JPH0714836B2 - 焦電性磁器組成物 - Google Patents

焦電性磁器組成物

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JPH0714836B2
JPH0714836B2 JP63057263A JP5726388A JPH0714836B2 JP H0714836 B2 JPH0714836 B2 JP H0714836B2 JP 63057263 A JP63057263 A JP 63057263A JP 5726388 A JP5726388 A JP 5726388A JP H0714836 B2 JPH0714836 B2 JP H0714836B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は焦電性磁器組成物に関する。
(従来の技術) 焦電体は、被検知物体から放射される赤外放射エネルギ
ーを吸収することによって温度変化を生じ、その温度変
化に起因して自発分極に変化を生じることから、その焦
電効果を利用した赤外線センサーの材料として利用され
ている。
この種の焦電型赤外線センサーは、焦電体に電極を形成
した焦電素子のそのものではインピーダンスが高すぎて
実用的でないため、一般には、第1図に示すように、焦
電素子1のインピーダンスを電界効果トランジスタ2で
適当なインピーダンスに変換するインピーダンス変換タ
イプと、第2図に示すように、発生電流を直接高入力イ
ンピーダンスを持つ演算増幅器3に入力して増幅する電
流モード検知タイプのものが開発されている。
現在普及しているインピーダンス変換タイプの場合、出
力電圧感度に対する材料評価指数(FV)、及びノイズ
を含めた比検出率(D)に対する材料評価指数(FD、
以下、S/N比評価指数と記す。)は、その焦電係数を
λ、比熱をCp、密度をd、比誘電率をεr、誘電正接を
tan δとすると、それぞれ次式で与えられる。
FV=λ/Cp・d・εr ……(1) 従って、FVおよびFDの値が大きいほど優れた焦電体
材料と言える。このため、焦電体材料としては、(1)
式および(2)式から、焦電体の温度変化に対する自発
分極の変化が大きい、即ち、焦電体の焦電係数(λ)が
大きく、また、比誘電率が小さく、かつ誘電正接が小さ
いことが要求される。しかし、焦電体の比誘電率が小さ
くなるほど、焦電素子が外部回路の浮遊容量の影響を受
け易くなるためセンサーのノイズが大きくなり、比誘電
率が大きすぎると性能指数が小さくなることから、ノイ
ズ低減および焦電性能の観点から、比誘電率は200〜400
の範囲が適当である。また、ノイズ低減の観点から、焦
電素子の肉厚を薄くして静電容量をできるだけ大きくす
るため、適度の強度が要求される。
他方、高入力インピーダンスの演算増幅器の開発により
最近実用可能になった電流モード検知タイプの場合、発
生した電荷を直接変換するため、その検出感度は焦電体
の比誘電率には依存せず、焦電体の温度変化に対する発
生焦電流、従って、焦電係数のみに依存するから、イン
ピーダンス変換タイプのものに関する評価方法は適用で
きず、できるだけ大きな焦電係数を持つことが要求され
る。
また、前記いずれのタイプにおいても、実用上の観点か
ら、焦電体はその焦電体が消失する温度、即ち、キュリ
ー温度が少なくとも150℃以上あることが望ましい。
従来、焦電体材料としては、LiTaO3、LiNbO3、硫酸グリ
シン(TGS)、SrxBa1-xNb2O6(SBN)、ゲルマニウム酸
鉛系磁器、チタン酸鉛系磁器およびチタン酸ジルコン酸
鉛系磁器等が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記公知の焦電体材料のうちチタン酸鉛
系磁器およびチタン酸ジルコン酸鉛系磁器以外の大部分
は、比誘電率が30〜50と小さく焦電評価指数の点からは
好ましいが、焦電素子の電極面積が小さい場合、素子容
量が外部回路の浮遊容量より小さくなりセンサーのノイ
ズが大きくなるという欠点がある。また、LiTaO3および
LiNbO3は比較的高価であり、ゲルマニウム酸鉛系磁器は
キュリー温度が低いため焦電素子の性能の温度安定性に
劣るという欠点がある。
他方、チタン酸鉛系磁器は比誘電率が200前後と適度の
値を示すが、その分極温度が200℃前後と高いため電極
材料の選択が困難であり、しかも薄肉化すると十分な強
度が得られず実用に供することが困難であった。
このため、現在では、真性もしくは変性チタン酸ジルコ
ン酸鉛系磁器、例えば、Pb(Sn1/2Sb1/2)O3−PbTiO3−
PbZrO3からなる主成分に、副成分としてMnO2、CoO、Cr2
O3などを含有させたものなどが汎用されている。この種
のチタン酸ジルコン酸鉛系磁器は、適度の条件下で分極
処理が可能で、安価で加工性も良好であり、比較的良好
な焦電性能を示すが、インピーダンス変換タイプの赤外
線センサーの材料としては、より優れた焦電特性が要望
されており、また、電流モード検知タイプの焦電型赤外
線センサーの材料として適用する場合、焦電係数を十分
に満足させるものではないのが現状である。
従って、本発明は、3成分系チタン酸ジルコン酸鉛系焦
電体素子の安価で加工性が良いという長所を保有し、焦
電係数が大きく、適度の比誘電率並びに出力電圧感度に
対する材料評価指数(FV)及びS/N比評価指数を有し
インピーダンス変換タイプのみならず電流モード検知タ
イプの赤外線センサーの焦電体材料として適用可能な焦
電性磁器組成物を得ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、前記問題点を解決する手段として、 一般式: (Pb1−αBiα)〔(Sn1−βSbβ)xTiyZrz〕O
3(但し、α、β、x、yおよびzは各成分のモル分率
で、0.01≦α≦0.09、0.25≦β≦0.75、0.01≦x≦0.2
0、0.05≦y≦0.97、0.02≦z≦0.94、x+y+z=1.0
0である。)で示される組成を有する化合物を主成分と
し、これに副成分としてMg、CrおよびMnからなる群から
選ばれた少なくとも一種の元素をそれぞれ0.3〜2.5原子
%含有させるようにしたものである。
(作用) 本発明に係る焦電性磁器組成物は、基本的には、錫・ア
ンチモン変性チタン酸ジルコン酸鉛におけるPbの一部を
Biで置換すると共に、副成分としてMg、CrおよびMnから
なる群から選ばれた少なくとも一種の元素をそれぞれ0.
3〜2.5原子%添加含有させたものであるが、その組成範
囲の限定理由について説明する。
Biは焦電性能を向上させると共に、焼結温度を低下させ
る作用を有し、αが0.01未満ではBi置換による焦電性能
の向上が得られず、αが0.09を越えると、Bi2O3が析出
し、焼結性が急激に低下するので前記範囲とした。
また、βを0.25〜0.75としたのは、βがこの範囲を外れ
ると緻密な焼結体が得られないからである。xが0.01未
満では、焼結が困難となり、また0.20を越えると焼結し
にくくなると同時に、キュリー点が著しく低下して実用
的でなくなるので前記範囲とした。yが0.05未満では、
反強誘電性を示し、焦電体としての性能が得られず、y
が0.97を越えると、焼結が困難となるので、yは前記範
囲とした。zが0.02未満では焼結性が悪く、逆に0.94を
越えると、反強誘電性を示し、焦電体としての性能が得
られないので前記範囲とした。前記主成分の組成範囲を
第1図に示す。
前記組成の主成分に、副成分としてMg、CrおよびMnから
なる群から選ばれた少なくとも一種の元素が酸化物の形
態で含有されるが、これらの元素のうちMgは粒成長を抑
制する効果があり、焼結後の機械的強度を高め、研磨加
工をし易くするが、0.3原子%未満ではその効果が得ら
れず、2.5原子%を越えると、その効果がなくかり、ま
た誘電損失が著しく大きくなるという弊害を生じるの
で、その範囲を0.3〜2.5原子%とした。また、Crは熱エ
ージングを繰り返しても分極を失われなくする効果を有
するが、その含有量が0.3〜2.5原子%の範囲外では顕著
な効果が認められなくなるので前記範囲とした。さら
に、Mnは誘電損失を小さくしてS/N比評価指数を増大さ
せる効果があるが、その含有量が0.3〜2.5原子%の範囲
外ではその添加効果がなくなるので前記範囲とした。ま
た、前記Mg,CrおよびMnを二種以上併添加する場合、前
記理由によりその量は各元素について0.3〜2.5原子%で
あることが必要である。また、3種の元素を併添加する
場合、実施例に示すように、Mgを1.0〜2.5原子%、Crを
0.5〜0.95原子%、Mnを0.5〜1.2原子%添加含有させる
のが好適である。
(実施例) 素原料として、Pb3O4、SnO2、Sb2O3、TiO2、ZrO2、Bi2O
3、PbCrO4、MnO2およびMgOを用い、第1表に示す組成に
なるように秤量し、各混合原料を約16時間湿式混合した
後、乾燥させ、900℃で3時間仮焼した。この仮焼原料
を2〜5重量%の有機バインダと共に10〜20時間湿式粉
砕したた後、乾燥させ、60メッシュのふるいを通して整
粒した。得られた粉末を750〜1000kg/cm2の圧力で、直
径12mm、厚さ1mmの円板に成形し、1100〜1150℃で2時
間焼成して焦電性磁器を得た。
前記磁器円板の両面に蒸着法によりAg電極を形成した
後、80℃の絶縁油中に浸漬し、3.0〜4.0kv/mmの直流電
圧を30分間印加して試料とした。
各試料について、比誘電率(εr)、tan δ、焦電係数
(λ)、体積比熱(CV)、キュリー温度および抗折強
度を測定すると共に、出力電圧感度に対する材料評価指
数(FV)、及びS/N比評価指数(FD)を求めた、そ
れらの結果を第2表に示す。なお、第1表および第2表
中、*を付した試料は本発明の範囲外のものである。
(比較例) 第3表および第4表に示す各組成の焦電体からなる試料
について、それらの焦電特性を第3表および第4表に示
す。
第2表〜第4表に示される結果から明らかなように、本
発明に係る焦電性磁器組成物は、Biの置換量および/ま
たは主成分におけるBサイトのx,y,zの比をその組成の
範囲内で適宜設定することにより、比誘電率が約230〜1
490で、焦電係数が6×10-8C・cm/Kにも達し、優れた評
価指数(FVおよびFD)を示す。
例えば、本発明の焦電性磁器組成物からなる第1表およ
び第2表の試料4と、それと同じx、y、zの比を有る
第4表の試料1の特性とを比較すると、本発明の焦電性
磁器組成物は、Bi置換により焦電係数、評価指数
(FV、FD)ともに向上していることが判る。
また、本発明に係る焦電性磁器組成物は、Pbの一部をBi
で置換されていないものに比べて、焼結温度が50〜100
℃低ことが確認された。
(効果) 以上の説明したように、本発明によれば、焦電体のBiの
置換量および/または主成分におけるBサイトのx,y,z
の比をその組成範囲内で、適宜設定することにより、比
誘電率が200〜400と適度で、優れた材料評価指数
(FV、FD)を有する、インピーダンス変換タイプの
焦電線センサーに適した焦電体が得られる一方、焦電係
数が大きく、電流モード検知タイプの赤外線センサーに
適した焦電体が得られる。従って、本発明に係る焦電性
磁器組成物をインピーダンス変換タイプの赤外線センサ
ーに適用すると、低ノイズで電圧感度が低下しないもの
が得られ、また検出感度が焦電係数のみに依存する電流
モードタイプの赤外線センサーに適用すると、高感度の
ものが得られる。また、焼結温度が従来のものに比べて
50〜100℃低いため、生産性の向上を図ることができる
など優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はインピーダンス変換タイプの焦電型赤外線セン
サーの等価回路図、第2図は電流モードタイプの焦電型
赤外線センサーの等価回路図、第3図は本発明に係る焦
電性磁器組成物の主成分の組成範囲を示す三元図であ
る。 1〜焦電素子、2〜電界効果トランジスタ、3〜演算増
幅器、Rg、Rs、Rf〜抵抗、Cf〜コンデンサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: (Pb1−αBiα)〔(Sn1−βSbβ)xTiyZrz〕O3 (但し、α、β、x、yおよびzは各成分のモル分率
    で、0.01≦α≦0.09、0.25≦β≦0.75、0.01≦x≦0.2
    0、0.05≦y≦0.97、0.02≦z≦0.94、x+y+z=1.0
    0である。)で示される組成を有する化合物を主成分と
    し、副成分としてMg、CrおよびMnからなる群から選ばれ
    た少なくとも一種の元素をそれぞれ0.3〜2.5原子%含有
    することを特徴とする焦電性磁器組成物。
  2. 【請求項2】副成分としてMgを1.0〜2.5原子%、Crを0.
    5〜0.95原子%、Mnを0.5〜1.2原子%を含有することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の焦電性磁器組成
    物。
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