JPH07132014A - 海苔作業船、海苔作業船を用いた海苔刈取り方法および海苔作業船を用いた海苔網薬剤処理方法 - Google Patents

海苔作業船、海苔作業船を用いた海苔刈取り方法および海苔作業船を用いた海苔網薬剤処理方法

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JPH07132014A
JPH07132014A JP28138793A JP28138793A JPH07132014A JP H07132014 A JPH07132014 A JP H07132014A JP 28138793 A JP28138793 A JP 28138793A JP 28138793 A JP28138793 A JP 28138793A JP H07132014 A JPH07132014 A JP H07132014A
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hull
nori
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海苔網の長手方向に海苔作業船の前後方向を
合わせて進行させながら海苔の刈取りと薬剤処理とを行
なうことができ、伸子棒を装着したままの海苔網に対し
ても同様に海苔の刈取りと薬剤処理とを行なうことがで
き、作業効率に優れており、コストも低廉な海苔作業
船、海苔作業船を用いた海苔刈取り方法および海苔作業
船を用いた海苔網薬剤処理方法を提供する。 【構成】 海苔作業船11は、固定ロープ4をもって海
面に展張された海苔網1に対する処理を行なう海苔作業
船において、前記固定ロープ4を海面から掬い上げて船
体上に導く固定ロープ案内部材14,16,18と、前
記海苔網1を海面から掬い上げて船体内に導くとともに
船尾部に導く海苔網支承体21,22,24,26と、
前記海苔網1から海苔を刈取る刈取り装置19および海
苔網1に対して薬剤処理を施す薬剤処理装置20の少な
くとも一方を有することを特徴とし、この海苔作業船1
1を用いて刈取りや薬剤処理を行なうことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海苔の養殖場において
海面部分に展張されている海苔網に対して、海苔の刈取
りおよび海苔網の酸処理等の薬剤処理を単独若しくは連
続的に行なう海苔作業船に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海苔養殖は海苔網に浮き子を取
付けて海面部分に浮かすようにして展張して錨で止める
浮き流し方式や、海中に立設した複数の支柱に係留綱を
もって海苔網を係留して展張した支柱方式により行なわ
れており、この両方式の使い分けは、養殖場の立地条件
等により決定されている。
【0003】また、このような海苔養殖においては、海
苔網からの海苔の刈取り作業や、海苔網および海苔網に
繁殖する海苔の表面に、海水の水垢やゴミ等の浮遊物が
付着したり、雑菌が繁殖したりするなど、海苔の品質を
低下させる要因があり、高品質で健康な海苔を育成し、
収穫率を向上させるために、海苔の刈取りから刈取りの
間に、二回から三回程度、海苔網および海苔網に繁殖す
る海苔に対して酸処理を施したり、栄養剤を付与する薬
剤処理作業が行なわれている。
【0004】図14は浮き流し方式の海苔養殖の1例を
示しており、複数の海苔網1、1の展張状態を示す平面
図である。
【0005】長尺な各海苔網1は、左右端部の伸子棒
2、2の間に平行に展張されている3本の展張綱3、3
の間に2列平行状態に展張されている。また、各海苔網
1の長手方向の途中にも適宜に伸子棒(図示せず)が設
けられている。そして、前記左右端部の伸子棒2、2に
は、それぞれ固定ロープ4の2又状の端部4a、4aが
接続されており、これらの各固定ロープ4は左右方向に
引き伸ばされるとともに途中に浮子5を固着され、端部
に固着されたアンカ6をもって海底に係留されている。
【0006】図15は浮き流し方式の海苔養殖の更に他
の例を示しており、図において太い実線で示す側綱と称
する固定ロープ8を海苔網1より大きい矩形のます状に
展張し、各ます部内に海苔網1の先端を2本の手綱9、
9により連結して展張している。各海苔網1の長手方向
の適当位置には伸子棒2、2が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図14に示すようにし
て海面に展張されている海苔網1に対する海苔の刈取り
や、薬剤処理を従来は図14に示すような海苔作業船7
をもって行なっていた。すなわち、海苔作業船7の船首
を固定ロープ4に直角に向けて進行させて海苔作業船7
のほぼ中央部分までを固定ロープ4の下に潜らせ、続い
て海苔作業船7をその前後方向と直角方向すなわち海苔
網1の長手方向に進行させながら、海苔の刈取りや、薬
剤処理を施していた。海苔作業船7の前後方向を海苔網
1の長手方向に合わせて進行させることができないの
は、海苔網1の長手方向の延長上に展張されている固定
ロープ4、4が邪魔になって、海苔作業船7が海苔網1
の長手方向に前後方向を合わせて海苔網1の下に潜るよ
うに進行できないからである。
【0008】しかしながら、前記従来方法においては、
海苔作業船7をその前後方向と直角方向に進行させなが
ら海苔の刈取りや薬剤処理を行なうものであるために、
種々の不都合が発生していた。
【0009】すなわち、まず海苔作業船7をその前後方
向と直角方向に進行させる操船作業が困難であり、熟練
を要するものであった。また、海苔作業船7上に設置す
る刈取り装置や薬剤処理装置(ともに図示せず)を海苔
作業船7の幅方向に移動する海苔網1が通過効能に設置
しなければならない。また、薬剤処理においては、薬剤
処理を施した海苔網1を直ちに海面に戻さないで所定時
間空中に浮かしておくほうが薬剤処理効果が大きいもの
であるが、海苔網1の海苔作業船7の幅方向の通過時間
は非常に短く、海苔網1は薬剤処理後直ちに海面に戻る
こととなり、十分な薬剤処理効果を期待できないもので
あった。このことより薬剤処理効果をできる限り大きく
しようとするためには、薬剤処理装置を船体の幅方向の
うち移動方向の最前部に配置する必要がある。そうする
と薬剤処理装置と刈取り装置とを海苔作業船7の幅方向
並べて設置することが不可能であり、海苔の刈取りと薬
剤処理とを連続して行なうことができないという不都合
があった。
【0010】また、図15に示す養殖方式においては、
海苔作業船7は海苔網1の長手方向に進行できるが、各
海苔網1に設けられている伸子棒2が海苔作業船7に設
けられている支柱等に引掛かり、海苔作業船7の進行を
妨げるという不都合があった。
【0011】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、海苔網の長手方向に海苔作業船の前後方向を合
わせて進行させながら海苔の刈取りと薬剤処理とを行な
うことができ、伸子棒を装着したままの海苔網に対して
も同様に海苔の刈取りと薬剤処理とを行なうことがで
き、作業効率に優れており、コストも低廉な海苔作業
船、海苔作業船を用いた海苔刈取り方法および海苔作業
船を用いた海苔網薬剤処理方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1に記載の本発明の海苔作業船は、固定ロープ
をもって海面に展張させた海苔網に対する処理を行なう
海苔作業船において、前記固定ロープを海面から掬い上
げて船体上に導く固定ロープ案内部材と、前記海苔網を
海面から掬い上げて船体内に導くとともに船尾部に導く
海苔網支承体と、前記海苔網から海苔を刈取る刈取り装
置および海苔網に対して薬剤処理を施す薬剤処理装置の
少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載の本発明の海苔作業
船を用いた海苔刈取り方法は、海苔網の端部からその長
手方向に延長させた固定ロープをもって海面に展張され
た海苔網に対する処理を行なう海苔作業船であって、前
記固定ロープを海面から掬い上げて船体の前後方向と平
行に船体内に導く固定ロープ案内部材と、前記海苔網を
海面から掬い上げて船体内に導くとともに船尾部に導く
海苔網支承体と、前記海苔網から海苔を刈取る刈取り装
置を有する海苔作業船を用いた海苔刈取り方法におい
て、前記海苔作業船を前記固定ロープに対してその長手
方向に直交する方向より進行させて前記固定ロープを掬
い上げながら前記固定ロープ案内部材の所定位置まで進
行させ、次に船体を回動させて前記固定ロープを前記固
定ロープ案内部材を介して船体の前後方向と平行となる
ように船体内に導き、その後船体を固定ロープおよび海
苔網の長手方向と平行に進行させて海苔網を船体内に導
いて前記刈取り装置により海苔網から海苔を刈取ること
を特徴とする。
【0014】また、請求項3に記載の海苔作業船を用い
た海苔網薬剤処理方法は、海苔網の端部からその長手方
向に延長させた固定ロープをもって海面に展張された海
苔網に対する処理を行なう海苔作業船であって、前記固
定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ
案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に
導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、海苔網に対
して薬剤処理を施す薬剤処理装置を有する海苔作業船を
用いた海苔網薬剤処理方法において、前記海苔作業船を
前記固定ロープに対してその長手方向に直交する方向よ
り進行させて前記固定ロープを掬い上げながら前記固定
ロープ案内部材の所定位置まで進行させ、次に船体を回
動させて前記固定ロープを前記固定ロープ案内部材を介
して船体の前後方向と平行となるように船体内に導き、
その後船体を固定ロープおよび海苔網の長手方向と平行
に進行させて海苔網を船体内に導いて前記薬剤処理装置
により海苔網に薬剤処理を施すことを特徴とする。
【0015】また、請求項4に記載の海苔作業船を用い
た海苔刈取り方法は、固定ロープをもって海面に展張さ
れた海苔網に対する処理を行なう海苔作業船であって、
前記固定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く固定
ロープ案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げて船
体内に導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、前記
海苔網から海苔を刈取る刈取り装置を有する海苔作業船
を用いた海苔刈取り方法において、前記海苔作業船を前
記海苔網の長手方向と平行に進行させて前記固定ロープ
を前記固定ロープ案内部材により掬い上げ、更に船体を
進行させて海苔網支承体により海苔網を船体内に導いて
前記刈取り装置により海苔網から海苔を刈取ることを特
徴とする。
【0016】また、請求項5に記載の海苔作業船を用い
た海苔網薬剤処理方法は、固定ロープをもって海面に展
張された海苔網に対する処理を行なう海苔作業船であっ
て、前記固定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く
固定ロープ案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げ
て船体内に導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、
海苔網に対して薬剤処理を施す薬剤処理装置を有する海
苔作業船を用いた海苔網薬剤処理方法において、前記海
苔作業船を前記海苔網の長手方向と平行に進行させて前
記固定ロープを前記固定ロープ案内部材により掬い上
げ、更に船体を進行させて海苔網支承体により海苔網を
船体内に導いて前記薬剤処理装置により海苔網に薬剤処
理を施すことを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1に記載の本発明の海苔作業船により、
請求項2または請求項3に記載の本発明方法を行なうこ
とにより、海苔作業船を固定ロープに対してその長手方
向に直交する方向より進行させて前記固定ロープを掬い
上げながら固定ロープ案内部材の所定位置まで進行さ
せ、次に船体を回動させて前記固定ロープを前記固定ロ
ープ案内部材を介して船体の前後方向と平行となるよう
に船体内に導き、その後船体を固定ロープおよび海苔網
の長手方向と平行に進行させて海苔網を船体内に導いて
海苔の刈取りおよびまたは海苔網に対する薬剤処理を施
すことができる。これにより、海苔網の端部からその長
手方向に延長させた固定ロープをもって海面に展張させ
た海苔網に対しても、その海苔網の長手方向に海苔作業
船の前後方向を合わせて進行させながら海苔の刈取りと
薬剤処理とを作業効率良く行なうことができる。
【0018】また、請求項1に記載の本発明の海苔作業
船により、請求項4または請求項5に記載の本発明方法
を行なうことにより、海苔作業船を海苔網の長手方向と
平行進行させて前記固定ロープを掬い上げ、更に、船体
を海苔網の長手方向と平行に進行させて海苔網を船体内
に導いて海苔の刈取りおよびまたは海苔網に対する薬剤
処理を施すことができる。これにより、海苔網の端部か
らその長手方向に延長させた固定ロープをもって海面に
展張させた海苔網に対しても、その海苔網の長手方向に
海苔作業船の前後方向を合わせて進行させながら海苔の
刈取りと薬剤処理とを作業効率良く行なうことができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1から図13によ
り説明する。
【0020】図1は本発明に係る海苔作業船の1実施例
の作業状態における全体の構成の要部を示す平面図であ
り、図2は図1の側面図であり、図3は海苔作業船の要
部をスケルトン的に示す斜視図、図4は刈取り装置の1
実施例を示す正面図、図5は薬剤処理装置の1実施例を
示す拡大断面図、図6は後部案内部材の拡大図、図7は
後部案内部材に取付けられたフックを示す分解斜視図で
ある。
【0021】本実施例の海苔作業船は、浮き流し方式と
称される海苔の養殖方法に用いられる海苔網から海苔を
刈取るとともに、酸処理を施す場合を示している。
【0022】図1から図3に示すように、本実施例の海
苔作業船11は、船体12に動力推進機構13を備えて
おり、その船体12の左右舷側の上部には、それぞれ支
柱15、15をもってパイプ状の上部案内部材14が設
けられている。この上部案内部材14の前端には、平面
形状がU字形状に形成された前部案内部材16がその基
端部をもってボルトなどの適宜な締結部材17により着
脱自在および回動自在に取付けられている。この前部案
内部材16のU字形状に湾曲した先端は固定ロープを掬
い上げるために船首より一定の傾斜で海中に没するよう
に形成されている。また、両上部案内部材14、14の
間隔は2枚横並びの海苔網1、1の幅より大きく(本実
施例においては約1.5倍)形成されている。両上部案
内部材14には、後述する後部案内部材18が伸縮自在
に設けられている。また、両上部案内部材14の間に
は、船体12の前方位置に海苔網1から海苔を刈取る刈
取り装置19が設けられており、船体12の中央部より
後方位置に海苔網1に対する薬剤処理を施す薬剤処理装
置20が設けられている。刈取り装置19より前方の甲
板上には、海苔網1、1を下方から支承する略コ字形の
パイプ若しくはロッド状の2つの前部支承体21が左右
平行状態に立設されている。両前部支承体21の船体1
2の幅方向の間隔は、2枚の海苔網1、1を下方より支
承できる大きさ(本実施例においては船体12の幅の約
1/3)に形成されている。この前部支承体21の前端
には、平面形状がU字形状に形成された海苔網掬い部材
22がその基端部をもってボルトなどの適宜な締結部材
23により着脱自在および回動自在に取付けられてい
る。この海苔網掬い部材22のU字形状に湾曲した先端
は、海苔網1を掬い上げるために船首より一定の傾斜で
海中に没するとともに、前部案内部材16の下方を通っ
てその前方まで伸びるように形成されている。この海苔
網掬い部材22は海苔網1を掬い上げるに十分な長さを
有すればよい。また、刈取り装置19と薬剤処理装置2
0との間には、海苔網1を下方から支承する2本の略L
字状の中間部支承体24、24が前方端を甲板に立設さ
せ、後方端を薬剤処理装置20の湾曲した入口案内部材
25に固着させることにより設置されている。また、薬
剤処理装置20と船尾との間には、海苔網1を下方から
支承する2本の略L字状の後部支承体26、26が前方
端を薬剤処理装置20の湾曲した出口案内部材27に固
着させ、後方端を甲板に立設させることにより設置され
ている。
【0023】そして、本実施例においては、前記前部案
内部材16、上部案内部材および後部案内部材18が前
記固定ロープ4を海面から掬い上げて船体12上に導く
固定ロープ案内部材として機能するように形成されてい
る。また、海苔網掬い部材22、前部支承体21、中間
部支承体24、後部支承体26および後部案内部材18
が前記固定ロープ4に続いて前記海苔網1を海面から掬
い上げて船体12内に導くとともに船尾部側に導く海苔
網支承体として機能するように形成されている。
【0024】また、前記両前部支承体21、21の間に
は、船体12の進行方向の変更時に固定ロープ4に係合
させて使用される進路変更用支柱28が設けられてい
る。この進路変更用支柱28は、海苔の刈取りや薬剤処
理を行なう場合には、両前部支承体21、21より低く
なるようにするために、上下方向に伸縮自在に形成され
ていたり、甲板上に起倒自在に設置されている。特に、
遠隔操作するためには、公知の上下駆動機構を用いて進
路変更用支柱28を上下動可能に形成するとよい。
【0025】また、前記の刈取り装置19としては従来
から公知のものを利用することができる。例えば、図4
に示すように、この刈取り装置19は、電動機(図示せ
ず)などによって回転される軸29に、ほぼ上部案内部
材14と同一の幅を有するL字型の刃30を放射状に取
付け、そのL字型の刃30を回転させることにより海苔
網1から垂れ下がる海苔を刈取るものである。この刈取
り装置19としては、他に2枚の円盤の外周間にピアノ
線などの線材を張設したものを回転させることにより、
張設された線材で海苔を刈取っても良く、連続して刈取
る機構であれば前記に限定されるものではない。
【0026】また、本実施例においては、前記薬剤処理
装置20を刈取り装置19の直後に配設して、海苔を刈
取られて水切り状態にある海苔網1に酸処理等の薬剤処
理を効果的に施すようにされている。この薬剤処理装置
20は図1から図3および図5に示すように、両上部案
内部材14間に固着された処理槽31を主体として形成
されている。処理槽31の前後壁部はそれぞれ若干切開
かれて入口32と出口33とが形成されており、左右に
分割されている略直方体状の海苔網抑え体34、34が
処理槽31の左右上端縁部にヒンジ35、35をもって
回動自在に装着されている。両海苔網抑え体34は、そ
の下面と処理槽31の底面との間を海苔網1が通過でき
るようにして海苔網1を処理槽31内に浸漬させるよう
に形成されている。また、両海苔網抑え体34、34の
間を固定ロープ4が前後方向に通過できるように形成さ
れている。更に、両海苔網抑え体34、34、は両者に
より海苔網1に装着されている伸子棒2を抑え込むよう
に作用する大きさを有すれば十分であり、両者間の下面
に図15に示す海苔網1の手綱9、9を強制的に導くこ
とのできる先端形状、例えば船の流線形をした先端部の
形状似せた形状に形形成されている。
【0027】また、前記上部案内部材14の後端部に設
けられている後部案内部材18は、薬剤処理された海苔
網1を所定時間空中に浮かして支承するものであり、図
6に示すように、複数本(本実施例では3本)の次第に
小径とされるパイプ36a,36b,367cを同軸状
に入子式として伸縮自在に形成されており、最外側のパ
イプ36aが上部案内部材14内に挿入されるようにな
っている。さらに、3本のパイプ36a,36b,36
cの後端下面側には、それぞれ下端に所望の浮子37が
固着されている剛性の有るロッド38が上端をもって着
脱自在に取付けられている。そして、両側のロッド38
の間には、海苔網1を支承する網支承バー39a,39
b,39cが着脱自在に配設されている。最後部の網支
承バー39cには、図7に示すように、各パイプ36
a,36b,36cを引出す際に、伸子棒2等に引掛け
るフック40が軸41をもって枢着されており、このフ
ック40と網支承バー39cとの間には、フック40に
過大な力が作用した時に同図時計方向に回動することを
許容するクリック機構42が介装されている。この後部
案内部材18の各パイプ36a,36b,36cの最大
伸長時の全長は、少なくとも作業状態において、前記薬
剤処理装置20の部分において薬剤処理を施された海苔
網1が、少なくとも船11の進行に伴って後部案内部材
18の後端部まで相対移動する間に、十分な薬剤処理効
果等を施す時間だけ空中に浮上させることのできる長さ
とされている。また、各パイプ36a,36b,36c
を最大伸長状態から引戻すために、図6に示すように、
各パイプ36a,36b,36cの中心部にワイヤ43
を挿通させ、そのワイヤ43の一端を最内側のパイプ3
6cに固着し、ワイヤ43の他端を図示しない滑車等を
介して船体12の所望の位置に配設した引戻し専用のモ
ータ44に連結させている。また、前記各支柱15およ
びロッド38には、相対移動する海苔網1を展張する伸
子棒2が引掛かるのを防止する湾曲板状のプロテクタ4
5がそれぞれ固着されている。
【0028】前記前部案内部材16および海苔網掬い部
材22は、前述したように、締結部材17および23部
分において分割および回動可能とされている方が、船の
養殖場への往復時に、前部案内部材16および海苔網掬
い部材22を海中より引き上げることができ、海水の抵
抗を受けることがなく、また停泊時における前部案内部
材16および海苔網掬い部材22の損傷、破壊を防止す
る意味で好ましいが、分割せずに全てを固定しておいて
も、海苔の刈取り、薬剤処理作業には、本質的に問題は
ない。また、前部案内部材16および海苔網掬い部材2
2の先端形状はU字形状に限らずV字形状など海面に展
張されている固定ロープ4および海苔網1を船体12の
前進に伴い、円滑に掬い上げる得る形状であればよく、
特に、本実施例の形状に限定されるものではない。
【0029】また、前記後部案内部材18は、前述した
ように、伸縮自在とされるとともに、ロッド38および
網支承バー39a,39b,39cが着脱自在かつ分解
自在とされている方が、船の養殖場への往復時に、後部
案内部材18を船体12に収納することができ、海水の
抵抗を受けることがなく、また停泊時における後部案内
部材18の損傷、破壊を防止する意味で好ましいが、船
体12に固定しておいても、海苔の刈取り、薬剤処理作
業には、本質的に問題はない。
【0030】また、船体12の最後尾には操舵室46が
設けられており、この操舵室46の高さは、海苔網1の
後部支承体26上の走行を妨げないように、後部支承体
26の高さより低くなっており、操舵室46内には刈取
り装置19、薬剤処理装置20等の動作を指令管理する
制御部を備えており、全てこの操舵室46内で操作を行
なうことが最も好ましいものである。
【0031】また、刈取った海苔を収納する収納部47
と薬剤処理装置20以後の各機構等との間は、図示しな
い隔離板等により完全に隔離されている。
【0032】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
海苔作業船11を利用した海苔刈取り方法並びに海苔網
の薬剤処理方法について、図8から図12により、海苔
網1の端部からその長手方向に延長させた固定ロープ4
をもって海面に展張されている海苔網1に適用する場合
を説明する。
【0033】まず、図8に示すように、前部案内部材1
6および海苔網掬い部材22を図1から図3に示すよう
に前方に延出させ、後部案内部材18は船体12の軸線
方向に最短となるように収縮させて、進路変更用支柱2
8を上部案内部材14より高い最高位置まで突出させた
状態で、船体12を固定ロープ4に向けて直交方向より
進行させる。この船体12の前進に伴って固定ロープ4
が前部案内部材16により掬い上げられて行く。そし
て、この直進は前記進路変更用支柱28が固定ロープ4
に接触するまで続けられる。
【0034】次に、図9に示すように、操舵作業によ
り、船首が海苔網1に向くように進路変更用支柱28が
ほぼ中心となるようにして船体12を回転させる。この
時、固定ロープ4は前部案内部材16、上部案内部材1
4および後部案内部材18の上面を乗り越えるように案
内されて、次第に船体12内に入り、ついには図10に
示すように、固定ロープ4が船体12の幅方向中央部の
位置に到達し、薬剤処理装置20の左右の海苔網抑え体
34、34の間に入る。この進路変更用支柱28がある
と、船体12の回動を容易に行なうことができるが、進
路変更用支柱28を省いて前記と同様に操船するように
してもよい。
【0035】次に、操舵作業により船体12の回動を停
止させるとともに、海苔網1の長手方向に前進させ、同
時に進路変更用支柱28を前部支承体21の高さより低
い位置まで引下げる。
【0036】これにより、図11および図12に示すよ
うに、先端を海中に没入させた海苔網掬い部材22によ
り海苔網1を海面から連続的に抄い上げ、船の自力前進
に伴い海苔網1を前部支承体21、刈取り装置19、中
間部支承体24、薬剤処理装置20および後部支承体2
6に沿って船体12の後部へ導びく。さらに、海苔網1
の端面若しくは伸子棒2が収縮状態の後部案内部材18
の後端部に達したら、網支承バー39cの後端に取付け
られているフック40を伸子棒2等に引掛け、海苔網1
の後方への相対移動に伴って後部案内部材18の各パイ
プ36c,36b,36aを順番に後方へ引出して行
く。各パイプ36c,36b,36aが最長に繰出され
ると、フック40に過大な力が加わり、クリック機構4
2が外れてフック40が軸41を中心として回動して、
フック40と海苔網1との係合が解かれる。以後は、海
苔網1だけが後方へ移動して行き、後部案内部材18の
後端部から再び海面に戻される。
【0037】その間に、前部支承体21から中間部支承
体24の間を移動する海苔網1から垂れ下がった海苔の
葉体を刈取り装置19により連続して刈取り収穫し、船
体12の収納部47内に収納し、続いて薬剤処理装置2
0により、海苔網1が海苔網抑え体34の下を潜って処
理液に浸漬される間に、刈取り後の海苔網1に対して薬
剤処理の1態様である酸処理を施し、更に、後部案内部
材18の後端部まで相対移動する間に酸処理剤を海苔の
細胞内に十分に浸透させ、また、葉体に付着している雑
菌を殺菌させる。
【0038】海苔網1の全長に対して海苔の刈取りと薬
剤処理を施した後、船体12を約90度回動させるよう
に操舵して、船体12、前部案内部材16、上部案内部
材14および後部案内部材18を固定ロープ4から脱出
させて一連の作業を終了させる。
【0039】その後、必要に応じて次の海苔網1に対す
る作業を前記と同様にして開始する。
【0040】また、図13により前述した構成からなる
本実施例の海苔作業船11を利用した海苔刈取り方法並
びに海苔網の薬剤処理方法について、矩形のます状に展
張した固定ロープ8を用いて展張されている海苔網1に
適用する場合を説明する。
【0041】本実施例においては、前記実施例のような
船体12を約90度回動させる必要がないために、前部
案内部材16および海苔網掬い部材22の先端を海中に
没入させた状態で船体12を海苔網1の長手方向と平行
にして進行させる。これにより前部案内部材16が先ず
固定ロープ8を掬いあげ、続いて海苔網掬い部材22が
海苔網1を海面から連続的に抄い上げ、船の自力前進に
伴い海苔網1を前部支承体21、刈取り装置19、中間
部支承体24、薬剤処理装置20および後部支承体26
に沿って船体12の後部へ導びく。この時、海苔網1に
固着されている各伸子棒2はプロテクタ45により支柱
15等に引掛かるのを防止され、海苔網1は円滑に後方
に送られて行く。そして、海苔網1の先端部が薬剤処理
装置20の部分に達すると、1個の海苔網抑え体34、
34の流線形をした先端部が2本の手綱9、9を強制的
に当該海苔網抑え体34、34の下面に導き、以後海苔
網1が連続的に処理槽31内を浸漬通過されて行くゆ
く。さらに、固定ロープ8が収縮状態の後部案内部材1
8の後端部に達したら、網支承バー39cの後端に取付
けられているフック40を伸子棒2等に引掛け、海苔網
1の後方への相対移動に伴って後部案内部材18の各パ
イプ36c,36b,36aを順番に後方へ引出して行
く。各パイプ36c,36b,36aが最長に繰出され
ると、フック40に過大な力が加わり、クリック機構4
2が外れてフック40が軸41を中心として回動して、
フック40と固定ロープ8との係合が解かれる。以後
は、海苔網1だけが後方へ移動して行き、固定ロープ8
および後部案内部材18の後端部から再び海面に戻され
る。
【0042】この間に、前記実施例と同様にして海苔刈
取りと海苔網の薬剤処理とが施される。
【0043】なお、本実施例の海苔作業船11は、海苔
の刈取り薬剤処理船としたが、刈取り装置19のみを稼
働させて、海苔の刈取り船としたり、薬剤処理装置20
のみを稼働させて、海苔の酸処理船として用いてもよ
い。
【0044】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更することができる。
【0045】
【発明の効果】このように本発明の海苔作業船、海苔作
業船を用いた海苔刈取り方法および海苔作業船を用いた
海苔網薬剤処理方法は構成され、作用するものであるか
ら、海苔網の長手方向に海苔作業船の前後方向を合わせ
て進行させながら海苔の刈取りと薬剤処理とを行なうこ
とができ、また、伸子棒を装着したままの海苔網に対し
ても同様に海苔の刈取りと薬剤処理とを行なうことがで
き、作業効率に優れており、コストも低廉なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る海苔作業船の1実施例を示す説明
【図2】図1の側面図
【図3】本発明に係る海苔作業船の要部をスケルトン的
に示した斜視図
【図4】刈取り装置の1実施例を示す正面図
【図5】薬剤処理装置の1実施例を示す図1のV−V線
に沿った拡大断面図
【図6】後部案内部材の拡大図
【図7】後部案内部材に取付けられたフックを示す分解
斜視図
【図8】本発明方法を工程順に示す平面図
【図9】図8の次の工程を示す平面図
【図10】図9の次の工程を示す平面図
【図11】図10の次の工程を示す平面図
【図12】図11の次の工程を示す平面図
【図13】本発明方法を他の展張状態の海苔網に対して
適用した場合の図8と同様の図
【図14】従来の海苔網に対する処理方法を示す平面図
【図15】従来の海苔網の他の展張状態を示す平面図
【符号の説明】
1 海苔網 4 固定ロープ 11 海苔作業船 12 船体 14 上部案内部材 16 前部案内部材 18 後部案内部材 19 刈取り装置 20 薬剤処理装置 21 前部支承体 22 海苔網掬い部材 24 中間部支承体 26 後部支承体 28 進路変更用支柱 31 処理槽 34 海苔網抑え体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定ロープをもって海面に展張された海
    苔網に対する処理を行なう海苔作業船において、前記固
    定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ
    案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に
    導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、前記海苔網
    から海苔を刈取る刈取り装置および海苔網に対して薬剤
    処理を施す薬剤処理装置の少なくとも一方を有する海苔
    作業船。
  2. 【請求項2】 海苔網の端部からその長手方向に延長さ
    せた固定ロープをもって海面に展張された海苔網に対す
    る処理を行なう海苔作業船であって、前記固定ロープを
    海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ案内部材
    と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に導くとと
    もに船尾部に導く海苔網支承体と、前記海苔網から海苔
    を刈取る刈取り装置を有する海苔作業船を用いた海苔刈
    取り方法において、前記海苔作業船を前記固定ロープに
    対してその長手方向に直交する方向より進行させて前記
    固定ロープを掬い上げながら前記固定ロープ案内部材の
    所定位置まで進行させ、次に船体を回動させて前記固定
    ロープを前記固定ロープ案内部材を介して船体の前後方
    向と平行となるように船体内に導き、その後船体を固定
    ロープおよび海苔網の長手方向と平行に進行させて海苔
    網を船体内に導いて前記刈取り装置により海苔網から海
    苔を刈取ることを特徴とする海苔作業船を用いた海苔刈
    取り方法。
  3. 【請求項3】 海苔網の端部からその長手方向に延長さ
    せた固定ロープをもって海面に展張された海苔網に対す
    る処理を行なう海苔作業船であって、前記固定ロープを
    海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ案内部材
    と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に導くとと
    もに船尾部に導く海苔網支承体と、海苔網に対して薬剤
    処理を施す薬剤処理装置を有する海苔作業船を用いた海
    苔網薬剤処理方法において、前記海苔作業船を前記固定
    ロープに対してその長手方向に直交する方向より進行さ
    せて前記固定ロープを掬い上げながら前記固定ロープ案
    内部材の所定位置まで進行させ、次に船体を回動させて
    前記固定ロープを前記固定ロープ案内部材を介して船体
    の前後方向と平行となるように船体内に導き、その後船
    体を固定ロープおよび海苔網の長手方向と平行に進行さ
    せて海苔網を船体内に導いて前記薬剤処理装置により海
    苔網に薬剤処理を施すことを特徴とする海苔作業船を用
    いた海苔網薬剤処理方法。
  4. 【請求項4】 固定ロープをもって海面に展張された海
    苔網に対する処理を行なう海苔作業船であって、前記固
    定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ
    案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に
    導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、前記海苔網
    から海苔を刈取る刈取り装置を有する海苔作業船を用い
    た海苔刈取り方法において、前記海苔作業船を前記海苔
    網の長手方向と平行に進行させて前記固定ロープを前記
    固定ロープ案内部材により掬い上げ、更に船体を進行さ
    せて海苔網支承体により海苔網を船体内に導いて前記刈
    取り装置により海苔網から海苔を刈取ることを特徴とす
    る海苔作業船を用いた海苔刈取り方法。
  5. 【請求項5】 固定ロープをもって海面に展張された海
    苔網に対する処理を行なう海苔作業船であって、前記固
    定ロープを海面から掬い上げて船体上に導く固定ロープ
    案内部材と、前記海苔網を海面から掬い上げて船体内に
    導くとともに船尾部に導く海苔網支承体と、海苔網に対
    して薬剤処理を施す薬剤処理装置を有する海苔作業船を
    用いた海苔網薬剤処理方法において、前記海苔作業船を
    前記海苔網の長手方向と平行に進行させて前記固定ロー
    プを前記固定ロープ案内部材により掬い上げ、更に船体
    を進行させて海苔網支承体により海苔網を船体内に導い
    て前記薬剤処理装置により海苔網に薬剤処理を施すこと
    を特徴とする海苔作業船を用いた海苔網薬剤処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008011742A (ja) * 2006-07-04 2008-01-24 Nichimo Co Ltd 綱類通過装置、綱類通過装置を備えた海苔網薬剤処理装置および綱類通過装置を備えた海苔作業船
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CN104756667A (zh) * 2015-04-01 2015-07-08 中国海洋大学 一种新型的海带收割装置
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JP2024083197A (ja) * 2022-12-08 2024-06-20 株式会社オーツボ 養殖海苔処理装置及び箱船

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