JPH07147841A - マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法 - Google Patents
マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法Info
- Publication number
- JPH07147841A JPH07147841A JP5298545A JP29854593A JPH07147841A JP H07147841 A JPH07147841 A JP H07147841A JP 5298545 A JP5298545 A JP 5298545A JP 29854593 A JP29854593 A JP 29854593A JP H07147841 A JPH07147841 A JP H07147841A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- root
- mycorrhiza
- mycorrhizal
- fungi
- matsutake
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Mushroom Cultivation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 マツタケ等の菌根菌類の宿主となる樹木の根
に確実に菌根を形成させる方法を提供する。 【構成】 マツタケ等の菌根菌の菌糸塊と、微細粒子か
らなる鉱物質とを順次充填した菌根形成容器を用意し、
これに地中から堀り出した菌根菌の宿主樹木の根を、根
切り処理を施し、さらに発根促進物質で処理した後、菌
根形成容器中の鉱物質の中に挿入し、菌根形成容器を土
中に埋め戻す。
に確実に菌根を形成させる方法を提供する。 【構成】 マツタケ等の菌根菌の菌糸塊と、微細粒子か
らなる鉱物質とを順次充填した菌根形成容器を用意し、
これに地中から堀り出した菌根菌の宿主樹木の根を、根
切り処理を施し、さらに発根促進物質で処理した後、菌
根形成容器中の鉱物質の中に挿入し、菌根形成容器を土
中に埋め戻す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】菌根菌類に属するマツタケ、ホン
シメジ、シャカシメジ、ショウロ、トリュフ等のきのこ
は食用きのことして極めて珍重されている。これらはシ
イタケ、エノキタケ等の腐生菌類とは異なって人工栽培
することができないので、もっぱら自然条件下で発生し
ているものを採取して食用に供している。これらの菌類
は特定の宿主樹木類の根に寄生または共生して菌根を形
成して「シロ」と呼ばれる発生場所を作っている。本発
明はこのような菌根菌の菌根を人工的に形成させる方法
に関するものである。
シメジ、シャカシメジ、ショウロ、トリュフ等のきのこ
は食用きのことして極めて珍重されている。これらはシ
イタケ、エノキタケ等の腐生菌類とは異なって人工栽培
することができないので、もっぱら自然条件下で発生し
ているものを採取して食用に供している。これらの菌類
は特定の宿主樹木類の根に寄生または共生して菌根を形
成して「シロ」と呼ばれる発生場所を作っている。本発
明はこのような菌根菌の菌根を人工的に形成させる方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マツタケ、ホンシメジ、ショウロ、トリ
ュフ等の菌根菌類は、生きた植物の根に寄生または共生
して菌根を形成し、さらにシロと呼ばれる子実体の発生
区域を形成して生育している。これらのきのこ類を人工
的に発生させる方法について、長年にわたる研究や試み
が行われてきた(伊藤武、「'86 版きのこ年鑑」、農村
文化社、1985年) 。しかしながらこれらのきのこ類につ
いては、枯れ木や落葉等を分解して養分として利用・生
育する腐生性菌類とは異って、人工的にシロを形成させ
ることには成功しているが、子実体を発生させる方法に
ついては、屋外では勿論、実験室のレベルでも成功して
いない。
ュフ等の菌根菌類は、生きた植物の根に寄生または共生
して菌根を形成し、さらにシロと呼ばれる子実体の発生
区域を形成して生育している。これらのきのこ類を人工
的に発生させる方法について、長年にわたる研究や試み
が行われてきた(伊藤武、「'86 版きのこ年鑑」、農村
文化社、1985年) 。しかしながらこれらのきのこ類につ
いては、枯れ木や落葉等を分解して養分として利用・生
育する腐生性菌類とは異って、人工的にシロを形成させ
ることには成功しているが、子実体を発生させる方法に
ついては、屋外では勿論、実験室のレベルでも成功して
いない。
【0003】ここで、最も多くの関心がもたれ、試験・
研究例も多いマツタケについて以下に説明する。従来、
マツタケはもっぱら自然に発生するものを採取して食用
に供してきたが、昭和30〜40年頃から発生量が低下して
きた。この原因は、農山村における生活様式の変化によ
って、落葉や枯れ枝の燃料としての利用、あるいは、肥
料や飼料等としての利用の減少等によって山が放置され
たことによる。このため、アカマツ林では急速に雑木や
雑草が繁茂して林内は風通しが悪く、さらに、光も入ら
ず湿った状態となり、これによって土壌中にはマツタケ
菌の生育にとつて有害となるきのこやかびが増加する
等、マツタケ菌の生育環境が悪化した。
研究例も多いマツタケについて以下に説明する。従来、
マツタケはもっぱら自然に発生するものを採取して食用
に供してきたが、昭和30〜40年頃から発生量が低下して
きた。この原因は、農山村における生活様式の変化によ
って、落葉や枯れ枝の燃料としての利用、あるいは、肥
料や飼料等としての利用の減少等によって山が放置され
たことによる。このため、アカマツ林では急速に雑木や
雑草が繁茂して林内は風通しが悪く、さらに、光も入ら
ず湿った状態となり、これによって土壌中にはマツタケ
菌の生育にとつて有害となるきのこやかびが増加する
等、マツタケ菌の生育環境が悪化した。
【0004】このような発生量の低下とこれによるマツ
タケ価格の上昇に伴って、これを林地で、さらには室内
で人工的に発生させようという試みが多く行われてきた
(「マツタケ山の作り方」、マツタケ研究懇話会編、創
文、1983年。「富永保人博士退職記念論文集」、広島農
業短期大学、1985年)。しかしながら、これらの方法も
普遍的なものではなく、またその効果も疑わしいものが
多く実用的な技術には至っていない。これらのいくつか
の方法のうち、アカマツ林内でマツタケの菌根を形成さ
せてシロを作る方法としては、「植生手入れ法」、「胞
子液散布法」、「感染苗法」、「集根施業法」等が試み
られている。
タケ価格の上昇に伴って、これを林地で、さらには室内
で人工的に発生させようという試みが多く行われてきた
(「マツタケ山の作り方」、マツタケ研究懇話会編、創
文、1983年。「富永保人博士退職記念論文集」、広島農
業短期大学、1985年)。しかしながら、これらの方法も
普遍的なものではなく、またその効果も疑わしいものが
多く実用的な技術には至っていない。これらのいくつか
の方法のうち、アカマツ林内でマツタケの菌根を形成さ
せてシロを作る方法としては、「植生手入れ法」、「胞
子液散布法」、「感染苗法」、「集根施業法」等が試み
られている。
【0005】「植生手入れ法」は、アカマツの林齢が30
年生程度までの林分を対象として、アカマツの枯損木、
被圧木、病虫害による被害木等の伐倒と雑木の刈り払い
を行って林内を明るくすると共に通風を図るものであ
る。さらに、マツタケ菌の生育にとって有害な土壌微生
物の生育を抑制するために、地表の堆積物を掻き取って
林外へ搬出する。このようにして、隣接地等から飛散す
るマツタケの胞子が林内の土壌中で繁殖しやすくし、ア
カマツの根に菌根を形成させてシロを創成する方法であ
る。
年生程度までの林分を対象として、アカマツの枯損木、
被圧木、病虫害による被害木等の伐倒と雑木の刈り払い
を行って林内を明るくすると共に通風を図るものであ
る。さらに、マツタケ菌の生育にとって有害な土壌微生
物の生育を抑制するために、地表の堆積物を掻き取って
林外へ搬出する。このようにして、隣接地等から飛散す
るマツタケの胞子が林内の土壌中で繁殖しやすくし、ア
カマツの根に菌根を形成させてシロを創成する方法であ
る。
【0006】「胞子液散布法」は、上記のようにして植
生手入れを行った林分において、マツタケの胞子を懸濁
した液を散布して菌根を形成させ、さらにはシロ形成を
図る方法である。「感染苗法」は、2〜5年生のアカマ
ツの苗をマツタケのシロの前方に植え付けて1〜2年間
育成する。この間にアカマツの苗にマツタケ菌が感染す
る(これを「感染苗」と呼ぶ)ので、これを別の場所に
移植してマツタケ菌を二次感染させることによってシロ
形成を図る方法である。
生手入れを行った林分において、マツタケの胞子を懸濁
した液を散布して菌根を形成させ、さらにはシロ形成を
図る方法である。「感染苗法」は、2〜5年生のアカマ
ツの苗をマツタケのシロの前方に植え付けて1〜2年間
育成する。この間にアカマツの苗にマツタケ菌が感染す
る(これを「感染苗」と呼ぶ)ので、これを別の場所に
移植してマツタケ菌を二次感染させることによってシロ
形成を図る方法である。
【0007】「集根施業法」は、アカマツの根を人為的
に切断(根切り)して多くの新しい細根を発生させ、さ
らにアゼシート等を用いてこれらの根を一定の箇所に集
めて、ここに胞子液を散布あるいは感染苗を植え付ける
方法である。以上述べた「植生手入れ法」はアカマツ林
の地上部分の環境条件を改善して、地下の土壌条件やア
カマツの根の状態、さらにはシロの土壌微生物相等の改
善も期待するものである。また、「胞子液散布法」、
「感染苗法」、あるいは、「集根施業法」は植生手入れ
法だけでは不備な部分を補おうとするものであるが、い
ずれも効果の確実性に欠け、実用化の段階には至ってい
ない。
に切断(根切り)して多くの新しい細根を発生させ、さ
らにアゼシート等を用いてこれらの根を一定の箇所に集
めて、ここに胞子液を散布あるいは感染苗を植え付ける
方法である。以上述べた「植生手入れ法」はアカマツ林
の地上部分の環境条件を改善して、地下の土壌条件やア
カマツの根の状態、さらにはシロの土壌微生物相等の改
善も期待するものである。また、「胞子液散布法」、
「感染苗法」、あるいは、「集根施業法」は植生手入れ
法だけでは不備な部分を補おうとするものであるが、い
ずれも効果の確実性に欠け、実用化の段階には至ってい
ない。
【0008】また、マツタケのシロのなかでマツタケ菌
の生育が旺盛な活性菌根帯ではマツタケ菌以外の微生物
が非常に少ないという事実がある(小川真、林業試験場
報告、NO.272、1975。原・藤田、第37回日本林学会関西
支部講演集、323〜327、1986) 。これを応用して、マツ
タケのシロのなかから、マツタケ菌以外の微生物の増殖
を抑制する能力のある抗菌性菌を分離して、これを使っ
てマツタケのシロを創成する方法もある( 特開平1-2522
26号) 。しかしながら、この方法も効果の確実性に欠け
るものであり、まだ実用化の段階には至っていない。
の生育が旺盛な活性菌根帯ではマツタケ菌以外の微生物
が非常に少ないという事実がある(小川真、林業試験場
報告、NO.272、1975。原・藤田、第37回日本林学会関西
支部講演集、323〜327、1986) 。これを応用して、マツ
タケのシロのなかから、マツタケ菌以外の微生物の増殖
を抑制する能力のある抗菌性菌を分離して、これを使っ
てマツタケのシロを創成する方法もある( 特開平1-2522
26号) 。しかしながら、この方法も効果の確実性に欠け
るものであり、まだ実用化の段階には至っていない。
【0009】また、特開昭63-230018号公報および特開
平2-142423号公報には疎水性繊維で構成された袋にアカ
マツの根の浸出液を含浸させて滅菌したオガクズを充填
し、その上にマツタケの胞子あるいは菌糸や組織を接種
して密封する。この袋をアカマツの根に接触するように
埋設する。その後、袋の中でマツタケの胞子が発芽ある
いは菌糸が生長して、アカマツの根が袋を貫通する際に
菌根を形成させる方法が開示されている。しかしながら
この方法の場合、アカマツの根は無菌ではなくすでに他
の菌と菌根が形成されているおそれがある。
平2-142423号公報には疎水性繊維で構成された袋にアカ
マツの根の浸出液を含浸させて滅菌したオガクズを充填
し、その上にマツタケの胞子あるいは菌糸や組織を接種
して密封する。この袋をアカマツの根に接触するように
埋設する。その後、袋の中でマツタケの胞子が発芽ある
いは菌糸が生長して、アカマツの根が袋を貫通する際に
菌根を形成させる方法が開示されている。しかしながら
この方法の場合、アカマツの根は無菌ではなくすでに他
の菌と菌根が形成されているおそれがある。
【0010】この他にも、特開平4-71423、4-71424、4-
71425号公報には、微細粒子からなる鉱物質とマツタケ
の菌糸魂を充填した容器(菌根形成用容器)の中へ、根
切り処理を施したアカマツの根の先端部分を挿入し、密
閉して土中に埋め戻し、根の切り口等から新たに発生し
た細根にマツタケ菌を感染させて菌根を形成させ、マツ
タケのシロを形成させる方法や、特開平4-112724号公報
には、宿主樹木の根系を分割し、一方の根系に菌根菌を
接種して菌根を形成させ、他方の根系を養水分吸収専用
根系とする菌根菌のシロ形成方法もある。
71425号公報には、微細粒子からなる鉱物質とマツタケ
の菌糸魂を充填した容器(菌根形成用容器)の中へ、根
切り処理を施したアカマツの根の先端部分を挿入し、密
閉して土中に埋め戻し、根の切り口等から新たに発生し
た細根にマツタケ菌を感染させて菌根を形成させ、マツ
タケのシロを形成させる方法や、特開平4-112724号公報
には、宿主樹木の根系を分割し、一方の根系に菌根菌を
接種して菌根を形成させ、他方の根系を養水分吸収専用
根系とする菌根菌のシロ形成方法もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
有する問題点を解消するために、菌根形成用容器を使っ
て菌根菌類の菌根形成を図る方法において、容器内へ挿
入する根切り処理をした根の切り口およびその付近を発
根促進物質で処理して、宿主樹木の発根を促進して、目
的とする菌根菌の菌根を確実に形成させる方法を提供す
る。
有する問題点を解消するために、菌根形成用容器を使っ
て菌根菌類の菌根形成を図る方法において、容器内へ挿
入する根切り処理をした根の切り口およびその付近を発
根促進物質で処理して、宿主樹木の発根を促進して、目
的とする菌根菌の菌根を確実に形成させる方法を提供す
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のマツタケ等の菌
根菌の菌根形成方法は、無菌処理を施した菌根形成用容
器の底部に、純粋培養した菌根菌の菌糸塊を敷き詰め、
さらに前記菌糸塊上に無菌処理を施した微細粒子からな
る鉱物質を充填し、次いで前記鉱物質中に根切り処理を
施した菌根菌の宿主となる生きた樹木の根を無菌的に挿
入した後、容器の開口部の隙間部分を密閉して土中に埋
め戻し、前記根切り処理を施した根から新たに発生する
根に菌根を形成させる菌根菌の菌根形成方法において、
前記根切り処理を施した根を発根促進物質で処理するこ
とを特徴とするものである。
根菌の菌根形成方法は、無菌処理を施した菌根形成用容
器の底部に、純粋培養した菌根菌の菌糸塊を敷き詰め、
さらに前記菌糸塊上に無菌処理を施した微細粒子からな
る鉱物質を充填し、次いで前記鉱物質中に根切り処理を
施した菌根菌の宿主となる生きた樹木の根を無菌的に挿
入した後、容器の開口部の隙間部分を密閉して土中に埋
め戻し、前記根切り処理を施した根から新たに発生する
根に菌根を形成させる菌根菌の菌根形成方法において、
前記根切り処理を施した根を発根促進物質で処理するこ
とを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられる宿主樹木は、アカマツやクロマ
ツ等の針葉樹およびクヌギやコナラ等の広葉樹で、菌根
菌と菌根を形成するものであるならばすべて使用可能で
ある。菌根菌の菌糸塊の作成方法 使用する菌根菌類の菌糸塊は、採取した新鮮な子実体を
組織培養して得ることができる。また、傘が開きかけの
子実体から採取した胞子を培養して得る方法もある。す
なわち、組織培養または胞子を培養して得られた菌糸の
継代培養を繰り返して目的とする菌根菌だけの純粋の菌
糸(種菌)を得る。ついで、これを液体培養して原菌を
作り、これを支持体である通気性および水分保持力の優
れた鉱物質に接種して培養し、菌糸塊を得る。なお、こ
こでいう菌糸塊とは、必ずしも1個の塊状になっている
必要はなく、いくつかの個々の菌根菌が菌糸によってつ
づり合わされている状態のものでもよい。支持体として
は、パーライト、日向土、川砂、山土心土(森林等のC
層の土壌)、鹿沼土、赤玉土、バーミキュライト、石英
砂、ガラスビーズ、セラミックファイバー、ロックウー
ルまたは、十分に水洗いした海砂等を使用することがで
きる。なお、この支持体は後に記載する菌根形成用容器
に充填する鉱物質と同一のものとすることによって菌根
の形成がより確実に行われる。菌根菌類 本発明の対象となる菌根菌類は主として食用菌類である
が、医薬品原料等に使われる毒菌類に属するものでもよ
い。主なものとしては、下記の菌類を例示できる。 (A)食用菌類 マツタケ (Tricholoma matsutake) ホンシメジ (Lyophyllum shimeji) シャカシメジ (Lyophyllum fumosum) アイシメジ (Tricholoma sejunctum) アイタケ (Russula virescens) アミタケ (Suillus bovinus) アンズタケ (Cantharellus cibarius) オオモミタケ (Catathelasma inperiale) クロカワ (Boletopsis leucomelas) キシメジ (Tricholoma flavovirens) コウタケ (Sarcodon aspratus) ショウロ (Rhizopogon rulescens) シロシメジ (Tricholoma japonicum) シモフリシメジ (Tricholoma porteutosum) タマゴタケ (Amanita hemihapha) トリュフ (Tuber sp.) ヌメリササタケ (Cortinarius pseudosaior) ハッタケ (Lactarius hatsudake) ハナイグチ (Suillus grevillei) ホウキタケ (Ramaria bocrycis) マツタケモドキ (Tricholoma robustum) (B)有毒または薬用菌類 オオワライタケ (Gymnopius spectabilis) タマゴテングタケ (Amanita fuliginea) テングタケ (Amanita pantherina) ドクベニタケ (Russula emetica) ベニテングタケ (Amanita muscaria) マツシメジ (Tricholoma striatum)微細粒子からなる鉱物質 純粋培養した菌根菌類の菌糸塊と菌根が成長する場とし
ての、菌根形成用容器の中に充填する鉱物質が具備すべ
き条件は以下の通りである。 (1) 高温殺菌またはガス殺菌が可能であること。 (2) 鉱物質の種類によって含水率は異なるが、PF価が
1.8〜3.8程度の水分を保持すること。 (3) 通気性が良好であること。 (4) 宿主樹木の発根および発根した根と菌根菌の菌糸塊
の生育を阻害しないこと。 (5) 雑菌類の繁殖を阻害するために、多量の有機物を含
まないこと。
発明において用いられる宿主樹木は、アカマツやクロマ
ツ等の針葉樹およびクヌギやコナラ等の広葉樹で、菌根
菌と菌根を形成するものであるならばすべて使用可能で
ある。菌根菌の菌糸塊の作成方法 使用する菌根菌類の菌糸塊は、採取した新鮮な子実体を
組織培養して得ることができる。また、傘が開きかけの
子実体から採取した胞子を培養して得る方法もある。す
なわち、組織培養または胞子を培養して得られた菌糸の
継代培養を繰り返して目的とする菌根菌だけの純粋の菌
糸(種菌)を得る。ついで、これを液体培養して原菌を
作り、これを支持体である通気性および水分保持力の優
れた鉱物質に接種して培養し、菌糸塊を得る。なお、こ
こでいう菌糸塊とは、必ずしも1個の塊状になっている
必要はなく、いくつかの個々の菌根菌が菌糸によってつ
づり合わされている状態のものでもよい。支持体として
は、パーライト、日向土、川砂、山土心土(森林等のC
層の土壌)、鹿沼土、赤玉土、バーミキュライト、石英
砂、ガラスビーズ、セラミックファイバー、ロックウー
ルまたは、十分に水洗いした海砂等を使用することがで
きる。なお、この支持体は後に記載する菌根形成用容器
に充填する鉱物質と同一のものとすることによって菌根
の形成がより確実に行われる。菌根菌類 本発明の対象となる菌根菌類は主として食用菌類である
が、医薬品原料等に使われる毒菌類に属するものでもよ
い。主なものとしては、下記の菌類を例示できる。 (A)食用菌類 マツタケ (Tricholoma matsutake) ホンシメジ (Lyophyllum shimeji) シャカシメジ (Lyophyllum fumosum) アイシメジ (Tricholoma sejunctum) アイタケ (Russula virescens) アミタケ (Suillus bovinus) アンズタケ (Cantharellus cibarius) オオモミタケ (Catathelasma inperiale) クロカワ (Boletopsis leucomelas) キシメジ (Tricholoma flavovirens) コウタケ (Sarcodon aspratus) ショウロ (Rhizopogon rulescens) シロシメジ (Tricholoma japonicum) シモフリシメジ (Tricholoma porteutosum) タマゴタケ (Amanita hemihapha) トリュフ (Tuber sp.) ヌメリササタケ (Cortinarius pseudosaior) ハッタケ (Lactarius hatsudake) ハナイグチ (Suillus grevillei) ホウキタケ (Ramaria bocrycis) マツタケモドキ (Tricholoma robustum) (B)有毒または薬用菌類 オオワライタケ (Gymnopius spectabilis) タマゴテングタケ (Amanita fuliginea) テングタケ (Amanita pantherina) ドクベニタケ (Russula emetica) ベニテングタケ (Amanita muscaria) マツシメジ (Tricholoma striatum)微細粒子からなる鉱物質 純粋培養した菌根菌類の菌糸塊と菌根が成長する場とし
ての、菌根形成用容器の中に充填する鉱物質が具備すべ
き条件は以下の通りである。 (1) 高温殺菌またはガス殺菌が可能であること。 (2) 鉱物質の種類によって含水率は異なるが、PF価が
1.8〜3.8程度の水分を保持すること。 (3) 通気性が良好であること。 (4) 宿主樹木の発根および発根した根と菌根菌の菌糸塊
の生育を阻害しないこと。 (5) 雑菌類の繁殖を阻害するために、多量の有機物を含
まないこと。
【0014】このような条件を満たす鉱物質としては、
平均粒子径が2〜5mmの微細粒子からなる鉱物質が好ま
しく、パーライトや日向土等の園芸用土が有利に用いら
れる。また、有機物を含まない川砂や山土心土、鹿沼
土、赤玉土、バーミキュライト、石英砂、または、十分
に水洗いして塩分を除去した海砂等も使用できる。その
他、セラミックファイバーあるいはロックウール等も使
用することができる。また、これらを適宜混合して使用
することも有効である。
平均粒子径が2〜5mmの微細粒子からなる鉱物質が好ま
しく、パーライトや日向土等の園芸用土が有利に用いら
れる。また、有機物を含まない川砂や山土心土、鹿沼
土、赤玉土、バーミキュライト、石英砂、または、十分
に水洗いして塩分を除去した海砂等も使用できる。その
他、セラミックファイバーあるいはロックウール等も使
用することができる。また、これらを適宜混合して使用
することも有効である。
【0015】このような鉱物質に埋め込んだ菌根菌の菌
糸の成長を促進するための養分として、担子菌の培養に
使用している各種の培地(青島清雄他編、菌類研究法、
共立出版、1984)を少量添加することが有効である。ま
た、鉱物質の含水率は、PF価が1.8〜3.8程度になるよ
うに調整することが好ましい。具体的には、鉱物質の種
類により異なるが、0.5〜20%の含水率であることが好
ましい。菌根形成用容器の材質 本発明において使用する容器の材質は以下の条件を満た
すものであれば、いかなるものであってもよい。 (1) 高温殺菌またはガス殺菌が可能であること。 (2) 容器内に雨水や微生物等が浸透しない物質。 (3) 容器状に成形が可能な物質。
糸の成長を促進するための養分として、担子菌の培養に
使用している各種の培地(青島清雄他編、菌類研究法、
共立出版、1984)を少量添加することが有効である。ま
た、鉱物質の含水率は、PF価が1.8〜3.8程度になるよ
うに調整することが好ましい。具体的には、鉱物質の種
類により異なるが、0.5〜20%の含水率であることが好
ましい。菌根形成用容器の材質 本発明において使用する容器の材質は以下の条件を満た
すものであれば、いかなるものであってもよい。 (1) 高温殺菌またはガス殺菌が可能であること。 (2) 容器内に雨水や微生物等が浸透しない物質。 (3) 容器状に成形が可能な物質。
【0016】このような条件を満たすものとしては、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニール、ポリサルフォン、ポリメチルぺンテン、アク
リル、ナイロン、テフロン等の化学合成した高分子物質
やゴム、ガラス、あるいは土壌の中で10か月以上の期間
分解されないように殺菌剤等を含浸させた紙等でもよ
い。さらに、高分子物質とこのような紙とを貼り合わせ
たラミネート紙、太陽光線あるいは微生物等によって自
然分解することが可能な分解性プラスチック類も使用す
ることができる。これらが、硬質物質であっても、軟質
物質であっても使用することが可能である。さらには、
寒天またはゼラチン等の水との溶解液を加熱して固化さ
せたものも使用することができる。菌根形成用容器の形状および大きさ 円筒形や直方体、立方体、球形、三角錐その他の形状を
した袋状のもの、ビン状のもの、箱状のものが可能であ
る。
リプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニール、ポリサルフォン、ポリメチルぺンテン、アク
リル、ナイロン、テフロン等の化学合成した高分子物質
やゴム、ガラス、あるいは土壌の中で10か月以上の期間
分解されないように殺菌剤等を含浸させた紙等でもよ
い。さらに、高分子物質とこのような紙とを貼り合わせ
たラミネート紙、太陽光線あるいは微生物等によって自
然分解することが可能な分解性プラスチック類も使用す
ることができる。これらが、硬質物質であっても、軟質
物質であっても使用することが可能である。さらには、
寒天またはゼラチン等の水との溶解液を加熱して固化さ
せたものも使用することができる。菌根形成用容器の形状および大きさ 円筒形や直方体、立方体、球形、三角錐その他の形状を
した袋状のもの、ビン状のもの、箱状のものが可能であ
る。
【0017】これらの形状をした容器の一部に、純粋培
養した50〜200gの量の菌根菌類の菌糸塊を挿入するこ
とを可能にする直径5〜10cmの開口部を設ける。この開
口部は根切り処理した宿主樹木類の根を挿入した後には
密閉することが可能な構造であることが必要である。例
えば、袋状のものではビニールテープ、紐、あるいは金
属やプラスチック類等でできたピンその他の部品や、パ
テあるいはラノリンやワセリン等のぺースト状の物質等
で開口部を密閉する。また、ビン状や箱状のものでは、
根を挿入するための穴の付いたフタをつけておくことが
必要である。さらに、容器内部へ空気や水分さらには栄
養物の補給ができるような孔を付けてもよい。菌根形成用容器の作成 前述の容器内に菌糸塊および微細粒子からなる鉱物質を
充填して、例えば図1に示すような構成の菌根形成用容
器を作成する。この菌根形成用容器に根切り処理後に発
根促進物質で処理した宿主樹木の根を例えば図2に示す
ような構成になるように挿入する。この際、根の先端が
菌糸塊に接触しないようにする必要があり、好ましく
は、前記根の先端と菌糸塊との間に、5〜10cm程度の間
隔をあける。
養した50〜200gの量の菌根菌類の菌糸塊を挿入するこ
とを可能にする直径5〜10cmの開口部を設ける。この開
口部は根切り処理した宿主樹木類の根を挿入した後には
密閉することが可能な構造であることが必要である。例
えば、袋状のものではビニールテープ、紐、あるいは金
属やプラスチック類等でできたピンその他の部品や、パ
テあるいはラノリンやワセリン等のぺースト状の物質等
で開口部を密閉する。また、ビン状や箱状のものでは、
根を挿入するための穴の付いたフタをつけておくことが
必要である。さらに、容器内部へ空気や水分さらには栄
養物の補給ができるような孔を付けてもよい。菌根形成用容器の作成 前述の容器内に菌糸塊および微細粒子からなる鉱物質を
充填して、例えば図1に示すような構成の菌根形成用容
器を作成する。この菌根形成用容器に根切り処理後に発
根促進物質で処理した宿主樹木の根を例えば図2に示す
ような構成になるように挿入する。この際、根の先端が
菌糸塊に接触しないようにする必要があり、好ましく
は、前記根の先端と菌糸塊との間に、5〜10cm程度の間
隔をあける。
【0018】なお、鉱物質および菌糸塊の使用量は、使
用する容器の大きさに合わせれば良く、鉱物質の場合0.
2〜1.5L程度、また菌糸塊の場合50〜200g程度の使用量
が好ましい。発根促進物質 発根促進物質としては、主に植物ホルモン類が使われて
いる。植物ホルモンは「植物によって生産される成長調
節物質で、低濃度で植物の生理過程を調節する物質であ
る。ホルモンは通常、生産されている部域から作用する
部域へ植物体内を移動する」と定義されている。物質と
しては、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、ア
ブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等が知られてい
る。その他に、エチクロゼート、1−ナフチルアセトア
ミド等もある。
用する容器の大きさに合わせれば良く、鉱物質の場合0.
2〜1.5L程度、また菌糸塊の場合50〜200g程度の使用量
が好ましい。発根促進物質 発根促進物質としては、主に植物ホルモン類が使われて
いる。植物ホルモンは「植物によって生産される成長調
節物質で、低濃度で植物の生理過程を調節する物質であ
る。ホルモンは通常、生産されている部域から作用する
部域へ植物体内を移動する」と定義されている。物質と
しては、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、ア
ブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等が知られてい
る。その他に、エチクロゼート、1−ナフチルアセトア
ミド等もある。
【0019】これらの中から、木本植物の発根促進に多
く用いられているものはオーキシン類の物質である。オ
ーキシン類の種類としては、β−インドール酢酸(IA
A)、β−インドール酪酸(IBA)、α−ナフタレン
酢酸(NAA)、α−ナフチルアセトアミド(NA
d)、2,4ジクロロフェノキシ酢酸(2、4−D)、
2,4,5トリプロピオン酸(2,4,5−TP)等で
ある。
く用いられているものはオーキシン類の物質である。オ
ーキシン類の種類としては、β−インドール酢酸(IA
A)、β−インドール酪酸(IBA)、α−ナフタレン
酢酸(NAA)、α−ナフチルアセトアミド(NA
d)、2,4ジクロロフェノキシ酢酸(2、4−D)、
2,4,5トリプロピオン酸(2,4,5−TP)等で
ある。
【0020】これらのものは既に液剤や粉剤、ペースト
状にして市販され、草本および木本類の挿し木等に用い
られているものであり、本発明においてもこれらを使用
することが出来る。宿主樹木の根切り処理 根切りを行う時期は雑菌類の繁殖が少なく、根切りした
根からの発根が容易な10月から翌年の4月頃までが可能
であるが、特に12月から2月の気温の低い時期が最適で
ある。
状にして市販され、草本および木本類の挿し木等に用い
られているものであり、本発明においてもこれらを使用
することが出来る。宿主樹木の根切り処理 根切りを行う時期は雑菌類の繁殖が少なく、根切りした
根からの発根が容易な10月から翌年の4月頃までが可能
であるが、特に12月から2月の気温の低い時期が最適で
ある。
【0021】対象とする樹木の根元付近の土を丁寧に掻
き除いて根を浮かせた状態にしてから、根の太さ5〜20
mm程度のものを選定する。太さが5mm未満の細いもの
や、反対に20mmを越える太いものは発根し難いので好ま
しくない。選定した根の表皮(粗皮) を長さ20cm程度の
範囲で、清潔な手指等で軽く除去し、その部分をエチル
アルコール(濃度50〜80%)、メチルI−(ブチルカル
バモイル)−2−ベンゾイミダゾ−ルカ−バメ−ト(三
共製、ベンレート)の10〜100倍液またはアンチホルミ
ン(次亜塩素酸ナトリウム溶液、10〜70%)の各溶液を
噴霧するか、あるいは溶液を染込ませたガーゼ等で拭い
て殺菌する。そして、殺菌した部分のほぼ中央部を鋭利
な刃物で切断する。
き除いて根を浮かせた状態にしてから、根の太さ5〜20
mm程度のものを選定する。太さが5mm未満の細いもの
や、反対に20mmを越える太いものは発根し難いので好ま
しくない。選定した根の表皮(粗皮) を長さ20cm程度の
範囲で、清潔な手指等で軽く除去し、その部分をエチル
アルコール(濃度50〜80%)、メチルI−(ブチルカル
バモイル)−2−ベンゾイミダゾ−ルカ−バメ−ト(三
共製、ベンレート)の10〜100倍液またはアンチホルミ
ン(次亜塩素酸ナトリウム溶液、10〜70%)の各溶液を
噴霧するか、あるいは溶液を染込ませたガーゼ等で拭い
て殺菌する。そして、殺菌した部分のほぼ中央部を鋭利
な刃物で切断する。
【0022】つぎに、切断した根の樹体側の部分を発根
促進物質である、例えば、β−インドール酪酸(シオノ
ギ製薬製、オキシベロン)、5−クロル−1H−3−イ
ンダゾリル酢酸ナトリウム(日産化学工業製、ルチエー
ス)、あるいは1−ナフチルアセトアミド(日本農薬
製、ルートン)等の液剤、粉剤、塗布剤で処理する。根の挿入と埋め戻し 殺菌および発根促進物質の処理をした根を前記のように
して準備した菌根形成用容器の中の充填物の中へ素早く
差し込んで、容器の開口部を閉じ、あるいは容器の種類
によっては根と容器との隙間の部分を疎水性セラミック
ファイバーやパテあるいはラノリンやワセリン等のペー
スト状の物質等で詰めて容器内を密閉する。この場合、
鉱物質の中へ挿入する根の深さは5〜10cmが適当であ
る。そして、丁寧に土中に戻した後、やはり微生物の少
ないパーライトや日向土が有利であるが入手が困難な場
合は山土心土で、露出させた根および容器を埋め戻し、
地表面は雨水が入らないようにビニールシート等で被覆
し、さらにマツ葉等の落葉を敷いて土壌の乾燥を防ぐ。
促進物質である、例えば、β−インドール酪酸(シオノ
ギ製薬製、オキシベロン)、5−クロル−1H−3−イ
ンダゾリル酢酸ナトリウム(日産化学工業製、ルチエー
ス)、あるいは1−ナフチルアセトアミド(日本農薬
製、ルートン)等の液剤、粉剤、塗布剤で処理する。根の挿入と埋め戻し 殺菌および発根促進物質の処理をした根を前記のように
して準備した菌根形成用容器の中の充填物の中へ素早く
差し込んで、容器の開口部を閉じ、あるいは容器の種類
によっては根と容器との隙間の部分を疎水性セラミック
ファイバーやパテあるいはラノリンやワセリン等のペー
スト状の物質等で詰めて容器内を密閉する。この場合、
鉱物質の中へ挿入する根の深さは5〜10cmが適当であ
る。そして、丁寧に土中に戻した後、やはり微生物の少
ないパーライトや日向土が有利であるが入手が困難な場
合は山土心土で、露出させた根および容器を埋め戻し、
地表面は雨水が入らないようにビニールシート等で被覆
し、さらにマツ葉等の落葉を敷いて土壌の乾燥を防ぐ。
【0023】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに具体的に
説明する。実施例1 菌糸塊の作成 新鮮なマツタケの子実体の内部組織の一部を切り取っ
て、表1に示した培地で組織培養した。
説明する。実施例1 菌糸塊の作成 新鮮なマツタケの子実体の内部組織の一部を切り取っ
て、表1に示した培地で組織培養した。
【0024】これによって得られた菌糸を同じ培地で継
代培養を反復して、純粋培養したマツタケ菌糸(種菌)
を作製した。いっぽう、300mlの三角フラスコに表2に
示した浜田改変培地50mlを入れて120℃、1.2気圧で20分
間オートクレーブで殺菌した。放冷後に5mm角程度の大
きさの上記の種菌を数片接種して、25日間暗所で静置培
養して原菌を得た。
代培養を反復して、純粋培養したマツタケ菌糸(種菌)
を作製した。いっぽう、300mlの三角フラスコに表2に
示した浜田改変培地50mlを入れて120℃、1.2気圧で20分
間オートクレーブで殺菌した。放冷後に5mm角程度の大
きさの上記の種菌を数片接種して、25日間暗所で静置培
養して原菌を得た。
【0025】つぎに、この原菌を使って菌糸塊を作製し
た。すなわち、2〜5mmの大きさの粒径に調整したパー
ライトを105℃に調整した乾燥機で24時間乾燥した。こ
れの100gを200ml容の培養ビンに入れ、また、浜田改変
培地12mlを加えて120℃で2時間オートクレーブで殺菌
した。放冷後、ホモジナイズした上記の原菌液3mlを接
種して20℃の室温に調節した培養室で80日間培養して菌
糸塊を得た。
た。すなわち、2〜5mmの大きさの粒径に調整したパー
ライトを105℃に調整した乾燥機で24時間乾燥した。こ
れの100gを200ml容の培養ビンに入れ、また、浜田改変
培地12mlを加えて120℃で2時間オートクレーブで殺菌
した。放冷後、ホモジナイズした上記の原菌液3mlを接
種して20℃の室温に調節した培養室で80日間培養して菌
糸塊を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】菌根形成用容器の作成 鉱物質として、上に記載したものと同じパーライトを10
5℃に調節した乾燥機で36時間乾燥したものを使用し
た。容器としては、ポリプロピレン製の1L容のきのこ
栽培袋を0.5L容に改良したものを使用した。そして、
クリ−ンベンチ内で、上記のマツタケの菌糸塊50gを図
1に示すように容器の底部に敷き詰め、さらに、あらか
じめ120℃、1.2気圧で90分間オートクレーブで殺菌して
放冷した上記パーライトを充填して密封した。菌根形成作業 菌根形成は京都府内のアカマツ林内で行った。本林分の
土壌は古生層のチャートを母材としたBA 〜BB 型の褐
色森林土壌で、土性は埴壌土である。土壌は浅くアカマ
ツの根系も浅い部分のみに分布し、深さ25cm以下にはほ
とんど見られなかった。林況は、林齢25〜30年生の天然
生のアカマツが約6500本/haの密度で生育し、その平
均樹高は6.5m、平均胸高直径は4.1cmであり生育状態は
良くない。林内にはアカマツ以外の樹種として、ソヨ
ゴ、アセビ、ネジキ等の低木類が多い。
5℃に調節した乾燥機で36時間乾燥したものを使用し
た。容器としては、ポリプロピレン製の1L容のきのこ
栽培袋を0.5L容に改良したものを使用した。そして、
クリ−ンベンチ内で、上記のマツタケの菌糸塊50gを図
1に示すように容器の底部に敷き詰め、さらに、あらか
じめ120℃、1.2気圧で90分間オートクレーブで殺菌して
放冷した上記パーライトを充填して密封した。菌根形成作業 菌根形成は京都府内のアカマツ林内で行った。本林分の
土壌は古生層のチャートを母材としたBA 〜BB 型の褐
色森林土壌で、土性は埴壌土である。土壌は浅くアカマ
ツの根系も浅い部分のみに分布し、深さ25cm以下にはほ
とんど見られなかった。林況は、林齢25〜30年生の天然
生のアカマツが約6500本/haの密度で生育し、その平
均樹高は6.5m、平均胸高直径は4.1cmであり生育状態は
良くない。林内にはアカマツ以外の樹種として、ソヨ
ゴ、アセビ、ネジキ等の低木類が多い。
【0029】1990年2月に、このような状況にあるアカ
マツ林の尾根に近い位置にあるアカマツを供試木とし
て、その根元から1.5m離れた場所に等高線に沿って、深
さ15cm、幅30cm、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根
を露出させた。この根の中から直径約10mmのものを選ん
で長さ20cm程度の範囲の粗皮を清潔な手指で取り除き、
さらに70%濃度のエチルアルコール水溶液を含ませたガ
ーゼで拭いて殺菌処理を行った。この根のほぼ中央部
を、同じ濃度のアルコール溶液で殺菌処理した鋭利な刃
物で切断した後、樹体側の根を発根促進物質であるβ−
インドール酪酸(シノノギ製薬製、オキシベロン)の40
倍溶液を直径3cm、長さ20cmの試験管に70mlを入れた中
へ挿入して4時間浸漬したのち、菌根形成用容器内の鉱
物質の中に素早く差し込んだ。そして開口部を再度同じ
濃度のアルコール溶液を含ませたガーゼで拭いて殺菌
後、やはりオートクレーブで殺菌処理した疎水性セラミ
ックファイバーを開口部に挟み込んで密閉し、ビニール
テープで固定した。このようにした菌根形成用容器をパ
ーライトで埋め戻した。さらに、雨水の侵入を防ぐため
にビニールシートで被覆し、さらにマツ葉等の落葉を敷
いて土壌の乾燥を防いだ。
マツ林の尾根に近い位置にあるアカマツを供試木とし
て、その根元から1.5m離れた場所に等高線に沿って、深
さ15cm、幅30cm、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根
を露出させた。この根の中から直径約10mmのものを選ん
で長さ20cm程度の範囲の粗皮を清潔な手指で取り除き、
さらに70%濃度のエチルアルコール水溶液を含ませたガ
ーゼで拭いて殺菌処理を行った。この根のほぼ中央部
を、同じ濃度のアルコール溶液で殺菌処理した鋭利な刃
物で切断した後、樹体側の根を発根促進物質であるβ−
インドール酪酸(シノノギ製薬製、オキシベロン)の40
倍溶液を直径3cm、長さ20cmの試験管に70mlを入れた中
へ挿入して4時間浸漬したのち、菌根形成用容器内の鉱
物質の中に素早く差し込んだ。そして開口部を再度同じ
濃度のアルコール溶液を含ませたガーゼで拭いて殺菌
後、やはりオートクレーブで殺菌処理した疎水性セラミ
ックファイバーを開口部に挟み込んで密閉し、ビニール
テープで固定した。このようにした菌根形成用容器をパ
ーライトで埋め戻した。さらに、雨水の侵入を防ぐため
にビニールシートで被覆し、さらにマツ葉等の落葉を敷
いて土壌の乾燥を防いだ。
【0030】11月に、菌根形成用容器を掘り出して、新
しく発生した根にマツタケの菌根が形成されているか否
かを顕微鏡観察した。この結果によれば、発根は30容器
を処理して14容器に、それぞれ1〜3本ずつが発根し
て、発根した本数は全体で39本であった。さらに39本の
根のうち18本にマツタケの菌根が観察されるとともに容
器内のマツタケ菌も肉眼で観察される程度まで白い菌糸
が認められた。実施例2 実施例1と同様にしてアカマツの根にマツタケの菌根を
形成した。ただし、発根促進物質としてβ−インドール
酪酸の代わりに、5−クロル−1H−3−インダゾリル
酢酸ナトリウム(日産化学工業製、ルチエース)を使用
し、実際の菌根形成作業においては、殺菌処理して切断
した樹体側の根を滅菌水に浸漬して濡らした後、5−ク
ロル−1H−3 −インダゾリル酢酸ナトリウムをまぶ
し、直ちに菌根形成容器の中に挿入した。
しく発生した根にマツタケの菌根が形成されているか否
かを顕微鏡観察した。この結果によれば、発根は30容器
を処理して14容器に、それぞれ1〜3本ずつが発根し
て、発根した本数は全体で39本であった。さらに39本の
根のうち18本にマツタケの菌根が観察されるとともに容
器内のマツタケ菌も肉眼で観察される程度まで白い菌糸
が認められた。実施例2 実施例1と同様にしてアカマツの根にマツタケの菌根を
形成した。ただし、発根促進物質としてβ−インドール
酪酸の代わりに、5−クロル−1H−3−インダゾリル
酢酸ナトリウム(日産化学工業製、ルチエース)を使用
し、実際の菌根形成作業においては、殺菌処理して切断
した樹体側の根を滅菌水に浸漬して濡らした後、5−ク
ロル−1H−3 −インダゾリル酢酸ナトリウムをまぶ
し、直ちに菌根形成容器の中に挿入した。
【0031】その結果、処理数30容器のうち11容器に1
〜3本の発根が認められ、発根本数は全体で34本であっ
た。さらに、34本の根のうち、14本にマツタケの菌根が
観察されるともに、容器内にはマツタケの白色の菌糸が
観察された。実施例3 実施例1と同様にしてアカマツの根にマツタケの菌根を
形成した。ただし、発根促進物質としてβ−インドール
酪酸の代わりに1−ナフチルアセトアミド(日本農薬
製、ルートン)を使用し、実際の菌根形成作業において
は、1−ナフチルアセトアミドに水を加えてペースト状
にしたものを切断した根の切口に塗布し、しばらく放置
して乾かしてから菌根形成容器の中に挿入した。
〜3本の発根が認められ、発根本数は全体で34本であっ
た。さらに、34本の根のうち、14本にマツタケの菌根が
観察されるともに、容器内にはマツタケの白色の菌糸が
観察された。実施例3 実施例1と同様にしてアカマツの根にマツタケの菌根を
形成した。ただし、発根促進物質としてβ−インドール
酪酸の代わりに1−ナフチルアセトアミド(日本農薬
製、ルートン)を使用し、実際の菌根形成作業において
は、1−ナフチルアセトアミドに水を加えてペースト状
にしたものを切断した根の切口に塗布し、しばらく放置
して乾かしてから菌根形成容器の中に挿入した。
【0032】その結果、処理数30容器のうち16容器に1
〜3本の発根が認められ、発根本数は全体で30本であっ
た。さらに、30本の根のうち、20本にマツタケの菌根が
観察されるとともに、容器内にはマツタケの白色の菌糸
が観察された。実施例4 菌糸塊の作成 新鮮なホンシメジの子実体の内部組織の一部を切り取っ
て、表1に示した培地で組織培養した。これによって得
られた菌糸を同じ培地で継代培養を反復して、純粋培養
したホンシメジ菌糸(種菌)を作製した。いっぽう、30
0mlの三角フラスコに表2に示した浜田改変培地50mlを
入れて、120℃、1.2気圧で20分間オートクレーブで殺菌
した。放冷後に5mm角程度の大きさの上記の種菌を数片
接種して、15日間暗所で静置培養して原菌を得た。
〜3本の発根が認められ、発根本数は全体で30本であっ
た。さらに、30本の根のうち、20本にマツタケの菌根が
観察されるとともに、容器内にはマツタケの白色の菌糸
が観察された。実施例4 菌糸塊の作成 新鮮なホンシメジの子実体の内部組織の一部を切り取っ
て、表1に示した培地で組織培養した。これによって得
られた菌糸を同じ培地で継代培養を反復して、純粋培養
したホンシメジ菌糸(種菌)を作製した。いっぽう、30
0mlの三角フラスコに表2に示した浜田改変培地50mlを
入れて、120℃、1.2気圧で20分間オートクレーブで殺菌
した。放冷後に5mm角程度の大きさの上記の種菌を数片
接種して、15日間暗所で静置培養して原菌を得た。
【0033】つぎに、この原菌を使って菌糸塊を作製し
た。すなわち、2〜5mmの範囲の粒子径に調製したパー
ライトを105℃に調整した乾燥機で24時間乾燥した。こ
れの100gを200ml用の培養ビンに入れ、また、浜田改変
培地8mlを入れて、120℃、1.2気圧で2時間オートクレ
ーブで殺菌した。放冷後、ホモジナイズした上記の原菌
液3mlを接種して、22℃の室温に調整した培養室で40日
間培養して菌糸塊を得た。菌根形成用容器の作成 鉱物質としては、菌糸塊を作成したものと同様にパーラ
イトを使い、105℃に調整した乾燥機で36時間乾燥し
た。これに表2に示した浜田改変培地を1/2の濃度に
希釈した液を鉱物質1kg当たり5ml添加した。
た。すなわち、2〜5mmの範囲の粒子径に調製したパー
ライトを105℃に調整した乾燥機で24時間乾燥した。こ
れの100gを200ml用の培養ビンに入れ、また、浜田改変
培地8mlを入れて、120℃、1.2気圧で2時間オートクレ
ーブで殺菌した。放冷後、ホモジナイズした上記の原菌
液3mlを接種して、22℃の室温に調整した培養室で40日
間培養して菌糸塊を得た。菌根形成用容器の作成 鉱物質としては、菌糸塊を作成したものと同様にパーラ
イトを使い、105℃に調整した乾燥機で36時間乾燥し
た。これに表2に示した浜田改変培地を1/2の濃度に
希釈した液を鉱物質1kg当たり5ml添加した。
【0034】容器としては、ポリプロピレン製の1L用
のきのこ袋を0.5L容に改良したものを使用した。クリ
ーンベンチ内で上記のホンシメジの菌糸塊50gを、図1
に示すように容器の底部に敷き詰め、さらにあらかじめ
120℃、1.2気圧で90分間オートクレーブで殺菌して放冷
したパーライトを充填して密封した。菌根形成作業 菌根形成は京都府内のアカマツとコナラの混交林内で行
った。本林分の土壌は花崗岩を母材としたBB 〜BC 型
の褐色森林土壌で、土性は埴壌土である。土壌は浅くア
カマツ、コナラの根系も浅い部分のみに分布し、深さ30
cm以下にはほとんど見られなかった。林齢25〜30年の天
然生のアカマツが約2500本/haの密度で生育し、その
平均樹高は7.0m、平均胸高直径は4.5cmである。いっぽ
う、コナラは林齢が20〜25年の天然生であり約450本/
haの密度で生育し、平均樹高は5.5m、平均胸高直径
4.0cmで両樹種とも生育状態は良くない。アカマツ、コ
ナラ以外の樹種としては、ソヨゴ、アセビ、ミツバツツ
ジ、ヒサカキ、ネジキ等の低木類が多い。
のきのこ袋を0.5L容に改良したものを使用した。クリ
ーンベンチ内で上記のホンシメジの菌糸塊50gを、図1
に示すように容器の底部に敷き詰め、さらにあらかじめ
120℃、1.2気圧で90分間オートクレーブで殺菌して放冷
したパーライトを充填して密封した。菌根形成作業 菌根形成は京都府内のアカマツとコナラの混交林内で行
った。本林分の土壌は花崗岩を母材としたBB 〜BC 型
の褐色森林土壌で、土性は埴壌土である。土壌は浅くア
カマツ、コナラの根系も浅い部分のみに分布し、深さ30
cm以下にはほとんど見られなかった。林齢25〜30年の天
然生のアカマツが約2500本/haの密度で生育し、その
平均樹高は7.0m、平均胸高直径は4.5cmである。いっぽ
う、コナラは林齢が20〜25年の天然生であり約450本/
haの密度で生育し、平均樹高は5.5m、平均胸高直径
4.0cmで両樹種とも生育状態は良くない。アカマツ、コ
ナラ以外の樹種としては、ソヨゴ、アセビ、ミツバツツ
ジ、ヒサカキ、ネジキ等の低木類が多い。
【0035】1990年2月に、このような林況にあるアカ
マツとコナラの混交林で尾根から10m程度下がった位置
にあるアカマツとコナラを供試木として、その根元から
1.5m離れた場所に等高線に沿って、深さ15cm、幅30c
m、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根を露出させ
た。その後の操作は実施例1と同様に行った。11月に、
菌根形成用容器を堀り取ってその中で新しく発生した根
にホンシメジの菌根が形成されているか否かを調査し
た。
マツとコナラの混交林で尾根から10m程度下がった位置
にあるアカマツとコナラを供試木として、その根元から
1.5m離れた場所に等高線に沿って、深さ15cm、幅30c
m、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根を露出させ
た。その後の操作は実施例1と同様に行った。11月に、
菌根形成用容器を堀り取ってその中で新しく発生した根
にホンシメジの菌根が形成されているか否かを調査し
た。
【0036】アカマツについては30容器を設定して16容
器に、それぞれ1〜4本ずつが発根して、発根した本数
は全体で43本でこのうち、22本に菌根が形成されてい
た。また、コナラについては30容器を設定して21容器に
それぞれ3〜5本ずつが発根して、発根した本数は全体
で64本で、このうち36本に菌根が形成されていた。実施例5 実施例1および2のマツタケとホンシメジに代えてショ
ウロを使用した。菌糸塊の作成および菌根形成用容器の
作成等は実施例1および2と同様である。菌根形成作業 ショウロのクロマツへの菌根形成は、京都府竹野郡網野
町の海岸で行った。ここには、林齢10年生のクロマツが
約2000本/haの密度で植栽されている。樹高は2.5〜
4.0m、胸高直径は4.0cmであるが、潮風の影響によって
内陸側に樹冠が傾斜し、あるいは矮性化しており生育は
良くない。下層植生としてはハマゴウが部分的に見られ
る。
器に、それぞれ1〜4本ずつが発根して、発根した本数
は全体で43本でこのうち、22本に菌根が形成されてい
た。また、コナラについては30容器を設定して21容器に
それぞれ3〜5本ずつが発根して、発根した本数は全体
で64本で、このうち36本に菌根が形成されていた。実施例5 実施例1および2のマツタケとホンシメジに代えてショ
ウロを使用した。菌糸塊の作成および菌根形成用容器の
作成等は実施例1および2と同様である。菌根形成作業 ショウロのクロマツへの菌根形成は、京都府竹野郡網野
町の海岸で行った。ここには、林齢10年生のクロマツが
約2000本/haの密度で植栽されている。樹高は2.5〜
4.0m、胸高直径は4.0cmであるが、潮風の影響によって
内陸側に樹冠が傾斜し、あるいは矮性化しており生育は
良くない。下層植生としてはハマゴウが部分的に見られ
る。
【0037】このような状況にあるクロマツ林で根切り
を1990年2月に実行した。方法等は実施例1および4と
同様であるが、海岸の砂に生育しているクロマツの根系
は林地の場合に比べて深い位置にあるために広い場所の
砂を取り除いて根を露出させることが必要であった。11
月に、菌根形成用容器を堀り出して新しく発生した根に
ショウロの菌根が形成されているかどうかを調査するた
めに実験室に持ち帰って、顕微鏡観察した。この結果に
よれば、15容器を設定して7容器にそれぞれ2から3本
ずつが発根して発根数は全体で15本で、このうち8本に
菌根の形成が観察された。比較例1 菌糸塊の作成および菌根形成用容器の作成、菌根形成作
業等は実施例1と同様の方法にて行った。ただし、切断
した後の根の発根促進物質の処理は行わずに実施した。
を1990年2月に実行した。方法等は実施例1および4と
同様であるが、海岸の砂に生育しているクロマツの根系
は林地の場合に比べて深い位置にあるために広い場所の
砂を取り除いて根を露出させることが必要であった。11
月に、菌根形成用容器を堀り出して新しく発生した根に
ショウロの菌根が形成されているかどうかを調査するた
めに実験室に持ち帰って、顕微鏡観察した。この結果に
よれば、15容器を設定して7容器にそれぞれ2から3本
ずつが発根して発根数は全体で15本で、このうち8本に
菌根の形成が観察された。比較例1 菌糸塊の作成および菌根形成用容器の作成、菌根形成作
業等は実施例1と同様の方法にて行った。ただし、切断
した後の根の発根促進物質の処理は行わずに実施した。
【0038】その結果によれば、処理数10容器の内2容
器のみにそれぞれ1本と2本の発根が認められ、これら
には菌根の形成が観察された。比較例2 実施例2と同様の操作を行った。ただし、切断した後の
根の発根促進物質の処理は行わなかった。
器のみにそれぞれ1本と2本の発根が認められ、これら
には菌根の形成が観察された。比較例2 実施例2と同様の操作を行った。ただし、切断した後の
根の発根促進物質の処理は行わなかった。
【0039】その結果、アカマツおよびコナラとも処理
数10容器の内1容器のみに2本の発根が認められ、さら
に菌根の形成が観察された。比較例3 実施例3と同様の操作を行った。ただし、切断した後の
根の発根促進物質の処理は行なわなかった。
数10容器の内1容器のみに2本の発根が認められ、さら
に菌根の形成が観察された。比較例3 実施例3と同様の操作を行った。ただし、切断した後の
根の発根促進物質の処理は行なわなかった。
【0040】その結果、処理数10容器の内3容器にそれ
ぞれ1〜2本の発根が認められ、これらには菌根の形成
が観察された。
ぞれ1〜2本の発根が認められ、これらには菌根の形成
が観察された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
菌根形成用容器を使用する菌根菌類の菌根形成方法にお
いて、宿主樹木の根切りした根を発根促進物質で処理す
ることによって宿主樹木に目的とする菌根菌類の菌根を
確実に形成させることが可能になった。
菌根形成用容器を使用する菌根菌類の菌根形成方法にお
いて、宿主樹木の根切りした根を発根促進物質で処理す
ることによって宿主樹木に目的とする菌根菌類の菌根を
確実に形成させることが可能になった。
【図1】本発明において使用する菌根形成容器の1例を
示す断面説明図である。
示す断面説明図である。
【図2】菌根形成容器の中に宿主樹木の根を挿入した1
例を示す断面説明図である。
例を示す断面説明図である。
1…菌根形成容器 2…微細粒子からなる鉱物質 3…菌糸塊 4…宿主樹木の根 5…隙間部分密閉物質
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】1990年2月に、このような状況にあるアカ
マツ林の尾根に近い位置にあるアカマツを供試木とし
て、その根元から1.5m離れた場所に等高線に沿って、深
さ15cm、幅30cm、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根
を露出させた。この根の中から直径約10mmのものを選ん
で長さ20cm程度の範囲の粗皮を清潔な手指で取り除き、
さらに70%濃度のエチルアルコール水溶液を含ませたガ
ーゼで拭いて殺菌処理を行った。この根のほぼ中央部
を、同じ濃度のアルコール溶液で殺菌処理した鋭利な刃
物で切断した後、樹体側の根を発根促進物質であるβ−
インドール酪酸(シオノギ製薬製、オキシベロン)の40
倍溶液を直径3cm、長さ20cmの試験管に70mlを入れた中
へ挿入して4時間浸漬したのち、菌根形成用容器内の鉱
物質の中に素早く差し込んだ。そして開口部を再度同じ
濃度のアルコール溶液を含ませたガーゼで拭いて殺菌
後、やはりオートクレーブで殺菌処理した疎水性セラミ
ックファイバーを開口部に挟み込んで密閉し、ビニール
テープで固定した。このようにした菌根形成用容器をパ
ーライトで埋め戻した。さらに、雨水の侵入を防ぐため
にビニールシートで被覆し、さらにマツ葉等の落葉を敷
いて土壌の乾燥を防いだ。
マツ林の尾根に近い位置にあるアカマツを供試木とし
て、その根元から1.5m離れた場所に等高線に沿って、深
さ15cm、幅30cm、長さ50cmの範囲に土壌を取り除いて根
を露出させた。この根の中から直径約10mmのものを選ん
で長さ20cm程度の範囲の粗皮を清潔な手指で取り除き、
さらに70%濃度のエチルアルコール水溶液を含ませたガ
ーゼで拭いて殺菌処理を行った。この根のほぼ中央部
を、同じ濃度のアルコール溶液で殺菌処理した鋭利な刃
物で切断した後、樹体側の根を発根促進物質であるβ−
インドール酪酸(シオノギ製薬製、オキシベロン)の40
倍溶液を直径3cm、長さ20cmの試験管に70mlを入れた中
へ挿入して4時間浸漬したのち、菌根形成用容器内の鉱
物質の中に素早く差し込んだ。そして開口部を再度同じ
濃度のアルコール溶液を含ませたガーゼで拭いて殺菌
後、やはりオートクレーブで殺菌処理した疎水性セラミ
ックファイバーを開口部に挟み込んで密閉し、ビニール
テープで固定した。このようにした菌根形成用容器をパ
ーライトで埋め戻した。さらに、雨水の侵入を防ぐため
にビニールシートで被覆し、さらにマツ葉等の落葉を敷
いて土壌の乾燥を防いだ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】アカマツについては30容器を設定して16容
器に、それぞれ1〜4本ずつが発根して、発根した本数
は全体で43本でこのうち、22本に菌根が形成されてい
た。また、コナラについては30容器を設定して21容器に
それぞれ3〜5本ずつが発根して、発根した本数は全体
で64本で、このうち36本に菌根が形成されていた。実施例5 実施例1および4のマツタケとホンシメジに代えてショ
ウロを使用した。菌糸塊の作成および菌根形成用容器の
作成等は実施例1および4と同様である。菌根形成作業 ショウロのツロマツへの菌根形成は、京都府竹野郡網野
町の海岸で行った。ここには、林齢10年生のクロマツが
約2000本/haの密度で植栽されている。樹高は2.5〜
4.0m、胸高直径は4.0cmであるが、潮風の影響によって
内陸側に樹冠が傾斜し、あるいは矮性化しており生育は
良くない。下層植生としてはハマゴウが部分的に見られ
る。
器に、それぞれ1〜4本ずつが発根して、発根した本数
は全体で43本でこのうち、22本に菌根が形成されてい
た。また、コナラについては30容器を設定して21容器に
それぞれ3〜5本ずつが発根して、発根した本数は全体
で64本で、このうち36本に菌根が形成されていた。実施例5 実施例1および4のマツタケとホンシメジに代えてショ
ウロを使用した。菌糸塊の作成および菌根形成用容器の
作成等は実施例1および4と同様である。菌根形成作業 ショウロのツロマツへの菌根形成は、京都府竹野郡網野
町の海岸で行った。ここには、林齢10年生のクロマツが
約2000本/haの密度で植栽されている。樹高は2.5〜
4.0m、胸高直径は4.0cmであるが、潮風の影響によって
内陸側に樹冠が傾斜し、あるいは矮性化しており生育は
良くない。下層植生としてはハマゴウが部分的に見られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 勝 三重県亀山市能褒野町24−9 新王子製紙 株式会社林木育種研究所亀山研究室内 (72)発明者 藤田 博美 京都府京都市上京区下立売通新町西入藪ノ 内町 京都府農林水産部内 (72)発明者 藤田 徹 京都府船井郡和知町字本庄小字土屋1番地 京都府林業試験場内
Claims (1)
- 【請求項1】 無菌処理を施した菌根形成用容器の底部
に、純粋培養した菌根菌の菌糸塊を敷き詰め、さらに前
記菌糸塊上に無菌処理を施した微細粒子からなる鉱物質
を充填し、次いで前記鉱物質中に根切り処理を施した菌
根菌の宿主となる生きた樹木の根を無菌的に挿入した
後、容器の開口部の隙間部分を密閉して土中に埋め戻
し、前記根切り処理を施した根から新たに発生する根に
菌根を形成させる菌根菌の菌根形成方法において、前記
根切り処理を施した根を発根促進物質で処理することを
特徴とするマツタケ等の菌根菌の菌根形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5298545A JPH07147841A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5298545A JPH07147841A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07147841A true JPH07147841A (ja) | 1995-06-13 |
Family
ID=17861120
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5298545A Pending JPH07147841A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07147841A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7269923B2 (en) * | 2002-09-06 | 2007-09-18 | Govenor Of Gyeongsangbukdo | Method of preparing Tricholoma matsutake-infected young pine by coculturing aseptic pine seedlings and T. matsutake |
| CN100369542C (zh) * | 2003-09-17 | 2008-02-20 | 湖南省林业科学院 | 用于培养外生菌根性食用菌和药用菌菌根苗的苗床 |
| CN104145716A (zh) * | 2014-08-26 | 2014-11-19 | 景洪宏臻农业科技有限公司 | 硬皮马勃菌根苗的合成方法 |
| CN113462517A (zh) * | 2021-06-09 | 2021-10-01 | 东北师范大学 | 一种连续扩繁丛枝菌根真菌孢子的多层分室装置 |
| CN118019445A (zh) * | 2022-09-09 | 2024-05-10 | 国立研究开发法人森林研究·整备机构 | 松口蘑类子实体原基的诱导方法、松口蘑类子实体原基的制造方法、菌床培养基、培养液 |
-
1993
- 1993-11-29 JP JP5298545A patent/JPH07147841A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7269923B2 (en) * | 2002-09-06 | 2007-09-18 | Govenor Of Gyeongsangbukdo | Method of preparing Tricholoma matsutake-infected young pine by coculturing aseptic pine seedlings and T. matsutake |
| CN100369542C (zh) * | 2003-09-17 | 2008-02-20 | 湖南省林业科学院 | 用于培养外生菌根性食用菌和药用菌菌根苗的苗床 |
| CN104145716A (zh) * | 2014-08-26 | 2014-11-19 | 景洪宏臻农业科技有限公司 | 硬皮马勃菌根苗的合成方法 |
| CN113462517A (zh) * | 2021-06-09 | 2021-10-01 | 东北师范大学 | 一种连续扩繁丛枝菌根真菌孢子的多层分室装置 |
| CN118019445A (zh) * | 2022-09-09 | 2024-05-10 | 国立研究开发法人森林研究·整备机构 | 松口蘑类子实体原基的诱导方法、松口蘑类子实体原基的制造方法、菌床培养基、培养液 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| FI72140B (fi) | Foerfarande foer inneslutning av mikroorganismer i en matris | |
| CA1197774A (fr) | Application d'inoculum a faible activite de l'eau a la lutte biologique | |
| EP3033939B1 (en) | Method of afforesting infertile soil using pisolithus tinctorius | |
| AU2016367640B2 (en) | Methods of cultivating ectomycorrhizal fungi | |
| Duponnois et al. | Techniques for controlled synthesis of the Douglas-fir-Laccaria laccata ectomycorrhizal symbiosis | |
| WO2017028767A1 (zh) | 一种天然林下外生菌根合成的专用菌源的使用方法 | |
| Tsavkelova et al. | Localization of associative cyanobacteria on the roots of epiphytic orchids | |
| JPH07147841A (ja) | マツタケ等の菌根菌の菌根形成方法 | |
| Lamb et al. | Some mycorrhizal fungi of Pinus radiata and P. elliottii var. elliottii in Australia | |
| JP2019122346A (ja) | 菌根性茸類の種菌調製方法及び接種方法 | |
| US6548288B2 (en) | Method for producing high density antagonistic microbe base material and high density antagonistic microbes produced by the same | |
| CN110313390A (zh) | 利用外生菌根真菌辅助黑松改良重金属污染土壤的方法 | |
| Benecke et al. | The influence of different mycorrhizae on growth, nutrition and gas-exchange of Pinus mugo seedlings | |
| Powell | Effect of phosphate fertilisers on the production of mycorrhizal inoculum in soil | |
| Nezzar-Hocine et al. | Ectomycorrhizal associations with Cedrus atlantica (Endl) Manetti ex Carrière. I. Mycorrhizal synthesis with Tricholoma tridentinum Singer var. cedretorum Bon | |
| Ridgway et al. | Arbuscular mycorrhiza improve apple rootstock growth in soil conducive to specific apple replant disease | |
| JPH05316876A (ja) | マツタケのシロの形成方法 | |
| Kandula et al. | Colonisation of apple roots by arbuscular mycorrhiza in specific apple replant disease affected soil | |
| CN112893453A (zh) | 玉米和蟛蜞菊间作并接种amf修复镉污染土壤的方法 | |
| AU657279B2 (en) | Inoculum from ectomycorrhizal fungi forming endomycorrhizal infection with herbaceous plants | |
| JPH0471423A (ja) | 菌根の形成方法 | |
| JPH10262460A (ja) | 木本類の苗木及びその栽培方法並びに緑化方法 | |
| KR100773298B1 (ko) | 인삼의 생산성향상을 위한 아버스큘라 균근균(amf)접종원의 효과적 접종방법 | |
| JP2631489B2 (ja) | 菌根菌の菌根形成法 | |
| JP2791543B2 (ja) | 菌根菌の人工接種法 |