JPH07130470A - 薄膜el素子およびその製造方法 - Google Patents
薄膜el素子およびその製造方法Info
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- JPH07130470A JPH07130470A JP5274629A JP27462993A JPH07130470A JP H07130470 A JPH07130470 A JP H07130470A JP 5274629 A JP5274629 A JP 5274629A JP 27462993 A JP27462993 A JP 27462993A JP H07130470 A JPH07130470 A JP H07130470A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 駆動電圧を低減し、絶縁破壊電圧を向上して
信頼性を向上する。 【構成】 薄膜EL素子1は、透光性基板2表面2a上
に透明電極3、第1誘電体層4、EL発光層5、第2誘
電体層6および金属電極7をこの順に積層して構成され
る。前記第1および第2誘電体層4,6は、SrOとT
iNとの混合焼結体をターゲットとしたスパッタリング
法によって形成され、SrTiONを主成分とするもの
から成る。したがって、駆動電圧が低減し、絶縁破壊電
圧が向上して信頼性に優れた薄膜EL素子1を提供する
ことが可能となる。
信頼性を向上する。 【構成】 薄膜EL素子1は、透光性基板2表面2a上
に透明電極3、第1誘電体層4、EL発光層5、第2誘
電体層6および金属電極7をこの順に積層して構成され
る。前記第1および第2誘電体層4,6は、SrOとT
iNとの混合焼結体をターゲットとしたスパッタリング
法によって形成され、SrTiONを主成分とするもの
から成る。したがって、駆動電圧が低減し、絶縁破壊電
圧が向上して信頼性に優れた薄膜EL素子1を提供する
ことが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜EL(エレクトロ
ルミネセント)素子およびその製造方法に関し、特に薄
膜EL素子を構成する誘電体層およびその形成方法に関
する。
ルミネセント)素子およびその製造方法に関し、特に薄
膜EL素子を構成する誘電体層およびその形成方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薄膜EL素子は、一般に、少なくともい
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光層
を配置し、かつ前記EL発光層と少なくともいずれか一
方の電極との間に誘電体層を配置して構成される。薄膜
EL素子は、自発光型であり、高輝度でかつ長寿命であ
ることから、電子機器などの表示手段としての利用が期
待されている。前記誘電体層材料としては、Y2O3 ,
SiO2 ,Si3N4 ,Al2O3 およびTa2O5 など
が代表的であるけれども、最近では駆動電圧の低減を目
的として前記材料と比較すると誘電率εの高い材料、た
とえばPbTiO3,BaTiO3 ,SrTiO3 およ
びCaTiO3 などが用いられる。
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光層
を配置し、かつ前記EL発光層と少なくともいずれか一
方の電極との間に誘電体層を配置して構成される。薄膜
EL素子は、自発光型であり、高輝度でかつ長寿命であ
ることから、電子機器などの表示手段としての利用が期
待されている。前記誘電体層材料としては、Y2O3 ,
SiO2 ,Si3N4 ,Al2O3 およびTa2O5 など
が代表的であるけれども、最近では駆動電圧の低減を目
的として前記材料と比較すると誘電率εの高い材料、た
とえばPbTiO3,BaTiO3 ,SrTiO3 およ
びCaTiO3 などが用いられる。
【0003】薄膜EL素子では、EL発光層の容量と誘
電体層の容量とが直列に接続されており、駆動電圧は前
記容量で分割されてそれぞれの層にかかるものと考えら
れる。このため、電圧を効率よくEL発光層に印加し
て、駆動電圧の低減を図るためには、できるだけ誘電率
εの高い材料を用いることが望ましい。たとえば、EL
発光層と誘電体層との膜厚をほぼ同じとし、両者の材料
として互いの誘電率εがほぼ同程度の材料を用いたとす
ると、両者の電気容量は等しくなり、印加した電圧のう
ちの約半分しかEL発光層に印加されない。しかしなが
ら、たとえば誘電体層材料としてEL発光層材料よりも
1桁誘電率εの大きい材料を用いたとすると、印加した
電圧のうちの約9割がEL発光層に印加されることとな
る。このため、駆動電圧の低減を図ることが可能とな
り、薄膜EL素子を駆動するための電力の消費を低減す
ることができる。たとえば、前記Y2O3の誘電率εは1
2であり、Al2O3 の誘電率εは8であるけれども、
前記PbTiO3 の誘電率εは150であり、SrTi
O3 の誘電率εは140である。
電体層の容量とが直列に接続されており、駆動電圧は前
記容量で分割されてそれぞれの層にかかるものと考えら
れる。このため、電圧を効率よくEL発光層に印加し
て、駆動電圧の低減を図るためには、できるだけ誘電率
εの高い材料を用いることが望ましい。たとえば、EL
発光層と誘電体層との膜厚をほぼ同じとし、両者の材料
として互いの誘電率εがほぼ同程度の材料を用いたとす
ると、両者の電気容量は等しくなり、印加した電圧のう
ちの約半分しかEL発光層に印加されない。しかしなが
ら、たとえば誘電体層材料としてEL発光層材料よりも
1桁誘電率εの大きい材料を用いたとすると、印加した
電圧のうちの約9割がEL発光層に印加されることとな
る。このため、駆動電圧の低減を図ることが可能とな
り、薄膜EL素子を駆動するための電力の消費を低減す
ることができる。たとえば、前記Y2O3の誘電率εは1
2であり、Al2O3 の誘電率εは8であるけれども、
前記PbTiO3 の誘電率εは150であり、SrTi
O3 の誘電率εは140である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した高誘電率材料
は、薄膜EL素子の駆動電圧の低減に対しては有効であ
るけれども、該材料を用いると次のような不都合が生じ
る。すなわち、前記材料は高誘電率であるけれども、絶
縁耐圧が低い。たとえば、前記PbTiO3 の絶縁破壊
電圧は、0.5MV/cm、SrTiO3 の絶縁破壊電
圧は1.5MV/cm〜2MV/cmである。一方、前
記Y2 O3 の絶縁破壊電圧は3MV/cm〜5MV/c
m、Al2O3 の絶縁破壊電圧は5MV/cm、Si3N
4 の絶縁破壊電圧は6MV/cm〜8MV/cmであ
る。EL発光層に絶縁破壊を起こすことなく、安定して
電圧を印加するためには、誘電体層材料はできるだけ高
い絶縁破壊電圧を有することが望ましい。しかしなが
ら、前述した高誘電率材料は、比較的絶縁破壊電圧が低
いため、絶縁破壊が起こりやすく、薄膜EL素子の信頼
性が低下するという問題が生じる。
は、薄膜EL素子の駆動電圧の低減に対しては有効であ
るけれども、該材料を用いると次のような不都合が生じ
る。すなわち、前記材料は高誘電率であるけれども、絶
縁耐圧が低い。たとえば、前記PbTiO3 の絶縁破壊
電圧は、0.5MV/cm、SrTiO3 の絶縁破壊電
圧は1.5MV/cm〜2MV/cmである。一方、前
記Y2 O3 の絶縁破壊電圧は3MV/cm〜5MV/c
m、Al2O3 の絶縁破壊電圧は5MV/cm、Si3N
4 の絶縁破壊電圧は6MV/cm〜8MV/cmであ
る。EL発光層に絶縁破壊を起こすことなく、安定して
電圧を印加するためには、誘電体層材料はできるだけ高
い絶縁破壊電圧を有することが望ましい。しかしなが
ら、前述した高誘電率材料は、比較的絶縁破壊電圧が低
いため、絶縁破壊が起こりやすく、薄膜EL素子の信頼
性が低下するという問題が生じる。
【0005】本発明の目的は、駆動電圧が低くて絶縁破
壊の発生が少なく、信頼性に優れた薄膜EL素子および
その製造方法を提供することである。
壊の発生が少なく、信頼性に優れた薄膜EL素子および
その製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともい
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光層
が配置され、ペロブスカイト型化合物の酸窒化物を主成
分とする誘電体層が、前記EL発光層と少なくともいず
れか一方の電極との間に配置されていることを特徴とす
る薄膜EL素子である。
ずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光層
が配置され、ペロブスカイト型化合物の酸窒化物を主成
分とする誘電体層が、前記EL発光層と少なくともいず
れか一方の電極との間に配置されていることを特徴とす
る薄膜EL素子である。
【0007】また本発明は、少なくともいずれか一方が
透光性を有する一対の電極間にEL発光層を配置し、前
記EL発光層と少なくともいずれか一方の電極との間に
誘電体層を配置した薄膜EL素子の製造方法において、
酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲットとしたスパ
ッタリング法によって、前記誘電体層を形成することを
特徴とする薄膜EL素子の製造方法である。
透光性を有する一対の電極間にEL発光層を配置し、前
記EL発光層と少なくともいずれか一方の電極との間に
誘電体層を配置した薄膜EL素子の製造方法において、
酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲットとしたスパ
ッタリング法によって、前記誘電体層を形成することを
特徴とする薄膜EL素子の製造方法である。
【0008】
【作用】本発明に従えば、薄膜EL素子は、少なくとも
いずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光
層が配置され、前記EL発光層と少なくともいずれか一
方の電極との間に、ペロブスカイト型化合物の酸窒化物
を主成分とする誘電体層が配置されて構成される。前記
誘電体層は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲッ
トとしたスパッタリング法によって形成される。該方法
によって形成されるペロブスカイト型化合物の酸窒化物
を主成分とする膜を薄膜EL素子の誘電体層として用い
ることによって、駆動電圧の低減が可能であることを確
認した。また、絶縁破壊電圧が向上することを確認し
た。したがって、消費電力が低くて絶縁破壊の発生が少
なく、信頼性に優れた薄膜EL素子を提供することが可
能となる。
いずれか一方が透光性を有する一対の電極間にEL発光
層が配置され、前記EL発光層と少なくともいずれか一
方の電極との間に、ペロブスカイト型化合物の酸窒化物
を主成分とする誘電体層が配置されて構成される。前記
誘電体層は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲッ
トとしたスパッタリング法によって形成される。該方法
によって形成されるペロブスカイト型化合物の酸窒化物
を主成分とする膜を薄膜EL素子の誘電体層として用い
ることによって、駆動電圧の低減が可能であることを確
認した。また、絶縁破壊電圧が向上することを確認し
た。したがって、消費電力が低くて絶縁破壊の発生が少
なく、信頼性に優れた薄膜EL素子を提供することが可
能となる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である薄膜EL素
子1の構成を示す断面図である。前記薄膜EL素子1
は、いわゆる二重絶縁構造の薄膜EL素子であり、透光
性基板2、透明電極3、第1誘電体層4、EL発光層
5、第2誘電体層6および金属電極7をこの順に積層し
て構成される。
子1の構成を示す断面図である。前記薄膜EL素子1
は、いわゆる二重絶縁構造の薄膜EL素子であり、透光
性基板2、透明電極3、第1誘電体層4、EL発光層
5、第2誘電体層6および金属電極7をこの順に積層し
て構成される。
【0010】図2は、前記薄膜EL素子1を製造する手
順を示す工程図である。工程a1では、たとえばガラス
やプラスチックで実現される透光性基板2の一方表面2
a上に、たとえば膜厚が1500Å程度の透明電極3が
形成される。透明電極3は、たとえばITO(インジウ
ム錫酸化物)またはSnO2で実現され、本実施例では
ITOを用いた。ITOは、前記表面2aの全面に形成
された後、互いに平行な複数の帯状にパターン形成され
て透明電極3とされる。
順を示す工程図である。工程a1では、たとえばガラス
やプラスチックで実現される透光性基板2の一方表面2
a上に、たとえば膜厚が1500Å程度の透明電極3が
形成される。透明電極3は、たとえばITO(インジウ
ム錫酸化物)またはSnO2で実現され、本実施例では
ITOを用いた。ITOは、前記表面2aの全面に形成
された後、互いに平行な複数の帯状にパターン形成され
て透明電極3とされる。
【0011】工程a2では、前記透明電極3が形成され
た表面2a上に、第1誘電体層4が形成される。第1誘
電体層4は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲッ
トしたスパッタリング法によって形成される。前記酸化
物としては、周期律表のIIa族およびIVb族の中か
ら選ばれる元素の酸化物、たとえばSr,Ca,Baお
よびPbの中から選ばれる元素の酸化物が用いられる。
具体的には、SrO,CaO,BaO,BaO2 ,Pb
O,Pb3O4,PbO2 などが用いられる。また、前記
窒化物としては、IVa族およびIVb族の中から選ば
れる元素の窒化物、たとえばTi,Zr,HfおよびS
nの中から選ばれる元素の窒化物が用いられる。具体的
には、TiN,ZrN,HfN,SnNなどが用いられ
る。本実施例では、酸化物としてSrOを用い、窒化物
としてTiNを用い、SrOとTiNとの混合比率を
1:1とした。混合した粉末状のSrOとTiNとは、
いわゆるホットプレス法によって熱と圧力とが加えられ
て、混合焼結体とされる。スパッタリング時には、前記
混合焼結体がターゲットとして用いられる。また、スパ
ッタリング時のスパッタガスとしてはArを用い、ガス
圧を1.5Paとし、誘電体層を付着させる基板温度を
350℃とし、RF(高周波)電力を150Wとした。
このような、いわゆるRFスパッタリング法によって、
膜厚が約5000Åの第1誘電体層4を形成した。形成
された第1誘電体層4は、ペロブスカイト型化合物(一
般式ABX3 )の酸窒化物を主成分とするものであり、
本実施例ではSrTiONを主成分とするものとなる。
た表面2a上に、第1誘電体層4が形成される。第1誘
電体層4は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲッ
トしたスパッタリング法によって形成される。前記酸化
物としては、周期律表のIIa族およびIVb族の中か
ら選ばれる元素の酸化物、たとえばSr,Ca,Baお
よびPbの中から選ばれる元素の酸化物が用いられる。
具体的には、SrO,CaO,BaO,BaO2 ,Pb
O,Pb3O4,PbO2 などが用いられる。また、前記
窒化物としては、IVa族およびIVb族の中から選ば
れる元素の窒化物、たとえばTi,Zr,HfおよびS
nの中から選ばれる元素の窒化物が用いられる。具体的
には、TiN,ZrN,HfN,SnNなどが用いられ
る。本実施例では、酸化物としてSrOを用い、窒化物
としてTiNを用い、SrOとTiNとの混合比率を
1:1とした。混合した粉末状のSrOとTiNとは、
いわゆるホットプレス法によって熱と圧力とが加えられ
て、混合焼結体とされる。スパッタリング時には、前記
混合焼結体がターゲットとして用いられる。また、スパ
ッタリング時のスパッタガスとしてはArを用い、ガス
圧を1.5Paとし、誘電体層を付着させる基板温度を
350℃とし、RF(高周波)電力を150Wとした。
このような、いわゆるRFスパッタリング法によって、
膜厚が約5000Åの第1誘電体層4を形成した。形成
された第1誘電体層4は、ペロブスカイト型化合物(一
般式ABX3 )の酸窒化物を主成分とするものであり、
本実施例ではSrTiONを主成分とするものとなる。
【0012】工程a3では、前記第1誘電体層4上に、
たとえばZnSを母材とし、発光センターとしての微量
のMnを含むもので実現されるEL発光層5が形成され
る。EL発光層5は、たとえば電子ビーム蒸着法によっ
て約5000Åの膜厚に形成される。
たとえばZnSを母材とし、発光センターとしての微量
のMnを含むもので実現されるEL発光層5が形成され
る。EL発光層5は、たとえば電子ビーム蒸着法によっ
て約5000Åの膜厚に形成される。
【0013】工程a4では、前記EL発光層5上に第2
誘電体層6が形成される。第2誘電体層6は、前記第1
誘電体層4と同じようにして形成され、本実施例では、
同様のRFスパッタリング法によって膜厚が約5000
ÅのSrTiONを主成分とする第2誘電体層6を形成
した。
誘電体層6が形成される。第2誘電体層6は、前記第1
誘電体層4と同じようにして形成され、本実施例では、
同様のRFスパッタリング法によって膜厚が約5000
ÅのSrTiONを主成分とする第2誘電体層6を形成
した。
【0014】工程a5では、前記第2誘電体層6上に、
たとえばAlで実現される金属電極7が形成される。金
属電極7は、第2誘電体層6上の全面に形成された後、
前記透明電極3とは直交する方向に、複数の帯状にパタ
ーン形成される。
たとえばAlで実現される金属電極7が形成される。金
属電極7は、第2誘電体層6上の全面に形成された後、
前記透明電極3とは直交する方向に、複数の帯状にパタ
ーン形成される。
【0015】なお、本実施例ではスパッタガスとしてA
rを用いる例について説明したけれども、Arのみを用
いる他に、たとえばO2 ,N2 およびN2 Oの中から選
ばれるガスを混合した混合ガスを用いても第1および第
2誘電体層4,6を形成することが可能である。ガスの
混合比率は、形成される誘電体層4,6が所望の組成比
となるような比率に適宜選ばれるけれども、Ar比率を
低くすると、成膜速度が遅くなる可能性があり、生産効
率の点からAr比率が多い方が好ましい。
rを用いる例について説明したけれども、Arのみを用
いる他に、たとえばO2 ,N2 およびN2 Oの中から選
ばれるガスを混合した混合ガスを用いても第1および第
2誘電体層4,6を形成することが可能である。ガスの
混合比率は、形成される誘電体層4,6が所望の組成比
となるような比率に適宜選ばれるけれども、Ar比率を
低くすると、成膜速度が遅くなる可能性があり、生産効
率の点からAr比率が多い方が好ましい。
【0016】また本実施例では、ターゲットであるSr
OとTiNとの混合比率を1:1とする例について説明
したけれども、ターゲット材料の混合比率は任意の比率
で選ぶことが可能である。しかしながら、全ての比率で
作成した膜が薄膜EL素子の誘電体層として適している
ものではないので、良好な特性が得られるようその比率
は適宜選択される。また、SrOとTiNとの混合焼結
体の他に、たとえばSrO−TiN−TiO2 の混合焼
結体をターゲットとしても誘電体層4,6を形成するこ
とが可能である。この場合の混合比率も、良好な特性が
得られるように適宜選択される。
OとTiNとの混合比率を1:1とする例について説明
したけれども、ターゲット材料の混合比率は任意の比率
で選ぶことが可能である。しかしながら、全ての比率で
作成した膜が薄膜EL素子の誘電体層として適している
ものではないので、良好な特性が得られるようその比率
は適宜選択される。また、SrOとTiNとの混合焼結
体の他に、たとえばSrO−TiN−TiO2 の混合焼
結体をターゲットとしても誘電体層4,6を形成するこ
とが可能である。この場合の混合比率も、良好な特性が
得られるように適宜選択される。
【0017】図3は、前記薄膜EL素子1への印加電圧
と、輝度との関係を示すグラフである。縦軸は、輝度
(ft−L)を示し、横軸は印加電圧(V)を示す。ま
た、曲線L1は、第1および第2誘電体層4,6として
SrTiONを主成分とする膜を用いた本実施例に基づ
く薄膜EL素子1の結果を示し、曲線L2は、第1およ
び第2誘電体層4,6としてSrTiO3 膜を用いた比
較例の結果を示す。
と、輝度との関係を示すグラフである。縦軸は、輝度
(ft−L)を示し、横軸は印加電圧(V)を示す。ま
た、曲線L1は、第1および第2誘電体層4,6として
SrTiONを主成分とする膜を用いた本実施例に基づ
く薄膜EL素子1の結果を示し、曲線L2は、第1およ
び第2誘電体層4,6としてSrTiO3 膜を用いた比
較例の結果を示す。
【0018】曲線L1,L2とも、ほぼ同じ印加電圧で
ほぼ同じ輝度が得られていることから、従来のY2 O3
やSiO2 などの比較的低い誘電率を持つ材料を誘電体
層4,6として用いたときよりも、駆動電圧の低減を図
ることが可能であることが判る。また、曲線L1,L2
上の点P1,P2は、電圧印加に伴って素子が絶縁破壊
を起こした点を示している。SrTiO3 膜を用いた場
合(P2)では、印加電圧が約170Vとなったときに
絶縁破壊が生じているけれども、本実施例(P1)では
印加電圧が約210Vとなったときに生じている。この
ことから、SrTiONを主成分とする膜を用いること
により、絶縁破壊電圧が上昇して、薄膜EL素子1の信
頼性が向上していることが判る。
ほぼ同じ輝度が得られていることから、従来のY2 O3
やSiO2 などの比較的低い誘電率を持つ材料を誘電体
層4,6として用いたときよりも、駆動電圧の低減を図
ることが可能であることが判る。また、曲線L1,L2
上の点P1,P2は、電圧印加に伴って素子が絶縁破壊
を起こした点を示している。SrTiO3 膜を用いた場
合(P2)では、印加電圧が約170Vとなったときに
絶縁破壊が生じているけれども、本実施例(P1)では
印加電圧が約210Vとなったときに生じている。この
ことから、SrTiONを主成分とする膜を用いること
により、絶縁破壊電圧が上昇して、薄膜EL素子1の信
頼性が向上していることが判る。
【0019】さらに、本実施例の誘電体層4,6の形成
方法に従ってSrTiONを主成分とする単層膜を形成
し、該膜に一定速度で電圧が上昇するランプ電圧を印加
したときのDC(直流)絶縁耐圧を測定したところ、約
4MV/cmであった。一方、比較例であるSrTiO
3 膜では、約2MV/cmであった。このことからも、
本実施例の方が絶縁耐圧の高い誘電体層であり、絶縁耐
圧の高い誘電体層を形成することができることが判る。
方法に従ってSrTiONを主成分とする単層膜を形成
し、該膜に一定速度で電圧が上昇するランプ電圧を印加
したときのDC(直流)絶縁耐圧を測定したところ、約
4MV/cmであった。一方、比較例であるSrTiO
3 膜では、約2MV/cmであった。このことからも、
本実施例の方が絶縁耐圧の高い誘電体層であり、絶縁耐
圧の高い誘電体層を形成することができることが判る。
【0020】なお、本発明の他の実施例として、第1お
よび第2誘電体層4,6にCaTiONを主成分とする
膜を用いたところ、前記実施例と同様の結果が得られる
ことを確認した。CaTiONを主成分とする膜は、酸
化物としてCaOを用いる他は、前記実施例と同様の方
法で形成することができ、薄膜EL素子1の第1および
第2誘電体層4,6以外の構成要素も同様にして形成し
た。
よび第2誘電体層4,6にCaTiONを主成分とする
膜を用いたところ、前記実施例と同様の結果が得られる
ことを確認した。CaTiONを主成分とする膜は、酸
化物としてCaOを用いる他は、前記実施例と同様の方
法で形成することができ、薄膜EL素子1の第1および
第2誘電体層4,6以外の構成要素も同様にして形成し
た。
【0021】上記実施例では、スパッタリング法によっ
て誘電体層4,6を形成する例について説明したけれど
も、スパッタリング法以外に、たとえばアルキル基が酸
素と結合したアルコキシドを含むSr(OCH3)2 お
よびTi(OCH3)4 を原料とし、O2 ,N2 および
NH3 をキャリアガスとした熱分解CVD(化学気相成
長)法やプラズマCVD法、またはSr(OCH3)2
およびTi(N(C2H5)2)4 を原料とした同様の方
法によって形成することも可能である。
て誘電体層4,6を形成する例について説明したけれど
も、スパッタリング法以外に、たとえばアルキル基が酸
素と結合したアルコキシドを含むSr(OCH3)2 お
よびTi(OCH3)4 を原料とし、O2 ,N2 および
NH3 をキャリアガスとした熱分解CVD(化学気相成
長)法やプラズマCVD法、またはSr(OCH3)2
およびTi(N(C2H5)2)4 を原料とした同様の方
法によって形成することも可能である。
【0022】また上記実施例では、二重絶縁構造の薄膜
EL素子1の第1および第2誘電体層4,6の両方をS
rTiONまたはCaTiONを主成分とする膜とする
例について説明したけれども、いずれか一方の誘電体層
のみを前記膜とする例も本発明の範囲に属するものであ
る。また、二重絶縁構造に限らず、EL発光層5と、電
極3,7のうちのいずれか一方の電極との間にのみ誘電
体層を設けた薄膜EL素子の前記誘電体層を前記膜とす
る例も本発明の範囲に属するものである。
EL素子1の第1および第2誘電体層4,6の両方をS
rTiONまたはCaTiONを主成分とする膜とする
例について説明したけれども、いずれか一方の誘電体層
のみを前記膜とする例も本発明の範囲に属するものであ
る。また、二重絶縁構造に限らず、EL発光層5と、電
極3,7のうちのいずれか一方の電極との間にのみ誘電
体層を設けた薄膜EL素子の前記誘電体層を前記膜とす
る例も本発明の範囲に属するものである。
【0023】本発明に基づいて誘電体層を形成するとき
に用いられるターゲット材料(酸化物および窒化物)
は、必ずしも純度が100%であるわけではない。前述
したSrO,TiN,CaOにも不純物は含まれてい
る。これらの不純物濃度を低減することは可能であるけ
れども、製法上純度100%とすることは困難である。
また、高純度とするためには、製造コストが上昇する。
このため、本発明に基づいて形成される誘電体層中に
は、少なくとも数10ppm〜数100ppmの不純物
が混入してしまう。本発明の誘電体層は、ペロブスカイ
ト型化合物の酸窒化物を主成分とするものであるけれど
も、前記主成分とは、全誘電体層材料中にペロブスカイ
ト型化合物が50%以上含まれていることを意味してい
る。50%以上のペロブスカイト型化合物の他は、上述
した不純物、またはこれ以外に混入される物質、たとえ
ば比較的低誘電率の材料である。比較的低誘電率の材料
を混入することによって、誘電体層が、所望の誘電率お
よび絶縁耐圧となるように調整される。このような目的
で混入される低誘電率材料としては、たとえばSiO
2 ,Si3N4 ,Al2O3 ,Y2O3 およびTa2O5 が
挙げられる。
に用いられるターゲット材料(酸化物および窒化物)
は、必ずしも純度が100%であるわけではない。前述
したSrO,TiN,CaOにも不純物は含まれてい
る。これらの不純物濃度を低減することは可能であるけ
れども、製法上純度100%とすることは困難である。
また、高純度とするためには、製造コストが上昇する。
このため、本発明に基づいて形成される誘電体層中に
は、少なくとも数10ppm〜数100ppmの不純物
が混入してしまう。本発明の誘電体層は、ペロブスカイ
ト型化合物の酸窒化物を主成分とするものであるけれど
も、前記主成分とは、全誘電体層材料中にペロブスカイ
ト型化合物が50%以上含まれていることを意味してい
る。50%以上のペロブスカイト型化合物の他は、上述
した不純物、またはこれ以外に混入される物質、たとえ
ば比較的低誘電率の材料である。比較的低誘電率の材料
を混入することによって、誘電体層が、所望の誘電率お
よび絶縁耐圧となるように調整される。このような目的
で混入される低誘電率材料としては、たとえばSiO
2 ,Si3N4 ,Al2O3 ,Y2O3 およびTa2O5 が
挙げられる。
【0024】なお、特開昭61−269894号公報に
は、薄膜EL素子の誘電体層として、ペロブスカイト型
酸化物焼結体をターゲットとし、窒素を含むスパッタガ
スを用いたスパッタリング法によって形成される膜を用
いる例が開示されているけれども、この方法によって形
成される膜が、本発明に基づくペロブスカイト型酸窒化
物を主成分とするものであるという記載はない。一般
に、形成される膜の組成や特性は、形成方法や形成条件
によって大きく異なるものである。本発明の誘電体層
は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲットとして
形成するものであり、前記公報とは形成方法の異なるも
のである。
は、薄膜EL素子の誘電体層として、ペロブスカイト型
酸化物焼結体をターゲットとし、窒素を含むスパッタガ
スを用いたスパッタリング法によって形成される膜を用
いる例が開示されているけれども、この方法によって形
成される膜が、本発明に基づくペロブスカイト型酸窒化
物を主成分とするものであるという記載はない。一般
に、形成される膜の組成や特性は、形成方法や形成条件
によって大きく異なるものである。本発明の誘電体層
は、酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲットとして
形成するものであり、前記公報とは形成方法の異なるも
のである。
【0025】また、本発明に基づく形成方法では、形成
される膜の組成比をターゲット材料の混合比率や、スパ
ッタガスの混合比率によって容易に調整し、制御するこ
とができる。また、組成比を調整することができる範囲
も広くなる。たとえば、ターゲット材料として前述した
SrOとTiNとを用いると、SrOとTiNとの混合
比率を調整することによって、形成される膜のSrとT
iとの組成比を変えることができる。たとえば、スパッ
タガスとしてArを用いたときには、ターゲット材料の
混合比率とほぼ等しい組成比の膜が形成される。一方、
前記公報に基づいて、たとえばSrTiO3 をターゲッ
ト材料とし、N2 ガスを用いて膜を形成する場合、形成
される膜のSrとTiとの組成比を変えるには、SrT
iO3 の組成比を変えなければならず、ターゲット材料
を変更する必要が生じる。
される膜の組成比をターゲット材料の混合比率や、スパ
ッタガスの混合比率によって容易に調整し、制御するこ
とができる。また、組成比を調整することができる範囲
も広くなる。たとえば、ターゲット材料として前述した
SrOとTiNとを用いると、SrOとTiNとの混合
比率を調整することによって、形成される膜のSrとT
iとの組成比を変えることができる。たとえば、スパッ
タガスとしてArを用いたときには、ターゲット材料の
混合比率とほぼ等しい組成比の膜が形成される。一方、
前記公報に基づいて、たとえばSrTiO3 をターゲッ
ト材料とし、N2 ガスを用いて膜を形成する場合、形成
される膜のSrとTiとの組成比を変えるには、SrT
iO3 の組成比を変えなければならず、ターゲット材料
を変更する必要が生じる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、薄膜EL
素子の誘電体層は、酸化物と窒化物との混合焼結体をタ
ーゲットとしたスパッタリング法によって形成される。
前記方法によって形成される誘電体層は、ペロブスカイ
ト型化合物の酸窒化物を主成分とするものであり、該誘
電体層を用いた薄膜EL素子は、駆動電圧が低減し、絶
縁破壊電圧が向上する。したがって、消費電力が低く、
信頼性に優れた薄膜EL素子を提供することが可能とな
る。
素子の誘電体層は、酸化物と窒化物との混合焼結体をタ
ーゲットとしたスパッタリング法によって形成される。
前記方法によって形成される誘電体層は、ペロブスカイ
ト型化合物の酸窒化物を主成分とするものであり、該誘
電体層を用いた薄膜EL素子は、駆動電圧が低減し、絶
縁破壊電圧が向上する。したがって、消費電力が低く、
信頼性に優れた薄膜EL素子を提供することが可能とな
る。
【図1】本発明の一実施例である薄膜EL素子1の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】前記薄膜EL素子1を製造する手順を示す工程
図である。
図である。
【図3】前記薄膜EL素子1の輝度と印加電圧との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
1 薄膜EL素子 2 透光性基板 3 透明電極 4 第1誘電体層 5 EL発光層 6 第2誘電体層 7 金属電極
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
る一対の電極間にEL発光層が配置され、 ペロブスカイト型化合物の酸窒化物を主成分とする誘電
体層が、前記EL発光層と少なくともいずれか一方の電
極との間に配置されていることを特徴とする薄膜EL素
子。 - 【請求項2】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
る一対の電極間にEL発光層を配置し、前記EL発光層
と少なくともいずれか一方の電極との間に誘電体層を配
置した薄膜EL素子の製造方法において、 酸化物と窒化物との混合焼結体をターゲットとしたスパ
ッタリング法によって、前記誘電体層を形成することを
特徴とする薄膜EL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5274629A JPH07130470A (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 薄膜el素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5274629A JPH07130470A (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 薄膜el素子およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07130470A true JPH07130470A (ja) | 1995-05-19 |
Family
ID=17544376
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5274629A Pending JPH07130470A (ja) | 1993-11-02 | 1993-11-02 | 薄膜el素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07130470A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007246986A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Toshiba Corp | スパッタリングターゲットの製造方法 |
-
1993
- 1993-11-02 JP JP5274629A patent/JPH07130470A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007246986A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Toshiba Corp | スパッタリングターゲットの製造方法 |
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