JPH0717036B2 - 耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板 - Google Patents
耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板Info
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- JPH0717036B2 JPH0717036B2 JP2123703A JP12370390A JPH0717036B2 JP H0717036 B2 JPH0717036 B2 JP H0717036B2 JP 2123703 A JP2123703 A JP 2123703A JP 12370390 A JP12370390 A JP 12370390A JP H0717036 B2 JPH0717036 B2 JP H0717036B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鋼構造建造物外装用のパネル板に関するもの
である。
である。
建造物の外壁や屋根には、コンクリートやモルタルなど
の窯業製品が主として使用されてきたが、最近重量の軽
減や施工の簡素化さらには種々の意匠のしやすさの点か
ら塗装鋼板をはじめとする金属板の使用が普及してき
た。
の窯業製品が主として使用されてきたが、最近重量の軽
減や施工の簡素化さらには種々の意匠のしやすさの点か
ら塗装鋼板をはじめとする金属板の使用が普及してき
た。
本発明は、ビル等の鋼構造建造物外壁や屋根としてきわ
めて優れた耐食性を有する鋼構造建造物外装用パネル板
に関するものである。
めて優れた耐食性を有する鋼構造建造物外装用パネル板
に関するものである。
[従来の技術] 従来、建造物の外壁には主としてコンクリートやモルタ
ル、タイルなどの窯業製品が使用されてきた。これらは
安価であること、熱伝導率が低く環境遮断性に優れてい
ること、腐食や褪色などの経時変化がきわめて少ないこ
と、耐火性などの保安上の利点を有すること、さらには
現場にて施工の変更が容易であるなどの設計に対する柔
軟性を有することなどの理由から広く使用されてきたも
のである(「BOUNDARY」誌、第4巻3号2〜29頁、第4
巻4号2〜29頁、第4巻5号27〜41頁)。しかし、これ
らの窯業製品は一般に強度と靭性に欠けるために、鉄筋
などの補強材を必要としたり、外壁や屋根としてかなり
厚く施工する必要があった。この結果、外壁の重量のた
めに、建造物としての構造強度を必要以上に高くせざる
を得ない状況にあった。この傾向は、高層建造物ではい
っそう顕著となり、高層建築物には不可欠の耐震性など
の構造設計を阻害するところとなった。また、これらの
窯業製品は、構造部材の鋼との接合が困難であるため
に、常に落下の危険性を内包していた。特に有機性の接
着剤を用いた場合は、もともと接着力が低い上に経年変
化によって接着力が低下するため、落下事故は避けられ
ず、これを防ぐために定期的なメンテナンスが不可欠で
あった。
ル、タイルなどの窯業製品が使用されてきた。これらは
安価であること、熱伝導率が低く環境遮断性に優れてい
ること、腐食や褪色などの経時変化がきわめて少ないこ
と、耐火性などの保安上の利点を有すること、さらには
現場にて施工の変更が容易であるなどの設計に対する柔
軟性を有することなどの理由から広く使用されてきたも
のである(「BOUNDARY」誌、第4巻3号2〜29頁、第4
巻4号2〜29頁、第4巻5号27〜41頁)。しかし、これ
らの窯業製品は一般に強度と靭性に欠けるために、鉄筋
などの補強材を必要としたり、外壁や屋根としてかなり
厚く施工する必要があった。この結果、外壁の重量のた
めに、建造物としての構造強度を必要以上に高くせざる
を得ない状況にあった。この傾向は、高層建造物ではい
っそう顕著となり、高層建築物には不可欠の耐震性など
の構造設計を阻害するところとなった。また、これらの
窯業製品は、構造部材の鋼との接合が困難であるため
に、常に落下の危険性を内包していた。特に有機性の接
着剤を用いた場合は、もともと接着力が低い上に経年変
化によって接着力が低下するため、落下事故は避けられ
ず、これを防ぐために定期的なメンテナンスが不可欠で
あった。
一方、金属外壁等は熱伝導率が高く振動が伝わりやすい
など環境遮断性に劣ること、腐食などの経時劣化が無視
できないこと、高温強度が低く耐火性に欠けるなどの保
安上の問題が解決されていないことなどの欠点があるも
のの、靭性が高く単位強度当りの重量を非常に軽く出来
ること、工場での大量生産が可能で現場での施工を簡素
化し工期の短縮がしやすいこと、さらには塗装などによ
って表面の意匠化がしやすいこと、特には鋼製材料の場
合は構造部材の鋼との接合が容易であること等から、高
層建築物の外壁を中心に使用が増加してきた(特開昭47
−27282号、特開昭48−50950号、実開昭63−201133
号)。すなわち、熱伝導率などの問題は他の材料と組合
せることで、また耐火性も鋼そのものの改良によって解
決されてきたのである。
など環境遮断性に劣ること、腐食などの経時劣化が無視
できないこと、高温強度が低く耐火性に欠けるなどの保
安上の問題が解決されていないことなどの欠点があるも
のの、靭性が高く単位強度当りの重量を非常に軽く出来
ること、工場での大量生産が可能で現場での施工を簡素
化し工期の短縮がしやすいこと、さらには塗装などによ
って表面の意匠化がしやすいこと、特には鋼製材料の場
合は構造部材の鋼との接合が容易であること等から、高
層建築物の外壁を中心に使用が増加してきた(特開昭47
−27282号、特開昭48−50950号、実開昭63−201133
号)。すなわち、熱伝導率などの問題は他の材料と組合
せることで、また耐火性も鋼そのものの改良によって解
決されてきたのである。
さらに、金属外壁の場合曲げ加工やプレス成形等が可能
であるので、端部やコーナー等を平滑な湾曲で成形する
ことが容易である。従って、意匠的にも優れた形状の外
装部材の製造が可能であるという利点も持ち合せてい
る。
であるので、端部やコーナー等を平滑な湾曲で成形する
ことが容易である。従って、意匠的にも優れた形状の外
装部材の製造が可能であるという利点も持ち合せてい
る。
しかし、金属材料による外壁や屋根は金属そのものの腐
食や表面塗装部分の褪色などの経時劣化あるいは経時変
化のむらが避けがたく、建造物の美観を著しく損ねる懸
念があり、必ずしも広範囲に採用されていないのが実情
である。例えば、腐食に対しては、塗装を含めた重防食
を行なうか定期的なメンテナンスを行なう以外に対処の
方法がなかった。それでも、建造物を完全に防食するこ
とは困難で、ほとんどの場合、建造物の耐用期間の途中
で外壁や屋根の全面的な取替を実施するのが現状であ
る。また塗装面の褪色等についても、同様に定期的なメ
ンテナンスを行なわざるを得なかった。
食や表面塗装部分の褪色などの経時劣化あるいは経時変
化のむらが避けがたく、建造物の美観を著しく損ねる懸
念があり、必ずしも広範囲に採用されていないのが実情
である。例えば、腐食に対しては、塗装を含めた重防食
を行なうか定期的なメンテナンスを行なう以外に対処の
方法がなかった。それでも、建造物を完全に防食するこ
とは困難で、ほとんどの場合、建造物の耐用期間の途中
で外壁や屋根の全面的な取替を実施するのが現状であ
る。また塗装面の褪色等についても、同様に定期的なメ
ンテナンスを行なわざるを得なかった。
金属材料による外壁や屋根等のこれらの問題点を解決し
た材料として、耐候性鋼板(JIS−G3125)利用が提案さ
れていた。しかし、耐候性鋼板を利用しても安定錆の生
成までに年単位の時間を要する上に、雨水の掛りかたや
太陽光の照射のしかたによって錆の外観が異なるなど経
時変化そのものにむらがあり、やはり建造物の美観を損
ねることが多かった。さらに、耐候性鋼板の場合流れ錆
が生ずるため、建造物の基礎部分に他の材料を使用した
場合には、その美観をも損ねる欠点があり、やはり広範
囲の使用はなされていない。
た材料として、耐候性鋼板(JIS−G3125)利用が提案さ
れていた。しかし、耐候性鋼板を利用しても安定錆の生
成までに年単位の時間を要する上に、雨水の掛りかたや
太陽光の照射のしかたによって錆の外観が異なるなど経
時変化そのものにむらがあり、やはり建造物の美観を損
ねることが多かった。さらに、耐候性鋼板の場合流れ錆
が生ずるため、建造物の基礎部分に他の材料を使用した
場合には、その美観をも損ねる欠点があり、やはり広範
囲の使用はなされていない。
[発明が解決しようとする課題] ところで、金属外壁等の腐食を防止するためには、チタ
ンの使用が考えられる。しかし、チタンは著しく高価な
金属であるだけでなく、構造部材の鋼との接合に信頼の
おける方法が現状では開発されていないという致命的な
欠点がある。すなわち、建造物の構造部材には通常鋼が
用いられており、それとの接合には主として溶接が行な
われる。この理由は、外壁のように雨水の漏洩が懸念さ
れたり外観上の美観を要求される部分には、リベットや
ボルト締などは適用できないし、接着接合では、太陽光
の照射が日常的に起こる部分であるため、建造物の耐用
期間から見て有機物接着剤の耐候性が保証しかねるため
である。しかるに、チタンは鉄と非常に脆い金属間化合
物を生成するために、溶接ができない。このため、チタ
ンは建造物の外壁や屋根用には特殊な工法が要求される
など制限を受けざるを得なかったのである。
ンの使用が考えられる。しかし、チタンは著しく高価な
金属であるだけでなく、構造部材の鋼との接合に信頼の
おける方法が現状では開発されていないという致命的な
欠点がある。すなわち、建造物の構造部材には通常鋼が
用いられており、それとの接合には主として溶接が行な
われる。この理由は、外壁のように雨水の漏洩が懸念さ
れたり外観上の美観を要求される部分には、リベットや
ボルト締などは適用できないし、接着接合では、太陽光
の照射が日常的に起こる部分であるため、建造物の耐用
期間から見て有機物接着剤の耐候性が保証しかねるため
である。しかるに、チタンは鉄と非常に脆い金属間化合
物を生成するために、溶接ができない。このため、チタ
ンは建造物の外壁や屋根用には特殊な工法が要求される
など制限を受けざるを得なかったのである。
本発明は、チタンの優れた耐食性を生かし、耐候性の劣
る表面の塗装をすることなく、さらに構造部材の鋼との
接合にもまったく支障の生じない安価な金属製外装用パ
ネル板を提供するものである。
る表面の塗装をすることなく、さらに構造部材の鋼との
接合にもまったく支障の生じない安価な金属製外装用パ
ネル板を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 建造物の外壁は意匠的に、平板の組合せ以外に凹凸のあ
る設計を望まれることが多い。金属製の外装パネルの場
合、曲げ加工を組合せて凹凸形状を出すことは可能であ
るが、コーナー部分に曲げの重なり部分が集中し、美観
を損ねたり雨水のたまり場となって腐食発生部位となる
欠点があった。このため最近はほとんどの場合、端部や
コーナー部分を平滑な湾曲形状に限定することでこれら
の問題を解決している。このようにコーナー部分を平滑
な湾曲形状にすることによって、美観上好ましい形状を
呈する。
る設計を望まれることが多い。金属製の外装パネルの場
合、曲げ加工を組合せて凹凸形状を出すことは可能であ
るが、コーナー部分に曲げの重なり部分が集中し、美観
を損ねたり雨水のたまり場となって腐食発生部位となる
欠点があった。このため最近はほとんどの場合、端部や
コーナー部分を平滑な湾曲形状に限定することでこれら
の問題を解決している。このようにコーナー部分を平滑
な湾曲形状にすることによって、美観上好ましい形状を
呈する。
ところで、優れた耐食性を得、耐候性の劣る表面の塗装
を省略するためには、外壁や屋根の外側にはチタンを用
いることが最適である。しかし、チタンは高価な上に前
述したように建造物の構造部材との接合が不可能であり
このままでの使用は不可能である。そこで、本発明者ら
は、構造部材と接合する必要のある面が溶接が可能であ
る鋼としたチタンクラッド鋼の利用を着想した。
を省略するためには、外壁や屋根の外側にはチタンを用
いることが最適である。しかし、チタンは高価な上に前
述したように建造物の構造部材との接合が不可能であり
このままでの使用は不可能である。そこで、本発明者ら
は、構造部材と接合する必要のある面が溶接が可能であ
る鋼としたチタンクラッド鋼の利用を着想した。
しかし、チタンクラッド鋼の薄板は、Tiの裏面を安価な
鋼に変えることによるコスト低減効果がわずかでむしろ
クラッド製造のための費用を上回るために、これまでほ
とんど製造されたり使用されたりしなかった。これに対
して、本発明者らは、中間媒接物を適正に選択使用する
ことで著しく安価なチタンクラッド薄鋼板を製造する方
法を発明した(特開平1−122677号)。本発明は、この
チタンクラッド薄鋼板の製造方法に依存してなされたも
のであ。すなわち、 (1)表面が0:0.15%以下、H:0.01%以下、N:0.04%以
下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含んでな
るチタン、裏面が鋼で一体に圧着成形し、かつ該鋼表面
および側面を亜鉛めっきで被覆して構成したことを特徴
とする耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板。
鋼に変えることによるコスト低減効果がわずかでむしろ
クラッド製造のための費用を上回るために、これまでほ
とんど製造されたり使用されたりしなかった。これに対
して、本発明者らは、中間媒接物を適正に選択使用する
ことで著しく安価なチタンクラッド薄鋼板を製造する方
法を発明した(特開平1−122677号)。本発明は、この
チタンクラッド薄鋼板の製造方法に依存してなされたも
のであ。すなわち、 (1)表面が0:0.15%以下、H:0.01%以下、N:0.04%以
下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含んでな
るチタン、裏面が鋼で一体に圧着成形し、かつ該鋼表面
および側面を亜鉛めっきで被覆して構成したことを特徴
とする耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板。
(2)表面が0:0.15%以下、H:0.01%以下、N:0.04%以
下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含んでな
るチタン、裏面がC:0.1%以下でかつ少なくともCrを10
%以上25%以下含むステンレス鋼で、一体に圧着成形し
て構成したことを特徴とする耐食性の優れた鋼構造建造
物外装用パネル板。
下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含んでな
るチタン、裏面がC:0.1%以下でかつ少なくともCrを10
%以上25%以下含むステンレス鋼で、一体に圧着成形し
て構成したことを特徴とする耐食性の優れた鋼構造建造
物外装用パネル板。
を発明した。裏面の鋼の種類は特に限定されるものでは
ないが、裏面や側面の耐食性を維持するために、亜鉛め
っきを施すか少なくともCrを10%以上25%以下含むステ
ンレス鋼を利用することが必要である。特に、Niを6%
以上添加したオーステナイト系ステンレス鋼を母材に選
択すると、耐食性はもちろん加工性も大幅に向上する。
ないが、裏面や側面の耐食性を維持するために、亜鉛め
っきを施すか少なくともCrを10%以上25%以下含むステ
ンレス鋼を利用することが必要である。特に、Niを6%
以上添加したオーステナイト系ステンレス鋼を母材に選
択すると、耐食性はもちろん加工性も大幅に向上する。
本発明による鋼構造建造物外装用パネル板の構成を示す
断面模式図を第1図および第2図に示した。第1図およ
び第2図において、aは表面のチタン、bとEは母材で
それぞれ炭素鋼とステンレス鋼、cは接合のために用い
た中間媒接材、dは表面にめっきしたZn層である。
断面模式図を第1図および第2図に示した。第1図およ
び第2図において、aは表面のチタン、bとEは母材で
それぞれ炭素鋼とステンレス鋼、cは接合のために用い
た中間媒接材、dは表面にめっきしたZn層である。
ところで、本発明の効果は、特開平1−122677号に基づ
いて製造されたチタンクラッド薄鋼板だけでなく、また
表面のチタンと裏面の鋼の間に存在する金属等がいかな
る種類であろうとも、さらに中間媒接材を使用しないで
製造したチタンクラッド鋼板のように、他の金属等が存
在しなくても、全く同様に享受できるものである。
いて製造されたチタンクラッド薄鋼板だけでなく、また
表面のチタンと裏面の鋼の間に存在する金属等がいかな
る種類であろうとも、さらに中間媒接材を使用しないで
製造したチタンクラッド鋼板のように、他の金属等が存
在しなくても、全く同様に享受できるものである。
本発明においては、耐食性の優れた鋼構造建造物外装用
パネル板の製造を可能ならしめるために、Tiの成分を限
定した。この結果、従来チタンクラッド鋼板では全く不
可能であった平滑な湾曲面を有する端部やコーナー部の
加工が可能となった。
パネル板の製造を可能ならしめるために、Tiの成分を限
定した。この結果、従来チタンクラッド鋼板では全く不
可能であった平滑な湾曲面を有する端部やコーナー部の
加工が可能となった。
以下に、チタンクラッド鋼板のTiの成分を限定すること
で成形加工が可能となった経緯を説明する。
で成形加工が可能となった経緯を説明する。
まず、厚板用に製造されたチタンクラッド鋼板を、鋼と
同様の冷延を行ない1.0mm厚さの薄板とし、次いでやは
り深絞り鋼板で実施されている再結晶焼鈍を行なってチ
タンクラッド薄鋼板を試作した。しかし、この従来から
ある材料を用い、従来から知られている方法で製造した
チタンクラッド鋼板は、先端角40Rで角筒絞りを行なっ
たところ角部分で合せ材母材ともに破断し、かつポンチ
先端部分では合せ材のTi層が破れ一体に圧着成形するこ
とができなかった。この原因を調査検討したところ、厚
板用のチタンクラッド鋼板のTiは、強度を保証するため
に固溶酸素や水素が多く、それゆえ加工性が劣ることが
判明した。すなわち、本発明の対象とする用途における
加工を行なうためには、Ti中の固溶酸素量を限定しかつ
析出水素化物を低減する必要があることを見出した。
同様の冷延を行ない1.0mm厚さの薄板とし、次いでやは
り深絞り鋼板で実施されている再結晶焼鈍を行なってチ
タンクラッド薄鋼板を試作した。しかし、この従来から
ある材料を用い、従来から知られている方法で製造した
チタンクラッド鋼板は、先端角40Rで角筒絞りを行なっ
たところ角部分で合せ材母材ともに破断し、かつポンチ
先端部分では合せ材のTi層が破れ一体に圧着成形するこ
とができなかった。この原因を調査検討したところ、厚
板用のチタンクラッド鋼板のTiは、強度を保証するため
に固溶酸素や水素が多く、それゆえ加工性が劣ることが
判明した。すなわち、本発明の対象とする用途における
加工を行なうためには、Ti中の固溶酸素量を限定しかつ
析出水素化物を低減する必要があることを見出した。
第3図に、Ti層厚さ100〜120μm、全厚さ1.0mmのチタ
ンクラッド鋼板の180゜Ti外曲げ試験結果に及ぼすTi中
の含有酸素量の影響を示した。図中〇印は、Tiが割れる
ことなく良好に曲ったことを、×印はTi面に割れが生じ
たことを示した。含有酸素量が0.15%以下になると、曲
げ半径が0.5mm(t/2)でTi面に割れを発生することなく
良好に曲り、さらには含有酸素量が0.01%以下では密着
曲げでも割れを生じないことが判明した。逆に含有酸素
量が0.15%を超えると急激に曲げ性が劣化し、曲げ半径
が0.5mm(t/2)はもちろん1mm(t)180゜曲げでも割れ
を生じた。
ンクラッド鋼板の180゜Ti外曲げ試験結果に及ぼすTi中
の含有酸素量の影響を示した。図中〇印は、Tiが割れる
ことなく良好に曲ったことを、×印はTi面に割れが生じ
たことを示した。含有酸素量が0.15%以下になると、曲
げ半径が0.5mm(t/2)でTi面に割れを発生することなく
良好に曲り、さらには含有酸素量が0.01%以下では密着
曲げでも割れを生じないことが判明した。逆に含有酸素
量が0.15%を超えると急激に曲げ性が劣化し、曲げ半径
が0.5mm(t/2)はもちろん1mm(t)180゜曲げでも割れ
を生じた。
第4図に、同じく含有酸素量が0.07〜0.09%のTi層厚さ
100〜200μm、全厚さ1.0mmのチタンクラッド鋼板の180
゜Ti外曲げ試験結果に及ぼすTi中の含有水素量の影響を
示した。図中の印は第3図と同じである。含有水素量が
0.01%以下では、曲げ半径が0.5mm(t/2)の180゜曲げ
でTi面に割れを生ずることなく良好に曲ることが判明し
た。しかし、0.01%を超えると急激に曲げ性は劣化し、
曲げ半径が0.5mm(t/2)はもちろん1mm(t)の180゜曲
げでも割れを生じた。
100〜200μm、全厚さ1.0mmのチタンクラッド鋼板の180
゜Ti外曲げ試験結果に及ぼすTi中の含有水素量の影響を
示した。図中の印は第3図と同じである。含有水素量が
0.01%以下では、曲げ半径が0.5mm(t/2)の180゜曲げ
でTi面に割れを生ずることなく良好に曲ることが判明し
た。しかし、0.01%を超えると急激に曲げ性は劣化し、
曲げ半径が0.5mm(t/2)はもちろん1mm(t)の180゜曲
げでも割れを生じた。
次に、本発明の限定条件を示す。
外装パネル板の表面は、耐食性の点からチタンに、また
裏面は鋼構造建築物との溶接性の点から鋼ないし亜鉛め
っきした鋼あるいはステンレス鋼に限定した。
裏面は鋼構造建築物との溶接性の点から鋼ないし亜鉛め
っきした鋼あるいはステンレス鋼に限定した。
表面Tiに含まれる酸素含有量は、第3図に示したとおり
急激に曲げ性劣化の起きない範囲、すなわち0.15%以内
が望ましい。酸素含有量は低ければ低いほど加工性が向
上するが、酸素低減のためのコストも上昇する。従っ
て、工業生産においては用途製造量などによっておのず
と下限が設定されるので、本発明では限定しない。
急激に曲げ性劣化の起きない範囲、すなわち0.15%以内
が望ましい。酸素含有量は低ければ低いほど加工性が向
上するが、酸素低減のためのコストも上昇する。従っ
て、工業生産においては用途製造量などによっておのず
と下限が設定されるので、本発明では限定しない。
表面Tiに含まれる水素は、第4図に示したとおり、急激
な曲げ性劣化の起きない範囲、すなわち0.01%以下が望
ましい。水素含有量も低ければ低いほど加工性が向上す
るが、水素低減のためのコストも上昇する。従って、工
業生産においては用途生産量などによっておのずと下限
が設定されるので、本発明では限定しない。
な曲げ性劣化の起きない範囲、すなわち0.01%以下が望
ましい。水素含有量も低ければ低いほど加工性が向上す
るが、水素低減のためのコストも上昇する。従って、工
業生産においては用途生産量などによっておのずと下限
が設定されるので、本発明では限定しない。
表面Tiに含まれる窒素量は、0.04%以下では加工性に大
きな影響が認められないが、それを超えるとTiNが析出
し、加工性が低下するので0.04%以下が望ましい。
きな影響が認められないが、それを超えるとTiNが析出
し、加工性が低下するので0.04%以下が望ましい。
母材には、炭素鋼ないし、亜鉛めっきした炭素鋼を用い
ることが可能である。さらに、母材の耐食性を向上させ
ることを狙い、母材にステンレス鋼を用いることが考え
られる。この場合、Cr量は10%未満ではステンレス鋼と
して基本的な耐食性に欠けるため下限とし、25%を超え
ると母材の加工性が劣化するために上限とした。
ることが可能である。さらに、母材の耐食性を向上させ
ることを狙い、母材にステンレス鋼を用いることが考え
られる。この場合、Cr量は10%未満ではステンレス鋼と
して基本的な耐食性に欠けるため下限とし、25%を超え
ると母材の加工性が劣化するために上限とした。
本発明第2項の発明において、母材側の鋼ないしステン
レス鋼のC含有量は、0.1%を超えると鋼側の加工性が
劣化するため、上限とした。
レス鋼のC含有量は、0.1%を超えると鋼側の加工性が
劣化するため、上限とした。
母材のステンレス鋼には、加工性の一層の改善を目的と
して微量のAl,Ti,Nbを単独ないし複合で、耐食性の一層
の改善を狙って微量のMo,Cuや比較的多量のNiを単独な
いし複合で添加した鋼を用いることが可能であり、本発
明の効果は全く同様に享受可能である。
して微量のAl,Ti,Nbを単独ないし複合で、耐食性の一層
の改善を狙って微量のMo,Cuや比較的多量のNiを単独な
いし複合で添加した鋼を用いることが可能であり、本発
明の効果は全く同様に享受可能である。
[作用] 本発明では、表面をTi、裏面を亜鉛めっきを施した鋼な
いしステンレス鋼とした。この結果、表面での錆発生は
完全に抑制され、建造物のメンテナンスを不要とした。
また、裏面は鋼であるためにスタッドボルトの溶接によ
る取付けが容易で、それを利用して鋼構造建造物への取
付けが可能となる。裏面にステンレス鋼を用いた場合、
裏面や端面の耐食性が向上するので、許容される裏面側
の環境の自由度が増加する。
いしステンレス鋼とした。この結果、表面での錆発生は
完全に抑制され、建造物のメンテナンスを不要とした。
また、裏面は鋼であるためにスタッドボルトの溶接によ
る取付けが容易で、それを利用して鋼構造建造物への取
付けが可能となる。裏面にステンレス鋼を用いた場合、
裏面や端面の耐食性が向上するので、許容される裏面側
の環境の自由度が増加する。
また、Ti層中の微量ガス成分と鋼中の微量成分を限定し
た材料を用いて平滑な湾曲面を有する形状に構成した外
装パネル板は、前述した特性に加えて、意匠性に優れて
いる。さらに一体に成形加工する製造方法にプレス加工
を適用すると多量生産が可能になる等、生産上からも利
益が得られる。
た材料を用いて平滑な湾曲面を有する形状に構成した外
装パネル板は、前述した特性に加えて、意匠性に優れて
いる。さらに一体に成形加工する製造方法にプレス加工
を適用すると多量生産が可能になる等、生産上からも利
益が得られる。
[実 施 例] 第1表に化学組成を示したTiを表面に、第2表に化学組
成を示した鋼を裏面とした1mm厚のチタンラッド鋼板を
用いて600mmφないし750mmφ、深さ20mmの外装パネル板
を作成した。この他に、クラッド鋼ではない薄鋼板を比
較材として試験に加えた。その形状特性および耐食性試
験結果を第3表に示した。
成を示した鋼を裏面とした1mm厚のチタンラッド鋼板を
用いて600mmφないし750mmφ、深さ20mmの外装パネル板
を作成した。この他に、クラッド鋼ではない薄鋼板を比
較材として試験に加えた。その形状特性および耐食性試
験結果を第3表に示した。
チタンクラッド鋼板を使用した本発明例は、いずれも耐
食性試験で表面に錆を発することがなく優れた耐食性を
示した。この傾向は十字疵を事前に付けたものでも同じ
であった。
食性試験で表面に錆を発することがなく優れた耐食性を
示した。この傾向は十字疵を事前に付けたものでも同じ
であった。
表面のTiに含まれるO,H,N,Feを限定したチタンクラッド
鋼製でプレス加工により一体に成形した外装パネル板
は、4ヵ所のコーナー部分に曲げによる重なりがなく平
滑な湾曲面を有しており、外観上非常に美麗であった。
鋼製でプレス加工により一体に成形した外装パネル板
は、4ヵ所のコーナー部分に曲げによる重なりがなく平
滑な湾曲面を有しており、外観上非常に美麗であった。
さらに、裏面にステンレス鋼を使用したチタンクラッド
鋼製でプレス加工により製造した外装パネル板は、形状
的な美しさに加えて、裏面になんらの表面処理を加えな
い状態でも耐食性に優れていた。
鋼製でプレス加工により製造した外装パネル板は、形状
的な美しさに加えて、裏面になんらの表面処理を加えな
い状態でも耐食性に優れていた。
これに対して、薄鋼板を用い表面に塗装を行なった比較
加工品は、表面の塗膜が健全な間は本発明品と同じ耐食
性を示したが、表面に疵が入ると極めて短時間で発銹が
始り、さらに継続することで塗膜が剥離した。
加工品は、表面の塗膜が健全な間は本発明品と同じ耐食
性を示したが、表面に疵が入ると極めて短時間で発銹が
始り、さらに継続することで塗膜が剥離した。
[発明の効果] 本発明により、建造物外壁の取付け強度が高く安全にな
っただけでなく、外壁や屋根の軽量化が達成できたこと
から、鋼構造建築物では構造の簡素化が可能となり、さ
らに耐食性が著しく向上した結果、メンテナンスが不要
となったことから、工業的な利益ははかりしれない。特
許に高層建築物において、外装材の落下の危険があった
り外壁の腐食などから定期的なメンテナンスが不可欠で
あったが、本発明によりいずれの点からもメンテナンス
が不要となった。これにより得られた効果は、工業的な
面からの経済的利益はもちろん、都市の景観を阻害する
メンテナンス作業がなくなることによる直接経済効果に
は現れない社会的利益の点からも、莫大なものとなる。
っただけでなく、外壁や屋根の軽量化が達成できたこと
から、鋼構造建築物では構造の簡素化が可能となり、さ
らに耐食性が著しく向上した結果、メンテナンスが不要
となったことから、工業的な利益ははかりしれない。特
許に高層建築物において、外装材の落下の危険があった
り外壁の腐食などから定期的なメンテナンスが不可欠で
あったが、本発明によりいずれの点からもメンテナンス
が不要となった。これにより得られた効果は、工業的な
面からの経済的利益はもちろん、都市の景観を阻害する
メンテナンス作業がなくなることによる直接経済効果に
は現れない社会的利益の点からも、莫大なものとなる。
【図面の簡単な説明】 第1図および第2図は本発明の鋼構造造築物外装用パネ
ル板の構成を示す断面模式図、第3図は、チタンクラッ
ド鋼板の曲げ試験性に及ぼすTi中の含有酸素量の影響を
示した図、第4図に、チタンクラッド鋼板の曲げ試験性
に及ぼすTi中の含有水素量の影響を示した図である。 a……チタン、b……炭素鋼 c……中間媒接材、d……Zn層 E……ステンレス鋼
ル板の構成を示す断面模式図、第3図は、チタンクラッ
ド鋼板の曲げ試験性に及ぼすTi中の含有酸素量の影響を
示した図、第4図に、チタンクラッド鋼板の曲げ試験性
に及ぼすTi中の含有水素量の影響を示した図である。 a……チタン、b……炭素鋼 c……中間媒接材、d……Zn層 E……ステンレス鋼
フロントページの続き (72)発明者 倉橋 隆郎 北海道室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式 會社室蘭製鐵所内 (72)発明者 宇野 暢芳 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式會社内 (72)発明者 志村 保美 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式會社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭63−306031(JP,A) 特開 昭48−5624(JP,A) 特開 昭48−23661(JP,A) 特開 昭61−199513(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】表面が0:0.15%以下、H:0.01%以下、N:0.
04%以下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含
んでなるチタン、裏面が鋼で一体に圧着成形し、かつ該
鋼表面および側面を亜鉛めっきで被覆して構成したこと
を特徴とする耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル
板。 - 【請求項2】表面が0:0.15%以下、H:0.01%以下、N:0.
04%以下、Fe:0.2%以下およびその他不可避不純物を含
んでなるチタン、裏面がC:0.1%以下でかつ少なくともC
rを10%以上25%以下含むステンレス鋼で、一体に圧着
成形して構成したことを特徴とする耐食性の優れた鋼構
造建造物外装用パネル板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2123703A JPH0717036B2 (ja) | 1990-05-14 | 1990-05-14 | 耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2123703A JPH0717036B2 (ja) | 1990-05-14 | 1990-05-14 | 耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0419133A JPH0419133A (ja) | 1992-01-23 |
| JPH0717036B2 true JPH0717036B2 (ja) | 1995-03-01 |
Family
ID=14867259
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2123703A Expired - Lifetime JPH0717036B2 (ja) | 1990-05-14 | 1990-05-14 | 耐食性の優れた鋼構造建造物外装用パネル板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0717036B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5947077A (ja) * | 1982-09-10 | 1984-03-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | チタンクラッド鋼の製造方法 |
| JPS61199513A (ja) * | 1985-02-28 | 1986-09-04 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 高温鋼材用搬送テ−ブルに取付けられた保温カバ− |
| JPH0813522B2 (ja) * | 1987-06-08 | 1996-02-14 | 住友金属工業株式会社 | チタン系金属クラッド鋼とその製造方法 |
-
1990
- 1990-05-14 JP JP2123703A patent/JPH0717036B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0419133A (ja) | 1992-01-23 |
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