JPH07155192A - ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法 - Google Patents
ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法Info
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- JPH07155192A JPH07155192A JP5310731A JP31073193A JPH07155192A JP H07155192 A JPH07155192 A JP H07155192A JP 5310731 A JP5310731 A JP 5310731A JP 31073193 A JP31073193 A JP 31073193A JP H07155192 A JPH07155192 A JP H07155192A
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- Japan
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- culture
- methanol
- phb
- hydroxybutyric acid
- poly
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリ−3−ヒドロキシ酪酸を生産する能力を
有するメタノール資化性細菌を、メタノールを炭素源と
し、培養pHが増殖の制限因子となるように培養しポリ
−3−ヒドロキシ酪酸を菌体内に蓄積させ、これを回収
する。 【効果】 本発明によるポリ−3−ヒドロキシ酪酸の生
産は、培養pHを低下させるだけの簡単な操作で高収率
にポリ−3−ヒドロキシ酪酸を生産することができる。
さらに原料がメタノールであるので、原料コストが安く
なり、また雑菌汚染の心配がない。したがって、ポリ−
3−ヒドロキシ酪酸を大規模に、しかも経済的かつ安定
的に生産することが可能となる。
有するメタノール資化性細菌を、メタノールを炭素源と
し、培養pHが増殖の制限因子となるように培養しポリ
−3−ヒドロキシ酪酸を菌体内に蓄積させ、これを回収
する。 【効果】 本発明によるポリ−3−ヒドロキシ酪酸の生
産は、培養pHを低下させるだけの簡単な操作で高収率
にポリ−3−ヒドロキシ酪酸を生産することができる。
さらに原料がメタノールであるので、原料コストが安く
なり、また雑菌汚染の心配がない。したがって、ポリ−
3−ヒドロキシ酪酸を大規模に、しかも経済的かつ安定
的に生産することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリ−3−ヒドロキシ酪
酸(以下PHBと記す)の製造法に関するものである。
酸(以下PHBと記す)の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PHBは、エネルギー貯蔵物質として数
多くの微生物の菌体内に生成、蓄積され、優れた生物分
解性と生体適合性とを示す熱可塑性高分子であることか
ら、環境にやさしい”クリーン”プラスチックとして注
目され、手術糸や骨折固定用材などの医用材料および医
薬や農薬を徐々に放出する徐放性システムなどの多方面
への応用が永年にわたり期待されてきた。特に、近年、
合成プラスチックが環境汚染や資源環境の観点から深刻
な社会問題になるに至り、PHBは石油に依存しないバ
イオポリマーとして注目され、これまでにもPHBの製
造法がいくつか報告されている(特公昭63−3243
8、特公平5−997、特公平02−20238、特公
平03−65154)。これらの公報には、炭素源(以
後、基質ともいう)としてグルコースを用いて、アルカ
リゲネス属の菌体を、窒素あるいはリンを制限するなど
の方法による増殖制限条件下で連続培養することにより
PHBを製造する方法(特公平02−20238)や、
アゾトバクター属、プロトモナス属の菌体をアルカリゲ
ネス属の菌体の場合と同様に増殖制限条件下で回分培養
することによりPHBを製造する方法(特公平5−99
7、特公平03−65154)などが記載されている
が、これらの方法は生産コストが高いなど工業的生産に
は不十分である。
多くの微生物の菌体内に生成、蓄積され、優れた生物分
解性と生体適合性とを示す熱可塑性高分子であることか
ら、環境にやさしい”クリーン”プラスチックとして注
目され、手術糸や骨折固定用材などの医用材料および医
薬や農薬を徐々に放出する徐放性システムなどの多方面
への応用が永年にわたり期待されてきた。特に、近年、
合成プラスチックが環境汚染や資源環境の観点から深刻
な社会問題になるに至り、PHBは石油に依存しないバ
イオポリマーとして注目され、これまでにもPHBの製
造法がいくつか報告されている(特公昭63−3243
8、特公平5−997、特公平02−20238、特公
平03−65154)。これらの公報には、炭素源(以
後、基質ともいう)としてグルコースを用いて、アルカ
リゲネス属の菌体を、窒素あるいはリンを制限するなど
の方法による増殖制限条件下で連続培養することにより
PHBを製造する方法(特公平02−20238)や、
アゾトバクター属、プロトモナス属の菌体をアルカリゲ
ネス属の菌体の場合と同様に増殖制限条件下で回分培養
することによりPHBを製造する方法(特公平5−99
7、特公平03−65154)などが記載されている
が、これらの方法は生産コストが高いなど工業的生産に
は不十分である。
【0003】即ち、上記の発明では、菌体を増殖させる
ための主栄養素、すなわち炭素源が高価でPHBの製造
コストを低く抑えることができなかったり、連続培養に
よるPHBの蓄積が不十分であったり、二段階培養を行
うなど製造プロセスが複雑であるなどの欠点がある。
ための主栄養素、すなわち炭素源が高価でPHBの製造
コストを低く抑えることができなかったり、連続培養に
よるPHBの蓄積が不十分であったり、二段階培養を行
うなど製造プロセスが複雑であるなどの欠点がある。
【0004】原料(すなわち基質)のコストは、PHB
生産の全体コストにおいて重要な要素である。グルコー
ス、蔗糖等を原料とするPHBの生産法についての記載
が特公平02−20238、特公昭63−32438に
あるが、これらの方法ではPHB生産コストの上昇がさ
けられない。安価なメタノールを基質とした培養法につ
いては、例えば特開昭56−117793号明細書の記
載によれば、メタノールを基質としてメチロバクテリウ
ム オルガノフィラム種の微生物を第一の培養槽におい
て栄養素を制限せずに連続的に培養する。この際、細胞
内にはPHBの蓄積が生じない。次いで、第二の培養槽
へ連続的に移送し第二の培養槽において窒素またはリン
を増殖の律速因子として培養する。この際に初めて細胞
内にPHBの蓄積が生じる。培養槽をシリーズで2槽用
いて二段階培養を行う方法は、プロセスが複雑であるこ
とと満足のいくPHB含量を得られないことの欠点を有
している。
生産の全体コストにおいて重要な要素である。グルコー
ス、蔗糖等を原料とするPHBの生産法についての記載
が特公平02−20238、特公昭63−32438に
あるが、これらの方法ではPHB生産コストの上昇がさ
けられない。安価なメタノールを基質とした培養法につ
いては、例えば特開昭56−117793号明細書の記
載によれば、メタノールを基質としてメチロバクテリウ
ム オルガノフィラム種の微生物を第一の培養槽におい
て栄養素を制限せずに連続的に培養する。この際、細胞
内にはPHBの蓄積が生じない。次いで、第二の培養槽
へ連続的に移送し第二の培養槽において窒素またはリン
を増殖の律速因子として培養する。この際に初めて細胞
内にPHBの蓄積が生じる。培養槽をシリーズで2槽用
いて二段階培養を行う方法は、プロセスが複雑であるこ
とと満足のいくPHB含量を得られないことの欠点を有
している。
【0005】また、特公平02−20238号明細書中
に、窒素制限下でメタノール基質でメチロバクテリウム
オルガノフィラム NCIB 11483菌株を連続
培養した記載があるが、この条件で達成された最高のP
HB含有量は約11%と低いものである。
に、窒素制限下でメタノール基質でメチロバクテリウム
オルガノフィラム NCIB 11483菌株を連続
培養した記載があるが、この条件で達成された最高のP
HB含有量は約11%と低いものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術における上記したような課題を解決し、安価なメタ
ノールを資化し得る細菌を用いて、簡便な方法でPHB
を大量にかつ安価に製造できる生産方法を提供すること
にある。
技術における上記したような課題を解決し、安価なメタ
ノールを資化し得る細菌を用いて、簡便な方法でPHB
を大量にかつ安価に製造できる生産方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PHBを
生産する能力を有するメタノール資化性細菌を用いて、
安価に、かつ簡便にPHBを生産する方法を鋭意検討し
たところ、これらの細菌を培養する際の培養液のpH
を、その細菌の増殖の至適pHより大幅に低いpHに維
持することにより増殖を制限して培養を行ったときに、
細胞の増殖と並行して多量にPHBを蓄積させ得ること
を見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明はP
HBを生産する能力を有するメタノール資化性細菌を、
メタノールを炭素源として培養し、該菌体中にPHBを
合成蓄積させ、当該菌体からPHBを取得するPHBの
製造法において、培養pHが増殖の制限因子となるよう
な低pH培養をすることを特徴とするポリ−3−ヒドロ
キシ酪酸の製造法である。
生産する能力を有するメタノール資化性細菌を用いて、
安価に、かつ簡便にPHBを生産する方法を鋭意検討し
たところ、これらの細菌を培養する際の培養液のpH
を、その細菌の増殖の至適pHより大幅に低いpHに維
持することにより増殖を制限して培養を行ったときに、
細胞の増殖と並行して多量にPHBを蓄積させ得ること
を見いだし、本発明に到達した。すなわち、本発明はP
HBを生産する能力を有するメタノール資化性細菌を、
メタノールを炭素源として培養し、該菌体中にPHBを
合成蓄積させ、当該菌体からPHBを取得するPHBの
製造法において、培養pHが増殖の制限因子となるよう
な低pH培養をすることを特徴とするポリ−3−ヒドロ
キシ酪酸の製造法である。
【0008】本発明において、PHBは −OCH
(CH3 )CH2 CO− なる繰り返し単位から構成
されるポリエステル物質である。本発明に使用される細
菌は、PHBを生産する能力を有し、メタノール資化性
を持つ細菌であればよく、たとえば、メチロバクテリウ
ム属、キサントバクター属、ハイホミクロビウム属、パ
ラコッカス属、メチロバチルス属およびアンキロバクタ
ー属の細菌などが挙げられるが、実用上メチロバクテリ
ウム(Methylobacterium)属の細菌が好ましい。
(CH3 )CH2 CO− なる繰り返し単位から構成
されるポリエステル物質である。本発明に使用される細
菌は、PHBを生産する能力を有し、メタノール資化性
を持つ細菌であればよく、たとえば、メチロバクテリウ
ム属、キサントバクター属、ハイホミクロビウム属、パ
ラコッカス属、メチロバチルス属およびアンキロバクタ
ー属の細菌などが挙げられるが、実用上メチロバクテリ
ウム(Methylobacterium)属の細菌が好ましい。
【0009】本発明の培養に用いられる培地は、炭素
源、窒素源、および無機塩類を含有する通常の培地が用
いられる。炭素源としてメタノールが用いられる。メタ
ノ−ルは純品であってもよく、粗製メタノ−ルやメタノ
ール含有廃棄物の使用も可能である。窒素源としては、
使用する細菌が資化しうる物質であれば特に制限はな
く、例えばアンモニア、尿素、硝酸あるいは酵母エキ
ス、麦芽エキスなどの有機窒素含有物が用いられる。無
機塩類としてリン酸塩、カリウム塩、ナトリウム塩、硫
酸塩およびマグネシウム、鉄、カルシウム、亜鉛、マン
ガン、コバルト、銅、モリブデン等の金属塩が用いられ
る。なお、使用する菌が資化し得る炭素化合物またはそ
の含有物を炭素源としてメタノールと併用することを妨
げない。
源、窒素源、および無機塩類を含有する通常の培地が用
いられる。炭素源としてメタノールが用いられる。メタ
ノ−ルは純品であってもよく、粗製メタノ−ルやメタノ
ール含有廃棄物の使用も可能である。窒素源としては、
使用する細菌が資化しうる物質であれば特に制限はな
く、例えばアンモニア、尿素、硝酸あるいは酵母エキ
ス、麦芽エキスなどの有機窒素含有物が用いられる。無
機塩類としてリン酸塩、カリウム塩、ナトリウム塩、硫
酸塩およびマグネシウム、鉄、カルシウム、亜鉛、マン
ガン、コバルト、銅、モリブデン等の金属塩が用いられ
る。なお、使用する菌が資化し得る炭素化合物またはそ
の含有物を炭素源としてメタノールと併用することを妨
げない。
【0010】培養条件は、使用する菌株により異なる
が、一般的には、温度は25〜40℃、好ましくは30
〜38℃とされる。良好なPHB生産性を得る最適温度
は、菌株により異なることが多い。このような条件で好
気的に培養されるが、そのために空気、又は酸素を通気
し、かつ酸素を培養液に有効に溶け込ませるために必要
に応じて攪拌する。一般的には培養液中の溶存酸素濃度
は0.3ppm以上が望ましい。
が、一般的には、温度は25〜40℃、好ましくは30
〜38℃とされる。良好なPHB生産性を得る最適温度
は、菌株により異なることが多い。このような条件で好
気的に培養されるが、そのために空気、又は酸素を通気
し、かつ酸素を培養液に有効に溶け込ませるために必要
に応じて攪拌する。一般的には培養液中の溶存酸素濃度
は0.3ppm以上が望ましい。
【0011】培養槽の形式は、通気攪拌槽であればいず
れでも使用可能であり、例えば機械的攪拌槽、エアーリ
フト式培養槽および気泡塔型培養槽などを利用すること
ができる。培地の供給方法は、炭素源、窒素源、各種無
機塩類、各種添加剤などが、一括してあるいは個別に連
続的あるいは間欠的に供給される。たとえば、メタノー
ルは他の培地成分との混合物として培養槽に供給しても
よく、また他の培地成分とは別に独立して培養槽に供給
することもできる。培養液のpH制御は、通常アンモニ
アガス又はアンモニア水を用いて行われる。培地成分と
して菌体の増殖に必要な窒素を十分供給している場合に
は、非窒素系塩基、例えば苛性ソーダ、苛性カリなどを
用いてpHを制御することもできる。
れでも使用可能であり、例えば機械的攪拌槽、エアーリ
フト式培養槽および気泡塔型培養槽などを利用すること
ができる。培地の供給方法は、炭素源、窒素源、各種無
機塩類、各種添加剤などが、一括してあるいは個別に連
続的あるいは間欠的に供給される。たとえば、メタノー
ルは他の培地成分との混合物として培養槽に供給しても
よく、また他の培地成分とは別に独立して培養槽に供給
することもできる。培養液のpH制御は、通常アンモニ
アガス又はアンモニア水を用いて行われる。培地成分と
して菌体の増殖に必要な窒素を十分供給している場合に
は、非窒素系塩基、例えば苛性ソーダ、苛性カリなどを
用いてpHを制御することもできる。
【0012】PHBの蓄積には通常、炭素源以外の培地
成分を制限する方法が用いられる。窒素、リン、イオ
ウ、カリ、および微量元素、例えばマンガン、亜鉛、銅
などの成分を制限するのが好ましいとされている。本発
明による培養は、これとはまったく異なり、培地成分は
一切制限しないで行われる。培養は、回分、半連続およ
び連続のいずれによっても行うことができる。すなわち
回分培養では菌体が増殖するうえで必要とする培地成分
量を一括して、又は、菌体増殖に伴なって段階的に流加
するなどの方法が用いられる。連続培養では必要な培地
成分を一定量連続的に供給する方法が用いられる。いず
れの培養方法においても培地成分は一切制限されずに供
給される。各ミネラル成分が不足なく供給されているこ
とは、培養液中に存在する各ミネラルイオンを常法によ
りイオンクロマトグラフィにより連続的に測定する事に
より確認できる。
成分を制限する方法が用いられる。窒素、リン、イオ
ウ、カリ、および微量元素、例えばマンガン、亜鉛、銅
などの成分を制限するのが好ましいとされている。本発
明による培養は、これとはまったく異なり、培地成分は
一切制限しないで行われる。培養は、回分、半連続およ
び連続のいずれによっても行うことができる。すなわち
回分培養では菌体が増殖するうえで必要とする培地成分
量を一括して、又は、菌体増殖に伴なって段階的に流加
するなどの方法が用いられる。連続培養では必要な培地
成分を一定量連続的に供給する方法が用いられる。いず
れの培養方法においても培地成分は一切制限されずに供
給される。各ミネラル成分が不足なく供給されているこ
とは、培養液中に存在する各ミネラルイオンを常法によ
りイオンクロマトグラフィにより連続的に測定する事に
より確認できる。
【0013】本発明は、回分、半連続および連続のいず
れによることもできる。各培養法単独で、もしくは各培
養法を組み合わせて(例えば、2槽の培養槽を用いて二
段階培養を)行うことができる。本発明による回分培養
もしくは流加培養を行う場合は、培養の始めから本発明
による低pHでの培養を開始してもよく、あるいは菌体
濃度がある値まで上昇したのちに本発明による低pHで
の培養を開始してもよい。培養の始めから本発明による
低pHでの培養を行った場合は、菌体の増殖と並行して
PHBの合成蓄積が行われる。通常用いられるpH領で
培養し菌体濃度をある値まで高めたのち、本発明による
低pH培養に切り替えられた場合は、低pH培養を開始
した後からPHBの合成蓄積が始まる。このように醗酵
槽への酸素の供給や、増殖に必要な栄養素を制限するこ
となく培養pHを低下するのみでPHBを合成蓄積させ
ることは、これまでまったく知られてなく、驚くべきこ
とである。
れによることもできる。各培養法単独で、もしくは各培
養法を組み合わせて(例えば、2槽の培養槽を用いて二
段階培養を)行うことができる。本発明による回分培養
もしくは流加培養を行う場合は、培養の始めから本発明
による低pHでの培養を開始してもよく、あるいは菌体
濃度がある値まで上昇したのちに本発明による低pHで
の培養を開始してもよい。培養の始めから本発明による
低pHでの培養を行った場合は、菌体の増殖と並行して
PHBの合成蓄積が行われる。通常用いられるpH領で
培養し菌体濃度をある値まで高めたのち、本発明による
低pH培養に切り替えられた場合は、低pH培養を開始
した後からPHBの合成蓄積が始まる。このように醗酵
槽への酸素の供給や、増殖に必要な栄養素を制限するこ
となく培養pHを低下するのみでPHBを合成蓄積させ
ることは、これまでまったく知られてなく、驚くべきこ
とである。
【0014】本発明におけるpHの設定は菌株により異
なる。その菌株が最もよく生育する、すなわち比増殖速
度が最も大きいpH(以後至適pHという)より培養p
Hを低下するに伴ないPHB含有量が上昇する傾向とな
る。培養pHと比増殖速度、PHB含有量の関係を調べ
た結果、比増殖速度を最大比増殖速度の30%以下に抑
制するpHとしたときに、PHB含有量の顕著な増加が
認められた。低pH域における比増殖速度の低下は著し
く、過度の低pHの設定は望ましくない。
なる。その菌株が最もよく生育する、すなわち比増殖速
度が最も大きいpH(以後至適pHという)より培養p
Hを低下するに伴ないPHB含有量が上昇する傾向とな
る。培養pHと比増殖速度、PHB含有量の関係を調べ
た結果、比増殖速度を最大比増殖速度の30%以下に抑
制するpHとしたときに、PHB含有量の顕著な増加が
認められた。低pH域における比増殖速度の低下は著し
く、過度の低pHの設定は望ましくない。
【0015】本発明の培養では、培養液中の残存メタノ
ール濃度が一定となるようにメタノール供給量を制御す
る。工業的には培養液中の残存メタノール濃度をガスク
ロマトグラフィなどの分析計により経時的に測定し、そ
の信号によりメタノール供給量を自動的に調節する方法
がとられる。培養液中の残存メタノール濃度は通常は1
0〜3000ppm程度、好ましくは200〜2000
ppm程度に維持される。残存メタノール濃度は、培養
廃ガス中のメタノールを炭化水素計あるいは、ガスクロ
マトグラフィ等の分析計により測定することによっても
知ることができる。この状態においては菌の増殖を制限
しているのはpHのみである。
ール濃度が一定となるようにメタノール供給量を制御す
る。工業的には培養液中の残存メタノール濃度をガスク
ロマトグラフィなどの分析計により経時的に測定し、そ
の信号によりメタノール供給量を自動的に調節する方法
がとられる。培養液中の残存メタノール濃度は通常は1
0〜3000ppm程度、好ましくは200〜2000
ppm程度に維持される。残存メタノール濃度は、培養
廃ガス中のメタノールを炭化水素計あるいは、ガスクロ
マトグラフィ等の分析計により測定することによっても
知ることができる。この状態においては菌の増殖を制限
しているのはpHのみである。
【0016】本発明を連続培養で行う場合は、以下によ
り行われる。連続培養系で定常状態を保つ方法として
は、基質の節約という立場から基質の供給速度を制限し
ながら培養する、いわゆる基質律速培養によるものが一
般的であるが、本発明における培養法は前記の基質律速
培養とは異なり、低pH条件にして比増殖速度を制限す
ることにより定常状態を保ちながら培養を行う、すなわ
ち増殖を制限する因子が唯一pHのみであるpH律速培
養法である。本発明の連続培養に切り替えられた後は、
pHを調節して増殖速度を調節すると同時に、回分培養
の場合と同様の方法で培養液中の残存メタノール濃度が
一定となるように培地、又はメタノールの供給量を制御
する。このようにして、一定の通気条件下で一定の定常
状態が得られ、この定常状態においては菌の増殖を制限
しているのはpHのみである。
り行われる。連続培養系で定常状態を保つ方法として
は、基質の節約という立場から基質の供給速度を制限し
ながら培養する、いわゆる基質律速培養によるものが一
般的であるが、本発明における培養法は前記の基質律速
培養とは異なり、低pH条件にして比増殖速度を制限す
ることにより定常状態を保ちながら培養を行う、すなわ
ち増殖を制限する因子が唯一pHのみであるpH律速培
養法である。本発明の連続培養に切り替えられた後は、
pHを調節して増殖速度を調節すると同時に、回分培養
の場合と同様の方法で培養液中の残存メタノール濃度が
一定となるように培地、又はメタノールの供給量を制御
する。このようにして、一定の通気条件下で一定の定常
状態が得られ、この定常状態においては菌の増殖を制限
しているのはpHのみである。
【0017】本発明のpH制限下での連続培養に先立っ
て、菌を活発に増殖させて培養液中の菌濃度が所定値と
なるまで予備培養が行われる。予備培養として、たとえ
ば基質およびその他の培地成分ならびに酸素を十分に供
給しつつ行われる回分培養、もしくはpHのみを低くし
て行われる回分培養、またはこれらの回分培養に引き続
いて基質およびその他の培地成分を十分に供給しつつ至
適pHで行われる連続培養などがある。予備培養は通常
の方法により行われ、培養温度、基質および培地成分な
らびに培地もしくは培養液中の基質濃度などは前記の通
りである。
て、菌を活発に増殖させて培養液中の菌濃度が所定値と
なるまで予備培養が行われる。予備培養として、たとえ
ば基質およびその他の培地成分ならびに酸素を十分に供
給しつつ行われる回分培養、もしくはpHのみを低くし
て行われる回分培養、またはこれらの回分培養に引き続
いて基質およびその他の培地成分を十分に供給しつつ至
適pHで行われる連続培養などがある。予備培養は通常
の方法により行われ、培養温度、基質および培地成分な
らびに培地もしくは培養液中の基質濃度などは前記の通
りである。
【0018】予備培養に引き続き、前記のpHを制限し
た連続培養が行われる。本発明における連続培養初期に
おける培養液中の菌体濃度(乾燥菌体基準、以下同様)
は特に制限はないが、通常は本発明の定常状態時の菌体
濃度と同程度か、やや低い濃度に到達したのち本連続培
養へ移行することが望ましい。また、本発明における連
続培養中における培養液中の菌体濃度は通常10〜10
0g/lである。
た連続培養が行われる。本発明における連続培養初期に
おける培養液中の菌体濃度(乾燥菌体基準、以下同様)
は特に制限はないが、通常は本発明の定常状態時の菌体
濃度と同程度か、やや低い濃度に到達したのち本連続培
養へ移行することが望ましい。また、本発明における連
続培養中における培養液中の菌体濃度は通常10〜10
0g/lである。
【0019】連続培養中における菌の増殖速度を変える
には、設定pHを変更することにより任意に変更でき
る。すなわち増殖速度を速くするには設定pHをより高
くするように条件を選択すればよく、逆に増殖速度を遅
くするには設定pHをより低くするように条件を選択す
ればよい。設定pHを低くし、培養槽での平均滞留時間
が長くなるに伴ない菌体中のPHB含有量は増加し、平
均滞留時間を15時間以上とした時に飛躍的なPHB含
有量の増加が認められる。
には、設定pHを変更することにより任意に変更でき
る。すなわち増殖速度を速くするには設定pHをより高
くするように条件を選択すればよく、逆に増殖速度を遅
くするには設定pHをより低くするように条件を選択す
ればよい。設定pHを低くし、培養槽での平均滞留時間
が長くなるに伴ない菌体中のPHB含有量は増加し、平
均滞留時間を15時間以上とした時に飛躍的なPHB含
有量の増加が認められる。
【0020】このようにして得られた培養液から、濾過
または遠心分離などの通常の固液分離によって菌体を分
離回収し、必要に応じて水などで洗浄して菌体を得る。
このようにして得られた菌体から、又は、さらに所望に
より超音波処理などで破壊された菌体から、たとえばク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素を抽剤として抽出して得られたPHB抽出液か
ら、これと貧溶媒とを混合するなどにより凝固沈澱させ
るなどのそれ自体公知の手段で処理してPHBを分離す
る。必要に応じてさらに精製して高純度のPHBを得る
ことができる。
または遠心分離などの通常の固液分離によって菌体を分
離回収し、必要に応じて水などで洗浄して菌体を得る。
このようにして得られた菌体から、又は、さらに所望に
より超音波処理などで破壊された菌体から、たとえばク
ロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素を抽剤として抽出して得られたPHB抽出液か
ら、これと貧溶媒とを混合するなどにより凝固沈澱させ
るなどのそれ自体公知の手段で処理してPHBを分離す
る。必要に応じてさらに精製して高純度のPHBを得る
ことができる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 プロトモナス エクストルクエンス(Protomonas exto
rquens)K(微工研菌寄第8395号)を使用した。な
お、最近の文献によれば本菌は、メチロバクテリウム
(Methylobacterium)属に属するとされている(I.J.Bo
usfield and P.N.Green;Int.J.Syst.Bacteriol.,35,209
(1985)、T.Urakami et al.;Int.J.Syst.Bacteriol., 4
3,504-513(1993))。
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 プロトモナス エクストルクエンス(Protomonas exto
rquens)K(微工研菌寄第8395号)を使用した。な
お、最近の文献によれば本菌は、メチロバクテリウム
(Methylobacterium)属に属するとされている(I.J.Bo
usfield and P.N.Green;Int.J.Syst.Bacteriol.,35,209
(1985)、T.Urakami et al.;Int.J.Syst.Bacteriol., 4
3,504-513(1993))。
【0022】工業用水1L当たり、つぎの組成を有する
回分培養用培地(培地A)を調製した。 回分培養用培地の組成 (培地A) メタノール 2 g KH2 PO4 3 g (NH4 )2 SO4 1 g MgSO4 ・7H2 O 1 g 酵母エキス 0.2g FeC6 H5 O7 ・xH2 O 60 mg ZnSO4 ・7H2 O 20 mg MnCl2 ・4H2 O 10 mg CaCl2 ・2H2 O 40 mg CuSO4 ・5H2 O 1 mg KI 1 mg ( NH4 ) 6 Mo7 O24・4H2 O 1 mg CoCl2 ・6H2 O 1 mg H3 BO3 1 mg NaCl 50 mg
回分培養用培地(培地A)を調製した。 回分培養用培地の組成 (培地A) メタノール 2 g KH2 PO4 3 g (NH4 )2 SO4 1 g MgSO4 ・7H2 O 1 g 酵母エキス 0.2g FeC6 H5 O7 ・xH2 O 60 mg ZnSO4 ・7H2 O 20 mg MnCl2 ・4H2 O 10 mg CaCl2 ・2H2 O 40 mg CuSO4 ・5H2 O 1 mg KI 1 mg ( NH4 ) 6 Mo7 O24・4H2 O 1 mg CoCl2 ・6H2 O 1 mg H3 BO3 1 mg NaCl 50 mg
【0023】3L容培養槽に、この培地Aを1.5L張
り込み、120℃で20分間加熱滅菌し、冷却後、アン
モニア水でpH5.5に調整し、これに別に調製された
種母200mlを植菌し、空気を通気しつつ32℃で回
分培養を行った。回分培養時のpHは、10%アンモニ
ア水で5.5に自動制御した。培養液中のメタノール濃
度は、ガスクロマトグラフィにより連続的に測定し、5
00〜1500ppmの範囲になるように自動的にメタ
ノールを供給した。なお、攪拌機回転数を1000rp
m、通気量を1vvmとした。若干のラグタイムの後、
対数的に増殖した。菌体濃度36g/lまで培養を継続
したがこの間の比増殖速度は0.049h-1(世代時間
14.1時間)であり、至適pH(6.6)における最
大比増殖速度0.23h-1の21%に抑制されていた。
培養結果を表1に示した。表1は培養時間と菌体濃度、
PHB含有量の関係を示している。PHB含有量は全培
養期間を通じ約40%と一定であった。培養液中の各種
ミネラルイオン類をイオンクロマトグラフィで経時的に
測定したが、いずれの成分も不足のものはなかった。
り込み、120℃で20分間加熱滅菌し、冷却後、アン
モニア水でpH5.5に調整し、これに別に調製された
種母200mlを植菌し、空気を通気しつつ32℃で回
分培養を行った。回分培養時のpHは、10%アンモニ
ア水で5.5に自動制御した。培養液中のメタノール濃
度は、ガスクロマトグラフィにより連続的に測定し、5
00〜1500ppmの範囲になるように自動的にメタ
ノールを供給した。なお、攪拌機回転数を1000rp
m、通気量を1vvmとした。若干のラグタイムの後、
対数的に増殖した。菌体濃度36g/lまで培養を継続
したがこの間の比増殖速度は0.049h-1(世代時間
14.1時間)であり、至適pH(6.6)における最
大比増殖速度0.23h-1の21%に抑制されていた。
培養結果を表1に示した。表1は培養時間と菌体濃度、
PHB含有量の関係を示している。PHB含有量は全培
養期間を通じ約40%と一定であった。培養液中の各種
ミネラルイオン類をイオンクロマトグラフィで経時的に
測定したが、いずれの成分も不足のものはなかった。
【0024】
【表1】
【0025】PHBの分析は以下により行った。菌体を
遠心分離機で集菌した後、純水で2回洗浄し、これを熱
風乾燥(100℃)して乾燥菌体を得た。約80mgの乾
燥菌体をスクリューキャップ付き試験管にとり、クロロ
ホルム1ml、内部標準入りメタノール−硫酸溶液(内
部標準:安息香酸200mg/100ml、硫酸3.5
容量%)1mlを加え、120℃で90分加熱処理し、
菌体に含まれているポリマーの分解およびメチルエステ
ル化を行った。反応終了後純水を1ml加え、激しく攪
拌した後、遠心分離を行い有機溶媒層を得た。この有機
溶媒層をガスクロマトグラフィーで分析することによ
り、PHB成分含量を算出した。 ガスクロマトグラフィー分析条件 装置:島津GC−7AG カラム:Reoplex 400 chromosor
b G AW−DMCS 10% (60〜80mesh) カラム温度: 160℃ 注入口温度: 250℃
遠心分離機で集菌した後、純水で2回洗浄し、これを熱
風乾燥(100℃)して乾燥菌体を得た。約80mgの乾
燥菌体をスクリューキャップ付き試験管にとり、クロロ
ホルム1ml、内部標準入りメタノール−硫酸溶液(内
部標準:安息香酸200mg/100ml、硫酸3.5
容量%)1mlを加え、120℃で90分加熱処理し、
菌体に含まれているポリマーの分解およびメチルエステ
ル化を行った。反応終了後純水を1ml加え、激しく攪
拌した後、遠心分離を行い有機溶媒層を得た。この有機
溶媒層をガスクロマトグラフィーで分析することによ
り、PHB成分含量を算出した。 ガスクロマトグラフィー分析条件 装置:島津GC−7AG カラム:Reoplex 400 chromosor
b G AW−DMCS 10% (60〜80mesh) カラム温度: 160℃ 注入口温度: 250℃
【0026】比較例1 培養時のpHを6.6に変えたほかは、実施例1と同様
にして菌を培養した。培養結果を表2に示した。植菌後
まもなく対数的に増殖した。菌体濃度30g/lまで培
養を継続したが、本培養における比増殖速度は、0.2
3h-1(世代時間3.0時間)であった。PHB含有量
は全培養期間を通じ4%以下であった。
にして菌を培養した。培養結果を表2に示した。植菌後
まもなく対数的に増殖した。菌体濃度30g/lまで培
養を継続したが、本培養における比増殖速度は、0.2
3h-1(世代時間3.0時間)であった。PHB含有量
は全培養期間を通じ4%以下であった。
【0027】
【表2】
【0028】実施例2 培養時のpHを6.0に変えたほかは、実施例1と同様
にして菌を培養した。植菌後まもなく対数的に増殖し
た。pH6.0での比増殖速度は、0.206h -1(世
代時間3.4時間)であった。菌体濃度15g/lとな
ったところで、設定pHを5.2に変更した。pHの低
下に伴ない比増殖速度は、次第に遅くなり最終的には
0.004〜0.005h-1(世代時間140〜170
時間)となっ た。培養時間と菌体濃度、PHB含有量
の結果を表3に示した。PHB含有量はpH6.0で
は、3〜4%と低いがpH5.2に変更後、次第に上昇
し、最終的には約55%に上昇した。培養液中の各ミネ
ラルイオンをイオンクロマトグラフィで経時的に測定し
たが、いずれの成分も不足のものはなかった。
にして菌を培養した。植菌後まもなく対数的に増殖し
た。pH6.0での比増殖速度は、0.206h -1(世
代時間3.4時間)であった。菌体濃度15g/lとな
ったところで、設定pHを5.2に変更した。pHの低
下に伴ない比増殖速度は、次第に遅くなり最終的には
0.004〜0.005h-1(世代時間140〜170
時間)となっ た。培養時間と菌体濃度、PHB含有量
の結果を表3に示した。PHB含有量はpH6.0で
は、3〜4%と低いがpH5.2に変更後、次第に上昇
し、最終的には約55%に上昇した。培養液中の各ミネ
ラルイオンをイオンクロマトグラフィで経時的に測定し
たが、いずれの成分も不足のものはなかった。
【0029】
【表3】 表3 ────────────────────────────── 培養時間 菌体濃度 PHB含有量 pH (hr) (g/l) (%) ────────────────────────────── 20 2.3 2.8 6.0 23 4.2 3.0 6.0 27 9.8 4.1 6.0 29 15.0 3.3 6.0 41 20.6 12.1 5.2 56 28.2 35.5 5.2 74 35.6 47.7 5.2 97 40.4 55.3 5.2 ──────────────────────────────
【0030】実施例3 プロトモナス エクストルクエンス(Protomonas exto
rquens)K(微工研菌寄第8395号)を使用した。3
L容培養槽に、培地Aを1.5L張り込み、120℃で
20分間加熱滅菌し、冷却後、アンモニア水でpH6.
5に調整し、これに別に調製された種母 200mlを
植菌し、空気を通気しつつ33℃で回分培養を行った。
回分培養時のpHは、25%アンモニア水で6.5に自
動制御した。培養液中のメタノール濃度は、ガスクロマ
トグラフィにより連続的に測定し、500〜1500p
pmの範囲になるように自動的にメタノールを供給し
た。攪拌機回転数を1450rpm、通気量を1vvm
とした。菌体濃度が約10g/lに達した時点で、設定
pHを5.5に変更すると同時に、別に調製された連続
用培地(培地B)の連続供給と培養液の連続排出とを開
始し、連続培養に移行した。培養pHは、10%アンモ
ニア水を使用し5.3に自動的に制御した。連続用培地
の組成は、下記のごとくであり、120℃で20分間加
熱滅菌し、冷却後使用した。ただしメタノールは、ミク
ロフィルターで除菌濾過して注入した。
rquens)K(微工研菌寄第8395号)を使用した。3
L容培養槽に、培地Aを1.5L張り込み、120℃で
20分間加熱滅菌し、冷却後、アンモニア水でpH6.
5に調整し、これに別に調製された種母 200mlを
植菌し、空気を通気しつつ33℃で回分培養を行った。
回分培養時のpHは、25%アンモニア水で6.5に自
動制御した。培養液中のメタノール濃度は、ガスクロマ
トグラフィにより連続的に測定し、500〜1500p
pmの範囲になるように自動的にメタノールを供給し
た。攪拌機回転数を1450rpm、通気量を1vvm
とした。菌体濃度が約10g/lに達した時点で、設定
pHを5.5に変更すると同時に、別に調製された連続
用培地(培地B)の連続供給と培養液の連続排出とを開
始し、連続培養に移行した。培養pHは、10%アンモ
ニア水を使用し5.3に自動的に制御した。連続用培地
の組成は、下記のごとくであり、120℃で20分間加
熱滅菌し、冷却後使用した。ただしメタノールは、ミク
ロフィルターで除菌濾過して注入した。
【0031】 連続培養用培地組成 (培地B) 工業用水1L当り メタノール 60 g KH2 PO4 3 g MgSO4 ・7H2 O 1 g (NH4 )2 SO4 1 g FeC6 H5 O7 ・xH2 O 60 mg ZnSO4 ・7H2 O 20 mg MnCl2 ・4H2 O 10 mg CaCl2 ・2H2 O 40 mg CuSO4 ・5H2 O 1 mg KI 1 mg ( NH4 ) 6 Mo7 O24・4H2 O 1 mg CoCl2 ・6H2 O 1 mg H3 BO3 1 mg NaCl 50 mg 消泡剤(Silicone KM-75) 1 g
【0032】培養液中のメタノール濃度は、メタノール
の損失を少なくするため、可能な限り低くし、300〜
500ppmに制御した。連続培養へ移行後、増殖速度
が次第に低下し、平均滞留時間が約40時間で定常状態
となった。イオンクロマトグラフィで培養液中の各ミネ
ラルイオン濃度を連続的に測定したが、いずれの成分も
不足のものはなかった。この条件で10日間培養を継続
したが、培養結果は安定していた。この時の培養液中に
は約52%のPHBを含んだ菌体が1L当り21g存在
した。メタノール1g当りの菌体収量は0.35gであ
り、PHBの収量は0.18gであった。その後、培養
pHを変更することにより平均滞留時間を変更し、平均
滞留時間とPHB含有量との関係を調べた。結果を表4
に示した。設定pHを低くし培養槽での平均滞留時間が
長くなるに伴ない菌体中のPHB含有量は増加し、平均
滞留時間を15時間以上とした時に飛躍的なPHB含有
量の増加が認められた。
の損失を少なくするため、可能な限り低くし、300〜
500ppmに制御した。連続培養へ移行後、増殖速度
が次第に低下し、平均滞留時間が約40時間で定常状態
となった。イオンクロマトグラフィで培養液中の各ミネ
ラルイオン濃度を連続的に測定したが、いずれの成分も
不足のものはなかった。この条件で10日間培養を継続
したが、培養結果は安定していた。この時の培養液中に
は約52%のPHBを含んだ菌体が1L当り21g存在
した。メタノール1g当りの菌体収量は0.35gであ
り、PHBの収量は0.18gであった。その後、培養
pHを変更することにより平均滞留時間を変更し、平均
滞留時間とPHB含有量との関係を調べた。結果を表4
に示した。設定pHを低くし培養槽での平均滞留時間が
長くなるに伴ない菌体中のPHB含有量は増加し、平均
滞留時間を15時間以上とした時に飛躍的なPHB含有
量の増加が認められた。
【0033】
【表4】 表4 ───────────────────────── pH 平均滞留時間 PHB含有量 (hr) (%) ───────────────────────── 6.6 4.3 2.5 6.0 5.0 4.3 5.7 15.1 29.8 5.5 20.6 40.2 5.3 40.2 52.0 ─────────────────────────
【0034】
【発明の効果】本発明によりPHBを、大規模に、しか
も経済的かつ安定的に生産することが可能となった。本
発明によるPHB生産は、培養pHを低下させるのみで
ある簡単な操作で行われるので、最適条件に設定した後
の運転管理が容易であり、従来の培地ミネラル成分を制
限して行うプロセスに比べ、飛躍的な省力化がはかれ
る。原料(基質)がメタノールであるので、原料コスト
が非常に安価となるが、基質がメタノールである更によ
い点は、非常に限定された基質であるため、一般性細菌
による雑菌汚染がなく、長期間の安定した培養が容易に
継続できることにある。
も経済的かつ安定的に生産することが可能となった。本
発明によるPHB生産は、培養pHを低下させるのみで
ある簡単な操作で行われるので、最適条件に設定した後
の運転管理が容易であり、従来の培地ミネラル成分を制
限して行うプロセスに比べ、飛躍的な省力化がはかれ
る。原料(基質)がメタノールであるので、原料コスト
が非常に安価となるが、基質がメタノールである更によ
い点は、非常に限定された基質であるため、一般性細菌
による雑菌汚染がなく、長期間の安定した培養が容易に
継続できることにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田原 寅一 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリ−3−ヒドロキシ酪酸を生産する能
力を有するメタノール資化性細菌を、メタノールを炭素
源として培養することにより、該菌体内にポリ−3−ヒ
ドロキシ酪酸を合成蓄積させ、当該菌体からポリ−3−
ヒドロキシ酪酸を取得するポリ−3−ヒドロキシ酪酸の
製造法において、培養pHが増殖の制限因子となるよう
な低pH培養をすることを特徴とするポリ−3−ヒドロ
キシ酪酸の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5310731A JPH07155192A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5310731A JPH07155192A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07155192A true JPH07155192A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=18008806
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5310731A Pending JPH07155192A (ja) | 1993-12-10 | 1993-12-10 | ポリ−3−ヒドロキシ酪酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07155192A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004033670A1 (ja) * | 2002-10-10 | 2004-04-22 | Kaneka Corporation | 共重合ポリエステルの組成をコントロールする培養方法 |
-
1993
- 1993-12-10 JP JP5310731A patent/JPH07155192A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004033670A1 (ja) * | 2002-10-10 | 2004-04-22 | Kaneka Corporation | 共重合ポリエステルの組成をコントロールする培養方法 |
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