JPH07150644A - 接合金属を用いた木材の接合構造 - Google Patents

接合金属を用いた木材の接合構造

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JPH07150644A
JPH07150644A JP6270194A JP6270194A JPH07150644A JP H07150644 A JPH07150644 A JP H07150644A JP 6270194 A JP6270194 A JP 6270194A JP 6270194 A JP6270194 A JP 6270194A JP H07150644 A JPH07150644 A JP H07150644A
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博 和田
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Toshihiro Arai
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Sumikin Kozai Kogyo KK
Nara Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材どうしを強固にしかも簡単に接合できる
接合金属を用いた木材の接合構造を提供する。 【構成】 接合される木材1,2 の端部に、双方に連続す
る接合用スリット5を設け、この接合用スリット5に、
接着剤の接着力を高めるための表面処理としてZ−S処
理が施され、かつ、表面に接着剤が塗布された接合プレ
ート8を挿入し、かつ、この接合プレート8と木材1,2
とに連続して形成された接合孔6に接合ピン9を挿着
し、更に、接合用スリット5及び接合孔6の端部をそれ
ぞれ埋木又は充填材10,11 で塞ぎ、接合ピン6及び接合
プレート8の端部を露出しないようにそれぞれ被覆す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、おもに木造建築物に
おける柱や梁等の木質構造部材を接合するために適用さ
れる接合金属を用いた木材の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(a) は、木造建築物における、例え
ば柱と柱、あるいは柱と梁との接合に適用される接合金
属を用いた木材の接合構造の従来例の一例を示し、図に
おいて、符号1と2は直角に接合されている木材、3と
4はこの木材1と2とを接合している金属製接合プレー
ト(以下「接合プレート」という)と接合ピン、5は木
材1及び2の端部に双方に接合プレートが係合可能とな
るように形成され、接合プレート3が挿入されている接
合用スリット、6は木材1及び2の端部と接合プレート
3に接合ピン4がそれぞれに係合可能となるように形成
され、ドリフトピン等の接合ピン4が挿入されている接
合孔である。
【0003】また、図6(b) において、符号7は接合孔
6に接合ピン4の代わりに挿着され、木材1と2とを接
合している接合ボルトである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の接合金属を用い
た木材の接合構造は以上説明したように構成され、接合
プレート3は木材1と2には特に固着されていないの
で、接合部はピン接合状態になっており、このため、木
材1と2との応力の伝達は、全て接合ピン4又は接合ボ
ルト7を介してなされるので、接合ピン4又は接合ボル
ト7が当接する接合孔6の側壁部に応力が集中すること
になり、強度設計上不利になりやすい等の課題があっ
た。
【0005】また、接合孔6の内径が接合ピン4又は接
合ボルト7の外径より大きいと、充分な接合強度が得ら
れず、更に、接合孔6の内径が接合ピン4又は接合ボル
ト7の外径と同等程度とすると、接合孔6の位置合わせ
に非常な手間がかかる等して接合ピン4又は接合ボルト
7の挿着がしにくくなる等の課題があった。
【0006】尚、一般的には、接合孔6の内径と接合ピ
ン4の外径とを同等にするか、あるいは接合孔6の内径
を接合ピン4の外径より小さくしている。
【0007】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、木材どうしを強固に、しかも、簡単に
接合できるようにした接合金属を用いた木材の接合構造
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項第
1項記載の接合金属を用いた木材の接合構造は、接合さ
れる複数の木材に、双方に接合プレートが係合可能とな
るように接合用スリットを設け、この接合用スリット
に、接着剤の接着力を高めるための表面処理が施され、
その上に接着剤が塗布された金属製接合プレートを挿入
し、かつ、この金属製接合プレートと前記木材とに接合
ピンがそれぞれに係合可能となるように形成された接合
孔に接合ピンを挿着することにより構成されている。
【0009】また、この発明に係る請求項第2項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前項の接合金属を
用いた木材の接合構造において、金属製接合プレート
を、所定形状に形成された鋼板、ステンレス鋼等の合金
鋼板、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金又はアルミニウム
によるめっき鋼板、アルミニウム又はアルミニウム合金
板、あるいは銅合金板の表面にZ−S処理を施すことに
より構成されている。
【0010】また、この発明に係る請求項第3項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前2項の接合金属
を用いた木材の接合構造において、接合孔の端部を埋木
又は充填材で塞ぎ、あるいは接合ピンの端部を被覆する
ことにより構成されている。
【0011】更に、この発明に係る請求項第4項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前3項の接合金属
を用いた木材の接合構造において、接合用スリットの端
部を埋木又は充填材で塞ぎ、あるいは金属製接合プレー
トの端部を被覆することにより構成されている。
【0012】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明に係る接合金属を用いた木
材の接合構造の一実施例を示し、図において、前記従来
例と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0013】符号8は木材1と2の接合用スリット5に
双方に連続して挿入され、木材1と2とを接合する金属
製接合プレート(以下「接合プレート」という)、9は
木材1及び2と接合プレート8の接合孔6に連続して挿
通され、木材1と2とを接合する接合ピン、10は木材1
及び2の接合孔6の端部に詰め込まれ、接合ピン9の端
部が露出しないように接合孔6の端部を埋める埋木又は
充填材、そして、符号11は接合用スリット5の端部に詰
め込まれ、接合プレート8の端部が露出しないように接
合用スリット5の端部を埋める埋木又は充填材である。
【0014】接合プレート8は、鋼板、ステンレス鋼等
の合金鋼板、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金又はアルミ
ニウムによるめっき鋼板、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金板、あるいは銅合金板より矩形板状に形成され、
かつ、その表面には接着剤の接着力を高めるための表面
処理が施されている。
【0015】この種の表面処理としては、リン酸塩処理
等の化成処理、ブラスト処理等の表面粗度形成、エポキ
シ樹脂系、アクリル樹脂系、あるいはウレタン樹脂系等
の合成樹脂よりなるプライマー塗装等があり、これには
従来のショッププライマー等も含まれる。
【0016】尚、これらの処理は、単独採用に限らず、
相互に関連させて複合的に採用することができるのは当
然である。
【0017】また、アルミニウム等の非鉄金属の場合に
は、アルマイト処理等の化成処理内での陽極酸化を採用
することも可能である。
【0018】更に、ブラスト処理等のように、亜鉛−鉄
合金粒の細粒を機械投射することにより被投射物表面に
亜鉛−鉄合金皮膜を形成する、いわゆるZ−S処理(特
願昭62-115335 号, 特願昭62- 81900 号等参照)を施す
と、金属表面を複合化の為の接着下地処理としての表面
改質に良好な効果を有する。
【0019】また、接合プレート8は、接合用スリット
5の端部に埋木又は充填材10を詰める空間を確保できる
ようにやや小さめに形成されている。
【0020】更に、接合プレート8には、木材1及び2
の接合孔6と同等かそれよりも大きい複数個の接合孔6
が形成されている。
【0021】接合ピン9には、接合孔6に通しやすいド
リフトピンが使用され、かつ、接合孔6の端部に埋木又
は充填材10を詰める空間を確保できるようにやや短めの
ものが使用されている。
【0022】尚、接合プレート8及び接合ピン9の数
量、サイズ及び設置間隔等は、接合部に作用する応力に
応じて適宜決定される。
【0023】また、接合孔6の形状は、接合プレート8
と木材1,2 との接合ピン9による係合の関係上、楕円形
等、各種形状とすることができる。
【0024】このような構成において、木材1と2とを
接合するには、木材1と2とを直角に突き合わせ、双方
の接合用スリット5に、予め表面に接着剤を塗布した接
合プレート8を挿入する。次に、木材1と2の両側に添
えプレート12,12 を添え付け、かつ、この添えプレート
12,12 のボルト孔(図省略)と木材1,2 及び接合プレー
ト8の接合孔6に締付けボルト13を挿着して木材1,2 と
接合プレート8とを加圧接着する(図2参照)。
【0025】そして、これらの部材が十分に接着した
ら、添えプレート12と締付けボルト13とを取り外し、接
合孔6に接合ピン9を挿入し、かつ、接合孔6の両端部
及び接合用スリット5の端部に埋木又は充填材10及び11
をそれぞれ充填して接合用スリット5の端部及び接合孔
6の端部を接合ピン9及び接合プレート8が露出しない
ように塞ぐ。
【0026】尚、木材1,2 及び接合プレート8の接合孔
6は、木材1及び2と接合プレート8とを接着した後で
形成してもよく、そのようにすれば、接合孔6を木材1,
2 及び接合プレート8に連続して形成できる効果があ
る。
【0027】実施例2.図3(a),(b),(c),(d) は、この
発明に係る接合金属を用いた木材の接合構造の他の実施
例を示し、このうち、(a),(b) 及び(c) は接合される木
材1と2とを水平に接合する例を示し、例えば、梁どう
しを接合する場合に適用される。
【0028】また、(d) は木材1と2とを垂直に接合す
る例を示し、例えば、柱を土台に接合する場合等に適用
される。
【0029】また、接合に際しては、木材1と2とを突
き合わせ、双方の接合スリット5に接着剤を充填し、こ
の接合スリット5に接着剤を塗布した接合プレート8を
挿入し、かつ、木材1,2 と接合プレート8の接合孔6を
合わせ、接合ピン9を挿入する。この場合、接合孔6の
内径は、例えば、木材1,2 側を10mm、接合プレート8側
を20mm×11mmの長孔とし、そして、接合ピン9の外径を
10mmの真鍮等の銅合金ピンとする。
【0030】このように設定すれば、木材1,2 及び接合
プレート8に対する孔加工は、事前に工場等で行うこと
ができ、従来のような現場加工は不要となる。
【0031】尚、接合孔6を長孔にすると、接着層の破
壊付近までひずみが達したときに接合ピン9がきかない
ので、図5の(ニ)の最大破壊荷重は(ロ)と差がな
い。
【0032】図4(a),(b) は、同じくこの発明に係る接
合金属を用いた木材の接合構造の他の実施例を示し、い
ずれも鉄筋等からなるブレース14をガセットプレート15
を介して接合する例を示したものである。この場合、簡
単なものについては、(b)に図示するように接着剤の
接着力のみでガセットプレート15を木材に接合して、
接合ピンを一本としてもよい。
【0033】図5(a) に示すグラフは、図5(b) に示す
試験体の引っ張り試験の結果を応力−歪み曲線で示した
もので、グラフより、接合プレート8の表面に単に接着
剤を塗布するよりも(グラフ(イ)参照)、接合プレー
ト8の表面に表面処理を施し、その上に接着剤を塗布す
るほうが(グラフ(ロ)参照)、略1.5 倍の引っ張り強
度を有することがわかる。但し、いずれも、いわゆる脆
性破壊(急激な破壊)を起こすという点で問題がある。
【0034】また、接合プレート8の表面に表面処理を
施し、その上に接着剤を塗布し、更に接合ピン9を併用
すると(グラフ(ニ)参照))、靱性が増して脆性破壊
を防止できるだけでなく、引っ張り強度も略1.5 倍増す
ことがわかる。
【0035】尚、従来のドリフトピン工法において、施
工が容易になるように、接合孔6の内径を前記と同程度
の孔径とすると、本発明の最大荷重の1/2 以下になる
(グラフ(ハ)参照)。
【0036】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成さ
れ、木材どうしは接合プレートの表面に塗布された接着
剤で接合されているので、木材どうしを剛接合状態に強
固に接合でき、また、接合部の応力伝達は木材と接合プ
レートとの面剪断力によってなされるので、応力が一部
に集中するようなことはなく、接合強度のきわめて高い
接合部構造を提供できる効果がある。
【0037】また、接合プレートの表面には、接着剤の
接着力を高めるように表面処理として、例えばZ−S処
理等が施されているので、木材と接合プレートとを確実
に接合できる効果がある。仮に、接着剤の接着力が不充
分であっても、木材と接合プレートには連続して複数本
の接合ピンが挿着されているので、地震時等における急
激な破壊を防止できる効果がある。
【0038】また、前記表面処理による接着剤の接着力
の向上により、木材や接合プレートに形成される接合孔
の内径を、接合ピンの外径と同等若しくはこれより大き
くできるので、接合作業が容易になり、今まで通り現場
においてだけでなく、工場等で事前に木材や接合プレー
トに孔加工を施すことができる効果がある。
【0039】また、接合孔の端部及び接合スリットの端
部には、それぞれ接合ピン及び接合プレートを挿着した
後に接合ピン及び接合プレートが露出しないように埋木
や充填材が充填されているので、たとえ火災にあっても
接合ピン及び接合プレートが直接火炎に触れることがな
く、接合部の急激な強度低下を防止でき、更に、現場で
接合・施工を簡単できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る接合金属を用いた木材の接合構
造の一実施例を示す木材接合部の斜視図である。
【図2】接合される木材どうしを添えプレートと接合ボ
ルトで仮接合する状態を示す木材接合部の斜視図であ
る。
【図3】(a),(b),(c),(d) は、いずれもこの発明に係る
木材接合部構造の他の実施例を示し、(a) 及び(b) は水
平に接合される木材接合部の平面図及び正面図、(c) は
その分解斜視図、(d) は垂直に接合される木材接合部の
分解斜視図である。
【図4】(a),(b) は、いずれもこの発明に係る木材接合
部構造の他の実施例を示し、木材とブレースとの接合部
を示す斜視図である。
【図5】(a) は、(b) に示す試験体の引っ張り試験の結
果を示す応力−歪み曲線のグラフ、(b) は引っ張り試験
体の正面図である。
【図6】(a),(b) は、いずれも木材接合部構造の従来例
の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 …接合される木材、3…金属製接合プレート(接合
プレート)、4…接合ピン、5…接合スリット、6…接
合孔、7…接合ボルト、8…接合プレート、9…接合ピ
ン、10,11 …埋木又は充填材、12…添えプレート、13…
締付けボルト、14…ブレース、15…ガセットプレート。
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 接合金属を用いた木材の接合構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、おもに木造建築物に
おける柱や梁等の木質構造部材を接合するために適用さ
れる接合金属を用いた木材の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図6(a) は、木造建築物における、例え
ば柱と柱、あるいは柱と梁との接合に適用される接合金
属を用いた木材の接合構造の従来例の一例を示し、図に
おいて、符号1と2は直角に接合されている木材、3と
4はこの木材1と2とを接合している金属製接合プレー
ト(以下「接合プレート」という)と接合ピン、5は木
材1及び2の端部に双方に接合プレートが係合可能とな
るように形成され、接合プレート3が挿入されている接
合用スリット、6は木材1及び2の端部と接合プレート
3に接合ピン4がそれぞれに係合可能となるように形成
され、ドリフトピン等の接合ピン4が挿入されている接
合孔である。
【0003】また、図6(b) において、符号7は接合孔
6に接合ピン4の代わりに挿着され、木材1と2とを接
合している接合ボルトである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の接合金属を用い
た木材の接合構造は以上説明したように構成され、接合
プレート3は木材1と2には特に固着されていないの
で、接合部はピン接合状態になっており、このため、木
材1と2との応力の伝達は、全て接合ピン4又は接合ボ
ルト7を介してなされるので、接合ピン4又は接合ボル
ト7が当接する接合孔6の側壁部に応力が集中すること
になり、強度設計上不利になりやすい等の課題があっ
た。
【0005】また、接合孔6の内径が接合ピン4又は接
合ボルト7の外径より大きいと、充分な接合強度が得ら
れず、更に、接合孔6の内径が接合ピン4又は接合ボル
ト7の外径と同等程度とすると、接合孔6の位置合わせ
に非常な手間がかかる等して接合ピン4又は接合ボルト
7の挿着がしにくくなる等の課題があった。
【0006】尚、一般的には、接合孔6の内径と接合ピ
ン4の外径とを同等にするか、あるいは接合孔6の内径
を接合ピン4の外径より小さくしている。
【0007】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、木材どうしを強固に、しかも、簡単に
接合できるようにした接合金属を用いた木材の接合構造
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る請求項第
1項記載の接合金属を用いた木材の接合構造は、接合さ
れる複数の木材に、双方に接合プレートが係合可能とな
るように接合用スリットを設け、この接合用スリット
に、接着剤の接着力を高めるための表面処理が施され、
その上に接着剤が塗布された金属製接合プレートを挿入
し、かつ、この金属製接合プレートと前記木材とに接合
ピンがそれぞれに係合可能となるように形成された接合
孔に接合ピンを挿着することにより構成されている。
【0009】また、この発明に係る請求項第2項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前項の接合金属を
用いた木材の接合構造において、金属製接合プレート
を、所定形状に形成された鋼板、ステンレス鋼等の合金
鋼板、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金又はアルミニウム
によるめっき鋼板、アルミニウム又はアルミニウム合金
板、あるいは銅合金板の表面にZ−S処理を施すことに
より構成されている。
【0010】また、この発明に係る請求項第3項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前2項の接合金属
を用いた木材の接合構造において、接合孔の端部を埋木
又は充填材で塞ぎ、あるいは接合ピンの端部を被覆する
ことにより構成されている。
【0011】更に、この発明に係る請求項第4項記載の
接合金属を用いた木材の接合構造は、前3項の接合金属
を用いた木材の接合構造において、接合用スリットの端
部を埋木又は充填材で塞ぎ、あるいは金属製接合プレー
トの端部を被覆することにより構成されている。
【0012】
【実施例】 実施例1.図1は、この発明に係る接合金属を用いた木
材の接合構造の一実施例を示し、図において、前記従来
例と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0013】符号8は木材1と2の接合用スリット5に
双方に連続して挿入され、木材1と2とを接合する金属
製接合プレート(以下「接合プレート」という)、9は
木材1及び2と接合プレート8の接合孔6に連続して挿
通され、木材1と2とを接合する接合ピン、10は木材1
及び2の接合孔6の端部に詰め込まれ、接合ピン9の端
部が露出しないように接合孔6の端部を埋める埋木又は
充填材、そして、符号11は接合用スリット5の端部に詰
め込まれ、接合プレート8の端部が露出しないように接
合用スリット5の端部を埋める埋木又は充填材である。
【0014】接合プレート8は、鋼板、ステンレス鋼等
の合金鋼板、亜鉛、亜鉛−アルミニウム合金又はアルミ
ニウムによるめっき鋼板、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金板、あるいは銅合金板より矩形板状に形成され、
かつ、その表面には接着剤の接着力を高めるための表面
処理が施されている。
【0015】この種の表面処理としては、リン酸塩処理
等の化成処理、ブラスト処理等の表面粗度形成、エポキ
シ樹脂系、アクリル樹脂系、あるいはウレタン樹脂系等
の合成樹脂よりなるプライマー塗装等があり、これには
従来のショッププライマー等も含まれる。
【0016】尚、これらの処理は、単独採用に限らず、
相互に関連させて複合的に採用することができるのは当
然である。
【0017】また、アルミニウム等の非鉄金属の場合に
は、アルマイト処理等の化成処理内での陽極酸化を採用
することも可能である。
【0018】更に、ブラスト処理等のように、亜鉛−鉄
合金粒の細粒を機械投射することにより被投射物表面に
亜鉛−鉄合金皮膜を形成する、いわゆるZ−S処理(特
願昭62-115335 号, 特願昭62- 81900 号等参照)を施す
と、金属表面を複合化の為の接着下地処理としての表面
改質に良好な効果を有する。
【0019】また、接合プレート8は、接合用スリット
5の端部に埋木又は充填材10を詰める空間を確保できる
ようにやや小さめに形成されている。
【0020】更に、接合プレート8には、木材1及び2
の接合孔6と同等かそれよりも大きい複数個の接合孔6
が形成されている。
【0021】接合ピン9には、接合孔6に通しやすいド
リフトピンが使用され、かつ、接合孔6の端部に埋木又
は充填材10を詰める空間を確保できるようにやや短めの
ものが使用されている。
【0022】尚、接合プレート8及び接合ピン9の数
量、サイズ及び設置間隔等は、接合部に作用する応力に
応じて適宜決定される。
【0023】また、接合孔6の形状は、接合プレート8
と木材1,2 との接合ピン9による係合の関係上、楕円形
等、各種形状とすることができる。
【0024】このような構成において、木材1と2とを
接合するには、木材1と2とを直角に突き合わせ、双方
の接合用スリット5に、予め表面に接着剤を塗布した接
合プレート8を挿入する。次に、木材1と2の両側に添
えプレート12,12 を添え付け、かつ、この添えプレート
12,12 のボルト孔(図省略)と木材1,2 及び接合プレー
ト8の接合孔6に締付けボルト13を挿着して木材1,2 と
接合プレート8とを加圧接着する(図2参照)。
【0025】そして、これらの部材が十分に接着した
ら、添えプレート12と締付けボルト13とを取り外し、接
合孔6に接合ピン9を挿入し、かつ、接合孔6の両端部
及び接合用スリット5の端部に埋木又は充填材10及び11
をそれぞれ充填して接合用スリット5の端部及び接合孔
6の端部を接合ピン9及び接合プレート8が露出しない
ように塞ぐ。
【0026】尚、木材1,2 及び接合プレート8の接合孔
6は、木材1及び2と接合プレート8とを接着した後で
形成してもよく、そのようにすれば、接合孔6を木材1,
2 及び接合プレート8に連続して形成できる効果があ
る。
【0027】実施例2.図3(a),(b),(c),(d) は、この
発明に係る接合金属を用いた木材の接合構造の他の実施
例を示し、このうち、(a),(b) 及び(c) は接合される木
材1と2とを水平に接合する例を示し、例えば、梁どう
しを接合する場合に適用される。
【0028】また、(d) は木材1と2とを垂直に接合す
る例を示し、例えば、柱を土台に接合する場合等に適用
される。
【0029】また、接合に際しては、木材1と2とを突
き合わせ、双方の接合スリット5に接着剤を充填し、こ
の接合スリット5に接着剤を塗布した接合プレート8を
挿入し、かつ、木材1,2 と接合プレート8の接合孔6を
合わせ、接合ピン9を挿入する。この場合、接合孔6の
内径は、例えば、木材1,2 側を10mm、接合プレート8側
を20mm×11mmの長孔とし、そして、接合ピン9の外径を
10mmの真鍮等の銅合金ピンとする。
【0030】このように設定すれば、木材1,2 及び接合
プレート8に対する孔加工は、事前に工場等で行うこと
ができ、従来のような現場加工は不要となる。
【0031】尚、接合孔6を長孔にすると、接着層の破
壊付近までひずみが達したときに接合ピン9がきかない
ので、図5の(ニ)の最大破壊荷重は(ロ)と差がな
い。
【0032】図4(a),(b) は、同じくこの発明に係る接
合金属を用いた木材の接合構造の他の実施例を示し、い
ずれも鉄筋等からなるブレース14をガセットプレート15
を介して接合する例を示したものである。この場合、簡
単なものについては、(b)に図示するように接着剤の
接着力のみでガセットプレート15を木材に接合して、
接合ピンを一本としてもよい。
【0033】図5(a) に示すグラフは、図5(b) に示す
試験体の引っ張り試験の結果を応力−歪み曲線で示した
もので、グラフより、接合プレート8の表面に単に接着
剤を塗布するよりも(グラフ(イ)参照)、接合プレー
ト8の表面に表面処理を施し、その上に接着剤を塗布す
るほうが(グラフ(ロ)参照)、略1.5 倍の引っ張り強
度を有することがわかる。但し、いずれも、いわゆる脆
性破壊(急激な破壊)を起こすという点で問題がある。
【0034】また、接合プレート8の表面に表面処理を
施し、その上に接着剤を塗布し、更に直径10mmの接合ピ
ン9を直径12mmの穴に装着すると(グラフ(ニ)参
照))、靱性が増して脆性破壊を防止できるだけでな
く、引っ張り強度もグラフ(ロ)に比して略1.5 倍増す
ことがわかる。
【0035】尚、従来のドリフトピン工法において、施
工が容易になるように、接合孔6の内径を前記と同程度
の孔径とすると、本発明の最大荷重の1/2 以下になる
(グラフ(ハ)参照)。
【0036】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成さ
れ、木材どうしは接合プレートの表面に塗布された接着
剤で接合されているので、木材どうしを剛接合状態に強
固に接合でき、また、接合部の応力伝達は木材と接合プ
レートとの面剪断力によってなされるので、応力が一部
に集中するようなことはなく、接合強度のきわめて高い
接合部構造を提供できる効果がある。
【0037】また、接合プレートの表面には、接着剤の
接着力を高めるように表面処理として、例えばZ−S処
理等が施されているので、木材と接合プレートとを確実
に接合できる効果がある。仮に、接着剤の接着力が不充
分であっても、木材と接合プレートには連続して複数本
の接合ピンが挿着されているので、地震時等における急
激な破壊を防止できる効果がある。
【0038】また、前記表面処理による接着剤の接着力
の向上により、木材や接合プレートに形成される接合孔
の内径を、接合ピンの外径と同等若しくはこれより大き
くできるので、接合作業が容易になり、今まで通り現場
においてだけでなく、工場等で事前に木材や接合プレー
トに孔加工を施すことができる効果がある。
【0039】また、接合孔の端部及び接合スリットの端
部には、それぞれ接合ピン及び接合プレートを挿着した
後に接合ピン及び接合プレートが露出しないように埋木
や充填材が充填されているので、たとえ火災にあっても
接合ピン及び接合プレートが直接火炎に触れることがな
く、接合部の急激な強度低下を防止でき、更に、現場で
接合・施工を簡単できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る接合金属を用いた木材の接合構
造の一実施例を示す木材接合部の斜視図である。
【図2】接合される木材どうしを添えプレートと接合ボ
ルトで仮接合する状態を示す木材接合部の斜視図であ
る。
【図3】(a),(b),(c),(d) は、いずれもこの発明に係る
木材接合部構造の他の実施例を示し、(a) 及び(b) は水
平に接合される木材接合部の平面図及び正面図、(c) は
その分解斜視図、(d) は垂直に接合される木材接合部の
分解斜視図である。
【図4】(a),(b) は、いずれもこの発明に係る木材接合
部構造の他の実施例を示し、木材とブレースとの接合部
を示す斜視図である。
【図5】(a) は、(b) に示す試験体の引っ張り試験の結
果を示す応力−歪み曲線のグラフ、(b) は引っ張り試験
体の正面図である。
【図6】(a),(b) は、いずれも木材接合部構造の従来例
の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】 1,2 …接合される木材、3…金属製接合プレート(接合
プレート)、4…接合ピン、5…接合スリット、6…接
合孔、7…接合ボルト、8…接合プレート、9…接合ピ
ン、10,11 …埋木又は充填材、12…添えプレート、13…
締付けボルト、14…ブレース、15…ガセットプレート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新居 稔弘 兵庫県尼崎市扶桑町1番21号 住金鋼材工 業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合される複数の木材に、双方に連続す
    る接合用スリットを設け、この接合用スリットに、接着
    剤の接着力を高めるための表面処理が施され、かつ、表
    面に接着剤が塗布された金属製接合プレートを挿入し、
    かつ、この金属製接合プレートと前記木材とに相互に係
    合可能となるように形成された接合孔に接合ピンを挿着
    してなることを特徴とする接合金属を用いた木材の接合
    構造。
  2. 【請求項2】 金属製接合プレートは、所定形状に形成
    された鋼板、ステンレス鋼等の合金鋼板、亜鉛、亜鉛−
    アルミニウム合金又はアルミニウムによるめっき鋼板、
    アルミニウム又はアルミニウム合金板、あるいは銅合金
    板の表面にZ−S処理を施してなることを特徴とする請
    求項第1項記載の接合金属を用いた木材の接合構造。
  3. 【請求項3】 接合孔の端部を埋木又は充填材で塞ぎ、
    あるいは接合ピンの端部を被覆してなることを特徴とす
    る請求項第1項又は第2項記載の接合金属を用いた木材
    の接合構造。
  4. 【請求項4】 接合用スリットの端部を埋木又は充填材
    で塞ぎ、あるいは金属製接合プレートの端部を被覆して
    なることを特徴とする請求項第1項、第2項又は第3項
    記載の接合金属を用いた木材の接合構造。
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JP2009293342A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Homezoo Co Ltd 門形の木質フレームに用いる接合構造

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