JPH07155106A - チョコレート製品 - Google Patents

チョコレート製品

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JPH07155106A
JPH07155106A JP5341511A JP34151193A JPH07155106A JP H07155106 A JPH07155106 A JP H07155106A JP 5341511 A JP5341511 A JP 5341511A JP 34151193 A JP34151193 A JP 34151193A JP H07155106 A JPH07155106 A JP H07155106A
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butter
chocolate
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fatty acid
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Hiroki Kamiyama
弘樹 上山
Akitoshi Morishita
昭寿 森下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いスナップ性を有すると共に、良好な口溶
け感を持つチョコレート製品、あるいはこれらの特性と
マイルドさとを合わせ持ち、今までにない良好な、変わ
った食感、口当たりを享受できるチョコレート製品を提
供する。 【構成】 対称型トリグリセリド(1,3位に飽和脂肪
酸残基、2位に不飽和脂肪酸残基)の含有量が70重量
%以上で、そのうちの1,3−ジパルミトイル−2−オ
レオイルグリセリン(POP)の含有量が30重量%以
上、そして非対称型トリグリセリド(1,2位に飽和脂
肪酸残基、3位に不飽和脂肪酸残基)の含有量が4重量
%以下のハードバターと、カカオ脂とを組み合わせた油
脂成分及び糖成分とからなるチョコレート製品。上記の
ようなハードバターと糖成分からなるハードバター相
と、カカオ脂と糖成分とからなるカカオ脂相とが互いに
分離された状態で一体とされてなるチョコレート製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のトリグリセリド
組成のハードバターを使用することによってスナップ
性、口どけ感などの食感を更に向上させたチョコレート
製品に関する。
【0002】
【従来の技術】カカオ脂に代表されるハードバターは、
チョコレートを主とした製菓、製パン等の食品分野及び
医薬、化粧品分野に広く使用されている。この種のハー
ドバターは、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイル
グリセリン(略称POP)、1−パルミトイル−2−オ
レオイル−3−ステアロイルグリセリン(略称P0
S)、1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセ
リン(略称SOS)等の一分子内に一個の不飽和結合を
有する対称型トリグリセリド類(略称SUS)を主成分
としている。
【0003】カカオ脂は、対称型トリグリセリド(2位
にオレイン酸だけでなく、リノール酸が結合しているも
のも含む)を約80重量%(そのうちPOPは、約16
重量%)含むが、非対称型トリグリセリド(1,2−飽
和脂肪酸残基、3位に不飽和脂肪酸残基が結合:略称S
SU)は殆ど含まれていない。一方、対称型トリグリセ
リドが主成分であり、カカオ脂以外のハードバターの代
表的なものとしては、パーム中融点部(略称PMF)が
知られている。PMFは、対称型トリグリセリドの中で
もPOPが主成分(約57重量%)であること、またカ
カオ脂には殆ど存在しない非対称トリグリセリド(その
内の殆どはPPOである)を11.8重量%含むことに
特徴がある。
【0004】一般に、対称型トリグリセリドは、この成
分を多く含む天然の油脂、例えば、パーム油、シア脂、
サル脂等の油脂の分画、あるいは酵素による選択的エス
テル交換反応によって得られる対称型トリグリセリドに
富んだ油脂の分画油として得ることができるが、分画油
をそのままもしくはこれを適宜配合し、ハードバターと
して利用されている。ハードバターの特性は、室温以下
では充分な硬さを維持しながらも体温付近になると速や
かに融解するという塑性領域が極めて狭いことである。
このためハードバターは、カカオ脂の代用脂としてチョ
コレート製品に使用した場合、保存時には充分な硬さを
有し、音を立てて割れる特性を有するが、熱を吸収し、
素早く融解するとの速融性に優れた特性を持っているた
め、口の中では冷涼感や味の切れとして感じられる。
【0005】このようなハードバターの持つ特性の一つ
にスナップ性と呼ばれる特性があるが、これは室温に保
存したときのチョコレートが「パリッ」や「パキッ」等
の音と共に割れる特徴として現れる。ハードバターは室
温付近において完全な固体であるためこのような特性を
有する。このスナップ性と呼ばれる特性はチョコレート
の嗜好性の一つの特徴であり、従来から好まれてきた特
性の一つである。
【0006】しかしながら、カカオ脂や、パーム油の分
画油とシア脂の分画油を混合した従来のハードバター
は、15℃〜20℃付近までは充分なスナップ性を有す
るが、20℃〜25℃付近のスナップ性は失われて行
き、25℃以上になると完全に消失する。また、様々な
条件下で製造されたPMF(例えば、特開昭55−11
4261号公報、同60−8397号公報、あるいは同
61−209298号公報参照)は、口溶けは良くなる
が、スナップ性がカカオ脂より著しく高くなることはな
く、従来のパーム油の分画技術だけでは、スナップ性を
向上させる技術は見当たらない。通常、PMFは、チョ
コレート等をソフトにするハードバターとして用いられ
ており、カカオ脂のスナップ性を低下させる特性を有し
ている。
【0007】また、20℃〜25℃付近のスナップ性を
向上させる方法は、シア脂、サル脂等から分画されたハ
ードバターをカカオ脂に混合する方法、あるいはパーム
完硬脂やナタネ完硬脂等をカカオ脂に混合する方法が通
常用いられる。しかしこれらの油脂はカカオ脂よりも融
点が非常に高く、スナップ性は維持されるが口どけが著
しく悪くなる。従って、口どけを悪化させずに20℃〜
25℃付近のスナップ性を維持させる方法は現在のとこ
ろ提案されていない。また、15℃〜20℃付近におけ
るスナップ性はカカオ脂等の従来からの油脂に上記記載
の融点の高い油脂を混合しても向上することはほとんど
なく、この付近でのスナップ性が著しく向上するハード
バターも現在のところ提案されてない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
スナップ性を有すると共に、良好な口溶け感を持つチョ
コレート製品を提供することである。また本発明の目的
は、高いスナップ性、良好な口溶け感と共に、チョコレ
ートの持つマイルドさとを合わせ持ち、今までにない良
好な、変わった食感、口当たりを享受できるチョコレー
ト製品を提供することでもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な好ましい食感、あるいは今までにない食感を持つチョ
コレート製品を求めて検討を行った。その結果、チョコ
レート製品に、その代用油脂として、特に、1,3−ジ
パルミトイル−2−オレオイルグリセリン(POP)の
成分に富み、かつ非対称トリグリセリドの成分が一定値
以下とされた特定の組成のハードバターを使用すること
により、15℃〜20℃付近の温度領域においてカカオ
脂あるいは従来のハードバターにない著しいスナップ性
を有し、かつそれが従来のハードバターでは消失してい
く20℃〜25℃付近の温度領域まで充分に維持され、
しかも、25℃〜35℃付近での温度領域で速やかに融
解することで口どけもカカオ脂と同等あるいはそれ以上
の性能を有するチョコレート製品が得られることを見出
した。また、このような特徴を有するハードバターと糖
成分からなるハードバター相と、カカオ脂と糖成分から
なるカカオ脂相とから構成されるチョコレート製品は、
従来のチョコレート製品には見られない変わった食感が
付与されることをも見出し、本発明を完成させたもので
ある。
【0010】本発明は、1,3位に炭素数16〜22の
飽和脂肪酸残基が、2位に炭素数18の不飽和脂肪酸残
基が結合した対称型トリグリセリドの含有量が70重量
%以上で、そのうちの1,3−ジパルミトイル−2−オ
レオイルグリセリンの含有量が30重量%以上、かつ
1,2位に炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基が、3位
に炭素数18の不飽和脂肪酸残基が結合した非対称型ト
リグリセリドの含有量が4.0重量%以下であるハード
バターと、カカオ脂とを組み合わせた油脂成分及び糖成
分からなるチョコレート製品にある。
【0011】また本発明は、1,3位に炭素数16〜2
2の飽和脂肪酸残基が、2位に炭素数18の不飽和脂肪
酸残基が結合した対称型トリグリセリドの含有量が70
重量%以上で、そのうちの1,3−ジパルミトイル−2
−オレオイルグリセリンの含有量が30重量%以上、か
つ1,2位に炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基が、3
位に炭素数18の不飽和脂肪酸残基が結合した非対称型
トリグリセリドの含有量が4.0重量%以下であるハー
ドバターと糖成分からなるハードバター相と、カカオ脂
と糖成分とからなるカカオ脂相とが互いに分離された状
態で一体とされてなるチョコレート製品にある。
【0012】本発明の好ましい態様を記載する。 (1)対称型トリグリセリドの含有量が80重量%以上
である。 (2)非対称型トリグリセリドの含有量が1重量%以下
である。 (3)1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセ
リンの含有量が70重量%以上(更に好ましくは、75
重量%以上)である。 (4)ハードバターが、油脂成分中に20重量%以上
(更に好ましくは、30重量%以上、特に、50重量%
以上)含まれている。 (5)ハードバター相とカカオ脂相とを形成する固形部
分の重量比は、90:10〜10:90(更に好ましく
は、70:30〜30:70)にある。
【0013】以下に本発明のチョコレート製品について
説明する。本発明のチョコレート製品には、以下のよう
な特定のグリセリド組成のハードバターが使用されてい
ることを特徴としている。すなわち、本発明で使用され
るハードバターのグリセリド組成は、(1)1,3位に
炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基が、2位に炭素数1
8の不飽和脂肪酸残基が結合した対称型トリグリセリド
の含有量が70重量%以上で、そのうちの1,3−ジパ
ルミトイル−2−オレオイルグリセリン(POP)の含
有量が30重量%以上、そして(2)1,2位に炭素数
16〜22の飽和脂肪酸残基が、3位に炭素数18の不
飽和脂肪酸残基が結合した非対称型トリグリセリドの含
有量が4.0重量%以下である。
【0014】上記ハードバターのトリグリセリド組成に
おいて、ハードバター中の対称型トリグリセリドの含有
量は、80重量%以上(更に好ましくは、90重量%以
上)であることが好ましい。また対象型トリグリセリド
のうち、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリ
セリン(POP)の含有量は、70重量%以上(更に好
ましくは、75重量%以上)であることが好ましい。ま
た、ハードバター中の非対称型トリグリセリドの含有量
は、1重量%以下であることが好ましい。そして対称型
トリグリセリドを構成する飽和脂肪酸残基は、パルミチ
ン酸、ステアリン酸が好ましく、不飽和脂肪酸残基は、
オレイン酸、リノール酸が好ましい。
【0015】上記のようなグリセリド組成を有するハー
ドバターは、天然油脂を原料とした酵素による選択的エ
ステル交換反応により得られた油脂、あるいはその油脂
を分画もしくは他の単離技術によって得ることができ
る。すなわち、トリグリセリド中、2位にオレイン酸が
結合している油脂と遊離のパルミチン酸とを1,3位に
位置特異性を有するリパーゼ、例えば、アスペルギルス
系、ムコール系あるいはリゾプス系リパーゼ等の存在下
で1,3−位選択的エステル交換反応により得ることが
できる。なお、このグリセリドの製造方法は、例えば、
特開昭55−71797号公報に開示されている方法に
準じて実施することができる。特に、前述した特開昭6
1−209298号公報などに開示されている、分別製
造法により得たパーム油中融点画分とパルミチン酸とを
原料して上記の選択的エステル交換反応を利用すること
で非常に良質なハードバターを容易に得ることができ
る。このような選択的エステル交換反応を行うことによ
って原料のPMF中の非対称の部分は、その殆どがトリ
飽和型グリセリドになり、その後の分別工程によって除
去される。尚、従来の特開昭60−8397号公報に見
られるような再分別の方法のみよって製造されたPMF
は、その中の対称型トリグリセリドが濃縮されると共に
非対称型トリグリセリドも濃縮されてしまうので、従来
の如何なる分別方法を用いても本発明のように非対称成
分を一定値以下に除去することは不可能である。
【0016】本発明のチョコレート製品は、上記のハー
ドバターとカカオ脂とを組み合わせた油脂成分及び糖成
分とからなる。上記ハードバターは、油脂成分中に20
重量%以上(更に好ましくは、30重量%以上、特に、
50重量%以上)含まれていることが好ましい。また油
脂成分中の1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグ
リセリン(POP)の含有量は、30重量%以上(更に
好ましくは、45重量%以上)であることが好ましい。
なお、本発明のチョコレート製品には、例えば、前述の
PMF(パーム中融点部)のような公知のハードバター
が含まれていてもよいが、この場合にも油脂成分中での
非対称型トリグリセリドの含有量は、4.0重量%以下
となるように使用する。
【0017】糖は、乾燥したもので通常チョコレートに
使用される、例えば、ショ糖、果糖、あるいはこれらの
混合物を挙げることができるが、ソルビトールなどの糖
アルコールの粉末などを使用しても良い。また、本発明
のチョコレート製品においても、従来のチョコレート製
品に含まれている種々の任意成分を含ませることができ
る。これらの例としては、脱脂粉乳、全脂粉乳、乳化剤
(通常、レシチン)、香料などを挙げることができる。
これらは、目的とする製品に応じて種類、添加量等が選
択される。例えば、ミルク風味を特に付加させる場合に
は、その配合に全脂粉乳等を加えれば良い。
【0018】本発明のチョコレート製品は、上記のよう
なハードバターと糖成分とからなるハードバター相と、
カカオ脂と糖成分とからなるカカオ脂相とが互いに分離
された状態で一体とされてなる態様のものでも良い。す
なわち、ハードバターと糖成分とからなるハードバター
相は、上記のようにハードバターと糖、そして必要によ
り通常チョコレートに含ませることができる上記任意成
分が配合されてなる固形部分からなり、一方、カカオ脂
と糖成分とからなるカカオ脂相は、カカオ脂と糖、そし
て必要により通常チョコレートに含ませることができる
上記任意成分が配合されてなる固形部分からなる。そし
てこれらが互いに分離された状態でしかもこれらが一体
に形成され、固形物をなしている。なお、ハードバター
相には、上記のようにPMFやカカオ脂が含まれていて
も良いが、ハードバターは、油脂成分中に20重量%以
上(更に好ましくは、30重量%以上、特に、50重量
%以上)含まれていることが好ましい。分離された状態
とは、一体に形成された固形物において、カカオ脂相の
連続相中に、ハードバター相が、局部的に存在している
状態、又は分散している状態、あるいはカカオ脂相とハ
ードバター相とが上記とは逆転している態様、更には、
ハードバター相と、カカオ脂相とがそれぞれ層状態にあ
り、これらが積層されている状態などがある。これらの
局部的に存在する相の形態は任意であり、また一層の厚
さや積層状態にある厚さも任意であるが、ハードバター
相はスナップ性が特に優れ、一方カカオ脂相はマイルド
な口溶け感を示すことからこれらの両者の特性が発揮さ
れる様な形態で構成することが好ましい。ハードバター
相とカカオ脂相とを形成する固形部分の重量比は、上記
のようにチョコレート製品の形状などによって食感が変
化するためその構成比も変わり得るが、90:10〜1
0:90(更に好ましくは、70:30〜30:70)
にあることが好ましい。
【0019】添付の図1〜図3は、本発明のチョコレー
ト製品の好ましい形態を示すものである。図1は、ハー
ドバター相(HB相)の連続相中に、ホワイトチョコレ
ートからなるカカオ脂相(CB相)が島のように局部的
に存在している状態のチョコレート製品の一例を示すも
のであり、図2は、純ミクルチョコレートからなるカカ
オ脂相(CB相)の連続相中に、粒状のハードバター相
(HB相)が分散して存在している状態のチョコレート
製品の一例を示すものであり、また図3は、純ミルクチ
ョコレートからなる板状のカカオ脂相(CB相)を、二
枚の板状のハードバター相(HB相)が両面から挟み、
積層されてなる状態のチョコレート製品の一例を示すも
のである。図のような構成とすることにより、スナップ
感のある食感と、通常のチョコレートのマイルドな食感
とが調和して今までに無い良好な、変わった食感を味わ
うことができる。特に、図1や図3に見られるように、
ハードバター相(HB相)の強度を生かした構成とする
ことにより、食感の改良と同時にチョコレート製品自体
の強度を保つことができる。
【0020】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。なお、例中の%及び部は全て重
量基準である。
【0021】(ハードバター1(HB1)の調製)PM
F(パーム油中融点画分、ヨウ素価32)500部と市
販のパルミチン酸(純度95%)500部をn−ヘキサ
ン2000部に溶解し、これにリゾプス・デレマーのリ
パーゼ25部を吸着させたセライト80部を添加し、4
0℃3日間密閉容器中で混合攪拌しエステル交換反応を
行った。然る後に系から酵素を濾別し、n−ヘキサンを
除去した粗反応生成物を薄膜式分子蒸留機により215
℃/0.05torrの条件で脱酸し、反応生成物48
0部を得た。次いで、その生成物400部をシリカゲル
2000部のカラムクロマト処理して精製を行い、トリ
グリセリド380部を得た。更に、そのトリグリセリド
300部をn−ヘキサンによる分画を行い、中融点画分
(収率55%)を得た。これを常法の減圧下での水蒸気
蒸留よる脱臭処理を行い、ハードバター1を得た。
【0022】(ハードバター2(HB2)の調製)オリ
ーブ油500部と市販のパルミチン酸(純度95%)2
500部をn−ヘキサン3000部に溶解し、上記の方
法と同様にエステル交換反応及び脱酸処理を行い、反応
生成物480部を得た。次いで、その反応生成物400
部をカラムクロマト処理して精製を行い、トリグリセリ
ド360部を得た。更に、n−ヘキサンによる分画から
中融点画分(収率34%)を得た。これを常法の減圧下
での水蒸気蒸留による脱臭処理を行い、ハードバター2
を得た。
【0023】得られたハードバター1(HB1)及び2
(HB2)について、ODA(オクタデシルシラン)カ
ラムを用いた分取高速液体クロマトグラフによるトリグ
リセリド分析と硝酸銀カラムを用いた対称型、非対称型
トリグリセリド分析を行い、その結果を得た。得られた
トリグリセリド組成(TG組成)、及び対称型(SU
S)成分と非対称型成分の組成は、以下の表1の通りで
ある。なお、表1には、上記と同様な方法で得たPM
F、カカオ脂(CB)のトリグリセリド組成及び対称型
(SUS)成分と非対称型成分の組成も併記した。な
お、表1において、トリグリセリドの構成脂肪酸のう
ち、「P」は、パルミチン酸、「L」は、リノール酸、
「S」は、ステアリン酸、「O」は、オレイン酸を表
す。またtr.は、0.05以下を表す。
【0024】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── TG組成(%) HB1 HB2 PMF CB ──────────────────────────────────── PLO 0.4 0.5 0.8 1.2 PLP 6.6 5.0 7.5 2.6 (PPO) tr. tr. 1.2 tr. OOO 0.2 0.8 0.3 1.0 POO 1.6 1.5 2.7 2.8 POP 76.6 90.0 57.0 16.1 (PPO) tr. tr. 8.8 tr. PPP 1.4 tr. 2.3 tr. SOO 0.1 0.0 0.5 2.7 POS 7.4 0.5 11.4 35.4 (PSO) tr. tr. 1.8 tr. PPS 0.3 0.0 0.6 0.3 SOS 0.7 0.0 1.4 27.1 (SSO) tr. tr. 0.2 tr. SSP tr. 0.0 0.1 0.8 SSS tr. 0.0 tr. 2.5 ──────────────────────────────────── 対称型トリ 95.5 97.5 76.1 85.4 グリセリド 非対称型トリ 0.0 0.0 11.8 0.0 グリセリド ────────────────────────────────────
【0025】上記の表1に示す各種ハードバター(HB
1、HB2、及びPMF)とカカオ脂(CB)を配合し
て下記の表2に示す評価用油脂(A〜F及びa〜e)を
調製した。表2には、評価用油脂中の対称型TGの含有
量、POP含有量、及び非対称型TGの含有量を示す。
【0026】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 評価用 配合比 油脂中のTGの含有量 油脂 HB1 HB2 PMF CB 対称型 POP 非対称型 ──────────────────────────────────── A 100 95.5 76.6 0.0 B 100 97.5 90.0 0.0 C 75 25 93.0 61.5 0.0 D 50 50 90.5 46.4 0.0 E 25 75 88.0 31.2 0.0 F 50 25 25 88.1 56.6 3.0 ──────────────────────────────────── a 100 76.1 57.0 11.8 b 100 85.4 16.1 0.0 c 75 25 78.4 46.8 8.9 d 50 50 80.8 36.6 5.9 e 25 75 83.1 26.3 3.0 ────────────────────────────────────
【0027】[実施例1〜7及び比較例1〜6] (チョコレート製品I、及びIIの製造)上記で得た各種
評価用油脂を用いて下記のような配合の本発明に従うチ
ョコレート製品I−A〜F、及び比較用のチョコレート
製品I−a〜e、並びに本発明に従うチョコレート製品
II−A、及び比較用のチョコレート製品II−aを製造し
た。
【0028】 ──────────────────────────────────── 配合 チョコレート製品I チョコレート製品II ──────────────────────────────────── カカオ粉(カカオ脂分11%) 15部 カカオマス(カカオ脂分55%) 16部 砂糖 40部 36部 全脂粉乳(乳脂肪分25%) 16部 脱脂粉乳(乳脂肪分3%) 10部 4部 レシチン 0.3部 0.3部 香料 0.1部 0.1部 評価用油脂(A〜F、a〜e) 35部 28部 ──────────────────────────────────── チョコレート製品中の油脂分 37.4部 41.3部 ────────────────────────────────────
【0029】上記で得られた各種のチョコレート製品中
の油脂成分に対する対称型トリグリセリドの含有量、P
OPの含有量、そして非対称型トリグリセリドの含有量
は以下の表3の通りである。
【0030】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 油脂成分中のTG含有量(%) チョコレート製品 対称型 POP 非対称型 ──────────────────────────────────── チョコレート製品I(油脂成分:37.4%) I−A(実施例1) 93.1 72.3 0.0 I−B(実施例2) 95.0 84.9 0.0 I−C(実施例3) 90.8 58.3 0.0 I−D(実施例4) 88.5 44.1 0.0 I−E(実施例5) 86.1 30.0 0.0 I−F(実施例6) 86.2 53.7 2.8 ──────────────────────────────────── I−a(比較例1) 75.0 54.1 11.0 I−b(比較例2) 83.7 15.8 0.0 I−c(比較例3) 77.1 44.5 8.3 I−d(比較例4) 79.4 35.0 5.5 I−e(比較例5) 81.6 25.3 2.8 ──────────────────────────────────── チョコレート製品II(油脂成分:41.3%) II−A(実施例7) 83.1 55.3 0.0 II−a(比較例6) 69.9 42.0 8.0 ────────────────────────────────────
【0031】[チョコレート製品としての評価]得られ
た各チョコレート製品の性能(スナップ性、口溶け)を
以下の方法で評価した。なお、評価は、チョコレート製
品の製造後、20℃で2週間エージングを施した後に行
った。 (1)スナップ性 スナップ性はその指標となる破断応力(25℃でチョコ
レート製品が割れるときの最大応力)を測定することに
より、評価した。 サンプルの大きさ:15×35×7mm 測定装置:YAMADEN(株)製クリープメーター、
RHEONER RE−33005 評価基準は、以下の通りである。 ++:カカオ脂(比較例2:I−b)に比較して極めて
高いスナップ性を有している。 +:カカオ脂(比較例2:I−b)に比較してやや高い
スナップ性を有している。 ±:カカオ脂(比較例2:I−b)とほぼ同じスナップ
性を有している。 −:カカオ脂(比較例2:I−b)よりも低いスナップ
性を有している。
【0032】(2)口溶け 10人のパネラーによる官能試験によって評価した。評
価基準は、以下の通りである。 ++:カカオ脂(比較例2:I−b)に比較して極めて
口溶けが良い。 +:カカオ脂(比較例2:I−b)に比較してやや口溶
けが良い。 ±:カカオ脂(比較例2:I−b)とほぼ同じ口溶けの
良さを有している。 以上の結果を表4に示す。
【0033】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 破断応力 スナップ性 口溶け チョコレート製品 (dyn/cm2 、25 ℃) (25℃) ──────────────────────────────────── チョコレート製品I(油脂成分:37.4%) I−A(実施例1) 11000 ++ ++ I−B(実施例2) 12000 ++ ++ I−C(実施例3) 9200 ++ ++ I−D(実施例4) 8000 ++ ++ I−E(実施例5) 7100 + + I−F(実施例6) 7000 + ++ ──────────────────────────────────── I−a(比較例1) 4000 − + I−b(比較例2) 6700 ± ± I−c(比較例3) 4700 − + I−d(比較例4) 5400 − + I−e(比較例5) 6000 ± + ──────────────────────────────────── チョコレート製品II(油脂成分:41.3%) ──────────────────────────────────── II−A(実施例7) 8200 + ++ II−a(比較例6) 3000 − + ────────────────────────────────────
【0034】上記表4に示された結果から明らかなよう
に、ハードバター(HB1、HB2)とカカオ脂(C
B)とを組み合わせた油脂成分を使用した本発明に従う
チョコレート製品I−A〜F(実施例1〜6)及びII−
A(実施例7)は、油脂成分としてカカオ脂のみを用い
た比較用のチョコレート製品I−b(比較例2)、PM
Fのみを用いた比較用のチョコレート製品I−a(比較
例1)、II−a(比較例6)、あるいはPMFとカカオ
脂とを組み合わせた油脂成分を使用した比較用のチョコ
レート製品I−c〜e(比較例3〜5)に比べ、25℃
での破断応力が高く、良好なスナップ性を持ち、また口
溶けにおいても良好である。
【0035】
【実施例8】 (ホワイトチョコレートの配合) カカオ脂 30部 砂糖 40部 全脂粉乳 20部 脱脂粉乳 10部 レシチン 0.3部 香料 0.1部 チョコレート製品(添付の図1参照)を以下のようにし
て製造した。まず、上記で製造したホワイトチョコレー
トをテンパリング後、型に島模様の隆起状になるように
成型し、島模様のカカオ脂相を形成した(図の黒塗
部)。次に、上記実施例1で調製したチョコレート製品
I−Aをテンパリング後、隆起状の島模様のカカオ脂相
の隙間に流し込み、連続相となるハードバター相を形成
した。このようにして本発明に従うチョコレート製品を
製造した。
【0036】
【実施例9】 (ミルクチョコレートの配合) カカオマス 13部 カカオ脂 21部 全脂粉乳 20部 脱脂粉乳 10部 砂糖 40部 レシチン 0.3部 香料 0.1部 チョコレート製品(添付の図3参照)を以下のようにし
て製造した。まず、上記実施例1で調製したチョコレー
ト製品I−Aをテンパリング後、チョコレート型に薄く
流し、成型固化した後、次にその上から上記で製造した
ミルクチョコレートをテンパリング後、再び薄くチョコ
レート型に流し、成型固化し、更にこの上に前記と同様
に実施例1のチョコレート製品I−Aを薄く流し、成型
固化した。このようにして三層が一体となった(ハード
バター層とカカオ脂層とが積層されてなる)本発明に従
うチョコレート製品を製造した。
【0037】以上のようにして製造したチョコレート製
品は、共にハードバター相の特徴である高いスナップ性
と、ホワイトチョコレートやミルクチョコレートのカカ
オ脂相の持つまろやかさとが調和し、歯触り、口当たり
共に今までに感じたことの無い変わった食感を有し、ま
た良好な風味を有していた。
【0038】
【発明の効果】POPをリッチにし、かつ非対称のトリ
グリセリドを一定値以下に低減させてなる特定のトリグ
リセリド組成のハードバターを、カカオ脂と組み合わ
せ、これを油脂成分として含有した本発明のチョコレー
ト製品は、従来にない高いスナップ性を有すると共に、
口溶け感も極めて良好である。またこのような特性を持
つハードバター用いたハードバター相と、カカオ脂相と
が分離状態で、しかもこれらが一体にとされたチョコレ
ート製品には、カカオ脂の持つマイルドさが更に加わ
り、口に入れたときに従来に無い変わった良好な食感が
付与される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードバター相(HB相)の連続相中にカカオ
脂相(CB相)が局部的に存在している状態のチョコレ
ート製品の一例を示す図である。
【図2】カカオ脂相(CB相)の連続相中に、粒状のハ
ードバター相(HB相)が分散して存在している状態の
チョコレート製品の一例を示す図である。
【図3】板状のカカオ脂相(CB相)を、二枚の板状の
ハードバター相(HB相)が両面から挟み、積層されて
なる状態のチョコレート製品の一例を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3位に炭素数16〜22の飽和脂肪
    酸残基が、2位に炭素数18の不飽和脂肪酸残基が結合
    した対称型トリグリセリドの含有量が70重量%以上
    で、そのうちの1,3−ジパルミトイル−2−オレオイ
    ルグリセリンの含有量が30重量%以上、かつ1,2位
    に炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基が、3位に炭素数
    18の不飽和脂肪酸残基が結合した非対称型トリグリセ
    リドの含有量が4.0重量%以下であるハードバター
    と、カカオ脂とを組み合わせた油脂成分及び糖成分から
    なるチョコレート製品。
  2. 【請求項2】 油脂成分中の1,3−ジパルミトイル−
    2−オレオイルグリセリンの含有量が30重量%以上で
    ある請求項1に記載のチョコレート製品。
  3. 【請求項3】 1,3位に炭素数16〜22の飽和脂肪
    酸残基が、2位に炭素数18の不飽和脂肪酸残基が結合
    した対称型トリグリセリドの含有量が70重量%以上
    で、そのうちの1,3−ジパルミトイル−2−オレオイ
    ルグリセリンの含有量が30重量%以上、かつ1,2位
    に炭素数16〜22の飽和脂肪酸残基が、3位に炭素数
    18の不飽和脂肪酸残基が結合した非対称型トリグリセ
    リドの含有量が4.0重量%以下であるハードバターと
    糖成分からなるハードバター相と、カカオ脂と糖成分と
    からなるカカオ脂相とが互いに分離された状態で一体と
    されてなるチョコレート製品。
  4. 【請求項4】 ハードバターと糖成分とからなるハード
    バター相と、カカオ脂と糖成分とからなるカカオ脂相と
    がそれぞれ層状態にあり、これらが積層されている請求
    項3に記載のチョコレート製品。
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