JPH0716401B2 - パン酵母の培養法 - Google Patents

パン酵母の培養法

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JPH0716401B2
JPH0716401B2 JP5841486A JP5841486A JPH0716401B2 JP H0716401 B2 JPH0716401 B2 JP H0716401B2 JP 5841486 A JP5841486 A JP 5841486A JP 5841486 A JP5841486 A JP 5841486A JP H0716401 B2 JPH0716401 B2 JP H0716401B2
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yeast
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康夫 中富
克彦 原
二三男 梅田
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Oriental Yeast Co Ltd
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Oriental Yeast Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はフラクトオリゴ糖を含むパンの製造に用いるシ
ョ糖非発酵性パン酵母の培養法に関するものである。
一般にフラクトオリゴ糖はショ糖のフラクトースに1〜
3分子のフラクトースがC1とC2との位置でβ結合してい
るものであり、その化学構造式は次のとおりである。
これらのフラクトオリゴ糖は自然界では広く高等植物に
分布しており、たとえばアスパラガス、タマネギ、キク
イモ、蜂蜜などに含まれることが知られている。ところ
が、最近フラクトオリゴ糖を微生物酵素によりショ糖か
ら大量に製造する技術が確立されると共に、これらフラ
クトオリゴ糖が有する物性や生理作用が検討され、フラ
クトオリゴ糖が難消化性の糖であり、腸内でのビフィズ
ス菌増殖促進作用、コレステロールなどの脂質代謝改善
効果、難う蝕性等の優れた生理効果を有することが見出
され、さらに砂糖に近い甘味を有していることと併せて
食品分野における新しい素材の1つとしての有用性が明
らかになってきた。
フラクトオリゴ糖が有するこのような健康維持上の優れ
た生理効果をもたらすためには、該フラクトオリゴ糖を
継続して摂取することが好ましい。そのためには毎日摂
取する食習慣のある食品の中にフラクトオリゴ糖を配合
することが適当であり、その量は1日当り5g程度とされ
ている。
このような条件に適合する食品の代表的なものとしてパ
ンが挙げられる。パンはその生地の中に通常、ショ糖を
多量に添加しているが、このショ糖の全部もしくは一部
をフラクトオリゴ糖で代替して使用することができる。
しかしながら、現在製パンに用いられているパン酵母は
ショ糖発酵性でありインベルターゼ活性を有するため、
せっかく添加したフラクトオリゴ糖がインベルターゼに
よって分解され無意味になってしまうという問題があ
る。
本発明に先だって、ショ糖非発酵性でかつ製パン適性の
ある交雑株を求めて研究した結果、該特性に合致するサ
ッカロミセス セレビシエIL−1を創成するに至った。
本菌株はFERM BP−3191として微工研に寄託されてい
る。
次にサッカロミセス セレビシエIL−1の菌学的性質を
示す。
1.生育状態 MY液体培地で生育良好 細胞の形状 球形〜卵形 3〜7×4〜8μ MN寒天培地 生育良好 コロニー(白色 光沢 平滑) 2.子嚢胞子 酢酸カリ培地で形成子嚢胞子形状 球形 3.各生理的性質 至適生育条件 温度28〜32℃ PH4.5〜6.5 生育の範囲 温度0〜40℃ PH2.5〜8.0 硝酸塩の同化 なし 脂肪分解 なし カロチノイド生成 なし 顕著な有機酸生成 なし ビタミン要求性 ビオチン及びパントテン酸 4.炭素源の発酵性と同化性 発酵性 同化性 D.グルコース + + D.ガラクトース + + 麦芽糖 + + ショ糖 − − 1−ケストース(GF2) − − ニストース(GF3) − − 乳 糖 − − ラフィノース − − メリビオース − − トレハロース − − メレジトース − − α−メチル−Dグルコシド − − デキストリン + + セロビオース − − D−リボース − − Dキシロース − − Lアラビノース − − エタノール + DL乳酸塩 + グリセリン + そして、ショ糖非発酵性パン酵母であるサッカロミセス
セレビシエ IL−1を用いれば製パン原料に添加した
フラクトオリゴ糖を分解することなくほとんど残存さ
せ、かつパンとしては、すだちのよい優れたパンを得る
ことができる。
次に、ショ糖非発酵性パン酵母を一般的炭素源である糖
蜜を用いて大量培養を行うのであるが、ここでショ糖非
発酵性パン酵母が糖蜜中のショ糖を資化できないため低
い菌体収量となるという問題が起こるのである。
まず、最初に考えられることは、糖蜜中のショ糖をイン
ベルターゼによって転化することであるが、この前処理
工程にはインベルターゼの調整、インベルターゼによる
糖蜜処理、インベルターゼの除去又は不活性化などかな
りの時間と労力などを要する欠点がある。
本発明者らは、炭素源として糖蜜を用いて有効にショ糖
非発酵性パン酵母を培養する方法を求めて鋭意研究した
ところ、ショ糖発酵性パン酵母を混合培養することによ
って解決することができた。
本発明は、炭素源として糖蜜を用いてショ糖非発酵性パ
ン酵母を培養するに際し、ショ糖発酵性パン酵母を混合
培養することを特徴とするパン酵母の培養法である。
そして、ショ糖非発酵性パン酵母としてサッカロミセス
セレビシエ IL−1、FERM BP−3191が例示されてい
る。
ショ糖非発酵性酵母、例えばサッカロミセス セレビシ
エ IL−1とショ糖発酵性酵母、例えば市販パン酵母は
グルコースを糖源とした培地での増殖速度はほとんど同
一である。このようなショ糖非発酵性酵母とショ糖発酵
性酵母を適宜混合して接種し、糖蜜を栄養源として培養
すると、ショ糖発酵性酵母の有するインベルターゼによ
って糖蜜中のショ糖は、グルコースとフラクトースに転
化され、この転化糖を利用してショ糖非発酵性酵母も良
く増殖する。接種時のショ糖非発酵性酵母と、ショ糖発
酵性酵母の菌株比率はそのまま維持され、培養終了時で
もほとんど変らないことも分った。
従って、ショ糖非発酵性酵母とショ糖発酵性酵母の接種
量の比率を変えることによって任意のインベルターゼ活
性の酵母が得られるが、例えばインベルターゼ30単位/g
乾燥酵母以下の酵母は、ほとんどフラクトオリゴ糖を分
解しないので、フラクトオリゴ糖含有パンの製造に使用
して有用である。
本発明においては、酵母の接種菌体量はショ糖非発酵性
酵母:ショ糖発酵性市販パン酵母=100:0.5程度でよい
が、ショ糖発酵性酵母の種類によってインベルターゼ生
成量がかなり変化するので、インベルターゼ30単位/g乾
燥酵母製品以下を基準として接種菌体量を決めるのがよ
い。
次に本発明の実施例、試験例及び参考例を示す。
なお、ここで用いたインベルターゼ活性の測定方法及び
液発酵力試験は次の通りである。
(インベルターゼ活性の測定方法) 15%蔗糖溶液(pH4.5酢酸バッファ)0.5mlに、イースト
懸濁液0.5mlを加え、30℃で3分間反応させた後、DNS試
薬を加え反応ストップさせる。DNS試薬法で還元糖量を
求める。インベルターゼ活性1単位は、1分間に1mgの
還元糖を生成する活性をあらわすものとした。
(液発酵力試験) イースト工業会パン用酵母試験法のウオルフ改変法によ
る。各培地はシュルツらの培地を基本にし、以下の糖濃
度に調整したものである。
FG(5) 1gのグルコースを培地に溶解し15mlとする。
FSG(40) 8gのショ糖と1gのグルコースを培地に溶解
し15mlとする。
Fm(5) 1gのマルトースを培地に溶解し15mlとする。
上の基質にイースト懸濁液5ml(イースト150mg乾量を含
む)を加え30℃で振盪し、発生する炭酸ガス量(2時
間)を測定した。
実施例1. (1)サッカロミセス セレビシエ IL−1、FERM BP−
3191をYM寒天斜面培地に接種し、30℃で48時間培養した
培養物から1白金耳をとり、これを次のYPG培地5mlに接
種し、30℃で24時間振盪培養した。
(YPG培地) グルコース 2% ペプトン 2% イーストエキス 1% (2)市販パン酵母(オリエンタル酵母工業製)をYM寒
天斜面培地に接種し、30℃で24時間培養した培養物から
1白金耳をとり、これを前記YPG培地5mlに接種し、30℃
で24時間振盪培養した。
(3)上記(1)のサッカロミセス セレビシエ IL−
1の培養液5mlと上記(2)の市販パン酵母の培養液0.0
5mlを500ml容フラスコに入れた糖蜜培地(糖分3%、硫
安0.2%、尿素0.2%、第1リン酸ナトリウム0.07%)10
0mlに添加し、30℃で48時間振盪培養した。
得られた培養液400ml(フラスコ4本分)を副原料(窒
素源とリン源、糖:窒素:リン=100:4.0:0.4)を入れ
たミニジヤーに加え、液量を0.8lとした。通気量2/m
in、撹拌600rpmで8時間流加培養を行った。
糖蜜流加はWhiteの流加方式に従って指数的に行なっ
た。(Hourly Growth rate=1.22、水分68%生酵母で対
糖収率130%として計算) 得られた培養液を遠心分離して酵母菌体を得、その酵母
菌体20gを、水と副原料(窒素源とリン源、糖:窒素:
リン=100:3.5:0.3)を入れたミニジヤーに加え、液量
を0.8とした。通気量2/min、撹拌600rpmで14時間
流加本培養を行った。
糖蜜培地流加はWhiteの流加方式によって行った。(前
半10時間はHourly Growth rate=1.22、後半4時間はHo
urly Growth rate=1.06) 得られた酵母のインベルターゼ活性を測定したところ、
インベルターゼ20単位/g乾燥酵母であり、フラクトオリ
ゴ糖含有の食パン、菓子パン、クラッカー、乾パンなど
のパン類の製造用パン酵母として好適のものであった。
実施例2. (1)サッカロミセス セレビシエ IL−1、FERM BP−
3191をYM寒天斜面培地に接種し、30℃で24時間培養した
培養物から1白金耳をとり、これをYPG培地5mlに接種
し、30℃で24時間振盪培養した。
(2)市販パン酵母(オリエンタル酵母工業製)をYM寒
天斜面培地に接種し、30℃で24時間培養した培養物から
1白金耳をとり、これをYPG培地5mlに接種し、30℃で24
時間振盪培養した。
(3)サッカロミセス セレビシエ HU−20、FERM P−5
440をYM寒天斜面培地に接種し、30℃で24時間培養した
培養物から1白金耳をとり、これをYPG培地5mlに接種
し、30℃で24時間振盪培養した。
(4)上記(2)の市販パン酵母の培養液5mlを500ml容
フラスコに入れた糖蜜培地(糖分3%、硫安0.2%、尿
素0.2%、第1リン酸ナトリウム0.07%)100mlに添加
し、30℃で48時間振盪培養した。この400ml(フラスコ
4本分)を種として実施例1と同一条件でミニジャーに
よる流加本培養を行った。
(5)上記(1)のサッカロミセス セレビシエ IL−
1の培養液5mと上記(2)の市販パン酵母の培養液0.05
mlを500ml容フラスコに入れた糖蜜培地100mlに添加し、
30℃で48時間振盪培養した。この400ml(フラスコ4本
分)を種として実施例1と同一条件でミニジャーによる
流加本培養を行った。
(6)上記(1)のサッカロミセス セレビシエ IL−
1の培養液5mlと上記(3)のサッカロミセス セレビ
シエ HU−20の培養液1mlを500ml容フラスコに入れた糖
蜜培地100mlに添加し、30℃で48時間振盪培養した。こ
の400ml(フラスコ4本分)を種として実施例1と同一
条件でミニジャーによる流加本培養を行った。
以上、(4)、(5)及び(6)で得た酵母菌体の対糖
収率(%)及びインベルターゼ(単位)/g乾燥酵母製品
を測定し、表1の結果を得た。表1に示すように本発明
の混合培養による菌体収量は市販パン酵母の単独培養の
収量よりも明らかに高くなつた。
である。
試験例1. 1.実施例2の(6)の培養菌体 2.実施例2の(4)の培養菌体 3.実施例2の(3)の培養液5mlを実施例2の(4)と
同様にミニジャーによる流加本培養を行って得た培養菌
体 4.実施例2の(1)の培養液5mlを用意し、インベルタ
ーゼで転化した糖蜜を用いて実施例1と同一条件で振盪
培養からミニジャーによる流加本培養まで行って得た菌
体、1、2、3、4について液発酵力及びインベルター
ゼ(単位)/gを測定し、表2の結果を得た。
本発明の混合培養で得た菌体1は市販パン酵母の培養菌
体2に比べて遜色のない液発酵力を示した。しかもイン
ベルターゼ活性では15と非常に低い値を示した。
製造例 実施例2の(6)で得た本発明の酵母製品と市販パン酵
母をフラクトオリゴ糖を用いて中種製パン法に従ってパ
ンを製造した。
配合は次の表3の通りである。
また、工程は次の表4の通りである。
結果は次の表5に示される。
本発明酵母製品の中種発酵は、市販パン酵母と比べてほ
とんど遜色のない良好な結果を示し、できたパンの風
味、スダチも良好であった。フラクトオリゴ糖の残存率
(液体クロマトグラム使用)は90%であった。一方市販
のパン酵母を用いたものではほとんど残存しなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素源として糖蜜を用いてショ糖非発酵性
    パン酵母を培養するに際し、ショ糖発酵性パン酵母を混
    合培養することを特徴とするパン酵母の培養法。
  2. 【請求項2】ショ糖非発酵性パン酵母がサッカロミセス
    セレビシエIL−1、FERM BP−3191である特許請求の
    範囲第1項記載のパン酵母の培養法。
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JP5035820B2 (ja) * 2006-03-24 2012-09-26 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 酵母培養培地補添物
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JP2022106610A (ja) * 2021-01-07 2022-07-20 公益財団法人とかち財団 酵母の培養方法及びその培養菌体を用いた発酵飲食品の製造方法

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