JPH07155193A - 微生物由来キトサンオリゴ糖の製造方法 - Google Patents

微生物由来キトサンオリゴ糖の製造方法

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JPH07155193A
JPH07155193A JP30658193A JP30658193A JPH07155193A JP H07155193 A JPH07155193 A JP H07155193A JP 30658193 A JP30658193 A JP 30658193A JP 30658193 A JP30658193 A JP 30658193A JP H07155193 A JPH07155193 A JP H07155193A
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Japan
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chitosan
microorganism
producing
derived
chitosan oligosaccharide
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Shigeo Shibatani
滋郎 柴谷
Masato Miyashita
正人 宮下
Yoshihiko Maekawa
宜彦 前川
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キトサン産生微生物の菌糸体から簡略化され
た工程で微生物由来のキトサンオリゴ糖、特に5量体以
上の高重合度のキトサンオリゴ糖を効率的に製造する。 【構成】 アブシディア・コエルレア(Absidia coerule
a)IFO5301 株またはムコル・ツベルクリスポルス(Mucor
tuberculisporus)IFO9256株などのキトサン産生微生物
の菌糸体細胞壁を、バチルス(Bacillus) sp.PI-7S由来
キトサナーゼ-RDまたはトリコデルマ・ヴィリデ(Tricho
derma viride)由来セルラーゼ・オノズカR-10等のキト
サンオリゴ糖を生成する酵素で処理することを特徴とす
る微生物由来キトサンオリゴ糖の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキトサンオリゴ糖の製造
方法に関し、詳しくはキトサン産生微生物の菌糸体を酵
素処理することによるキトサンオリゴ糖の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、キトサンは、地球上に豊富に存在
する次世代のバイオマスとして注目されており、その生
体適合性や生分解性を活かした種々の用途開発が研究さ
れている。キトサンは高分子量であるが故に溶液とした
場合、高粘度のために取扱いが困難であり、高濃度の溶
液の調製が不可能である。また、溶液を中性ないしアル
カリ性にすると不溶化する。これらの特性がキトサンの
用途を制限している。そこで、キトサンの用途を広げる
ものとして、高分子量のキトサンを加水分解して得られ
る易水溶性のキトサンオリゴ糖の利用が期待されてい
る。特に5量体以上の高重合度のキトサンオリゴ糖に抗
菌性、抗腫瘍性、植物エリシター活性等の種々の生理活
性が見出されており、付加価値が高まっている。
【0003】従来からキトサンオリゴ糖の製造法とし
て、カニやエビ等の甲殻類から抽出したキチンを化学的
に脱アセチル化することにより得られるキトサンを塩酸
等の酸によって加水分解して低分子化する方法 (J. Am.
Chem. Soc., 79, 5046〜5049,(1957)) が知られてい
る。しかしながら、この方法は酸を用いることによる安
全性の問題や後処理の煩雑さに難点がある。また甲殻類
から得られたキトサンをキトサナーゼ等のキトサン分解
酵素で加水分解する方法が報告されている (特公平3-13
878 号公報) が、この方法では生理活性が期待される5
量体以上の高重合度のキトサンオリゴ糖が高収率で得ら
れていない。
【0004】一方、微生物の中には接合菌類のように菌
糸体細胞壁中にキトサンを含むものがあることが報告さ
れている (Ann. Rev. Microbiol., 22, 87-108,(196
8))。微生物由来のキトサンオリゴ糖の製造法として、
キトサン産生微生物の菌糸体をアルカリで加熱処理した
後に酢酸等の酸で抽出したキトサンを酵素によって加水
分解して低分子化する方法が報告されている (特開平2-
215393号公報) 。しかしながら、微生物から抽出したキ
トサンを用いる場合、単位培養液当たりのキトサン生産
量が低いために甲殻類から製造したキトサンを用いる場
合に比較して価格が非常に高くなるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、キト
サン産生微生物の菌糸体から簡略化された工程で微生物
由来のキトサンオリゴ糖、特に5量体以上の高重合度の
キトサンオリゴ糖を効率的に製造する方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キトサナ
ーゼ等の細胞壁溶解酵素が微生物の細胞壁を分解するこ
とに着目し、キトサン産生微生物の菌糸体を酵素処理す
ることにより高重合度のキトサンオリゴ糖を製造し得る
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明はキトサン産生微生物の
菌糸体細胞壁を分解し、キトサンオリゴ糖を生成する酵
素により、キトサン産生微生物の菌糸体を処理すること
を特徴とするキトサンオリゴ糖の製造方法である。
【0008】本発明に用いられる微生物としては、キト
サンを産生しうる微生物であればいずれも用いることが
できる。例えばアブシディア(Absidia) 属、アクチノム
コル(Actinomucor)属、コアネフォラ(Choanephora)
属、クニングハメラ(Cunninghamella)属、モルティエレ
ラ(Mortierella) 属、ムコル(Mucor) 属、フィコマイセ
ス(Phycomyces)属、リゾプス(Rhizopus)属等の接合菌類
が挙げられる。具体例としては、アブシディア・ コエル
レア(Absidia coerulea)IFO5301 株、ムコル・ ツベルク
リスポルス(Mucor tuberculisporus)IFO9256株などが例
示される。これらの微生物は、財団法人発酵研究所(I
FO)から入手することができる。
【0009】本発明に使用する酵素は、上記キトサン産
生微生物の菌糸体細胞壁を分解し、キトサンオリゴ糖を
生成する酵素であればいずれも用いることができる。例
えば、バチルス(Bacillus)属、ストレプトマイセス(Str
eptomyces)属、ペニシリウム(Penicillium) 属等に由来
するキトサナーゼ、アスペルギルス(Aspergillus) 属、
トリコデルマ(Torichoderma)属等に由来するセルラーゼ
が挙げられる。さらに具体的にはバチルス(Bacillus)s
p.PI-7S由来キトサナーゼ-RD(ピアス製) 、トリコデル
マ・ヴィリデ(Trichoderma viride)由来セルラーゼ・オ
ノズカR-10 (ヤクルト製) が挙げられる。これらの酵素
はまず、例えば0.1M酢酸緩衝液(pH5.5) に約0.1 〜 5U/
ml添加し酵素製剤とする。酵素製剤のpHは、4.0 〜7.0
であることが好ましい。
【0010】酵素活性は以下の方法により測定する。pH
6.0 の酢酸緩衝液に溶解した1%キトサン溶液と酵素液を
含む反応液を37℃で10分間反応させる。反応液を約 100
℃で 5分間加熱処理して酵素処理を終了した後、シャー
レス(Schales) 変法(Agric.Biol.Chem.,35,1154-1156(1
971)) によりキトサナーゼ活性を測定する。1単位は、
pH6.0 、37℃において1分間に可溶性キトサンから1 μ
モルのグルコサミン相当の還元糖を遊離する酵素量であ
る。
【0011】工程1:菌糸体の調製 本発明に用いるキトサン産生微生物の菌糸体は、斜面培
地等で継代培養した微生物をキトサン生産用液体培地で
培養し、増殖することにより得られる。キトサン生産用
液体培地としては、例えば酵母エキス0.1 〜2.5 %、ポ
リペプトン0.5〜 5%、グルコース 1〜10%、硫酸アン
モニウム0.5 〜 1%、リン酸2水素カリウム0.1 〜 1
%、塩化ナトリウム0.1 〜 1%、硫酸マグネシウム(7
水和物)0.05〜0.1 %および塩化カルシウム(2水和
物)0.01〜0.1 %を含むpH4.5 の液体培地が例示され
る。培養条件としては、キトサン生産用液体培地で約25
℃にて振とう培養する。培養期間は、 4〜 5日間が好ま
しい。胞子濃度は106 〜107 個/ml が好ましい。 工程2:菌糸体の破砕 培養された菌糸体は、例えば酢酸緩衝液等の水溶液中に
浸漬してホモジナイザー等によって破砕した後、酵素処
理に供する。 工程3:酵素処理 例えば酢酸緩衝液等の水溶液中に、上記酵素を添加した
酵素製剤中に破砕した菌糸体を浸漬して振とうし、例え
ば、30〜60℃にて1時間以上の酵素処理を行うことによ
り、反応液中にキトサンオリゴ糖を生成する。酵素処理
は穏やかに振とうして行う。 工程4:反応終了 一般に約100 ℃で約5分間加熱処理して酵素処理を終了
する。 工程5:精製 生成されたキトサンオリゴ糖は、イオンクロマトグラフ
ィー、薄層クロマトグラフィー等を用いることにより重
合度別に分離することができる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 ポテト・ デキストロース寒天(日水製薬製) 斜面培地上
で25℃にて継代培養したアブシディア・ コエルレア(Abs
idia coerulea)IFO5301 株の胞子を滅菌水に懸濁した。
胞子懸濁液を酵母エキス0.1 %、ポリペプトン1 %、グ
ルコース2 %、硫酸アンモニウム0.5 %、リン酸2水素
カリウム0.1%、塩化ナトリウム0.1 %、硫酸マグネシ
ウム(7水和物) 0.05 %および塩化カルシウム(2水
和物)0.01%を含むpH4.5 の液体培地100ml に、 106
107 個/ml の胞子濃度となるように接種し、回転速度12
0rpm、25℃にて攬拌し、4日間培養した。生長した菌糸
体を吸引濾過して集め、洗浄後、酵素処理に供した。
【0013】得られた菌糸体4gを0.1M酢酸緩衝液(pH5.
5) に浸漬し、ホモジナイザーで破砕した。緩衝液を除
去した後、破砕した菌糸体を、0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)
に0.1U/ml の濃度で添加したバチルス(Bacillus)sp.PI-
7S由来キトサナーゼ-RD(ピアス製) の酵素製剤 120ml中
に浸漬し、37℃にて1時間以上穏やかに振とうして菌糸
体の酵素処理を行った。酵素処理後、反応液を100 ℃で
5分間加熱処理して反応を停止させた後、薄層クロマト
グラフィー( TLC) により、酵素処理反応液中の酵素
分解物を分析した。シリカゲルのTLCプレート(メル
ク社製Kieselgel 60F)に酵素処理反応液およびカニ殻由
来キトサン分解物標準溶液を塗布し、1-ブタノール−酢
酸−水=2:1:2で展開し、ニンヒドリン溶液で発色
し、スポットの検出を行った。その結果、カニ殻由来キ
トサンオリゴ糖のスポットと一致するスポットが酵素処
理反応液に認められた。図1はその結果を示す。
【0014】次に、全反応液のTLCを行い、キトサン
オリゴ糖6量体に相当する画分の薄層を回収した。回収
した薄層画分を0.1M酢酸中に懸濁し、不溶物を濾過して
除去した後、溶出液を凍結乾燥することにより、6量体
を主成分とする高重合度キトサンオリゴ糖画分118mg が
得られた。
【0015】実施例2 実施例1と同様に、ムコル・ ツベルクリスポルス(Mucor
tuberculisporus)IFO9256株を培養して得られた菌糸体
4gを、0.1M酢酸緩衝液(pH5.5) に0.1U/ml の濃度で添加
したトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)由来
セルラーゼ・オノズカR-10( ヤクルト製) の酵素製剤12
0ml 中で処理した。以後、実施例1と同様の操作を行っ
た結果、酵素処理反応液のTLCにカニ殻由来キトサン
オリゴ糖のスポットと一致するスポットが認められた。
次に、全反応液のTLCを行った結果、高重合度キトサ
ンオリゴ糖画分39mgが得られた。
【0016】比較例1 実施例1と同様の方法でアブシディア・コエルレア(Abs
idia coerulea)IFO5301 株を培養し、得られた菌糸体4g
に2%水酸化ナトリウム水溶液 300mlを加えて、オートク
レーブ中で 121℃にて 1時間加熱処理した。得られたア
ルカル不溶物質をガラスフィルターで集め、精製水で洗
液が中性になるまで洗浄した。このアルカリ不溶物質 7
10mgを2%酢酸水溶液 300mlに浸漬し、ホモジナイザーで
破砕した後、37℃にて30分間攪拌した。攪拌後、遠心分
離して、上澄液と沈殿に分離した。沈殿2回分の上澄液
をガラスフィルターで濾過して不溶物を除去した。この
酢酸抽出液に 20%水酸化ナトリウム水溶液を添加して抽
出液をpH8.5 〜9.0 に調整し、キトサンを析出させた。
析出したキトサンの水洗と遠心分離を計 3回行った後、
真空乾燥した。菌糸体から得られたキトサンの総量は 2
04mgであった。上記方法で得られたアブシデイア・コエ
ルレアIFO5301 株由来のキトサン 204mgを0.1M酢酸緩衝
液に溶解して調製した1%キトサン溶液(pH5.5) に0.1U/m
l のバチルスsp.PI-7S由来のキトサナーゼを加えて、37
℃にて酵素反応を1時間以上行った。反応液を 100℃で
5分間加熱処理して反応を停止させた後、実施例1と同
様の操作でTLCを行った。その結果、カニ殻由来キト
サンオリゴ糖のスポットと一致するスポットが酵素反応
液に認められた。次に全反応液のTLCを行った結果、
6量体を主成分とする高重合度キトサンオリゴ糖画分41
mgが得られた。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、キトサン産生微生物の
菌糸体を酵素処理することにより、高重合度のキトサン
オリゴ糖を得ることができる。本発明は、従来のキトサ
ンオリゴ糖の製造法のようにキトサンを抽出することな
く、より簡略化された工程でキトサンオリゴ糖を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アブシディア・コエルレアIFO5301 株の菌糸体
をバチルスsp.PI-7S由来キトサナーゼで酵素処理して得
られた反応液をTLCで分析した結果を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサン産生微生物の菌糸体細胞壁を分
    解し、キトサンオリゴ糖を生成する酵素により、キトサ
    ン産生微生物の菌糸体を処理することを特徴とする微生
    物由来キトサンオリゴ糖の製造方法。
  2. 【請求項2】 キトサン産生微生物がアブシディア・ コ
    エルレア(Absidia coerulea)またはムコル・ツベルクリ
    スポルス(Mucor tuberculisporus) であることを特徴と
    する請求項1記載の微生物由来キトサンオリゴ糖の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 キトサン産生微生物の菌糸体細胞壁を分
    解し、キトサンオリゴ糖を生成する酵素が、キトサナー
    ゼまたはセルラーゼであることを特徴とする請求項1記
    載の微生物由来キトサンオリゴ糖の製造方法。
  4. 【請求項4】 キトサナーゼがバチルス属由来キトサナ
    ーゼであることを特徴とする請求項1記載の微生物由来
    キトサンオリゴ糖の製造方法。
  5. 【請求項5】 セルラーゼがトリコデルマ属由来セルラ
    ーゼであることを特徴とする請求項1記載の微生物由来
    キトサンオリゴ糖の製造方法。
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