JPH07148131A - 生体活動電流源推定方法 - Google Patents

生体活動電流源推定方法

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JPH07148131A
JPH07148131A JP5320956A JP32095693A JPH07148131A JP H07148131 A JPH07148131 A JP H07148131A JP 5320956 A JP5320956 A JP 5320956A JP 32095693 A JP32095693 A JP 32095693A JP H07148131 A JPH07148131 A JP H07148131A
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定 ▲富▼田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体内電流源を容易かつ精度よく推定するこ
とができる生体活動電流源推定方法を提供する。 【構成】 電流源の位置,大きさ,方向を最小ノルム法
を用いて推定する方法であって、電流源によって生じる
磁界の直交する3方向成分を複数個の磁気センサで同時
に検出し(S1)、被検体内に多数の格子点を設定し、
各格子点上の未知の電流源と3方向成分の磁界データと
の関係式を最小ノルム法により解いて各格子点上の電流
源を求め(S2,S3)、各電流源の大きさに応じて、
各格子点に電流源が存在する確度を求め(S4)、これ
らの確度に基づき、格子点群を複数個のグループに分割
し(S5)、分割格子点群のそれぞれにおいて最大の大
きさをもつ電流源が存在する格子点の付近に他の格子点
を移動させ(S6)、再配置された各格子点上の電流源
を最小ノルム法により求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、生体活動電流源の位
置,向き,大きさを推定する方法に係り、特に、最小ノ
ルム法を用いた生体活動電流源推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生体に刺激を与えると、細胞膜を挟んで
形成されている分極が壊れて生体活動電流が流れる。こ
の生体活動電流は、脳や心臓において現れ、脳波,心電
図として記録される。また、生体活動電流によって生じ
る磁界は、脳磁図,心磁図として記録される。
【0003】近年、生体内の微小な磁界を計測する装置
として、SQUID(Superconduc-ting Quantum Inter
face Device :超電導量子干渉計)を用いたセンサが開
発されている。このセンサを頭部の外側に置き、脳内に
生じた生体活動電流源である電流双極子(以下、単に電
流源とも称する)による微小磁界をそのセンサで無侵襲
に計測することができる。計測された磁界データから病
巣に関連した電流源の位置, 向き, 大きさを推定し、推
定した電流源をX線CT装置やMRI装置で得られた断
層像上に表示させて患部等の物理的位置の特定などに用
いている。
【0004】従来、電流源の推定方法の一つとして、最
小ノルム法を用いた手法がある(例えば、W.H.Kullman
n, K.D.Jandt, K.Rehm, H.A.Schlitt, W.J.Dallas and
W.E.Smith, Advances in Biomagnetism, pp.571-574, P
lenum Pless, New York, 1989) 。
【0005】以下、図8を参照して、最小ノルム法を用
いた従来の電流源推定方法を説明する。図8に示すよう
に、被検体Mに近接してマルチチャンネルSQUIDセ
ンサ1が配備される。マルチチャンネルSQUIDセン
サ1は、デュアーと呼ばれる容器内に多数の磁気センサ
(ピックアップコイル)S1 〜Sm を液体窒素などの冷
媒に浸漬して収納している。
【0006】一方、被検体Mの診断対象領域である例え
ば脳に、多数の格子点(1) 〜(n) を3次元に設定して各
格子点に未知の電流源(電流双極子)を仮定し、各電流
源を3次元ベトクルVPj (j=1〜n)で表す。そうす
ると、SQUIDセンサ1の各磁気センS1 〜Sm で検
出される磁界Bi 〜Bm は、次式(1) で表される。
【0007】
【数1】
【0008】 式(1) において、VPj =(Pjx,Pjy,Pjz) αij=(αijx,αijy,αijz ) で表される。なお、αijは、格子点上にX,Y,Z方向
の単位大きさの電流源を置いた場合に磁気センサS1
m の各位置で検出される磁界の強さを表す既知の係数
である。
【0009】 ここで、〔B〕=(B1 ,B2 ,…,Bm ) 〔P〕=(P1x,P1y,P1z,P2x,P2y,P2z,…,
nx,Pny,Pnz) のように表すと、(1) 式は(2) 式のような線形の関係式
に書き換えられる。 〔B〕=A〔P〕 ………(2)
【0010】(2) 式において、Aは次式(3) で表される
3n×m個の要素をもった行列である。
【0011】
【数2】
【0012】ここで、Aの逆行列をA- で表すと、
〔P〕は次式(4) で表される。 〔P〕=A- 〔B〕 ………(4)
【0013】(4) 式で表される連立方程式は、式の個数
m(磁気センサS1 〜Sm の個数で、例えば数10〜数
100)よりも、未知数の個数n(各格子点に仮定され
る電流源の個数で、例えば数100〜数1000)であ
るので、解が求まらない。そこで、ベクトル〔P〕のノ
ルム|〔P〕|を最小にするという条件を付加する。そ
うすると、上式(4)は次式(5) のように表される。 〔P〕=A+ 〔B〕 ………(5) ここで、A+ は次式(6) で表される一般逆行列である。 A+ =At (AAt -1 ………(6) ただし、At はAの転置行列である。
【0014】上式(5) を解いて各格子点上の電流源VPj
の方向,大きさを推定し、その中で値の最も大きなもの
を真の電流源に近いものとしている。これが、最小ノル
ム法による電流源推定方法の原理である。
【0015】しかし、上述した最小ノルム法では格子点
が配置された全ての位置に電流源を仮定するので、空間
的に解の自由度が高くなり、誤った解を求めてしまう原
因となっている。
【0016】そこで、『磁場源はいくつかの局所領域に
存在する電流源で構成される』いう仮定に基づき、解が
存在する可能性の低い格子点をより高い格子点の付近に
集めて空間的な制約を加え、解の自由度を下げること
で、より真の解に近い解を求めるという手法(以下、格
子点移動最小ノルム法という)が、本発明者らによって
提案されている(富田 定、梶原茂樹、近藤泰志、吉田
佳一、山本真司、大津崇、八巻直一、賀戸 久:第8回
日本生体磁気学会大会論文集、Vol.6, pp.86-89, 1993
) 。以下、この格子点移動最小ノルム法について説明
する。
【0017】格子点移動最小ノルム法では、j番目の格
子点上に解が存在する確度を次式(7) で表す。
【0018】
【数3】
【0019】上式(7) において、Vrj ,VPj はj番目の
格子点の位置ベクトルとその格子点上の最小ノルム解で
あり、nは格子点数である。式(7) の第1項は、格子点
上の電流源の強度を表し、第2項は格子点付近の電流源
の密集度を表す。また、β,γは経験的パラメータであ
って、例えば、上述した各磁気センサで得られたデータ
から作成された等磁界線図などに基づき、適宜に定めら
れる。式(7) の第2項は、電流源の個々の強度は小さい
が多数が密集しているような場合に、それらの格子点
が、密集度は低いが個々の強度が強い他の格子点に従属
してしまうのを避けるために付け加えられている。式
(7) で与えられる確度が高いほど、その格子点付近に解
が存在する可能性が高いことを表している。
【0020】次に、式(7) の値が大きい格子点の付近に
他の格子点を移動させるが、電流源は複数の位置に存在
するか、あるいは、空間的に拡がって存在する可能性も
ある。そこで、格子点をいくつかのグループに分割し、
各グループ内で格子点の移動を行う。各格子点をグルー
プ分けするために、次式(8) で表されるグループ関数を
用いる。
【0021】
【数4】
【0022】上式(8) は、j番目の格子点がi番目の格
子点に与える影響度を表している。αは式(8) の関数の
形状を決定するパラメータであって、例えば、上述した
β,γと同様に経験的に適宜に設定される。
【0023】格子点がグループ分けされる例を図9に示
す。同図において、横軸は格子点の位置ベクトル、縦軸
はグループ関数であり、A,B,Cは格子点、φA ,φ
B ,φC は各格子点A,B,Cのグループ関数である。
格子点Aについて格子点Bが最大の影響度を与えると
き、格子点Aは格子点Bに従属することとする。したが
って、格子点AとBは同一のグループに属する。一方、
格子点Cについて最大の影響度を与えるのは格子点C自
身であるので、格子点Cは格子点A,Bとは別のグルー
プに属する。このようにして格子点群を複1個のグルー
プに分割する。
【0024】格子点をグループ分けした後、各グループ
内の最大の存在確度をもつ格子点へ同一グループに属す
る他の格子点を移動させ、再び最小ノルム解を求める。
このときの各格子点の移動距離は極微小距離であり、例
えば、各格子点間距離に予め定められた係数を作用させ
ることにより決定される。以上の操作を繰り返し行うこ
とにより、解をいくつかの局所領域に収束させていく。
【0025】以上が格子点移動最小ノルム法の原理であ
り、図10,図11に格子点群がグループ分けされてい
く様子を模式的に示す。図10において、Nは最初に設
定された格子点群、N1 ,N2 は格子点群Nをグループ
分けして移動させることにより得られた新たな格子点群
である。また、図11のN3 ,N4 ,N5 、および
6 ,N7 は、格子点群N1 ,N2 をさらにグループ分
けすることに基づいて得られた格子点群である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】格子点移動最小ノルム
法は、より真の解に近い解を求めることができる点で優
れた手法ではあるが、次のような新たな問題が明らかに
なった。
【0027】すなわち、格子点移動最小ノルム法では、
α,β,γというパラメータが経験的に適宜に設定され
る必要がある。これらのパラメータは、電流源の位置、
大きさ、方向などに依存しているので、上述したように
等磁界線図を用いて各パラメータの値を適宜に設定する
ことは、特に経験の浅いオペレータでは容易でなく、と
もすればパラメータの設定が不適切になり、真の解から
外れた結果が得られることがある。
【0028】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、上記のパラメータα,β,γのう
ち、特に、各格子点上に解が存在する確度に関連したパ
ラメータβ,γの設定を不要にして、電流源を容易かつ
精度よく推定することができる生体活動電流源推定方法
を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者により鋭意研究された結果、生体内の電流
源によって生じた磁界の直交する3方向成分を同時に計
測(ベクトル計測)し、このデータを用いて上記の格子
点移動最小ノルム法を適用すれば、式(7) 中のパラメー
タγを0(したがって、パラメータβの設定も不要)に
した次式(9) によっても、電流源を正しく推定できるこ
とを見出した。 Q(Vrj ) =|VPj | ………(9)
【0030】式(7) の第2項を含まない式(9) によって
も、電流源を正しく推定できる理由は、次のように考え
られる。一般に、生体内の電流源によって生じる磁界を
検出する各磁気センサは図12(a)の示すように、各
磁気センサSのコイル軸芯が、被検体Mを球体とした場
合、その半径方向に向けられて配置されている。各磁気
センサS内には、図12(b)に示すように、一対のコ
イルL1 ,L2 が球体の半径方向(図12(b)ではZ
方向)に向けられているで、検出される磁界データはZ
方向成分だけである。つまり、本来、直交する3方向
X,Y,Zの成分をもつ磁界を、そのZ方向成分だけ検
出しているので、検出された磁界データは、相互の独立
性が低く、空間分解能が低いものであった。結果、式
(7) の第2項、すなわち、格子点付近の電流源の密度が
各格子点上の解の存在確度Qに与える影響が大きかった
と考えられる。
【0031】一方、生体体の電流源によって生じた磁界
をベクトル計測すると、被検体からの磁界の直交する3
方向成分X,Y,Zが検出されるので、計測された磁界
データ間の独立性が増し、結果、空間分解能が向上す
る。そのため、式(7) の第2項を考慮にいれなくても、
第1項のみによって、各格子点上の解の存在確度Qが精
度よく得られると考えられる。
【0032】上記の知見に基づいてなされたこの発明
は、以下のような構成を採る。すなわち、この発明は、
生体活動電流によって生じる磁界を複数個の磁気センサ
で検出することによって、前記生体活動電流源の位置,
大きさ,方向の何れかを含む物理量を推定するにあた
り、被検体内に多数の格子点を設定し、各格子点上の未
知の電流源と前記各磁気センサによって計測された磁界
データとの関係式を、前記各格子点の電流源を要素とし
たベクトルのノルムを最小にするという条件を付加する
ことによって解いて、各電流源の物理量を求める手法
(最小ノルム法)を用いた生体活動電流源推定方法にお
いて、(a)生体活動電流によって生じる磁界の直交す
る3方向成分を複数個の磁気センサで同時に検出する第
1過程と、(b)被検体内に多数の格子点を設定し、各
格子点上の未知の電流源と前記第1過程で得られた直交
する3方向成分の磁界データとの関係式を前記最小ノル
ム法により解いて各格子点上の電流源を求める第2過程
と、(c)前記第2過程で得られた各格子点の電流源の
大きさ(強度)に応じて、各格子点に電流源が存在する
確度を求める第3過程と、(d)前記第3過程で求めら
れた確度に基づき、前記格子点群を複数個のグループに
分割する第4過程と、(e)分割された各格子点群のそ
れぞれにおいて最大の大きさをもつ電流源が存在する格
子点の付近に他の格子点を移動させて格子点群を再配置
する第5過程と、(f)前記再配置された各格子点上の
電流源を前記最小ノルム法を用いて求める第6過程と、
を備えたものである。
【0033】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。第2過程
で推定された電流源は、真の電流源ではないが、それに
近い電流源である。そこで、推定された電流源が存在す
る格子点の付近に他の格子点群を移動して、適切な格子
点配置を再構成して最小ノルム解を求めれば、格子点の
数を増やすことなく、電流源の推定精度を上げることが
できる。ただし、真の電流源が複数個存在した場合、各
格子点をどの格子点に近づけるかが問題になる。そこ
で、第3過程では、各格子点に電流源が存在する確度を
求める。この際、第1過程において、各磁気センサで検
出された磁界データは直交する3方向成分の磁界データ
であるので、各格子点に電流源が存在する確度は、各格
子点の電流源の大きさのみに基づいて求められる。次の
第4過程では、第3過程で求められた確度に基づき、格
子点群を複数のグループに分割する。そして、第5過程
で、分割された格子点群ごとに、最大の大きさをもつ電
流源が存在する格子点の付近に他の格子点を移動させ
る。第6過程では、再配置された各格子点上の電流源を
前記最小ノルム法で求める。以上の処理を繰り返し実行
することにより、真の電流源が複数個あっても、各電流
源が精度よく推定される。
【0034】
【実施例】以下、図1のフローチャートを参照して本発
明の一実施例を説明する。
【0035】まず、図8で説明したと同様に、被検体M
に近接配備されたマルチチャンネルSQIDセンサ1に
よって、被検体Mからの微小磁界の直交する3方向成分
を同時に計測(ベクトル計測)する(ステップS1)。
ただし、ここで用いられるマルチチャンネルSQIDセ
ンサ1の磁気センサ(ピックアップコイル)S1 〜Sm
は、直交する3方向にそれぞれ検出感度をもった3つの
ピックアップコイルから構成されている。この種のピッ
クアップコイルとして、例えば3軸型のグラジオメータ
がある。グラジオメータは、ピックアップコイルを、互
いに逆巻きのコイルに2分することにより、一様な磁界
をキャンセルし、勾配を有する磁界のみを検出するよう
にしたものである。
【0036】図2に3軸型のグラジオメータの構成を模
式的に示す。ピックアップコイルLX ,LY ,LZ は、
それぞれX方向,Y方向,Z方向の磁界成分を検出す
る。3軸型のグラジオメータの構成は特に限定しない
が、例えば、立方体状のコア材の6面に直交するように
3軸コイルを取り付けたものや、特開平4−30158
1号公報に開示されたような、耐低温性の可撓性材料が
円筒状に巻回され、その可撓性材料の表面に、所定の幅
をあけて互いに平行で、かつ逆巻きに相互接続された超
電導体薄膜製のコイル対が、互いの角度を相違させて3
対形成されてなる3軸型グラジオメータなどが用いられ
る。
【0037】次に、図8に示した従来例と同様に、診断
対称領域である例えば脳内に3次元の格子点群Nを均等
に設定する(ステップS2)。
【0038】そして、上述した最小ノルム法を用いて、
各格子点の電流源(最小ノルム解)を求める(ステップ
S3)。
【0039】次に、各格子点上に電流源が存在する確度
を、上述した式(9) により求める(ステップS4)。
【0040】そして、確度が小さい格子点を、より確度
の大きい格子点付近に移動させるために、上述した式
(8) で定義したグループ関数φを用いて、各格子点群N
をグループ分けする(ステップS5)。式(8) 中のパラ
メータ(移動パラメータ)αは、上述したように経験的
に適宜の値に設定される。なお、好ましくは、後述する
手法により最適な移動パラメータαを設定することも可
能である。
【0041】次に、各グループにおいて、最大の関数値
(電流源の大きさ)をもつ格子点の付近に、各グループ
内の他の格子点を微小距離だけ移動させる(ステップS
6、図10参照)。格子点を移動させるための手法は特
に限定しないが、上述したように、格子点間の距離に予
め適宜に設定された係数を乗算して新たな格子点間距離
を設定する手法や、各格子点の電流源の大きさを質量と
考え、重力によって各格子点に引力が働くと仮定して、
各格子点の移動距離を算出する手法などがある。
【0042】次のステップS7では、ステップS6で移
動されて得られた分割格子点群(図10のN1 ,N2
において、最小の格子点間隔が予め定めれた間隔以下で
あるかを判定する。この間隔は、電流源の推定位置精度
に応じて適宜に定められる。
【0043】最初のグレープ分けの段階では、最小の格
子点間隔は所定値以上になるように、各格子点の移動距
離が適宜に設定されているので、ステップS3に戻る。
そして、分割格子点群N1 ,N2 を新たな一つの格子点
群とみなして、再配置された各格子点の電流源を最小ノ
ルム法により求める。分割格子点群N1 ,N2 の各格子
点について電流源が求められると、前回と同様に、各分
割格子点群N1 ,N2について、各格子点上に電流源が
存在する確度を求め(ステップS4)、各分割格子点群
1 ,N2 をさらにグループ分けする(ステップS
5)。そして、各グループ内で格子点を移動させ(ステ
ップS6)、新たな分割格子点群(図11のN3
7 )を得る。
【0044】以上の処理を繰り返し実行し、ステップS
7において、最小の格子点間隔が所定値以下になったと
判断されると、最終のステップS3で求められた格子点
群の各電流源が真の電流源であると推定する。
【0045】<シミュレーション>上述した手法の有効
性を確認するためにシミュレーションを行った。ここで
は、図2に示した仮想的なベクトル計測ピックアップコ
イルを設定した。これと図12(b)に示した半径方向
成分だけを計測するピックアップコイルとを用いて同一
の電流源の発生する磁界を計算により求めた。このとき
両者を対等に評価するために計測チャンネル数と計測領
域がほぼ等しくなるように設定した。ベクトル計測のチ
ャンネルは13×3の39チャンネルでコイルピッチは
37.5mm、半径方向計測は37チャンネルでコイル
ピッチは25mmとし、半径117mmの球面上に各コ
イルの軸心が球の中心を向くように配置した。ただし、
磁界の接線成分には体積電流の影響があるので、電流源
が発生する磁界は、球モデルを用いて計算し体積電流の
影響を考慮した(J.Sarvas, Phys. Med. Biol., vol.3
2, pp11-22, 1987)。
【0046】式(9) を用いてベクトル計測と半径方向計
測された各磁界データそれぞれに対し推定シミュレーシ
ョンを行った。頭部を半径80mmの球と仮定して、各
磁気センサはZ軸を中心として対称配置した(図12
(a)参照)。球の表面からセンサまでの距離は37m
mとした。電流源は、 位置〔mm〕 モーメント〔nAm〕 ( 20,0,50) (0,10,0) (−20,0, 5) (0,10,0) という2個の電流双極子を置いた。
【0047】推定結果を図3に示す。同図(a)はベク
トル計測された磁界データに基づく電流源の推定結果、
同図(b)は半径方向計測に基づく推定結果である。図
中、○印は設定された電流源の位置、矢印群は推定され
た電流源である。図3から明らかなように、ベクトル計
測された磁界データに対して、上述した式(9) を適用し
て電流源を推定する実施例手法によれば電流源が正しく
推定され、半径方向計測された磁界データに対して式
(9) を適用した場合は電流源が正しく推定されてない。
【0048】よって、本実施例によれば、上述した格子
点移動最小ノルム法におけるパラメータα,β,γのう
ち、式(8) 中の移動パラメータαのみを経験的に設定す
ればよく、パラメータβ,γを設定する必要がない分だ
け、電流源を容易かつ精度よく推定することができる。
【0049】<移動パラメータαの自動調整>次に、上
述したステップS6の処理において設定される必要のあ
る移動パラメータαを経験的な設定によらず、自動調整
する手法を説明する。
【0050】この移動パラメータαも設定される値によ
っては全く異なった推定結果となることがある。この値
をなんらかの方法で決定することができれば、上述した
実施例の手法とあわせて、経験的パラメータを必要とし
ない一般性の高い推定が可能になる。
【0051】ここでは移動パラメータαを決定する基準
として、最小ノルム法で求められた解のノルムに着目す
る。本手法では各繰り返しにおいて格子点を移動させて
最小ノルム解を求めているので、解のノルムは毎回変化
している。そこで、移動パラメータαにいろいろな値を
設定して推定を行い、解のノルムの変化の様子を調べ
た。センサは図2に示したベクトル計測ピックアップコ
イルを用いた。電流源や各センサの配置は上述した実施
例と同じにした。αが0.3と0.5のときのノルムの
変化を図4に示す。図4の横軸は繰り返し回数、縦軸は
解のノルムである。またそれらの推定結果を図5に示
す。αが0.3のときは、図4(a)に示すように解の
ノルムが発散し、図5(a)のように異なった推定結果
になる。一方、αが0.5のときは、図4(b)に示す
ように解のノルムは収束し、図5(b)のように正しい
推定結果が得られる。
【0052】このことから、各繰り返しにおいて、解の
ノルムを最小にする格子点移動パラメータαを求め、こ
のパラメータを用いて各格子点の移動を行うことで、最
適な移動パラメータαを決定すればよいことがわかる。
【0053】以下、図6に示したフローチャートを参照
して、移動パラメータαの自動調整を用いた電流源推定
方法の処理手順を説明する。図6のステップN1〜N4
は、図1に示したフローチャートのステップS1〜S4
と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0054】ステップN5では、次のステップN6で、
上述した式(8) を用いて格子点群をグループ分けする前
に、次式(10)で表される評価関数fを用いて、移動パラ
メータαの最適化を行う。
【0055】
【数5】
【0056】式(10)において、VPj (α)は、移動パラ
メータαを用いて格子点の移動を行い、最小ノルム法に
より求められた解であり、したがって、評価関数fは解
のノルムである。また、nは格子点数を表す。
【0057】ステップN5〜ステップN7では、予め数
通りのパラメータα1 ,α2 ,α3,…を与えておき、
それらのパラメータを用いて格子点を仮に移動させてみ
て、各々の最小ノルム解を求める。そして、これらの最
小ノルム解を式(10)に与えて評価関数f(α1 ),f
(α2 ),f(α3 ),…の各値を求め、その値が最小
となるパラメータを移動パラメータαとして採用する。
これに伴い、採用された移動パラメータαに基づいて格
子点を移動させて得られた最小ノルム解が採用され、他
のパラメータに基づく最小ノルム解は捨てられる。
【0058】そして、ステップN8において、前回のス
テップN4〜ステップN7の処理によって求められた解
のノルム(評価関数の値fL-1 )と、今回の解のノルム
(評価関数の値fL )の変化量Δfを求める。この解の
ノルムの変化量Δfが予め定められた値以下であれば、
繰り返し処理を終了し、そうでなけば、ステップN4に
戻り、解のノルムの変化量Δfが予め定められた値以下
になるまで、ステップN4〜N7の処理を繰り返し実行
する。
【0059】図6に示した手法によれば、経験的なパラ
メータα,β,γを必要としないだけでなく、最小ノル
ム解のノルムを、繰り返し処理の停止条件としているの
で(ステップN8)、適切な繰り返し回数で電流源の推
定処理を停止することもできる。
【0060】<シミュレーション>移動パラメータαを
自動調整する手法の有効性を確認するためにシミュレー
ションを行った。ピックアップコイルは図2に示したベ
クトル計測コイルを球面上に19点設定した。したがっ
て、チャンネル数は19×3の57チャンネルとした。
これを、コイルピッチ25mmで半径131mmの球面
上に設定した。また、頭部を半径80mmの球とし、磁
界計算は体積電流の効果を考慮して行った。センサはZ
軸を中心として対称に配置し、頭部の球からセンサまで
の距離は36mmとした。電流源は複数の電流双極子を
設定した。
【0061】頭部球内に大脳皮質を想定し、3個の電流
双極子をその上に設定した。各電流双極子の位置とモー
メントは、次のとおりである。 位置〔mm〕 モーメント〔nAm〕 (-27.08, 4.78, 47.63) (-8.53, 1.50, -5.00) (-27.08, -4.78, 47.63) (-8.53, -1.50, -5.00) ( 4.91,-56.08, 32.50) ( 0.44, -4.98, -8.66)
【0062】移動パラメータαを自動調整しながら、格
子点移動最小ノルム法で電流源推定を行った結果を図7
に示す。同図のように、設定どおり正しい位置付近に電
流源が推定されている。本手法で電流源推定を行った場
合、真の電流源が単一の電流双極子であっても、電流双
極子分布として解が得られるが、推定された電流双極子
のモーメントを積算すると、設定した電流双極子のモー
メント値とほぼ一致しており、本手法の有効性を確認す
ることができた。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、生体活動電流によって生じた磁界の直交す
る3方向成分を複数個の磁気センサで同時に検出してい
るので、格子点移動最小ノルム法において、各格子点に
電流源が存在する確度を、各格子点の電流源の大きさの
みを考慮することによって求めることができ、各格子点
付近の電流源の密集度を考慮する必要がない。したがっ
て、各格子点付近の電流源の密集度が、各格子点に電流
源が存在する確度に影響を与える度合いを規定したパラ
メータを経験的に設定する必要がなくなり、それだけ、
電流源の推定を容易かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフローチャートである。
【図2】ベクトル計測ピックアップコイルの模式図であ
る。
【図3】シミュレーションによる推定結果を示す図であ
る。
【図4】移動パラメータの値に応じた解のノルムの変化
を示す図である。
【図5】移動パラメータの値に応じたシミュレーション
の結果を示す図である。
【図6】移動パラメータの自動調整を用いた処理のフロ
ーチャートである。
【図7】図6の処理のシミュレーションの結果を示す図
である。
【図8】従来の最小ノルム法の説明図である。
【図9】格子点移動最小ノルム法における格子点のグル
ープ分けの説明図である。
【図10】格子点を分割移動させた様子を示した図であ
る。
【図11】格子点をさらに分割移動させた様子を示した
図である。
【図12】一般的な磁気センサの配置とその構成を示し
た図である。
【符号の説明】
1…マルチチャンネルSQIDセンサ S1 〜Sm …磁気センサ N…最初の格子点群 N1 〜N7 …分割格子点群 LX ,LY ,LZ …ベクトル計測ピックアップコイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体活動電流によって生じる磁界を複数
    個の磁気センサで検出することによって、前記生体活動
    電流源の位置,大きさ,方向の何れかを含む物理量を推
    定するにあたり、被検体内に多数の格子点を設定し、各
    格子点上の未知の電流源と前記各磁気センサによって計
    測された磁界データとの関係式を、前記各格子点の電流
    源を要素としたベクトルのノルムを最小にするという条
    件を付加することによって解いて、各電流源の物理量を
    求める手法(最小ノルム法)を用いた生体活動電流源推
    定方法において、(a)生体活動電流によって生じる磁
    界の直交する3方向成分を複数個の磁気センサで同時に
    検出する第1過程と、(b)被検体内に多数の格子点を
    設定し、各格子点上の未知の電流源と前記第1過程で得
    られた直交する3方向成分の磁界データとの関係式を前
    記最小ノルム法により解いて各格子点上の電流源を求め
    る第2過程と、(c)前記第2過程で得られた各格子点
    の電流源の大きさ(強度)に応じて、各格子点に電流源
    が存在する確度を求める第3過程と、(d)前記第3過
    程で求められた確度に基づき、前記格子点群を複数個の
    グループに分割する第4過程と、(e)分割された各格
    子点群のそれぞれにおいて最大の大きさをもつ電流源が
    存在する格子点の付近に他の格子点を移動させて格子点
    群を再配置する第5過程と、(f)前記再配置された各
    格子点上の電流源を前記最小ノルム法を用いて求める第
    6過程と、を備えたことを特徴とする生体活動電流源推
    定方法。
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