】ただしここで、リソグラフィー法によって
垂直磁気記録層のみを除去する場合には、軟磁性裏打ち
層を全く除去せずに、厳密に垂直磁気記録層のみを除去
する事が著しく困難である事は明らかであり、本発明に
よる磁気記録ディスクには、磁性層凹部において、直流
磁化再生出力を大きく劣化させない程度に、垂直磁気記
録層の一部が残留してなるもの、あるいは軟磁性裏打ち
層の一部がエッチングされてなるものも含まれる事は、
その文脈から明らかである。
【0032】次に、この様な本発明による磁気記録ディ
スクのための、本発明による磁気記録方法を具体的実施
例に基づいて説明する。 実施例2 実施例1の磁気記録ディスクを2枚用意し、図3に示し
てなる様な直径100mmの円柱状の電磁石を用いて、
2枚のディスクに対して同時に、ディスク垂直方向に6
00kA/mの直流磁界をディスク全面に一括して印加
する事により、各ディスクの垂直磁気記録層を一括直流
磁化した。
【0033】ただし別案として、図3中の電磁石を永久
磁石に置き換えても良く、またソレノイド中に磁気ディ
スクを配置する事によって、垂直磁気記録層を直流磁化
しても良い。これら2枚のディスクを直流磁化記録する
のに要する時間は、ディスクの取り付け、取り外しに約
30秒弱、磁界印加に約2−3秒で、計30秒程度であ
った。
【0034】また、この様にして直流磁化記録された各
磁気記録ディスクの直流磁化信号再生出力を単磁極ヘッ
ドを用いて測定したところ、どちらのディスクにおいて
も実施例1と同等以上の+13dBの再生出力が得られ
た。
【0035】比較例2 実施例1の磁気記録ディスクを2枚用意し、各々のディ
スクを1枚ずつ、実施例1と同様に、スピンスタンド上
にチャッキングした後、単磁極ヘッドを用いて、磁気デ
ィスク上の磁性層凸部を全て膜垂直方向に直流磁化する
事により直流磁化記録を行なった。
【0036】これら2枚のディスクを直流磁化記録する
のに要する時間は、ディスク1枚につき、ディスクの取
り付け、ヘッドのロード、アンロード操作、取り外し等
に約2分、磁界印加に約5秒であり、ディスク2枚で計
4分程度であった。
【0037】以上の説明より明らかな様に、上述の本発
明による磁気記録ディスクにおいて、1枚、あるいは複
数枚のディスクに対して、同時に、ディスク鉛直方向に
一括して直流磁界を印加する事により、各磁気記録ディ
スクの垂直磁気記録層を一括直流磁化する磁気記録方法
を用いる事によって、従来の磁気ヘッド等を用いてディ
スクに一枚一枚直流磁化記録を行なう一般的な磁気記録
方法に比較して、磁気記録ディスクに高速に直流磁化記
録を行なう事が可能となる事が分かる。
【0038】また、この磁気記録方法においては、一回
に直流磁化を行なうディスクの枚数が多ければ多い程、
従来の磁気記録方法に比較して、より高速に磁気記録デ
ィスクに高速に直流磁化記録を行なう事が可能となる事
は、その文脈から明らかである。
【0039】次に、上述の様な本発明による磁気記録方
法において、凸部直流磁化から十分な再生出力を得るた
めに必要な垂直磁界強度を定義した、本発明による磁気
記録方法を具体的実施例に基づいて説明する。
【0040】まず、本発明の根拠となる理論を、以下に
説明する。凸部直流磁化からの再生出力が印加磁界強度
の増加に対して飽和してくる様な領域では、垂直磁気記
録層内部の磁化は垂直磁気記録層の飽和磁化量Msに近
い値になっていると考えられるので、必要な垂直磁界強
度最小値Hmin は、垂直磁気記録層内部の反磁界係数を
N(0≦N≦1)とすれば、垂直磁気記録層内部の磁性
粒子磁気異方性の垂直配向性が良い場合、垂直磁気記録
層内部の自己減磁界を考慮して、次の式で表現されるも
のと考えられる。
【0041】Hmin ≒Hc+N・Ms
【0042】もちろん実際には、垂直磁気記録層内部の
磁性粒子磁気異方性の垂直配向性が媒体によってばらつ
きが有るので、上式は厳密なものではないが、垂直磁気
記録用に用いられるCoCr等の磁性膜は、通常磁性粒
子磁気異方性の垂直配向性が非常に良好なため、上式は
おおよそ成り立っているものと考えられる。
【0043】従って、Nの値が媒体によって大きな違い
がないものと仮定すると、印加磁界強度Hを(H−H
c)/Msとして規格化し、凸部直流磁化からの再生出
力の規格化磁界強度依存性を調べる事により、必要な直
流磁界強度を、磁気特性の異なる媒体同志においても同
一の条件下で評価できる事が予測できる。
【0044】実施例3及び比較例3 表1中に示してなる磁気記録ディスク2及び3の各々に
ついて、実施例1と同様の手法に従い、保護膜層と垂直
磁気記録層のみを図1中の溝部について除去した後、実
施例2と同様の手法に従って、各ディスクを一括直流磁
化記録し、単磁極ヘッドを用いて直流磁化信号の再生出
力を測定した。この際、印加した垂直方向磁界は、0−
600kA/mの間で変化させた。
【0045】図4は、直流磁化信号の再生出力の規格化
印加磁界(H−Hc)/Ms依存性である。ただしここ
で、再生出力は、各磁気ディスクにおいて、着磁時の印
加磁界強度を上昇させていった時に得られる飽和出力を
1 として規格化した。
【0046】図4より明らかな様に、上述の本発明によ
る磁気記録方法において、垂直磁気記録層の垂直方向保
磁力をHc(A/m)、及び飽和磁化量をMs(A/
m)とした場合、ディスク鉛直方向に、Hc+0.5M
sよりも大きな直流磁界を用いる事によって、垂直磁気
記録層の磁気特性の異なる媒体においても、良好な直流
磁化再生出力を得る事ができる事がわかる。
【0047】本発明に用いられる基板材料は、アルミ、
強化ガラス、結晶化ガラス、カーボン、プラスチック
等、通常この種の磁気記録媒体に使用されるものであれ
ばいかなるものであっても良い。
【0048】本発明に用いられる軟磁性裏打ち層は、N
iFe、NiFeNb、NiFeMo等、通常この種の
磁気記録媒体の裏打ち層に使用されるものであればいか
なるものであっても良い。
【0049】この様な裏打ち層の膜厚は0.1μm以上
10μm以下である事が望ましい。裏打ち層の厚みが
0.1μmよりも小さい場合には、裏打ち層のレラクタ
ンスの上昇に伴い、単磁極ヘッド、垂直磁気記録層、軟
磁性裏打ち層との間で磁束が閉ループを形成しにくくな
り、良好な再生出力を得る事ができず、裏打ち層の厚み
が10μmよりも大きい場合には膜の内部応力が増大
し、膜に亀裂(クラック)が発生し易くなる等の問題を
生じる。
【0050】本発明に用いられる磁性膜は、CoCr、
CoCrTa、CoPt等、通常この種の磁気記録媒体
の垂直磁気記録層に使用されるものであればいかなるも
のであっても良い。また、この様な垂直磁気記録層の厚
みの最適値は、記録される信号の波長や使用するヘッド
等によって異なるが、50nm以上である事が望まし
い。
【0051】磁性膜の厚みが50nmよりも小さい場合
には、磁性膜に信号が記録された際の残留磁化量が非常
に小さくなるため、信号の再生出力が著しく劣化する等
の問題を生じる。
【0052】また、本発明に用いられる磁気ディスク
は、磁性層の表層部にC、ZrO2 、SiO2 等を主体
とする保護膜層が10nm以上50nm以下程度形成さ
れてなる事が望ましい。
【0053】保護膜の厚みが10nmよりも小さい場合
には、実際のハードディスクドライブにおいて磁気ヘッ
ドを磁気ディスクに対してコンタクト・スタート・スト
ップさせた際の磁気ディスクの耐久性 (所謂一般的なC
SS特性)が著しく劣化すると共に磁性膜も錆易くなる
等の問題を生じ、保護膜の厚みが50nmよりも大きい
場合には、磁性層と磁気ヘッドとの間の空隙の増加によ
って所謂一般的に言われる空隙損失が増大し、再生出力
が著しく劣化してしまう等の問題を生じる。
【0054】
【発明の効果】以上の結果から明らかな様に、非磁性基
板上に、少なくとも基板鉛直方向に磁気異方性を有する
Co−Cr等の垂直磁気記録層と、パーマロイ等の軟磁
性裏打ち層とを有してなる所謂垂直磁気記録媒体の、デ
ータトラックもしくはサーボ信号部分の少なくとも一部
がリソグラフィー法等によって磁気的に凹凸分離形成さ
れてなる磁性層エッチング型垂直磁気記録ディスクにお
いて、その凹部において垂直磁気記録層部分のみを除去
する事により、高い直流磁化再生信号出力を得る事がで
き、かつ、該磁気記録ディスクにおいて、1枚、あるい
は複数枚のディスクに対して、同時に、ディスク鉛直方
向に一括して直流磁界を印加する事により、各磁気記録
ディスクの垂直磁気記録層を一括直流磁化する磁気記録
方法を用いる事によって、磁気記録ディスクに高速に直
流磁化記録を行なう事が可能となるため、高記憶容量の
磁気ディスク装置の大量生産への応用が可能となり、そ
の工業的価値は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実験に用いた磁気記録ディスクとその凹凸パ
ターン概念図である。
【図2】本実施例による磁気記録ディスクの円周方向断
面の概念図 (実施例1)である。
【図3】本発明による磁気記録方法の一例の概念図 (実
施例2)である。
【図4】本発明による磁性層凹凸型垂直磁気記録ディス
クの直流磁化再生出力の規格化磁界依存性(実施例3及
び比較例3)を示すグラフである。
【図5】 従来の磁性層凹凸型垂直磁気記録ディスクの
円周方向断面の概念図 (比較例1)である。
【符号の説明】
1 基板 2 高透磁率裏打ち層 3 垂直磁気記録層 4 磁気記録用凸部 5 欠如部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも基板鉛直方
    向に磁気異方性を有するCoCr等の垂直磁気記録層
    と、パーマロイ等の軟磁性裏打ち層とを有してなる所謂
    垂直磁気記録媒体の、データトラックもしくはサーボ信
    号部分の少なくとも一部がリソグラフィー法等によって
    磁気的に凹凸分離形成されてなる磁性層エッチング型垂
    直磁気記録ディスクにおいて、その凹部において垂直磁
    気記録層部分のみが除去されてなる事を特徴とする磁気
    記録ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録ディスクにおい
    て、1枚、あるいは複数枚のディスクに対して、同時
    に、ディスク鉛直方向に一括して直流磁界を印加する事
    によって、各磁気記録ディスクの垂直磁気記録層を一括
    直流磁化する事を特徴とする磁気記録方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気記録方法において、
    磁気記録ディスク垂直磁気記録層の垂直方向保磁力をH
    c(A/m)、及び飽和磁化量をMs(A/m)とした
    場合、Hc+0.5Msよりも大きな直流磁界を用いる
    事を特徴とする磁気記録方法。
JP27868093A 1993-11-08 1993-11-08 磁気記録ディスク及びその磁気記録方法 Pending JPH07129953A (ja)

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