JPH07145447A - 高温塩害特性などに優れたCr含有鋼 - Google Patents
高温塩害特性などに優れたCr含有鋼Info
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- JPH07145447A JPH07145447A JP29494893A JP29494893A JPH07145447A JP H07145447 A JPH07145447 A JP H07145447A JP 29494893 A JP29494893 A JP 29494893A JP 29494893 A JP29494893 A JP 29494893A JP H07145447 A JPH07145447 A JP H07145447A
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Abstract
を従来鋼より向上させた加工性と高温強度にも優れたC
r含有鋼。 【構成】重量%で、C:0.01以下、Si:0.6以
下、Mn:2.0以下、Cr:2.0〜11.0、N
i:2.0以下、Al:0.7〜6.0以下、N:0.
01以下を含有し、さらに、NbおよびTaのうちの1
種または2種をそれぞれ0.01〜1.0の範囲で、か
つ、Nb/93+Ta/181≧C/12+N/14の
範囲で含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる
高温塩害特性、加工性、高温強度に優れたCr含有鋼。
Description
炉、排気ダクト材等の高温塩害特性と加工性、高温強度
が要求される部材に用いられるCr含有鋼に関し、さら
に詳しくは、Cr、Alの最適バランスおよび適切な安
定化元素添加により従来鋼よりも優れた高温塩害特性を
有し、かつ加工性、高温強度に優れた高温塩害特性用C
r含有鋼の技術分野に関する。
排気ダクト材等の高温温害特性、加工性が要求される部
材に用いられるCr含有鋼に関し、さらに詳しくは、高
価なCrを低減し安価にしつつ、かつ低Cr鋼であって
もSiとAlのバランスおよび適切な安定化元素添加に
より従来鋼よりも優れた高温塩害特性、および優れた製
造性、溶接部加工性を有する高温塩害特性用Cr含有鋼
に関する。
UH409、SUS430J1L、SUS304、SU
S444等が使用されている。本環境は、塩化物、溶融
塩化物等が材料に付着し、700℃、750℃のような
高温まで加熱される環境であり、いわゆる高温塩害特性
が問題となる。これらは、溶接施工されるため、溶接部
の加工性も重要である。特に、溶接後、排気ガスの流れ
を最適化するため、溶接部の一部を加工する事が多く特
に溶接部のエリクセン値が重要である。また排気ダクト
材は排気ガスの流れを最適化するための加工が施される
ため良好な加工性が要求されるとともに構造部材でもあ
り、高い高温強度が要求される部位もある。さらに、安
価であることが要求されている。
00℃程度まで上昇し、これらの前述したような従来鋼
では寿命が著しく短くなってきた。さらに、フェライト
系であってもCr含有量が高く安価な材料とはいい難
く、またSUS304ではNiを含有しているためさら
に高価である。そのため、従来鋼よりも高温塩害特性に
優れた安価な材料が求められている。耐高温塩害特性を
向上させた材料としては、フェライト系ステンレス鋼で
は特開平5−125491号に示されるような高Si系
の開発例があるが、高価なCrを10〜16%以上必要
としており、より安価な材料が求められている。と同時
に、さらに排気温度が750℃以上になると後述するよ
うにSiによる効果がなくなり、これらの温度域での高
温塩害特性に優れた安価な材料が望まれている。
従来使用されている鋼は、Crを重量%で11%以上含
有している鋼が主であるが、コストの面から考えると、
高価なCrの添加量をなるべく減少させたほうが好まし
い。オーステナイト系ステンレス鋼に至ってはより高価
なNiを含有しているためさらにコスト増大となる。ま
た、例えば、特開平5−125491号では、650℃
における高温塩害の向上をSi添加によって達成してい
る。しかし、図1、2に高温塩害特性に及ぼすSiの影
響をしめすが、Siでは800℃の高温塩害特性の向上
が充分ではなく、現在問題となってきた800℃対応の
高温塩害用材料には、不充分である。本発明者らはCr
添加量を11%以下に減少させた領域で高温塩害特性、
加工性、高温強度についての研究を重ねた。本発明の目
的は従来鋼よりも安価でありながら、800℃での塩害
腐食特性を従来材であるSUH409、SUS430J
1L、SUS304以上に向上させた加工性および高温
強度にも優れたCr含有鋼(以降、便宜のためAシリー
ズと称する)を提供することにある。
以下に減少させた領域で、上述した高温塩害特性、溶接
部加工性および製造性について研究を重ねた。本発明の
目的は従来鋼よりも安価でありながら、800℃での塩
害腐食特性が従来材以上に向上され、さらに溶接部加工
性および製造性にも優れたCr含有鋼(以降、便宜のた
めBシリーズと称する)を提供するにある。
に、AシリーズおよびBシリーズのCr含有鋼を提供す
る。本発明のAシリーズのCr含有鋼は、高温塩害特
性、加工性および高温強度に優れ、重量%にて、C :
0.01%以下、 Si:0.6%以下、Mn:2.0
%以下、 Cr:2.0%以上11.0%以下、N
i:2.0%以下、 Al:0.7%以上6.0%以
下、N :0.01%以下を含有し、さらに、Nbおよ
びTaのうちの1種または2種をそれぞれ0.01%以
上1.0%以下の範囲でかつ下式(1)を満たす範囲で
含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる組成を
基本組成とする。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 …(1)
は、高温塩害特性、溶接部加工性および製造性に優れ、
重量%にて、C :0.01%以下、 S
i:0.6%以下、V :0.05%以上1.0%以
下、 Mn:2.0%以下、Cr:2.0%以上11.
0%以下、 Ni:2.0%以下、Al:0.7%以上
6.0%以下、 N :0.01%以下を含有し、さ
らに、TiおよびZrのうちの1種はたは2種をそれぞ
れ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式(2)
を満たす範囲で含有し、残部は実質的にFeと不可避的
不純物よりなる組成を基本組成とする。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14 …(2)
ともに下記の(1)および(2)のいずれか一方または
双方を含有しているのが好ましい。 (1)Caおよび希土類元素のうちの1種または2種以
上を合計で0.01%以上0.2%以下、(2)Moお
よびCuのうちの1種または2種を合計で0.05%以
上3.0%以下、
まず、本発明を理解し易いように、Aシリーズ(請求項
1〜4)およびBシリーズ(請求項5〜8)のCr含有
鋼について、その組成および特性について下表に簡単に
まとめて示す。
ともに下記の(1)および(2)のいずれか一方または
双方を含有しているのが好ましい。 (1)Caおよび希土類元素のうちの1種または2種以
上を合計で0.01%以上0.2%以下、(2)Moお
よびCuのうちの1種または2種を合計で0.05%以
上3.0%以下、
ついて説明する。ステンレス鋼では耐食性、耐酸化性確
保の点から11.5%以上のCrを含有させている。J
IS G 4304熱間圧延ステンレス鋼板、JIS
G 4305冷間圧延ステンレス鋼板で規定されるステ
ンレス鋼板はいずれの鋼種も11.5%以上のCrを含
有している。本発明者らは、塩化物共存下での高温腐
食、すなわち高温塩害特性に及ぼす各種合金元素の影響
を調査した結果、高温塩害特性に関してはCrの適正範
囲があることを見出した。また、高温塩害特性向上には
Al、Si添加が効果があるが、特に温度が800℃に
なると、Siの効果は消失しAlが高温塩害特性向上に
極めて効果が大きくなり、かつ、低SiにおいてのみA
lが高温塩害特性を著しく改善するとの知見を得た。
たNb含有鋼および現用鋼について、700℃で大気中
2時間保持、飽和食塩水5分浸漬を1サイクルとする工
程を10サイクル行なった後の最大浸食深さ(腐食減肉
量(μm)+粒界腐食深さ(μm))を示す。図1より
Cr添加量が2〜11%の範囲が最大浸食深さが最も小
さいことがわかる。この原因については充分解明できて
いないが、Cr含有量が多いと塩化物共存化では粒界腐
食が進行しやすくなり、一部に著しく大きな最大浸食深
さが見られ、Cr含有量が少ないと全面腐食が激しく、
耐食性不足となり、結果として最大浸食深さが大きくな
るものと考えられる。またSi、Alが高温塩害特性向
上に非常に効果があることがわかる。
b含有鋼および現用鋼について800℃大気中2時間保
持、飽和食塩水5分浸漬を1サイクルとする工程を10
サイクル行なった後の最大浸食深さ(腐食減肉量(μ
m)+粒界腐食深さ(μm))を示す。800℃では、
Si添加は高温塩害特性向上に対する効果は小さいが、
Al添加は非常に効果が大きいことがわかる。この原因
としては、800℃での塩化物付着環境ではSiは水溶
性の化合物となり溶液中に溶け出してしまい、高温塩害
特性向上の寄与が少ないものと考えられる。
合、Si添加は高温塩害特性に対するAlの効果を低減
してしまう。これは、800℃においても塩化物付着環
境下での耐食性に有効なAl皮膜の生成をSi皮膜が抑
制するためであろうと考えている。そのため、低Siに
おいてのみAlの高温塩害特性に及ぼす効果は大きいも
のと考えられる。
と結合してAlの炭窒化物を生成し、高温塩害特性に及
ぼすAlの効果を減少させることがわかった。そのた
め、Alの炭窒化物生成を回避するためにC、Nの安定
化元素の添加が有効である。安定化元素としてはTi、
Zr、Nb、Ta、V等があるが、このうちNb、Ta
は微細な炭窒化物を生成するため高温強度の向上にも効
果がある。図3には800℃での高温強度におよぼすN
b、Ta、Ti、Zr、V添加の影響を示す。図3より
高温強度の向上にはNb、Ta添加が最も効果的である
ことがわかる。前述したように排気ダクト材は構造部材
でもより高い高温強度が要求される部材もあり、このよ
うな高温強度を要求される場合、排気ダクト材にはNb
およびまたはTa添加が最も適している。Nb、Taを
添加するときC、Nを有効に安定化するためには下式を
満たすようなNb、Taの添加が必要である。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 ……(1)
性に及ぼす効果の違いを見出し、また、高温強度にも有
効な安定化元素を選ぶことにより低コストで高温塩害特
性と加工性、高温強度に優れたCr含有鋼が得られる。
ついて説明する。本発明者らは、SiとAlおよびCr
さらに安定化元素の作用を詳細に研究した。図4にS
i、Al、Cr量を変化させたTi含有鋼について、図
1と同様の試験を行った結果を示す。高温塩害特性には
最適のCr範囲が存在することを知見した。図5には8
00℃における同様の結果を示す。図5より低Siにお
いてのみ、Alが800℃における高温塩害特性を著し
く改善することの知見も得て、また適切な安定化元素
(Ti、Zr)の適用により、製造性も従来鋼より安価
にできることを知見し、さらに、Vの作用により、高A
l含有鋼であっても溶接部加工性が従来鋼以上に改善で
きるとの知見も得て本発明のBシリーズのCr含有鋼に
到達した。以下、順にこれらの知見について説明する。
含有量が多いと、孔食が発生しやすく、そのために一部
において著しく腐食が進行し、最大浸食深さ(腐食減肉
量(μm)+粒界腐食深さ(μm))が深くなる。ま
た、Cr含有量が少ないと、全面腐食が激しく、耐食性
不足となり、結果として最大浸食深さが深くなるものと
考えられる。従って高温塩害特性に最適なCrの範囲が
存在する。
考えられる。すなわち、800℃のような塩化物付着環
境では、Siは水溶性の化合物となり溶液中にとけでて
しまい高温塩害特性向上の寄与が少ない。一方、本発明
鋼のように高Al含有の場合、Si添加は高温塩害特性
の効果のあるAlの効果を低減してしまう。これは、8
00℃においても塩化物付着環境下において効果の大き
なAl皮膜の生成をSi皮膜が抑制するためであろうと
考えている。そのため、低SiにおいてのみAlの高温
塩害特性に及ぼす効果は大きいものと考えられる。
せつつ、再結晶温度を950℃以下にできることから、
従来鋼、SUS430J1L、SUS444、あるいは
Nb、Ta添加鋼のように1000℃近くまで加熱する
必要がなく、安価に製造できるようにした。なお、Ti
およびZrは単独または複合してそれぞれ0.01〜
1.0%添加するのであるが、溶接部加工性向上には下
式(2)を満足する範囲にする必要がある。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14 …(2)
を著しく改善することを見出した。これらの膨大な研究
結果を得て、本発明のBシリーズのCr含有鋼は、A
l、Si含有量の最適化、最適安定化元素の添加によ
り、2%Moを含有するSUS444よりもはるかに優
れた800℃の高温塩害特性、良好な製造性、溶接部加
工性を有する安価なCr含有鋼の開発に成功した。
のCr含有鋼の組成の限定理由は、次の通りである。 C:Cは、高温塩害特性に悪影響を及ぼす元素であり、
C量が低い程好ましい。鋼の靱性、加工性を高めるた
め、また製造性からも低い程好ましく、0.01%以
下、望ましくは0.006%以下にする必要がある。
Siは700℃での高温塩害特性に向上には寄与するも
のの、800℃での効果は小さく、かえって加工性を低
下させてしまう。この意味から、添加する必要はない。
また、図2、5に示したように、高Si添加の場合、8
00℃の高温塩害特性に及ぼすAlの効果を低減してし
まう。この点からSiは低い程好ましい。一方、脱酸材
としてまた室温での強度を得るため添加する必要があ
り、上限を0.6%とする。好ましくは、0.1%以下
である。
が、多量に添加すると、鋼の耐酸化性および加工性が低
下させる。また、安定なフェライト組織確保の点から上
限を2%とする。
合、添加してもよい。2%超では、その効果も飽和する
ため、上限を2.0%とする。靱性向上させる必要のな
い場合は、本来必要のない元素であるから、不可避的不
純物の含有レベルから、2.0%までとする。
の添加はコスト増大を招き不要である。700、800
℃の高温塩害特性には前述したように、Crが多いと孔
食起因の最大浸食深さが増し、Crが低いと全面腐食起
因の最大浸食深さが増す。その結果2.0〜11.0%
Crが最適となる。望ましくは4.0〜9.0%とな
る。
大きく影響する元素であり、N量が多いと、Alとの結
合量が増え、高温塩害特性に有効なAlを減少させるた
め、0.01%以下にする必要がある。また鋼の靱性、
加工性、溶接部加工性向上のためにも低い程よい。望ま
しくは、0.006%以下とする。
る。図2、5に示すように、Alは特に低Si鋼の場
合、800℃での高温塩害特性を著しく改善する。この
温度では、Si、Crの効果はAlの効果と比較すると
著しく小さいことが、注目される。この点からAlの効
果は、画期的発見といえる。このような、Alの効果は
0.7%以上の添加で明確に現れる。6.0%を超える
と靱性が劣化するため、0.7〜6%に限定する。好ま
しくは、1.0〜4.0%である。
合して、Alの炭窒化物生成を回避し、高温塩害特性に
有効なAlの効果を引き出すために必要である。また、
炭窒化物を微細に分散させ高温強度を高める効果があ
る。しかし、過剰の添加は鋼のYSを高め、加工性の低
下を招くためいずれも0.01%以上1.0%以下と
し、Alの効果を充分に引き出すためC、Nを固定する
ために下式を満たすように添加する必要がある。この条
件の下では、Nb、Taの作用効果は等価である。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 ……(1)
lの炭窒化物生成を回避し、高温塩害特性に有効なAl
の効果を充分に引き出すため必要である。また靱性を改
善し、良好な製造性を得るため1種または2種をそれぞ
れ0.01〜1.0%の範囲でかつ(2)式、 Ti%/48+Zr%/91≧C%12+N%/14 ……(2) を満たす範囲で含有させることが必要であり、この条件
の下では、Ti、Zrの作用効果は均等である。ただし
各成分ともに0.01%未満では、この効果が現れず、
また1.0%を超えると加工性を害するため0.01〜
1.0%に限定した。
る。本発明鋼のような低Cr、高Al鋼の場合、溶接部
の加工性は、Ti、Zrの1種または2種のみの添加で
は従来鋼にも及ばなかったが、Vを複合添加することに
より、溶接部加工性が著しく向上した。その効果は、
0.05%以上の添加で現れ、一方、1.0%を超えて
添加するとその加工性が低下するため上限を1.0%と
した。また、このようなVの効果は固溶Vが寄与してい
るため、C、Nとの結合力がVよりも大きなTi、Zr
が(2)式を満たすように添加されている必要がある。
を向上させるため必要に応じて添加すればよい。その効
果は、0.05%以上で顕著となる。しかし過剰に添加
すると加工性が低下する。そのため、1種または2種合
計で0.05〜3.0%とする。またいずれも700℃
までの高温塩害性の向上に寄与する。
Y、La、Ce等の希土類元素およびCaは鋼の高温で
の耐酸化性を向上させる効果があるので必要に応じて添
加する。耐酸化性向上には0.01%以上の添加を必要
とするが、過剰の添加は鋼の靱性の低下を招くため、
Y、La、Ce等の希土類元素およびCaは単独または
複合で合計で0.01%以上0.2%以下添加する。
の実施例に基づいて具体的に説明する。 (実施例1)(Aシリーズ) 表1に示す化学組成を有する鋼を真空溶解炉で溶製し、
30kg鋼塊とした。その後、熱間圧延よにり4mm厚
の板とした後に焼鈍し、冷間圧延により2mm厚の板と
したものを仕上げ焼鈍した。この冷延焼鈍板を700℃
および800℃で高温塩害試験、高温引張試験に供し
た。
(幅)×30mm(長)の試験片を飽和食塩水5分浸漬
−700℃または800℃大気中2時間加熱−5分空冷
を1サイクルとする試験を10サイクル繰り返し、その
後の最大浸食深さ(腐食減肉量(μm)+粒界腐食深さ
(μm))を測定した。高温引張試験方法はJIS G
0517に準拠した試験を行なった。また、これらの鋼
の加工性を評価する目的でエリクセン試験を行なった。
明らかなように、本発明鋼は高温塩害試験後の最大浸食
深さが小さく、特に800℃では従来鋼SUH409、
SUS430J1Lよりはるかに優れ、かつ高価なSU
S304よりも著しく優れている。
では本発明鋼と同レベルの値を示しているが、800℃
では本発明鋼よりも最大浸食深さが大きくなっている。
Mo添加は700℃までの高温塩害特性向上には効果が
あるが、800℃になるとMoの効果がなくAlの効果
は非常に大きいことがわかる。
の値を示し、高温引張強さはいずれも700℃で200
MPaを超える値を、800℃で60MPaを超える値
を示し、いずれも従来鋼であるSUH409、SUS4
30J1L以上の値を示している。比較鋼Eは高温塩害
特性は良好であるが、Al添加量が過剰であるためEr
値が低く、良好な加工性を得られない。
ベルの高温塩害特性を示すが、高温強度に寄与するNb
またはTaを含有せず、安定化元素としてTi、Zr、
Vを含有しているため高温強度が発明鋼に比較して低
い。表2中には従来鋼であるSUH409L、SUS4
30J1L、SUS444、SUS304についての試
験結果も示してある。本発明鋼はいずれの従来鋼よりも
Cr含有量が少なく、安価に提供できる材料であるにも
かかわらず、これらの従来鋼よりも優れた高温塩害特性
を示している。
炉で溶製し、30kg鋼塊とした。その後、熱間圧延に
より4mm厚の板とした後に焼鈍し、冷間圧延により2
mm厚の板としたものを仕上げ焼鈍した。この時、仕上
げ焼鈍温度を変化させ再結晶温度を求めた。その再結晶
温度で仕上げ焼鈍を行った2mm厚の冷延焼鈍板を70
0℃、800℃の高温塩害試験、および溶接部加工性評
価に供した。
0mm(幅)×30mm(長)の試験片を26%の飽和
食塩水5分間浸漬−700℃あるいは800℃大気中2
時間加熱−5分空冷を1サイクルとする試験を10サイ
クル繰り返し、その後の最大浸食深さ(腐食減肉量(μ
m)+粒界腐食深さ(μm)の最大値)を測定した。な
お溶接は、溶接速度600mm/min、溶接電流130A、
表面を10L/min のArガスシールドの条件により行
い、その溶接部をJIS Z 2247に準拠しエリク
セン試験に供した。これらの結果を表4に示す。
れの温度でも従来鋼よりも著しく高温塩害特性が向上し
ている。特に、700℃の高温塩害特性が良好であるM
o含有鋼SUS444は、800℃では著しく特性が劣
化し、Moでは800℃の高温塩害特性を向上できない
ことがわかる。さらに本発明鋼は、再結晶温度が950
℃以下であり靱性も良好であるので、従来鋼SUS43
0J1LやSUS444よりも安価に製造できる。また
溶接部の加工性も従来鋼以上である。
が、高価なNiを8%も含有するSUS304よりもは
るかに優れた高温塩害特性であることも注目される。比
較鋼EはAl不足であり、充分な高温塩害特性の向上が
なく、比較鋼FはAl過剰であり、靱性、溶接部加工性
が従来鋼以下となり、実用的ではない。また比較鋼Gは
N過剰のため靱性、溶接部加工性が従来鋼より劣る。比
較鋼Hは安定化元素としてNbを用いているため再結晶
温度が高い。比較鋼Iは、Si過剰であり、Alの効果
を低減し、800℃において高温塩害特性の向上が小さ
い。比較鋼J、KはV不足のため溶接部の加工性が従来
鋼より劣り、実用的ではない。比較鋼L、M、Nは安定
化元素としてのTi、Zrが不足し、従来鋼よりも溶接
部の加工性が劣り実用的ではない。
r含有鋼によれば、Cr量の最適化を図るとともに、A
l、NbまたはTaの添加量を最適化することにより高
温塩害特性、加工性、高温強度に優れ、かつ従来鋼より
も安価なCr含有鋼を得ることができる。
よれば、低Cr鋼であっても、Cr、Al、Si安定化
元素のバランスを最適化することにより、従来鋼である
SUH409、SUS430J1L、Mo%含有鋼であ
るSUS444より、はるかに優れた800℃の高温塩
害特性を有し、溶接部加工性、製造性も従来鋼以上の特
性を有し、かつ安価なCr含有鋼が得られる。
板に限定されるものではなく、自動車排気系材料等の高
温において塩害が問題となる部材には冷延板、熱延板、
鋳物状態等に限定されず、極めて好適に適用できること
はいうまでもない。
i、Cr、Alの影響を示す図である。
i、Cr、Alの影響を示す図である。
の800℃での高温引張強度に及ぼすNb、Ta、T
i、Zr、V添加の影響を示す図である。
i、Cr、Alの影響を示す図である。
i、Cr、Alの影響を示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:2.0%以上11.0
%以下、 Ni:2.0%以下、 Al:0.7%以上6.0%
以下、 N :0.01%以下を含有し、 さらに、NbおよびTaのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(1)を満たす範囲で含有し、残部が鉄および不可避的
不純物からなる高温塩害特性、加工性、高温強度に優れ
たCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 …(1) - 【請求項2】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:2.0%以上11.0
%以下、 Ni:2.0%以下、 Al:0.7%以上6.0%
以下、 N :0.01%以下を含有し、 さらに、NbおよびTaのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(1)を満たす範囲で含有し、 さらに、Caおよび希土類元素のうちの1種または2種
以上を合計で0.01%以上0.2%以下含有し、残部
が鉄および不可避的不純物からなる高温塩害特性、加工
性、高温強度に優れたCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 …(1) - 【請求項3】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:2.0%以上11.0
%以下、 Ni:2.0%以下、 Al:0.7%以上6.0%
以下、 N :0.01%以下を含有し、 さらに、NbおよびTaのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(1)を満たす範囲で含有し、 さらに、MoおよびCuのうちの1種または2種を合計
で0.05%以上3.0%以下含有し、残部が鉄および
不可避的不純物からなる高温塩害特性、加工性、高温強
度に優れたCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 …(1) - 【請求項4】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:2.0%以上11.0
%以下、 Ni:2.0%以下 Al:0.7%以上6.0%
以下、 N :0.01%以下を含有し、 さらに、NbおよびTaのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(1)を満たす範囲で含有し、 さらに、Caおよび希土類元素のうちの1種または2種
以上を合計で0.01%以上0.2%以下含有し、 さらに、MoおよびCuのうちの1種または2種を合計
で0.05%以上3.0%以下含有し、残部が鉄および
不可避的不純物からなる高温塩害特性、加工性、高温強
度に優れたCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14 …(1) - 【請求項5】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%
以下、 V :0.05%以上1.0%以下、 Mn:2.0%
以下、 Cr:2.0%以上11.0%以下、 Ni:2.0%
以下、 Al:0.7%以上6.0%以下、 N :0.01
%以下を含有し、 さらに、TiおよびZrのうちの1種はたは2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(2)を満たす範囲で含有し、残部は実質的にFeと不
可避的不純物よりなる高温塩害特性、溶接部加工性、製
造性に優れたCr含有鋼。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14 …(2) - 【請求項6】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%
以下、 V :0.05%以上1.0%以下、 Mn:2.0%
以下、 Cr:2.0%以上11.0%以下、 Ni:2.0%
以下、 Al:0.7%以上6.0%以下、 N :0.01
%以下を含有し、 さらに、TiおよびZrのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(2)を満たす範囲で含有し、 さらに、Caおよび希土類元素のうちの1種または2種
以上を合計で0.01%以上0.2%以下含有し、残部
は実質的にFeと不可避的不純物よりなる高温塩害特
性、溶接部加工性、製造性に優れたCr含有鋼。 Ti%/48+Zr%/91≧C%12+N%/14 …(2) - 【請求項7】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%
以下、 V :0.05%以上1.0%以下、 Mn:2.0%
以下、 Cr:2.0%以上11.0%以下、 Ni:2.0%
以下、 Al:0.7%以上6.0%以下、 N :0.01
%以下を含有し、 さらに、TiおよびZrのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(2)を満たす範囲で含有し、 さらに、MoおよびCuのうちの1種または2種を合計
で0.05%以上3.0%以下含有し、残部は実質的に
Feと不可避的不純物よりなる高温塩害特性、溶接部加
工性、製造性に優れたCr含有鋼。 Ti%/48+Zr%/91≧C%12+N%/14 …(2) - 【請求項8】重量%にて、 C :0.01%以下、 Si:0.6%
以下、 V :0.05%以上1.0%以下、 Mn:2.0%
以下、 Cr:2.0%以上11.0%以下、 Ni:2.0%
以下、 Al:0.7%以上6.0%以下、 N :0.01
%以下を含有し、 さらに、TiおよびZrのうちの1種または2種をそれ
ぞれ0.01%以上1.0%以下の範囲でかつ下式
(2)を満たす範囲で含有し、 さらに、MoおよびCuのうちの1種または2種を合計
で0.05%以上3.0%以下含有し、 さらに、Caおよび希土類元素のうちの1種または2種
以上を合計で0.01%以上0.2%以下を含有し、残
部は実質的にFeと不可避的不純物よりなる高温塩害特
性、溶接部加工性、製造性に優れたCr含有鋼。 Ti%/48+Zr%/91≧C%12+N%/14 …(2)
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|---|---|---|---|
| JP29494893A JP3310422B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 高温塩害特性などに優れたCr含有鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29494893A JP3310422B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 高温塩害特性などに優れたCr含有鋼 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP29494893A Expired - Fee Related JP3310422B2 (ja) | 1993-11-25 | 1993-11-25 | 高温塩害特性などに優れたCr含有鋼 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3310422B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-25 JP JP29494893A patent/JP3310422B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP3310422B2 (ja) | 2002-08-05 |
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