JPH07138722A - 溶融金属中自在軸継手 - Google Patents
溶融金属中自在軸継手Info
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- JPH07138722A JPH07138722A JP29045893A JP29045893A JPH07138722A JP H07138722 A JPH07138722 A JP H07138722A JP 29045893 A JP29045893 A JP 29045893A JP 29045893 A JP29045893 A JP 29045893A JP H07138722 A JPH07138722 A JP H07138722A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 トルク伝達時の周期的変動を抑制し、接触摺
動部の耐摩耗性を向上させた自在軸継手を提供する。 【構成】 一方の軸の軸端に等間隔で放射状に張り出さ
れた複数個の爪が固定され、この軸端と噛み合わされる
相手軸の軸端に前記の爪が入る複数個の溝を有する外筒
が固定された形のクラッチ方式の自在継手において、該
自在継手本体を合金として、該爪及び溝のトルクを伝達
する噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、あ
るいはトルク伝達噛み合い部分のみを必要な厚みだけセ
ラミックス・サーメット・耐食耐摩耗合金の何れかにし
たことを特徴とする溶融金属中自在軸継手。
動部の耐摩耗性を向上させた自在軸継手を提供する。 【構成】 一方の軸の軸端に等間隔で放射状に張り出さ
れた複数個の爪が固定され、この軸端と噛み合わされる
相手軸の軸端に前記の爪が入る複数個の溝を有する外筒
が固定された形のクラッチ方式の自在継手において、該
自在継手本体を合金として、該爪及び溝のトルクを伝達
する噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、あ
るいはトルク伝達噛み合い部分のみを必要な厚みだけセ
ラミックス・サーメット・耐食耐摩耗合金の何れかにし
たことを特徴とする溶融金属中自在軸継手。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続溶融金属メッキ、特
に溶融亜鉛メッキ設備の溶融亜鉛中で回転するロールを
駆動するために溶融亜鉛中である角度をなして噛み合っ
て回転する自在軸継手に関する。
に溶融亜鉛メッキ設備の溶融亜鉛中で回転するロールを
駆動するために溶融亜鉛中である角度をなして噛み合っ
て回転する自在軸継手に関する。
【0002】
【従来の技術】連続溶融亜鉛メッキ装置の構成を図9及
び図10に示す。溶融亜鉛浴2中で浴面直下に設置され
被メッキ鋼板1と接触して回転するサポートロール3は
該鋼板1への亜鉛付着量をある程度コントロールするた
めの一次ワイピング機能及び鋼板の振動を抑制するため
のサポート機能を持つ。
び図10に示す。溶融亜鉛浴2中で浴面直下に設置され
被メッキ鋼板1と接触して回転するサポートロール3は
該鋼板1への亜鉛付着量をある程度コントロールするた
めの一次ワイピング機能及び鋼板の振動を抑制するため
のサポート機能を持つ。
【0003】このロールを駆動するための浴中自在軸継
手4は、従来図11に示す構造のステンレス製の十字ピ
ン継手6が使われていた。図中5は中間伝導軸、7は十
字溝スリーブである。
手4は、従来図11に示す構造のステンレス製の十字ピ
ン継手6が使われていた。図中5は中間伝導軸、7は十
字溝スリーブである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この構造の継手は周知
の如く、入力軸と出力軸がある角度をもって回転すると
きに、1回転の中で角速度が周期的に変動するいわゆる
不等速継手であり、当然ながら出力軸のトルクも周期的
に変動する。更にステンレス系合金は溶融亜鉛に対する
耐食性が悪いため短期間で十字ピン継手6及び十字溝ス
リーブ7が摩耗し大きなバックラッシュを生じていた。
従って前記の不等速継手であること及び耐摩耗性に劣る
という2つの弱点のためにサポートロール3を振動させ
る加振源となり、被メッキ鋼板1のメッキ付着厚みがサ
ポートロール3の回転位相に対応して周期的に変動す
る、いわゆるチャタマークという品質阻害要因となって
いた。また継手の寿命も短く頻繁なライン休止を余儀な
くされ機械損失が増え、更に取替えのために多額の整備
費用を要していた。
の如く、入力軸と出力軸がある角度をもって回転すると
きに、1回転の中で角速度が周期的に変動するいわゆる
不等速継手であり、当然ながら出力軸のトルクも周期的
に変動する。更にステンレス系合金は溶融亜鉛に対する
耐食性が悪いため短期間で十字ピン継手6及び十字溝ス
リーブ7が摩耗し大きなバックラッシュを生じていた。
従って前記の不等速継手であること及び耐摩耗性に劣る
という2つの弱点のためにサポートロール3を振動させ
る加振源となり、被メッキ鋼板1のメッキ付着厚みがサ
ポートロール3の回転位相に対応して周期的に変動す
る、いわゆるチャタマークという品質阻害要因となって
いた。また継手の寿命も短く頻繁なライン休止を余儀な
くされ機械損失が増え、更に取替えのために多額の整備
費用を要していた。
【0005】この対策として、特開平4−290613
号で提案されたクロスピンの軸部を滑り軸受構造とし、
軸側材質を炭化物系サーメットあるいは炭化物析出型耐
熱合金、ヨーク穴側をセラミックスとした継手がある。
しかしこの継手には2つの問題がある。1つはこの継手
はクロスピンの軸部とヨーク側のセラミックリングを予
め組み立てておく必要がある、即ちサポートロール3と
中間伝導軸5を予め組み立てておく必要が生ずることに
なる。十字ピン継手であればロールは事前にメッキ浴上
に設置し、その後中間伝導軸5に装着した十字ピン継手
6を挿入すれば容易に噛み合わせることができる。しか
しこのタイプの継手では、ロールと中間伝導軸を組み立
てて一緒になった状態でラインへの設置及び取り外しを
行わなければならず、極めて使い勝手の悪いものとなっ
てしまう。2つ目は部材の材質を上記としているが、そ
の後実際に種々セラミックス、サーメット、合金の組み
合わせで継手を構成し、溶融亜鉛中で回転試験を行った
結果、トルクを伝達する噛み合い部分においてはセラミ
ックスあるいはサーメットの中でもある限られた範囲の
材料及び組み合わせがより良好な性能を発揮することを
発明者等は解明した。そういう意味でも、この継手は欠
点を抱えている。
号で提案されたクロスピンの軸部を滑り軸受構造とし、
軸側材質を炭化物系サーメットあるいは炭化物析出型耐
熱合金、ヨーク穴側をセラミックスとした継手がある。
しかしこの継手には2つの問題がある。1つはこの継手
はクロスピンの軸部とヨーク側のセラミックリングを予
め組み立てておく必要がある、即ちサポートロール3と
中間伝導軸5を予め組み立てておく必要が生ずることに
なる。十字ピン継手であればロールは事前にメッキ浴上
に設置し、その後中間伝導軸5に装着した十字ピン継手
6を挿入すれば容易に噛み合わせることができる。しか
しこのタイプの継手では、ロールと中間伝導軸を組み立
てて一緒になった状態でラインへの設置及び取り外しを
行わなければならず、極めて使い勝手の悪いものとなっ
てしまう。2つ目は部材の材質を上記としているが、そ
の後実際に種々セラミックス、サーメット、合金の組み
合わせで継手を構成し、溶融亜鉛中で回転試験を行った
結果、トルクを伝達する噛み合い部分においてはセラミ
ックスあるいはサーメットの中でもある限られた範囲の
材料及び組み合わせがより良好な性能を発揮することを
発明者等は解明した。そういう意味でも、この継手は欠
点を抱えている。
【0006】別の対策として、当該溶融亜鉛中自在軸継
手を、図11の十字ピン継手のうち2本をなくして、残
り2本の爪が180°間隔で正反対に張り出した形の2
本ピン継手とし、一方溶融亜鉛浴外の自在軸継手をクロ
スピン型継手として、その爪の位相を溶融亜鉛中の継手
と合わせて、不等速性をキャンセルして、2個の継手ト
ータルで等速性を向上させる方法が知られている。しか
し、この方法によってもやはり噛み合いトルク伝達部の
早期腐食摩耗は変わらないため、効果を発揮するのは初
期の数日間のみ、という結果となる。
手を、図11の十字ピン継手のうち2本をなくして、残
り2本の爪が180°間隔で正反対に張り出した形の2
本ピン継手とし、一方溶融亜鉛浴外の自在軸継手をクロ
スピン型継手として、その爪の位相を溶融亜鉛中の継手
と合わせて、不等速性をキャンセルして、2個の継手ト
ータルで等速性を向上させる方法が知られている。しか
し、この方法によってもやはり噛み合いトルク伝達部の
早期腐食摩耗は変わらないため、効果を発揮するのは初
期の数日間のみ、という結果となる。
【0007】更に別の対策として、特開平4−3548
58号公報に提示された継手があり、それは単独で使用
した場合でも、前記浴中2本ピン〜浴外クロスピンの組
み合わせより更に等速性の良いボールジョイントまたは
トリノブ型ジョイントを使い、その構成部材の材質は全
体をCr−Mo系超強靭鋼またはセラミックスの何れか
とするものである。
58号公報に提示された継手があり、それは単独で使用
した場合でも、前記浴中2本ピン〜浴外クロスピンの組
み合わせより更に等速性の良いボールジョイントまたは
トリノブ型ジョイントを使い、その構成部材の材質は全
体をCr−Mo系超強靭鋼またはセラミックスの何れか
とするものである。
【0008】前者の構造は、即ちボールジョイントは溶
融亜鉛中では実用には耐えない。何故なら内外輪・ボー
ル・保持器の全てをセラミックスで作った場合に、形状
の複雑さによる切り欠き効果あるいは転動面へのドロス
と呼ばれる溶融亜鉛中の金属間化合物の噛み込み等によ
り極く短期にセラミックスが割損する。一方、ボールの
みをセラミックスとして他を前記特殊鋼とした場合には
ボール〜内外輪が点接触で面圧が高いため、短期に内外
輪が腐食・摩耗しボールが飛び出してしまう等で使用で
きなくなる。
融亜鉛中では実用には耐えない。何故なら内外輪・ボー
ル・保持器の全てをセラミックスで作った場合に、形状
の複雑さによる切り欠き効果あるいは転動面へのドロス
と呼ばれる溶融亜鉛中の金属間化合物の噛み込み等によ
り極く短期にセラミックスが割損する。一方、ボールの
みをセラミックスとして他を前記特殊鋼とした場合には
ボール〜内外輪が点接触で面圧が高いため、短期に内外
輪が腐食・摩耗しボールが飛び出してしまう等で使用で
きなくなる。
【0009】後者の構造即ちトリノブ型ジョイントは構
造的にシンプルで実用的であるが、トリノブ即ち爪及び
外筒全体をセラミックスで作ることは形状の複雑さから
やはり容易に割損してしまう。またもし形状を改善し割
損をある程度抑制できたとしても、製作コストは極めて
高価なものとなり現実的ではない。一方全体を特殊鋼に
した場合は、発明者等が実際に溶融亜鉛メッキラインで
使用してみた結果、10日間でトルク伝達噛み合い部分
が両側トータルで7mmも摩耗してしまった。やはり、溶
融亜鉛中という過酷環境下で機械的接触摺動を受ける部
分に対しては、鋼の世界の材料では耐食・耐摩耗性が不
十分で短期の寿命しか期待できず不十分である。
造的にシンプルで実用的であるが、トリノブ即ち爪及び
外筒全体をセラミックスで作ることは形状の複雑さから
やはり容易に割損してしまう。またもし形状を改善し割
損をある程度抑制できたとしても、製作コストは極めて
高価なものとなり現実的ではない。一方全体を特殊鋼に
した場合は、発明者等が実際に溶融亜鉛メッキラインで
使用してみた結果、10日間でトルク伝達噛み合い部分
が両側トータルで7mmも摩耗してしまった。やはり、溶
融亜鉛中という過酷環境下で機械的接触摺動を受ける部
分に対しては、鋼の世界の材料では耐食・耐摩耗性が不
十分で短期の寿命しか期待できず不十分である。
【0010】一方、一般に溶融亜鉛中の機器の機械的接
触運動をしていない部分には、ドロス巻きと呼ばれる溶
融亜鉛中に固相状態で存在するFe−Al,Fe−Zn
等の金属間化合物が数mm厚みオーダーに固着成長する現
象がある。従って、従来の継手の使用可能期間である2
週間程度という期間を大幅に超え、長期にわたって連続
使用しようとしたとき、噛み合いの接触摺動部分以外、
特に爪〜溝の噛み合い部分における爪の手前側及び溝の
先端部にドロス付着が起こると、ラインを休止して爪を
外そうとしたとき、ドロス付着部で引っ掛かって外れな
い、という事態になる。即ちこのドロス巻きが更に別の
課題となってくる。
触運動をしていない部分には、ドロス巻きと呼ばれる溶
融亜鉛中に固相状態で存在するFe−Al,Fe−Zn
等の金属間化合物が数mm厚みオーダーに固着成長する現
象がある。従って、従来の継手の使用可能期間である2
週間程度という期間を大幅に超え、長期にわたって連続
使用しようとしたとき、噛み合いの接触摺動部分以外、
特に爪〜溝の噛み合い部分における爪の手前側及び溝の
先端部にドロス付着が起こると、ラインを休止して爪を
外そうとしたとき、ドロス付着部で引っ掛かって外れな
い、という事態になる。即ちこのドロス巻きが更に別の
課題となってくる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の欠点を解
消すべく提案するもので、必要部に十分な耐食・耐摩耗
性及び耐ドロス付着性を付与するために、(1)一方の
軸の軸端に等間隔で放射状に張り出された複数個の爪が
固定され、この軸端と噛み合わされる相手軸端に前記の
爪が入る複数個の溝を有する外筒が固定された形のクラ
ッチ方式の自在軸継手において、該自在継手本体を合金
として、該爪及び溝のトルクを伝達する噛み合い部分及
び両軸の中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛
み合い部分のみを必要な厚みだけセラミックス・サーメ
ット・耐食耐摩耗合金の何れかにしたことを特徴とする
溶融金属中自在軸継手、(2)前記(1)項記載の継手
の爪及び溝の個数を3個とした溶融金属中自在軸継手、
(3)前記(1)又は(2)項記載の継手のセラミック
ス・サーメット・耐食耐摩耗合金の何れかとした部分以
外の部分を、セラミックス・サーメット・耐食耐摩耗合
金の何れか1種または2種以上で積層被覆したことを特
徴とする溶融金属中自在軸継手、(4)前記(1)〜
(3)項の何れか1項記載の継手の本体材質をステンレ
スまたはステライト系合金としたことを特徴とする溶融
金属中自在軸継手、(5)前記(1)〜(4)項の何れ
か1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の
中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部
分のみに使用するセラミックスの材質を、サイアロン系
または窒化珪素系としたことを特徴とする溶融金属中自
在軸継手、(6)前記(1)〜(4)項の何れか1項記
載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心継手
側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分のみに
使用するサーメットの材質をWC・Cr3 C2 ・TiC
・NbC等の炭化物の何れか1種以上を含有するものと
したことを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(7)前
記(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝
達噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、ある
いはトルク伝達噛み合い部分のみに使用する耐食耐摩耗
合金の材質を、ステライトまたはCo基自溶性合金とし
たことを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(8)前記
(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝達
噛み合い部分の両者のそれぞれの材質をセラミックスと
サーメットの組み合わせとしたことを特徴とする溶融金
属中自在軸継手、(9)前記(3)項記載の継手の被覆
材をCr2 O3 系セラミックス・Co基自溶性合金・W
C系サーメット・MoC系サーメット・ステライト系合
金の何れか1種または2種以上を積層したものであるこ
とを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(10)前記
(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝達
噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、あるい
はトルク伝達噛み合い部分のみに使用するセラミックス
・サーメット・耐食耐摩耗合金を、焼結または溶製にて
ライナー形状に加工し、当該ライナーをボルト等により
継手本体に機械的に固定したことを特徴とする溶融金属
中自在軸継手、(11)前記(1)〜(4)項の何れか
1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、溶
接肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする溶融金
属中自在軸継手、(12)前記(1)〜(4)項の何れ
か1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の
中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部
分のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、
溶射肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする溶融
金属中自在軸継手、(13)前記(1)〜(4)項の何
れか1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸
の中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い
部分のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金
を、粉末HIP肉盛にて継手本体に形成したことを特徴
とする溶融金属中自在軸継手、(14)前記(3)項記
載の継手のセラミックス被覆材は、CrO3 を主成分と
するクロム酸塩または無水クロム酸を塗布または浸漬に
て付着させた後、500℃以上に加熱して1〜15μm
のCr2 O3 を主成分とする被膜を形成させたものであ
ることを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(15)前
記(3)項記載の継手のサーメットまたは耐食耐摩耗合
金被覆材を、溶射肉盛にて継手本体に形成したことを特
徴とする溶融金属中自在軸継手、(16)前記(8)項
記載の継手のトルク伝達噛み合い部分のセラミックスと
サーメットの組合わせにおいて、互いの硬度差をHvで
30以上としたことを特徴とする溶融金属中自在軸継
手、を要旨とする。
消すべく提案するもので、必要部に十分な耐食・耐摩耗
性及び耐ドロス付着性を付与するために、(1)一方の
軸の軸端に等間隔で放射状に張り出された複数個の爪が
固定され、この軸端と噛み合わされる相手軸端に前記の
爪が入る複数個の溝を有する外筒が固定された形のクラ
ッチ方式の自在軸継手において、該自在継手本体を合金
として、該爪及び溝のトルクを伝達する噛み合い部分及
び両軸の中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛
み合い部分のみを必要な厚みだけセラミックス・サーメ
ット・耐食耐摩耗合金の何れかにしたことを特徴とする
溶融金属中自在軸継手、(2)前記(1)項記載の継手
の爪及び溝の個数を3個とした溶融金属中自在軸継手、
(3)前記(1)又は(2)項記載の継手のセラミック
ス・サーメット・耐食耐摩耗合金の何れかとした部分以
外の部分を、セラミックス・サーメット・耐食耐摩耗合
金の何れか1種または2種以上で積層被覆したことを特
徴とする溶融金属中自在軸継手、(4)前記(1)〜
(3)項の何れか1項記載の継手の本体材質をステンレ
スまたはステライト系合金としたことを特徴とする溶融
金属中自在軸継手、(5)前記(1)〜(4)項の何れ
か1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の
中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部
分のみに使用するセラミックスの材質を、サイアロン系
または窒化珪素系としたことを特徴とする溶融金属中自
在軸継手、(6)前記(1)〜(4)項の何れか1項記
載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心継手
側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分のみに
使用するサーメットの材質をWC・Cr3 C2 ・TiC
・NbC等の炭化物の何れか1種以上を含有するものと
したことを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(7)前
記(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝
達噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、ある
いはトルク伝達噛み合い部分のみに使用する耐食耐摩耗
合金の材質を、ステライトまたはCo基自溶性合金とし
たことを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(8)前記
(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝達
噛み合い部分の両者のそれぞれの材質をセラミックスと
サーメットの組み合わせとしたことを特徴とする溶融金
属中自在軸継手、(9)前記(3)項記載の継手の被覆
材をCr2 O3 系セラミックス・Co基自溶性合金・W
C系サーメット・MoC系サーメット・ステライト系合
金の何れか1種または2種以上を積層したものであるこ
とを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(10)前記
(1)〜(4)項の何れか1項記載の継手のトルク伝達
噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触部、あるい
はトルク伝達噛み合い部分のみに使用するセラミックス
・サーメット・耐食耐摩耗合金を、焼結または溶製にて
ライナー形状に加工し、当該ライナーをボルト等により
継手本体に機械的に固定したことを特徴とする溶融金属
中自在軸継手、(11)前記(1)〜(4)項の何れか
1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、溶
接肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする溶融金
属中自在軸継手、(12)前記(1)〜(4)項の何れ
か1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸の
中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部
分のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、
溶射肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする溶融
金属中自在軸継手、(13)前記(1)〜(4)項の何
れか1項記載の継手のトルク伝達噛み合い部分及び両軸
の中心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い
部分のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金
を、粉末HIP肉盛にて継手本体に形成したことを特徴
とする溶融金属中自在軸継手、(14)前記(3)項記
載の継手のセラミックス被覆材は、CrO3 を主成分と
するクロム酸塩または無水クロム酸を塗布または浸漬に
て付着させた後、500℃以上に加熱して1〜15μm
のCr2 O3 を主成分とする被膜を形成させたものであ
ることを特徴とする溶融金属中自在軸継手、(15)前
記(3)項記載の継手のサーメットまたは耐食耐摩耗合
金被覆材を、溶射肉盛にて継手本体に形成したことを特
徴とする溶融金属中自在軸継手、(16)前記(8)項
記載の継手のトルク伝達噛み合い部分のセラミックスと
サーメットの組合わせにおいて、互いの硬度差をHvで
30以上としたことを特徴とする溶融金属中自在軸継
手、を要旨とする。
【0012】
【作用】以下本発明の作用を図1を基に説明する。継手
本体を合金製として靭性を確保し、機械的な摺動抵抗に
よる摩耗作用を受ける爪9及び外筒10,10間に形成
される溝のトルクを伝達する部分A−1・A−2及び両
軸の継手側中心端面接触部B−1・B−2、あるいはA
−1・A−2部のみを高硬度・難亜鉛反応材料として耐
摩耗性を確保し、前記部分以外を難ドロス付着性材料で
被覆する。こうすることにより、継手全体として耐割損
性、耐摩耗性に極めて優れ長期にわたって良好な等速性
を維持し、かつロール取替え時の継手着脱にも全く支障
を来さない溶融亜鉛中自在継手が実現できる。
本体を合金製として靭性を確保し、機械的な摺動抵抗に
よる摩耗作用を受ける爪9及び外筒10,10間に形成
される溝のトルクを伝達する部分A−1・A−2及び両
軸の継手側中心端面接触部B−1・B−2、あるいはA
−1・A−2部のみを高硬度・難亜鉛反応材料として耐
摩耗性を確保し、前記部分以外を難ドロス付着性材料で
被覆する。こうすることにより、継手全体として耐割損
性、耐摩耗性に極めて優れ長期にわたって良好な等速性
を維持し、かつロール取替え時の継手着脱にも全く支障
を来さない溶融亜鉛中自在継手が実現できる。
【0013】
【実施例】本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
発明者らは、先ず噛み合いトルク伝達部の材質を決定す
るために、当該継手の性能を確性できる1/3モデル溶
融亜鉛中実験装置を作成し、噛み合いトルク伝達部分の
両者の材質を種々変えて試験を行った。その結果を表1
に示す。表中に示すそれぞれの値は、左上が24Hr回転
試験後の噛み合い部分の両側トータルの摩耗量(mm)
を、右下が継手を回転させるために必要としたトルクの
安定状態の大きさを表し、歪みゲージにより測定換算し
たトルクの値(kgf・m)を、サイアロンとサイアロンの
組み合わせの場合のトルク値を1.0とおいて他の材質
の組み合わせの場合の測定値をサイアロンとサイアロン
の組み合わせの場合の値との比率で表したものである。
従ってこの回転トルクの比が1.0より小さい程、噛み
合い摺動負荷即ち摩擦抵抗が小さく良好な訳である。
発明者らは、先ず噛み合いトルク伝達部の材質を決定す
るために、当該継手の性能を確性できる1/3モデル溶
融亜鉛中実験装置を作成し、噛み合いトルク伝達部分の
両者の材質を種々変えて試験を行った。その結果を表1
に示す。表中に示すそれぞれの値は、左上が24Hr回転
試験後の噛み合い部分の両側トータルの摩耗量(mm)
を、右下が継手を回転させるために必要としたトルクの
安定状態の大きさを表し、歪みゲージにより測定換算し
たトルクの値(kgf・m)を、サイアロンとサイアロンの
組み合わせの場合のトルク値を1.0とおいて他の材質
の組み合わせの場合の測定値をサイアロンとサイアロン
の組み合わせの場合の値との比率で表したものである。
従ってこの回転トルクの比が1.0より小さい程、噛み
合い摺動負荷即ち摩擦抵抗が小さく良好な訳である。
【0014】この回転試験結果より、摩耗が少なく、か
つ回転のために必要なトルク即ち摩擦抵抗が少ない組み
合わせが、サイアロンまたは窒化珪素と炭化物サーメッ
ト、特にWC−Coであることを確認した。当該継手は
ある角度をもって交差しているため、1回転する中で絶
えず噛み合いの接触部が移動する。従ってミクロな塑性
変形も期待できないセラミックス同士の組み合わせで
は、馴じみが出ないまま回転を続けるので摩耗が比較的
多くなることが分かった。また、前記馴じみの悪さとセ
ラミックスの組織・化学的性質上からくる相性の悪さの
ため、トルクも比較的大きく運転上好ましくない。
つ回転のために必要なトルク即ち摩擦抵抗が少ない組み
合わせが、サイアロンまたは窒化珪素と炭化物サーメッ
ト、特にWC−Coであることを確認した。当該継手は
ある角度をもって交差しているため、1回転する中で絶
えず噛み合いの接触部が移動する。従ってミクロな塑性
変形も期待できないセラミックス同士の組み合わせで
は、馴じみが出ないまま回転を続けるので摩耗が比較的
多くなることが分かった。また、前記馴じみの悪さとセ
ラミックスの組織・化学的性質上からくる相性の悪さの
ため、トルクも比較的大きく運転上好ましくない。
【0015】発明者等は、サイアロンと窒化珪素が組成
的に類似であり、同様のトライボロジー特性を示すこと
を別の試験で確認しており、窒化珪素もサイアロンと性
能上同じ位置付けとして良い。尚、サイアロン・窒化珪
素は構造用セラミックスの中では最も熱衝撃に強く、約
500℃の溶融亜鉛中への浸漬・引揚げに際する割れの
心配がない。更に機械的靭性も高レベルであり、回転中
の振動・衝撃による割れの懸念も小さくこの点でも好ま
しい。
的に類似であり、同様のトライボロジー特性を示すこと
を別の試験で確認しており、窒化珪素もサイアロンと性
能上同じ位置付けとして良い。尚、サイアロン・窒化珪
素は構造用セラミックスの中では最も熱衝撃に強く、約
500℃の溶融亜鉛中への浸漬・引揚げに際する割れの
心配がない。更に機械的靭性も高レベルであり、回転中
の振動・衝撃による割れの懸念も小さくこの点でも好ま
しい。
【0016】尚、サイアロン〜合金の組み合わせではト
ルクは小さいものの、合金の硬度の低さのために摩耗が
多く好ましいとはいえない。
ルクは小さいものの、合金の硬度の低さのために摩耗が
多く好ましいとはいえない。
【0017】WC−CoはCo含有量のコントロール他
によって硬度がHv900程度からHv1700程度ま
でのものが存在する。そこで、サイアロン・窒化珪素の
代表としてサイアロンを選び、種々硬度の異なるWC−
Coと組み合わせて、回転試験を実施してみた。その結
果を図8に示す。これより全体として見れば、WC−C
oの硬度がサイアロンより高い場合でも低い場合でもト
ルクは安定しており、両者のトータル摩耗量は硬度差が
大きくなるに従い多くなる。しかし、両者の硬度差が小
さい領域で摩耗が多くかつトルクも高い不安定域が存在
し、その硬度差はΔHv30以内であることを解明し
た。
によって硬度がHv900程度からHv1700程度ま
でのものが存在する。そこで、サイアロン・窒化珪素の
代表としてサイアロンを選び、種々硬度の異なるWC−
Coと組み合わせて、回転試験を実施してみた。その結
果を図8に示す。これより全体として見れば、WC−C
oの硬度がサイアロンより高い場合でも低い場合でもト
ルクは安定しており、両者のトータル摩耗量は硬度差が
大きくなるに従い多くなる。しかし、両者の硬度差が小
さい領域で摩耗が多くかつトルクも高い不安定域が存在
し、その硬度差はΔHv30以内であることを解明し
た。
【0018】酸化物セラミックスと炭化物サーメットの
組み合わせの場合には、サーメットのメタル部がミクロ
な塑性変形を許容すること及び酸化物セラミックスと炭
化物とのトライボロジー的相性の良さとから、高硬度材
同士の組み合わせでも良好な回転特性を示すが、やはり
硬度が接近してくると前述のセラミックス同士の相性の
悪さと同様の現象が出てくるものと考えられる。
組み合わせの場合には、サーメットのメタル部がミクロ
な塑性変形を許容すること及び酸化物セラミックスと炭
化物とのトライボロジー的相性の良さとから、高硬度材
同士の組み合わせでも良好な回転特性を示すが、やはり
硬度が接近してくると前述のセラミックス同士の相性の
悪さと同様の現象が出てくるものと考えられる。
【0019】サイアロンを窒化珪素に代えた場合でもほ
ぼ同じ結果になることは明らかであり、従ってサイアロ
ンまたは窒化珪素とWC−Co材の組み合わせにおい
て、両者の硬度がその差ΔHv30以上の範囲でより接
近する組み合わせを選定すれば、最適なものとすること
ができることになる。尚、サイアロンあるいは窒化珪素
と他の炭化物サーメットとの組み合わせでも、WC−C
oに準ずる良好な効果が得られるが、この場合でも上述
の程度の適度な硬度差はつけた方が良い。
ぼ同じ結果になることは明らかであり、従ってサイアロ
ンまたは窒化珪素とWC−Co材の組み合わせにおい
て、両者の硬度がその差ΔHv30以上の範囲でより接
近する組み合わせを選定すれば、最適なものとすること
ができることになる。尚、サイアロンあるいは窒化珪素
と他の炭化物サーメットとの組み合わせでも、WC−C
oに準ずる良好な効果が得られるが、この場合でも上述
の程度の適度な硬度差はつけた方が良い。
【0020】
【表1】
【0021】以下に本発明の具体的実施例について図1
〜図3を基に述べる。継手本体の爪側軸8及び外筒10
の材質をSUS410として継手の爪9及び溝即ちトル
ク伝達噛み合い部分A−1,A−2には、爪側部分に硬
度Hv1300のWC−Co製ライナー12を継手本体
に加工したあり溝に装着して、SUS410製エンドプ
レート16で押さえ、SUS410製ボルト17で固定
した。一方、外筒の溝側部分には高硬度ライナー13と
して硬度Hv1350のサイアロンを同じ要領で固定し
た。図示の例では実用上最も好ましい態様として、爪及
び溝の個数は3個とした。
〜図3を基に述べる。継手本体の爪側軸8及び外筒10
の材質をSUS410として継手の爪9及び溝即ちトル
ク伝達噛み合い部分A−1,A−2には、爪側部分に硬
度Hv1300のWC−Co製ライナー12を継手本体
に加工したあり溝に装着して、SUS410製エンドプ
レート16で押さえ、SUS410製ボルト17で固定
した。一方、外筒の溝側部分には高硬度ライナー13と
して硬度Hv1350のサイアロンを同じ要領で固定し
た。図示の例では実用上最も好ましい態様として、爪及
び溝の個数は3個とした。
【0022】尚、爪側のライナーは図3の12−2の如
き形状にして、ボルトで本体に固定しても良い。この場
合継手本体をSUS410としたので、それにねじ込む
ボルト17は継手本体の爪側軸8のネジ穴との熱膨張マ
ッチング性の点から同材質の方が良いが、WC−Coと
SUS410では前者の熱膨張係数が小さいので、溶融
亜鉛浴中でボルト首下に隙間ができることになる。そこ
でこの場合には、SUS420J1材等焼きが良く入る
耐食材料でバネ座金18を製作し装着した方が良い。ま
た、継手本体の材質をポピュラーなステンレスであるオ
ーステナイト系にせずマルテンサイト系のSUS410
にしたのは当該材の方が熱膨張係数が小さく、より低熱
膨張係数材であるサーメットあるいはセラミックスとの
適合性の点で有利だからである。勿論継手本体をステラ
イト系の更に耐食性の良い合金にしても良いが、SUS
410よりは熱膨張係数が大きくなってしまうのと、製
造コストも高くなるので、状況に応じて選定すれば良
い。
き形状にして、ボルトで本体に固定しても良い。この場
合継手本体をSUS410としたので、それにねじ込む
ボルト17は継手本体の爪側軸8のネジ穴との熱膨張マ
ッチング性の点から同材質の方が良いが、WC−Coと
SUS410では前者の熱膨張係数が小さいので、溶融
亜鉛浴中でボルト首下に隙間ができることになる。そこ
でこの場合には、SUS420J1材等焼きが良く入る
耐食材料でバネ座金18を製作し装着した方が良い。ま
た、継手本体の材質をポピュラーなステンレスであるオ
ーステナイト系にせずマルテンサイト系のSUS410
にしたのは当該材の方が熱膨張係数が小さく、より低熱
膨張係数材であるサーメットあるいはセラミックスとの
適合性の点で有利だからである。勿論継手本体をステラ
イト系の更に耐食性の良い合金にしても良いが、SUS
410よりは熱膨張係数が大きくなってしまうのと、製
造コストも高くなるので、状況に応じて選定すれば良
い。
【0023】ライナーとしてセラミックスを使うと、例
えばサイアロンの熱膨張係数が約3×10-6/℃、SU
S410が11×10-6/℃程度であるため、それでも
溶融亜鉛中で嵌合部に隙間ができる。この隙間に入り込
んだ亜鉛は継手を引き揚げたとき抜け切ることはなく隙
間内で固化するためセラミックスを押し出す力となり、
割損の原因となる。従って、ロールの組替え即ち継手の
引き揚げ再浸漬が頻繁にある場合には、セラミックスの
強度を確保するためにできるだけ厚みを増す一方、平面
寸法を小さくした方が良い。トルクが小さく摩耗条件が
緩やかなときは、両側をサーメット同士あるいはサーメ
ット〜高硬度合金の組み合わせとしても良いのはいうま
でもなく、そうすることで割損の心配は全くなくなる。
えばサイアロンの熱膨張係数が約3×10-6/℃、SU
S410が11×10-6/℃程度であるため、それでも
溶融亜鉛中で嵌合部に隙間ができる。この隙間に入り込
んだ亜鉛は継手を引き揚げたとき抜け切ることはなく隙
間内で固化するためセラミックスを押し出す力となり、
割損の原因となる。従って、ロールの組替え即ち継手の
引き揚げ再浸漬が頻繁にある場合には、セラミックスの
強度を確保するためにできるだけ厚みを増す一方、平面
寸法を小さくした方が良い。トルクが小さく摩耗条件が
緩やかなときは、両側をサーメット同士あるいはサーメ
ット〜高硬度合金の組み合わせとしても良いのはいうま
でもなく、そうすることで割損の心配は全くなくなる。
【0024】トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心継
手側端面接触部に溶接・溶射肉盛あるいはHIPでサー
メットまたは高硬度合金層を形成する場合はSUS41
0が高温からの冷却時にマルテンサイト変態を起こし割
れ感受性が高いので、フェライト・オーステナイト2層
ステンレスであるSUS430J2を本体材とすれば、
肉盛後冷却途上での割れの心配がなくなり、より良好な
結果が得られる。
手側端面接触部に溶接・溶射肉盛あるいはHIPでサー
メットまたは高硬度合金層を形成する場合はSUS41
0が高温からの冷却時にマルテンサイト変態を起こし割
れ感受性が高いので、フェライト・オーステナイト2層
ステンレスであるSUS430J2を本体材とすれば、
肉盛後冷却途上での割れの心配がなくなり、より良好な
結果が得られる。
【0025】両軸の中心継手側端面接触部B−1,B−
2は、それほど面圧が高くなく耐摩耗性及び摩擦抵抗の
低さはトルク伝達噛み合い部分ほどには要求されないの
で、両側共ステライトNo.1材を厚さ5mmのライナー1
4,15にしてボルトで本体に取り付けた。尚、当該部
はCo基自溶性合金溶射を1.5mm程度形成することで
も同等の効果が得られる。勿論、他の高硬度セラミック
ス同士、サーメット同士、あるいはセラミックス・サー
メット・合金のうちの2種の適切な組み合わせでも良
い。
2は、それほど面圧が高くなく耐摩耗性及び摩擦抵抗の
低さはトルク伝達噛み合い部分ほどには要求されないの
で、両側共ステライトNo.1材を厚さ5mmのライナー1
4,15にしてボルトで本体に取り付けた。尚、当該部
はCo基自溶性合金溶射を1.5mm程度形成することで
も同等の効果が得られる。勿論、他の高硬度セラミック
ス同士、サーメット同士、あるいはセラミックス・サー
メット・合金のうちの2種の適切な組み合わせでも良
い。
【0026】トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心継
手側端面接触部以外の部分に対しては、ドロス付着防止
被覆材として、また浸食防止も兼ねて、上記セラミック
ス・サーメット・合金のライナーを取り付けた後、WC
−12Co材をHVOF溶射ガンにより、エンドプレー
ト・ボルト頭を含め、トルク伝達噛み合い部分及び両軸
の中心継手側端面接触部以外の部分全面に対し、0.0
5〜0.08mmの厚みの被覆を実施した。その後更に、
継手全体をCrO3 を主成分とするクロム酸に浸漬して
付着させた後520℃に加熱して、0.01mm厚みの実
質Cr2 O3 セラミックスの薄膜を形成させ2層被覆と
した。尚上記溶射材の代わりにMoC系サーメットまた
はステライト系合金を用いても良い。継手の組立・解体
の際にぶつけたりすることが多く、溶射被膜の剥離が懸
念されるときは、より密着力の高いCo基自溶性合金溶
射としても構わない。更に、上記のCr2 O3 系セラミ
ックス・Co基自溶性合金・WC系サーメット・MoC
系サーメット・ステライト系合金の何れか1種または2
種以上を適切に積層することにより、効果は万全とな
る。
手側端面接触部以外の部分に対しては、ドロス付着防止
被覆材として、また浸食防止も兼ねて、上記セラミック
ス・サーメット・合金のライナーを取り付けた後、WC
−12Co材をHVOF溶射ガンにより、エンドプレー
ト・ボルト頭を含め、トルク伝達噛み合い部分及び両軸
の中心継手側端面接触部以外の部分全面に対し、0.0
5〜0.08mmの厚みの被覆を実施した。その後更に、
継手全体をCrO3 を主成分とするクロム酸に浸漬して
付着させた後520℃に加熱して、0.01mm厚みの実
質Cr2 O3 セラミックスの薄膜を形成させ2層被覆と
した。尚上記溶射材の代わりにMoC系サーメットまた
はステライト系合金を用いても良い。継手の組立・解体
の際にぶつけたりすることが多く、溶射被膜の剥離が懸
念されるときは、より密着力の高いCo基自溶性合金溶
射としても構わない。更に、上記のCr2 O3 系セラミ
ックス・Co基自溶性合金・WC系サーメット・MoC
系サーメット・ステライト系合金の何れか1種または2
種以上を適切に積層することにより、効果は万全とな
る。
【0027】この自在軸継手を連続溶融亜鉛メッキの実
ラインで使用したところ、鋼板のチャタマークが極低レ
ベルの状態で6か月間の連続使用ができた。
ラインで使用したところ、鋼板のチャタマークが極低レ
ベルの状態で6か月間の連続使用ができた。
【0028】尚、図4は本発明の別の実施例を示す斜視
図で、2本爪方式の長寿命等速自在継手を示すものであ
り、図5は図4のa−aにおける断面図、図6は図4の
b−bにおける断面図、図7は図6のc−cにおける断
面図である。図4〜7において、図1〜3と同じ符号は
何れも同種の部材及び材質のものを示している。
図で、2本爪方式の長寿命等速自在継手を示すものであ
り、図5は図4のa−aにおける断面図、図6は図4の
b−bにおける断面図、図7は図6のc−cにおける断
面図である。図4〜7において、図1〜3と同じ符号は
何れも同種の部材及び材質のものを示している。
【0029】
【発明の効果】本発明の継手を採用することにより、従
来の不等速型の十字ピン継手で問題となっていた鋼板表
面のチャタマークが大幅に軽減された。また継手の寿命
も大きく延ばすことができ連続6か月の使用が可能とな
った。
来の不等速型の十字ピン継手で問題となっていた鋼板表
面のチャタマークが大幅に軽減された。また継手の寿命
も大きく延ばすことができ連続6か月の使用が可能とな
った。
【図1】本発明の自在軸継手の構成を示す立体図。
【図2】図1のイ−イ断面図。
【図3】爪の先端部のみを取り出して別の高硬度ライナ
ーを取り付ける方法を示した図。
ーを取り付ける方法を示した図。
【図4】本発明の別の実施例を示す斜視図。
【図5】図4のa−a断面図。
【図6】図4のb−b断面図。
【図7】図6のc−c断面図。
【図8】トルク伝達噛み合い部分におけるサイアロンと
WC−Coの組み合わせにおいて、1/3モデル実験装
置を使ってWC−Coの硬度を変化させて回転試験を行
い摩耗量とトルクを調べた結果を表すグラフ。
WC−Coの組み合わせにおいて、1/3モデル実験装
置を使ってWC−Coの硬度を変化させて回転試験を行
い摩耗量とトルクを調べた結果を表すグラフ。
【図9】連続溶融亜鉛メッキ装置の構成を説明する概略
側面図。
側面図。
【図10】サポートロールの構成を示す正面図。
【図11】従来の十字ピン継手を示す立体図。
1 被メッキ鋼板 2 溶融亜鉛メッキ浴 3 サポートロール 4 溶融亜鉛中自在軸継手 5 中間伝導軸 6 十字ピン 7 十字溝スリーブ 8 継手の爪側軸 9 継手の爪 10 継手の外筒 11 継手の外筒側のトルク伝達噛み合い部分 12 継手の爪側のトルク伝達噛み合い部分に取り付け
た高硬度ライナー 13 継手の外筒側のトルク伝達噛み合い部分に取り付
け高硬度ライナー 14 継手の爪側の中心端面接触部に取り付けた高硬度
ライナー 15 継手の外筒側の中心端面接触部に取り付けた高硬
度ライナー 16 継手のエンドプレート 17 継手のボルト 18 継手のバネ座金
た高硬度ライナー 13 継手の外筒側のトルク伝達噛み合い部分に取り付
け高硬度ライナー 14 継手の爪側の中心端面接触部に取り付けた高硬度
ライナー 15 継手の外筒側の中心端面接触部に取り付けた高硬
度ライナー 16 継手のエンドプレート 17 継手のボルト 18 継手のバネ座金
Claims (16)
- 【請求項1】 一方の軸の軸端に等間隔で放射状に張り
出された複数個の爪が固定され、この軸端と噛み合わさ
れる相手軸の軸端に前記の爪が入る複数個の溝を有する
外筒が固定された形のクラッチ方式の自在軸継手におい
て、該自在継手本体を合金として、該爪及び溝のトルク
を伝達する噛み合い部分及び両軸の中心継手側端面接触
部、あるいはトルク伝達噛み合い部分のみを必要な厚み
だけセラミックス・サーメット・耐食耐摩耗合金の何れ
かにしたことを特徴とする溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項2】 爪及び溝の個数を3個とした請求項1記
載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項3】 セラミックス・サーメット・耐食耐摩耗
合金の何れかにした部分以外の部分を、セラミックス・
サーメット・耐食耐摩耗合金の何れか1種または2種以
上で積層被覆したことを特徴とする請求項1または2記
載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項4】 本体材質をステンレスまたはステライト
系合金としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1
項記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項5】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心
継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分の
みに使用するセラミックスの材質を、サイアロン系また
は窒化珪素系としたことを特徴とする請求項1〜4の何
れか1項記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項6】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心
継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分の
みに使用するサーメットの材質をWC・Cr3 C2 ・T
iC・NbC等の炭化物の何れか1種以上を含有するも
のとしたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記
載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項7】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中心
継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分の
みに使用する耐食耐摩耗合金の材質を、ステライトまた
はCo基自溶性合金としたことを特徴とする請求項1〜
4の何れか1項記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項8】 トルク伝達噛み合い部分の両者のそれぞ
れの材質をセラミックスとサーメットの組み合わせとし
たことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の溶
融金属中自在軸継手。 - 【請求項9】 被覆材をCr2 O3 系セラミックス・C
o基自溶性合金・WC系サーメット・MoC系サーメッ
ト・ステライト系合金の何れか1種または2種以上を積
層したものであることを特徴とする請求項3記載の溶融
金属中自在軸継手。 - 【請求項10】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するセラミックス・サーメット・耐食耐摩耗
合金を、焼結または溶製にてライナー形状に加工し、当
該ライナーをボルト等により継手本体に機械的に固定し
たことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の溶
融金属中自在軸継手。 - 【請求項11】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、溶
接肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする請求項
1〜4の何れか1項記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項12】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、溶
射肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする請求項
1〜4の何れか1項記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項13】 トルク伝達噛み合い部分及び両軸の中
心継手側端面接触部、あるいはトルク伝達噛み合い部分
のみに使用するサーメットまたは耐食耐摩耗合金を、粉
末HIP肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とする
請求項1〜4の何れか1項記載の溶融金属中自在軸継
手。 - 【請求項14】 セラミックス被覆材は、CrO3 を主
成分とするクロム酸塩または無水クロム酸を塗布または
浸漬にて付着させた後、500℃以上に加熱して1〜1
5μmのCr2 O3 を主成分とする被膜を形成させたも
のであることを特徴とする請求項3記載の溶融金属中自
在軸継手。 - 【請求項15】 サーメットまたは耐食耐摩耗合金被覆
材を、溶射肉盛にて継手本体に形成したことを特徴とす
る請求項3記載の溶融金属中自在軸継手。 - 【請求項16】 トルク伝達噛み合い部分のセラミック
スとサーメットの組み合わせにおいて、互いの硬度差を
Hvで30以上としたことを特徴とする請求項8記載の
溶融金属中自在軸継手。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29045893A JPH07138722A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融金属中自在軸継手 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29045893A JPH07138722A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融金属中自在軸継手 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07138722A true JPH07138722A (ja) | 1995-05-30 |
Family
ID=17756285
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29045893A Pending JPH07138722A (ja) | 1993-11-19 | 1993-11-19 | 溶融金属中自在軸継手 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07138722A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004331995A (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-25 | Jfe Steel Kk | 溶融金属めっき浴浸漬部材表面被覆用材料および耐ドロス付着性に優れた溶融金属めっき浴用浸漬部材 |
| FR2905955A1 (fr) * | 2006-09-18 | 2008-03-21 | Vai Clecim Soc Par Actions Sim | Dispositif de guidage d'une bande dans un bain liquide |
| JP2008175385A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-31 | Ntn Corp | 自在継手、自在継手用トルク伝達部材およびその製造方法 |
| US9097280B2 (en) | 2007-06-27 | 2015-08-04 | Ntn Corporation | Rolling contact member, rolling bearing, and method of producing rolling contact member |
| US9103382B2 (en) | 2006-12-20 | 2015-08-11 | Ntn Corporation | Rolling bearing, hub unit, rolling contact member, universal joint, torque transmission member for universal joint, and method of producing the same |
| KR101968931B1 (ko) * | 2019-01-29 | 2019-08-13 | 김중민 | 도킹용 커플링이 구비된 로테이션 지그 |
-
1993
- 1993-11-19 JP JP29045893A patent/JPH07138722A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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