JPH07145498A - 半導体製造装置用金属材の表面処理法 - Google Patents
半導体製造装置用金属材の表面処理法Info
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- JPH07145498A JPH07145498A JP31784893A JP31784893A JPH07145498A JP H07145498 A JPH07145498 A JP H07145498A JP 31784893 A JP31784893 A JP 31784893A JP 31784893 A JP31784893 A JP 31784893A JP H07145498 A JPH07145498 A JP H07145498A
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ステンレス鋼等の金属材のハロゲン系ガス等
の腐食性ガスに対する耐食性、特に水分とハロゲン系ガ
スが同時に存在する様な環境での耐食性を向上させる表
面処理法を提供する。 【構成】 素地金属材を、クロム酸を含む水溶液中で陰
極電解することによって、ステンレス鋼材表面に0.0
05〜10μm厚さの金属Cr層および/またはCr化
合物層を形成した後、10-8〜100 Torrの真空雰
囲気下またはこの雰囲気に相当する酸素活量の低酸素分
圧雰囲気下で加熱することによって、前記金属Cr層の
表層部にCr酸化物層を形成する。
の腐食性ガスに対する耐食性、特に水分とハロゲン系ガ
スが同時に存在する様な環境での耐食性を向上させる表
面処理法を提供する。 【構成】 素地金属材を、クロム酸を含む水溶液中で陰
極電解することによって、ステンレス鋼材表面に0.0
05〜10μm厚さの金属Cr層および/またはCr化
合物層を形成した後、10-8〜100 Torrの真空雰
囲気下またはこの雰囲気に相当する酸素活量の低酸素分
圧雰囲気下で加熱することによって、前記金属Cr層の
表層部にCr酸化物層を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置用金属
材の表面処理法に関し、殊に腐食性の強いHCl、Cl
2 、HF等のハロゲン系ガスに対しても優れた耐食性を
示す皮膜を、素地金属材の表面に形成するための表面処
理法に関するものである。尚本発明で用いる素地金属材
としては、ステンレス鋼の他、低合金鋼や炭素鋼等の鋼
材、更にはアルミニウム等が挙げられるが、以下ではス
テンレス鋼を代表的に取り上げて説明を進める。
材の表面処理法に関し、殊に腐食性の強いHCl、Cl
2 、HF等のハロゲン系ガスに対しても優れた耐食性を
示す皮膜を、素地金属材の表面に形成するための表面処
理法に関するものである。尚本発明で用いる素地金属材
としては、ステンレス鋼の他、低合金鋼や炭素鋼等の鋼
材、更にはアルミニウム等が挙げられるが、以下ではス
テンレス鋼を代表的に取り上げて説明を進める。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体製造技術においては素子が
高集積化し、配線間隔はサブミクロンの精度が要求され
る様になっている。その様な素子では、微粒子や細菌が
付着しただけでも回路が短絡し、製品不良が発生する恐
れがある。そのため、半導体の製造に使用されるガスや
純水は超高純度であることが要求され、ガスの場合には
導入ガス自体の高純度化だけでなく、配管或いは反応室
壁面からの水分等の不純ガスや微粒子の発生を極力低減
することが必要となる。
高集積化し、配線間隔はサブミクロンの精度が要求され
る様になっている。その様な素子では、微粒子や細菌が
付着しただけでも回路が短絡し、製品不良が発生する恐
れがある。そのため、半導体の製造に使用されるガスや
純水は超高純度であることが要求され、ガスの場合には
導入ガス自体の高純度化だけでなく、配管或いは反応室
壁面からの水分等の不純ガスや微粒子の発生を極力低減
することが必要となる。
【0003】半導体製造装置用のガス配管には、従来よ
り溶接性や一般耐食性の面からオーステナイト系ステン
レス鋼SUS304LやSUS316Lが使用されてお
り、その表面を平滑化することにより吸着面積を減少せ
しめ、不純ガスの吸着および脱離を少なくする目的で、
電解研磨処理を施したものが用いられている。更に、電
解研磨処理の後酸化性ガス雰囲気中で加熱処理すること
によって非晶質酸化皮膜を形成し、表面のガス放出量を
低減した部材(特開昭64−87760号)、あるいは
微粒子の発生源および不純物の吸着・放出場所となる非
金属介在物量を極めて少なくさせたステンレス鋼管(特
開昭63−161145号)も提案されている。
り溶接性や一般耐食性の面からオーステナイト系ステン
レス鋼SUS304LやSUS316Lが使用されてお
り、その表面を平滑化することにより吸着面積を減少せ
しめ、不純ガスの吸着および脱離を少なくする目的で、
電解研磨処理を施したものが用いられている。更に、電
解研磨処理の後酸化性ガス雰囲気中で加熱処理すること
によって非晶質酸化皮膜を形成し、表面のガス放出量を
低減した部材(特開昭64−87760号)、あるいは
微粒子の発生源および不純物の吸着・放出場所となる非
金属介在物量を極めて少なくさせたステンレス鋼管(特
開昭63−161145号)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記ステ
ンレス鋼材は、酸素や窒素等の如く腐食性のないガスの
配管材としては優れていたものであるが、腐食性の強い
HCl、Cl2 、HF等のハロゲン系ガス中ではその表
面が腐食されるため、腐食生成物によるガスの吸着・放
出が起こりガス純度の維持が困難になる。また金属塩化
物等の腐食生成物が微粒子となって汚染の原因になる。
尚乾燥したハロゲン系ガス中では、ステンレス鋼材の腐
食は軽微であると言われているが、実際にはガス中には
わずかながらも水分が存在するので腐食は進行する。
ンレス鋼材は、酸素や窒素等の如く腐食性のないガスの
配管材としては優れていたものであるが、腐食性の強い
HCl、Cl2 、HF等のハロゲン系ガス中ではその表
面が腐食されるため、腐食生成物によるガスの吸着・放
出が起こりガス純度の維持が困難になる。また金属塩化
物等の腐食生成物が微粒子となって汚染の原因になる。
尚乾燥したハロゲン系ガス中では、ステンレス鋼材の腐
食は軽微であると言われているが、実際にはガス中には
わずかながらも水分が存在するので腐食は進行する。
【0005】そのため、今後更に高集積化する傾向のみ
られる半導体製造分野では、これらハロゲン系ガス中で
の耐食性、特に水分とハロゲン系ガスが同時に存在する
様な環境での耐食性に優れた部材が望まれている。そこ
で、SUS304LやSUS316Lに比較して耐食性
の優れた高Ni合金(ハステロイ等)を使用することに
より腐食を低減することも可能であるが、高Ni合金は
極めて高価であるばかりでなく、腐食を完全に阻止でき
る訳ではない。
られる半導体製造分野では、これらハロゲン系ガス中で
の耐食性、特に水分とハロゲン系ガスが同時に存在する
様な環境での耐食性に優れた部材が望まれている。そこ
で、SUS304LやSUS316Lに比較して耐食性
の優れた高Ni合金(ハステロイ等)を使用することに
より腐食を低減することも可能であるが、高Ni合金は
極めて高価であるばかりでなく、腐食を完全に阻止でき
る訳ではない。
【0006】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、ステンレス鋼材等の金属材
のハロゲン系ガス等の腐食性ガスに対する耐食性、特に
水分とハロゲン系ガスが同時に存在する様な環境での耐
食性を向上させる表面処理法を提供しようとするもので
ある。
ものであって、その目的は、ステンレス鋼材等の金属材
のハロゲン系ガス等の腐食性ガスに対する耐食性、特に
水分とハロゲン系ガスが同時に存在する様な環境での耐
食性を向上させる表面処理法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた発明に係る表面処理法の構成は、素地金属材
を、クロム酸を含む水溶液中で陰極電解することによっ
て、金属材表面に0.005〜10μm厚さの金属Cr
層および/またはCr化合物層を形成した後、10-8〜
100 Torrの真空雰囲気下またはこの雰囲気に相当
する酸素活量の低酸素分圧雰囲気下で加熱することによ
って、前記金属Cr層内および/またはCr化合物層内
の少なくとも表層部にCr酸化物を形成するところに要
旨を有するものである。
のできた発明に係る表面処理法の構成は、素地金属材
を、クロム酸を含む水溶液中で陰極電解することによっ
て、金属材表面に0.005〜10μm厚さの金属Cr
層および/またはCr化合物層を形成した後、10-8〜
100 Torrの真空雰囲気下またはこの雰囲気に相当
する酸素活量の低酸素分圧雰囲気下で加熱することによ
って、前記金属Cr層内および/またはCr化合物層内
の少なくとも表層部にCr酸化物を形成するところに要
旨を有するものである。
【0008】
【作用】本発明は上記の様に構成されるが、要するにス
テンレス鋼材等の金属材のハロゲン系ガス等の腐食性ガ
スに対する耐食性を高めるには、Cr酸化物層を金属材
表面に形成させることが最も有効であるとの知見が得ら
れ、この知見に基づきその条件について更に検討したと
ころ、前述した様な構成を採用すれば希望するCr酸化
物層が形成できることを見出し、本発明を完成したもの
である。
テンレス鋼材等の金属材のハロゲン系ガス等の腐食性ガ
スに対する耐食性を高めるには、Cr酸化物層を金属材
表面に形成させることが最も有効であるとの知見が得ら
れ、この知見に基づきその条件について更に検討したと
ころ、前述した様な構成を採用すれば希望するCr酸化
物層が形成できることを見出し、本発明を完成したもの
である。
【0009】本発明を実施するに先立ち、金属材の表面
は常法に従って電解研摩や機械研摩等によって研摩仕上
げされるが、このときの表面粗さはガス放出特性を考慮
してRmax で1μm以下であるのが好ましい。尚機械研
摩面は電解研摩面に比較して活性であり、ガスが吸着し
易いと一般的に言われているが、本発明においてはその
後の処理で表面にCrの酸化物層(例えば、Cr2 O3
層)を形成するので、研摩方法の種類はガス吸着に影響
を及ぼすことはない。
は常法に従って電解研摩や機械研摩等によって研摩仕上
げされるが、このときの表面粗さはガス放出特性を考慮
してRmax で1μm以下であるのが好ましい。尚機械研
摩面は電解研摩面に比較して活性であり、ガスが吸着し
易いと一般的に言われているが、本発明においてはその
後の処理で表面にCrの酸化物層(例えば、Cr2 O3
層)を形成するので、研摩方法の種類はガス吸着に影響
を及ぼすことはない。
【0010】本発明においては、まず金属材表面に金属
Cr層および/またはCr化合物層(以下、これらを一
括して「Cr含有層」と呼ぶことがある)を形成するも
のであるが、その為の手段としては通常の電解めっき法
を採用すれば良く、具体的にはクロム酸を含む水溶液中
で陰極電解する。このとき形成されるCr含有層は、
0.005〜10μm厚さとする必要がある。即ちCr
含有層の厚さが0.005μm未満では、欠陥が多くな
ってその後の酸化処理によっても十分な耐食性が得られ
ず、一方10μmを超えると耐食性の点では問題はない
が、処理に時間がかかり不経済であるばかりでなく製品
の溶接性も劣化する。尚Cr含有層の好ましい厚さは、
0.05〜2μm程度である。
Cr層および/またはCr化合物層(以下、これらを一
括して「Cr含有層」と呼ぶことがある)を形成するも
のであるが、その為の手段としては通常の電解めっき法
を採用すれば良く、具体的にはクロム酸を含む水溶液中
で陰極電解する。このとき形成されるCr含有層は、
0.005〜10μm厚さとする必要がある。即ちCr
含有層の厚さが0.005μm未満では、欠陥が多くな
ってその後の酸化処理によっても十分な耐食性が得られ
ず、一方10μmを超えると耐食性の点では問題はない
が、処理に時間がかかり不経済であるばかりでなく製品
の溶接性も劣化する。尚Cr含有層の好ましい厚さは、
0.05〜2μm程度である。
【0011】ところでCr含有層は、例えば厚さ0.1
μm以上の層を上記の方法で形成させる場合は、その大
部分が金属Crであり、一方0.1μm未満の場合に
は、Cr水酸化物またはCr酸化物が主体となることが
多い。これらの場合において、Cr含有層が、例えば金
属Cr,Cr水酸化物,Cr酸化物のいずれの状態であ
っても、後述の加熱処理を施すことによって、その表層
部はCr酸化物となり、当該Cr酸化物によって本発明
で期待する特性を得ることができる。従って、Cr含有
層における加熱処理前のCrの状態は特定されるもので
はなく、金属Crは勿論のこと、水酸化物や含水化合物
等を含むCr化合物層であっても良い。またCr含有層
には、上記以外の微量の不純物が含まれていても、その
主体が金属Crおよび/またはCr化合物であれば良
く、加熱処理後にCr酸化物層に重大な欠陥を与えるも
のでなければ、問題になるものではない。
μm以上の層を上記の方法で形成させる場合は、その大
部分が金属Crであり、一方0.1μm未満の場合に
は、Cr水酸化物またはCr酸化物が主体となることが
多い。これらの場合において、Cr含有層が、例えば金
属Cr,Cr水酸化物,Cr酸化物のいずれの状態であ
っても、後述の加熱処理を施すことによって、その表層
部はCr酸化物となり、当該Cr酸化物によって本発明
で期待する特性を得ることができる。従って、Cr含有
層における加熱処理前のCrの状態は特定されるもので
はなく、金属Crは勿論のこと、水酸化物や含水化合物
等を含むCr化合物層であっても良い。またCr含有層
には、上記以外の微量の不純物が含まれていても、その
主体が金属Crおよび/またはCr化合物であれば良
く、加熱処理後にCr酸化物層に重大な欠陥を与えるも
のでなければ、問題になるものではない。
【0012】不純物ガスの放出特性の面からすれば、表
面は金属CrやCr水酸化物系化合物よりもCr酸化物
である方が良いので、本発明ではこうした観点から、前
記Cr含有層を形成した後酸化処理を施し、該Cr含有
層の少なくとも表層部にCr酸化物を形成する。ここで
「少なくとも表層部」としたのは、Cr酸化物はCr含
有層の少なくとも表層部に形成されていればその効果を
発揮するが、Cr含有層のほぼ全体がCr酸化物になる
場合も許容する趣旨である。このときの酸化方法は、表
面の水分除去を兼ねた加熱法を採用することになるが、
このとき100Torrの真空雰囲気よりも酸素活量が
大きくなる様な雰囲気下で加熱すると、Cr含有層にピ
ンホール等の欠陥が少しでもあるとその部分にはFe酸
化物が形成されて耐食性劣化するので好ましくない。一
方、10-8Torrの真空中よりも酸素活性が小さくな
る様な雰囲気下で加熱すると、Cr含有層が酸化され
ず、本発明の目的とする良好なCr酸化物は形成されな
い。こうした理由によって、Cr酸化物を形成するとき
の加熱処理雰囲気は、「10-8〜100 Torrの真空
中またはこの雰囲気に相当する酸素活量の低酸素分圧雰
囲気」とした。この様な条件で加熱酸化することによっ
て、Cr含有層の表面に欠陥部分があっても、層中のC
rが選択酸化されて少なくとも表層部にCr酸化物が形
成されるので、表面全体を耐食性に優れた強固なCr酸
化物層で被覆することができるのである。
面は金属CrやCr水酸化物系化合物よりもCr酸化物
である方が良いので、本発明ではこうした観点から、前
記Cr含有層を形成した後酸化処理を施し、該Cr含有
層の少なくとも表層部にCr酸化物を形成する。ここで
「少なくとも表層部」としたのは、Cr酸化物はCr含
有層の少なくとも表層部に形成されていればその効果を
発揮するが、Cr含有層のほぼ全体がCr酸化物になる
場合も許容する趣旨である。このときの酸化方法は、表
面の水分除去を兼ねた加熱法を採用することになるが、
このとき100Torrの真空雰囲気よりも酸素活量が
大きくなる様な雰囲気下で加熱すると、Cr含有層にピ
ンホール等の欠陥が少しでもあるとその部分にはFe酸
化物が形成されて耐食性劣化するので好ましくない。一
方、10-8Torrの真空中よりも酸素活性が小さくな
る様な雰囲気下で加熱すると、Cr含有層が酸化され
ず、本発明の目的とする良好なCr酸化物は形成されな
い。こうした理由によって、Cr酸化物を形成するとき
の加熱処理雰囲気は、「10-8〜100 Torrの真空
中またはこの雰囲気に相当する酸素活量の低酸素分圧雰
囲気」とした。この様な条件で加熱酸化することによっ
て、Cr含有層の表面に欠陥部分があっても、層中のC
rが選択酸化されて少なくとも表層部にCr酸化物が形
成されるので、表面全体を耐食性に優れた強固なCr酸
化物層で被覆することができるのである。
【0013】上記処理時の加熱温度については特に限定
されるものではないが、上述した雰囲気での酸素活量の
最高値は温度依存性があり、温度が高くなるほど最適酸
素活量が大きくなる傾向がある。こうしたことから適正
な加熱温度としては、温度が400〜600℃程度であ
り、その場合の真空度は10-6〜10-2Torrが好ま
しい。また加熱時間についても特に限定されないが、上
記の様な条件では30分以上で被処理可能である。
されるものではないが、上述した雰囲気での酸素活量の
最高値は温度依存性があり、温度が高くなるほど最適酸
素活量が大きくなる傾向がある。こうしたことから適正
な加熱温度としては、温度が400〜600℃程度であ
り、その場合の真空度は10-6〜10-2Torrが好ま
しい。また加熱時間についても特に限定されないが、上
記の様な条件では30分以上で被処理可能である。
【0014】ところで本発明におけるCr含有層が形成
されていない様な通常のステンレス鋼材であっても、上
記の様な加熱酸化処理を施せばその表面にCr酸化物層
を形成することはでき、この様なステンレス鋼材は乾燥
したハロゲン系ガスでは良好な耐食性を示すこともあ
る。しかしながら、外部環境からステンレス鋼材を完全
に遮断する様な連続したCr酸化物層の形成は困難であ
り、この処理時に素地中にCr欠乏層が形成され易くな
り、腐食性の水溶液中では上記処理によって耐食性を却
って劣化させることにもなりかねない。本発明方法にお
いては、Cr含有層が予め形成されるので加熱酸化処理
後に連続したCr酸化物層が形成され、またCr欠乏層
の形成も起こらないため、水分とハロゲン系ガスが同時
に存在する様な環境中でも優れた耐食性が発揮される。
されていない様な通常のステンレス鋼材であっても、上
記の様な加熱酸化処理を施せばその表面にCr酸化物層
を形成することはでき、この様なステンレス鋼材は乾燥
したハロゲン系ガスでは良好な耐食性を示すこともあ
る。しかしながら、外部環境からステンレス鋼材を完全
に遮断する様な連続したCr酸化物層の形成は困難であ
り、この処理時に素地中にCr欠乏層が形成され易くな
り、腐食性の水溶液中では上記処理によって耐食性を却
って劣化させることにもなりかねない。本発明方法にお
いては、Cr含有層が予め形成されるので加熱酸化処理
後に連続したCr酸化物層が形成され、またCr欠乏層
の形成も起こらないため、水分とハロゲン系ガスが同時
に存在する様な環境中でも優れた耐食性が発揮される。
【0015】尚以上の説明では、用いる素地金属材とし
てステンレス鋼を代表的に取り上げて説明したが、本発
明で用いることのできる素地金属材としてはこのステン
レス鋼に限らず、低合金鋼や炭素鋼等の鋼材、更にはア
ルミニウム等が挙げられることは上述した通りであり、
これらの素地金属材の用いた場合であっても、本発明の
目的が達成される。また素地金属材としてステンレス鋼
材用いる場合に、その種類(鋼種)は特に限定されるも
のではないが、半導体製造装置の素材として一般的に使
用されているSUS304やSUS316Lを用いれば
良い。
てステンレス鋼を代表的に取り上げて説明したが、本発
明で用いることのできる素地金属材としてはこのステン
レス鋼に限らず、低合金鋼や炭素鋼等の鋼材、更にはア
ルミニウム等が挙げられることは上述した通りであり、
これらの素地金属材の用いた場合であっても、本発明の
目的が達成される。また素地金属材としてステンレス鋼
材用いる場合に、その種類(鋼種)は特に限定されるも
のではないが、半導体製造装置の素材として一般的に使
用されているSUS304やSUS316Lを用いれば
良い。
【0016】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0017】
実施例1 市販のSUS316L鋼板を使用し、下記表1に示す条
件でCr含有層(金属Cr層および/またはCr水酸化
物層)形成および加熱酸化処理を施し、得られた表面処
理材の耐食性を調査した。このとき耐食性は、水分と塩
素系のガスが共存する条件を模擬して30℃の3%Na
Cl水溶液による腐食試験で評価した。その結果を、表
1に併記する。尚表1中の耐食性の評価基準は下記の通
りである。 <耐食性の評価基準> ○:アノード分極によっても孔食が発生しないもの ×:アノード分極によって孔食が発生したもの
件でCr含有層(金属Cr層および/またはCr水酸化
物層)形成および加熱酸化処理を施し、得られた表面処
理材の耐食性を調査した。このとき耐食性は、水分と塩
素系のガスが共存する条件を模擬して30℃の3%Na
Cl水溶液による腐食試験で評価した。その結果を、表
1に併記する。尚表1中の耐食性の評価基準は下記の通
りである。 <耐食性の評価基準> ○:アノード分極によっても孔食が発生しないもの ×:アノード分極によって孔食が発生したもの
【0018】
【表1】
【0019】表1により次の様に考察することができ
る。No.1〜5は本発明の規定要件をすべて満たす実施
例であり、Cr2 O3 層が形成されることによって優れ
た耐食性を示している。これらに対しNo.6〜9は、下
記の様に本発明の規定要件のいずれかを欠く比較例であ
り、十分な耐食性が得られない。
る。No.1〜5は本発明の規定要件をすべて満たす実施
例であり、Cr2 O3 層が形成されることによって優れ
た耐食性を示している。これらに対しNo.6〜9は、下
記の様に本発明の規定要件のいずれかを欠く比較例であ
り、十分な耐食性が得られない。
【0020】No.6:Cr水酸化物層の厚さが0.00
2μmと薄いために適切な酸化処理によっても、表面を
完全にCr酸化物で被覆することができず、十分な耐食
性が得られていない。 No.7:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理の酸素分圧が小さすぎるために表面にCr酸化物が生
成せず、十分な耐食性が得られていない。 No.8:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理を大気中で行なったためにFe酸化物が形成して表面
が均一なCr酸化物になっていないために、十分な耐食
性が得られていない。 No.9:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理を実施していないために金属Cr層のわずかな欠陥か
ら素地の腐食が進行し、十分な耐食性が得られていな
い。また金属Cr表面はガス吸着特性からも好ましくな
い。
2μmと薄いために適切な酸化処理によっても、表面を
完全にCr酸化物で被覆することができず、十分な耐食
性が得られていない。 No.7:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理の酸素分圧が小さすぎるために表面にCr酸化物が生
成せず、十分な耐食性が得られていない。 No.8:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理を大気中で行なったためにFe酸化物が形成して表面
が均一なCr酸化物になっていないために、十分な耐食
性が得られていない。 No.9:Cr含有層の厚さは適当であるが、加熱酸化処
理を実施していないために金属Cr層のわずかな欠陥か
ら素地の腐食が進行し、十分な耐食性が得られていな
い。また金属Cr表面はガス吸着特性からも好ましくな
い。
【0021】実施例2 SUS316L鋼板上にりん酸−クロム酸を含む水溶液
中で陰極電解することによってCr含有層(CrPO4
・4H2 OおよびCr水酸化物)形成後、表2の条件で
加熱酸化処理を施し、30℃、3%NaCl水溶液によ
る腐食試験により耐食性を評価した。その結果を表2に
併記する。尚評価基準は実施例1と同様である。表2か
ら明らかな様に、本発明の規定要件を満足する実施例の
ものは、優れた耐食性を示していることが分かる。
中で陰極電解することによってCr含有層(CrPO4
・4H2 OおよびCr水酸化物)形成後、表2の条件で
加熱酸化処理を施し、30℃、3%NaCl水溶液によ
る腐食試験により耐食性を評価した。その結果を表2に
併記する。尚評価基準は実施例1と同様である。表2か
ら明らかな様に、本発明の規定要件を満足する実施例の
ものは、優れた耐食性を示していることが分かる。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、素
地金属材の表面に金属Cr層および/またはCr化合物
層を形成した後、所定の酸素活量雰囲気下で加熱酸化処
理することによって、耐食性に優れた強固なCr酸化物
層を形成することができ、水分が同時に存在する様なハ
ロゲン系ガスに対しても優れた耐食性を示し不純物ガス
の吸着・放出が少ない、半導体製造装置用として卓越し
た性能の表面処理金属材を提供し得ることになった。
地金属材の表面に金属Cr層および/またはCr化合物
層を形成した後、所定の酸素活量雰囲気下で加熱酸化処
理することによって、耐食性に優れた強固なCr酸化物
層を形成することができ、水分が同時に存在する様なハ
ロゲン系ガスに対しても優れた耐食性を示し不純物ガス
の吸着・放出が少ない、半導体製造装置用として卓越し
た性能の表面処理金属材を提供し得ることになった。
Claims (1)
- 【請求項1】 素地金属材を、クロム酸を含む水溶液中
で陰極電解することによって、金属材表面に0.005
〜10μm厚さの金属Cr層および/またはCr化合物
層を形成した後、10-8〜100 Torrの真空雰囲気
下またはこの雰囲気に相当する酸素活量の低酸素分圧雰
囲気下で加熱することによって、前記金属Cr層内また
はCr化合物層内の少なくとも表層部にCr酸化物を形
成することを特徴とする半導体製造装置用金属材の表面
処理法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31784893A JPH07145498A (ja) | 1993-09-30 | 1993-12-17 | 半導体製造装置用金属材の表面処理法 |
| DE4432013A DE4432013A1 (de) | 1993-12-17 | 1994-09-08 | Verfahren zur Oberflächenbehandlung von metallischem Material für Halbleiterherstellungs-Einrichtungen |
| SE9403108A SE9403108A0 (en) | 1993-12-17 | 1994-09-16 | Process for surface treatment of metallic material for semiconductor manufacturing equipment |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24503593 | 1993-09-30 | ||
| JP5-245035 | 1993-09-30 | ||
| JP31784893A JPH07145498A (ja) | 1993-09-30 | 1993-12-17 | 半導体製造装置用金属材の表面処理法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07145498A true JPH07145498A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=26537017
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31784893A Withdrawn JPH07145498A (ja) | 1993-09-30 | 1993-12-17 | 半導体製造装置用金属材の表面処理法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07145498A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000208431A (ja) * | 1999-01-13 | 2000-07-28 | Tadahiro Omi | 酸化クロム不働態膜が形成された金属材料及びその製造方法並びに接流体部品及び流体供給・排気システム |
| JP2008518110A (ja) * | 2004-11-01 | 2008-05-29 | ゼネラル・モーターズ・コーポレーション | 耐食性のバイポーラプレートを製造する方法 |
| JP2010209458A (ja) * | 2009-02-16 | 2010-09-24 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 加工後耐食性に優れたクロムめっきステンレス鋼板 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP31784893A patent/JPH07145498A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000208431A (ja) * | 1999-01-13 | 2000-07-28 | Tadahiro Omi | 酸化クロム不働態膜が形成された金属材料及びその製造方法並びに接流体部品及び流体供給・排気システム |
| US7935385B2 (en) | 1999-01-13 | 2011-05-03 | Tadahiro Ohmi | Metal material having formed thereon chromium oxide passive film and method for producing the same, and parts contacting with fluid and system for supplying fluid and exhausting gas |
| US8137787B1 (en) | 1999-01-13 | 2012-03-20 | Tadahiro Ohmi | Metal material having formed thereon chromium oxide passive film and method for producing the same, and parts contacting with fluid and system for supplying fluid and exhausting gas |
| JP2008518110A (ja) * | 2004-11-01 | 2008-05-29 | ゼネラル・モーターズ・コーポレーション | 耐食性のバイポーラプレートを製造する方法 |
| JP2010209458A (ja) * | 2009-02-16 | 2010-09-24 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 加工後耐食性に優れたクロムめっきステンレス鋼板 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010306 |